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H23.4.28
東日本大震災 被災者支援税制の骨格

 政府は、4月19日、東日本大震災の被災者や被災企業の支援税制「第1弾」の関連法案を閣議決定し、27日参議院本会議で可決、成立しました。以下、主な税目についてその内容を確認してみます。

国税関係

1.所得税
(1)雑損控除の適用については、前年分から適用、繰越期間は現行の3年から5年に延長する。(2)災害減免法による所得税の減免措置は、前年分での適用を可能にする。(3)被災事業用資産の損失の特例では、前年分の必要経費への算入を可能にし、青色申告者にあっては、前年分において純損失が生じた場合には、平成21年分からの繰戻還付を可能とする。また、一定割合以上の損失については、繰越期間を3年から5年に延長する。(4)住宅ローン減税の適用特例では、住宅が滅失等しても残存期間の継続適用を可能とする。(5)大震災関連寄付の寄付金控除の拡充として、寄付金控除の控除可能限度枠を総所得の80%(現行40%)に拡充、また、認定NPO法人等が募集する寄付金については、税額控除制度を導入する(税額控除率40%、所得税額の25%を限度)、としています。

2.法人税
(1)震災損失の繰戻しによる法人税額の還付は、2年間まで遡って還付を可能とする。また、仮決算の中間申告により同様の繰戻還付を可能にする。(2)仮決算の中間申告により、法人税額から控除しきれない利子・配当に係る源泉所得税の還付を可能にする。(3)買換特例に係る買換資産の取得期間を一定の要件の下、さらに2年間延長する。また、(4)被災代替資産等については、特別償却を実施する、としています。

3.資産税
(1)指定地域内の土地等及び一定の非上場株式等の価額を大震災後の基準とした評価額とすることを可能とすると共に、その申告期限も延長する。(2)住宅取得等資金の贈与税の特例措置に係る居住要件の免除及び居住期限を1年延長する。また(3)平成33年3月31日までに取得する不動産等(船舶も含む)の所有権の保存登記等の登録免許税は免除する、としています。

地方税関係
 個人住民税や法人事業税及び法人住民税は、国税の取り扱に準じていますが、被災地等における(1)固定資産税等、(2)不動産取得税、(3)自動車取得及び自動車税は免除又は非課税とする、としています。





H23.4.27

計画停電 太陽光発電を考えては

太陽光発電の促進
 先日の東北地方太平洋沖地震では甚大な被害が日を追うにつれ明らかとなっています。原子力発電所の事故により今後も深刻な電力不足が見込まれています。
 このような現状、国が導入の加速を進めているのが住宅用の太陽光発電の設備です。しかし、設備の購入にはコストが高く、これに補助金制度を設けて導入の促進を図っているわけです。
 平成23年については国からの補助金が4.8万円/kW。予算としては349億円が見込まれています。国以外からも都道府県・市区町村のそれぞれが補助金をだしており、併用が可能です。ただし、自治体によって補助金の有無、申込枠や締切日などさまざまなので購入の際は確認が必要です。

売電の税務上の取り扱い
 太陽光発電は、電気の余剰分を電力会社に買い取って貰う(売電)ことも可能です。
 この場合、自宅に設置した場合には、雑所得に係る収入となります。一方賃貸不動産のある人が賃貸不動産に設置した場合は、不動産所得に係る収入となります。
 設置した太陽光発電の補助金は所得税法42条1項により、収入金額に算入しないこととされる一方、取得価額から控除します。
その控除後の価額をもとに減価償却費を必要経費として計上しますが、自宅の場合は減価償却費を、自家消費分と売電とに按分する必要があります。

メリットは?
 収入から経費を差引き赤字となった際、自宅の場合は、他に雑所得がないときは損益通算にできませんが、公的年金など他の雑所得がある人の場合は雑所得内で損益通算ができます。
 一方賃貸不動産の場合は、当然家賃収入の必要経費となります。
 また事業所得や不動産所得があり消費税の課税事業者である場合は、売電収入は課税売上ですが、設備代は課税仕入となり控除できます。

検討はお早めに
 自治体の補助金は受付期間が短いところが多く、また補助金の開始が始まるのは4月が多いので是非この機会に検討されてみるのはいかがでしょうか?





H23.4.26
存在感を増した上場株式等の配当所得

3つの選択肢
上場株式等の配当所得については、納税者の選択で、@申告不要(結果として源泉分離課税)、A総合課税、B申告分離課税を選択することができます。
 なお、大口株主(現行、発行済株式の5%以上所有、平成23年改正案では3%以上)は、課税方式の選択はなく、総合課税のみです。

申告不要か総合課税かの選択
 申告不要は、上場株式等の銘柄ごと、中間配当、また期末配当といった1回に支払を受ける配当等の額ごとに選択することができます。配当等に課される税金(所得税7%、住民税3%)は源泉徴収されますので、申告不要を選択することで課税関係は終了します。
 一方、総合課税選択の有利性は、総所得金額330万円以下であることが一つの目安です。総合課税においては、当然、配当控除は適用できます。
なお、その年について、その一部を総合課税、一部を分離課税という選択はできません。どちらか一方のみです。また、申告する場合には、配当等に関する支払通知書を確定申告書に添付する必要があります。

