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H23.10.31
定年年齢を引き上げた時の助成金

定年引き上げや継続雇用制度を導入
 中小企業の中には中高齢者の社員が多い会社もあると思いますが、熟練した高齢者を雇用維持し活用していきたいとお考えの企業では60歳の定年を引き上げようという場合もあるでしょう。そのような時に新たな制度を設け実施した時に助成金が受給できる場合があります。

中小企業定年引き上げ等奨励金
 受給要件は次の@〜D全てを満たす必要があります。
@雇用保険適用事業の事業主
A支給対象となる制度を実施した日において中小企業事業主(常用被保険者が300人以下)である事
B実施の日から起算して1年前の日から実施日前日までの期間に60歳以上の定年を定めており、64歳までの定年か継続雇用制度を定めている事
C就業規則等により定年引き上げや継続雇用制度を制定、実施し6ヶ月以上経過してから申請をする事
D支給申請日の前日において、1年以上継続して雇用されている60歳以上の常用被保険者が1人以上いる事
 受給額は実施した制度の種類と企業規模に応じて受給額が違っています。
 企業規模は雇用保険の被保険者数がA:1人〜9人、B:10人〜99人、C:100人〜300人の規模に区分されています。実施する制度の種類は次の@〜Dがあります。
@定年の引き上げ(65歳以上70歳未満)
A定年の引き上げ(70歳以上か定年の廃止)
B希望者全員を対象とする70歳以上までの継続雇用制度の導入
C希望者全員を対象とする65歳以上70歳未満までの継続雇用入制度の導入
D定年の引き上げ(65歳以上70歳未満)と希望者全員を対象とする70歳以上までの継続雇用制度を併せて実施

 

A(万円)

B(万円)

C(万円)

@

40

60

80

A

80(40)

120(60)

160(80)

B

40(20)

60(30)

80(40)

C

20

30

40

D

60(50)

90(75)

120(100)






H23.10.28
定年退職後の年金と雇用保険

60歳で定年退職したら
 定年退職と言えば一般的には満60歳時が多いと思いますが、最近では継続雇用制度で勤務を継続する方も多いようです。しかし退職してすぐに再就職をしない場合もあるでしょう。その場合まず年金額を把握する必要がありますが、「ねんきん定期便」や年金事務所の年金相談などで事前に把握されている事と思います。当面の生活設計の為にはどのような手続きが必要でしょうか。年金受給には老齢厚生年金の裁定請求書を申請する必要があります。

60代前半の特別支給の老齢厚生年金
報酬比例部分相当の老齢年金は満60歳時から支給されますが、昭和24年4月2日以降に生まれた方は定額部分の支給開始年齢は満65歳からとなります。つまり満額受給できるのは満65歳からという事になります。
 満65歳になると定額部分は老齢基礎年金に変わり支給され、配偶者がいる場合は加給年金も加算されます。配偶者加給年金は厚生年金や共済年金に20年以上加入している受給権者に生活維持されている65歳未満の配偶者がいる場合、家族手当的な意味合いで支給されます。(配偶者の年収は850万円未満である事が必要)

会社を退職して失業給付を受けたい時
定年退職後にすぐ年金を受給するか、雇用保険の失業給付を受けるのか迷うところですが再就職を考えているならば再就職の意思と能力があると認められれば失業給付を受給することが出来ます。居住地のハローワークで求職の申し込みをすると年金は支給停止となります。失業給付は年金より優先して支給されますので併給はされません。失業給付額は退職前最後の6ヶ月の給与の平均額に給付乗率と給付日数を乗じます。失業給付の所定給付日数は加入期間の長さによって違いますのでハローワークで受給額を確認してみるのが良いでしょう。

定年退職後の医療
退職後の健康保険は引き続き会社の保険の任意加入制度に入るか市区町村の国民健康保険に入るかという事ですが、任意加入制度の保険料は現在負担している保険料の倍額の金額となります。(上限額は標準報酬28万の時の労使負担額を合算した額)
 国民健康保険料は住民税額を基に決められますので市区町村に確認され、安い方を選択することが出来ます。





H23.10.27
自動車課税と国民意識


自動車利用者の税負担感は強い?
5、6年前のことですが、(社)日本自動車工業会・(社)石油連盟・自動車総連などが「ガソリン税は二重課税」とか「消費税と自動車取得税との二重課税」という内容で広告を出し、税制建議もしていました。
 最近、JAF(日本自動車連盟)が「自動車税制に関するアンケート調査」を行い、自動車ユーザーの97%が自動車関連税を重いと感じている、と報告しています。

JAFアンケートの問題意識
JAFはアンケート質問の前に問題点の存在を指摘しています。
@自動車の取得段階では消費税と自動車取得税が、さらに保有段階では自動車税と自動車重量税があり、その負担は欧米諸国に比べ約2〜49倍と極めて過重。
A自動車諸税では本来の約2倍もの税率(旧暫定税率)が「当分の間」として維持されている。
B自動車重量税は、道路の整備で利益を受けるからとの趣旨で、道路整備費補填のため創設され、平成21年に一般財源化されたことにより課税根拠を喪失している。
C消費税と自動車取得税は共に5%税率で、取得時の二重併課である。
Dガソリン本体価格にガソリン税がかかり、その合計額にさらに消費税がかかる、という重複課税がある。
E地方では生活の足として自動車が必需品で、自動車への税の過重負荷は地方への過重負荷を意味することになる。

