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H24.11.30
日数按分税務の外延

経過利子と法人税
公社債の売買が行われた時、経過利子が発生します。法人税では、経過利子の支払いは元本と区別して次の受取利息の未収分として仮処理します。
債券購入時
有価証券 2000    現金 2048
経過利息  48
利息受取時
現金    80   受取利息 40
仮払税金  8   経過利息 48
租税公課  12    雑収入 12
債券譲渡時
現金  2040  有価証券 2000
         経過利息  40

経過利子と消費税
上記の例では、債券購入時と利息受取時の経過利息勘定は仮処理なので消費税課税対象外です。受取利息の総額は100ですが、非課税売上となるのは40だけです。
債券譲渡時の経過利息勘定は仮処理ではないので受取利息と同じく扱われます。従って、非課税売上は経過利息40と有価証券2000の5%の合計140です。(この場合、経過利息40ではなく、有価証券売却益40と仕訳すると、非課税売上は2040の5%である102になります。)
法人税の扱いと平仄が同じです。この扱いは、法人税では通達や質疑応答事例で公表されており、消費税では国税局職員編著の書籍で公表されています。

取扱の一貫性・普遍性
上記の取り扱いは法令の直接の定めではないので、法令の解釈が示されているということになります。当局が行う解釈には一貫性・普遍性が要求されます。
元本や本体価格と別建てされるべき経過勘定的な収入や支出があり、それが日数按分されるようなもののときは、一貫性・普遍性の要求から、同じ取扱いにすべきです。

日数按分があるその他の事例
 日数按分により負担調整をする取引には、不動産の売買に際しての固定資産税の負担按分、中古自動車売買での自動車税・自賠責保険料などの負担調整があります。
これらの場合にも、経過利子のときと同じく不動産や自動車の本体価格とは別建てで処理している場合には、それを認めるというのが一貫性のある取扱いです。
しかし、ここが一貫していません。税実務の争点になっているところです。





H24.11.29
収入印紙の基礎知識

収入印紙ってそもそも何?
収入印紙とは経済的取引などに関連して作成される文書に課税される印紙税を納めるための紙片です。
印紙税は「領収書」「契約書」「手形」などの作成された文書に課税される税金で、契約書の内容や契約金額、受取金額などによって印紙税額が定められています。

貼り間違えた時はどうする?
 「領収書に印紙を貼った後に、領収書の金額が間違っていたことに気づき、領収書を切り直した」とか「印紙を貼らなくてもいい文書に貼ってしまった」等、印紙を貼り間違えてしまった場合は、間違えて貼った文章を税務署へ持って行くと、還付が受けられます。
所轄の税務署に行って「印紙税過誤納確認申請書」の用紙をもらい、必要事項を記入のうえ提出して下さい。印鑑(法人の場合は代表者印)、通帳(還付を受ける口座)も併せて持って行きましょう。
ただし、収入印紙は印紙税のみでなく、登録免許税や国への手数料の納付などにも使用されています。例えば、登録免許税を納付するために収入印紙をはり付けたような場合には、たとえ誤ってはり付けたものであっても印紙税法による還付の対象とはなりません。
尚、郵便局で収入印紙の他の額面への交換ができます。1枚につき手数料5円がかかりますが、大きい額面の収入印紙しか無い場合などに重宝するでしょう。

貼り忘れると過怠税がかかります
 税務調査などで収入印紙が必要な文書に、印紙がついていなかったと判明した場合、本来の印紙税とその2倍に相当する金額、(これを過怠税と言います)つまり3倍の額を支払わなければなりません。
 しかし、税務調査の過程で、自分で貼り忘れに気が付いて、自己申告した場合は本来の印紙税とその10%の金額で済みますので、貼り忘れ等があるのに気が付いた場合は、自己申告するようにしましょう。
 消印を押し忘れた場合でも、過怠税が加算されます。収入印紙を貼り付けた場合は、セットで消印をするのを忘れないようにしましょう。





H24.11.28
相続税の調査事績分析

税務署は6月が年度末
 税務署は、7月1日付けの辞令で人事異動です。すなわち、税務署の年度末は6月で、行政事績は7月〜6月を集計期間としています。これを事務年度と言っています。
11月13日の国税庁のネットでの公表によると、直近事務年度において行われた相続税の調査件数は1万3787件(前事務年度比0.9%増)で、うち80.9%に当たる1万1159件(同1.0%減)から3993億円(同0.0%)の申告漏れ課税価格を把握し、加算税を含め757億円(同5.1%減)を追徴しました。実地調査1件当たり申告漏れ額は2896万円、追徴税額は549万円でした。

無申告の件数・割合・税額
無申告件数が前年度比17%増えています。調査件数のうち10%が無申告を対象にしたもので、非違件数のうち8%余が無申告です。課税価格の非違額に占める無申告の割合は、30%と大きいものの、追徴税額としては11%を占めているだけです。
相続税の小規模宅地の特例の適用制限が大きくなったことにより、従来なら無申告でも放置されてしまうのに、納税額の生ずるケースに変転している、という事案が無申告には多いように思われます。

海外資産調査の実績はよくない
全調査件数のうちの5%が海外資産調査ですが、そのうちの77%に非違事項が指摘されています。
しかし、海外資産の申告漏れを内容とする非違件数は海外資産調査件数の15%に過ぎません。海外資産調査での海外資産の摘発実績はほんのわずかです。効果のあがる調査になっていないように推測されます。
なお、1件当り申告漏れ海外資産は6478万円で、全体平均2896万円に比し相対的に大きく、大口案件が多いことが伺われます。

