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H22.2.26
退職者の健康保険(任意継続・国保)


退職者に伝えたい健保手続き@
 会社を退職して、早速必要となるのが、健康保険証でしょう。傷病は予測がつきませんし、特に扶養家族のいる方は早期に取得が必要とされるでしょう。退職者の健康保険加入は退職後の就職先が決まっている人(再就職先で健康保険に加入する人)以外は、次のようになります。

任意継続と国民健康保険
 退職後、被扶養者になれない場合は、「任意継続」するか「国民健康保険」に加入するか二者択一となりますが、「任意継続」とは退職前に被保険者期間が2カ月以上ある方が資格喪失後、20日以内に退職前に加入していた健康保険の保険者(健康保険組合や協会けんぽ)に申し出ることで最大2年間まで加入できるものです。
 「国民健康保険」は市区町村で運営されており、会社で加入している健康保険制度の加入者とならない人や住民が加入するものです。
 診療窓口で支払う両者の一般的な負担額はいずれも3割で、給付面でも大きな差はありません。両者の大きな違いである手当金も、任意継続保険者では傷病手当金、出産手当金とも廃止されています。ただし、健康保険組合には協会けんぽにはない給付が付いている事が多いので該当する方は確認してみましょう。

両者の保険料の差は?
 両者の給付の差は少ないものの保険料の差はどうでしょうか。国民健康保険の保険料は前年の所得を基準に決定され、計算方法も市区町村によって違っています。前年の所得が高かった方は退職して失業したとしても、保険料が高額になりますし、被扶養者制度がないので、世帯構成員(他の健保制度加入者は除く)に対し、定額負担が発生します。任意継続は退職時の標準報酬か保険者の決めている平均標準報酬月額(協会けんぽでは28万円)の低い方を適用し、会社負担分と合わせた額となります。
 時には国民健康保険より任意継続の方が得な事もあるので、両者の保険料を調べた上で、選択することが賢明でしょう。





H22.2.25
たばこ税増税は健康目的?


たばこ税の増税
 政府は昨年12月22日に、平成22年度税制改正大綱を閣議決定しました。この中で、たばこ税は「1本当たり3.5円の増税(価格上昇は1本当たり5円程度)」することが盛り込まれました。これにより主要銘柄のたばこの価格は1箱400円程度になりそうです。

増税の目的
増税の目的は、あくまで税収の確保です。喫煙が健康に及ぼす影響や。日本も批准した「たばこ規制枠組み条約」においても「価格・課税措置がたばこの消費減少に効果的」という意見も聞かれましたが、今回の増税の目的ではありません。

たばこ税の歴史
そもそも、たばこ税は、1898年、日清戦争後の財政の立て直しのために、たばこを政府の専売商品として販売、安定的に税を徴収する目的で「葉煙草専売法」が施行されました。しかし、葉タバコの密耕作などで、目標とした税を徴収できなかったといいます。 その後の日露戦争時には戦費調達を目的に、葉タバコの買い付けから製造、販売までを管理するようになりました。
第2次世界大戦終了後は、専売公社がたばこの製造を独占し、専売公社はたばこを販売した利益を、専売納付金として国に収めていました。1985年に専売公社は民営化され、日本たばこ産業(JT)となりましたが、国の重要な税収源を廃止することはできず「たばこ消費税」が創出されました。そして、消費税の導入で、名称が「たばこ税」に変更され、現在に至ります。

たばこ税の根拠
現在、たばこ税は「たばこ事業法」のもとで財務省が所管しています。「たばこ事業法」は、たばこ産業の健全な発展と財政収入の安定的確保を目的とする法律です。  
国民の健康目的を理由に増税するのであれば、「たばこ事業法」の目的から、改正を前提に検討すべきでしょう。
 その場合にはかつての「禁酒法」「禁煙法」が何故廃止されたのかも視野に入れた幅広い議論が必要となると思います。





H22.2.24
長期間業務のタイム・マネジメント

長期間(例えば3カ月以上)かかる業務は、目的を達成するまでの作業が入り組んで、的確に進捗管理をするのは中々難しいものです。また、例えば新製品開発・改良、営業方法の改善など、複数の業務を同時に進めていると急速に進捗管理が困難になりますし、通常誰もがやっている「手帳によるアポ管理」では的確な管理は難しいと言えます。

「便利な簡易PERT(パート)」
 複数の長期間業務をうまくスケジューリングして、分かりやすく管理するのに便利なPERT(パート)と云う手法があります。それにもいろいろな表示法がありますが、ここでは簡易にADM(アロー・ダイヤグラム・メソッド・矢線図)使う方法をご紹介します。

