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H23.12.28
海外の免税品って本当に安いの?

 免税品は何故安いの? 
これからの冬休みに海外旅行に行かれる方、知って得する免税についておさらいです。免税店は、外国への旅行者に対して、商品にかかる税金(消費税や酒税、輸入品の関税など)を免除(免税)して販売しています、主に空港内に存在します。また、機内免税品販売も免税店の一種です。出国手続きの終了後の空港内から入国手続き終了後までの間で商品を購入する場合、日本では高額の税金がかかるお酒類(酒税)やタバコ(タバコ税)、香水(関税)などを、税金を一切含まない価格で購入することができます。免税ショッピングを楽しむというのも海外旅行の際の大きな楽しみのひとつではないでしょうか。

 英語での紛らわしい表記
本来はDUTY FREEは関税が無税で、TAX FREEは消費税などの付加価値税の無税のことを指します。 空港内の免税店では DUTY FREEの化粧品・香水の専門免税店やTAX FREE の家電・ファッションなどを扱う総合免税店があります。

 免税の歴史は安政元年
幕末の安政元年(1854年)に結ばれた日米和親条約を皮切りに、我が国は諸外国に対し、次々に港を開きました。
安政6年(1859年)、長崎、神奈川及び函館の港に「運上所」が設けられ、今日の税関業務と同様の輸出入貨物の監督や税金の徴収といった運上業務や、外交事務を取り扱うことになりました。これが税関の前身です。
 この運上所とは、物の出入りを管理する機関であり、外交事務や関税を取り仕切るだけではなく幕府の外務、その他を監督する総合的な役所でした。そして、明治5年(1872年)11月28日、運上所は「税関」と改められます。免税という概念もここに誕生することになります。

 よく考えて賢く利用しよう
関税は製品や国により違いますので、例えば関税の安いシンガポールだと免税店でなくても安く買えることもあります。今の日本のようにデフレ+円高という状況では日本でも免税店より安く入手できるものもあると思います。
消費税も外国人観光客には空港で消費税還付手続きができる制度のある国が多いですから、必ずしも免税店の特権ではないようです。





H23.12.27
手痛い世代40代の年金

現行の公的年金支給開始年齢は?
 現在、基礎年金の支給開始年齢は、原則満65歳からとなっています。厚生年金の支給開始年齢は2001年度より順次引き上げられており、2013年度からは65歳にならないと満額は支給されません。現在報酬比例部分は60歳から支給されていますが、それも男性の引き上げは2013年度(女性は5年遅れ)から3年ごとに支給開始年齢が1歳ずつ引き上げる事になっています。65歳に到達した後、引き上げは止め、男性は2015年度(女性は5歳遅れ)以降65歳にならないと支給開始されません。

新しい引き上げ案は?
 このたび出された年金支給開始年齢の引き上げ案は65歳の開始年齢をさらに68歳から70歳引き上げる事を提示しました。それは @3年ごとに1歳引き上げを2年ごとにする A現行通り65歳まで上げてから基礎年金と共に68歳に上げる B2年に1歳のペースで前倒しし、68歳まで上げる
と言う3通りの案が出され、最も早いペースで行った場合は現在51歳以下の方(1960年生まれ)は68歳から支給と言う事になります。しかしこの案は経営者団体からも継続雇用や定年延長の問題と絡み反対意見が強く、結局来年の法案提出は見送られる事となりました。

50歳前後世代の老後の準備
 現在50歳の方(1961年4月2日以降生まれ)の男性は年金支給開始年齢が65歳スタートとなる初めての年齢です。この年代の方たちがさらなる支給開始年齢の引き上げ案に当たっている事になります。現在40代世代は狙い撃ちされている格好です。今回の支給開始年齢引き上げの案は見送られたもののどちらにせよこの世代より後は60歳定年から65歳まで何らかの準備が必要な事は間違いないでしょう。

受給者多数の世代は影響なし
現在60歳の定年を迎えている人は退職すれば報酬比例部分だけは受給できるのでまだ良い方でしょう。高年齢法の施行も有り、企業も再雇用や雇用延長は進んでは行くのでしょうが若年齢者層に影響も考えられるため、高齢者雇用拡大には慎重な態度です。
 今後年金支給が本格化する団塊世代への影響はないので年金額の削減にはつながりません。世代間格差が増大する事は確かなようです。





H23.12.26
日割・時間割の賃金計算

所定労働日数か暦日か
 企業で賃金計算をする際に月給制の人が月の途中に入退社した場合や労災に遭って休業補償の計算をする際、年次有給休暇取得日の賃金、割増賃金の時間給等、日割額や時間割額を出す必要があることがあります。計算方法は各々のルールがあり、それに従い計算する事となっています。