申告分離課税の選択
申告分離課税の選択は、原則、上場株式等の譲渡損失との損益通算及び繰越控除を適用するときです。
なお、特定口座の譲渡所得等の金額又はその口座の配当所得の金額を申告するかどうかは口座ごとに選択できます。
また、特定口座の譲渡所得等の黒字の金額と配当所得の金額のいずれかのみを申告できますが、特定口座の譲渡損失の金額を申告する場合には、当該口座の配当所得の金額も併せて申告しなければなりません。





H23.4.25
専業主婦の年金救済問題


職員アンケートによる問題の提起
 先に行われた厚労省の職員アンケート結果で「国民年金の3号被保険者だった者が1号被保険者に種別変更されているのに変更届を提出せず3号のままになっているケースが多い」という事が判明しました。厚労省は2010年12月に未加入期間だった期間は2年分の保険料を払えば、全部を納入済期間として扱う事を通達(行政機関内のルール)で決定し、運用を始めました。

3号から1号への切り替え漏れ問題とは
 例えば夫が厚生年金や共済年金の被保険者であり被扶養者の妻は3号被保険者として国民年金に加入しても保険料を支払う事はありません。この方の夫が脱サラ等で自営業者となり、1号被保険者となった時には妻も1号被保険者となり自ら手続きをして国民年金保険料を納めなくてはなりません。しかし、手続き漏れをしていたため、未加入期間となり、無年金や減額されたりするケースが多くある事がわかりました。
そこでこの人たちを救済しようと2年分の保険料を納めれば未加入期間は払ったことにするという措置を講じました。

不公平な救済措置に異議が集中
 厚労省は対象者への周知不足も認め、この1月から救済措置を始めましたが、一方で1号への切り替えを行い、まじめに保険料を支払ってきた人と同じ取り扱いでは正直者が馬鹿を見るようなことになるとの批判が高まりこの救済策の見直しが迫られました。

政府が検討している見直し案は
 100万人といわれる今回の対象者の救済策は、法律により改正するべき事項であるとして、案としては3年間の時限立法で、@過去の未納期間は納入2年の時効を外し、全額を支払える。分納も可能とする。A保険料を払わない時は合算対象期間とし、年金は減額のままでカラ期間として加入期間に入れるというものです。
 年金は加入者が支え合うという前提はあるものの、保険料を払った人たちだけが負担を負う事のないような公平さを考慮しなければ、制度そのものの維持が保たれないという事にもなるでしょう。





H23.4.22
私的複製にまつわるエトセトラ

私的複製に関する規定とは
著作権法は、著作権者の許諾なしに著作物を複製できない原則がある一方、個人的に、又は家庭内やこれに準ずる限られた範囲内で使用することを目的とする場合に、著作物を複製することができると定めています。個人で楽しむためにテレビ番組を録画するのが典型例です。
ここで、まず問題なのは「個人的に、又は家庭内やこれに準ずる限られた範囲内」の意味ですが、一般的には家族の他には小規模なサークルが限度で、社内会議はおろか、町内会程度でもこれに含まれないと解されています。それでは会社等至るところで日々行われる無数のコピーは何なのかということになりますが、それは法の建前と現実の乖離です。なお、著作権団体、学会及び出版者団体が設立した(社)日本複写権センターが、利用者と複写利用に関する契約を順次締結するという動きがあります。

公衆提供自動複製機器による複製の例外
私的目的による複製とはいえ、それを外部の者に依頼して、大量に複製されては、私的複製を許容した前提に反するし、著作権者の損害は甚大ですので、公衆の用に供する目的で設置された自動複製機器を用いる複製には、なお権利者の許諾が必要です。業者に依頼するビデオ、DVDのダビングがその例です。それでは、コンビニに置かれているコピー機は何なのかということになりますが、こちらは当面は上記の自動複製機器に含まれないものとして規制から外されております。

違法性を帯びる複製による除外
また、私的目的であっても、違法性を帯びる複製も法で禁じられる類型があります。具体的には、ソフトウェア等のコピープロテクションを信号の改変等で外す手段による複製は許されませんし、また、著作権侵害のデータであることを知りながら、利用者の要求に応じて(オンデマンドで)配信を受ける形で複製することは許されません。

私的録音・録画補償金制度
なお、手軽に原本と差がない品質で記録できるデジタルの録音(CD−R等)・録画(DVD等)では、レコーダーとその媒体について、基準価格から一定率を上乗せして消費者に転嫁し、それを補償金として著作者団体に分配することとしております。





H23.4.21
社員を評価する方法

 社員の仕事ぶりや業績を評価する方法として現在の日本では一般に二つの方法がとられています。
 それは、過去長い間使われてきた、「人事考課制度」と主に高度成長期以降増加してきた知識労働者を対象とする「目標管理制度」です。
 それぞれ仕組みや使い方には注意すべき点がありますが、ここでは社員の評価方法に関する共通的な目的や留意点について述べることにします。

