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H23.3.31
激甚災害と税の減免措置等
相続税の減免

 相続により取得した財産が大震災により甚大な被害を受けたときは、現法上、災害免除法による相続税の減免措置があります。
 手続きとしては、その被害が相続税の申告期限前と申告期限後によって異なります。  
なお、適用にあたっては、被害割合について一定の要件があり、当該要件は申告期限前でも期限後でも同じです。
(適用要件)
1.取得した財産の価額の内、被害の割合が10分の1以上であるとき。
2.取得した動産等(金銭及び有価証券を除く等)の価額の内、当該動産等の被害の割合が10分の1以上であるとき。
 上記要件は、相続人ごとに判定し、いずれかに該当すればよいことになっています。
申告期限前と申告期限後の取扱い
 被害が申告期限前であれば、被害相当額は課税財産の価額から控除して相続税額を計算します。
 一方、被害が申告期限後であれば、被害相当額に対応する相続税額が免除されます。  
 しかし、この免税は、延納などによる未納税額がある場合に限り適用され、完納されていれば適用されません。
 ここが問題です。相続税を金融機関等から借入れて全額納付し、必死に、その借入金を返済している相続人であっても適用されないことになっています。
 そこで、今回の東北関東大震災に伴う特例法の制定にあたっては、一定期間を区切り、相続により取得した財産に変動がない限り、完納している場合でも何らかの減免措置を講ずべきものと考えます。 

被災した地域の土地の評価
 阪神淡路大震災の被災者等の特例法では、指定地域内にある土地等については、震災直後の価額で評価できることにしました。具体的には、相続発生が震災前年であっても、震災年度の財産評価基準に定める通常の路線価または倍率に、調整率を乗じたものでした。
 しかし、今回の震災は、土地そのものが震災により損失を受けた、まさに物理的損害(隆起、陥没、亀裂等)の存在は無視できません。それ故、調整率等の算定にあたっては、その実情を十分に反映されるべきものと考えます。
 また、今回の特例法制定においては、大震災直後に発生した相続についても申告期限の延長を認めるべきと考えます。





H23.3.30
激甚災害と税の減免措置等
申告期限等の延長

災害にあった場合の国税の取り扱いとしては、現行法上、国税通則法による申告期限の延長及び納税猶予、災害免除法による所得税及び相続税等の軽減免除、そして、所得税法上の雑損控除の適用等があります。                     
 しかし、今回の東北関東大地震のような甚大な震災があった場合には、現行の規定及び法律だけでは、被災者救済の適切な税務行政を行うことはできず、臨時特例立法の制定が不可欠です。
平成7年1月17日の阪神淡路大震災のときには、翌月の2月20日に震災被災者に係る臨時特例法を公布、同日施行となりました。
政府は、東北関東大震災に係る特例法を4月上旬までには制定したいとコメントしています。
そこで、今回の特例法の制定にあたって、当面の対応である「申告期限等の延長」について検討してみます。

地域指定の延長と個別指定の延長に関して
 国税庁長官は、「理由のやんだ日」から2ヶ月以内に期限等延長することができ、期日と地域を指定します。
地域指定された地域においては、期限延長の申請手続きを特別にすることなく、申告、納付等の期限が延長されます。
この地域指定の延長は、指定内に納税地がある納税者に限り適用されます。
一方、指定地域内に事業所等を有する納税者にあっては、その納税地が指定地域以外の地域にある場合、原則、申告等の期限の延長はありません。
この場合、指定外の納税者は、別途、期限延長の申請手続きをすることによって延長が可能となります。

特例法で地域指定の範囲を拡大
国税庁は、当面の対応として、3月15日に地域指定のみを告示しました。しかし、今回の震災の規模、範囲を考慮すると、特例法においては、納税地が地域指定内になくても事業所等がある場合には地域指定内として、申請手続き不要で延長を認める措置を講ずるべきと考えます。
また、被災税理士の関与する被災地外の納税者についても、被災地の納税者と同様の申告期限等の延長を認めるべきで、加えて、被災税理士が申告期限等の延長申請を行えば、関与先の被災地の有無を問わず、延長が認められる措置を講じられることも実情に沿うものと考えます。





H23.3.29
東北関東大震災
寄附金の再確認

東北関東大震災で寄附をお考えの方も多いと思います。そこで寄附金について改めて税務上の取り扱いをまとめました。

寄附金の取り扱い
寄附金の税務上の取り扱いは、法人税(法人)と所得税(個人)では違います。また地方税(個人住民税)が軽減されるふるさと納税も寄附金控除の一環です。

今回の東北関東大震災への寄附金
3月15日財務省が指定寄附金に指定する旨の通達を発表いたしました。但し「中央共同募金会が募集するNPO法人や民間ボランティア団体等向けの寄付」としておりますので、直接NPO法人や民間ボランティア団体に寄付しても、指定寄附金とならない場合がありますのでご留意下さい。