月の途中の入退社の場合
 賃金計算の開始日や締め日でなく、途中で入退社した場合は、日割計算をする事が多いのですが、入社日や退社日が会社の休日に当たっていた場合はその日を外して計算するのでしょうか。労働契約の開始日や終了日がたまたま土曜日や日曜日等会社の休日に当たっていたような時はその休日は計算から外してもよいし、入れて考えても良いのです。ただ労働者との雇用契約では休日の扱いをどうするのか事前に取り決めておく必要があります。日割計算をするには所定労働日数で計算をするのか、暦日数で計算するのか、又は、年間所定労働日数から月平均日数を決めておき、それで計算する等、会社のルールとして決めておかなくてはならないでしょう。

平均賃金の場合
 平均賃金とは、事由が発生した時以前3か月間に労働者に支払われた賃金の総額をその期間の歴日数で除した額とされます。
労働基準法の平均賃金は次のような場合に計算を必要とします。そしてその額は平均賃金を下回らない事とされています。
@解雇予告手当を支払う場合
A労働者を会社の都合で休業させる場合
B年次有給休暇を取った場合
C業務上災害に対し災害補償を行う場合
D減給制裁は平均賃金限度額を超えない事

年次有給休暇の場合
 年休手当は @平均賃金を用いる方法
A通常賃金を用いる方法 B健保の標準報酬を用いる方法の3通りがありますが、月給制の場合はAの通常賃金を用いるのが一般的です。この場合の計算の分母は労働日数であり、暦日数では休日は年休の対象にならないのでこの計算には用いません。

割増賃金の基礎となる時間給額の計算
時間外労働に対する割増賃金の基礎となる時間給の計算は月によって所定労働時間数が異なる場合は1年間における1月平均所定労働時間で月給額を除す事となっています。





H23.12.22
職能給制度の使い方

 日本では年功的賃金制度が伝統的に使われていましたが、高度成長期を通じて団塊世代の中高齢化と知識労働者の増加が相俟って、職務遂行能力の伸びに応じて地位や賃金が上がる「職能給制度」が主流となりました。しかし、職能給制度は能力の評価が難しく、団塊世代のモラール維持のための処遇ニーズも加わって実質的には年功的賃金制度に傾斜してしまいました。
 バブル経済の崩壊を機にアメリカから、年功的制度から離脱するために職務責任や困難度に応じて賃金を決める職務給制度が持ち込まれました。
 しかし、日本とアメリカの企業経営に関する考え方の違いを背景として様々な問題が生じ、「役割・貢献給」へ移りつつある現状は『「役割・貢献給」とは』で説明した通りです。

職能給制度の効用
 それでは職能給制度はどうなるのでしょうか? 実は知識・技術・技能のレベルによって業績が決まる製造職・販売職・技能サービス職などは「職能給と習熟給を組み合わせた制度」が適しており、従業員のやる気を高める効果がありますので、現在もおおいに活用されていますし、これからも役に立ってゆくでしょう。
 つまり、職能給制度は知識労働者に適用すると年功的運用に陥りやすく、知識・技術・技能のレベルによって業績が決まりやすい製造職・販売職・技能サービス職などでは評価を適切に行えば効果があると言えましょう。

職能給制度活用の留意点
職能給制度は次の点に留意して活用すると効果的です。
1.殆どの企業では管理職や企画職・研究開発職・営業職などの職種のうちいくつかが存在しており、それらの職種では「役割・貢献給」が適しているので、「職能給」の適用対象従業員(職務遂行能力を再重視して評価し、賃金制度を適用する従業員)をきちんと区分しておく。(職群区分と言う。)
2.複雑な印象を与えないよう制度上は「役割・貢献給」か「職能給」か、単一の制度であることを制度名称上で明確にし、職群間の業績・能力の評価のウエイトで区分する。
3.職務遂行能力(職能)は保有能力でなく発揮能力で評価する。ただし公的資格が必要な職種ではその取得を条件とする。





H23.12.21
「役割・貢献給」とは

 「役割・貢献給」はバブル経済崩壊後の1990年代に登場し、管理・専門職、企画職等知識労働者の増加、年功評価から成果主義評価への賃金制度改革の動きと相俟って21世紀に入って増加しつつある賃金制度です。
「年功賃金に傾斜した職能給」や「職務の序列に基づいて賃金を決定する職務給」に代わり、また成果主義評価の体験からその良い点を生かし、欠点を修正して、日本の企業が新たに構築しつつある賃金制度であると言え、大企業での導入が急速に進んでいますが、中小企業に於ける導入も始まっています。

「役割・貢献給」の仕組み
「役割・貢献給」では「管理・専門職・企画職等知識労働者の成果志向的・創造的・自立的な業務遂行度合が成果の大きさに結びつく業務実態に合わせ、同一役割等級内で役割遂行度・貢献実績に応じた高低差が大きい賃金表を適用し、製造・サービス業務等の技能習熟が成果に結びつく業務は、技能習熟レベルに応じた積上げ型の賃金表を適用するのが一般的です。
「役割・期待貢献に基づく貢献実績に応じたメリハリのある賃金」を重視する一方、生活給としての月例賃金の安定性を考慮する賃金制度」を適用する例も多いと言えます。
賃金制度設計面で、「従業員の主体的な役割遂行・貢献意識・そのための能力向上意慾」を引き出すメッセージ性を重視し、制度運用面では成果主義賃金制度の問題点)などを踏まえて、公正性・納得性を重視した様々な評価基準・評価方法が工夫されています。
日本経団連が2008年度に、企業の賃金制度改革の実態調査・研究に基づいて、「仕事・役割・貢献度を基軸とした賃金制度の構築と運用に向けて」を発表し、賃金制度改革の方向性を示しています。

