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H30.6.22
電子申告委任の範囲


行政手続オンライン化法とその委任
 行政手続オンライン化法は、申請、届出を対象としており、この申請、届出に「申告」が含まれるものなのかどうか、明らかではありません。国税通則法では、「申告、申請、請求、届出その他書類」と表現しているので、齟齬があります。
 行政手続オンライン化法は、わずか12条の行政横断的な法律なので、網羅的である分、目が粗く、省令に白紙委任的です。委任できる範囲の限界も不明で、旧来の租税法体系なら政令委任になるべきものまで、省令委任になっています。
 まして、電子署名を不要とすることまで、省令、その委任での国税庁長官告示で決めてしまうことを、行政手続オンライン化法が委任している、と言えるか、はなはだ疑問です。法人税法の署名押印規定は、その違反に「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」を課すもので、その署名押印の代用としての電子署名なのにです。

税理士関与のときの電子証明不要
 国税電子化省令第5条では電子署名を義務づけています。署名押印に代わるものだからです。なお、その但し書きがあり、電子署名不要のケースがあることに触れて告示委任しています。その告示は本来、源泉税の納付のようなケースを前提としているものでした。それなのに、突然、税理士関与での電子申告では、納税者の電子署名は不要で、税理士の電子署名だけでよい、と告示に付け足しています。
 その是非はさて置き、電子署名が不要とされるのは、税理士への税務書類作成委嘱者とされているので、それは通常は税務代理権限証書に押印する者としての会社代表者のことであり、経理担当者の電子署名までは不要とされていません。

今年の税制改正で変わる署名押印
 ところで、今年の税制改正で、代表者と経理責任者の両方の自署押印の規定が廃止されました。その結果、違反者に対する「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という罰則規定も消滅しています。
 それで、書面による法人税の申告書から、経理責任者欄がなくなります。電子申告も同じです。代表者欄は、他の税金の申告書と同じで、国税に関しては、国税通則法の規定に拠り、代表者記名押印の欄が設けられます。