  →○→○→○
  ↑       ↓
A→○→○→○→ ○→B
  ↓       ↑
  →○→○→○

 この図の「A」は始めに着手する作業、「B」は完了時の作業、→はその途中の並行作業のつながり、○は作業の連結点を示します。

簡易PERT図の作成手順
 次の手順で作成します。
@テーマのゴールを明確にする。
Aスタートからゴールまでの、作業を細かくリストアップする。(予定期間の10分の1から20分の1位の長さの作業へ)
B作業名を「紙切れ」に書いて、机上に広げ、作業の順序関係を組み立てる。(マッチ棒で前後関係を表示すると便利)
C図のような「アローダイヤグラム(AD)」を期間に合わせて作成

テーマ別に、この図で段取り計画を立て、役割分担を決めて管理すると、各テーマの進捗度合が分かり易く、複数のテーマも混戦しないで管理できて便利です。タイム・マネジメント改善のために活用して見ては如何でしょう。
お試しに、「奥様との旅行計画」に応用すると、夫婦円満と手法習得の一石二鳥の効果が期待できますからお勧めです。






H22.2.23
税制改正の隠れた目玉

独立行政法人中小企業基盤整備機構の所管する中小企業倒産防止共済制度について今般税制改正の対象になっています。

倒産防止共済制度
中小企業倒産防止共済制度は、いつ起こるかもしれない「取引先の倒産」というような不測の事態に直面した中小企業に迅速に資金を貸し出しする共済制度です。
毎月20万円以内の掛金を総額が800万円になるまで積み立てることができます。また加入者は、取引先が倒産した場合に、積み立て掛金総額の10倍の範囲内(最高8千万円まで)で回収困難な売掛債権等の額以内の貸し付けを受けることができます。

どこが税制改正?
今回の改正項目は、月額掛金と積立限度額が2.5倍に膨らんだことです。
この共済掛金は全額損金(必要経費)になりますので、年間240万円の費用を数年に亘り創り出せることになりました。留意すべきは、損金(必要経費)になるこの掛金が掛け捨てでないことです。本来は積立金であり、掛け捨ての保険ではないにもかかわらず、毎月の掛金は、税法上損金(法人)または必要経費(個人)に算入できるのです。

注意すべきこと
解約は自由です。ただし無利息です。40ヶ月以上積み立てれば100%戻ります。40ヶ月以内の解約は損をします。倒産防止共済金を掛金の10倍まで利用しても無利息とはなっていますが、共済金の10分の1の掛金が没収となるので、全体で10%の利息となります。最長期間の5年で返済とすると年利4%に相当します。積立金が無利息であることを考慮すると、高すぎる金利と言えます。
純粋に節税商品として利用するのが最も有利な利用法といえます。

税制上の留意点
毎月掛金の損金(必要経費)算入は租税特別措置法に規定されていますが、損金算入に関する明細書の添付がない場合には、適用しない、とされています。法人税の場合は別表十(六)が用意されています。
また、積立期間40ヶ月以上経過後の任意解約による積立金の全額返還は益金(収入金額)となるので、解約のタイミングも留意事項と言えます。





H22.2.22
今年の決算は
どうしても利益を出したい!

どうしても利益を出したい
景気の低迷が続く中3月決算を前に今年は、どうしても利益を出したいとお考えの社長も多いかと思います。
特に製造業にあっては、昨年の在庫調整により大きな赤字を抱え込んでいるところが多いと思われます。

制度会計による製造原価
制度会計では期末製品や仕掛品の在庫を以下のように計算します。
材料費+外注費+製造経費=製品在庫価格
例えば、売上は10個で200でした。製品も10個作りました。と言う会社の損益計算書は以下となります。

 損益計算書       製造原価報告書
売上     200       材料費    10  
期首製品在庫 0     外注費    10
当期製造原価 100   製造経費   80
期末製品在庫 0     当期製造原価 100
売上原価   100 
売上総利益  100
販管費    100
営業利益   0 

同じように、売上は10個で200でしたが、製品は80個作りました。と言う会社の損益計算書は、以下となります。

 損益計算書       製造原価報告書
売上      200      材料費    80  
期首製品在庫 0     外注費    80
当期製造原価 240   製造経費   80
期末製品在庫 210   当期製造原価 240
売上原価   30   
売上総利益  170
販管費    100
営業利益   70

製造経費80の内70は期末製品在庫として資産に計上され翌期に繰り延べられます。結果として営業利益は70出ることとなります。
売れないものを作っても仕方ありませんが4月以降に売上が期待できるのであれば3月中に作りこむことによって、期末在庫が増えます。期末在庫が増えると言うことはその分製造経費が翌期へ繰り延べられて、利益が出ると言うこととなります。(但し資金繰りは悪化しますので、ご留意下さい)