誘導尋問的なスタンスではあるが
 JAFアンケートの設問には、回答を誘導する姿勢がアリアリなので、回答内容がそれに引っ張られるのは当然ながら、その集計結果は日本国民の意識をよく反映しているような印象を受けました。
@自動車への過重負荷には、国の財政が厳しいならやむなし51%、自動車ユーザーは負担力があるから21%、税率が下がると自動車の利用が増え環境に負荷がかかるから20%、と容認派が多数である。
A特定財源から一般財源になったことによる課税根拠喪失には、87%はスジが通らないとしている。
B二重併課、重複課税、地方過重も好ましい課税のあり方ではないとの意見が89%、87%、85%と高率である。





H23.10.26
バフェット増税論に思う

バフェット発言を読み解く
 アメリカの著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が、米ニューヨーク・タイムズ紙に「年収100万ドル超の富裕層に即座に増税するべき」、財政赤字削減の負担を分かち合うべきと寄稿し、話題になっています。
 しかし、不思議なことに、バフェット氏の連邦税は、693万8744ドルと巨額ですが、実効税率は17.4%でしかなくて、彼の部下の20人の従業員の誰よりも低い税率なのだそうです。理由は、バフェット氏の所得の種類が株式の配当や譲渡益など15%税率の投資家所得で占められているからのようです。

なぜ部下より低い税負担率
 仮にバフェット氏の投資家所得以外がアメリカ連邦所得税の最高税率は35%に該当するものとして計算すると、
@A×15%+B×35%=$6,938,744
A(A+B)×17.4%=$6,938,744
この@とAの連立方程式を解くと、
A=$35,092,498(88%)
B=$ 4,785,340(12%)
となり、所得の88%が投資家所得であることになります。

バフェット的な人に負担を求める
 アメリカ連邦所得税に低率分離課税がないとして、全部総合課税だったとすると、ほぼ倍の税額を納めることになっていたところです。
 高所得層がより低い層より税の負担率が低い、という現象が起きていることに、バフェット氏は心の痛みを感じての発言をしているのでしょうが、ここから直接に、だから高所得層には富裕税を課すべきであると言うことにはなりません。
まず提起されているのは、所得に逆進的になっている税の歪みの是正の問題だからです。多くの高所得層は、投資家所得よりも、主には、連邦所得税の最高税率の洗礼を受けている、と思われるからです。

日本について同じように考えると
 この課題は、増税論議が盛んになっている日本の税制について考える場合においても、同じ問題が存在しています。むしろ、日本の場合の投資家所得は上場株式については7%の分離課税税率で、所得税の総合課税の最高税率は40%なので、税負担の所得逆進性はアメリカよりも激しい、と言えます。





H23.10.25
やっと施行、倒産防止共済

10月決算法人から利用可
 中小企業倒産防止共済の掛金引き上げの施行日は政令委任になっていましたが、ようやく9月16日この政令が公布され、10月1日施行と定まりました。
この政令の基となる法律「中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律」は平成22年4月14日の成立です。鳩山内閣のときです。それから1年半、菅内閣を経て野田内閣まで、随分永いこと待たされました。

改正法施行の内容
改正新法により、毎月20万円以内の掛金を、総額が800万円になるまで積み立てることができます。また加入者は、取引先が倒産した場合に、積み立て掛金総額の10倍の範囲内(最高8千万円まで)で回収困難な売掛債権等の額以内の貸し付けを受けることができます。

毎年240万円の損金算入積立金
この共済掛金は掛け捨てではありません。それなのに、全額損金(必要経費)になります。1年分前払いの場合には短期前払費用の損金算入の適用もあります。
得意先倒産リスク管理用積立性保険に加入することを兼ねて、純粋に節税商品としてこれを利用することは可能です。

知っておいてよいこと
解約は自由です。ただし無利息です。
40ヶ月以上積み立てれば100%戻ります。40ヶ月以内の解約は損をします。
共済掛金積立額の10倍までの貸し付けを受けても、無利息となっていますが、共済貸付金の10分の1の掛金が没収となるので、全体で10%の利息となります。最長期間7年で返済するとなると、年利2.857%に相当します。

申告に際しての留意点
掛金の損金(必要経費)算入の適用要件として、明細書の添付が要求されています。法人税の場合は別表十(九)が用意されています。
また、任意解約による積立金の返還金は益金(収入金額)となるので、解約のタイミングも留意事項と言えます。

小規模共済・中退金の施行は?
なお、同時期に改正された、小規模企業共済への加入者枠拡大、中小企業退職金共済への加入者枠拡大については平成23年1月より施行されています。