経営者へのお勧め
 賃金制度の改定は一般に10年〜20年に一度の大仕事になります。会社の継続的発展を目指して、従業員のやる気と職務遂行能力を高め、業績を上げたいと考えている経営者の方々は、現状の賃金制度について、運用実態を調べ、「役割・貢献給」の事例などを研究して採用を検討して見てはいかがでしょうか。





H23.12.20
金融・証券税制の確認

 今年6月に成立した平成23年度税制改正において、現行の上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る軽減税率10%(所得税7%、住民税3%)の適用期限が平成25年12月31日まで延長されました。
 そこで、個人の方が上場株式等の配当等を受けた場合や売却した場合の金融・証券税制を確認しておきたいと思います。                      
配当等を受けた場合の課税関係
 上場株式等の配当等については、その支払の際に10%の税率による源泉徴収がなされます。
確定申告は選択で、確定申告しないを選択した場合は、1回に支払を受ける配当等の額ごとに選択(申告不要)、源泉徴収口座内の配当等については、口座ごとに選択可能です。
また申告を選択した場合は、申告する上場株式等の配当等のすべてについて総合課税又は申告分離課税のいずれかを選択しなければなりません。
(1)総合課税を選択した場合
 所得の多寡によって、所得税率が5〜40%の累進税率、住民税は10%の適用です。なお、配当控除の適用があります。
(2)申告分離課税を選択した場合
 税率は配当所得の10%、上場株式等の譲渡損失との損益通算が可能ですが、配当控除の適用はありません。

株式等を譲渡した場合の課税関係
 株式等を売却した場合の所得金額に対する確定申告は、申告分離課税のみの適用となります。しかし、特定口座で源泉徴収口座を開設していれば、その特定口座における上場株式等の売却による所得を申告不要とすることができます。
 株式等に係る譲渡損益の通算は、上場、非上場を問いませんが、譲渡損失の3年間の繰越控除の対象となるのは上場株式等から生じた譲渡損失のみです。また、上場株式等の譲渡損失は、上場株式等の配当等との損益通算が可能ですが、いずれも、原則、確定申告(申告分離課税)が必要です。
 但し、源泉徴収口座に上場株式等の配当等を受け入れることによって、口座内の上場株式等の売却により生じた譲渡損失と損益通算した金額を基に源泉徴収税額が計算されますので、申告不要とすることもできます。なお、損益通算後も控除しきれない譲渡損失は、同様、確定申告をすることによって翌年以後3年間繰越控除ができます。





H23.12.19
売上代金と印紙税
金銭等の受取書

 印紙税は一定の文書(課税文書)を作成した場合に課される税金です。通常、定められた収入印紙を文書に貼り付け、これに消印をして納付します。
 印紙税が課される文書で一番多いのは、売上代金に係る金銭等の受取書(領収書)です。この領収書に係る印紙税は、階級定額税率(領収書額の多寡によって印紙税を段階的に区分)と呼ばれ200円から20万円までの14段階の税額を定めています。

領収書と消費税
 通常、売上代金を領収する場合は、消費税額を含んだ金額を受領します。そこで、領収書を作成するにあたって、領収金額そのままを記載するか、それとも、消費税額を別記又は明示するかによって、印紙税の額は異なってくる場合があります。
 例えば、領収書の金額30,450円(内消費税額1,450円)と記載してあれば、領収金額3万円未満であるため印紙税は課かりません。このように、領収書に消費税を別記又は明示すれば、消費税額を除いた領収金額で課される印紙税額を判定します。但し、これは、消費税の課税事業者のみに適用され、免税事業者には適用されません。
 なお、この消費税に関する取扱いは、不動産の譲渡等に関する契約書、また、請負に関する契約書にも適用されます。

売掛金と買掛金の相殺に関する領収書
 売掛金と買掛金を相殺する場合にも、領収書が交付される場合がありますが、印紙税法でいう受取書といのは、金銭等の受領事実を証明する目的で作成するものをいいますので、相殺による場合のように金銭の授受が伴わないもので、領収書にその旨(相殺を示す文言)が明記されているものはたとえ、領収書の名称を用いて文書が作成されている場合であっても、印紙税は課税対象外、つまり課税される文書とはなりません。

営業に関しない受取書の範囲
 営業に関しないものであるかどうかは、領収書を作成する者の立場で判断されます。
領収書が営業者あてに提出されものであっても、作成者の立場からみて営業に関しないものであるときは、金額の多寡にかかわらず、すべて非課税となります。
 印紙税法上、「営業」の定義に関する明文の規定はありませんが、医師、弁護士、税理士等、公益法人、医療法人が作成する領収書は、営業に関しない受領書として課税されません。





H23.12.16
期末時価評価 デリバティブ取引に要注意!