申告洩れ財産の内訳
申告漏れ相続財産の金額を構成比でみると、「現金・預貯金」が36.2%(金額1426億円)を占めてトップ、次いで「有価証券」(16.0%、631億円)、「土地」(16.0%、630億円)などと続いています。

贈与税の調査
 贈与税についても書かれています。贈与税の調査件数の94%において非違事項が発見され、そのうちの86.1%は無申告事案でした。贈与税調査のほとんどは無申告事案の発見のために行われている、と言えます。





H24.11.27
株式配当と日数按分


利含みと配当含み
利付き債券の売買価格は、利払日の翌日から次の利払日に向けて経過利子の発生に伴い上昇して行きます。これを(利含み値段)といいます。
株式市場における株価にも、配当含みの値段、配当落ちの値段があります。配当金交付基準日(株主の異動を停止して株主として登録される権利を確定させる日)まで配当含みの値段で推移し、その翌日に配当落ちの値段に変わります。

利子と配当とは原理的に異なる
 利子は約定により支払われますが、会社の利益の分配としての配当が約定により定期的に支払われることはありません。
従って、経過利子が、元本に対して別立て表示を原則とするに対して、そもそも経過配当という概念がないこと、配当含みの値段の形成は期待思惑によるものなので、配当含み価格を分解して株価と配当に別立てにすることはありません。もちろん、控除税金の額の精密な計算もありません。

配当期待権は配当落ち後
配当金を受け取る権利は配当金交付基準日に確定しますが、配当金の額は株主総会の決議によって具体的に確定します。
財産評価通達では、株主総会後は配当未収入金が相続財産となるところ、株主総会前の場合は、評価額は同じながら配当期待権という名目での相続財産になるものとしています。配当基準日の翌日以後は、元本たる株式の価格が配当落ちで下落するのに対応するものです。

受取配当金は益金不算入
配当含みの価格で株式を購入し、配当を受け取ってから配当落ちの価格で売却すると譲渡損失が生じます。
所得税では、受取配当金は配当控除の対象になります。その時は、株式譲渡損は他の株式譲渡益とのみ通算になります。
法人税では、株式譲渡損は単純損金で、受取配当金は50%益金不算入です。ただし、短期所有株式と判定されると益金不算入扱いの対象外です。

所得税と法人税の所得税額控除
 所得税では、配当に係る源泉税は全額、所得税額控除・利子割控除の対象になりますが、法人税に於いては、その株式の保有期間に対応する分だけしか所得税額控除の対象になりません。





H24.11.26
債券利子と日数按分

債券の経過利子
 国公社債など利子の発生する債券を売買するときは、買う側は前回の利払日の翌日から受渡日までの日割りで計算した利子相当分を売る側に支払います。この利子相当分を経過利子といいます。経過利子は、通常、売買価格(裸値段)とは別立てで表示され、売買価格の一部に含めるときには、これを(利含み値段)といいます。

経過利子と源泉徴収
 経過利子は、税法上の利子所得ではないので、税金の源泉徴収はされません。しかし、買う側が、次の利払日に利子を受け取るときは、売った側の保有期間分の利子も合わせて受け取り、その際に売った側の保有期間分の利子についても20%(所得税15%、個人住民税5%)源泉徴収されます。
もし、売る側は税ナシの100%の経過利子を受け取り、買う側が利払い日に利子を受け取るときに、売った側の経過利子に対応する部分について税引後の80%しか受け取れない、とすると、売る側は常に有利で、買う側は常に不利です。こういう不合理不公平はあり得ないので、一般的なケースでは、経過利子については、20%の源泉税相当額を差引いた金額で授受されます。

具体的な仕訳例
法人が、債券を2000で購入し、経過利子60に対応する税引後額48を支払い、その後の利払日に約定利率5%の100を受取り、税金として20%源泉徴収されたとしたときの、仕訳例です。
債券購入時
有価証券2000  現金 2048
経過利息  48
利息受取時
現金   80   受取利息 40
仮払税金  8   経過利息 48
租税公課 12    雑収入 12

所得税額控除はできない
 債券売却時に受取った経過利子は受取利息そのものではないので、差引かれた源泉税相当額については所得税額控除・利子割控除の対象になりません。
 債券取得時に支払った経過利子はその後受取利息として回収されますが、その受取利息に係る源泉税については、法人税では、所得税額控除・利子割控除の対象になりません。債券に係る受取利息については、その保有期間に対応する分だけしか所得税額控除・利子割控除できません。





H24.11.22
中小企業の海外直接投資
国際化の発展段階


 製造業の中小企業において、国際化への対応は、今や必須と言えます。しかしながら、国際化への道のりは、一足飛びという訳にはいきません。今回は、企業の国際化をどう進めていくかについて見てみたいと思います。

企業の国際化の発展段階
 国内事業しか行っていない企業がいきなり、自社100%出資の会社を海外に持つケースは、少ないと思います。
 生産型企業が海外に進出する場合、貿易、委託加工、合弁、独資、現地での販売網構築等の事業拡張といった国際化の段階を踏むことが理想とされます。今やそのような時間的余裕がないのが現状ですが、企業の発展段階に応じた人材育成が必要です。

