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H24.12.28
外貨建取引と為替差損益

その都度認識が原則の為替差損益
 外貨建て取引においては、取引のつど為替換算を行い為替差損益の認識をします。 所得税法で「外貨建取引」とは、外国通貨で支払が行われる資産の販売及び購入、役務の提供、金銭の貸付及び借入れ、その他の取引をいい、居住者が外貨建取引を行った場合には、その外貨建取引を行った時における外貨建為替の売買相場により、換算した金額により、各種所得の金額を計算するものとされています。

定期預金の元本の満期継続
とは言え、A銀行に預け入れていた外貨建て定期預金が満期となったため、満期日に全額を払い出し、同日、元本部分全額をB銀行に預け入れた場合、他の金融機関に預け入れる場合であるとしても、同一の外国通貨で行われる限り、為替差損益を認識する必要はありません。

米ドル建て債券が同額償還の場合も
公社債の償還差益とは、償還金額がその発行価額を越える場合のその差額をいい、雑所得として取り扱います。
購入した金額と同額で償還され、償還差益が発生しない場合には、単に債券購入時の円換算額と償還時の円換算額の評価差額があっただけなので、同一の外国通貨である限り経済的価値が実現しているとは認められないので、為替差損益を所得として認識する必要はありません。

異なる外国通貨では
ただし、異なる通貨となると原則的になります。日本円の現金を米ドルに交換し、その後、この米ドル全額をユーロに交換した場合、ユーロへの交換時に、ユーロへの交換時の円換算額と当初円から米ドルへ交換した金額との差額を為替差損益として認識します。

MMFの場合には
外貨建預貯金を払い出して、外貨建MMF(マネー・マーケット・ファンドの略。投資信託の一種)に投資した場合には、それまでは評価差額にすぎなかった為替差損益に相当するものが、収入すべき金額として実現したものと考えられるため、外貨建MMFの投資金額の円換算額と、その投資に充てた外国通貨を取得した時の為替レートにより、円換算した金額との差額(為替差損益)を所得として認識する必要があります。





H24.12.27
取得日及び取得費の引継 贈与とみなし贈与

共有持分放棄による資産の取得
持分の放棄など共有者の単独行為により、他の共有者は反射的に放棄した者の持分を取得することがまれにあります。
この場合の課税実務ですが、所得税の一時所得課税ではなく、みなし贈与として贈与税の課税をしています。
 問題は、その後、この「みなし贈与」によって取得した資産を譲渡した場合、譲渡所得の計算上、その資産の取得日及び取得費を引継ぐことができるか、どうかです。

所得税法上の取得費引継規定
所得税法60条では、居住者が個人から贈与により取得した資産を譲渡した場合には、その資産の取得日及び取得費については「その者が引き続きその資産を所有していたものとみなす」、と規定しています。つまり、贈与者の取得日及び取得費を引継ぐことになっています。
 所得税法9条の非課税規定には、「贈与」には「みなし贈与」も含む旨の文言がありますが、この所得税法60条の引継規定の「贈与」には、特段の定めがありません。ですので、一般法である民法に規定にしたがって「贈与」を解釈することになります。
 民法上の贈与は契約であり、その契約は諾成・片務・不要式の契約で厳格な法律行為です。
したがって、所得税法60条の贈与には、このような契約と異なる行為、例えば、持分放棄といった単独行為や低額譲渡による契約など、いわゆる「みなし贈与」に該当するものは含まれないと解釈されます。

「みなし贈与」資産の取得日及び取得費
 では、取得費をどう計算するかです。明確な規定はありません。他に別段の定めがない以上、原則、取得費はゼロとなるはずですが、税負担を考慮してか、課税実務では、みなし贈与時の価額で取得費を計算することになっているようです。
これでは、みなし贈与にはキャピタル・ゲイン課税がない分だけ有利ということになります。通常の贈与においては、贈与税が課された上、さらに、当該資産を譲渡した時は、取得費引継の規定によりキャピタル・ゲイン課税がなされ、結果、二重課税が生じています。
したがって、本来であれば、持分放棄による財産取得には、贈与課税でなく一時所得課税にすべきだったのではないか、との疑問が湧きます。