H22.2.19
給与における間接強制

給与の税金確定の構造
 年末調整においては、給与所得者の提出した扶養控除等申告書などに記載された申告内容に基づいて、事務処理がされます。その際、扶養親族の該当性の適否判定は記載者本人がするのであって、記載された内容の適否についての調査義務・調査権限は給与の支払者にはありません。
 ところで、税務署での調査により、記載内容の適正さに疑問が指摘される場合、給与所得者本人にはその通知は送られず、給与支払者に送られてきます。扶養控除等申告書の記載を修正させて年末調整をやり直すことを要求してくるのです。それで、本人が修正に応じ、年末調整がやり直しとなり、不足税額を納付すると、その後不納付加算税や延滞税の追徴がなされます。給与支払者には落ち度がないのに、このペナルティーは理不尽ですが、多くの場合、不正記載者本人に追徴額の転嫁がされているのではないかと思われます。

不正記載を修正できないときは
 不正記載があっても、扶養控除等申告書の記載の修正がない限り、年末調整のやり直しはできませんので、すでに退職してしまった人の場合にはどうすればよいのでしょうか。給与支払者に特に過失がなく、税額を再計算して徴収し直し、納付することもできない場合には、給与支払者をそれ以上追及しない、との通達があります。
 そんな場合に、税務署長が退職した給与所得者本人に対して直接に所得税額の決定をして不足税額とペナルティーの追徴処置をしたという事例がありました。不正申告者を放置しないとの趣旨ですが、この決定処置は奇しくも国税不服審判所にて取消しの憂き目に会っています。
 なぜかというと、この場合のような給与所得者は年末調整されるだけで、確定申告をする義務がなく、義務がない者への税務署長の直接的納税強制の決定には法律の根拠がない、ということです。

給与の確定申告不要制度の不備
 この事例は、別居母親に月額約10万円程度の家賃相当額を援助していたことから扶養親族として届け出ていたというもので、もし、本人が退職しておらず、税務署の指摘にも応ぜず、税務署長が会社宛に追徴処分をし、会社は本人に転嫁する、というような場合には、誰と誰が争うことになるのか、法が不備で混沌としてきそうです。





H22.2.18
雇用調整助成金の
受給要件緩和

長期化する雇用情勢の悪化を受けて
雇用調整助成金並びに中小企業緊急雇用安定助成金は、企業の生産量や売上げ減少に伴い従業員に休業や出向をさせ雇用維持に勤めた事業主に休業手当や賃金に相当する額として定められた方法で計算した額が支給されます。この度、長引く不況を受け、受給要件の緩和が行われました。

1.生産要件の緩和(平成21年12月改正)
 従来の生産要件「売上高または生産量の直近3カ月間の月平均値がその直前3カ月または前年同期に比べ5%以上減少していること」に加えて「売上高または生産量の最近3カ月間の月平均値が前々年同期に比べ10%以上減少し、直近の決算が赤字である事業主」も利用可能になりました。従来の要件は1年前との比較ではすでに生産量が下がり切った状態であった場合、利用できない事態もあるので2年前との比較を認めたわけです。雇用調整助成金は12月14日から、中小企業緊急雇用安定助成金は12月2日から各々一年間の間に対象期間の初日(2年目の初日も含む)があるものに限られています。

2.申請様式の変更・助成金額の計算方法変更(平成21年11月30日改正)
 申請用紙の様式第5号他、一部様式が変更されています。新様式は厚労省HPからダウンロードする事ができます。
 又、助成金の支給額計算にかかる平均賃金の計算方法は、以前は確定した労働保険料の基礎となる従業員の賃金総額をその年度の所定労働日数で除して算定されていましたが、11月30日以降に初回実施計画届を提出したものからは休業協定に定める休業手当の支給額を暦日で計算する場合、所定労働日数でなく、暦日数(365日)で賃金総額を除し、金額計算します。この場合は従来よりも支給日額が低くなります。

3.再度の出向の要件緩和(平成21年11月30日から1年間の措置)
従来助成の対象となる出向から復帰後、6カ月待たずに行われた再出向については対象となりませんでしたが、6カ月経過前でも支給対象となりました。
以上の措置の他、支給事務にかかる時間を短縮し、初回申請は2カ月以内、2回目申請は1カ月以内に支給決定されるよう、迅速化が図られました。





H22.2.17
子ども手当と配偶者控除廃止の関係

扶養控除廃止は見送られたが…
 政府の2010年度税制改正大綱が決定され、当初予定されていた、扶養控除の廃止は子ども手当の支給される15歳以下の「年少部分」の廃止のみとなり、配偶者控除廃止も見送られました。夏の参院選を意識しての事か、マイナスの影響を受ける世帯はほとんどなかったものの子ども手当等の財源は赤字国債で賄われる事となりました。