デリバティブ取引と時価評価
 デリバティブ取引は、将来の一定の期日に、一定の権利または義務を生じさせる効果をもたらす契約であり、決済があるまでは資金のやり取りは行われないことから、従来は、会計上及び税務上、決済までその損益を計上することはありませんでした。しかしながら、デリバティブ取引は、その基礎数値の変化によりその保有者に帰属する利益または損失が生じるものであり、決済日前の一定時点にあっても、通常そのときの価値、すなわち時価が存在します。
 現行の会計基準、法人税法の規定では、原則、期末時に保有するデリバティブがあれば、そのデリバティブを時価で評価し、その評価差額を当期の損益に計上することを定めています。

税務調査で要注意
 中小企業では、その取引がデリバティブ取引であることすら意識していないこともままあります。
 税務調査で、デリバティブ取引の存在とその時価評価及び評価益の計上を指摘されると、まったく予期していない分、対応しきれません。決算に際して、デリバティブ取引の時価の存在を確認し、評価益の発生の有無を把握する必要があります。以下、設例でそのプロセスを確認してみます。

会社の決算は9月末、取引は以下の条件で国債の先物取引を行う。
・9月20日 取引単位30枚 30億円(約定代金)
 (仕訳)    なし
・9月20日 先物証拠金 4,000万円(支払)
(仕訳) 先物証拠金/預金 4,000
・9月20日 売約定価格  80.5円(12月満了)
 (仕訳)    なし
・9月30日 決算日の先物価格79.5円
 (仕訳)債券先物資産/先物評価益3,000
※本設例の場合、約定価格80.5円に対して決算日の時価が79.5円となり決算日に反対売買すれば100円につき1円の利益が発生することになります(80.5円−79.5円)÷100円×30億円=3,000万円)。
・10月1日(翌期首)3,000万円洗替えする
 (仕訳)先物評価益/債券先物資産 3,000
・11月20日反対売買時の先物価格78.5円(入金)(仕訳)預金1億 /先物証拠金  4,000
          先物取引売却益6,000
※買約定によって反対売買を行うと差金決済によって利益(80.5円−78.5円)÷100円×30億円=6,000万円)が確定します。





H23.12.15
各国の相続税の潮流

 平成23年度税制改正法案の目玉であった相続税の増税案(基礎控除の引下げ、税率構造の見直し等)は、分離され、継続審議中でしたが、結局、今改正案から削除、年末に取りまとめられる抜本改革の中で議論されることになり、先送が確実となりました。

相続税の課税方式
 相続税のある国では、相続税の課税方式は、遺産課税方式と取得者課税方式に大別 されます。
 遺産課税方式は、被相続人の遺産そのものに課税する方式で、米国、英国等が採用しています。その特徴は、遺産の処理及び納税等には関しては、相続人が関係しないで遺産管理人があたる点です。
 一方、取得課税方式は、被相続人の遺産を取得した相続人等が納税義務者になる方式で、フランス、ドイツ等が採用しています。その特徴は、相続人等で遺産を分割し、相続人等が取得した遺産に担税力を見出して課税する点にあります。
 なお、遺産課税方式を採用している国の贈与税は、贈与者が納税義務者となり、一方、取得者課税方式では受贈者が納税義務を負います。
 我が国は、取得者課税方式の変型である法定相続分課税方式を採用、お隣の韓国は、遺産課税方式の変型を採用しています。各国は、遺産課税と取得者課税を基本形としながら、それぞれの国の実情にあった相続税の課税方式を採用しているようです。

多くの国が相続税廃止の方向か
 相続税(国税としての相続税)は、多くの国でゼロ又は廃止に向かっているようです。アジアでは、香港はもちろんのことシンガポール、マカオ、ニュージーランド、オーストラリア、タイ、マレーシア、インドネシア等です。隣国の中国ですが、相続税法はありますが相続税はありません。
 一方、欧米諸国ですが、スウェーデン、スロバキア、ポルトガル、スイス、オーストリア、イタリア、カナダ、ロシア等です。
なお、カナダでは、財産移転時には所得税を課しています。

今後の相続税制の在り方(立法政策)
 世界各国は、いかに富裕層を自国に取り込むか、まさに富裕層獲得のための租税戦略として相続税制を考えているようです。
 我が国においても、財産に占める土地の割合が減少傾向にある昨今、富裕層がいつまでの自国に留まってくれる保証はありません。