H24.12.26
組織再編での課税売上割合

株式交換の場合の課税売上割合
組織再編のうち、合併・分割による資産負債の異動は包括承継として適格非適格を問わず消費税上の資産の譲渡に含まれません。しかし、株式交換・移転では完全子法人の旧株主にとっては、適格非適格を問わず完全子法人株式の譲渡とされます。
有価証券の譲渡は消費税上5%非課税売上と扱われます。完全支配関係下での組織再編では、課税売上割合に大きな影響がでることがあります。

現物出資の場合の課税売上割合
債権者が債務者に金銭債権を現物出資することは金銭債権の譲渡に該当し、債務者にとって消費税上非課税売上に該当します。
これは、所謂デットエクイティスワップといわれるもので、非課税売上となる額は5%ではなく金銭債権の額そのものであるものの、金銭債権の価額は額面ではなく時価評価額です。
大きく債務超過していない会社の場合には、課税売上割合に大きな影響があります。

同じ金銭債権の譲渡でも
資産の譲渡等の対価として取得した金銭債権の譲渡については、消費税上課税対象外取引です。具体的には、売掛債権、受取手形・受取小切手などです。
これらを、現金預金として回収する前に第三者へ譲渡する場合には、金銭債権の譲渡ではありますが、これを譲渡とすると、課税売上と非課税売上の二重計上となってしまいます。それを手形割引などを常態にしている場合、課税売上割合が常に50%になってしまうという不合理が生じます。それへの対処のための措置です。

合併後の売掛債権の譲渡の扱いは?
合併や分割が行われた場合、被合併法人等の売掛債権は合併法人に承継されますが、合併法人等にとっては、自らの営業活動による資産の譲渡等の対価としての金銭債権ではありません。
その場合には、特に手当がなされているわけではないので、承継した手形の割引ほかの売掛債権の譲渡は非課税売上となってしまいそうです。

課税売上割合95%ルール廃止の影響
組織再編には落とし穴が多いので、課税売上5億円超法人はもちろん、95%ルールの存続する課税売上5億円以下法人でも、非課税売上の発生にウッカリ気付かずにやりすごすと、消費税計算に思わぬ落とし穴に落ちることになりそうです。





H24.12.25
中退共が減額される?

退職金の外部積立による国の共済制度
最近のニュースで中小企業退職金共済制度(中退共)では退職金を減額する事を検討し始めたという話題がありました。
 中退共は中小企業の従業員が加入できる国の退職金制度で現在、36万事業所が加入し、324万人の加入員がいます。掛け金が企業の損金計上できる税制優遇制度があり、加入時や掛け金増額時に国からの助成も受けられます。企業規模は従業員300人以下の事業所で(業種によっても違う)自前で退職金制度を運用するのが難しい小規模事業所が多いです。

株式市場の低迷で運用実績悪化
 中退共は2011年末で1,741億円の累積欠損金を抱えています。先日来の厚生年金基金制度の廃止問題と同様に運用難による積立不足が発生しているのです。そもそも中退共の運用利回りは1%と想定していますが実際は低金利の現在、この率では運用できていません。対策案としてこの率を0.8%
に引き下げを検討するとしています。利回りが下がれば当然退職金額は下がります。他の案として最低掛け金月5,000円を増やしたり、運用益が出た場合の付加退職金の半額支給の率を下げたりして積立金に充当する案等も出ています。
 企業としては退職金規定で中退共の退職金だけを支払う事にしている場合は、従業員の受取額は減りますが、会社負担は増えません。しかし規定に退職金額が設定されていて中退共だけでは足りなくなる時は会社の負担額が増えるかもしれません。