子ども手当に必要な財源は毎年五兆円
しかし、今後の財源のことを考えると11年度以降に配偶者控除の廃止が見直されないとも限りません。もし配偶者控除が廃止された場合、女性の働き方は大きく変わってくる事が考えられます。
 今まで妻がパートタイマー等で年収103万円以下であれば、夫の収入の配偶者控除を受ける事ができ、その分所得税は安くなっていました。社会保険も夫の被扶養者として妻は保険料負担をしていませんでした。毎年年末になると年収を抑えるため、多忙な時期に仕事を休んでしまうパートさんもいて、困ってしまったという企業もあった事でしょう。

子ども手当はパートの社保加入につながる?
 ところが、配偶者控除の廃止が実施されると103万円の壁はなくなり、少しでも長い時間を働きたい人が増えて来る事が予想されます。これは一見、長い時間働いてもらえることが良いように見えるものの、一方ではパートタイマーの社会保険加入が促進されていくかもしれないという事が考えられます。
 現在は一般の従業員の4分の3以上の労働日数、労働時間を勤務すると加入対象となり、例えば1週の労働時間が一般の人が40時間の事務所では週30時間以上働く人が対象となります。今まで103万円以内で勤務していた人は、控除の壁がなくなると、より長い勤務時間を希望し、再び社会保険の適用拡大論議が高まるやもしれません。
 子ども手当は企業には直接関係のない事のようですが先行きは影響を受けないとは言えないかもしれません。





H22.2.16
確定申告はお早めに
今日から確定申告です!

 今日から、平成21年分の確定申告が始まります。個人事業主や不動産賃貸収入がある人は、原則として、確定申告をしなければなりませんが、給与所得者で年末調整をした人でも医療費や住宅ローン(1年目のみ)などの控除をうけるときには確定申告が必要となります。

(1)確定申告が必要な人の例
 @個人事業者
 A不動産賃貸収入のある人
 B給与の年間収入金額が2,000万円を超えている人
 C給与を2箇所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える人
 D給与を1箇所から受けていて、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える人
 E同族会社の役員やその親族などで、その同族会社から給与のほか、貸付金の利子や資産の賃貸料を受取っている人
 F土地、建物、ゴルフ会員権等を売却し売却益を得た人
 G医療費控除、寄付金控除、雑損控除
などの適用を受ける人
 H株式等を売却し売却益を得た人(上場株式等の売却で所定の手続きをした人は除く)
 I住宅を取得し、ローン控除を受ける人
 J特定の増改築のローン控除を受ける人

(2)確定申告に必要な書類の例
 @源泉徴収票
 A医療費の領収書(領収書等の日付に要注意・・・領収書の日付が平成21年のものだけが医療費控除の対象)
 B寄付金の領収書(ふるさと納税も含む)
 C初年度に住宅ローン控除を受ける場合
  ・住民票の写し
  ・土地家屋の登記事項証明書
  ・売買契約書、請負契約書等
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書(金融機関より入手)
 D各種控除証明書(生命保険料、地震保険料、小規模企業共済等掛金、国民年金保険料の支払証明書等)など
 なお、振替納税の手続きをされている人は、4月22日が振替日ですので、預金残高の確認をお忘れなく。





H22.2.15
為替差益の節税方法
個人所得税の場合

急激な円高
 このところの円高は輸出企業にとっては大変きついものがあります。2007年8月のサブプライムローンの問題が表面化する前のレートが1ドル124円だったのが、一時84円まで円高が進みました。投資家の間では70円台の円高もあるのではないか、長期的にはドルは下落していくのではないかと言われています。また、その一方でこの円高はチャンスだと捉えて外貨預金に換える動きも出ています。今後円高になるか円安になるかについての予測はできませんが、外貨預金については、為替差益についての節税方法があります。元本が多ければ多いほどその効果はてきめんですが、リスクも大きくなることにはご留意下さい。

外貨預金
一般的に外貨投資といえば外貨預金ではないでしょうか。一時期より金利が低くなったとはいえ、オーストラリアドルに関しては3%強の金利がつきます。ただし金利とともに為替差益を狙うのであれば事情は
変わってきます。外貨預金の為替差益については雑所得として総合課税が適用されます。最高で50%の累進課税となってしまい、所得が多い方ほど多くの税金を納めなければなりませんが、この税金を無くすことができるのです。

