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H21.1.30
平成21年税制改正(確定拠出年金)マッチング拠出とは

知っていますか?この言葉
 今年の自民党税制改正大綱に突然「マッチング拠出」という言葉が出てきます。金融・証券税制の項目のところです。出ているのは、日本語の「個人拠出」という言葉の説明文として、「(いわゆるマッチング拠出)」としてです。
「いわゆる」とは「世にいわれている。よくいう。いうところの。」という意味で辞書に出ています。そんなことの故か、新聞等にも解説がありません。しかし、これは、官僚や業界内では「いわゆる」でも、世間的には「いわゆる」ではないのではと思われます。

改正案の内容
大綱には、「確定拠出年金の拠出限度額について,次のとおり引き上げる。」として、
@ 企業型
イ 他の企業年金がない場合
月額4.6万円→月額5.1万円
ロ 他の企業年金がある場合
月額2.3万円→月額2.55万円
A 個人型(企業年金がない場合のみ)
月額1.8万円→月額2.3万円
その上で、「企業型確定拠出年金に導入される個人拠出(いわゆるマッチング拠出)の掛金は、その全額を所得控除の対象とする。」と書かれています。

個人の任意拠出を可能とする
企業年金のない企業の従業員については従来から「個人型」が適用され月1.8万円(年21.6万円)を限度に個人として任意で確定拠出年金を設定できました。
それに対し、「企業型」の確定拠出年金は全額企業負担の制度で、個人が任意で掛金を増やす余地はありませんでした。今度は、「企業型」でも個人の任意拠出の枠を設けるように改正する、ということです。ただし、拠出限度額の範囲で任意に、ということではありません。企業負担額と同額までで、かつ、その合計が拠出限度額の範囲内、ということです。企業とペアーということが条件で、それが「マッチング」の意味のようです。

小さく産んでも大きく育たない
確定拠出年金の拠出限度額の拡大は遅々としています。特に企業年金のない中小企業の従業員のところが手薄です。
今回の改正は、個人貯蓄を年金運用資金に呼び込んで、株式相場の安定に役立てよう、との趣旨です。社会保障の自助努力促進を趣旨にしていないところに、疑問が湧きます。






H22.1.29
役員退職金と功績倍率

功績倍率法が普遍的
役員退職金について、法人税法では「不相当に高額」な部分を損金不算入としています。いわゆる過大役員退職金問題です。
 役員退職金をいくらにすればよいかの話題のときの適正額の限度基準としては一般に功績倍率法が多く採用されています。
 功績倍率法は、「役員の最終月額給与×勤続年数×功績倍率」の算式で表現されます。

功績倍率の無難値
 この算式の中で、最も争いの種になるのが「功績倍率」の部分ですが、代表取締役社長の退任については一般に「3」を採用すれば無難と解されています。
 「3」を無難とする法律や通達の根拠はないのですが、判決の積み重ねの中で基準値として確立してきたものと言えます。

モデル判決
最も基準とされる判決は昭和55年5月26日の東京地裁判決です。この訴訟で被告税務署長は「全上場1603社の実態調査の結果から算出される功績倍率の平均が社長3.0、専務2.4、常務2.2、平取締役1.8、監査役1.6」であると主張し、これが高裁、最高裁の判決においても採用されて、以後の税務行政に影響を与えてきました。

それでも異なる個別事案判決
とは言え、その後の判決の中でも、昭和63年9月30日の静岡地裁判決は功績倍率2.2を採用し、平成19年11月15日の国税不服審判所の裁決では1.9を採用していますので、功績倍率3.0が必ずしも安全値と言えるわけではありません。
逆に、昭和51年5月26日の東京地裁判決では7.5、最近でも平成16年6月15日の国税不服審判所の裁決では4.7を採用するなどのケースもあります。

スジ論と形式論
 本来、役員退職金をいくら支払うかは、会社が主体的に判断することで、他に基準を求める話ではないともいえ、会社への貢献の度合いを分析的に明らかにし、資料的に整えることを通じて、算定することが重要です。
そうではあるものの、事前に功績倍率法の各算定項目事項を整備し、功績倍率「3」を採用しておくことが、役員退職金の金額妥当性の税務調査時の説明上、有効性を確かに持っているように感じられる所です。