法人税では
国等に対するものと指定寄附金とは全額損金算入できます。今回上記のように、指定寄附金とされたため全額損金となります。

所得税では
特定寄附金だけが所得控除の対象となります。今回指定された寄附金もこの特定寄附金に該当します。但し全額が控除されるわけではありません。

控除額は以下の計算によります。
次のいずれか低い金額−2千円=寄附金控除額
イその年に支出した特定寄附金の額の合計額
ロその年の総所得金額等の40%相当額

ふるさと納税
都道府県・市区町村に対する寄附金のうち、5千円を超える部分について、個人住民税所得割の1割を上限に、原則として、所得税と合わせて全額が控除されます。
複数の都道府県・市区町村に対し寄附を行った場合は、合計額が対象となります。
各自治体で条例等により受け入れ団体等が異なります。詳細は各自治体にお問い合わせ下さい。

金銭だけです
寄附金控除の対象となるのは金銭だけです。物資等は対象になりません。
被災地で早急に必要なものは、金銭ではなく物資だそうです。今後はその辺の配慮も必要かと思われます。





H23.3.28
あらたな国難に素早い対応

税理士会の素早い対応
 3.11の震災翌日、税理士会は被災地の3.11以後に期限の到来する全税目の申告期限は自動的に延長される旨声明するとともに、関係官庁に対して、地域及び期日を指定して当該期限を延長することの公告を要請し、3.11の被害につき前年所得から控除できる阪神・淡路大震災の時と同じ特例法の早期立法を要望しています。

税務署も税理士も被害
業務を休止した税務署が大船渡税務署と気仙沼税務署とがあり、それ以外も青森県、岩手県、宮城県、福島県の各税務署と茨城県の日立税務署は申告書の収受等窓口事務しか行えなくなりました。
被災された東北税理士会には2500人を超える仲間の税理士会員がいるほか、茨城県ほかの被災地にも多くの会員が業務を行っておりました。

国税庁も素早い対応
国税庁は、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の国税に関する申告・納付の期限の延長を措置の内容として、次のように公示しました。
@ 家屋等に直接的な被災を受けたこと
A 行方不明者の捜索活動、傷病者の救助活動などの緊急性を有する活動への対応が必要なこと
B 交通手段・通信手段の遮断や停電(計画停電を含む)などのライフラインの遮断により納税者又は関与税理士が申告等を行うことが困難
C 地震の影響による、納税者から預かった帳簿書類の滅失又は申告書作成に必要なデータの破損等の理由で、税理士が関与先納税者の申告等を行うことが困難
D 税務署における業務制限(計画停電を含む)により相談等を受けられないことから申告等を行うことが困難

義援金についても
 最終的に被災地の住民の生活支援・ボランティアへの活動支援として使われることになる義援金を、財務省は寄附金控除の対象となる寄附金とする指定を早々に告示しました。また、国税庁は、日本赤十字社や報道機関などに対して支出する義援金だけでなく、報道、募金要綱、趣意書等で地方公共団体に拠出されることが明白なものは、「国等に対する寄附金」に該当すると明示しました。





H23.3.25
公的年金が0.4%引き下げ!

 平成23年度の公的年金は、0.4%引き下げられることになりました。引き下げは、4月分が支払われる6月の支払からです。
 現在支給されている年金については、法律上、直近の年金額引き下げの年(現在は平成17年の物価が基準)よりも物価が下がった場合は、これに応じて年金額を改定することになっています。平成22年の物価は、基準となる平成17年の物価と比較してマイナス0.4%となったことから、上記の幅の引き下げ改定となったわけです。

公的年金制度とその仕組み
 我が国の公的年金制度は、全国民共通の国民年金を基礎として、会社員や公務員等が厚生年金や共済年金が上乗せされる、いわゆる2階建ての制度となっています。そして、自営業者及び会社員の夫に扶養されている配偶者は老齢基礎年金を受給し、会社員や公務員等本人は「老齢基礎年金+老齢厚生年金」を受給します。

改定後の支給金額
 国民年金(老齢基礎年金「満額」:1人分)の平成23年度の月額支給額は65,741円です(平成22年度は66,008円 減額267円)。
 これを世帯でみますと、例えば、夫が自営業者で妻が専業主婦である場合、夫婦ともに老齢基礎年金だけの受給となり、それぞれ月額65,741円ですから、夫婦合算して131,482円となります。
 一方、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)では、平成23年度の月額支給額は231,646円(平成22度は232,592円 減額946円)です。
なお、基礎年金の月額65,741円は、40年間保険料を忘れずに納め続けた場合の金額です。また、厚生年金は、夫が平均的収入(平均標準報酬額36.0万円)で40年間就業し、妻がその期間全て専業主婦であった世帯の新規裁定の給付水準を標準とした受給金額です。               
年金所得者の確定申告手続き
 年金所得者については、年末調整といった制度がないことから、確定申告により税額が清算される必要があります。しかし、この確定申告手続きは、年金所得者にとっては事務負担となっています。
 そこで、平成23年度の税制改正で、公的年金収入金額400万円以下で、かつ、当該年金以外の他の所得の金額が20万円以下の年金所得者について、確定申告不要制度を創設しました。適用は平成23年分以後からの予定です。





H23.3.24
人事賃金制度のパッケージ

「賃金制度」には社員の意欲を引き出すメッセージ性があることを既に述べましたが、その機能を生かすためには賃金制度と不可分に結びついている五つの人事制度をパッケージとして整備、運用しなければなりません。