外貨MMF
 外貨預金とは似て非なるものがあります。それは外貨MMFという金融商品です。外貨MMFとはマネー・マーケット・ファンドの略で公社債や短期金融商品を中心に運用されています。米国では現金に準ずる安全な金融商品とされています。外貨MMFでは為替差益については非課税とされています。これは債券の譲渡益は非課税という大原則が貫かれているためです。つまり、1ドル80円の時に外貨MMFを800万円分購入して1ドル120円の時に外貨MMF1200万円分を売却して為替差益400万円を得たとしても税金は取られない仕組みになっています。外貨預金では同じケースの場合、最高税率の方ですと200万円の納税となります。
 税法の解釈により似たような金融商品でも税金にこれほどの差が出てしまいます。





H22.2.12
助成金受給の注意点


厚生労働省関連の助成金は主なものだけでも60個以上あり、自社で受給できそうな助成金を研究し、利用している企業も多い事でしょう。
 しかし、受給できると思っていても思わぬ落とし穴があり受給でき損なったり二度手間になったりということも多くあります。
それはどんな時に起きるのでしょうか。各助成金に共通する留意点を見てみます。

1.計画書の提出を忘れていた
 雇用関係の助成金を受給するためには、多くの場合、事前に計画書を出すことが条件になっています。個々の助成金によって提出時期は異なりますが、例えば、「中小企業緊急雇用安定助成金」では休業開始予定日等の前日までに「休業実施計画書」の提出が必要ですし、届出をしていなければ休業をしても対象になりません。又、新規会社設立時などの「中小企業基盤人材確保助成金」は法人設立日等の日より6カ月以内に「改善計画認定申請書」を提出しておき、更に雇い入れ前に「実施計画認定申請書」を提出しておかなければ支給されません。事前申請が必要な助成金は注意が必要です。

2.申請期限に出し忘れてしまった
 助成金には申請期限がありますので、1日でも遅れると受理されない場合がほとんどです。例えば「中小企業緊急雇用安定助成金」では「計画→休業実施→支給申請」という流れですが、支給申請は計画期間の末日の翌日から2ヶ月以内に行います。書類の不備があると受理されない助成金もありますので、期限ぎりぎりでなく早めの申請を心がけましょう。

3.要件を満たしていなかった
助成金の中には、解雇制限期間は、支給対象とならない助成金があります。実施(認定)計画提出日や対象労働者の雇い入れ日の6ヶ月前の日から一定期間事業主都合の解雇者を出していると対象となりません。
一人でも解雇者がいると出ない場合や、三人かつ被保険者数の6%を超えると出ないというような場合もありますので、事前のチェックが必要です。

4.その他
 助成金の中には提出書類が多い割に受給額が少なかったり、手数の割に受給までかなり時間のかかるものもあるので、採算を考えておくことも重要です。





H22.2.10
平成21年分の確定申告
証券税制を再確認

ここ数年、証券税制は毎年改正が行われてきました。そのため、本年の確定申告にあたっては、混乱をまねかないためにも、制度の内容、適用開始日の時期、適用税率等の再確認が必要です。

1.配当及び譲渡益に対する適用税率
 平成20年の改正では、上場株式の配当等及び譲渡益に対しては、平成21年1月1日からの適用税率は原則20%でした。しかし、一昨年の米国発の金融危機を受け、平成21年の改正で、平成21年1月1日から平成23年12月31日までは、所得税7%、住民税3%の軽減税率が適用されることになりました。これは、平成20年以前の税率に戻ったことを意味します。

2.損益通算と配当所得の申告
 昨年までは、配当所得は原則「総合課税」か「申告不要」(大口株主は除く)かの選択でした。しかし、平成21年分の確定申告より、上場株式の譲渡損失と配当所得との損益通算が可能となったことから、上場株式の配当等については申告分離課税の選択ができるようになりました。但し、大口株主は除かれます。これは、株式の譲渡所得に関する申告が申告分離課税であることから、それとの平仄で損益通算する場合の配当所得も申告分離課税による申告に限るものとされました。なお、申告分離課税の税率は、所得税7%、住民税3%です。また、総合課税か申告分離課税かの選択は、その全てについての選択でいずれかに統一しなければなりませんし、この申告分離課税を選択した場合には、配当控除の適用はありません。

3.シミュレーションが不可欠
 平成21年中に上場株式の譲渡損失があり、一方、上場株式の配当等がある場合には、損益通算は可能で、申告分離課税を選択して確定申告をすれば、一定の節税効果は期待できます。しかし、配当所得は申告不要制度も選択できることから、配偶者控除等の適用可否にも影響しますので、実際の金額によるシミュレーションが不可欠です。

4.損益通算と繰越控除
 上場株式の譲渡損失は、最初に他の株式の譲渡益と通算し、控除しきれない上場株式の譲渡損失は、次に申告分離課税を選択した上場株式の配当所得と通算します。それでもなお控除しきれない金額は、翌年以降3年にわたり、同じ順序で繰越控除できます。





