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H21.9.30
工事収益における認識基準
会計基準と税務基準


従来、我が国の会計基準では、工事請負契約における収益認識基準は、「工事進行基準」と「工事完成基準」の選択適用が認められていました。
しかし、平成21年4月から始まる事業年度から、上場・非上場や会社規模に関わらず、「工事進行基準」での会計処理が原則適用となりました。また、この新会計基準は、建設業だけでなく、受注制作のソフトウェアや制作物についても適用されます。

(1)会計における進行基準の適用要件

 会計基準では、「成果が確実に認められる工事」については工事進行基準を適用し、それ以外の工事の場合には工事完成基準を適用することとされました。
「成果の確実性」については、@「工事収益の総額」、A「工事原価の総額」、B「決算日における進捗度」の3つが信頼性をもって見積もれることを条件としています。
 また、進捗度を表す方法として、「原価比例法」(工事原価の見積総額に占める実際原価の割合から進捗度を導く方法)を例示しています。

(2)税法における進行基準の適用要件

 法人税法では、平成20年の税制改正で、工事進行基準の適用範囲を拡大及びその適用要件を緩和しました。
 具体的には、@工事の請負にソフトウェアの受注制作が追加され、A長期大規模工事の要件のうち、(イ)工事期間要件が1年以上(改正前:2年)、(ロ)請負金額要件については10億円(改正前:50億円)以上にそれぞれ見直されました。会計基準とは違い、法人の自由な選択といった恣意性が排除されています。
また、B長期大規模工事以外の工事で損失が生ずると見込まれるものについて、工事進行基準が適用できることとされ(改正前:適用不可)、C工事進行基準の方法により計上される未収入金部分について、貸倒引当金の対象となる売掛債権等の帳簿価額とすることとされました。

(3)税法における進行基準の適用方法 

 法人税法では、会計基準と同様「原価比例法」を原則としています。具体的には、@工事進捗割合=発生した工事原価(原材料、労務費等)÷工事の見積原価総額、A当期に計上すべき工事収益の額=工事請負対価の額×工事進捗割合-前期以前に工事収益に計上した金額、B当期に計上すべき工事原価の額×工事進捗割合-前期以前に工事原価に計上した金額。





H21.9.29
医師会の消費税非課税批判


非課税はありがた迷惑

日本医師会は平成22年度税制改正要望で、社会保険診療報酬等に対する消費税の非課税制度をゼロ税率ないし軽減税率とすることを求めています。
社会保険診療報酬等に対する消費税は非課税とされているため、医療機関の仕入れに係る消費税額(医薬品・医療材料・医療器具等の消費税額、病院用建物等の取得や業務委託に係る消費税額など)のうち、社会保険診療報酬等に対応する部分は仕入税額控除が適用されず、還付(戻し税)されないことは、不合理と指摘しています。
そして、ゼロ税率ないし軽減税率になれば、一切の消費税非課税に関する不合理を解消できるとしています。

医師会だけではない

国は、消費税を課税するとしている課税売上に係る消費税の総額を税収とすればよいのにもかかわらず、非課税と定めた売上に係る前段階仮納付消費税を収納したまま還付しません。非課税売上に係る消費税が国に仮納付されたままであることは不合理なことです。
医師会はこれを指摘するのですが、不合理から救済を医師会だけの問題としています。しかし、この不合理には介護サービスや住宅貸付ほか多くの非課税事業者が被害を受けているのですから、医師会だけの主張にすべきではありません。

医師会は配慮されていた

消費税導入の際やその後の(3%→5%)税率引上げの際において、還付されない消費税相当分を考慮して社会保険診療報酬の値上げがされています。
確かに、医療機器、病院用建物等の取得の際に負担する消費税は多額になるため、こういうものまでの配慮が不十分であることの主張に誤りはありません。
とは言え、他の中小零細の非課税事業者はそのような仕入税額控除不適用分を売上代金に転嫁できる制度的恩恵を受けることなどできず、泣き寝入りしているだけなのですから、このような非課税事業者の声も代弁した主張にしてほしいところです。

医師会のあとに続くべき

医師会の主張を嚆矢と捉えれば、他の非課税事業者に係る業界団体も同様な主張をすべきです。努力しなければ報われません。





H21.9.28
膠着状態からの脱出

業務の固定化による膠着状態

何事においても膠着状態が続くと良くありません。企業にとっては、なおさらです。
特に中小企業では従業員数が少ないため、業務の固定化が起こりやすく、良い意味では、スペシャリストが育ちますが、一方において脅威的な膠着状態も起こります。

何が膠着状態の原因となるのか?