中小企業の退職金制度は再考の時か?
 企業年金では先日厚労省が厚生年金基金制度を今後10年で廃止するという方向を示してきました。2012年3月には適格退職金制度が廃止され、3割の企業は中退共に移行しましたが残りの7割は企業年金を止めてしまったという状態です。確定給付企業年金や確定拠出年金は小規模事業所には導入しづらい面もあり拡大は今一つです。
会社への忠誠心や老後の安心感として、税制面の優遇などもあり、普及してきた退職金制度も長期にわたる低金利で運用難に陥っています。持続可能で安心感のある制度にするには退職金制度の見直しが必要かもしれません。





H24.12.21
残業代の定額払い

残業代を固定で支払う時
 毎月の時間外労働時間から残業代の計算をするのではなく定額手当にしてコストを抑えたいと考えた時、残業手当の定額払いも1つの方法です。但し実際の時間外時間が設定した額より多いならば不足分は追加支払いをする事が前提になるので必ずしもコスト削減になるとは限りません。

定額残業代計算例
 定額残業代は手当として設定する時と基本給に含む方法がありますが基本給の一部として含んだ場合の計算例をあげます。
 月額30万円、月の労働日数は21日、月の残業時間は20時間とします。
 1日8時間勤務×21日で月168時間の所定労働時間となります。30万円÷168時間×1.25倍は約2,233円。これが1時間の割増賃金です。2,233円×20時間は44,660円これが残業代です。30万円から引くと255,340円が基本給となります。給与明細書も基本給255,340円と定額残業手当(名称は他でもよい)44,660円と記載しておきましょう。

定額残業代導入の注意点
 判例では定額残業代については「定額である点で労基法第37条の趣旨にはそぐわない事は否定できないものの、直ちに無効と解すべきではなく通常の賃金部分と時間外・深夜割増賃金部分が明確に区別でき過不足が計算できるのであれば、使用者はその部分を支払えば足りる」としています。
つまり、残業代は基本給や手当に含まれていると言う口約束でなく、労働契約書、就業規則等にいくらで何時間分が含まれているのか、また、手当の時はそれが時間外手当とわかるように記載をすること、設定の残業時間を超えた時は差額を支払う事としています。

給与総額を変えずに定額手当を導入したら
 定額残業代設定時に給与総額を上げて対応できれば良いですが、それが出来れば苦労はしないでしょう。今の給与額は据え置きのまま基本給と定額残業を分ける方法で導入した場合には残業単価が下がるので不利益変更となり、社員の同意が必要になります。定額にしたと言っても超過すれば差額を支払う事になるので、設定した残業時間内で仕事が回るように業務改善も目指したいものです。





H24.12.20
住民税
海外赴任と帰国

 海外に1年以上の勤務で赴任する場合やその後帰国した場合、住民税は所得税と違ってその課税上の取扱が異なります。住民税の納税義務は、原則、1月1日に国内に住所を有するかどうかで決まります。
そこで、住民税について、赴任した年、赴任した翌年以降、帰国した年以降、その納税義務について概観してみます。

赴任した年
 海外に1年以上勤務等で赴任又は滞在する場合は、原則、住民基本台帳法に基づき現在住んでいる市町村に「国外転出届(住民異動届)」を提出することになっています。
 例えば、平成25年4月1日海外赴任となった場合には、赴任(出国)の翌日から非居住者となります。
 この場合、前年度分住民税(住民税は、原則、前年の所得が課税標準となりますので、ここでは平成23年の所得に対応)の未納特別徴収月割額4月分、5月分は、原則、3月分給与等から一括徴収します。
 当年度分の住民税(平成24年の所得に対応)は、1月1日(賦課期日)現在の住所地である市区町村に納付しなければなりません。出国の日まで特別徴収税額が判明していればよいのですが、一般的には未確定の場合が多いようですので、納税管理人を選任して納付の手続きをする必要があります。納税管理人は、勤務先の会社でもなることができます。

赴任した翌年以降
 赴任した翌年以降は、その年(平成26年)の1月1日(賦課期日)現在、国内に住所がありませんので、住民税(平成25年分の所得に対応)の納税義務はありません。
 しかし、国内に家屋敷等を所有する者は、その家屋敷等が所在する都道府県及び市区町村において均等割(都道府県1千円、市区町村3千円)が課税されます。