評価制度の二つの目的
 評価制度には、その結果に応じて「賃金・賞与」など報酬に差をつけて社員のやる気を引き出す目的と、業務の遂行プロセスにおける能力発揮の状況を発見して、強いところを伸ばし、弱いところを改善・強化する「能力開発」の目的があります。
 「賃金」では一般に評価結果に基づいて、毎年の昇給率に差をつけたり、賃金額そのものに差をつけたりします。また賞与額に差をつけることも行われます。
 「能力開発」では、その評価結果を見て日常、先輩や管理者から業務のやりかたを教えるOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)に反映したり、外部の研修に派遣したりします。また、意図的に人事異動を行い、新しい業務体験をさせることによってその人の能力を見極めたり、能力向上を図ったりすることも有効な方法になっています。

経営者の留意点
 経営者は評価制度を活用するに当たって次ぎの点に留意することが必要です。
@ 業務の成果や発揮した能力の事実に着眼して評価すること。決して好き嫌いや、年功で評価することは避けなければなりません。特に年功評価は社員が努力しても、しなくても同じ「悪平等」評価を招き、それが企業文化になって、会社の体質弱体化につながります。
A 評価基準を具体的に整備してシート化するとともに管理者等評価者が公正性をもって評価できるように訓練すること。
B「目標管理制度」を評価制度として使う場合は、それが同時に経営戦略実現の方法となっていることに注意すること。
C 社長が中心になって、管理者に評価制度の目的、考え方がしっかり理解されるよう十分な思想統一を行うこと。





H23.4.20
採用の留意点

 中小企業は若い人材を採用しにくい、と言われてきましたが、最近の国内不況から大卒の採用内定率の不調が報道されており、有能な若者が背に腹は変えられないと大企業志向から転換し、自分の能力が認められ、活用されるならと中小企業の事業や戦略におおいに関心を示し、応募に積極的になってきました。
 つまり、かねてから人材獲得を渇望していた中小企業にチャンスがめぐってきたと言えるでしょう。この機会を利用する企業の留意点を考えて見ましょう。

採用は自由、だが・・・
 労働法上、企業がどのような人を採用しようが自由で、適材適所の採用基準で採用するなら、基本的に「こう言う人を採用しなければならない」と言った強制はありません。例えば、採用基準を「自社の事業にとって有用な意欲・能力を持つもの」と定め、それに沿った採用試験を行い、採否を決定するのであれば全く問題はありません。
 ただし、男女雇用機会均等法は、女性であることを理由に募集・採用の差別を禁じています。また、単純に高齢であること、同和に関係する地域の出身だからなどの理由で募集・採用の機会を差別することは禁止されています。

経営者の採用方針・留意点
経営者は長期視点で企業の存続・発展を担う人材を獲得する方針の下で、具体的な採用基準を決め、採用試験等選考を実施しなければなりません。
その留意点は次の通りです。

@募集にあたって、事業内容・戦略とともにどのような人材を求めているのか、意欲・基礎能力面から具体的な方針・選考の考え方を明示する。
A募集・選考基準には、男女差、年齢差等の差別と取られる要素を示さず、あくまでも従事する仕事に求められる意欲・能力等適材適所の選考基準を貫き、労働力不足の現状から、高齢者の活用も積極的に考える。
B採用試験において、最も大切なことは、社長をはじめ、経営陣による「人物評価」で、その評価基準は「経営理念を事業に生かすことが出来る人材かどうか」と言う点にあること。そのため、応募者と仕事の現場で接し、生の現場対応力の片鱗を観察するなどして社長の人生経験・識見を基に人物の見極めを行うこと。





H23.4.19
業務の都合で人事異動させる時


人事異動は就業規則で規定するのが適当
 会社で業務運営上の理由から就業場所や担当業務を変更することは会社の人事権として認められますが従業員の意に沿わない時は争いが生ずる可能性もあります。このような事を考えると予め就業規則に明記しておく事が良いでしょう。職種や勤務地を限定して採用した場合本人の同意なくして、職種変更、限定勤務地以外の転勤は出来ないとした判例もありますので、職種限定社員でも移動の可能性がある場合はその旨を示しておく方が賢明でしょう。

人事異動の種類
人事異動には一般的に次のようなものがあります。
@配置転換・・同一事業場内の担当業務異動
A転勤・・勤務地の変更を伴う所属部内異動
B職種変更・・職種の異動
C応援・・元の事業場に在籍のまま通常勤務する以外の事業場の勤務を応援する勤務
D出向・・在籍出向や他社への転籍
E海外派遣
前記のうち、配置転換については、入社の際の労働契約や就業規則に定める配転応諾義務を明示して、包括的に同意を得ておく事が必要です。