国際化の発展段階に応じて人材育成
 生産型企業の発展段階に応じた人材育成のポイントは次のとおりです。
 第一段階にある会社には、まず社内の国際化への雰囲気作りが必要であり、外国人研修生の受入れや語学研修といった外国人とのコミュニケーション能力を向上させることが主眼となります。
 第二段階は技術移転の段階であり、この段階では貿易および委託加工により技術移転が行われ人的な広がりも期待でき、将来の海外展開の足掛かりとなります。
 第三段階は、現地法人の設立であり、この場合、現地工場が合弁企業と独資企業では日本側企業の果す役割は大きく変わってきます。
 合弁企業では、現地パートナーが@投資認可申請、A雇用、労務管理、B銀行取引、C現地政府当局との折衝等を行ってくれます。日本側の経営者は生産管理を中心に経営全般において自社の権利を確保することが主眼となります。
 独資企業では、現地の法律に明るい弁護士や公認会計士を使って適切に対応する必要があるとともに、現地政府当局とも良好な関係を構築していくことができる人材が必要となります。
 生産が安定し事業が拡張期に入りますと、現地市場で新規顧客を獲得したり、さらなるコストダウンのための現地化を進めたりする必要に迫られます。日本から派遣される人材には、現地における幅広い人脈の形成、マーケティング、現地人経営者の育成といった新たな資質が必要となります。





H24.11.21
“標準化”の効果

 「品質管理」の分野に“標準化”と言う考え方と管理技術があります。
 よく知られているように、「均一な品質のモノを、決められた時間で効率よく製造するために、モノづくりの手順・方法を決めること」を“標準化”と言います。
 生産の能率を上げ、さらには自動化へ進めることで、コストダウン、不良の低減などの効果があり、第二次世界大戦後に日本では自動車産業を代表として、製造業における“標準化”が大いに進展しました。

“標準化”の進展
サービスの分野でも、“標準化”は大きな効果をあげています。
例えばJRをはじめ、日本の鉄道会社の列車運行・発着時間管理に使われる「ダイヤ」の編成・管理技術は世界一流で、朝のラッシュアワーに、分単位で小刻みに発着させる都心の列車運行でも事故なく驚異的な精度で管理されています。それは、品質管理・標準化先進国・アメリカから初めて日本にやって来た人がビックリし、感心するほどです。
また、経営管理の分野においても、顧客満足の追求や環境安全の確保のためにISOなど標準化が進められています。

“標準化”の一般的効果
 このように“標準化”を進めると、一般に次のような効果が生まれます。
1.期待通りの出来栄え・能率が期待でき、実現できるので、顧客・企業双方にとって成果が保証される。
2.企業は“標準化”して節約できた分の時間を、“標準化”が難しい創造的な仕事に投入して、人材を有効に活用し、付加価値を高めることができる。

“標準化”推進留意点
 経営において“標準化”の効果を最大限に活用し、デメリットを回避するには、次の点に留意すると良いでしょう。
1.標準化することによって、手間が省ける業務をリストアップし、効果の面から優先順位をつけて取り組む。
2「.○○経営賞の受賞」に有利だ、などとトップが考え、“標準化”を図る方針を示すと、組織をあげて本来の目的を忘れた形式的で過剰な“標準化”に走ることがあり、かえって経営効率を落とす可能性があり、注意を要する。





H24.11.20
万一労使トラブルが発生してしまったら

頭の痛い職場のトラブル
 インターネットの伸展や、長引く景気後退の影響もあり、労働者の権利意識も高まり職場のトラブルが増えています。厚労省の統計でも毎年100万件を超える労働相談が寄せられています。
 使用者と労働者との個人的なトラブルを個別労使紛争と言いますが、労働契約や就業規則等で決められる事に関してのトラブルでは解雇や賃金に関する事が多く、最近ではうつ病やパワハラ等が増えています。
企業は防止対策をしておく事は大事ですがそれでも労使トラブルが起こってしまったら、どのような方法で解決すればよいのでしょうか。

トラブルの解決方法は
 まずは当事者である事業主と労働者の間で話し合いをすべきですが、当事者間で解決がつかなかった場合、弁護士会や社会保険労務士会、法テラス、労政事務所、労働局、労働基準監督署、労働委員会等第三者機関の利用が考えられます。
 労働基準監督署は労働者の相談先に使われることが多いのですが、未払い残業代や長時間労働、労災隠し等についてのトラブルは調査を行いますが、解雇の有効性や配置転換等の労働契約に関しては管轄外です。また、未払いの残業代を払わせる権限までは有してはいません。払わなくても良いという事でなく将来に向けて是正を行い、監督署と交渉の上、支払額を減らす事も時には可能でしょう。

労働局のあっせん制度や労働審判制度
 労働問題を裁判で争うとなると時間と費用がかかってしまいますが、都道府県の労働局のあっせんは無料で早期に和解の場を提供する制度です。労働法の専門家が労使双方の立場を聞き取り、具体的なあっせん案を提示し、解決に導きます。当人同士が直接話し合う必要もなく冷静に申し立てが出来ます。あっせんは1回きりで後がない為、早期解決が図れます。但し会社があっせんに応じるか否かは任意とされています。
あっせんで解決されない時は労働審判に進みます。労働審判とはあっせんにはない強制力があり、訴訟ほど厳しくはないものの裁判なので執行力が発生します。通常訴訟のように時間や費用がかからず、3回期日と決まっており、大抵は1回で結論が出て審理の段階で調停が成立しています。