H23.12.14
民間給与実態と景況


給与所得者の総数と給与総額の回復
 この9月16日国税庁公表の2010年分給与実態統計データによると、民間給与所得者数は、5,415 万人(公務員を含めた総数は約5,800万人)で、前年より27万人(0.5%)増加しています。給与総額は194兆3,722 億円で、前年より1兆8,980億円(1.0%)増加しています。

平均給与の回復の実態
 民間給与所得者の平均給与は、412万円で、前年より6万1千円(1.5%)増加しています。3年ぶりの増加ですが、前年の09年分の下落幅23万7千円(5.5%減)は1949年の同統計開始以来最大だったので、2010年分の412万円は増加に転じはしたものの、ここ10年では09年分に続く2番目に低い金額です。

源泉所得税にみえる下半期回復の様相
 民間給与に係る源泉徴収所得税額は7 兆5,009億円で、前年より697億円(0.9%)減でした。
 この10月11日国税庁公表の法人申告事績報告は半年遅いデータなのですが、給与所得に係る源泉所得税の税収は8 兆6,389億円で、前年より687億円(0.8%)増でした。2011年に入ってから減が増に急転しているようです。
 景気回復の足取りがしり上がり基調になっているように見受けられます。

業種別平均給与
 業種別にみると、最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業の696 万円(前年630万円、前々年675万円)、次いで金融・保険業の589 万円(前年625万円、前々年649万円)となっており、最も低いのは宿泊業,飲食サービス業の247 万円(前年241万円、前々年250万円)です。
 東電をはじめとする、原価プラス利益で販売価格を定める、電気・ガス・水道など公営的非競争独占企業の平均給与がダントツに高く、伸び(対前年66万円増)も大きく、新規参入しやすい飲食サービス業の年額で3倍近く、伸び(対前年6万円増)で11倍にもなっています。
 法律によって守られ、景気変動に左右されない企業が過剰に保護されている印象があります。





H23.12.13
過去最低でも回復基調

3年連続で過去最低 黒字申告は25%
 国税庁が発表した2010事務年度の法人税の申告事績によると、今年6月末現在の法人数は前年度比0.7%(2万法人)減の297万8千法人で、うち今年7月までの1年間に申告したのは、前年度比0.9%(2万4千法人)減の276万2千法人でした。
 法人の黒字申告割合は25.2%と、前年度比で0.3ポイント減少しています。初めて30%を割り込んだ2008年度から3年連続で過去最低を更新しています。
 ちなみに、法人の黒字申告割合の過去最高は1973年度(65.4%)です。

実態は景気回復基調の増データ
 新聞には上記の悪い指標が躍っていましたが、統計値をみると、法人の申告所得金額は前年度比7.0%(2兆3526億円)増の36兆1836億円、申告税額の総額も前年度比7.5%(6560億円)増の9兆3856億円と、ともに7%程度増加しています。
 4年ぶりのことです。企業業績は回復基調にあり、赤字法人は減っています。黒字申告法人が少ないのは、相殺できる繰越欠損金が残っているからです。

税務申告に見る景気回復基調の実相
 黒字法人の申告所得金額は、黒字申告1件当たり、前年度比9.1%増の5,192万円です。申告欠損金額は、前年度比23.6%減の20兆8,969億円と大幅に減少しています。
 赤字申告1件あたりの欠損金額も同23.3%減の1,012万円となっています。
 ちなみに、申告所得金額の過去最高は2006年度の57兆828億円、申告欠損金額の過去最高は2002年度の33兆116億円です。

源泉所得税収納額にも増データ
 2010事務年度における源泉所得税額は12兆5597億円で、前年度比2.1%(2624億円)増と、これも4年ぶりに増加しています。
 主に給与所得の税額が前年度比0.8%増の8兆6389億円、配当所得が前年度比18.0%増の1兆6701億円と増加したことによるものです。
 給与所得や配当所得の増がもたらされているのは、法人所得の伸びの結果です。景気回復の足音が近づいている気配を感じます。





H23.12.12
メンタルヘルスと休職制度

メンタルヘルス休職は会社が判断する
 今やメンタルヘルス問題を抱えている企業は全企業の6割にも上ると言われています。従業員がメンタルヘルス疾患になり、休職する場合は私傷病を理由とする休職制度を適用すると思います。休職事由に該当すれば休職命令を出し、就労を免除する事となりますが、職場復帰する場合も本人や家族が復帰を希望していても会社として復帰は困難と判断される場合などは検討を要するケースもあります。

休職規定の問題点
 メンタルヘルス不調者には他の傷病とは違った問題点があります。
@休職命令を出す際の留意点
 従業員がメンタルヘルス不調を疑われる時は、医師の診断により就労不能の証明が出されれば休職をさせる事になりますが、会社が主体的に命令を出せるような規定が必要でしょう。診断書の提出がないまま度々、欠勤したり、遅刻早退を繰り返したりという事態があった時に連続した一定期間の欠勤がある時に休職命令が出せるというような規定では不備であり、「業務に耐えられないと会社が判断した時」「欠勤○日に達する時の日数は通算する」等の規定で対策したいものです。