人事賃金制度のパッケージとは
その要素機能は次のように構成、活用されます。
@ 賃金制度(賃金表)
A 処遇制度(賃金制度の前提となる「部長・課長・係長などの職制」や「社内等級制度」)
B 評価制度(業績・発揮した能力・意欲などに応じて賃金に差をつけたり、能力開発のニーズをつかむための評価基準・評価方法・評価シートなど)
C 人材育成制度(ニーズに応じて教育機会や、長期的に人材育成を図る人事異動を行う仕組みと運用)
D 人材配置・活用制度(人材育成の状況を見ながら、誰をどのポジションに配置し、活用するか「定期異動」などの制度と運用)
このように人事賃金制度は@〜Dが相互に関係し合って社員の意欲を継続的に引き出すことができます。

経営者の留意点
「人事賃金制度」は直接的には社員を評価し、賃金・昇進などによって報いる機能を持っていますが、それは同時に会社のビジョン・戦略・経営計画の実現を図る機能を持っているものです。
このため、多くの企業で、「評価制度」の一環として「目標管理制度」を使い、中期(3〜5年)・短期(1年)の経営目標達成にも役立てています。
アジア等において新興国の経済伸長が著しい現在、人材活用も広く日本国外にも目を向ける必要が生じています。
特に業種によって海外の現地進出が経営課題となっている場合は、企業の理念を理解し、現地の事情に通じた現地人のリーダー人材を育成することが重要な課題になり、そのための「人事賃金制度パッケージ」が大切な役割を担うことになります。国内、海外のビジネス展開を問わず「人事賃金制度」の構築・運用が企業競争力に重要な影響を与えることになるでしょう。





H23.3.23
実用的“5W2H”

 社員に指示した仕事が自分の思い通りに進んでいない、といった経験はありませんか。その結果“仕事の手戻り”が起こり、もし、その仕事が大変重要なことだったりすると
・修正作業で無駄な人件費がかかる。
・納期遅れで顧客に大きな迷惑がかかり、信用が失墜する。
・商売の遅れで機会損失が発生する。
・競合他社に売上げ・利益をもって行かれる。
等々思わしくない結果が生じます。
 その責任は指示した側にあるのでしょうか。指示された側にあるのでしょうか。
実は、その責任の大半は指示したあなたの方にあるのです。

物事を指示する原則
 物事を的確に指示する場合は、“5W2H”が相手に伝わるように指示しなければなりません。
つまり、
・何故:WHY
・何を:WHAT
・誰に(誰を):WHO
・何時:WHEN
・どこで:WHERE
・どのように:HOW
・いくらで:HOW MUCH
このような事柄を指示する場合、相手に合わせて内容の具体性を変えなければなりません。テーマを示し、「“5W2H”を満たすように書いて欲しい。」と言うだけでやってくれる相手と、相当具体的に示さないとできない相手がいるからです。

経営者・管理者の留意点
部下に対する指示は仕上がりレベルで合格点を与えられるように、次の点に留意すると良いでしょう。
・だれがどの程度の指示で仕事をこなす能力があるのか、部下の能力レベルをつかんでおき、それに合った指示を行う。
・「催事の案内状」「会議開催連絡」等々の出来上がり文書を “5W2H”の要素が明記されているかどうかチェックする。
 




H23.3.22
傷病手当金や休業補償給付を
会社が代理受領する場合

 傷病手当・休業補償給付を会社が代理受領
 従業員が傷病で会社を休み賃金が支払われない時や減額された時、私傷病であれば健康保険の傷病手当金が、業務上の傷病については労災保険の休業補償給付や通勤災害の時の休業給付が、連続休業4日目から支給されます。このような給付請求は、休業が一定期間過ぎてから労務不能であった証明を医師からもらいます。又請求してからも、事務処理で時間を要するため、本人に給付されるのは少し先になるので、本人や家族の生活等を考えて会社が給付される分を立て替えておく場合があります。そのような時に、会社は、本人に変わって給付を直接受領する代理人になる事もできます。

社会保険の傷病手当金を代理受領する場合
 傷病手当金は、本人の標準報酬日額の3分の2相当額が休業4日目より支給されます。会社が一担受領し、従業員負担分の社会保険料を控除してから、差額を本人の預金口座に振り込む場合は、傷病手当金支給申請書にある、受取代理人の欄に記載が必要となります。この、従業員が事業主に受領を委任する記載欄を記入して提出すると、手当金が会社の指定口座に振り込まれます。会社が保険料控除後に本人に振り込む際は、内訳を記した通知書を渡すとよいでしょう。

労災保険の受任者払い制度
 労災保険の休業補償給付は、休業4日目から1日につき給付基礎日額の80%(休業持別支給金含む)が支給されます。事業主が被災従業員にあらかじめ立替払いをして、後日、事業主の口座に振り込んでもらう、「受任者払い」という制度があります。受任者払いを希望する時は、「受任者払依頼書」を労働基準監督署に提出します。
 事業主が立て替えた額と、振り込まれた額が違う時もあるので、差額の処理については事前に取り決めておく必要があります。
 実際に休業補償給付の請求をする際には申請書に本人が立替えを受けている旨を記した委任状を添付します。但し、会社の受任者払いは、提出するとその後の請求も適用されますので注意が必要です。
 労働局によっては受任者払いでなく、本人の委任状だけを採用しているところもあります。
 委任状だけの場合は、保険給付ごと、請求人ごとに委任状が必要となります。