H22.1.28
減 価 償 却 資 産
「機械装置」と「器具備品」の区分

 減価償却資産において、「機械及び装置」と「器具及び備品」ついては、法令上の明確な定義はないようです。
減価償却資産の耐用年数等に関する省令には、別表1(機械及び装置以外の有形減価償却資産の耐用年数表)、別表2(機械及び装置の耐用年数表)、別表3(無形減価償却資産の耐用年数表)、別表4(生物の耐用年数表)等が掲げられ、それぞれ耐用年数が定められています。また、実際の運用にあたっては、「耐用年数の適用等に関する取扱通達」に委ねられています。
そして、器具及び備品は、別表1において、構造又は用途に応じて12に区分され、さらに細目別に個別具体的に掲げられているだけです。
一方、機械及び装置も、55の「設備の種類」(平成20年4月の改正前は390に区分されていた)に括られているだけです。
そこで、ある減価償却資産が、「機械及び装置」又は「器具及び備品」のいずれに該当するかの判断に当たっては、困難な場面に直面することもあるかと思います。

区分する判断の目安
明確な基準というのもがありませんが、@どのような用途に使用されるのか、A各資産が基本的には単体で個別的に機能、作動するものなのか、B他の機器と一体となって設備を形成し、その一部として各機能をはたすものなのか等が目安になるものと思われます。

具体的な事例
産業用ロボットと言えば、製造業者が生産工程の一部において人に代わって部品の仕分けや組み立て、溶接作業等に使用するケースが一般的で、この場合のロボットは、別表2「機械及び装置」に分類されることは明らかでしょう。
しかし、近年では製造業に限らずサービス業や小売業でもロボットを使用する企業も少なくありません。この場合の判断ですが、使用するロボットの用途が商品の運搬等に使用するものであれば、上記の判断の目安から、別表1の「器具及び備品」に区分され、「11 前掲のもの以外のもの」の「その他のもの」の「主として金属製のもの」に該当するものと思われます。
また、医療機関で使用している様々な診療用機器も「器具及び備品」の「医療機器」のいずれかの細目に区分され、そこで定められた耐用年数を使用することになります。





H22.1.27
日本年金機構の創設

年金行政、運営組織の変革
 公的年金制度は平成22年1月より年金業務の適正な運営と国民の信頼確保のため、社会保険庁を廃止し、非公務員型の公法人「日本年金機構」が運営を担うこととなりました。

国と年金機構の役割分担
 国(厚生労働省)は財政責任・管理運営責任を負いつつ、一連の業務運営は年金機構に委任・委託をします。
 国の権限を委任された業務(資格の得喪の確認、届出・申請受付や厚生年金保険の標準報酬の決定、年金手帳の交付、受給権者に対する調査、事業主に対する立入調査 等)については日本年金機構が実施し、国からの事務委託を受けた業務(裁定・年金の給付、原簿の記録・ねんきん定期便の通知、保険料の告知・督促など)については国の名で機構が実施します。

日本年金機構の組織の全体像
 日本年金機構は「本部」(以前の社会保険業務センター高井戸庁舎)と北海道、東北、北関東・信越、南関東、中部、近畿、中国、四国、九州に9つの「ブロック本部」を置き、その下に都道府県単位の「事務センター」および全国312カ所の「年金事務所」(以前の社会保険事務所)で組織されています。事務センターでは対面業務はせず届出処理業務に集約化しています。年金事務所は、実際の窓口業務はこれまでの社会保険事務所で行っていた業務と概ね変わりませんが、事業所の調査や、年金相談などの地域に密着した対人業務に集約しています。
07年に年金加入記録もれが社会問題となった事に端を発した社会保険庁の組織改革、新しい組織で国民の年金制度に対する信頼を回復して欲しいものです。





H22.1.26
税金の場合の消滅時効

時効制度とは
 時効とは、法律用語の一つで、ある出来事から一定の期間が経過したことを主な法律要件として、現在の事実状態が法律上の根拠を有するものか否かを問わずに、その事実状態に適合するよう権利又は法律関係を変動させる制度です。

破産制度も
破産も債権債務関係を強制的に変動させる制度で、特に自己破産の場合は、破産宣告を受けて、免責を受けると、債務がゼロになり、ゼロからの再チャレンジの機会を得ることになります。
ただし,税金等の公租公課や養育費や扶養義務に基づく支払債務などは公序良俗的理由から例外的に免責されません。