 同じ業務を長年反復していると、「外部取引関係者との固定化、取扱商品の固定化、時間配分の固定化」などによって、意識の柔軟性が欠落し、新しい事へのチャレンジ精神が低下しやすくなり、現状からの脱却が出来ない膠着状態が続くこととなります。


では、どのように脱却するのか?
 
リーダーの最も重要な仕事は、常に改革のグランドデザインを描くことであり、“そのことが達成されたならば・・”と従業員を達成に導くことが大切となります。

組織を膠着状態から脱出させるには、明確に「価値あるグランドデザインと達成の道しるべ」を打ち出さなければなりません。

すなわち、従業員の固定観念を打破することで、改革意識を臨界点に導くのです。
 
具体的な行動は?

固定観念を打破する具体的な行動の変化として、人事組織の変更や担当者の業務の変更にとどまらず、資金の使い方や会議の運営方法の変化など経営資源の組替えを大胆に実行し、安定から不安定化を意図したリーダーの強い行動の変化こそが、膠着状態から抜け出す大きな転機となります。





H21.9.25
夫婦の年齢差と年金受給額

加給年金と振替加算の関係で変わる年金額
 年金受給をする際に、夫婦の年齢差で年金受給額の有利・不利はあるのでしょうか?
 夫婦各々の年金受給額は加入中の報酬や、加入期間で決まってきますので、その時点では有利、 不利ということはありません。
 但、厚生年金の加入期間が20年以上ある場合には、配偶者や子がいる場合、加給年金や振替加算が付く事があります。
 加給年金とは、厚生年金に20年以上(男子40歳以降、女子35歳以降に15年以上)加入した人が定額部分の支給開始年齢となった時に、その方の65歳未満の配偶者(一般的には妻)で年収850万円未満(所得では655.5万円未満)の人や、18歳到達時年度末までにある子がいる場合に受けられるものです。受給権者(一般的には夫)が昭和18年4月2日生以降の人の場合は配偶者加給年金額は39万6千円、子の場合は22万7千9百円が支給されます。
 振替加算とは、配偶者が65歳になると、加給年金ははずれますが、配偶者自身の老齢基礎年金に加給年金相当額として振替加算が支給されます。但、振替加算に切り換わると配偶者の生年月日により、加給年金額よりは減額された額で支給されます。
 つまり、配偶者が若ければ若いほど、加給年金は長い期間受給できる事となります。
 また、配偶者(一般的には妻)が働いている場合、厚生年金加入期間が20年以上ある(男子40歳以降、女子35歳以降に15年以上)配偶者が厚生年金を受給するようになると、加給年金は支給されなくなります。
 配偶者が20年以上厚生年金に加入した場合には、加給年金や振替加算は支給されないのですから、配偶者の勤務期間が20年を超えそうな時は、場合によっては退職も一つの選択肢かもしれません。





H21.9.24
仮装隠蔽と偽り不正

仮装隠蔽と偽り不正
 「仮装隠蔽」と「偽り不正」との二つの言葉があります。税法上いずれも不適法な行為の類型なのですが、この二つは明確に使い分けられています。
 言葉のニュアンスから不適法の程度はどちらが重いと思われますか。難しい漢字を使っているほうが重々しく感じられるかもしれませんね。

仮装隠蔽へのペナルティー
 仮装隠蔽行為は重加算税が課せられる原因となります。
また、仮装隠蔽により支給された役員給与は損金不算入です。仮装隠蔽行為のために要した費用は損金不算入です。仮装隠蔽行為があるときには青色申告承認や連結納税承認が取消しとなる場合があります。

偽り不正へのペナルティー
 偽り不正の行為については5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金という罰則があります。
 また、期限前納税が強制されたり、1年超の期間の延滞税の免除規定が不適用となったり、更正処分の期間制限や国税債務の時効の期間が7年に延びてしまう、という重い負担が強いられます。

仮装隠蔽と偽り不正の範囲の相違
 仮装隠蔽とは、(1)二重帳簿の作成、(2)帳簿・書類・証憑の隠匿、虚偽記載、改竄、(3)架空名義などでの事業の経営や取引・所有・取得、(4)税務調査での虚偽答弁、などであるとされています。
 偽り不正とは、脱税の意思を持って偽計その他の工作をして、税の賦課徴収を不能もしくは著しく困難ならしめる過少申告や無申告をすることとされています。
偽り不正は仮装隠蔽を含むが
 偽り不正とされ、7年間の遡及課税をされたアメリカ大使館職員給与の過少申告の事件では例外的に重加算とされませんでしたが、偽り不正事件のほとんどは重加算税の対象になっています。
逆に、仮装隠蔽には刑事罰規定はありませんし、仮装隠蔽ゆえに重加算税が課されても、時効5年や個人3年、法人5年の更正除斥期間に変更はありません。延滞税の1年超期間の免除も維持されます。
 語感からくる仮装隠蔽と偽り不正の違法性の軽重度合いは似ているかもしれませんが、ペナルティーの重さには大きな相違があります。