在籍出向・転籍の注意点
 在籍出向や転籍は通常の配置転換の要件(業務命令等)の範囲で行う事はできず、配転とは別の条項に規定する事がよいでしょう。判例でもグループ内出向では就業規則に規定されていればよいとした例もありましたが、転籍については従業員の同意を得ることを必要とするとしています。転籍は従業員との雇用契約を終了し、他の企業との間で新しく雇用関係を発生させる事となるからです。
 出向や転籍においては、異動先との労働条件等についての協定を交わすのが通常ですが、従業員の同意を明らかにするためには、会社、異動先の会社、従業員の三者で協定する事が良いでしょう。又会社は従業員には人事異動があっても円滑に業務が遂行されるよう、速やかに業務引き継ぎを行う事を規定しておく事は大事でしょう。





H23.4.18
“和魂洋才”

 日本のサッカーチームが強さを増しています。個人技の強さが向上したこととチームワークの良さがその原因になっています。
 サポーターの整然とした応援スタイルも特徴的です。
 サッカーは野球と同様、海外からやってきたスポーツですが、日本人は日本独自の文化を背景に“日本流スポーツ”に変えてプレーしているようです。
 カタチは西洋流だが心は日本流、これを“和魂洋才”と言いますが、これはご承知のように日本の歴史上で幾度となく繰り返されてきました。

“和魂洋才”の事例
 明治維新では西欧の軍事技術や武器が日本に導入され、日本人の心で使われました。その代表は「坂の上の雲」で描写された日露戦争の日本海海戦でのバルチック艦隊に対する大勝利でしょう。
 第二次世界大戦後には「統計的品質管理」がアメリカから導入され、日本はそれを「トータルQC」と言う全員参加の経営手法に変えて、ものづくりの品質向上に役立て、世界を凌駕しました。
 近年では、アメリカから「IT(インフォメーション・テクノロジー)」を学び、日本人のコミュニケーション能力の高さから、たちまち携帯電話というカタチで市場に流通させました。
 このような例は歴史上、幾度となく繰り返されてきた事実で、その背景には日本独自の文化的土壌があるからのようです。

“和魂洋才”をさらに磨こう
 日本独自の文化的土壌は、何からきているのでしょうか。
@日本の気候・風土、そこから生まれる四季折々の風景・文芸
A神道、“祭り”に代表されるお清め(清潔さ)・和・礼儀正しさ
B中国大陸から輸入され、磨かれた仏教、儒教など心の文化
このような背景から日本人のきめ細かい感性、仲間を思いやる高度な人間性が生まれたと言えましょう。一方、アメリカは「トータルQC」を逆輸入して「TQM(トータル・クォリティー・マネジメント)」と言う技術体系を創りだすなど、独創性に加えて他国に学ぶ改革のスピード・政府と民間一体の改革には大変優れており、日本は見習うべきだと言えます。“和魂洋才”を磨いて行く課題は次つぎと生まれています。





H23.4.15
年金への大衆課税の放棄か?


税法にはない申告不要制度
年金者が扶養親族等申告書を提出した場合は、他に公的年金や所得があるとかでなければ、所得税の確定申告は不要である、という趣旨のことを日本年金機構のホームページでは言っています。
 給与所得の場合の年末調整というような年税額確定の手続きもないまま、確定申告が不要だというのです。

今年の税制改正案
国会に上程されている今年の税制改正法案をみると、『公的年金等の収入が400万円以下で、これ以外の所得が20万円以下の者については、確定申告を不要とする』制度が創設されることになっています。
国民年金、厚生年金、公務員共済年金の平均年収がそれぞれおよそ70万円、203万円、275万円ということからして、大部分の年金生活者は申告不要になりそうです。
国税庁が日本年金機構の言い分を追認しようとしているかのようです。

扶養〇〇等申告書のチェック権限
年金受給者が提出する扶養親族等申告書の記載内容が正しいか否かを年金支払機関はチェックしません。給与所得者の扶養控除等申告書についても同じです。提出されたものを正しいものとして信じて源泉徴収等の事務処理をするだけです。不正記載への罰則もありません。税務署長でさえチェックして更正する権限は限定的なのです。

給与の場合の実質的な担保
それでも、給与の場合の扶養控除等申告書は、日常的に共同体的な接触をしている関係の中で提出する書類であり、さらに年末調整というきめ細かなチェックと計算をする手続きがあり、さらに住民税サイドでのチェックを通じて、相当な確率で年税額確定の正確さが担保されています。

多数者を相手にすることに疲れた国税庁
それに引き換え、年金支払機関は個人的には無縁な組織であり、それも複数の場合が多くあり、それらの機関には扶養親族等申告書の記載内容の異動やミスを正す義務もなく、正確に年税額を再計算する事務手続きも課せられていないので、所得税の申告不要を導入する条件は全くない、と言えます。
国税庁は、多数の年金受給者への課税事務に疲れて、これへの適正課税を放棄しようとしているかのようです。