国税の時効
国税徴収権の消滅時効の期間は法定納期限から5年です。ただし、刑事告発されるような「偽りその他不正の行為」が発覚した場合には、時効の完成は7年に延びます。
租税債務は破産でも消滅しないのですから特別扱いなのですが、時効についても何か特別扱いがあるかというと、そういう規定は特にありません。
逆に、「その援用を要せず、またその利益を放棄することができない」とされていて、納税者に有利な規定となっています。

税金の場合の時効消滅
国税徴収官には、滞納税金の消滅時効を回避保全する事が義務付けられています。滅多なことでない限り単なる期間の徒過による時効消滅はありそうではありません。
それでは、納税者が破産宣告を受けた後でも、督促状が送り続けられてきた上で、破産後5年経過前に時効中断措置が採られるものなのでしょうか。
形式的にはそういうことになるのでしょうが、実際には民間の債権債務の貸倒処理と同じく、滞納税金が少額であるとか、回収費用がかかりすぎるとか、回収そのものが困難とかの場合には、時効回避保全事務を解除する措置をとりますので、督促状も来なくなり、滞納税金も時効期間の経過とともに消滅することになります。





H22.1.25
消滅時効を防ぐ請求とは?

売掛債権の消滅時効は2年
 売掛債権について、請求書を出したのに、相手方が支払ってもらえずに時間ばかりが経過すると、気になるのは消滅時効です。因みに、生産者・卸売又は小売商人の売掛債権の消滅時効は2年です。

債務を承認すればそれでよいが
 さて、こちらの請求に対し、相手方がしばらく待って欲しいと言ってきた場合には、書面で少なくとも自ら負っている債務の内容、金額を確認する一筆を取り付けることが時効を中断させるための証拠として必要です。但し、これで今後消滅時効がなくなるわけでなく、中断時から新たに2年の消滅時効が進行します。

請求書さえ出せば足りるか?
 これに対し、相手方があくまで無視した場合にはどうでしょうか。ただ手をこまねいて時間の経過を待っていてはまずいことはお分かりのことと思います。
とりあえず、請求書を出せば、権利行使をしているので、消滅時効は中断するのではないか。そう考える方もおられることでしょう。
 しかし、それでは消滅時効は止まりません。

内容証明郵便ならば十分なのか? 
請求書だけで不足ならば、内容証明郵便を出せばよいのではないかとお思いの方もおられるでしょう。しかし、残念ながらこれも誤りです。
消滅時効を中断させるのに最も確実な請求とは、裁判を提起し、勝訴判決を得ることに他なりません。
なお、6ヶ月のブランクをおかずに、請求をかけ続ければ、裁判を起こさなくとも、時効は進行しないのではないかと思いの方がおられるかもしれまんが、それは、法律の知識がおありの方、あるいは、長年経理を担当されている方に陥りがちな誤解です。
正確には、消滅時効の期間内に督促をかけ、そこから6ヶ月以内に裁判を起こせば、仮に裁判を起こした時点で消滅時間を過ぎていても、時効が中断しますが、逆にその期間内に裁判を起こさなければ、やはり時効は中断されません。





H22.1.22
米在住の外科医5億円申告漏れ
PE有無の判断 慎重に!


外国人(正しくは「非居住者」といいます)であっても日本で所得を得れば(この所得のことを「国内源泉所得」と言います)日本の所得税が課税されます。その課税方式は、その外国人が日本にPEを持って所得を得ているか否かで異なります。PEがあれば、源泉分離課税に加えて総合課税の確定申告義務を負い、PEがなければ、源泉分離課税で課税関係が終了します。これが、国内税法の原則的な定めです。
PEですが、permanent establishmentの略で 、通常、「恒久的施設」と呼ばれています。具体的には、@支店PE(工場、事務所、営業所等)、A建設PE(国内において行う建設、プラントの組み立て等の作業所)、B代理人PE(契約締結等の代理)に分けられています。

(1)国内税法に優先する租税条約の存在
この国内税法の定めに対して、一般的には、その外国人の居住地国と租税に関する2国間の取決め(租税条約)があり、日本で得た所得であっても、日本にその外国人のPEがなければ、一定の所得については、日本では課税しないとする条約優先の規定があります。

(2)世界的権威の外科医5億円申告漏れ
過日、新聞報道でも話題になった、米在
住の世界的権威の脳神経外科医が日本の病院で手術をし、得た収入が3年間で5億数千万円であったが、日本では申告しておらず、国税当局は、所得税及び消費税の申告を求めた、という内容のものです。
これに対し、外科医は「顧問の会計士は、日米租税条約では、日本にPEがなければ、外科医のような自由職業者の所得について、日本では課税しないことになっているので申告の必要はないと言われた」とコメントしています(詳細は不明)。