H21.9.18
仮決算のすすめ

前事業年度の法人税額が20万円を超える場合、半期経過後に、その半分の税額を納税する必要があります。しかし、業績が悪化し資金繰りが厳しい場合、納税せずに済ませる方法があります。

中間申告には2種類ある!

(1)予定申告
前事業年度の法人税額等の半分を、半期経過後から2カ月以内に納税する方法です。
ただし、前事業年度の法人税額が20万円以下の場合には、納税する必要はありません。また、中間申告書を提出しない場合は、予定申告したものとみなされますので、納税せずに放っておくと延滞税がかかってしまいます。

(2)仮決算による申告
仮決算とは、事業年度開始から6カ月間を1事業年度とみなして中間決算を行い、それに基づいて、中間申告を行う方法です。
前期は業績が良く多額の納税を行ったが、今期は業績が悪かったり赤字が見込まれる場合は、仮決算に基づく中間申告を行うことにより、中間納税の負担が軽減されます。
なお、この場合は、税務署等から送られてくる中間申告書は使用せず、確定申告書と同じ様式によって申告します。

中間申告による納税額は、確定申告による納税額から控除されます。

仮決算ってどうするの?
仮決算も決算ですので、基本的には、決算手続きと同様の手順です。
現金残高の確認から始まり、減価償却費の計上や決算整理仕訳も行います。

消費税は?
消費税も仮決算による中間申告を行うことができます。法人税は予定申告で消費税は仮決算で、といったようにそれぞれ選択適用できますので、シミュレーションして有利な方法を選択すると良いでしょう。





H21.9.17
特例民法法人(旧公益法人)待ったなし
2階に上がるか、1階に下りるか!

新公益法人制度の根拠となる法律3本が平成18年5月成立、平成20年12月1日から施行されています。
 この3本の法律は、@一般社団・財団法人に関する法律(法人法)、A公益社団・財団の認定等に関する法律(認定法)、そして、B従来の公益法人に係る新制度への移行手続きに関する法律(整備法)からなります。

(1)新公益法人制度の骨子
 新制度では、公益法人の設立は、従来の主務官庁による許可主義から準則主義に改められました。具体的には、@法人法の要件を満たせば、登記のみで一般社団・財団法人を設立することが可能となり、A設立された一般社団・財団法人のうち、認定法に定められた基準を満たしていると認められる法人は、公益認定を受けて公益社団・財団になることができます。

(2)既存の公益法人はどうなったのか
 既存の公益法人(社団・財団)は、新制度の施行(平成20年12月1日)と同時に「特例民法法人」となりました。そして、法律の施行から5年以内(平成25年11月30日まで)に、公益社団・財団法人への移行認定(2階に上がる)又は一般社団・財団への移行認可(1階に下りる)の申請をしなければなりません。申請を行なわなかった場合、認定又は認可が得られなかった場合は、解散となります。なお、特例民法法人の間(移行期間5年間)は、運営及び法律の適用関係は従前のままです。

(3)公益法人(2階に上がる)への移行
 特例民法法人が公益認定を受けて「公益社団・財団法人」になるためには、定款の内容等が法人法及び認定法に適合することが前提にありますが、少なくとも、認定基準の次の3条件をクリアーしないと厳しいと考えます。@収支相償であること(公益事業で儲けてはいけない)、A公益目的事業比率が50%以上であること(公益事業に要する費用が事業費及び管理費の合計額の5割以上であること)、B遊休財産額が1年分の公益目的事業費相当額を越えないこと。

(4)一般法人(1階に下りる)への移行
 特例民法法人が一般社団・財団法人への移行は比較的容易ですが、最大の障害は、法人の移行時の純資産額を基礎に計算した「公益目的財産額」がある法人にあっては、公益目的財産額に相当する金額を公益の目的のために消費していく実行性のある計画(公益目的支出計画)を作成しなければならないことです。