H22.2.9
もう申告が始まっています!
贈 与 税 の 申 告

 所得税の確定申告は2月16日からですが、贈与税の申告は2月1日からで、もう始まっています。申告書の提出及び納税の期限は、所得税の確定申告と同じ3月15日(月曜日)です。

(1)贈与税の概要
 平成21年1月1日から平成21年12月31日までの1年間に財産の贈与(法人からの贈与を除く)を受けた個人(「受贈者」といいます)は、その贈与を受けた財産について、次に掲げるケースに応じて「贈与税の申告」をしなければなりません。
@「暦年課税」を適用する場合には、その財産の価額の合計額が110万円(基礎控除額)を超えるとき
A「相続時精算課税」を適用するとき

(2)暦年課税とは
1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額(1年間に2人以上、または、同一人から2回以上にわたり贈与を受けた場合には、それらの贈与を受けた財産の価額の合計額)を基に贈与税を計算する方式です。そして、その財産の価額の合計額が基礎控除額である110万円を超える場合には、贈与税の申告をする必要があります。

(3)相続時精算課税とは
 贈与者も受贈者も一定の要件を満たしていることが前提で、暦年課税に替えて「相続時精算課税」を選択した場合に適用されるものです。具体的な課税方式は、贈与財産の価額から2,500万円の特別控除額が認められ、それを超える部分に対して、一律20%の税率が適用されます。
しかし、この適用を受けるには、その贈与を受けた財産の価額にかかわらず、贈与税の期限内申告が必要です。また、この精算課税を選択した後は、贈与者が亡くなる時まで継続して適用され、暦年課税には戻ることはできず、さらに、贈与者が亡くなった時には、贈与を受けた財産は贈与者の相続財産とみなして持ち戻されます。
 ですので、暦年課税か相続時精算課税かの選択は慎重に行なう必要があります。

(3)その他留意事項
 婚姻期間が20年以上である配偶者から、@居住用不動産又は居住用不動産取得のための金銭の贈与については、基礎控除額110万円のほか2,000万円を控除することができます。また、今年は、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合には、別途、500万円の非課税枠もあります。但し、期限内申告が要件です。





H22.2.8
景品と税金

懸賞などとしての受取景品の税金
商品・サービスの利用者が、偶然性(福引くじ等)、特定行為の優劣(懸賞クイズ等)、市場における偶然の遭遇(街頭配布や来店者配布)によって景品の提供を受ける場合は、商品・サービスとの対価関係がなく、所得としては事業上の取引でなければ一時所得となり、50万円の特別控除後2分の1課税となります。

懸賞によらない受取景品
商品・サービスの利用者が、偶然性を伴わない一定の利用量基準によって差別的に景品を受取る場合には、商品・サービスとの対価関係が認められとして、一時所得以外の所得となります。

例えば「宝くじ付定期預金」の場合
「宝くじ付定期預金」を契約した顧客に対し景品として宝くじを交付することとしている場合、預入金額及び預入期間に応じて宝くじを交付するものは、元本の使用の対価と認められるので、宝くじの発売価格相当額が預貯金の利子に該当することとなります。

個人向け国債販売キャンペーン景品の場合
キャンペーン期間中、個人向け国債を新規資金にて100万円以上購入した顧客が、その購入の多寡による一定の基準でギフトカードもしくはキャッシュバックを受け取れる当該景品の交付は、国債の購入という行為に密接に関連してなされているものと認められ、対価性を有しており、かつ利子、配当、不動産、事業、給与、退職、山林、譲渡及び一時の各所得のいずれにも該当しないことから、雑所得とされます。

景品交付側の費用処理
 法人が商品等の抽選券付販売により当選者に金銭若しくは景品を交付し、又は旅行、観劇等に招待することとしている場合には、これらに要する費用の額は、当選者から抽選券の引換えの請求があった日又は旅行等を実施した日の属する事業年度の損金の額に算入します。ただし、当選者からの請求を待たないで、法人が金銭又は景品を送付することとしている場合には、抽選の日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。





H22.2.5
景品に関する規制とは

1 懸賞や景品の金額に制限があることをご存知ですか?
不当景品類及び不当表示防止法は、景品類の最高額や総額等を規制し、過大な景品類の応酬による不健全な競争を防止しています。
規制を受ける「景品類」とは、(1)顧客を誘引するための手段として、(2)事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する、(3)物品、金銭その他の経済上の利益をいいます。値引きやアフターサービスは「景品類」に含まれません。
そして、「景品類」の提供方法により、「懸賞」、「総付景品」に大別され、各々景品類の限度額等が定められています。消費者庁は、違反した事業者に対し、景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができます。