(3)問題の所在(PEの事実認定)
 実際、外科医は日本に事業所、手術施設等のPEを有していませんので、条約の定めからすれば日本に課税権はありません。
しかし、問題になったのは次の点でした。国税局は実態を調査。外科医と患者や病院との連絡やスケジュール調整を都内の医療機器販売会社に担わせていたことから、この会社を、外科医の代理人としてのPEと認定。この認定によって、日本での課税権が生じたようです。これは、外科医にとっても想定外だったでしょう、過去にも個人が代理人PEを持つと認定されたことがないようで、PEの有無の判断に慎重にならざるを得ません。





H22.1.21
経常利益を高めるには

 検査装置製造業・従業員70名のR社では社長が利益重視の企業体質づくりと社員の意識・行動改革をねらって、全社員に「製品別利益率と販売実績によって会社の営業利益・経常利益にどのような変化が起きるか」を説明・理解させた上で、全員が見えるように毎月の売上・利益・利益ランク別製品別売上実績を掲示しています。
 社員はそれを見ながらあれこれと議論して、自発的に製造現場でコストダウンの改善や、販売経費の効果的な使い方を工夫するなど、会社の利益向上に貢献しています。 
 
 経常利益増加率
  経常利益増加率(%)=
(経常利益−前期経常利益)÷前期経常利益

 「経常利益」は本業を含め、普段の事業活動から得られる利益であり、その増加率を高めるためには、「売上高増加率」と併せて分析し、改善課題を見つけることが大切です。

売上と利益の増減ポジションと対策
 売上増加率と経常利益増加率をクロスさせて自社のポジションを判断し、対策を検討します。

問題は「増収減益」・「減収減益」の場合です。
 「増収減益」の場合は「売上高総利益」の増減をチェックし、減少していれば商品の採算性が落ちている原因を突き止めることが必要になります。「売上総利益」は増加しているにも関わらず、経常利益が減少している場合は業務効率化などによる経費削減が必要になります。
 減収減益の場合は、まず売上高の分析を行い、商品の採算性確保や経費削減を検討することが必要です。
 なお、「減収増益」の場合は高採算商品販売の重点化に成功しているか、徹底した経費削減が功を奏した結果、その他の特殊要因が考えられます。





H22.1.20
母は強し、扶養親族の綱引き

離婚し、子は母方に
 離婚後、養育費その他の費用を負担している父と、日常の起居を共にしている母とが、それぞれの勤務先に長女を扶養親族とする「扶養控除等申告書」を提出しているような場合、法律は、どちらか一方の扶養親族として調整することを要求しています。

調整不能時の判定
 では、その調整ができない場合にはどういうことになるのでしょうか。判断基準を考えるとしたら次のどれになるでしょうか。
@現実に長女と日常の起居を共にし、より多くの養育費を負担している者を優先すべきである
A納税者有利の原則から所得の大きいほうの扶養親族にすべきである
B長女を扶養親族とする「給与所得者の扶養控除等申告書」を先に勤務先に提出したほうを優先すべきである

あなたの見解は?
 なんとなく、@が最も正論、Aは現実論とは言えるもののスジ論としては弱そう、Bは意外な回答サンプルを提示するための異端な屁理屈、と思えそうです。
 実際、この問題で係争となった事案があり、国税不服審判所の裁決が出ています。

審判所の見解は!!
 @は母親の見解で、母親は税務署から長女を扶養親族とすることを否認され、増額更正処分を受けました。Aは税務署の見解で父親側に味方しました。Bは審判所の判断で、一転して母親に軍配をあげました。
 審判所の裁決は、母親の見解も税務署の見解も否定し、第3の見解としてのBを判断根拠としました。Bをもって法律の正しい解釈とするのは意外に思えますが、法令をよく読むと、確かにBとするのが正解になっています。

法令の内容は次の通り
 法令には、@の見解の根拠になる規定はなく、規定があるのはAとBについてで、まず、勤務先に提出する扶養控除等申告書の提出の時間的先後をもって決着させるものとしてBがあり、それが決せられない場合は所得の大きい者の扶養親族とするとのAがあります。
 審判所は、各勤務先に扶養控除等申告書の提出された日を問い合わせて、母親の提出日が早いことを確認して、母親の申告を優先採用するものとしました。書類は速やかに提出しといたほうが有利なのです。