H23.4.14
これでよいが超法規解決
 

 日赤・共同募金への寄附がふるさと納税
 東北関東大震災義援金として日本赤十字社や中央共同募金会などに寄付する場合にも『ふるさと納税』扱いとなる、との見解が総務省のホームページで公表されました。
寄附なんて扱いは同じだと思っていたのに、何がどう変わるの?と不思議がる人も多いかと思われますので、少し解説します。

住民税の寄附金控除
住民税での寄附金控除には、ふるさと納税控除と一般の寄附金控除があります。
都道府県・区市町村への寄附がふるさと納税です。住民税の10%を限度におよそ寄附額の5000円超の部分が所得税と合わせて税控除となります。
それに対して、一般の寄附金は住民税で寄附額の10%(所得税ではその人の上積み税率)が税控除となります。
一般の寄附金のうち、@日本赤十字社や共同募金会への寄附金は居住地の都道府県支部へのものに限定、Aその他は各自治体条例で定めたものに限定、となっています。

超法規的といえる扱い
居住地支部でない日本赤十字社や中央共同募金会への寄附は、住民税の寄附金控除の対象になるか否かも問題になるところなのに、それを総務省見解はふるさと納税寄附金になる、というのです。
相当に超法規的な拡張解釈をしたのです。
前例もある
 義援金が、被災地方自治体を含む義援金配分委員会で配分され、被災者に届けられるものなので、都道府県・区市町村への寄附とみなせる、という解釈です。
 宮崎県口蹄疫被害義援金のときには、個人が宮崎県共同募金会に支出した寄附金は宮崎県への寄附金とみなす扱いにしました。
 前例があるわけですが、今回は、県ではなく中央共同募金会への寄附までその範囲を拡げました。

結果オーライですが
 大方の人にとっては、税負担の軽減となるから寄附をしているわけではないと思います。しかし、被災地都道府県・区市町村へ寄附をした人と、日本赤十字社や中央共同募金会へ寄附した人とで、予期せぬ税負担の減少の差を生じさせるとしたら、制度の不合理には不満が出るかもしれません。
従って、超法規的扱いとは言え、結果オーライということなのでしょう。ただ、超法治国家には危惧が生じます。





H23.4.13
物の寄附と役務の寄附

 大震災の復興に国民が心を一つにすべきときに、無償の給付につき税制メリットを論ずることに少し引け目を感じつつ、それでも、知っておいてもよいのではないかとの思いで記しました。

寄附金控除は金銭限定か
 寄附金控除の税法の規定を読むと「特定寄附金を支出した場合」となっているので、お金に限定されています。
 しかし、国税庁はタックスアンサーで、国等に財産を贈与した場合、贈与した財産の取得費が特定寄附金になる、としています。寄附金控除の規定を拡張解釈して、金銭に限定されない扱いの執行をしているわけです。
 よって、今次の大震災に係る義援金は原則として国等への寄附金扱いになると国税庁が表明していますので、義援物資もその取得費は同じ扱いになると解釈されます。

ボランティアの役務提供は対象か?
 ボランティアによる役務提供は社会的には明らかに「寄附」の仲間です。しかし、国税庁の拡張解釈も、金銭から物まで止まりで、役務の提供まで含める意図はないと思われます。
寄附金控除という所得税の制度の問題になると、無償の役務提供を受けてもその利益に所得税を課さないことが通常時の一般原則であることの裏側として、提供する側への課税の配慮もないわけです。

個人事業者が事業行為でするとき
 個人事業者がその扱う商品を義援物資として提供するときは、法人の場合も同じですが、国等への売上として収益の計上をするとともに、その収益額と同額が義援物資提供費という費用になります。消費税の扱いは、収益も費用も課税対象外です。
 個人事業者が、その事業に従事させている従業員を被災地復旧その他の活動に無償で派遣したり、所有する事業用資産を無償で貸し付けたりするとした場合には、法人の場合とは異なり、国等への売上という扱いはなく、従って義援提供費という費用の発生もありません。
 ただし、従業員への人件費、提供資産の減価償却費などは、そのまま必要経費として扱われます。
 法人の場合は、国等への売上として収益の計上をするとともに、その収益額と同額が義援提供費という費用になります。





H23.4.12
マルシー表示(著作権表示)の意味

 マルシー表示は何の意味があるか?
書籍やホームページで、?の表示(一般的にマルシー表示と呼ばれています)の後に、名前や西暦が書かれている例をよく見かけると思います。何となく推測はできるものの、それが示す正確な内容、法律上の意味が何であるのかは意外と答えられないのではないでしょうか。

国内では、表示なくとも著作権は発生する
 日本では、著作権は創作的な表現をすることにより発生するものであり、特許権や商標権などのように特許庁に登録するといった手続は不要です。これは無方式主義といい、大半の国でも同じです。