H23.10.24
グループ法人税制
1人で渡る赤信号

赤信号みんなで渡れば怖くない
有価証券報告書提出会社以外の株式会社は、決算公告が義務付けられていて、官報または日刊新聞紙もしくはインターネットで公告することになっています。
 しかし「赤信号みんなで渡れば怖くない」で、ほとんどの中小株式会社がその義務を無視しています。罰則はあるのですが、発動されたことはありません。

制度誘導しているグループ法人税制
 グループ法人税制では、寄附金の取扱いや、現物分配、会社清算などでの特例の適用は、個人株主の下に複数の兄弟会社があるという形のときには対象になりません。法人同士の親子関係でなければなりません。
 そうすると自ずと、兄弟会社の上に全会社を統括する持株会社を設けて親子関係にするとか、兄弟関係を親子関係に組み替えるとか、ということに制度誘導されていくことになりそうです。

1人で渡るときの赤信号
持株会社設立や兄弟会社の親子会社化に制度誘導される手法としては、
@ 新設分割をして事業を分社化する
A 株式交換をして完全親子会社になる
B 株式移転により完全親会社を新設する
などが挙げられます。
 ところが、これらの会社分割、株式交換、株式移転をしようとすると、決算公告をきちんとしているか否かが問われます。これらの組織再編行為をするときには、債権者保護手続きとして、官報公告や催告書の送付が義務付けられています。その文書には、決算公告が掲載されている官報や新聞の日付と頁数又はホームページのアドレスを示すということが要求されています。

組織再編の関所は登記手続きという要害
 組織再編行為の場合、債権者保護手続のあと商業登記手続をしますが、登記の添付書面として決算広告とセットになった官報広告及び債権者への催告書が必要です。登記手続きは、組織再編を有効にする不可欠の要件なので、この関所を越えるためには、決算公告を無視し続けるわけにはいかないのです。
そういうわけで、官報の組織再編公告には、タイミングの遅れた決算公告を一緒にしているものが目に付きます。





H23.10.21
不法就労者を雇ってしまったら

不法就労とは?
 不法就労とは、日本に滞在する外国人が、許可を受けないで収入や報酬を得る活動を行ってしまうことを言います。在留できる期間を超えて日本に残留している外国人(=不法滞在者)の就労はもちろん、たとえ正規の手続きを踏んで在留資格を持っている外国人でも、その資格で認められている活動以外の活動を行い、収入や報酬を得た場合は、不法就労に該当します。

雇用主の罰則
 不法就労者を雇用してしまった場合、雇用主は不法就労助長罪として、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこの両方が科されます。もし、法人の代表者や従業員がこの罪を犯してしまったときは、その行為者だけでなく、法人についても300万円以下の罰金を科することができる(両罰規定)とされています。

不法就労者の労働災害
労働災害について、会社は日本人も外国人も同様に責任を負います。これは、不法就労者の場合も同じであり、労災保険の適用があります。不法就労者が労働基準監督署に対し、労災保険支給申請をした際にも、少なくとも労働災害の事実関係を調査するための期間については、入国管理局に通報されないことになっています。
また、もし雇用主側に安全配慮義務違反や不法行為があった場合、雇用主には民事責任も生じます。この場合、雇用主は不法就労者に対して、逸失利益(=不法行為がなければ得られたはずの利益)や慰謝料を賠償する必要があります。

不法就労者を雇用しないために
 外国人が適法に日本で働くことができる場合、その外国人が希望すれば、就労資格証明書が交付されることになっています。就労資格証明書とは、その外国人が具体的にどのような就労活動ができるのかを示したもので、この証明書が確認できれば、雇用主も安心して外国人を雇用することができます。ただし、この証明書は本人が希望した場合に交付されるもので、これがなければ就労できないというわけではありません。就労資格証明書がない場合は、パスポートや外国人登録証明書を持参してもらい、在留資格や在留期間をしっかりと確認しましょう。





H23.10.20
大幅な見直し 特定資産の買換え

 特定資産の買換え特例とは、保有不動産等(土地等及び建物等)を売却し、一定の要件を満たす不動産等(土地等、建物、構築物、機械及び装置)に買換えた場合には、最大、譲渡益の8割まで課税の繰り延べ(圧縮記帳)ができる制度です。昭和の高度成長期から平成の現在に至るまで、有効な資産活用及び設備投資を可能にする利用価値の高い制度として長らく不動産税制の中心に君臨してきました。
 しかし、近年、国内産業の空洞化等により制度の有用性に陰りが見えたのでしょうか、平成23年度の税制改正において、この買換え特例制度については、大幅な見直し改正がなされました(震災特例法は除く)。 
 そこで、この特例制度(法人税を中心に)の主な項目の改正内容を確認してみます。

既成市街地等から外への買換え
 これは、1号買換えとも呼ばれ、地方経済の活性化に最も活用されてきた特例です。今回の改正では、農林業以外の買換資産についても、3大都市圏の近郊整備地帯等及び政令指定都市の市街化区域内に限定され、また、譲渡資産から店舗が除かれました。   
 なお、この特例は、平成26年3月末まで延長されています。