H22.1.19
サラリーマンの妻のカラ期間

妻の年金第3号被保険者とは
 いわゆるサラリーマンの妻で被扶養者の方は、年金に関しては第3号被保険者となります。夫(配偶者)の会社を通して第3号被保険者の届出を行うことにより、国民年金の保険料を支払った納付期間として扱われます。
 被扶養者であるかどうかの認定基準は健康保険の被扶養者の認定の取り扱いに準じ、原則として年間収入が130万円未満の人が該当します。保険料は夫が加入している年金制度から国民年金制度に対し、拠出金として支払われ、被保険者が個別に負担することはありません。夫が厚生年金や共済組合に加入していることが前提ですので、夫が国民年金の加入者の場合は被扶養者であっても60歳未満ならば保険料は自ら納めなければなりません。

以前は妻の加入は任意であった
 年金制度にこのような第3号被保険者制度が導入されたのは、昭和61年4月ですからその前は夫が厚生年金や共済組合の加入者であって妻がその被扶養者であったとしても、妻は国民年金に加入するかしないかは自由であり、「任意加入」とされていました。加入すると保険料負担があるため、多くの妻は未加入であったようです。

カラ期間は加入期間と算定される
 国民年金の受給資格を得る原則25年の加入期間を得るのに、任意加入しなかったという理由で受給資格期間が足りないのでは、不合理ということにもなりますし、一方で実際に任意加入し、保険料を支払っていた人もいるので、同じ扱いでは支払った人は納得できない事でしょう。
 そこで年金を受給できるかどうかを確認する時には、任意加入をしなかった期間を反映し、受給資格期間とはするが年金額には加算されない、カラ期間として扱います。
 この期間を忘れている方や、婚姻前の若い頃の加入期間が漏れている方も時々いますので、確認をしてみるのが良いでしょう。





H22.1.18
年金のカラ期間

平成カラ期間とは年金の合算対象期間です
 年金の受給資格を得るには原則25年の加入期間が必要ですが、年金額には結びつかないものの、老齢基礎年金の受給資格期間とされる期間があります。年金額の計算には入らない期間なので、からっぽの期間という意味で「カラ期間」と呼んでいます。
 正しくは合算対象期間と言いますが、年金の受給資格(25年以上)に加えることができる期間のことで、保険料は納めていないので、年金額には反映しません。
 年金制度では、カラ期間が使えるかどうかで受給資格が得られるか否かというような影響が出ることがあります。

主なカラ期間の種類
@ サラリーマンの妻であった期間(昭和36年4月から昭和61年3月までの国民年金に任意加入しなかった20歳から60歳までの期間)。それ以降の昭和61年4月からは第3号被保険者又は1号被保険者になります。
A 脱退手当金を受けた期間(昭和36年4月以降の厚生年金の脱退手当金を受けた期間で昭和61年4月以降に年金加入期間がある事)
B 厚生年金に20年以上(中高齢特例の15年以上加入を含む)加入した後の本人及び配偶者の期間(昭和61年3月までの期間)
C 遺族年金を受けていた期間(昭和61年3月までの期間)
D 国会議員・地方議会議員であった期間(昭和61年3月までの期間)
E 学生であった期間(平成3年3月までの期間)
F 海外に住んでいた期間(20歳から60歳までの期間)
G 学生納付特例期間で納付をしなかった期間
H 若年納付特例期間で納付をしなかった期間
カラ期間の種類は他にもありますが、年金額には反映されないものの、受給資格期間として扱われるので、重要な期間といえるでしょう。





H22.1.15
本人がする準確定申告

相続人がする準確定申告
所得税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得金額に対する税額を算出して翌年の2月16日から3月15日までの間に申告と納税をすることになっています。
 しかし、確定申告をすべき人が年の中途で死亡した場合は、相続人が、1月1日から死亡した日までの所得金額に関して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。
また、確定申告をしなければならない人が翌年の1月1日から確定申告期限までの間に確定申告書を提出しないで死亡した場合も、同様に相続人は4か月以内に申告と納税をしなければなりません。
この死亡した本人に代わって相続人が行う申告を準確定申告といっています。

準確定申告は法文上にない
この準確定申告という用語ですが、所得税法及び同施行令上にはありません。
所得税法の第五章(申告、納付及び還付)第二節中、第一款(確定申告)、第二款(死亡又は出国の場合の確定申告)と区分されているところからして通常の確定申告とは違うと理解するところです。
タックスアンサーその他国税庁のサイト内では普通に準確定申告といっていますし、申告書の記載例においても「平成○○年分の所得税の確定申告書」の「確定」の前に「準」を手書きで挿入するようになっています。