H24.11.19
健保・厚年資格取得届の本人確認

偽名防止のための措置がなされた
 新たに社員を雇い入れた時、会社は健康保険と厚生年金保険の加入手続きをします。被保険者の氏名、生年月日、性別、基礎年金番号等を記載した「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を事業所の住所地の年金事務所に届出ます。この届出に関し、基礎年金番号が記載のない場合の取り扱いが変更されました。記載のない場合には事業主が本人の氏名を証明書等で確認する事が必要になりました。

基礎年金番号記入の厳格化
 資格取得届の基礎年金番号が未記入の方については(年金手帳再交付申請書を添付した場合は除く)返戻される事となり、基礎年金番号が不明の場合は会社が免許証や住民票等による本人確認をしなければなりません。資格取得届が返戻され、その後届出がされない場合事業主への指導があったり、時には事業所調査になる事もあるので取得漏れには気をつけたいものです。本人確認が行われるまで健康保険証の交付は行われません。たとえ健保組合等協会けんぽとは別のところで健保証が交付されても年金機構の取得が出来なかった時は健保も取消となりますので注意が必要です。

本人確認の為に必要な証明書
 本人確認に有効な証明書は次の物です。
@ 1つで足りる物
 運転免許証、写真付き住民基本台帳カード(市区町村で発行)、旅券(有効期限内のパスポート)在留カード、特例永住者証明書、地方公共団体が発行した写真付き資格証明書類、
A 2種類以上の異なる組み合わせが必要な物
 写真付きでない住民票、介護保険被保険者証、共済年金証書、印鑑登録証明書、金融機関の預金通帳やキャッシュカード、クレジットカード等
届出の際にこれら書類の写しを付ける必要はありませんが事業所に控えを取っておく事が望ましいとされています。
 20歳未満の方や外国人の方で基礎年金番号を持っていない方は本人確認を行ってから取得届を提出します。
 取得届に基礎年金番号が未記入の方は年金手帳再交付申請書を添付しますが申請書には職歴をお忘れなくご記入ください。





H24.11.16
準備はお済ですか
年末調整チェックポイント


 本年も年末調整を行う時期となりました。昨年と比べて特に改正はありませんが、平成22年度税制改正において「生命保険料控除」が改組され、その改正が本年の年末調整から適用になります。そこで、改組された生命保険料控除を中心に幾つかのポイントを概観してみたいと思います。

改組された生命保険料控除
 生命保険料控除は、次の(1)から(3)までによる各保険料控除の合計控除限度額が12万円とされました。
(1)平成24年1月1日以降に締結した保険契約等(新契約)に係る控除額
 新たに創設された介護医療保険料については、その控除限度額は4万です。また、新契約に係る一般生命保険料及び個人年金保険料の控除限度額は、それぞれ4万とされました。
(2)平成23年12月31日以前に締結した保険料等(旧契約)に係る控除額
 旧契約分については、従前通り、一般生命保険料及び個人年金保険料の控除限度額は、それぞれ5万円です。
(3)新契約と旧契約の両方について保険料控除の適用を受ける場合の控除額
 新契約と旧契約の両方の支払について一般生命保険料控除又は個人年金保険料控除の適用を受ける場合には、その控除限度額はそれぞれ4万円とされました。

年末調整では適用できない所得控除
 所得控除は全部で14種類ありますが、年末調整では、雑損控除、医療費控除、寄附金控除は適用できません。これら3控除は、確定申告で適用します。

年末調整の対象となる給与
 契約及び慣習で本年中に支給期が到来した給与がその対象です。例えば、給与の締日が月末で支給日が翌月10日であれば、12月末締め分は対象外ということになります。
 また、12月中の時間外勤務手当が、翌年1月分の給与において支払うことになっていれば、この時間外勤務手当も本年分の年末調整には含まれません。

本年の中途で死亡退職した人
 死亡により退職した人は、死亡時までに支給期が到来した給与について年末調整をしますが、死亡後に支給期の到来する給与については年末調整の対象には含めません。相続財産となり源泉徴収もしません。

単身赴任外国人社員の配偶者及び扶養控除
 合計所得金額38万円以下の要件ですが、これは日本国内のみの所得で判定します。もちろん、生計一であることが前提です。





H24.11.15
仕送りと贈与の違い

子供にお金を渡すことは税金がかかるの?
 子供に年間110万円を超える金銭をあげた場合は贈与税の対象になることは広く知られております。では学生で一人暮らしをして、親が毎月仕送りをしている場合、月に概ね9万以上を仕送りしていると、年間で110万円を超えてしまいます。こういった場合まず贈与税を心配する人はいないと思いますが、どこが違うのでしょう。

仕送りと贈与の違いは?
 扶養義務者からもらった通常生活に必要な金額すなわち、生活費または学費に充てるためのものであれば贈与税はかかりません。通常必要な範囲とは、日常生活に一般に必要と考えられる金額の生活費・学費などをさします。ですから通常、仕送りには贈与税はかかりません。
 しかし、仕送りであっても、上記以外の目的に使われていたり、通常必要な部分より多い部分には、贈与税がかかります。ようするに、生活費・学費費の名目で仕送りを受けた場合であっても、それを預金したり、車や株式などの買入資金として使っている場合には贈与税がかかります。
 さらに、財産(所有マンションや家賃収入や配当金など)を生活費や学費に充てるために財産の名義変更があったような場合には、その財産の名義変更のときに、その財産を贈与によって取得したものとして贈与税がかかります。