A休職から職場復帰する時の留意点
 休職期間の満了により、仕事に復帰できない時は退職扱いとすると規定しておけば自然退職は有効です。しかし復帰の場合、復帰が可能かどうかの判断は本人だけではなく、会社が行う事が大事です。本人の主治医からの診断表を提出してもらいますが会社が復帰の判断に迷う合理的な理由がある場合には会社の指定する医師の受診を命じたり、従業員もこれに応じる義務があることを決めておく事も必要です。職場復帰とは一般的な労務可能という事ではなく原則として通常業務への就労が可能であるかどうかと言う事です。但し会社も段階的復帰等で対処するという配慮が必要な場合もあるでしょう。

B休職期間の通算の可否
 メンタルヘルス不調者は一旦症状が回復してもまた、再発する事も多い為、一定期間内に再び欠勤となった場合はこれまでの欠勤や休職期間を中断させずに日数を通算する旨の規定を設ける事は大事です。




H23.12.9
主婦の年金改革案不満は解消せず


主婦の年金見直し案
 厚生労働省は先ごろ専業主婦の年金改革案を発表しました。
 それによると会社員の夫の厚生年金保険料の半分を専業主婦の妻が負担したとみなし、夫の厚生年金保険の半分を妻に給付するというものです。

現行では専業主婦は保険料負担無し
専業主婦の保険料は会社員の給与所得者で肩代わりをしています。この事は働いている女性からは「なぜ他人の妻の保険料を負担するのか」と言う声が多く、このため出された案は主婦も家事で夫の稼ぎに貢献しているのだから夫の年金の半分を渡すというもの。これには半分に減ってしまう夫側からの抵抗が大きいのも事実です。また、専業主婦も夫の死後に受け取る遺族年金が現在は亡夫の厚生年金の4分の3が受け取れるのに妻が半分の自分の厚生年金を持つと亡夫の遺族年金を受け取れなくなる恐れもあります。年金改革案と言いながら専業主婦の負担は会社員全員で肩代わりする状態は変わりません。自営業者やその妻の基礎年金の保険料は月15,020円、それを専業主婦に求める事も反発が大きく給付も負担も変える事は容易ではないようです。

パート労働者の厚年加入問題
 また、パートタイマーで働く短時間労働者の厚生年金保険の加入拡大は現在の週30
時間勤務から20時間以上、収入条件も年130万円以下に下げる案を出しています。外食産業や流通業などパート労働者を多く抱えるところからかなりの反発があり、パート自身も保険料負担に消極的です。しかしパートでも夫が自営業や独身の人は自分で国民年金保険料を支払い、払えない時は年金額が減額されるのにという意見もあります。

抜本改革は道遠し
 夫の納めた保険料を夫婦の共同負担とみなし負担と給付を2等分する今回の案。外国ではフランスが夫婦の所得を合算後に2等分し各々の所得とみなす方法を採用していますが、累進税率の課税の公平性を目的としているものです。片方の収入が高い場合、税負担を減じ、負担を公平にする事が目的で行われているそうです。日本の場合税には適用せず、専業主婦の年金保険料だけに限定しています。目先を変えても中途半端な改革案ではないかとの意見が出されています。





H23.12.8
自治体の会計は家計簿と同じ

自治体(地方自治体)の会計は家計簿方式
財政規模が何百億円の自治体と我が家の家計簿の仕組みは同じです。日々の現金の出入りを記録していくだけのシンプルな現金主義です。平成18年に夕張市が事実上破綻するまでは何の問題もないと思われていました。

減価償却という考え方
会社の会計には、当たり前のように、減価償却と言う費用が計上され、将来の固定資産の修理や買い替えに備えております。  
議会で承認された予算の執行が最重要の自治体にとってはなじまない考え方だったので、今でも多くの自治体は、減価償却を費用として認識しておりません。

地方自治体も会社の会計方式をやろう
現在、自治体の会計の仕組みを中心となって考えるのは総務省です。会社の会計の仕組みを取り込んで自治体に「経営」という概念を取り入れようとしています。それにより健全な自治体の経営を推し進めようとしています。全国で約1800あるといわれている自治体の内200の自治体が既に「複式簿記」の考え方を取り入れた方式を実践しています。

予算は使い切り、不足は借金で
多くの会社の場合、資産は預金や売掛金、有価証券、設備、土地、工場等です。
では自治体の資産はなんでしょう。もちろん現金や預金もそうですが、役所、ホール、学校、病院などの建物も有ります。中でも大半を占めるのは「インフラ資産」といわれている道路や河川、橋、トンネル、公園、上・下水道です。これらの資産は、いずれ老朽化し、修理や新設に莫大な費用がかかります。減価償却費を予算に組み込んでいない為、単年度で黒字の自治体も、大規模修繕のときは、新たに地方債を発行しなければならなくなるのです。