土地有効利用のための買換え(改正前旧法11号、12号、13号買換え)
 この買換えは、「立体買換え」と呼ばれてきたもので、所有土地をデベロッパーに譲渡、その土地の上に建設された中高層マンションに買換える、別名「等価交換方式」ともいわれ、土地の有効利用に活用されてきました。しかし、今回の改正で、この特例は平成23年6月30日をもって廃止になりました(経過措置で6月30日前に旧法に基づき譲渡した資産については、改正前の買換特例が適用されます)。
 なお、個人所得課税においては、立体買換えの特例は引き続き存続しています。

10年超長期保有資産の買換え特例
 改正前旧法では17号買換えとも呼ばれ、譲渡資産や買換資産に地域要件がなく、使い勝手もよく、もっとも利用されてきた特例ですが、今回の改正では期限の延長はなく、譲渡の期限は平成23年12月31日までとなっています。平成24年度の改正で期限延長が認められるか否かは未定です。この特例の適用を検討されている方は、平成23年度中の譲渡が確実かもしれません(個人所得課税でも譲渡期限「平成23年12月31日」は同じ)。





H23.10.19
外国人と年金

 
 日本では、日本に住所がある20歳以上60歳未満の人は、国民年金に加入しなければなりません。また、厚生年金の適用事業所に勤め、一定の条件を満たした場合には、国民年金ではなく厚生年金に加入します。
これは、外国人であっても同様に発生する権利・義務です。

貰える年金の額は?
 日本の年金制度に、国籍は関係ありません。つまり、年金をもらうために必要な期間(=受給資格期間)を満たしていれば、日本人と同じように年金が受給できます。

受給資格期間を満たさない場合は?
年金を受給するには、受給資格期間を満たさなくてはなりません。たとえば老齢年金の場合、原則として25年以上年金に加入している必要があります。
しかし、外国人の方の中には、いずれは母国へ帰国してしまう予定の方も多く、この受給資格期間を満たせない場合があります。そんなとき、外国人の方の母国と日本が社会保障協定を結んでいた場合には、日本での年金加入期間を母国での加入期間と通算することができます。

社会保障協定とは?
 社会保障協定とは、日本と相手国との間で、「保険料の二重負担防止」と、「年金加入期間の通算」を目的として結ばれる協定です。外国人の方の母国と日本がこの協定を結んでいれば、母国に帰っても日本での年金加入期間が通算できますので、日本で払った保険料も無駄になりません。

外国人脱退一時金
 もし、外国人の方の母国と日本が社会保障協定を結んでおらず、年金加入期間が通算できない場合、日本の年金制度に加入しても、保険料の払い損になってしまう可能性があります。
この払い損を防止するために設けられているのが、外国人脱退一時金制度です。これは、国民年金や厚生年金に6か月以上加入した外国人が、出国から2年以内に請求をすれば、加入した期間に応じて一時金が支給される制度です。ただし、この一時金を受け取ると、一時金に該当する期間は、年金の加入期間ではなかったこととされるため、将来日本に戻る予定がある方は注意が必要です。





H23.10.18
留学生とアルバイト

 外国人は、「在留資格(全27種類)」を有することで日本に滞在できます。これらの在留資格は、就労や留学など、日本で行う活動の目的に応じて許可されるため、持っている在留資格によって活動の範囲が制限されています。
「留学」の在留資格を持つ人(=留学生)の場合、本来の活動目的は勉学ですので、アルバイトのような在留資格外の活動をする場合には、事前に「資格外活動の許可」を得なくてはなりません。

「資格外活動の許可」を得るには?
資格外活動許可申請書を地方入国管理局へ提出します。申請書の他、パスポート・外国人登録証明書・学生証も添付します。

働くことができる時間
本来の学業を阻害しないよう、アルバイトをする時間に制限があります。
【通 常】
1週間につき28時間以内
【教育機関の長期休業期間中】
1日につき8時間以内

業種の制限
認められた時間内であっても、風俗営業関連の業種で働くことはできません。具体的には、バーやキャバレー・アダルトショップなど性風俗に関連する店や、麻雀・パチンコ店などです。
こうした業種の店で、皿洗いや清掃・ティッシュ配りのアルバイトをすることも禁止されています。

留学生の所得税
 中国や韓国など、日本と租税条約を結んでいる国からの留学生で、大学又は高等専門学校に在籍している場合、税務署で所定の手続きをすることで、所得税の全額又は一部を免除される場合があります。

雇用主の義務
現在、外国人の方を雇い入れたり、離職する際には、「外国人雇用状況届出書」をハローワークに提出することが義務づけられています。
たとえ雇用保険の対象外である留学生のアルバイトを採用した場合でも同様です。





H23.10.17
請負と委任 収益の計上

 法人税法では、収益の計上は別段の定めがある場合を除き、一般に公正妥当と認められる会計基準に従って処理されます。そこで「請負」と「委任」によって、収益の計上にどのような違いが生じるか検討してみたいと思います。