帰国した年とその翌年以降
 赴任先の海外から帰国した場合、例えば2年の勤務を終えて、平成27年3月に帰国した場合、平成27年1月1日現在、賦課期日に国内に住所がありませんので、帰国した年度分の住民税(平成26年の所得に対応)の納税義務はありません。そして、帰国の翌年以降は、住民税の納税義務を負うことになります。
 なお、1年以上の勤務予定で海外赴任しものの、1月1日をまたいで病気等で1年未満で帰国した場合の住民税ですが、原則、1月1日現在で帰国が予想されないのであれば、住民税は課税されません。





H24.12.19
珍事か想定外か 儲けを上回る税金

  所得税の計算は、所得を10種類に区分、そして、それぞれの所得の担税力を勘案し、一部複雑な規定もありますが、原則(利子所得を除く)、収入金額からその収入を得るために支出した経費を差引いて所得の金額(儲け)を計算、それに税率、最高でも40%を乗じて所得税の税額を求めます。
 したがって、基本的には「儲けを上回る税金」などはあり得ません。しかし、珍事なのか想定外なのか現実に起きた事件があります。事件の内容はこうです(新聞等の報道による)。

ハズレ馬券の購入代金も経費か                     
 事件は、会社員がインターネットで馬券を3年間で計約28億7千万円分を大量購入し、約30億円余りの払戻しで差引約1億4千万の所得(儲け)を得た。しかし、国税局はこの馬券の所得を一時所得と判断、必要経費と認めたのは当たり馬券だけだった。その結果、当たり馬券の購入費は1億3千万円、これから払戻し金30億円を差引くと所得金額は約29億円弱、一時所得ですから、ざっくり所得金額29億円の2分の1、14億5千万円が課税標準となり、所得税の額は約5億7千万になった、とのことです。この事件、無申告だったのか、国税局は約5億7千万円の脱税事件として所得税法違反で会社員を地検に告発した。以上が事件の概要です。

税法規定の想定を超えた
 一時所得は、@一時の所得であること、A営利性と継続性がないこと、B労務や資産の譲渡の対価の性質を有しないこと、などが要件です。そして、収入を得るために支出した金額、すなわち経費ですが、その経費は、その収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る、となっています。
 国税局は、馬券で得たような射幸的行為による所得は、たとえ反復継続的であっても営利性はない、また会社員であることから、当該所得を一時所得と認定、経費については、収入との直接対応を適用して計算したものと思われます。
 しかし、大量の馬券の購入は、1億4千万円の儲けの源泉であり、この業績は、まさに命がけの勝負の結晶です。射幸的といえば、株式の売買も同じようなものです。
また、この大量馬券の購入による所得は、現行の一時所得の計算規定の想定を超えたものでしょう。せめて、雑所得での課税があってもいいのではないかと思います。ちなみに、会社員は、この処分に反論しているとのことです。





H24.12.18
イベント前の安全対策 臨時行政手続きあれこれ

イベント前には要確認!
セールやイベントなどが多いこの季節。年末年始は普段の業務内容とは少し違う、特別な企画をお客様のためにご用意する、という企業様も少なくないのではないでしょうか。企画の内容によっては、臨時の行政手続きが必要となる場合もあります。たとえ単日の臨時的企画であっても、しっかりとした行政手続きを踏んでいるかいないかで、ちょっとした企業の信用にも影響します。今日はイベントなどで必要になる、臨時行政手続きの例をご紹介します。

(1)食品を扱うイベント企画
 イベントの中で食品を提供する場合、一時的であっても保健所への届出を行う必要があります。食中毒等の被害を防止するため、保健所が食品の取り扱いについて主催者に対し、適切な助言を行うためです。イベントの数日〜1週間前程度に届出をすれば足りることが多いですが、保健所により食品取扱い担当者に検便を実施するよう求められることもありますので、予め管轄の保健所へ相談しましょう。