H21.9.16
健康診断を受診しない時

 
職場の健康管理(健康診断)
 企業には、そこに働く人に対し、安全と健康を確保するため、健康診断の実施をする事が「労働安全衛生法」に定められています。対象者は常時雇用する従業員については、1年以内に1回、パートタイマーでも1年以上雇用され、1週間の労働時間が通常勤務者の4分の3以上の者については同様に実施する事となっています。
 健康診断の実施はその結果について医師からの意見を聴き、事後措置等を本人へ通知し労災予防や健康維持のための指導を行う事であり、健康管理は企業の安全配慮義務の観点からも、又、活力ある職場環境の面からも欠かせないものでしょう。

健康診断の未受診者の扱いはどうする?
 しかし、定期健診を予定していても、業務多忙や個人的な都合で受診しなかったり、受診拒否された場合、会社に責任はあるのでしょうか?
 健康診断の受診は従業員にも受診義務がある事が「安衛法」に定められています。ただ、ここには未受診者に対する罰則等は規定されていません。企業としては、従業員側にも受診義務がある事を告げ、診断日の予備日を設けたり、受診しやすいよう業務上の配慮を行い、未受診者には改めて受診を指示する事が必要でしょう。(尚、従業員が他の医師の健診を受け、その結果の書面を提出した場合は、会社の健診を受けなくて良い事とされています。)
 企業は受診機会の提供や費用負担をするだけでも、なかなか大変ではありますが、健診日を設定するだけでは不十分なので、従業員側にも健康診断の大切さを理解させ協力を求めたり、就業規則に従業員側にも受診義務がある旨を記載しておくのも良いでしょう。





H21.9.15
景気と労働時間の関係

最近働きたいが、仕事量減じて余暇が増える

 昨今の景気後退で働く人の労働時間が減ってきています。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によってもその実態は明らかになっています。我が国の実労働時間は10年以上前は年間2,000時間を超えていました。最近10年は週休2日制の進展もあり、1、800時間台半ばで推移していました。但、この数字はパートタイム労働者を含んだ全労働者の平均労働時間であり、むしろ一般労働者の労働時間はここ数年は増加傾向にありました。週60時間以上働く長時間労働者は30代では5人に1人という調査結果もあり、08年度の過労による労災認定者数も心の病の人は過去最多、過労自殺や過労死も過去2番目の高水準でした。景気が悪化し、企業間の競争が激化した職場では益々厳しい労働環境になってきています。

 しかし、一方で、08年秋に生じた金融危機以降雇用情勢が悪化して、労働時間が減った職場も大幅に増えて来ています。ある調査によると正規社員では3割程度が、非正規社員では4割以上が労働時間が減ったと答えています、
 所得の面でも一世帯当たりの平均所得は1994年の年664万円をピークに減少傾向にあり、非正規社員の増加や高齢者単身世帯の増加が影響し、07年には世帯収入は556万2千円と19年ぶりの低水準です。
 所定外労働時間(残業時間)も09年4月には月13時間と前年同月比で22.3%減じています。

 今までのように過重労働が問題となっていた時期に比べ、労働時間が減る事は喜ぶべき事のはずですが、収入が減ると帰りにちょっと一杯もしにくくなりますし、将来設計にも影をおとしてきます。家族団欒の時間が増える事は良い事ですが、空いた時間の使い方に本人だけでなく、人によっては早い時間の帰宅に家庭でもとまどいの光景がみえるようです。
 働く環境と収入のバランスがとれるのが良いのでしょうが、今は企業も働く人も将来に備えた種まきの時期ということでしょうか。





H21.9.14
払ってない保険料の控除

2分の1損金保険
養老保険では保険期間満了時に死亡保険金と同額の満期保険金が支払われます。契約者が法人、被保険者が役員及び従業員、満期保険金の受取人が法人、死亡保険金の受取人が被保険者の遺族となっている場合、保険料の半分が損金、残り半分が資産積立となるとの通達があります。

受取人が逆のケース
逆の、満期保険金の受取人が被保険者、死亡保険金の受取人が法人となっている場合については通達の定めがないのですが、実務的には同じ2分の1損金扱いとなっています。
ある会社では、この保険契約をして支払い保険料の半分を会社負担損金とし、残りを被保険者の個人負担としました。

満期保険金の受取の課税関係
このケースで、個人が受取った満期保険金は、一時所得として所得税・住民税の課税を受けることになります。
 一時所得では「収入を得るために支出した金額」は必要経費となりますが、収入との直接的関連性も要求されています。
 それで、必要経費の額は個人が負担した部分のみか、会社負担分も含めた保険料全額か? どちらと思いますか?