請負契約と収益計上
 民法では、請負に関する報酬の請求権は、仕事を完成してその目的物を相手方に引渡した時(物の引渡しを要しないときは、約した仕事が完了した時)に発生するとしています。
 したがって、法人税法上でも原則その収益計上は、物の引渡しにあっては、その目的物の全部が完成して相手方に引渡した日の事業年度。役務にあっては、約した役務の全部を完了した日の事業年度、ということになります。これはいわゆる完成引渡基準と呼ばれるものです。      
 しかし物の引渡しを要しない請負契約、例えば、設計・測量・調査といった技術役務の提供にあっては、派遣日数、滞在日数等により、一定の期間ごとにその金額が確定している場合や報酬が作業の段階ごと区分され、かつそれぞれの段階の作業が完了する都度、その金額を確定させている事実があれば、その都度収益を計上すべきものとしています。
 なお請負契約においては、完成した仕事に不備(瑕疵)があれば、その補修責任及び賠償責任を負います。その意味では、上記の引渡基準のみならず検収基準も考慮されるべきもと考えます。

委任契約と収益計上 
 委任における報酬の請求は、請負と違って仕事の結果に対するものではなく、委任事務の履行そのものに対する請求であり、その事務を履行した後でなければ請求できません。ただし期間によって報酬を定めたときは、その期間を経過した後に請求することができることとなっています。
したがって、法人税法上もその報酬の収益計上は、課税上弊害がない限り定められた契約の内容に準拠する以外にないと考えます。
なお請負契約においても委任契約においても、役務の提供に際して収受する着手金等については、原則後日精算して剰余金があれば返還することになっていないものについては、その収受した日の属する事業年度の収益に計上する取り扱いになっています。





H23.10.14
請負と委任 印紙税の課否

 印紙税は、日常の経済取引に関連して作成された各種の文書うち、課税物件表に掲げるものに対して課税される税金です。
 課税物件表に掲げられているものは、契約書、受取書、有価証券、手形、預金通帳などの文章で、作成された文章がこれら課税物件表に掲げられている課税文書に該当する場合にだけ課税されます。

請負契約か委任契約か
 平成元年、消費税の導入とともに「委任状又は委任に関する契約書」は、課税物件表から削除され、課税廃止になりました。
 この改正を受け、現在においても、業務に関する事務を他に委任する契約書が、課税廃止となった「委任に関する契約書」なのか、それとも引き続き課税文書とされる「請負に関する契約書」なのか、その判断はかなり難しい面があります。              
 もっとも、「請負」、「委任」というのはどのような契約形態のものを指称するのかという点については、もっぱら、民法等の私法上の概念に準拠して解釈されます。

民法における請負契約及び委任契約
 請負契約の特徴は、有償が前提で、仕事の結果に対して報酬を支払い、仕事の内容に不備(瑕疵)があれば、当然に請負人は補修義務及び賠償責任を負います。
 一方、委任契約の特徴は、有償の場合も無償の場合もあり、受任者は、委任の本旨に従って、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理しなければなりませんが、仕事の結果に対する責任を負いません。

請負と委任の区分の判断基準
 以上、民法における「請負」と「委任」の法的効果の特徴点を挙げてみました。この特徴点から「業務に関する事務を他に委任する契約書」が「請負」か「委任」かを区分する場合の一つの判断基準になるとして、次のような考え方が示されています。

「請負」
 仕事の内容が特定していて、報酬の支払いが仕事の結果と対応関係があるもの。

「委任」
 仕事の内容が相手方の処理に委ねられていて、仕事の成否の有無にかかわらず報酬が支払われるもの。
 例えば、データーの事務処理の委託を内容とする契約書であっても、データーの処理量と報酬の支払いが対応関係にあるものは「請負」に該当することになる、という判断です。




H23.10.13
家族従業員の労災加入

家族従業員は労働者か
 家族で商売を行っていて、家族従業員が事業主と同居している場合には、原則として労働基準法の「労働者」ではありませんが、別居している場合は他の従業員と同様の「労働者」として扱うことが出来るとされています。

同居の親族が労働者となる場合
 事業主と同居の親族であっても次のような条件をすべて満たせば、労働者として扱われます。
@同居の親族の他に一般従業員がいる事
A就業実態が事業場における他の従業員と同じである(例えば一般事務や現場作業などに従事している)給料もこれに応じて払われている事
B労働時間や休日、休暇の管理や給料の決定計算方法が明確に定められており、その管理が他の従業員と同様になされている事
C業務を行う上で事業主の指揮命令に従っている事

万一、労災が起こった時は
 家族従業員は労務管理上の問題は起こらないと思いますが同居の親族は原則労災保険の対象者ではないので業務中に事故が起こった時に労災保険が使えるかどうかという問題が考えられます。そのために家族従業員にも業務災害をカバーする保険をとり入れる必要があるでしょう。
 もちろん過去の申請例では家族従業員全てが労災適用されていないわけではありませんが、適用されなかった事も多く、万一を考え対策をしておきたいものです。