放蕩息子と孝行息子
 通常の生活に必要な費用と言っても生活の水準や、使い方によって違います。やはり裕福な家庭の子供は、それなりにかかるものです。ではどこで判断するのか?
 放蕩息子でやっと大学に合格したにも関らず放蕩三昧で、仕送りも月に何十万円も貰い全部使ってしまったような場合と、孝行息子で、家が苦しいのは解っている為アルバイトで生計を立て、仕送りは将来の為に貯金して一銭も手をつけなかった場合では、孝行息子に贈与税がかかります。(極端な事例です。実際はアルバイトのお金を貯金したのか親からの贈与なのかは実態により判断されます。)
 要は生活に必要な費用ですから、毎月使い切ることが原則です。





H24.11.14
留学生の採用と在留資格変更許可申請

留学生を採用したら
 今年も残すところあと数か月。来年3月卒業の留学生を採用予定の事業主様は、そろそろ在留資格変更手続きに向け準備を始めたい時期です。

就労できる在留資格への変更手続き
 外国人の方は、全27種類ある在留資格のうちどれか一つを得ることで適法に在留することができます。留学生の場合は「留学」の在留資格を得て在留しているわけですが、卒業後も日本国内の企業で働くためには「人文知識・国際業務」や「技術」といった就労できる在留資格に変更する必要があり、この手続きを在留資格変更許可申請と言います。

在留資格変更手続の注意点
内定が出たからといって必ずしも留学から就労できる在留資格への変更が許可されるというわけではありません。在留資格の変更では、たとえば次のようなポイントに気をつける必要があります。

@業務内容
原則的に、外国人の方は入国管理局が単純労働とみなす職種で就労できる在留資格を取得することはできません。入国管理局が単純労働とみなす職種には、たとえば一般事務作業や工場作業などが挙げられます。こうした職種で学生アルバイトから正社員へ登用を考えている場合などは、従事してもらう職務内容の見直しが必要です。

A専攻科目との関連性
在留資格の変更申請では、留学生がこれまで学んだ専攻と社内で携わる業務との関連性が求められており、特に専門学校卒業生は強く要求されています。現在、大卒生は比較的緩和されていますが、それでも全く関連性のない職業でも変更が許可されるという領域には至っていません。

卒業までにアルバイト勤務させる場合
 企業によっては、学校を卒業するまでの期間に研修のような形でアルバイト勤務させる場合もあるかと思います。「留学」の在留資格は本来勉強が目的ですので、基本的に就労することはできません。アルバイトを行いたい場合には、資格外活動許可と呼ばれるアルバイト許可を取った上で、本業である学業を阻害しないよう1週間につき28時間までの勤務に納めなくてはなりません。いくら内定を出している留学生であっても、在留資格変更の許可を得て就労できる在留資格へ切り替わるまでは資格外活動許可の範囲内でしか働くことはできませんのでご注意ください。





H24.11.13
人事考課の活用

人事考課は、社内等級制度・賃金制度(昇給・賞与支給)の運用、能力開発・適性配置の実施にあたって、社員個々と社員トータルの意欲を高め、会社の期待以上に能力を発揮し、成果をあげてもらえるように活用しなければなりません。

人事考課の一般的活用方法

 人事考課の結果は、個別企業の方針によって異なりますが、一般に次のように活用されます。
考課区分   業績考課  能力考課  意欲考課
賃金改定          ○  ./.  ○
賞与     ○            ○
昇格降格   ○  ./.  ○  ./.  ○
能力開発   ○  ./.  ○
人事異動   ○  ./.  ○  ./.  ○
 
なお、業績考課を賞与に活用する場合は考課期間に応じて次のように使い分けます。
夏季賞与(4月〜9月)、年末賞与(10月〜3月)        
 また、管理職以上は能力開発の時期を終了し、成果をあげることが期待されているので、業績考課を最も重視し、中堅社員は業績考課と能力考課、育成初期の社員は、能力考課と意欲考課を重視する考課ウエイト配分とするのが適切です。

経営者の留意点

 経営トップは、人事考課の活用結果が、経営に与える影響の重要性、すなわち、「どのような働き方で、どのような業績をあげれば、どのように処遇されるのか」を社員に具体的に伝えるメッセージとなることから、公正性・納得性の維持・向上が最重要と認識し、考課者である役員・管理職を次のように指導すべきです。

1.会社が定めた人事考課のルールに従って考課と調整の実務を行うこと。

2.通常、課長クラスが行う「1次考課」は、考課項目(例えば「計画力・折衝力・業績など」)ごとに、被考課者(部下)の“行動事実やその結果”を観察して行うこと。

3.考課の調整は、考課個目別に、“行動事実やその結果”について被考課者間の比較を行い、決して恣意的で曖昧な比較・判断に陥らないこと。

4.被考課者へのフィードバックは、1〜3に基づいて、被考課者の成長を意図して行うこと。





H24.11.12
分掌変更退職金の分割払い

損金経理の分割払役員退職給与
 役員が退職した場合の退職給与の損金算入時期は、株主総会の決議等によりその額が具体的に確定した日の属する事業年度というのが原則ですが、法人がその退職給与の額を支払った日の属する事業年度においてその支払った額につき損金経理した場合には、その損金経理した事業年度に損金の額に算入することを認める、との通達があります。