(2)道路を使用するイベント企画
 道路は本来、人や車が通行する目的で作られたものですので、イベントなど本来の目的外で利用するためには警察署に道路使用許可を求めることが必要です。道路交通への影響が大きいため、企画には十分余裕を持ちましょう。尚、イベントそのものでは道路を使用しない場合であっても、イベント告知として路上でビラ配りなどを行う際にも道路使用許可が必要となります。

(3)火災予防条例に関わるイベント企画
 火気を使用する場合のみに限らず、本来の目的以外で建物を使用する場合にも、予め消防署へ催物開催の届出が必要となることがあります。たとえば、映画館は元々不特定多数の観覧者が訪れることを想定していますが、集会所の大会議室など、本来は違う目的で使用されている建物施設において、映像の上映会をするため不特定多数を集客するような場合などは、避難誘導体制に不備が生じる可能性もあります。こうした万が一の事態に備え、消防署への事前の届出が求められているのです。
行政手続きは、各管轄の担当役所により見解が様々です。イベントを行う際には、たとえ他地域で同様の企画内容を行ったことがあっても、必ず各管轄の役所に問い合わせるようにしましょう。





H24.12.17
小規模企業共済の有効活用

小規模企業共済とは?
 一定の小規模企業の役員や個人事業主が引退・廃業した場合に備えて個人で任意に加入する「経営者のための退職金制度」です。加入要件は、常時使用する従業員の数が20人(商業、サービス業は5人)以下である企業等の役員及び自営業を営む個人であり、本人以外でも、共同経営者である配偶者や後継者も2名を限度に加入することができます。掛金月額は1,000円〜70,000円の範囲で500円刻みで加入することができ、この共済金は事業を廃止した時、役員を辞任した時、65歳以上となった場合などに支給されます。また、解約はいつでも可能ですが、掛金納付月数が12ヶ月未満の場合などは掛捨てとなります。

税制上のメリットは?
@掛金は全額所得控除
 法人や個人事業主が使用人に支払った掛金は報酬や給与となりますが、個人事業主が自分にかけた掛金同様、全額「小規模企業共済等掛金控除」として支払った年において所得控除できます。
A「退職所得控除」の恩恵
 共済金は「一時金」として受給するのが原則であり、この場合「退職所得」として扱われ、「退職所得控除」の恩恵を受けられます。
尚、途中解約した場合は原則「一時所得」となりますが、解除の日が65歳以上の場合は上記通り「退職所得」として扱われます。
B「公的年金等控除額」の恩恵
 共済金を一時金ではなく「分割(年金)」で受け取ることもできますが、この場合は「公的年金等の雑所得」として扱われ、「公的年金等控除額」の恩恵が受けられます。但し、「分割」を選択出来るのは共済金額が300万円以上の場合です。
C両方の恩恵
 更に、共済金額が330万円以上の場合は「一括受取」と「分割受取」の併用を選択することができます。
 例えば、共済金額が2,000万円で役員任期年数が20年の経営者(65歳以上)が辞任した場合、まず一時金で800万円受給すれば、退職所得控除額は40万円×20年=800万円となり退職所得0円に、そして残額1,200万円を年間120万円の分割(期間10年の年金)で受領すれば、毎年の公的年金等控除額は120万円となるのでこの分に関する雑所得も0円になります。併用することによりダブルの恩恵を受けられることになります。





H24.12.14
確定税額の端数計算

 国税の確定税額は、原則、その確定税額に100円未満の端数があるとき、又はその金額が100円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てます。
 この確定税額(法律上の用語は確定金額)は、納税者が納付すべきものとされる各納期ごとの税額で申告、更正、決定等により確定すべき金額、例えば第3期分の所得税を例にとれば、算出税額から配当控除等の税額控除を行い、さらに源泉徴収税額を控除したところの税額をいいます。
 なお、次に掲げる税目については、確定税額の端数計算は、それぞれ別に定められています。