家族従業員の業務災害対策
 業務災害に対する備えとしては、働き方を決めておく必要があるでしょう。
@従業員として扱うのであれば、前述のような同居の親族の適用要件を満たすような、労務管理や勤務体系にしておく事
A従業員扱いであり、他にも従業員がいて、働いている場合で労災保険の特別加入制度に加入して、適用を受ける
B公的な労災保険の適用は受けないのであれば民間の傷害保険に加入する。この場合特別加入制度の上乗せとして、民間保険加入という方法もあるでしょう
 いずれにしても事業主は家族である配偶者や後継者となる同居の親族の労災保険を
どう取り扱うかを考えておく必要があるでしょう。





H23.10.12
国民年金の追納延長


保険料の追納は10年まで可能に
 国民年金の未納保険料を追納できる期間を、現行の2年から10年に延長する年金確保支援法が成立しました。
 未納で無年金や低年金になる人を減らす目的で、24年10月までの間の政令で定める日から3年間の時限措置とされています。
 厚労省はこの救済措置で未納の納付が進めば、最大で1,600万人が将来の年金が増やせ、最大40万人が無年金にならずに済むと試算しています。

国民年金基金も加入期間延長
 国民年金の受給には保険料を原則25年(満額受給には40年加入)納める必要があります。国民年金の加入者は自営業者向けですが、パートタイマーやアルバイト等の非正規労働者が増えている昨今では加入対象者でも未納の人が増えています。この追納措置は将来、低年金や無年金になる人を減らしたいとの考えから行われるものです。
 また、年金受給者の充実を図るため、国民年金の上乗せ部分に当たる国民年金基金は60歳になるまでしか加入できませんでしたが65歳になるまでの間で国民年金に任意加入している人は新たに加入できるようになります。

納付期間延長で未納は減る?増える?
 一方、追納する期間が延びれば「後で納付すればよい」考える人もいるかもしれません。このため3年間の時限措置となっていますがこの間に未納分を積極的に納付するかどうかは不透明です。60パーセントを割り込んだ納付率が上がるのかどうか、期間延長により長期的未納者が増えるという意見もあります。また未納の原因が必ずしも2年の納付期限のためであるからという人ばかりではないようにも思えます。
 しかし、後になって納めようと思っていたのに、2年を過ぎてしまい納められなかった人にとっては朗報でしょう。

企業型確定拠出年金は個人掛金拠出可能に
 企業が運営する確定拠出年金は公的年金に上乗せする企業年金の1つですが、掛け金の運用次第で将来の年金額が変わる仕組みで2001年に導入、現在は約380万人が加入しています。24年1月より企業が運営する企業型年金では、今まで企業だけが掛け金拠出をしていましたが、企業掛け金と同額までなら従業員個人も上乗せして掛け金を拠出できるようになりました。労使合計で月51,000円までなら非課税となります。





H23.10.11
文理解釈では規定なし


税法は侵害規範なので文理解釈に依るべき、とは判例や学説での通説的見解です。

償却費計算規定の文理解釈
 それで、減価償却の規定をみてみると、
第1項で、「各事業年度終了の時において有する減価償却資産」について規定し、
第2項で、適格分割等による期中移転資産について規定しています。
 すなわち、@期末に在る資産、A適格分割等での期中異動資産、この2つに対してしか規定は存在していないということです。
 そういうことからすると、この2つ以外、@非適格組織再編での期中異動、A期中売買、B期中除却・廃棄、Cその他、の理由での期中異動・期末不在資産については、税法に規定がないということになります。
 これが文理解釈から出てくる結論です。

規定がないものにたいする国の見解
 国税庁は10年前、年度末資産に限定の規定に法改正されて直ぐ、年中の譲渡資産の償却費を必要経費に算入しても差し支えない、と見解を示し、また、この改正に期中譲渡資産の譲渡時までの償却費の計上を否定する趣旨はない、と言っていました。
 グループ法人税制施行時にも、譲渡損益調整資産についての譲渡時点までの「期中償却額」は損金算入となり、譲渡損益調整資産の帳簿価額1,000万円の判定も期中償却額控除後による、としています。

国の見解をどう理解する
 この、国の見解に対しては、次のような異なる理解があります。
@規定のない期中異動資産に対する償却計上は会計慣行に依ることになり、税法制限はないことになるとの表明。
A立法趣旨は期末資産と適格組織再編での期中異動資産に限っての償却費損金算入容認規定なのだから、納税者有利な超法規解釈と言うべき。

在野にも多い超法規解釈派
 期中償却はできないとAの立場を原理的に書いて、後の号で「質疑応答事例」などの存在を理由に訂正をしていた税務専門誌もあります。しかし、訂正の真の理由が@から来るのか、Aだからなのか、曖昧です。
 国税庁に超法規解釈の権限はないし、通達立法・解釈立法をするつもりも無いと思われますが、ネットで検索をして出てくる在野の理解としては、意外と、国税庁への不信とも言える超法規解釈派が多いように見受けられます。





H23.10.7
資産形成の賢い方法

資産形成の最初の選択肢
 資産形成と言うと、海外投資信託とか、不動産投資とか、がイメージされるかもしれませんが、その前に税制メリットを享受することから始めるべきです。
 掛金が所得から控除されるものに投資すれば、本来の利回りのほかに税率分のリターンがあることになります。所得税と住民税を合わせて50%の課税になっている人の場合、掛金の50%のリターンですから驚異的です。さらに、人によっては健康保険料の料額にも影響しますので、実質リターンはもっと大きいことになります。