法令や通達の規定は?
法令では、生命保険金が一時所得となる場合、保険料の「総額」を控除できるものと定めており、通達でも、使用者が負担した保険料で給与等として課税されなかったものは控除保険料の総額に含まれる、としています。
 先のケースでの係争で、地方裁判所は、会社負担分を含めた保険料総額を必要経費とする、との納税者の主張を認めました。

税務署の反論、租税公平論の欠如
税務署は、一時所得の計算上控除されるのは、本人が負担した保険料と給与課税された保険料に限られ、本人が負担していない保険料は控除されないことになる、との解釈論を展開していました。
 もともと法令通達に欠陥があり、法人処理への扱いに問題があるのですが、納税者勝訴には意味があるものの、租税負担の公平論からすると、判決には疑問があります。議論の場はいま高裁に移っています。





H21.9.11
誰がペナルティーを負う

交通反則金白書
運転中の携帯電話の使用に対する罰則の強化や、駐車違反取締りの一部民間委託などを盛り込んだ改正道路交通法施行後の平成20年の交通反則金(通称青キップ)による歳入は約816億円。年間約1,044万人が納付しています。一人当りの平均納付額は約8,000円。国内免許人口約8,044万人のうち約1,044万人、つまり8人に一人が青キップを切られている計算となります。
多いのが、駐停車違反2,809,657件、スピード違反2,501,165件、一時不停止1,125,546件、携帯電話等1,193,991件といったところです。

反則金キップの取扱いと課税関係
勤務中に交通違反を犯した社員に課された交通反則金を会社が負担した場合、会社負担金は社員に対する臨時的な給与となってしまうのでしょうか。
 法人税の通達では、社員に課された交通反則金が法人の業務遂行に関連しているものであり、これを法人が負担したときは損金不算入になるとしています。
すなわち、法人自身の行為に基づく不正行為費用の納付という扱いにしていますので、社員に対する給与とはなりません。

駐車違反ペナルテイーの転嫁
駐車違反金は違反者だけでなく車の所有者にも責任が発生して違反金への連帯納付義務が課せられます。ただし、この場合でも違反者個人への給与課税の有無は本質的に同じで、業務上の行為による違反か否かで区分されます。

ペナルテイーの二重転嫁
なお、駐車場設備が不十分な場所での業務上やむを得ない駐車をしたときの駐車違反の場合、車の所有者たる勤務先の会社というだけでなく、その業務の発注先会社や元請け会社が責任を負うとの契約をしている場合があります。
この場合には法人税の通達の応用的理解として、発注先会社や元請け会社が負担した駐車違反金はそれらの会社の損金不算入負担金ということになります。
すなわち、違反者個人や車の所有者たる勤務先会社には実質的な違反金負担がなく、かつ負担を補てんされたという利益もない、と理解することになります。





H21.9.10
こどもへの手当、どうなるの?

1.児童扶養手当とは
8月30日の選挙で勝利した民主党の「子育て・教育」マニフェストの一つとして「母子家庭と同様に父子家庭にも児童扶養手当を支給する」とあります。他にひとり親家庭における手当として、児童育成手当(条例により制定)がありますが、これは「離婚、死亡などの理由により18歳までの児童を養育している父または母」がその対象となっており、児童扶養手当と異なり、父子家庭もその対象となっています。
児童扶養手当については、児童扶養手当法1条で「父と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与する」目的で手当てを支給するとしており、父子家庭を除外しています。

2.寡婦控除と寡夫控除
ところで、所得控除の一つとして寡婦(夫)控除があります。寡夫の要件は、離婚または死別しまだ再婚していない者等で@所得金額が38万円以下の生計を一にする子がある者でかつA所得金額の合計額が500万円以下である者であるのに対し、寡婦は@かAのいずれかの要件を満たす者となっており、父子家庭の方が条件が厳しくなっています。

3.母子家庭の現状
しかしながら、母子家庭の生活水準は非常に厳しく、母子家庭の数はこの5年で20%増加し、平均年収は213万であり、全世帯の平均所得金額の4割にも満たない事がわかっています(総務省・厚労省調査)。    離婚をした場合、こどもを引き取るのは母親が圧倒的に多く、手当の申請(養育費を加味して計算)、保育園の申込み(就労が前提)など多くの手続があります。

4.きめ細やかな配慮・政策を
国や市区町村では母子就労支援や母子福祉貸付金など、母子家庭への支援の制度があります。実際にそれらの制度の申請に行ったところ、配慮に欠ける対応を受けたことがあったと聞きます。また、民主党マニフェストにある「こども手当」は中学卒業まで一人あたり年31万2千円の手当を支給するとしていますが、一方で配偶者控除や扶養控除の見直しにより、「父親が就労・母親が専業主婦・子どもが大学生」の世帯は増税になると言われています。そして、子ども手当の受給に所得制限がないとすれば、結局のところ低所得者へのきめ細やかな政策となるのか、疑問が残ります。





H21.9.9
同じ納税猶予制度でも異なる
課税価額及び猶予税額の計算!