新しい会計方式への取り組み
財政改革はとても急務かつ大切な問題です。しかし現在、国内の県や市町村の会計の考え方が複数存在しています、そこで総務省を中心として会計の専門家と共に新しい国際的に通用する統一基準を作成しているところです。要は、やっと私たちの会社のやっている会計のやり方に近づいてくるといえます。





H23.12.7
忘年会
なんで2次会は交際費なの

従業員だけの忘年会
従業員だけの忘年会は、基本的に福利厚生費となります。但し2次会は概ね任意参加となる為、税務当局は交際費と考えております。

税務当局の考え方
1次会は全員に呼びかけ、原則全員参加となる為、福利厚生費だが、2次会は特定の従業員に対する接待供応となる為交際費と考えているようです。

税務当局のイメージする2次会
2次会と言うと高級クラブで会社の役員や主要なメンバーを接待供応する。と言った古いイメージで交際費としているのだと思いますが、今時そんな2次会をやっている企業はまずありません。

現在の2次会
最近は職場に女性も増え、草食系男子等と言われるように、女性の発言力が強くなってきています。2次会と云えども男だけの世界ではなくなってきています。そこで2次会は女性も参加できるような場所を選んで、おこなう場合が多くなっている様です。そして、カラオケボックスなどはよく2次会に利用されるようです。

カラオケボックスでの2次会も交際費なのか?
交際費かどうかの判断は、特定の従業員への接待供応になるかどうかだと思われます。ですから1次会の参加者に比べ2次会の参加者が極端に少ない場合は、交際費とされる可能性はありますが、1次会の参加者のほとんどが参加するような2次会であれば、福利厚生費でよいと思われます。

税務当局も、2次会だから交際費なのではなく、特定の従業員への接待供応にあたるから交際費なのだという判断ですから、特定の従業員への接待供応にあたらなければ、2次会と云えども福利厚生費で良いと思われます。





H23.12.6
忘年会も色々

忘年会のシーズンです。
取引先との忘年会、職場での忘年会、業界団体の忘年会等々、税務上のこれらの費用の取り扱いについてまとめてみました。

取引先との忘年会
基本的には交際費ですが、平成18年の改正で、支出交際費の範囲から、「飲食その他これに類する行為のために要する費用(専らその法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除く。)であって、その支出する金額を基礎として1人5,000円以下の費用」が除外されることになりました。この場合の1人5,000円以下の金額とは、対象となる費用を参加者の人数で除して計算した金額をいいます。
 忘年会と云えども、1人5,000円以下の金額であれば、税務上の支出交際費から除外できます。更に1次会の後の2次会もお店が別であれば、別々に判断しますので、1人5,000円以下であれば、同様の扱いです。

職場での忘年会
職場の忘年会は、所謂厚生費です。職場が、広域や人数が多く、別々におこなう場合でも、同じ基準で会社が費用負担していれば、厚生費でかません。しかし、2次会は、概ね任意参加となる為交際費となります。1人5,000円以下でも、先のカッコ書きにあるように、外部関係者を交えないいわゆる社内飲食費は除かれていることになっておりますので、税務上の支出交際費となります。

業界団体の忘年会
業界団体の忘年会も原則交際費ですが、徴収された参加費が1人5,000円以下であれば先の規程に照らして、税務上の支出交際費には該当しないと考えられます。

忘年会も色々
しかし忘年会の形態は様々です。役員だけの忘年会や、社員と取引先が一緒の忘年会や、ゴルフを伴う忘年会等々、複雑な事案は事前にご相談下さい。





H23.12.5
ねじれ国会時代の税制改正

税制改正の政局化から学ぶこと
今年の税制改正のうち、政府の目玉としていた改正税法は、半分ぐらいしか国会通過の見通しがありません。3月の時点で、自民党・公明党の3ヶ月つなぎ法によって辛うじて日切れを刹那的に回避したものの、6月の時点で同じようなつなぎ法だったら、そこに入っていなかった電子申告控除やバリヤフリー改修控除、森林計画特別控除は税制として消滅することになっていました。
最早、納税者有利規定といえども、遡及適用立法は、制度廃止のリスクを伴っていることを見過ごすことは出来ません。

平成24年度税制改正の行方
 来たる平成24年度は、措置法の期限切れに絡む期限延長改正項目がけたたましく多い年で、税制改正が再び政局がらみの対決の様相を帯びると、消滅する税制や適用困難な税制が続出しかねません。

納税者不利規定で遡及適用不可のもの
 納税者不利規定には、交際費課税、使途秘匿金課税、繰戻し還付不適用規定があります。遅れて国会通過となり、日切れ現象が起きた場合には、交際費課税は、日切れ期間に開始する事業年度に適用不可となります。日切れ期間内に支出するものには使途秘匿金課税はありません。日切れ期間内に終了する事業年度には、繰戻還付停止規定は働きません。