どんなものがあるのか
@ 国民年金基金
A 個人型確定拠出年金
B 小規模企業共済
これらの公的な資産形成の制度の掛金は全額所得控除の対象になります。@の国民年金基金の月々の掛金限度額は68,000円なので年計816,000円です。Aの個人型確定拠出年金も自営の人は同額です。企業年金のないサラリーマンは月々の掛金限度額23,000円、年計276,000円です。Bの小規模企業共済の月々の掛金限度額は70,000円、年計840,000円です。

サラリーマンに朗報の今年の改正
 先の@ABは自営業者、法人役員、企業年金のないサラリーマンが対象ですが、企業年金のあるサラリーマンを対象とした制度改正が最近ありました。企業型確定拠出年金の個人拠出制度、いわゆるマッチング拠出制度の導入です。
 税法改正は平成21年度に済んでいたのですが、肝心の「年金確保支援法」が衆院で店晒し、参院で店晒しとなっていて、なかなか成案に成らなかったところ、この8月4日やっと国会通過、8月10日公布で、来年1月から施行されるに至りました。

マッチング拠出の制度内容
 企業型確定拠出年金の掛金額の上限は年額612,000円(他の企業年金がすでにある場合は半額の306,000千円)で、その月々の掛金の半分以下を従業員が個人拠出できる、というのがマッチング拠出の制度内容です。
 投資効率、投資リスクを考えると、これら既述の公的資産形成の制度上での家計資産運用は、実行していないものがあったらこれをまず優先的に考慮すべきものです。





H23.10.6
非上場株でも上場株の税率

株式の配当・譲渡課税の原則
株式の配当所得に対する課税は,非上場株式については国税20%の源泉徴収の上確定申告での総合課税、上場株式については10%(国税7%、地方税3%)の源泉徴収の上、総合課税、申告分離課税、申告不要の選択となるのが原則です。
株式の譲渡所得も似た制度になっていますが、総合課税は無く、非上場は20%(国税15%、地方税5%)の申告分離のみで源泉徴収はありません。上場株式は配当所得との損益通算が可能で、申告分離課税のほか、10%(国税7%、地方税3%)の源泉徴収の上、申告不要とする選択もでき、譲渡損失が残るときは、損失の繰越しをすることができます。

上場と非上場の限界事例
 都市銀行などに見られるように、株式交換や移転により完全子会社となると、自ずと上場廃止になります。
 ただし、株式交換などでは、その成立に必要な株主総会の承認決議で反対の意思表示をすると、その会社に自分の所有する株式の買取請求ができます。そこで買い取られる株式は自己株式となるので、みなし配当や譲渡損益が発生します。
 この場合、株式の買取請求による価額の確定や対価の支払時期が上場廃止の前後になるので、自ずと上場と非上場の限界事例となります。

限界事例の具体的内容
株式交換の効力発生は上場廃止の3日後とされており、株式の買取価格は、反対株主と会社との間に協議が調ったときはその価格となり、効力発生日から30日以内に協議が調わないときは、その期間の満了の日後30日以内に裁判所に申立てをして、裁判所で決定することになります。
国税庁のホームページをみると、実際に起きている、株式交換、上場廃止、買取請求の事例の課税関係に係る大阪国税局の事前照会回答が掲載されています。

税率は非上場でも上場と同じ扱いでよい
 株式交換の公告時点、総会決議時点、買取請求時点、上場最終日の全てで株主であったならば、配当所得・譲渡所得の発生日が上場廃止後になったとしても、上場株式等に係る所得と取り扱う、というのが大阪国税局文書回答の内容です。
 ただし、配当所得と譲渡損失の通算や、株式譲渡損失の繰越控除の規定まで上場扱いでよいとは、言及していません。





H23.10.5
みなし配当にならない自己株取得

自己株式取得の税務処理の原則
自己株式の取得は資産の取得ではなく、減資と同じ株主資本の部分清算と解するのが税務の原則です。
減資の場合には出資した元本を超える払戻しがあるとき、その超える部分についてみなし配当という扱いになります。自己株取得も同じで、出資額(100%資本組入れだったら従来の額面金額)を超えた対価での自己株取得では、その超える部分についてみなし配当という扱いになります。

みなし配当にならない例外ケース
 利益積立のない赤字体質会社ではみなし配当はありえません。それ以外で、自己株取得でみなし配当にならないケースとしては次のようなものがあります。
@ 上場株式一般の「市場取引」での自己株取得。買い手が誰か不明で自社株買いにあたるか分からないため、譲渡側は単純な株式譲渡。
A 端株主の端株の買取請求又は単元未満株式の買取請求による買取等でも、譲渡側は単純な株式譲渡。
B 合併に反対する被合併法人の株主の買取請求に基づく買取りの場合、譲渡側は単純な株式譲渡。
C 相続税の納税のために相続取得の非上
場株式を発行会社が買い取る場合、譲渡側は単純な株式譲渡。さらに、相続税額の取得費加算制度の適用もあり。
D 株式交換完全子法人となる会社の株式を事前に所有していたことにより、自己が完全親法人となる株式交換で自己株式の割当を受けることになった場合。
E 適格現物分配により交付する資産が被現物分配法人の自己株式である場合。
F 事業の全部の譲受けや合併又は適格分割若しくは適格現物出資に際し移転資産に含まれる自己株式を取得する場合。