源泉徴収所得税の端数計算
 源泉徴収所得税(年末調整における過不足税額等を含む)については、1円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨て、その全額が1円未満であるときは、その全額を切り捨てます。

延納等の分割納付の端数計算
 所得税や相続税又は贈与税のように延納できる場合、その延納税額に千円未満の端数があるときはどうするかですが、所得税の場合は、千円未満の端数金額は延納以外の税額に合算し、相続税又は贈与税の延納年割税額に千円未満の端数があるときは、その端数金額は、すべて最初に納期限が到来するものに合算します。
 なお、所得税の第1期又は第2期の予定納税額については、各納期ごとの税額について百円未満の端数を切り捨てることが所得税法上規定されていますので、ここでいう端数計算の適用外です。

登録免許税、印紙税等の端数計算
 登録免許税については、その最低税額が千円と法定されているので、この端数計算の切り捨てが適用されるのは、千円を超え、100円未満の端数がある場合のみです。
 また、印紙税及び自動車重量税については、端数計算の切り捨てはしません。税率がその必要のないように定められているからです。

附帯税の端数計算
 附帯税の確定税額は、その額に100円未満の端数があるとき、又はその全額が千円未満(加算税については5千円未満)であるときは、その端数金額又は全額を切り捨てます。
 なお、修正申告及び更正等に係る附帯税については、それぞれ別個の確定税額となっています。





H24.12.13
不動産取得税と固定資産税

 不動産取得税と固定資産税は、共通点も多くありますが、相違点もあります。そこで、それぞれの税の内容を概観し、その差異について少し触れてみたいと思います。

不動産取得税とは
 不動産取得税は、その課税客体は土地や家屋の不動産で、その取得に対して課税されます。この取得とは、所有権の取得を意味します。取得の形態ですが、売買のような有償取得もあれば、贈与のような無償取得、さらには、建築といった原始取得、交換等があります。
しかし、取得の原因が相続等や法人の合併及び一定の会社分割による場合は、非課税です。また、新築の分譲マンション業者や新築の一戸建住宅業者等が原始取得等するものについては、その家屋の新築後6ヶ月を経過する日までに他に所有権が移転されていれば課税されません。

固定資産税とは
 一方、固定資産税は、その課税客体は土地・家屋及び償却資産で、その年の1月1日(賦課期日)の所有者又は一定の場合の使用者に対して課税されます。また、固定資産税においても公共性、公益の強い固定資産については非課税となっています。

両者の本質的な違い(登記との関係)
 不動産取得税は、所有権の取得という事実に基づいて課税します。したがって、登記の有無にかかわらず実質の取得者に対して課税します。単に売買の名義貸しで登記簿上の所有者になったとしても不動産取得税は課税されません。
この実質主義は、時には不都合な状態を招来させます。所有権の移転登記がなされなければ取得の状況が把握できず、実質取得者に対する課税は容易ではありません。例えば、二重譲渡の危険性もなく、抵当権の設定の必要もない、といった場合などはなかなか移転登記がなされません。              
 一方、固定資産税ですが、土地、家屋の登記名義人が真実の所有者であるか否かを問わず、原則、その年の1月1日(賦課日)における登記簿上の名義人に課税することになっています。これは、大量かつ画一的な処理の要請からです。
 この形式主義も不動産取得税と同様、時には不都合な状態を招来させます。不動産取得税の裏返しです。所有権を手放しても移転登記がなされなければ、いつまでたっても固定資産税の納税通知書は登記簿上の名義人に送付されてきます。





H24.12.12
課税標準の端数計算

課税標準とは、数量等を基準とするものもありますが、一般的には、法人税や所得税等、税率を乗じる基となる金額等です。
国税の課税標準については、次に掲げる税目を除き、原則、その金額に千円未満の端数があるとき、又はその全額が千円未満であるところは、その端数金額又はその全額を切り捨てます。
この意図ですが、税負担の公平をそこなわない限度において計算の簡素化を図ったものだと言われています。