H23.3.18
立て替えた休職中の社会保険料


休職期間中の社会保険料徴収はどうする
 従業員が、会社を私傷病等で休職し、会社が社会保険料を立て替えた場合、復帰後に返済してもらう約束をしていても、休職期間満了で退職してしまい、徴収できなかった等というケースがあります。
 又、復帰したとしても、期間がだいぶ経ってから徴収もれに気付き、まとめて返済を求めにくい等という場合もあります。
 社会保険料は、育児休業期間以外は、被保険者であれば、傷病で休んでも支払わなければなりません。また賃金が支払われなくとも、健康保険料と厚生年金保険料を本人、会社とも負担しなくてはなりません。

休職中の保険料の取り扱いを決めておく
 従業員の私傷病による休職は、普通は、一定期間、雇用関係を維持したまま、就労義務は免除する事としている会社が多いと思います。その間、会社は、従業員の社会保険料を負担する義務はありませんが、賃金の支払いがない場合保険料徴収はできません。しかし、会社は月末になれば、会社分と従業員分の保険料を納入しなければなりませんので、本人から確実に保険料が徴収できるよう、本人に知らせておく必要があります。就業規則や給与規程で休職中の保険料の取り扱いを明記しておく事が、従業員に周知させる事になると思います。

休職中の取り扱いについて通知書を出す
 会社の規程だけでは、個々の取り扱いはわからないため、休職する従業員に対しては「休職取扱い通知書」を発行し、いつからいつまでの休職を命ずるのか、又休職期間中の労働条件(休業中は給与を支払わない等)を記します。
 本人負担の社会保険料額を記し、毎月払ってもらうのであれば、日付を決め指定日までには振り込んでもらうよう会社の口座を指示します。
 又、支払う住民税についても取り扱いを決めておく方がよいでしょう。
 その他、休職中の傷病具合の報告義務や復帰時や、復帰後の労働条件等も通知書記載しておく事が大事です。





H23.3.17
高年齢者雇用継続の条件

平成18年4月時点の高年齢者雇用安定法
 企業において65歳まで雇用確保を義務とされたのは平成18年の事でした。「定年の引き上げ」「継続雇用制度の導入」「定年制の廃止等」から各企業に合ったいずれかの制度を導入する事としています。しかし中小企業において、60歳定年以降の人員を雇用していく事はときに経営を圧迫しかねない要因ともなります。そこで今までは継続雇用制度を導入する際に本来は対象者の継続基準を労使協定で定めるべきところを話し合いが整わない時は就業規則で基準を定めてもよい事となっていました。

平成23年4月からの継続雇用対象者基準
 今まで就業規則だけで継続雇用基準を定めておいてもよいとしていた特別措置は23年4月からは中小企業においても労使協定を締結しなければならない事となりました。
 継続雇用制度は原則として希望者全員を対象として制度を導入する事が求められてはいますが各企業の実情に配慮して、継続雇用する人を選考する基準を労使協定で定める事は認められています。

継続雇用の基準は主に6つ
 厚労省が実施した調査によると再雇用基準は主に6つに分類されました。@働く意志や意欲A勤務態度B健康C能力・経験D技能の伝承Eその他
 6つの条件のうち、能力・経験については、本来は人事考課の目標基準を設け、評価点等で判断されるものですが中小企業においては制度的に人事考課を行っている企業が少なく、大局的に「働く意欲に富み勤務熱心で健康な人」という条件になっている事も多いようです。
 厚労省の調査によると80%以上の企業が一度退職してから、労働条件を見直して再雇用する継続雇用制度を導入していると言います。勤務形態は一般社員と変わらないという場合が多いものの一年ごとの嘱託契約で定年時の6割以上の賃金で処遇するという実態が報告されています。





H23.3.16
“情報爆発”の害を避けるには


近年、インターネットの発達とともに、世界中で“情報爆発”の問題が起きています。知りたいことが何でもインターネットで分かる反面、沢山の情報が集まり過ぎて、「問題や課題解決の全体像が何か、誰も説明できない。」と言う現象を指しています。
 “情報爆発”は国の政策にかかわることから、企業経営の課題解決、個人の問題解決まで、物事の問題・課題解決の全てについて起きる可能性があります。

“情報爆発”の何が問題か
 “情報爆発”で困ることは何でしょうか。
 個人の問題で、例えば「子供の教育の仕方」などとか、企業の問題で「わが社は業界で優位に立つ競争力を得るためには何をすべきか」などとか、解決すべき問題・課題は後を絶ちません。
 もし適切な解決策が見つからない場合は、何もできないで、解決を先延ばしすることになってしまいます。競争相手と戦っている場合は大きな利益を得る機会を逃し、経営に甚大な損害を与えることにもなりかねません。

“情報爆発”を回避する努力の仕方
自分の中で“情報爆発”を起こさない方法はあるでしょうか。
誰にも絶対成功する方法を提案することは不可能ですが、少なくともその可能性を低め、回避して適切な全体最適解を見つけ易くする方法として、いくつかのコツを紹介しましょう。
1.問題・課題解決の優先順位を付ける。(重要度・緊急度から判断して「プライオリティー・マトリックス」を作って判断する。)
2.問題・課題解決の目的を良く考えて、曖昧さをなくし、適切に表現する。
3.「上手な企画の立て方」で紹介した論理的思考を行い、それに合った情報を選択的に集めて活用する。(多様な情報に惑わされない。)
4.自分(担当者)が目的達成のための解決策の全体と部分の関係を納得できるまで考え抜いて答えを出す。