税務簿価も取引価額がそのまま
 自己株式の税務簿価には株主資本の部分払戻しをしたと解される価額が付されるのが原則です。いわゆる資本金等の額、に対応する金額です。
それに対し、上記のみなし配当非該当のケースでは、取得価額がそのまま税務簿価となります。
なお、それ以外で取得価額を税務簿価とする例外的ケースですが、平成14年の法改正より前から取得していた自己株式については付随費用を含めた取得原価のままで税務簿価となります。





H23.10.4
繰越欠損金を巡る緩和と制限

組織再編と繰越欠損金の引継ぎ
 法人間の取引価額は時価であることを原則とする、という時代には、法人の繰越欠損金が引き継がれたり、制限を受けたりということはありませんでしたが、平成13年の企業組織再編税制の施行に伴い、簿価での資産異動が法人間で出来るようになってからは、適格合併での繰越欠損金の引継ぎが認められるようになりました。

欠損金使用への喧しい制限
 しかし、その裏側として、欠損金引継ぎに神経質な要件が規定されるに歩調を合わせて、資産受け入れ法人側の欠損金の使用制限もやかましくなりました。
 すなわち、引継ぎ欠損金を使って当期利益を圧縮することとは逆の、組織再編で得ることとなる当期利益を自分の過去の繰越欠損金で圧縮することにも制限が付されるようになったのです。

グループ法人税制へも波及
 組織再編は合併や会社分割などばかりでなく、グループ法人税制の施行以後は、現物配当も組織再編行為に分類されるようになりました。金銭以外で配当を受けたら過去の繰越欠損金が使えなくなってしまった、と言うようなことが起こり得るようになりました。
また、含み損を抱えた資産の受け入れによる3年以内の実現損は損金不算入、逆に、含み益を抱えた資産の受け入れではその含み益分だけ、受け入れ法人の自己の切捨て繰越欠損金が減殺されます。

引き算から足し算への変更の特例
 因みに、昨年度の政令改正で、事業を移転しない適格組織再編成等の場合、明細書の添付を要件として、切り捨てられる欠損金額を移転資産の含み益の範囲内とすることができる特例が設けられました。
 さらに、今年度の政令改正で、適格現物分配による移転資産が親会社の自己株式である場合には、含み益がある場合でも、ゼロとして、この特例を適用することになりました。そして、移転資産が親会社の自己株式のみであるときは、明細書の添付も不要とされています。

制限の対象となるケースは少ない
 なお、これらの制限は、組織再編する法人間の支配関係が過去5年以上に遡及できるときなどには適用ありません。会社買い取りやM&Aで新しくグループ内に入ってきた法人との関係で注意すべきことです。





H23.10.3
今年の税制改正
著しい下落の評価損だが

債務超過子法人の清算での想定外
グループ法人税制では、完全支配関係にある親子会社間で、子会社が解散した場合に親会社が「子会社の未処理欠損金額を引き継ぐ」ことになり、その代わり子会社株式消滅損は認識しません。
ところで、解散子会社の残余財産確定までに、親会社において子会社株式の評価損を子会社の資産状態の著しい悪化を理由に計上してしまえば、子会社株式消滅損は生じなくなり,それでも未処理欠損金額の引継ぎはできました。

損失の二重計上だとして法改正
導入1年目の昨年度では、上記のような評価損計上の可能性について、立法当局において事前に気付かれていなかったようで、本年度の税制改正では、このような評価損は損金算入できないものとすることとされました。
具体的には、
@清算中の内国法人
A解散をすることが見込まれる内国法人(除く合併解散)
B内国法人でその内国法人との間に完全支配関係がある他の内国法人との間で適格合併を行うことが見込まれるもの
この3つの子会社株式の評価損が損金算入できないこととなりました。
この改正は,改正法の施行日である6月30日以後に行われる評価換え等から適用されています。

子会社株式の売却損でも同じ
 グループ関係の会社が複数あるとき、債務超過欠損子会社株式をグループ内の他の法人に売却するとした場合には、譲渡法人に売却損が計上され、譲り受け法人に未処理欠損金が引継がれることになります。
ただし、グループ法人内での譲渡で帳簿価額1000万円以上のものについては、譲渡損益はそのままでは計上できないので、会社の解散・清算による消滅の時まで、損金算入時期が遅れることになります。
すぐ評価損をするのではなく、タイミングの遅れた譲渡損でもよいとするならば、別々の会社にではありますが、株式の損失計上と未処理欠損金の引継ぎとの両方の計上は相変わらず可能です。抜け穴ふさぎをしたつもりなのでしょうが、来年度はグループ内譲渡損の計上否認の税制改正をしないと、不完全です。