分掌変更による退職金認容での未払金
 法人を退職していないが、役員の分掌変更により、常勤→非常勤、取締役→監査役、役員報酬の半分以下への激減、などに該当するときは、実質的に退職したと同様の事情にあると認められるので、退職給与として法人が支給した給与は損金算入できる、との通達もあります。
 ただし、この通達には、未払金等に計上したものは「支給した給与」には含まれない、との注書きがあります。

分割払い分掌変更退職金の損金算入の可否
 それでは、分掌変更退職金につき、未払金計上はしないが、分割払いをすることにし、その支払いの都度損金経理することとしたものは、損金算入が認められるでしょうか。
 納税者敗争の事案ですが、このテーマを争点とする国税不服審判所の裁決の公表が最近ありました。

税務署の通達解釈
 裁決書にみる税務署の主張では、分掌変更退職金の分割払いを一概に否定していませんでした。
 分掌変更退職金は一種の打切り支給特例としての在職退職金なので、弊害防止の趣旨から、債務の確定だけではなく、実際に金銭等の支給があることを要求しているのであって、実際上、資金繰り等の合理的理由がある場合の一時的な未払金等への計上までも排除するものではなく、未払いの期間が長期に亘ったり、長期間の分割払となっていたりするような場合でなければ損金算入となる、との通達解釈をしていました。

納税者敗争事案から学ぶこと
 税務署の忌避の主理由は「弊害防止」なので、利益調整の材料に利用するものではないことの証しとして、分割払い等にせざるを得ない理由と、分割払いの計画性を当初からハッキリさせて、その通りに実行していることが、肝要と思われます。





H24.11.9
事前確定届出給与は使えるか


役員給与の支給の仕方に関わる税法制限
役員給与(役員報酬と役員賞与)は原則損金不算入です。例外として、次のものが損金算入となります。
a 定期同額の役員報酬(期首から3ヶ月以内の改訂は可)<事前届出不要>
b 有価証券報告書を提出する非同族会社の利益連動役員賞与<事前届出不要>
c 事前確定届出給与(決算確定から1ヶ月以内)
 制限の趣旨は、会社の景況に合わせた役員報酬の随時の改訂や、利益の額に合わせた賞与の支給を排除しようとするものです。

事前確定届出給与とは
 「事前確定届出給与」とは、定期同額でなくてよい役員給与です。実質「役員賞与」に該当するものです。この事前届出の内容は、委細に亘り書くようになっていて、特に重要なのは、全役員の「定期同額役員報酬」を記載するようになっていることです。
 「事前確定届出給与」を選択することにより、定期同額役員報酬が「事前確定届出給与」に実質的に変わってしまいます。

事前確定が崩れてもよい場合
 事前確定届出給与が、届出通りに支給されなかった場合は、事前に支給額が確定していたとはいえないことから、事前確定届出給与に該当しないものとなり、全額が損金不算入となります。
 ただし、次のような場合には、1ヶ月以内に、改定の届出をすれば、特別に変更が認められております。
・ 専務が社長に昇格した場合のように、役員の退任等により、取締役の役職が変更になった場合
・ 役員が入院したため、入院期間中の役員報酬を変更した場合
・ 業績の悪化により、役員報酬の減額をしないと、経営危機に陥る場合

支給しないときのペナルティー
 事前確定届出給与を支給しない時のペナルティーというのは特にありません。次の決算日前を支給時期に設定する事前確定届出給与は、額の変動はできないものの、支給の有無は随意なので、決算対策としての効果をそれなりに果たせることになります。
 複数役員について設定した事前確定届出給与の一部役員への無支給は、届出通りに支給した役員分に係る損金算入には影響を及ぼしません。
 また、役員退任による支給停止は、届出と異なることになっても損金算入です。





H24.11.8
中小企業の海外直接投資
海外直接投資に必要なもの


海外直接投資は、新規事業であることには変わりがありません。したがって、新規事業を遂行するための「人」、「もの」、「金(資金)」が必要となります。中小企業の海外直接投資においては、この基本的要素を如何に揃えられるかが成功の鍵となります。

海外直接投資の必要条件
 中小企業白書2012年版では、「直接投資を開始するために必要な条件」として、@企業に資金的な余裕があることを挙げる企業が74.6%と最も多く、続いてA進出先の法制度や商慣習の知識があること60.3%となっています。以下、B販売先を確保していること54.7%、C信頼できるパートナーがいること53.9%、D進出先の市場動向についての知識があること44.8%、E黒字化の見通しが立っていること33.7%、F海外直接投資に詳しい人材を社内に確保していること32.8%となっています。

海外直接投資への障害
逆に現地法人が直面している商取引面の課題・リスクを見てみると、生産拠点を保有する現地法人では、@現地における品質の管理54.3%が最も多く、続いてA現地におけるマーケティング34.3%、B現地向け商品の生産・供給体制の構築28.6%の順となっています。
 また、販売拠点を保有する現地法人では、A現地における品質の管理43.8%のほかは、@現地におけるマーケティング48.7%、B現地ニーズの把握・情報収集37.0%、C現地における取引条件34.6%といった販売に関する事項が課題・リスクとして認識されています。