 既報の通り、平成21年度の税制改正で、非上場株式の納税猶予制度が創設されました。これで、納税猶予制度は2つになりました。もう1つの制度は、農地の納税猶予制度で昭和50年に創設された歴史のある制度です。
 「株式」と「農地」では、おのずとそれぞれの猶予制度の適用を受けるための「手続」及び「要件」は異なりますが、「課税価額の計算」及び「猶予税額の計算」方法は同じでは、と考える向きもあるかと思いますが、実のところこれも異なります。

(1)みなし相続の場合の課税価額の計算
 父から農地等を生前一括贈与受け、その贈与者ある父が死亡したとき、その受贈者(子)は一括生前贈与を受けた農地等を相続により取得したものとみなして、相続税額の課税価額の計算及び相続税額を計算します。一方、非上場株式の生前贈与についても、同様な計算をします。
 しかし、みなし相続財産として課税価額の算入される価額は、農地等の場合は相続開始時の評価額になりますが、非上場株式の場合は、当該株式の贈与時の評価額になります。
 このような差異は、その財産の持つ性質の違いから設けられたものと思います。

(2)猶予税額の計算方法が異なる
 農地等の納税猶予額の計算は、農地等の通常価格が農業投資価格を上回る部分に対する税額を、その他の相続財産を加えたいわゆる上積み計算したところの税率を適用して猶予税額を算出しています。
 一方、非上場株式に係る相続税の納税猶予税額の計算は、非上場株式のみを相続したものとして下積み計算したところの税率を適用し、かつ、その20%相当額の差額による猶予税額を算出しています。結果、農地等の猶予税額の方が大きく算出されます。
 また、農地等の納税猶予の特例は、農業相続人でない者の相続税額の負担も軽減し、加えて、その軽減部分は農業相続人の猶予税額を構成し、将来納税猶予が確定しても確定納税額は、原則、農業相続人だけが負担することになっています。
 さらに、非上場株式の納税猶予制度においては、猶予税額確定に係る免責制度(譲渡対価が猶予税額を下回る場合や破産した場合の免除等)がありますが、農地等にはありません。





H21.9.8
インフルエンザと休業手当


 新型インフルエンザの本格的流行で、学校や職場等集団で行動する場での対応は重要な問題となっています。個人的な日常の注意は勿論ですが、職場での留意事項を伝達し、会社に甚大なる被害が起きないよう促す必要があるでしょう。

企業での対策例
●洗面所に手洗い用石けん、消毒薬の準備
 場合によってはうがい薬によるうがい
●必要に応じてマスクの準備や着用
●咳・くしゃみエチケット ティッシュなどで鼻や口を押さえ、飛沫を飛ばさないように注意する
●複数が接触するような場所は以前より清掃を徹底する
●熱がある時、無理に出社しない
●必要に応じ体温計を備え付けておく

休業中の賃金の取扱いは?
 さて、インフルエンザにかかったかなと思われた時、会社は自宅待機を命ずる事となると思われますが、それには、下記のような場面が想定されます。
●本人の感染が疑わしく、検査結果待ちの時
●家族の  〃        〃   
●本人の感染が判明した後完治後3日間位
●海外出張から帰国後3日間位
 この間の賃金はどのように扱うのが良いのでしょうか。会社が自宅待機を命ずれば、会社は休業補償(平均賃金の60%以上)をしなければなりません。厚労省も今回のインフルエンザの休業補償について明確な見解を出しているわけではありません。インフルエンザに罹患することは、普通は会社の責任ではありません。本人が年次有給休暇を申請すれば休業補償は不要となりますが、会社が休業を命ずると休業補償しなければならないというのも変な話です。
 年次有給休暇は本人申請であり、強制的に取らせる事はできないため、本人の同意が得られる時はその方法も良いでしょう。
 新型インフルエンザはかかった人、又はその恐れのある人には休んでもらわないと、会社の被害を拡大させる可能性がありますから、その事を考慮したうえでの企業対策が必要でしょう。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html





H21.9.7
民主党政権で税制は?