非居住者のする準確定申告
ところで非居住者が一定の場合に確定申告をするときに使用する申告書は、「平成○○年分の所得税準確定申告書(所得税法第172条第1項に規定する申告書)」というものです。書式でも準確定申告書とあります。
所得税法上「出国」は特別な定義付けがされているところですが、本人の死亡も出国も特別なものなのでしょう。





H22.1.14
平成22年度税制改正速報
国際課税編

 税制改正速報の最後は、国際課税です。改正の主要な部分は、タックス・ヘイブン税制です。この税制は、軽課税国等(所得課税がない、あっても、税率25%以下の国又は地域)にある名目だけの外国子会社を利用して、租税回避を行うことを防止する目的で創設された制度です。
 具体的には、その外国子会社の所得に相当する金額(持分相当額)を日本の親会社の所得とみなして、日本で課税します(正確には、内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額の益金算入)。
 但し、実体のある事業を行っている等、一定の条件(適用除外基準)を満たす場合には、課税の対象とはなりません。
 今回の改正は、アジア地域の国々(中国、韓国他)が法人税率を25%以下に引下げたことに伴い、現行法のままでは、これらの国々が同制度の対象となり、「海外進出の障害になる」との声が産業界から上がったことが発端だと言われています。

(1)軽課税国の基準税率の引下げ
 特定外国子会社等に該当するか否を判定するための基準税率を25%から20%に引下げました。
 この基準税率の引下げにより、外国子会社の3割強が申告不要になり、税務負担を大幅に軽減できるとのことです。

(2)納税義務者要件の緩和
現行法では、内国法人単独又はグループで直接・間接に5%以上を保有している場合に納税義務を負いますが、改正では、この保有株式要件を、10%に引上げました。平成4年前の水準に戻ったことになります。

(3)適用除外基準の見直し
 特定外国子会社等に該当しても、いわゆる、適用除外基準を満たせば、適用除外となり、合算課税の適用を受けません。
 改正では、この基準を経済の実態に即して緩和され、実体ある事業持株会社、物流統括会社が対象外になりました。これにより、日本企業による更なる海外市場の開拓、その果実の活用に弾みがつくとのことです。

(4)資産性所得の租税回避への対応
  現行法では、適用除外基準を満たせば、合算課税の適用は受けません。しかし、利子、配当、株式譲渡益、ロイヤリティなどの資産性所得は、容易に、海外子会社に付替えることができるため、適用除外基準を満たす子会社でも、一定の資産性所得については、合算の対象とされました(改正案は平成22年10月1日から適用です)。





H22.1.13
平成22年度税制改正速報
消費税編


平成22年度の予算総額に対する国債依存はなんと44兆円です。消費税引き上げの議論は、次期衆議院選まで避けて通れるかどうか、難しい状況です。
 第4回目は、消費税です。改正項目は、少なく、特殊な取引に係わるものだけですが、1つだけ、大きな影響のある改正がなされました。それは、会計検査院が指摘し、新聞紙上等でも話題になった、「賃貸建物引渡し時の自販機等の設置による、消費税額の還付」を大幅に縮減させる改正です。

(1)事業者免税点制度の適用の見直し
 消費税法では、調整対象固定資産(固定資産のうち消費税抜きで1単位100万円以上のもの)を取得した場合、これについて3年目に一定の方法で仕入控除税額を調整することになっています。
 そこで、改正案は、@免税事業者が課税事業者を選択した場合には、2年間の強制適用期間中に、調整固定資産を取得した場合には、当該取得があった課税期間を含む3年間は、引続き課税事業者の適用を強制することとしました。
これにより、3年間の通算課税売上割合が消費税還付をした当初の課税期間の課税売上割合より、著しく減少していれば、還付した消費税額は国庫に返還しなければなりません。正確には、3年目の課税期間の仕入税額から控除、控除しきれないときは課税資産の譲渡等に係る消費税額に加算して消費税額を納付します。
 なお、著しく減少した場合とは、減少割合が当初の課税売上割合に占める割合の50%以上、かつ、減少割合の差額が5%以上である場合をいいます。
 また、A調整対象固定資産を取得した場合の3年間の課税事業者の強制適用は、資本金1,000万円以上の新設法人についても、適用されます。
 上記の改正は、@は、平成22年4月1日以後に課税事業者選択届出書を提出した事業者の同日以後開始する課税期間から適用され、Aは同日以後設立された法人から適用されます。