必要条件と障害から解ること
資金面では必要条件として認識されているもののも課題・リスクとしての認識が低くなっていることから、進出時の資金は基本的に調達できていると思われます。
一方、必要条件として、進出先の法制度や商慣習の知識があること、販売先を確保していること、進出先の市場動向についての知識があること、海外直接投資に詳しい人材を社内に確保していることが挙げられているにもかかわらず、課題・リスクとして現地における品質の管理、現地におけるマーケティング等が挙げられているのは、それを解決できる人材が不足していることが障害となっていると思われます。





H24.11.7
中小企業の海外直接投資
海外進出と空洞化議論

中小企業の海外進出
 日本企業の生産拠点の海外進出は、1985年のプラザ合意以降、急激な円高の影響を受けて、NIES諸国(韓国、台湾、香港、シンガポール)を中心に進出したのが始まりです。その後、進出国の人件費の高騰等の影響により、東南アジア、中国へと生産拠点を拡大していくこととなりました。

中国への進出は
 1997年に発生したアジア通貨危機は、日本企業の東南アジアへの進出速度を減速さることとなりました。一方、中国への進出は、厳しい為替規制によりアジア通貨危機の影響が比較的軽微であり、WTO加盟への期待が高まる中、1998年後半頃から急速に増加することとなりました。2001年の中国WTO加盟により、巨大市場中国への進出が集中することとなりました。

現在では
巨大市場として期待されるインド、インドネシアのほか、既存進出国の人件費の高騰を受け、カンボジア、バングラデシュ、ミャンマーなどの新興国への進出が増加しています。同時に、日本経済の長引く不況、少子高齢化による国内市場の手詰まり感から中国、タイ、インドシア、インド、ベトナムなどの急成長を遂げる市場へ販路拡大を求め進出する企業が増加しています。

空洞化議論
 中小企業の空洞化が問題視されたのは、これまで@プラザ合意後とA1992年の中国の南巡講和以降の第2次対中投資ブームから始まり、NIES諸国の人件費高騰等により、タイ、マレーシア、フィリピン、インドネシアへの生産拠点移転が起こったアジア通貨危機前までの2回です。 ここでは、@日本から工場がなくなるのではないか、A他社が海外進出したから自社もという盲目的な海外進出といった進出が問題となりました。
空洞化議論は、中小企業白書2009年版において、「海外進出が国内の雇用を維持しながら、付加価値額の増大により労働生産性の向上を実現している場合が多い。」と結ばれて以降、下火となっています。
また、最近では、生産現場がなければ、次世代生産技術の開発もままならいことから本社工場の重要性も高まっています。
 とは言え嘗てに比べれば、国内の雇用状況は悪くなっていることは事実です。





H24.11.6
復興特別法人税のおさらい

復興特別法人税と復興特別所得税の相違
 法人に課せられる復興特別法人税は、
●期間 平成24年4月1日以後3年間に開始する事業年度における36ヶ月間が課税対象期間
●税率 10%
●課税対象額 次の法人税額
別表一(一)4欄 + 別表一(一)5欄
●復興特別法人税申告書を別途提出
●復興特別法人税には中間申告・予定納税がない

法人にも復興特別所得税が課税される
 利子配当の源泉所得税が法人にも課せられるように、復興特別所得税が法人にも課せられます。法人税から所得税が控除となるように、法人負担の復興特別所得税は復興特別法人税から控除されます。
 控除の手続きは、復興特別法人税申告書を提出することにより行われます。
 復興特別所得税は25年間に亘り課せられるので、復興特別法人税の課税が3年間で終わっても、復興特別所得税の控除(還付)を受ける手続きは25年間に亘って必要となります。

最初の復興特別法人税申告書の提出法人
 最も早く到来するケースは、平成25年1月決算、2月決算の会社です。復興特別法人税の納税義務は、平成24年4月1日以後開始事業年度法人にとって発生するので、平成25年1月決算、2月決算の会社については、未だ復興特別法人税の納税義務は生じないものの、すでに25年1月以後、利子配当等に係る復興特別所得税が課せられていれば、復興特別法人税申告書を提出して還付の申告をすることになります。

外国法人や公益法人は?
 復興特別法人税の納税義務は「各事業年度の所得」がある法人に課されるとされているので、それがない法人には、復興特別法人税申告書の提出義務がありません。
従って逆に、「各事業年度の所得」がなくて、法人税の納税義務のない外国法人や公益法人、収益事業をしていない人格のない社団や非営利の一般社団・財団法人、NPO法人などには、復興特別所得税の控除・還付の手立てがありません。
唯一例外として、「各事業年度の所得」のない清算中の法人について、復興特別法人税申告書の提出義務がないまま、復興特別所得税の還付の為の復興特別法人税申告書の提出ができることになっています。





H24.11.5
復興特別所得税のおさらい

来年から課税が始まる復興特別所得税
復興特別所得税の課税が来年から始まります。平成49年までの25年間に亘ります。個人については、来年分の所得税の確定申告や年末調整によって、その人の復興特別所得税が確定し、過不足精算による納付や還付が行われるのですが、実際は、来年1月1日以後に支払期限のくる来年分以降の各種所得に係る所得税の源泉徴収によって、復興特別所得税の課税事務が始まります。
住民税には復興特別税はありません。