第45回衆議院議員総選挙において、民主党が306議席を獲得し、新たに政権を担うこととなりました。
民主党は、マニフェストにおいて税制について公約を掲げていますので、いくつか見てみましょう

年末調整選択制度の導入
給与所得者についても確定申告を原則とし、年末調整も選択できる制度が導入されます。

年金課税の見直し
「公的年金等控除」は平成16年度改正以前の状態に戻され、廃止された「老年者控除」は復活します(ただし、所得制限あり)。

住宅ローン減税
バリアフリー化や省エネなどの社会ニーズの高い分野に対して重点的な負担軽減策が講じられるとともに、自らの資金で住宅を新改築・購入した場合でも、住宅ローン減税と同程度の負担軽減を受けることができる制度(投資減税)が創設されます。

保険料控除
生損保の保険料控除については、社会保障制度を補完する遺族・医療・介護・老後(年金)といった保険商品に対応した、新しい保険料控除制度を創設、所得控除限度額が所得税において15万円程度に引き上げられます。

給付付き税額控除
生活保護などの社会保障制度の見直しと合わせて、次の控除の導入が検討されます。   
(1)基礎控除に替わり「低所得者に対する生活支援を行う給付付き税額控除」
(2)消費税の逆進性緩和対策として、基礎的な消費支出にかかる消費税相当額を一律に税額控除し、控除しきれない部分については給付をする「給付付き消費税額控除」
(3)就労への動機付けのため、就労時間の伸びに合わせて「給付付き税額控除」の額を増額させ、就労による収入以上に実収入が大きく伸びる形で「就労を促進する給付付き税額控除」
これとともに、配偶者控除などの諸控除が見直され、また、税と社会保障に共通の番号制度の導入が前提とされます。

法人税
中小企業に係る法人税の軽減税率は、現行の18%から11%とされます。「一人オーナー会社(特殊支配同族会社)」の役員給与に対する損金不算入措置は廃止されます。





H21.9.4
非課税消費税の不合理


消費税は消費者が負担するという構造
1.消費税は消費者が負担します。
2.消費者の負担する消費税額の総額が国の収納する消費税額の総額のはずです。
3.消費者に物やサービスが届く前の段階で事業者によって納められる消費税額がありますが、これは最終消費者の負担する消費税額が国に収納される際に控除されることによって、重複収納にならないようになっています。

消費者が負担しない納付消費税がある
4.国が収納する消費税額の総額は、消費者の負担する消費税額の総額、すなわち課税物件に係る消費税額の総額でよいはずなので、法が消費税を課さないものとしている非課税物件に係る消費税が1円たりとも国に収納されるということはあってはいけないはずです。
5.非課税物件についても、ほとんどの場合、消費者の手に届く前の長い過程で既に事業者によって仮に納められている前段階消費税が累積されてきており、重複収納排除をする必要があるはずです。
6.この重複収納排除をしないと、消費者が負担しなかった消費税が国に収納されたままになり、国の消費税収入の総額は課税物件にかかる消費税、即ち消費者の負担した消費税総額を超えることになります。
しかし、これが現実の制度で、国は消費税の重複収納の調整を拒否しています。

重複収納消費税の国家的横領
7.非課税売上と言えど、事業者は最終消費者ではないので、前段階消費税を負担すべきいわれはありません。前段階消費税は、前々段階事業者を経由して当該事業者が国に仮納付した消費税です。自分が仮納付した消費税の返却をうけることは、非課税の本旨に沿っています。企業は消費税をただ預かって国に納付するだけの法的社会的責任を持つに過ぎないのですから。
8.ある非課税売上に係る課税仕入が800+40だとして、付加価値が200だとす ると、非課税売上に前段階消費税40を転化して1040の代金とすることになり、仕入税額控除は0です。もし、これが非課税でなく1%の低率課税だとすると、税込み売上代金は1010となり、仕入税額控除は40となります。非課税の方が高い対価となり、課税の方が安い対価となります。
つまり、非課税売上げに係る仕入税額控除を否定すると、当たり前の経済取引に不都合を生み出すのです。





H21.9.3
=消費税=
保険料と保険手数料の不思議


消費税の構造
消費税は、事業者が売上等で預かった消費税から、仕入や経費等で支払った消費税を引いて残りを国に納付することとなっております。要は、消費税は消費者から預かった分が最終的には国に納付されると言う仕組みです。

保険料
保険料は万が一の時に「保険金」を支払うと言う役務の提供を受ける為の金銭の支払ですから、基本的に課税取引となります。しかし保険料は、特別に非課税とすると規定されている為、非課税取引とされます。

保険手数料
保険手数料は『「保険料」を支払うと言う契約を結ぶ』営業活動に対する手数料です。所謂保険代理店の売上ですので課税取引とされております。

保険手数料は保険料の一部では?
しかし通常は保険料と保険手数料は区分されてなく、一括して保険料として支払われております。このような場合は、その全てが非課税と規定されておりますので、すべて非課税とされます。