2 懸賞にかかる規制とは?
「懸賞」とは、商品・サービスの利用者に対し、偶然性(くじ等)、特定行為の優劣(クイズ等)等によって景品類を提供することをいい、複数の事業者が参加して行う「共同懸賞」、それ以外の「一般懸賞」と分けて規制されています。
一般懸賞における規制は、@最高額が、取引金額が5,000円未満であればその20倍、5,000円以上であれば10万円を限度とし、かつ、A総額は、懸賞にかかる取引予定総額の2%がその上限となります。共同懸賞の場合には、@最高額が一律30万円で、かつ、A総額は、懸賞にかかる取引予定総額の3%がその上限となります。

3 懸賞によらない景品等の場合は?
これに対し、一般消費者に対し、「懸賞」によらずに提供される景品類を「総付景品(そうづけけいひん)」といいます。商品・サービスの利用者や来店者に対してもれなく(申込順、先着順も含む)提供する商品・サービスがこれです。
 こちらは、取引価格が1,000円未満であれば200円、1,000円以上であればその2割が上限となります。

4 その他
なお、新聞、雑誌、不動産、医療について、別途規制があります。
実際の計画で、規制に該当するか否かを判断するのは、意外と難しいので、消費者庁に問い合わせるか、以下のHPをチェックすることをお勧めします。
http://www.jftc.go.jp/keihyo/qa/keihinqa.html





H22.2.4
扶養親族の綱引きと機会の不平等


先着順が大原則
 別居や離婚後、養育費その他の費用を負担している父と、日常の起居を共にしている母とがいる場合、どちらの扶養親族とするかは、二重の控除は認められないので、「扶養控除等申告書」などの扶養親族とする届出をどちらが先に提出したかによるものとしています。

先着順とすることの不公平
 しかし、夫婦の一方が、別居や離婚後、就職して新たに働き始めるというような場合に、そもそも先着順を争う前提的条件がないわけですから、子の帰属をめぐる争いがある場合には税法は中立の立場になく、アンフェアと言わざるをえません。
 扶養親族というなら本来はどちらが主要な扶養者かで決すべきところなのに、規定は、先着順を大原則とし、それが不明なときは、所得の大きい者の側に帰属するものとしています。先着順や所得の多寡は決して扶養の事実の直接的な証明になるものではありません。

別なルール適用者にも同じ判定基準では
 扶養控除等申告書の提出の時間的先後を争えるのは給与所得者だけです。事業所得や不動産所得で収入を得ている人は確定申告書などの提出によってしか扶養親族に関わる届出をする機会がありません。
扶養親族に関わる届出の先後で扶養親族の帰属を決するとなると、そもそも機会の不平等を前提にしているので、給与所得者が常に先着者になってしまうことになります。給与所得者の「扶養控除等申告書」は通常、その年の前年末に提出するのに対し、確定申告書はその年の翌年2月16日以後に提出するものだからです。

事例もあるのになぜに疑問視されない
審査事例に、別居中の夫は月額2万円を子の養育費として送金しているのみで、妻は子と起居を共にし、生活費も大部分を負担しているというケースで、妻が不動産所得に伴う確定申告において子を扶養親族として申告書を提出したところ、争う術もない先着順ルールで否認されたというものがあります。
アンフェアなルールを決めて、それで判定しても、結論はアンフェアなものにしかなりません。それに、この先着順ルールは法律ではなく政令規定なので、なおさら納得し難いところです。





H22.2.3
相続税過大納付で
市役所に国家賠償法の責任

平成2最高裁で勝ってしまった
 共産党から自民党まで全ての市議会会派が市長を支持した裁判での敗訴が最高裁で最終的に確定しました。勝ったのは一納税者です。負けたのは鎌倉市です。
この事件は、固定資産税評価額が過大だったことにより、相続税が過大納付になってしまったことに対し、市長に過大納付相続税分の損害賠償を請求したものです。

税務署の仇を市役所に討つ
 発端は、相続税の申告の12年経過後に、土地の固定資産税評価額がどうみても高すぎるように思い、市役所に調査依頼をしたことです。その結果、市役所は評価上の色々な補正割合の適用に原則的な誤りがあることを発見し、12年前からの評価額を洗い直し、固定資産評価審査委員会の決定に基づき12年前から過大納付であった固定資産税を返還しました。
 調査依頼人は同時に、12年前の相続税の申告と納付についても、新しく修正された12年前の土地の固定資産税評価額に基づき、相続税評価額を計算し直し、1,956万円の相続税過大額につき、税務署に対し更正の請求をしました。しかし、税務署は、更正可能期間が既に経過しているとして減額修正の請求に応じませんでした。
 それで、市長に対して国家賠償法上の請求を提起したわけです。当然にこれは係争となり、裁判にもちこまれました。