復興特別所得税の税率
復興特別所得税の額は、所得税の額の2.1%相当額です。通常の所得税と復興特別所得税とはバラバラに取り扱われるのではなく、一体として課税・徴収されるので、実際は、所得税の税率が102.1%に増大したと考えるほうがわかり易いです。10%の税率の時は10.21%に直して計算しますので、端数処理も1回きり行いません。

給与や退職金等では税額表が変わる
従業員の給与や退職金についての来年分以後の源泉徴収税額表は、国税庁ホームページに掲載されており、年末調整関係書類とともに税務署から配布される予定です。
12月末日締め切り、1月5日給与支払の会社については、新年早々に、この新源泉徴収税額表による、所得税と復興特別所得税の合計額の徴収が始まります。
徴収税額の納付書である所得税徴収高計算書のタイトルは特に変更される予定がなさそうなので、従来のものに徴収合計額を一括記載して納付することで差し支えありません。

平成24年分所得税の扱い
平成24年分の所得とされる未払給与を平成25年1月以後に支払う場合には、復興特別所得税の対象にはなりません。
また、平成24年年末調整に係る過不足税額が来年以後に納付等される場合がありますが、これら過年分の所得税についても、納付書への記載については、特別に分別記載する必要はありません。

外国人にも納税義務はある
居住者限定の税ではないので、課税の対象は非居住者にも及びます。ただし、租税条約が関係する時には、それが優先するので、租税条約に基づく限度税率と国内法に基づく復興特別所得税を含めた税率との低いほうでの課税となります。





H24.11.2
人事考課と賃金改定

 人事考課の結果を活用する最も代表的な目的は賃金の改定ですが、その方法は賃金体系と考課結果の表わし方(A・B・Cなどの標語)によって決められます。
 最近の先進的・代表的な例を挙げますと次の通りです。

1. 「役割・貢献給」の範囲給・賃金体系をとっている場合は、それぞれのグレードの社員が果たすべき役割・貢献の定義に照らした業績考課点の高さ(実力)を毎年評価して、範囲給のどこに位置付けるかを決定する、すなわち毎年の業績・実力に応じて翌年のグレードと賃金の高さを決める。(「洗い替え方式」と言う。)

2. 従来から行われてきた方式で、人事考課点を正規分布に当てはめて下表のように定め、この標語に応じて昇給額、又は昇給率に差をつける。
分布/標語
上位5% S
15% A
60% B
15% C
下位5% D

経営者の賃金ポリシー
このように、賃金改定を行う場合にも、経営者の賃金ポリシーによって、賃金体系(役割貢献給か、職能給・職務給など)や評価と賃金適用方法(実力主義・年功主義、積み上げ主義・実績に基づく洗い替え主義)などが決定され、運用されます。
賃金改定方式は一度決めると、長く習慣的に適用される傾向があり、例えば年功・積み上げ主義なら、社員は「年齢が高くなれば賃金は上がるものだ。」と思い、役割・貢献給・実績洗い替え主義なら「油断していると昇給がないばかりか、マイナス昇給にもなりかねない。」と考えます。つまり賃金改定の方法・基準と運用実態は、社員にどのような働き方を期待するのか、メッセージを送り続け、知らず知らずの内に企業文化に影響を与えます。





H24.11.1
有期雇用契約通算5年超で無期に

平成25年4月施行予定 労働契約法改正
 契約社員やパートタイマー等の有期雇用契約で働く人は全国で1200万人と推計されています。4年前のリーマンショックをきっかけに雇止めが頻発し、契約更新されなかった有期雇用者の保護が言われていました。この度、有期雇用者の雇用安定を促す改正労働契約法が8月に公布されました。改正点は紹介する3つが決められました。

勤続5年超の有期労働者は無期申込み可能
 法律上有期労働契約は最長3年となっていますが、繰り返し契約更新して長期に働いている人で5年を超えている人は企業の36%に在籍し、10年超えも10.7%あります。今回の改正は同じ職場で5年を超えて働く契約・パート社員は企業に申し出れば正社員と同じように期間の定めのない無期労働契約に転換できるとした事です。
企業は仕事の繁閑に合わせて有期雇用者を使っている面もあり、期間の定めが無くなり労働力の調整がしにくくなる事を考え、5年に達するまでに契約終了するケースも増えそうです。転換で職務内容や勤務場所や労働時間等が変更される事があるかもしれません。それゆえたとえ期間の定めの無い社員となっても元の非正規社員との区別をルール化する労働条件の規定や契約書が必要となってくるでしょう。
この改正は施行後の労働契約について対象となるので申し込みが出来るのは5年後の平成30年4月以降になります。

雇止め法理の法定化
最高裁判例で確立した「雇止め法理」がそのまま法律に規定され「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない時は雇止めを認めず」として一定の場合に雇止めの歯止めをかけています。

正社員と契約社員との不合理な違いを禁止
不合理な違いとは労働者の業務内容、責任の程度、配置変更の範囲等を考慮して決められるとしていますが、何が禁止に該当するのか今は、はっきり示されていません。
新しいルールで雇用する場合に注意する事は、非正規社員の雇用期間の定めがなくなっても常に正社員と同じ労働条件で扱う事を求めている訳ではないという事です。ですからルールを決めて文書で確認しておくことがトラブル防止の為にも必要でしょう。