保険代理店収入は課税
保険会社から保険手数料として支払われる保険代理店の収入は、課税取引として消費税がかかってきております。

消費税は構造的に二重取りを生む
ということは、保険会社は通常保険手数料も合わせて、保険料として徴収しておりますから、保険手数料にかかる消費税も保険料として徴収していることになります。
課税事業者が保険料に含めて払った消費税は払った課税事業者からは引けず、保険代理店の手数料収入には課税されておりますから、国としては二重取りとなっております。非課税取引がある場合は、往々にしてこの二重取りは発生しております。





H21.9.2
顧客を如何に獲得するか

アメリカのコンサルティング会社・ペイン・アンド・カンパニーの調査によれば「21世紀の最初の10年間、平均的な米国企業は4年ごとに半分以上の顧客を失っており、絶えず新しい顧客を開拓し、従来からの顧客をつなぎとめるため、必死の努力をしなければならなくなった。」と言います。
日本の近頃の消費・販売動向はメーカーであれ、商業であれ、アメリカと同じような状況で、マーケティングに熱心な企業は顧客獲得に知恵を絞って努力しています。

消費の二極分化

消費は、並みの品質で良いから、できるだけ安く買いたい、多少高くても高品質のものを買って長く使いたいと言った二極分化があります。また一方で同じ人が、普段は並み品質で安く、自分がこだわる消費にはお金をかける、つまり自分の中での「ハレとケ」を使い分ける二極分化消費が一般的になっているようです。

自社の得意分野で、経営革新

どのような企業でも、自社の得意分野がありますから、その見極めをしっかりやって、市場・消費・購買動向を判断し、どうしたら、利益が得られるかを創意工夫することが大切です。その場合、売上高は単価×数量ですから、消費の二極分化を見てどのような戦略をとるかが大切です。
例えば、自社の得意技が並み品質のものを安く提供することなら、単価を安く、購買頻度を高める戦略になります。
特定の顧客層や特別な生活シーン向けの商品づくりや販売が得意なら、単価が多少高くても、価値を認めて下さる購入が期待できます。
要は、どのような顧客に何を、どのように売るか、新規顧客開拓と既存顧客をつなぎとめる信頼関係をどう作って行くか、に尽きます。

顧客情報は会社の宝

「企業の最も重要な資産は顧客情報である」とアメリカのマーケティングの権威・故セオドア・レビット博士が喝破しました。
自社の顧客情報をよく分析すると宝の山に出会う可能性があります。





H21.9.1
通常かつ直接でない場合

弁護士会の役員費用

 弁護士は弁護士会に入会し、弁護士名簿に登録されなければ、弁護士としての仕事をすることが出来ません。また、弁護士会は会員弁護士の中から選出された役員を中心として日々運営されています。
その弁護士の事業所得の計算に際し、支払った弁護士会の会費は必要経費となるが、弁護士会役員となるため、及び役員となった後の活動費及び弁護士政治連盟の会費等は必要経費とならない、という驚くべき見解が示されました。

すべての〇〇士会に共通

見解を主張したのは当然税務署ですが、これを是とする判断を示したのが国税不服審判所です。今年の3月24日のことです。
税理士ほか強制入会の全ての〇〇士にとって共通のテーマが突然湧き出てきたわけです。
弁護士でなければ弁護士会の役員になれませんから、役員諸掛り費用には業務関連性はあるはずです。それなのに、通常でかつ直接の費用とはいえないから認めない、と国側は主張します。

この論理の射程範囲

所得税法では「業務について生じた費用」としているだけで、通常とも直接とも言っていません。国側主張は行き過ぎです。
国側主張によると、次のものは必要経費に認められません。即ち、各種団体で役員になった場合の役員関連費用は当然のこととして、強制入会ではない医師会の会費、一般企業が支払う青色申告会、法人会、商工会、その他すべての業界団体への支払会費も認められません。法人の場合は交際費という扱いになるのでしょう。

それなら税務調査費はどうなる

税務調査に際して、各企業は結構多くの費用負担をしています。
コピー代など人件費含めて1枚100円くらいの積算原価になります。税理士への調査立合費用も生じます。調査に付き合う社長・役員・社員の人件費も相当なものです。税務調査場所の無償提供義務はありませんので場所代も見積もるべきです。まだまだありそうです。これらの費用は通常でかつ直接の費用とはいえません。
経費にならないのなら、税務署の負担としてもらわなければ困りますね。