H23.3.15
改正税法にある表現の改正

今年の税制改正法案
「所得税法等の一部を改正する法律案」は衆議院のホームページで確認できます。
この法律案は、所得税ほか国税に関するいくつもの税法の改正部分を一括記載するとともに、各税法毎に1条文内に収め、「改め文」という形式で表現されています。
所得税法関係改正は第1条に、法人税法関係改正は第2条にという具合で、本則全25条で、その後に各改正部分の施行期日を記載する附則があり、これは全169条です。全分量は、1行100文字にして5000行近くあります。

改正税法の「改め文」
改正税法は「第○条中『△△』を『□□』に改める」という「改め文」で書かれており、元の法律の該当個所と見比べて読まないと意味がすぐわかるはずのないものになっています。
ただし、今年に限っては、内閣から「常用漢字表」が告示され,「公用文における漢字使用等について」(内閣訓令)が定められたことによる、表現を変えるだけの改正が沢山あります。

表現のみの改正項目
「たな卸資産」を「棚卸資産」に改めるとか、「すべて」を「全て」に改めるとか、というものです。税法中「たな卸資産」は10ヶ所、「すべて」は52ヶ所に表現があったようです。
その他、「補てん」とか「充てん」の「てん」を「填」(24)、「附さない」を「付さない」(2)、「添附し」を「添付し」(5)、「行なわれている」を「行われている」(6)、「行なう」を「行う」(6)、「隠ぺい」を「隠蔽」(3)、「差押」を「差押え」(2)、「さかのぼつて」を「遡つて」(2)、「名あて人」を「名宛人」(1)など、( )の中の数字のヶ所数の改正があります。

少しだけ意味を伴うもの
「提出を怠つた者」を「提出しなかつた者」、「提出を怠り」を「提出せず」に改める、というのも38ヶ所ありますが、これは強権的表現の印象があるので、ついでに変えたように思われます。
「国税通則法」を「国税に係る共通的な手続並びに納税者の権利及び義務に関する法律」に改める、というのは233ヶ所もあります。今年の改正で法律名が変わるからですが、正式名は覚えにくいですね。





H23.3.14
「ねんきん定期便」よくある質問


年金記録に関する相談事例
 年金定期便が自宅に届くようになって2年が経過しようとしています。日本年金機構に届く、厚生年金記録に関するよくある質問の一部を紹介します。

Q標準報酬は毎月変動しないの?
 毎月支払われる給与の額を一定の幅で等級にあてはめたものを標準報酬月額と言いますが、月給が残業代の多寡で変動するのに標準報酬が変わらない事に対する質問です。標準報酬は毎年4〜6月の平均給与で決定される他は、基本給や諸手当等の固定的賃金の変動が3ヶ月間続き、平均で2等級以上の差となった時に改定します。残業等の非固定的賃金の変動はその都度改定の必要はありません。

Q平成15年3月以前は賞与の記録がないが?
 賞与の保険料は平成7年4月から15年3月までは特別保険料として通常の保険料より低い率で徴収されていましたが、それは年金額計算の基礎とならないため年金記録欄には反映されていません。平成15年4月からは通常の保険料と同率で徴収されますが、年金額計算の基礎にも反映されるようになりました。

Q65歳以降に継続勤務していた人が65歳で退職扱いとなっている訳は?
 昭和61年4月から平成14年3月までは会社勤め人が、65歳になると厚生年金から脱退する事とされていたため、65歳以降の方の保険料は徴収されず、加入記録もありません。その後法改正で平成14年4月以降は70歳になるまで加入する事となりましたので当時、65歳から70歳未満(昭和7年4月2日〜昭和12年4月1日生まれの人)で在職中の人の厚生年金の加入記録は途中が途切れています。平成14年4月に再取得となっているので、なぜ継続勤務しているのに再取得となったのか理解できないという質問が良く寄せられるそうです。





H23.3.11
役員の労働・社会保険の取り扱い


役員の形態により異なる社会保険適用
通常の従業員は会社の健保・厚年・労災・雇用保険の被保険者となりますが、役員の場合は形態によっても適用が異なります。
 原則としては、役員は社会保険の被保険者となりますが、労働保険の被保険者とはなりません。この違いは、社会保険は相互扶助の考え方をしており、労働保険は、労働者のための保険という位置付けだからです。
 従業員とは、事業所に使用され、給与を支払われ雇用契約を結ぶものを指し、役員とは従業員を使用するもので会社と委任契約を結ぶものを言います。役員と言っても様々な形態があり、名称や権限も会社によって違っています。

社会保険の適用は
役員は原則として、代表者を含め、実質的な使用関係があれば、被保険者となります。
 この、使用関係とは1日の相当時間を適用事業所の職務の為に費やしていて、一定に報酬が支払われている事。ですから非常勤役員は実質的な使用関係にあるとは言えません。又、法人の代表者は法人格に使用されているとみなされ、使用関係が認められます。個人事業主の場合は、別人格から使用される関係でない事から被保険者とはなりません。