(2)簡易課税制度の適用の見直し
 上記の3年間の課税売上割合による仕入控除税額の調整は、簡易課税適用事業者には適用されません。そこで、課税事業者強制適用の3年間は、簡易課税制度の適用が受けられないことにしました。
 こんな小手先の改正ではなく、もっと、消費税の本質的な議論がなされるべきものと思います。





H22.1.12
平成22年度税制改正速報
法人課税編


平成22年度税制改正大綱では、法人税の改革の方向性として、@租税特別措置法の抜本的な見直し、A課税ベースの拡大、B法人税率の引下げを上げています。
 しかし、改正案は、企業の競争力強化という視点でみると、法人税の見直しは力不足との印象です。第3回目は、法人課税の主要な改正項目をお伝え致します。

(1)1人オーナー会社の課税(特殊支配同族会社における業務主宰役員給与の損金不算入制度)の廃止
 上記の改正は、平成22年4月1日以後に終了する事業年度について適用されます。

(2)グループ内取引等に係る税制については、次のような改正が行われました。
@100%グループ内の法人間での一定の資産の移転(非適格合併等による移転も含む)及び資本関連取引(現物配当等)については、譲渡損益を認識しない。
A100%グループ内の法人間の寄付金については、支出法人において全額損金不算入とし、また、受領法人においては全額益金不算入とする。
B100%グループ内の内国法人からの受取配当について益金不算入を適用する場合には、負債利子控除を適用しない。
C資本金1億円以下の法人であっても、当該法人が資本金(出資金)の額が5億円以上の法人等の100%子会社の場合、次の特例制度については、適用しない。
イ)軽減税率、ロ)特定同族会社の特別税率の不適用、ハ)貸倒引当金の法定繰入率、ニ)交際費等の損金不算入制度における定額控除制度、ホ)欠損金の繰戻しによる還付制度。

(3)100%グループ内の内国法人の株式を発行法人に譲渡する場合には、その譲渡損益を計上しないこととされました。

(4)自己株式として取得されることを予定して取得した株式が自己株式として取得される際に生ずるみなし配当については、益金不算入制度を適用しないこととされました。
 上記の改正は、(2)B、Cは平成22年4月1日から、それ以外は平成22年10月1日から適用です。

(5)その他改正事項
@清算所得課税を廃止し、通常の所得課税に移行、A適格合併等における欠損金の制限措置等について、実態に応じて適用要件を見直す等があります。いずれも、平成22年10月1日から適用です。





H22.1.8
平成22年度税制改正速報
個人所得課税編



今回の税制改正大綱の文章表現は、自民党時代の「何々する」調の表現から「ですます」調の表現に変わっています。自民党時代の税制改正大綱は、どちらかと言えば、「専門家向け」に、一方、民主党は「一般国民向け」に発表しているように思います。
 第2回目は、個人所得課税の主要な改正項目をお伝え致します。

(1)扶養控除等について
 @扶養控除(年少(〜15歳))は、所得税・住民税ともに廃止
 A特定扶養控除(16歳〜22歳)は、16歳から18歳までの特定扶養親族に対する控除の上乗せ部分(所得税:25万円、個人住民税:12万円)を廃止
 B扶養親族(成年23歳〜69歳)は、そのまま存続
 C同居特別障害者加算の特例の改組
   これは、年少扶養親族に係る扶養控除の廃止に伴い、従前の同居特別障害者加算35万円が適用できなくなるため、その代替措置として「特別障害者控除の額」に35万円を加算することに改組しました。
  この改正は、所得税については平成23年分から、個人住民税については平24年分から適用です。

(2)少額の上場株式等投資のための配当所得及び譲渡所得の非課税措置
個人の株式市場への参加を促進する観点から設けられたもので、具体的な内容は次の通りです。
@非課税対象:上場株式等の配当・譲渡益
A非課税投資額:毎年、新規投資額100万円を上限(未使用枠は翌年以降繰越不可)B非課税投資総額:300万円(100万円×3年間、C保有期間:最長10年間、D中途売却:自由(但し、売却部分の枠は再利用不可)E口座開設数:年間1人1口座、F年齢制限:20歳以上、G開設者:居住者等です。適用は平成24年1月1日からです。