直接的には国際的に意味を持つ
 これに対し、著作権の発生や行使をするためには著作権表示、登録などといった手続が必要とする立場(方式主義)の国もあります(かつてのアメリカ、中南米諸国、いくつかのアジア、アフリカの諸国)。そうしますと、例えば日本で最初に発行された著作物について、上記の国で著作権法の保護を受けるために、いちいちその国の手続をとるというのでは余りに煩雑です。
 そのため、著作権に関する国際的な取り決めである万国著作権条約にて、加盟国間では、当該著作物の全ての複製物に、@?の記号、A著作権者の氏名、B最初に発行した年を相互に近接して、見やすい場所に分かり易く表示することで、加盟国における著作権法による保護が受けられると定められました。これが、マルシー表示の法律上の直接的な意味です(もっとも、この条約後、大部分の国が無方式主義に転じたので、実質的意義はほぼ消失しました)。

国内でも警告機能として意味がある
 しかし、国内で全くこの表示が無意味かというとそんなことはありません。表示によって、端的に著作権の所在を証明することができますし、相手方に対する警告や、侵害行為があったときの損害賠償請求にあたり、侵害者の過失の証明がしやすくなる(相手は当然その著作権表示を見ていたはずだから)という利点があります。
 特に自らの著作権を守りたいものについては、先程申し上げた3要素(?の記号、著作権者の氏名、最初に発行した年)をしっかり表示することが肝要といえます。





H23.4.11
協会けんぽ 保険料率改定

昨年春に引き続き保険料変更
 平成21年9月より都道府県毎の保険料率が設定されている全国健康保険協会は、中小企業で働く従業員やその家族が加入している健康保険制度です。財政状況は高齢化を反映し、加入者の医療給付費の増加に加え、被保険者の賃金の伸び悩みで保険料収入も追い付かない状況で、累積赤字が続いています。協会けんぽの保険料率は都道府県によって違いますが3月から(4月納付分より)全国平均で労使負担分は9.34%から9.5%になりました。またこれに40歳から64歳までの方は介護保険料率が加えられ全国一律の保険料率1.5%に改定されています。

被保険者証の記載事項の変更
 平成23年4月から健康保険証の記載事項が変更されています。変更内容は
@事業所の住所表示は無くなり、会社の記号や各人の番号は表示が大きくなりました。
Aすでに発行されている被保険者証は差し替えの必要はありません。
 また、旧被保険者証と、新被保険者証が差し替えとなるのは次のような場合です。
@事業所の名称の変更
A他の都道府県への所在地変更
協会けんぽの支部が変更されますので被保険者証は差し替えを行います。同一都道府県内では、年金事務所の管轄が変わっても被保険者証の差し替えの必要はありません。

労働保険・概算・確定保険料申告書の改訂
 4月1日から労働保険・概算・確定保険料等の様式が一部新しくなりました。事業廃止等の理由欄の表示に「(4)労働者なし」が加えられ、事業継続はしているものの労働者を使用しなくなっている場合は、廃止理由として選択できるようになりました。





H23.4.8
雇用促進税制の新設


平成23年度税制改正で雇用促進税制が新設されようとしています。

背景
雇用の維持・増加を図り、それによって経済成長を推進することは、現政権の新成長戦略の一つの柱です。そこで税制面でも出来る限りの支援措置を講じる必要があり、設けることとなりました。

適用要件
@  青色申告書を提出する法人で、平成23 年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用されます。
A  公共職業安定所の長に、事業年度開始後2ヶ月以内に、雇用促進計画の届出を行う必要があります。
B 雇用促進計画とは
当該事業年度末の従業員のうち雇用保険一般被保険者の数(パート・アルバイトも可)が前事業年度末に比して10%以上、かつ、5人以上(中小企業者等については、2人以上)増加させる計画です。
C  そして、事業年度終了後2ヶ月以内に公共職業安定所の長より雇用促進計画についての確認を受けます。
D  その他一定の要件が在りますが詳細は決まっていません。(平成23年3月15日現在)考えられる要件としては、会社都合での離職者がいないことや、給与総額が一定割合増加する等が考えられます。

受けられる優遇措置
増加した雇用保険一般被保険者の数に20 万円を乗じた金額を、税額から控除できます。ただし、当期の法人税額の10%(中小企業者等については、20%)を限度とします。

対応策
 従業員20人以下の中小企業等においては、2人以上採用予定がある場合はとりあえず雇用促進計画を所轄の公共職業安定所に提出しておくことをお勧めします。





H23.4.7
確 定 申 告
誤りに気づいたとき!

 確定申告も終わりホッと一息ですが、関係資料等の整理中に、新たな事実の漏れや発見により、「税金を過少(過大な還付)」に、または「税金を過大」に申告、その間違いに気付くことがあります。
そこで、これらのケースについて、適正申告のための諸手続きについて整理してみます。

過少申告加算税の免除
 税金の過少(過大還付)申告に気付いたときは、まず自主的に「修正申告」することで、過少申告加算税はかからず、延滞税(納期限の2ヶ月以内は4.3%、以後14.6%)だけの課税で済みます。
 しかし、税務署からの指摘などによって不足税額を納めるときは、原則、追加として納めるべき税額の10%の過少申告加算税がかかり、その不足税額が期限内に申告して納めた税額と50万円のいずれか多い金額を超える場合には、その超える部分の税額に15%相当の加算税が課されます。