労働保険の適用は
 代表権や業務執行権を持たない兼務役員(一般の従業員と同様に会社と使用関係があり就業規則の適用や担当業務、報酬から見て従業員的側面が強い)が労働の対価として給与を受ける時は、原則としてその給与部分については「従業員」として扱われます。但、役員の仕事を執行中に労災事故に遭った時には、保険給付が受けられません。

特別加入制度について
 労災保険に加入できない役員や個人事業主や家族従業員でも、仕事の実態が従業員と同じような時は、従業員とみなして労働保険に任意で加入する「特別加入制度」があります。ただし特別加入していても、所定労働時間外に特別加入者のみで行う業務、またその準備、後始末をしている場合等 事業主本来の業務中は補償されないので、注意が必要です。





H21.3.10
“ぼんやり”者の誤り

 「品質管理」の分野で“慌て者の誤り・α(アルファ)”とともに使われる指標に“ぼんやり者の誤り・β(ベータ)”があります。前者については既に解説しましたので、ここでは後者の“ぼんやり者の誤り”について説明します。
 その本来の意味は「出荷検査などで不良品が無視できないほど多いロットなのに、誤って合格と判定してしまう誤り」のことを言いますが、日常の生活や仕事でも常にそれに似た誤りが起きる可能性があり、注意を必要とするのです。

よく起こる“ぼんやり者の誤り”
 社員がぼんやりして、不良品を見落とす、標準作業の実行に抜けが起きる、商品開発業務で重要なチェック項目をぬかしてしまう、営業担当者がお客様の重要なクレームについて聞き逃してしまう、・・・・個人の生活でも忘れてはならない重要なことから、日常的に使う生活用品の保管場所まで、忘れてしまって困ることは枚挙にいとまがありません。
経営者と言えどもその危険は避けられず、誤ったときの被害・責任は会社の存立にかかわるコンプライアンスの問題や顧客の信用喪失など、社員に比べてより大きなものになります。

経営者の留意点
 “ぼんやり者の誤り・β(ベータ)”を根絶するのは、人間がやることなのでなかなか難しいことですが、その可能性を最少化する経営努力、個人的努力は惜しむべきではありません。その方法としては次の考え方、行動をとるのが良いでしょう。
1. 全社的な方針徹底
@ 5S(整理・整頓・清潔・清掃・躾)
A 三現主義(どんなことでも、地位にかかわらず現地で現物を見て現実に即して判断、例え、新入社員が発見したことでも部長といえども軽んじない。)
B 早期発見、小さなうちに処置をとり、大きな問題を未然に防ぐ。
2. しくみ化
@ 製造現場では、ばかよけ(フールプルーフ)の工夫(不良品を自動的に発見する装置などの工夫)
A 開発業務・営業・経営管理、間接部門では「チェックリスト」の作成、活用





H23.3.9
子育て関連助成金に付ける
一般事業主行動計画とは

 狙いは少子化対策
子育て支援に関する助成金には、受給要件として、「一般事業主行動計画」の策定が要件となっているものが多くあります。
 この、「一般事業主行動計画」とは平成15年7月に「次世代育成支援対策推進法」が制定され、子供が健やかに育つ環境を整える取り組みを、国だけでなく企業にも進める事が必要であるとして、企業に「一般事業主行動計画」の策定・届出を求める事になっています。

一般事業主行動計画とは
行動計画とは従業員が仕事と家庭を両立させワークライフバランスの取れた働き方が出来る職場環境を整備するために立てる計画の事です。4月からは従業員数101人以上(現在は301人以上)の企業に策定・届出が義務付けられます。内容は育児休業取得者に対する両立支援と、一般社員に対しても所定外労働時間の削減等の項目もあります。策定のための用紙は厚労省HPに公表されています。企業は項目の中から、自社で取り組める計画を選んで策定し、都道府県労働局雇用均等室に届出ます。

行動計画の策定後は
 策定・届出に伴い、従業員への周知と公表が必要とされます。公表はインターネットが多く利用され、自社のHPや財団法人21世紀職業財団の「両立支援のひろば」への登録等があり他の企業の行動計画も閲覧できます。自社の従業員への周知方法は掲示、配布、電子メール等が考えられます。

企業のイメージアップにも利用
 策定は従業員100人以下の企業には努力義務にすぎず、義務付けられる規模であっても策定・届出しなかったとしても罰則はありません。ただ、いずれは小規模事業場にも義務付けられるのが時代の流れだといえるのかもしれません。又、策定後、一定の要件を満たした場合は計画期間終了後に厚生労働大臣の子育て支援認定企業の認定が受けられます。認定されると「くるみん」マークを自社のHPや名刺、求人広告等にも表示でき企業のイメージアップや従業員のモラール向上、優秀な人材の採用にも活用できます。計画を義務だから策定するという事でなく、プラス材料として打ち出す企業も出てきています。
 




23.3.8
売掛金回収の最終手段?
(動産売買先取特権の物上代位)


 未払のまま転売とは・・・
商品を納入した相手方である取引先が、代金を支払わないばかりか、さらにその客先に転売してしまう。売主にはいまいましい事態です。
このような事実関係について、いちいち訴訟を起こして勝訴判決を得ずとも、取引先が転売先に対して有する代金債権から回収する方法があります。法的根拠は、動産売買先取特権の物上代位というものです。