(3)その他改正事項
 @平成13年9月30日以前に取得した上場株式等の取得費の特例については、適用期限(平成22年12月31日)の到来をもって廃止、A上場株式等の自己株式の公開買付けの場合のみなし配当課税については、平成22年12月31日をもって廃止、B特定の居住用財産の買換え等の特例について、譲渡対価が2億円以下であることの要件が追加されました(平成22年1月1日以降の譲渡から適用)。





H22.1.7
平成22年度税制改正速報
相続税及び贈与税編


平成21年12月22日に「平成22年度税制改正大綱」が発表されました。そのサブタイトル「〜納税者主権の確立へ向けて〜」
の文言は、民主党政権の思いが垣間見えます。そこで、主要税目及び項目についての改正内容の概要をお伝えします。
第1回目は、「相続税及び贈与税」です。
なお、改正法の骨格が明らかになり次第、その詳細は順次お伝えして行きます。

(1)直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税限度額が引上げられます。
 現行の限度額は500万円ですが、@平成22年中の贈与は1,500万円、A平成23年中の贈与は1,000万円に引上げられます。 しかし、B受贈者に合計所得金額2,000万円以下の所得制限が設けられました。
適用期限は平成23年12月31日(現行 平成22年12月31日)までです。
また、住宅取得等資金の贈与に係る相続時清算課税制度の特例について、現行の特別控除の上乗せ(現行1,000万円)特例を廃止し、年齢要件の特例の適用期限を2年延長することとされました。

(2)小規模宅地の相続税の課税価額の計算の特例について、相続人等による事業又は居住の継続への配慮という制度趣旨等を踏まえて一部見直しがなされました。
@申告期限まで事業又は居住を継続しない
宅地等(現行:200uまで50%減額)を適用対象から除外、A共同相続があった場合には、取得者ごとに適用要件を判定、B一棟の建物の敷地の用に供されている宅地等のうち特定居住用宅地等の要件に該当する部分とそれ以外の部分がある場合には、部分ごとに按分して減額割合を計算、C特定居住用宅地等は、主として居住の用に供されていた一の宅地等に限る、とされました。
 なお、この改正は、平成22年4月1日以後の相続又は遺贈により取得する小規模宅地等に係る相続税について適用されます。

(3)その他改正事項
 @定期金に関する権利の評価に関しては、給付事由の発生有無を基準に、原則、解約返戻金相当額をベースに、一定の評価方法による評価額との比較による方法に改正、また、A相続税の障害者控除額の計算に関しては、現行年齢70歳から85歳に達するまでの年数とされました。適用は、平成22年4月1日以後の相続又は贈与からです。





H22.1.6
健康保険と国民健康保険


私達は一般的に何らかの健康保険制度に加入しています。業務外の事由による疾病、負傷、若しくは死亡、及び出産等本人並びに被扶養者も、保険給付を受けています。

4種類の健康保険
 健康保険には主に4つの種類があります。
1.全国健康保険協会官掌健康保険
2.健康保険組合
3.国民健康保険組合
4.国民健康保険
(他に後期高齢者医療制度があります。)
 運営について、健康保険は全国社会保険協会(以前は政府官掌保険)が保険者となり、健康保険組合は各健康保険組合が、又国民健康保険は原則として、市区町村が保険者となります。

健保の違いは大きく分けると2つ
 各々の違いの一つ目は、加入者の構成です。国民健康保険は自営業者等のうち、個人経営者や、フリーター等、企業で加入している健康保険には加入しない人が対象です。健康保険は法人で働いている人が対象で、法人の経営者も該当します。但し、法人でも大企業が単独で、あるいは同業者が集まり健康保険組合を作っているような時は組合の加入員となります。同じように、国民健保組合は同業者の集まっている組合ではありますが、給付は国保に近いです。
 二つ目の違いは、保険給付にあります。病院等に支払う治療費は患者が3割負担、保険者が7割です。これは4種類とも同様です。

給付の良さは保険料の差
 給付のうち、傷病手当金や出産手当金等(傷病や出産で休職し、賃金が減額された時に給付される手当)は国民健康保険では原則として支給されません。
 さらに違うのは国民健康保険では扶養という概念はなく、被扶養者であっても保険料は世帯の加入者数に含まれて計算されます。
 健康保険や健康保険組合は被扶養者に保険料はかかりませんが、事業主負担分もあり、給付も厚いため、保険料は一般的には、国民健康保険料に比べ高くなります。