更正の請求による還付
 反対に、単純な計算ミス、医療費や寄付金の領収書の発見、その他諸控除の漏れにより、税金の納めすぎが判明したときは、原則、来年の3月15日までに「更正の請求」をすることによって過納税金の還付を受けることができます。
 なお、申告内容によっては、「更正の請求」期間経過後であっても、税務署長への「嘆願」に基づく「減額更正」によって還付を受けることもできます。この「減額更正」は、税務署長が申告期限から5年以内であればできることになっています。但し、当初申告を要件とする選択誤りや失念(変動所得及び臨時所得の平均課税、純損失の繰越控除等)に伴う「更正の請求」及び「減額更正」は認められません。

平成23年度の税制改正(案)
 先の「減額更正」を求める「嘆願」は、法定外の実務慣行であることから、これを解消するとともに、納税者の救済と課税の適正化のバランスの観点から次のような改正案が国会に上程されています。
・納税者が「更正の請求」できる期間を現行の「1年」から「5年」に延長
・課税庁が「増額更正」できる期間を現行の3年を5年に延長
また、当初申告時に選択した場合に限り適用が可能な「当初申告要件」についても一定のものを除き、「更正の請求」範囲を拡大しています。





H23.4.6
地震に伴う助成金の特例措置


災害のため休業した企業・労働者に向けて
 東日本の大震災は企業活動にも大きな打撃をもたらしました。厚労省は、被害に伴い経済活動上の理由により事業活動が縮小した場合に、企業に対して助成金を利用できる事や労働者に対しては事業の休廃止に伴い、実際に離職していなくとも雇用保険の失業給付が受給できる事等の措置を発表しました。

雇用調整助成金の特別措置
 雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)は経済上の理由で事業の縮小を余儀なくされた事業主が雇用維持の為、休業を行った場合、休業手当の一部(中小企業で原則8割)を助成する制度です。今回の地震では次の様な例が対象となります。
@人的・物的交通阻害・途絶及び出勤困難
A事業所・設備が損壊し、修理業者の手配や修理部品の調達困難による早期修理不可能
B需要の減少又は集客困難
C避難指示解除後の風評被害、売上減少
D計画停電の実施を受けた事業活動の縮小
Eこれに準ずる経済事情の変化
 支給要件は、最近3ヶ月の生産量、売上高が直前の3ヶ月又は前年同期比5%以上減少している雇用保険適用事業主です。
さらに青森、岩手、宮城、福島、茨城の県のうち災害救援法適用地域に所在する事業所は最近1ヶ月の生産量、売上高がその直前の1ヶ月又は前年同期比5%以上減少で対象となり、平成23年6月16日までは災害後1ヶ月の生産量、売上高がその直前の1ヶ月又は前年同期比が5%以上減少する見込みの事業所も対象となります。

雇用保険の基本手当の受給の特例
労働者に向けては失業給付が支給される措置がとられます。
@事業所が直接被害を受け休止・廃止したため休業し賃金が受けられない場合は、実際に離職していない時でも失業給付が受給できます。事業主は休業証明書をハローワークに提出し従業員に休業表を交付します。
A災害救助法の指定地域で直接被害を受けた事務所が休業した場合は、離職証明書を届出し、従業員に離職票を交付します。
 この失業給付は雇用保険に6ヶ月以上加入している必要があります。又、事業所が雇用調整助成金を受給した場合は失業給付の対象とはならないので注意が必要です。


 


H23.4.5
災害時の休業手当


  徐々に広がる地震の影響 労務管理面から
東北関東大震災で大きな被害を受けた被災地の方々には心からお見舞いを申し上げたいと思います。又、直接の被害を受けなかった地域でも北日本では、食材他、物資の不足が生活上影響を及ぼし、特に燃料不足が深刻です。このままこの状況が続けば周辺の企業でも休業せざるを得ない場合もあるでしょう。さらに離れた地域でも停電等で会社が営業できなかったり、交通の混乱で出退勤できなかったり、営業車両の運転に支障が出たりしています。このような時に会社が休業を指示した場合の賃金の扱いはどうなるのでしょうか。

被災や計画停電による休業中の手当は
 労働基準法第26条の休業手当は、使用者の責に帰すべき事由で休業させる時、100分の60以上の手当を労働者に支払う事となっています。今回のような災害に起因する休業でも、企業は休業手当の支払いをするべきでしょうか?これについては、震災は事業主の責任ではないので補償はしなくてもよいという事になるでしょう。
 又、被災地から離れた場所でも電力供給によって計画停電という措置が採られました。これにより、店舗等で停電のため時間帯によっては閉店せざるを得ない時や、停電その他の影響で物資不足になり工場が休業する等で労働に就けない時があります。このような計画停電の時間帯における事業場に電気が供給されないことによる休業についても、事業主の責めに帰すべき事由には該当しません。
さらに計画停電以外の時間帯も含めて休業した場合でも他の手段や休業回避の努力を総合的に勘案し、経営上著しく不適当と認められる時は計画停電以外の時間を含めて休業手当は該当しません。