売買に基づいて成立する担保権
動産売買先取特権とは、売買契約によって買主の許にある商品について、売主が有事の際にその商品の換価代金から優先的に回収できるという担保権です。
そして、その商品が転売されれば、転売先に対する代金債権も、また、担保の対象となった商品から生じた価値的変形物だとして、その債権に対し、優先的に回収できます(物上代位)。
このように、売買契約が成立するだけで、別途何らの手続もなしに法律上発生する誠に都合のよい担保権といえます。

転売代金債権への差押えに必要な書類は?
売主が、取引先の転売代金債権に対する権利行使としては、その債権に対して差押えをかけることになります。その際、裁判所に、差押命令申立書とともに権利の存在を証明する文書を提出する必要があります。
(1)まず、売主・取引先間の売買により商品が移転したことを証する証拠が必要です。具体的には売買契約書、注文書、納品書、受領書、請求書等になります。基本的に、取引先が作成したものが証拠として含まれていなければならないと解されています。
そこで、普段から取引先より注文書等を出してもらうことが必要です。
(2)これに加え、取引先・転売先間の売買についても、商品の移転を示す証拠も必要です。問題となる商品と転売債権と対応することを示す必要があるからです。少なくとも転売先による転売証明書や受領書くらいは必要となります。すると、証拠の手配に転売先の協力が不可欠となり、ここが大きなハードルになるでしょう。
(3)以上の書類を、どこまで揃えられるかが裁判所に差押えが認められるためのキーポイントです。





H23.3.7
顔の傷と男女差


顔の傷には性差がある?
 労災で顔に傷が残った男性が女性に比べて障害等級の扱いに違いがあるのは納得できないとして訴えた裁判で、この訴えが認められ性別による差別的取り扱いは憲法違反があるとされた判決は耳に新しい事です。
この度厚生労働省は1947年施行規則が制定されて60年以上経ち、初めて、労災保険の障害等級を見直す事を決定しました。

適用されている「障害等級表」は
 現行の障害等級表では外見に(頭部、顔、頸部)著しい醜状を残すものに対して、女性は7級ですが男性は12級となっています。
 7級であれば平均賃金131日分の年金がずっと支給されますが、12級では平均賃金156日分の一時金となっていて、補償が大きく違います。
 裁判の争点は女性を男性より上位に格付けすることは理由として@女性の方が男性より接客する職種が多いA女性は男性より外見に高い関心を持ち精神的苦痛が大きいB今までの判例が男女間に醜状障害に関して差があるという社会通念があったとしています。
 このような理由に関してこの裁判では差別的取り扱いの根拠がないとは言えないが、5等級もの差は不合理であり違憲としました。

男女差を撤廃し、新等級も設置
 この判決を受け、厚労省は労災保険施行規則の改正をする事としました。改正案は「著しい醜状」が残った場合は男女ともに7級、軽症の場合はともに12級に統一する、医療技術も向上し、新たに重症と軽症の中間に当たる等級の設置も盛り込まれており近年は傷が目立たないように治療できるようになったため新たに中間に9級を設け平均賃金391日分の一時金の等級も設置されました。顔の傷(醜状)を気に病み、苦痛に感じるのは男性であっても同じではないかという意見に、世間の理解も深まってきていると言えるのかもしれません。
 




H23.3.4
不動産賃貸の新しい形 フリーレント契約


フリーレント契約とは?
不動産を賃貸するに当たって、この不況で、なかなか賃借人が見つからない、また見つかってもすぐに安い物件が見つかると出て行ってしまい安定的に収入が確保できない、と言った問題を解決する為の賃貸契約です。

フリーレント契約には2種類ある。
フリーレント契約は、当初の2〜3ヶ月の賃料を無料とし、その代わり契約期間の途中で出て行く場合は、違約金を取ると言うものです。
違約金の設定の仕方でその税務上の取り扱いは変わってきます。

中途解約不可能な契約
契約期間の途中で解約した場合、残りの契約期間の賃料全てを違約金として取ると言った内容の契約です。
この場合契約期間の債権は契約時点で確定しておりますから、期間の経過に応じて売上を上げることとなります。
契約期間3年 月額家賃100万 当初3ヶ月は無料と言った契約では、無料期間も含めて月額賃料を決定し売上を上げることとなります。(100万×33ヶ月)÷36ヶ月≒91.7万円が月額家賃となります。

中途解約可能な契約
契約期間の途中で解約した場合、違約金は取るが、無料賃貸分プラスαで、違約金が残りの契約期間全額では無いような契約の場合は、契約に応じて売上を上げることとなります。
従前の例で言えば、最初の3ヶ月は売上0で、その後は月額100万円の家賃を計上することとなります。

支払い家賃も同様の処理
逆に支払い家賃はと言うと、中途解約不可能な契約の場合は、無料賃借期間も未払金として家賃の計上は認められますが、中途解約可能な契約では、無料賃借期間の家賃計上は認められません。





H23.3.3
賃金のメッセージ性

 「賃金」とは何であるか、について考えて見ましょう。
 労働基準法第11条は賃金とは「賃金、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の代償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」と定めています。
 しかし、最近は企業経営者の間で「賃金の持つ重要な機能として、メッセージ性があること」が注目されています。
 つまり「賃金は労働の代償であるばかりでなく、経営者が働く人びとに、どのように働いて欲しいのか、その期待や評価の考え方、基準を具体的に示してやる気を引き出す機能がある。」と言うわけです。