大岡裁きの連続
平18-05-17 横浜地裁 認容・鎌倉市控訴
平19-09-26 東京高裁 棄却・鎌倉市上告
平21-10-02 最高裁 上告棄却
地裁判決は、市は守るべき規範である評価基準等に従って評価額を決定すべきにもかかわらず、職務上通常尽くすべき注意義務を怠り漫然とそれをしていたのだから、国家賠償法上の過失及び違法性が認められる、としました。
税務署が過納税金を返えしてくれないから市役所に腹いせの請求をした、という印象のある事件だったので、地裁での納税者勝訴の判決が出たときには、意外な大岡裁き判決と思われました。
ところが、高裁でも納税者が勝ち、最高裁でも勝ってしまいました。鎌倉市の弁償額は相続税過大額に年5%の利息相当額約1,752万円を加えた計約3,708万円です。





H22.2.2
同時死亡の場合の生命保険金の受取人

商法の保険条項
 商法によると、保険契約者には、保険金受取人を指定する権利があるが、もし指定されていた保険金受取人が死亡したときは再指定することができる、ただしその権利を行使せずに保険契約者本人が死亡したときは、保険金額を受取るべき者の相続人を以て保険金額を受取るべき者とする、との規定があります。

こんな場合はどうなる
 Aは、P生命保険会社との間で被保険者をA、保険金受取人をAの妻Cとする生命保険契約を締結していました。
AとCの両名が事故により同時に死亡したことから、Aの弟BとCの兄DがP社に対して保険金の支払を求めた事案です。なお、AとCとの間には子はなく、Aの両親及びCの両親は、いずれも既に死亡しており、Aには弟B以外に兄弟姉妹はおらず、Cには兄D以外に兄弟姉妹はいませんでした。
 保険金受取人は弟Bか兄Dか? それとも両者で折半か?

同時死亡の推定規定
 民法には同時死亡の推定規定があります。
数人の者が死亡した場合において、そのうちの1人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する、と規定されています。
 この規定により、事故などで、死亡の前後が不明なときは、同時に死亡したこととされます。ただし、同時死亡の推定の効果は推定にすぎませんので、異時死亡を立証することができればその法的効果は覆えされることになります。

同時死亡の場合の相続権
 相続人は被相続人の死亡時に生存している者に限られると解釈されるので、AとCの同時死亡の場合、死亡したAの相続人にCが該当するかというと、Aの死亡時にCは生存していないので、CはAの相続人になれません。逆にAもCの相続人にはなれません。
従って、保険金の受取人は妻Cであったので、妻Cの相続人である兄Dが保険金受取人ということになります。





H22.2.1
労働生産性を挙げよう!

社員58名の計測装置製造業・U社では社員が自主的に働き方を創意・工夫して実行することを奨励し、毎月、実績を上げた社員が全員の前で業務効率改善内容と成果実績を5分程度で発表、その場で改善実績ランク別の「社長表彰」を行っています。個人だけでなくグループ改善で知恵を出し合うことも奨励していますので、全員が仲間と協力して効率改善を図ることが日常的に行われるようになりました。

労働生産性を上げるには
「労働生産性」とは、企業がヒトと云う経営資源を投入して、どの程度の付加価値が得られたかを示し、「設備投資の生産性」とともに、経営資源活用の有効性を示す重要な指標です。

労働生産性(1人当たり付加価値・円)=付加価値÷従業者数

製造業の場合:労働生産性
(1人当り加工高・円)=(売上高−原材料費−外注費)÷従業員数

非製造業の場合:労働生産性
(1人当り売上総利益・円)=売上総利益÷従業員数

「付加価値」とは企業が新たに生み出した価値であり、簡便法として製造業・非製造業別に次表の方法で計算します。製品(商品)の付加価値を上げるために製品開発や設計改良・設備投資による省人化・仕入改善も効果がありますが、ここではそれらの元になり、かつ現場改善効果が生み出せる最も大切な人の知恵による生産性改善に注目しましょう。例えば設計業務は技術者が、図面に材料の穴あけ設計する場合、その形状を統一するだけで、現場労働者の生産性が大きく改善される、と云ったように生産コストに影響があります。U社は社長がこのような関係を経験から熟知しているために、技術者も現場労働者も一緒に自発的に協力して改善を考えるように、全員の前で改善実績の発表と表彰を行っているのです。その際、それぞれの改善実績のどこが良かったか、協力の成果がどのように表れたかをコメントしています。人材のやる気やチームワークが労働生産性に決定的な影響を及ぼすことを知りぬいた「労働生産性向上法」をとっているのです。