雇用継続のための支援
企業運営に多少支障があっても、被災された方々の事を思えば節電は今できる協力という事かもしれません。とは言え、休業が長引けば従業員は生活に困ります。会社が給料の前払いや、貸付等の措置がとれれば良いのですが、会社側も収入が滞ると、それもままならないという事態も考えられます。被災された企業や震災による影響を受けた企業に向けては、雇用調整助成金等の休業手当支援策が採られる事が発表されています。





H23.4.4
激甚災害と税の減免措置等 所得税の減免

災害等によって住宅や家財など一定の資産を被災した場合には、所得税法上、雑損控除の適用を受けることができます。また、被災額が住宅又は家財の価額の一定割合以上の場合には、選択により災害免除法の適用を受けることもできます。

雑損控除、災害免除法の適用効果
 雑損控除は、原則、災害等により損失が生じた年度の所得金額から適用されます。また、損害額が大きく、生じたその年度の所得金額から控除できない額は、翌年以後3年間繰越控除ができます。
 一方、災害免除法も災害により損害を受けた年度の所得税が減免され、その減免額はその年度の所得金額(合計所得金額)の多寡によって定められています。

激甚災害、その適用時が大問題
 今回の東北関東大震災においては、その損失発生は平23年3月11日以降です。両規定を法律どおり、平成23年度分の所得金額及び税額から適用すると、災害により所得がないところにこれらの規定を適用しても税の減免効果はなく、法の趣旨が没却されることになってしまいます。
 それ故、阪神淡路大震災のときは、災害発生が平成7年1月17日でしたが、超法規的措置(特例法)により、平成6年度の確定申告からの適用を認めました。また、すでに確定申告を終了している者については更正の請求を認めました。
 したがって、当然、今回の特例法においても、平成22年度の確定申告からの適用が定められるものと思われます。

繰越控除の期限延長と減免基準の引き上げ
 雑損失の繰越控除の期間は、現行法上、3年間です。今回の被害の甚大さを考慮すれば、とても3年間では控除できず、足切りになってしまいます。特例法では、繰越控除の期間を最低でも2年延長すべきです。 
 また、災害免除法における所得税の減免措置ですが、これも1回限りではなく、少なくとも2年以上の連続適用、かつ、減免額を多くなるよう合計所得基準額の引き上げ等の措置も講ずべきと考えます。

震災した土地の損失も雑損控除等の対象に
 雑損控除は、物理的損害が前提であり、土地の損失などはもっぱら経済的損失(評価損)であるため、その対象にはならないとする議論があります。しかし、震災により土地が隆起、陥没等したものは、その適用の余地は十分にあると考えます。





H23.4.1
寄附金制度差の不合理解消を

現行の寄附金税制
 東北関東大震災への義援金に係る現行の税制としては、
@法人の支払いの場合、義援金全額が単純な損金になります。したがって、もし実質税率が30%であれば、寄附金の30%が税負担軽減額となります。
A個人の支払いの場合で支払先が赤十字・共同募金会・NHK・新聞社などの場合、所得控除の対象となり、その人の課税所得が500万円前後だったら、所得税と住民税とを合わせて、寄附金の30%が税負担軽減額となります。
(正確には、国税に2000円、住民税に5000円の足切りがあると共に、寄附金控除の限度に所得税では総所得金額等の40%、住民税では30%という制限があります。)
B個人の支払いの場合でその支払先が福島県災害対策本部、宮城県災害対策本部、岩手県災害義援金募集委員会、その他のこのような個別の自治体宛の場合、ふるさと納税扱いとなり、国税と地方税と合わせて、寄附金の5000円を超過する額の全額が税負担軽減額となります。
(この扱いは、住民税額の10%が限度なので、その人の課税所得が500万円だったら住民税は50万円なので、5万円までがこの扱いを受けられ、5万円につき4.5万円(95%)が寄附による税負担軽減額となります。なお、Bの住民税額の10%という限度を超える部分はAの扱いになります。)

この差は合理的か
@とAの差は、法人と個人の差です。法人の場合には寄附額が無制限に損金算入され、赤字となっても繰り越しが可能です。個人の場合には所得制限があり、寄附への意欲にブレーキをかけています。
また、個人所得税では税率の累進度が高いので、高税率の人ほど寄附による税負担軽減効果が大きく、高所得者の寄附インセンティブを期待する制度となっています。
AとBの差は、寄附金の宛先の差です。先の文中の例では、Aでは30%、Bでは95%の税負担軽減効果という著しい不均衡を現出しています。寄附をしようという善意の意思で行動しても、その95%が実質的に戻ってしまうことには違和感を持ってしまいます。
 広く一人ひとりの善意の行為が期待されている折、制度差の不知が負担軽減の恩恵の差となったり、制度差が地域への寄附配分の不合理な結果を生むことになったりするとしたら、残念なことです。