賃金のメッセージ性とは
 働き手の成長と活躍が企業の利益や存続・発展を約束することは、言うまでもありません。つまり、「企業は人なり。」と言われる由縁です。
 働き手をやる気にさせる要因には働き方の仕組みと運用がありますが、その仕組みの代表的なものが賃金制度で、カタチとしては「賃金表」です。
 働き手は賃金表を見て、例えば次のように考えて行動するでしょう。
@自分は「賃金表」のどの位置にいるだろうか。
A今年は今の仕事でどこまで頑張れば、もっと高い賃金が得られるだろうか。
B将来、自分はどのような成長と能力発揮・成果を高めればもっと高い賃金が得られるだろうか。
 このように「賃金表」は絶えず働き手の意欲を引き出す機能を持っていると言えるでしょう。これは正社員・パートさんにも共通です。今後日本で進展する労働力不足の中で、正社員・パートさんの労働意欲を持続的に高めて行かなくては企業の存続そのものが難しくなるでしょう。

経営者の留意点
 賃金表は業種・業態・職種・働き方などによって多様性があります。
 また、「仕事・役割・貢献度に応じた賃金の配分、経営に占める人件費の割合を適正にコントロールすること。」など共通的で重要な設計要素があり、きちんとした設計方針を立てて賃金制度構築に取り組まなければなりません。





H23.3.2
融通無碍か定率法?

250%定率法のうたい文句
 平成19年に導入された250%定率法は、国際的なイコールフッティングを確保し、投資の促進を図るためのものでした。
 今年はこれを200%定率法に変更する、というのが政府の方針ですが、それでは国際的なイコールフッティングや投資の促進が損なわれることになります。
減価償却のようなベーシックな制度は措置法的な、朝令暮改的時限立法には馴染みません。

均等償却開始時期がはやまる
 250%定率法による償却では、@期首帳簿価額に250%定率法の償却率を乗じた額よりも、A期首帳簿価額に「法定耐用年数−経過年数」で除した額が上回ると、償却方法は、250%定率法から残余期間均等定額法に切り替わります。
均等定額法への切り替えは、250%定率法の場合、耐用年数10年であれば8年目から、耐用年数15年であれば11年目から開始されます。
もし、改正案の200%定率法も250%定率法と同じ仕組みなのであるとすると、耐用年数10年であれば7年目から、耐用年数15年であれば9年目から均等定額法に切り替わることになります。切り替え時期が早まることになります。

150%定率法もあるのか?
200%定率法という税制改正大綱の文言を見た時、それなら150%定率法もあるのか、100%定率法もあるのか、と思ってしまいました。
しかし、100%定率法にすると、2年目以降はすべて、残余期間均等定額法に切り替わってしまいますので、初年度のみの定率法ということになり、さすがにこれは定率法の名を冠することに憚られます。
150%の場合で見ると、耐用年数の半分以上の期間が定率法となっているのは、2、3、4、6年のみです。やはり、これも定率法と呼ぶのに相応しくないように思われます。

200%定率法の定率法期間
 200%定率法について同じ視点でチェックすると、耐用年数が長くなっても、辛うじて半分以上の期間について定率法となっています。
 190%にするとどうなるかというと、ポツポツと定率法期間が半分未満となりだす耐用年数のものが出てきます。
 




H23.3.1
“人事権”の使い方

配置転換をしようとしたとき、労働者が「この仕事はしたくない、転勤したくない。」などと嫌がったので処置に困った、といったトラブルを経験したことはありませんか。
そのような場合、経営者や管理者はどのように本人を説得するのが妥当でしょうか。

“人事権”とは
労働契約の目的は「一般に労働者は企業の効率的な運営に寄与するため、使用者に包括的に労務の提供を約束し、承諾するもの」です。
「特別の場合がないかぎり、労働者は自己の提供する労働力の使用を包括的に使用者に委ねるものであり、使用者は、この契約上の権限にもとづき労働者の給付すべき 具体的労働の種類、態様、場所などを個別的に決定し、またはその変更を命じうる」という判例、通説があり、これを“人事権”と言います。
使用者には“人事権”がありますから、特段の約束がないかぎり、「転勤したくない、業務を変わりたくない。」と主張しても正当性がありません。
つまり、労働者は「会社の命ずる場所および命ずる仕事をする」という約束のもとに使用者に業務の場所や指定権限を与えて採用されたもので、使用者の転勤や配転命令等に原則として従わなければなりません。

経営者の留意点
労働者が配置転換や業務の変更を嫌がったり、拒否する姿勢を示したとき、経営者や管理者はどのように対処すべきでしょうか。
“人事権”を持ち出して論理的に理解させ、会社の命令に従わせることは、手っ取り早い方法ではありますが、必ずしも上策とは言い難いのです。
それは、あとあと「無理に従わせた。」という感情的しこりを残すことになりかねません。
そこで、なぜその配置転換や業務変更の必要が生じたのか、会社の必要性や本人の適性に合っていること、会社の期待などをよく説明し、本人の疑問や不安を解いて、意欲を持って新しい業務に取り組むよう動機付けてあげる配慮が望まれます。“人事権”は経営者としての基礎知識として知っておくべき事なのです。