平成23年12月31日で日切れのもの
 居住用財産に係る買換え、損益通算、繰越控除、長期優良住宅の特別控除、10年超保有事業用資産の交換・買換特例、住宅取得等資金贈与の非課税、住宅取得等資金贈与の相続時精算課税、その他の規定が、今年の12月31日で期限切れです。
今年の自民・公明の単純つなぎ法では3月31日期限のものは繋がれましたが、前年末のものは無視されました。同じパターンが繰り返されると、これらは消滅の危機に瀕することになります。

平成24年3月31日で日切れのもの
 期限立法の多くが3月31日期限で、その多くが納税者有利規定なので、遅れた国会通過でも、遡及適用は可能です。
 もし、政府が日切れのまま廃止予定にすることにしている法律があるとして、それが試験研究費や教育訓練費などのような事業年度開始規定のものの場合、単純つなぎ法で繋がれてしまうと、つなぎ期間に開始している事業年度には廃止効果がないことになります。





H23.12.2
借地買戻しで不合理な結果

通達の借地権理論
土地所有者である地主が、更地価格1億円の土地について、借地権を立退料6000万円を支払って買い戻して、更に、その借地権を他人に6000万円で借地再設定すると、 借地権の取得費も新規設定収入も共に6000万円なので
6000−6000=0 となるように思えます。
 しかし、ここの計算は、
6000−6000×0.6−6000×0.05=2100
(土地は先祖伝来のもので取得費不明、旧借地権は自然発生なのでかつて借地権の譲渡計算はしていない、という前提)となるような算式が、通達に書いてあります。

逐条解説では通達を否定
 ところが、この通達を解説する本には、「このような事例にあっては、法形式上は旧借地権の消滅、新借地権の設定という手順を踏んだことになるが、その経済的実質は、旧借地権者から新借地権者への借地権の移転とみることができ、その借地権の内容には何ら変更がないと解する余地が多分にあるにもかかわらず、この通達をそのまま適用して前述の算式に従って計算することにより課税される所得が発生することになろう。そこで、このような事例については、この通達を形式的に適用するのは必ずしも適当でないので、取引実態に即して、すなわち、地主にとって現実的な収入金額がない限り、その借地権取引によってその地主に所得が発生したと無理に考える必要はないであろう。」と述べて、通達の計算結果を否定し、 6000−6000=0 でよいとしています。

例外扱いでお茶を濁さず原理的再検討を
 神は細部に宿るのであり、細部の事例に適用して、合理的な結果を得られない通達の考え方は、原理的に誤っているのだと思われます。
 借地権と底地権が同一人に帰属したら、必ず混同処理しなければならない、と考えなくてもよいのではないでしょうか。借地権を底地から分離したら、それをそのまま維持しても、特に不都合はないように思われます。
 一度、借地と底地に分離した事のある土地は、その記憶・記録が明確な限り、同一人に借地と底地が帰属することになった後でも、別々な財産として、取得費の計算をするものとする方が、合理的な気がします。





H23.12.1
事業関連性と完全支配関係
寄 附 金 課 税

 法人税では、国等に対する寄附金や財務大臣が指定した寄附金等以外のその他の一般寄附金については、その支出の合計額と損金算入限度額(資本基準額と所得基準額の合計額の2分の1相当額)とのいずれか低い金額までが損金の額に算入され、限度額を超える部分は損金不算入となります。

寄附金の範囲
 寄附金とは、いわゆる法律用語でいう贈与であり、この贈与は無償で一定の財産を相手方に与える意思を表示し、相手方がこれを受諾することで成立します。
 法人税法上、寄附金の範囲及びその金額については、次のように定められており、一般的にいう寄附金よりもその範囲が広くなっていることに留意する必要があります。
@支出についての名義の如何を問わない、A内国法人が金銭その他の資産の贈与又は経済的利益の無償の供与等で、B資産の贈与した時の価額又は経済的利益の供与時における価額とする、C贈与又は無償の役務の提供であっても、広告宣伝費、交際費等、福利厚生費として認められるべきものは除かれる。

寄附金課税のメルクマール                      
 課税実務における寄附金課税は、@上記のように、広告宣伝費、交際費等、福利厚生費とされるべきものを除く、とされていますので、その反対解釈として、これら以外の支出及び費用が対象、そして、A事業に関連するか否かを問わない、B対価を享受しないでなされた金銭その他の資産及び経済的利益の給付又は供与がメルクマールとなりそうです。なお、実務では、寄付金の対価性の程度が事実認定の問題として争点になることが多ようです。
 税務調査などで、グループ会社間での事務委託や業務分担が不透明だとして、委託報酬や社員の給与の一部が寄附金にあたるとして指摘を受けることがあります。

100%内グループの法人間の寄附
 内国法人がその内国法人との間に法人による完全支配関係がある他の内国法人との間に発生する寄附金及び受増益については、@資産や役務を無償で提供した法人においてはその寄附金は全額損金不算入となり、一方、A贈与を受けた法人ではその受増益は全額益金不算入となります。
 このように、法人による完全支配関係を形成することで寄附金に伴う課税リスクを回避することができます。