源泉徴収税額の課税標準
 源泉徴収所得税額の場合の課税標準は、その課税標準に1円未満の端数があるとき、又はその全額1円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てます。
 但し、年税額に準ずるような@年末調整に係る源泉徴収税額を計算する場合やA退職所得に係る源泉徴収税額を計算する場合で退職所得の受給に関する申告書が提出されているときは、原則の「千円未満切り捨て」の適用になります。

附帯税の課税標準
 附帯税を計算する場合には、その金額の基礎となる本税額が1万円未満であるときは、その全額を切り捨て、1万円超え、1万円未満の端数があるときは、その端数金額を切り捨てて計算します。
 附帯税とは、国税のうち延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税を言います。

印紙税の課税標準
 印紙税については、端数計算を行いません。これは、記載金額より適用税率に区分がありますが、適用区分自体が○○円以下または○○円超えるというように定められており、課税文書の記載金額については、端数計算の必要性も実益もないからです。
 また、自動車重量税のように、○○トン以下または○○トンを超えるもの等と定められているものについても端数計算を行いません。

登録免許税の課税標準
 課税標準は、千円を超え、千円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。しかし、全額が千円未満のときは、これを千円とします。
 これは、登録免許税の性格から、いかに課税標準が小額の場合であっても、登録等に要する手数料的な負担については、これを課するよう措置したものだと言われています。




H24.12.11
賞与の社会保険料

賞与の保険料は標準賞与額で計算
 社会保険では支給の回数が年3回以下を賞与と扱いますが、毎年7月1日を基準として前1年間の回数で決められます。年4回以上支給される賞与等については「標準報酬月額」の定時決定、随時改定の際に年間賞与額の1ヶ月平均額を各月の給与に含めて標準報酬月額が決定されます。
 賞与等の保険料は千円未満の端数を切り捨てた額に保険料率を乗じて計算されます。
健康保険の標準賞与額の年540万円、(毎年4月1日から翌年3月31日まで)厚生年金保険の上限は1回当たり150万円です。保険料率は毎月の健保・介護保険・厚生年金保険料率と同率です。

賞与保険料徴収の注意点
@資格取得時と資格喪失時
 資格取得日以降に賞与が支給されれば同月でも賞与の保険料はかかります。資格喪失月に支給された賞与は保険料控除しません。資格喪失日は退職日の翌日ですから、月末が退職日で同日が支給日であった場合は控除します。月途中に資格喪失日がある時は控除しませんが年間累計の対象にはなります。

A介護保険料の控除は40歳に達した月から65歳に達した月の属する月の前月まで控除します。
40歳に達した日(誕生日の前日)の属する月に支給された時は控除します。65歳に達した月は控除しませんので同月の65歳到達前に支給されても控除無しです。

B育児休業中の保険料は育児休業中に賞与の支給があった場合は育児休業の保険料免除期間が「育児休業開始日の属する月から終了日の翌日が属する月の前月まで」となっていますので支給日が育児休業開始前であっても同月なら免除されます。終了時は終了日の翌日が支給月と同月の場合には保険料は控除します。もし保険料が免除になる場合でも年間累計には加算されます。尚、育児休業中の保険料免除を受けるには事前に「育児休業取得申出書」を提出しておいてください。
 賞与が支給された際には、「健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届」を管轄の年金事務所や健康保険組合に提出しましょう。





H24.12.10
採用前の健康情報収集

事前調査はプライバシー侵害?
 会社が労働者を雇用する際に健康情報を本人に求める事は個人情報保護の観点から見てどのような扱いになるのでしょうか?
 使用者は労働者を雇用し、労務の提供に対して賃金を払います。会社は労働力を買うのですから、健康な人材を雇いたいと思うのは普通の事であり、その事は責められるようなことではありません。会社は雇い入れに際し応募者が健康である事を前提に賃金を決めるのが通常ですから、健康であるか否かを知ることは重要な事と言えるでしょう。

業務に必要な健康情報は集めても良い
 例えば高所作業に従事してもらうのには採用前に血圧を把握しておく必要がありますし、外国出張や駐在が多い仕事ではそれに耐えうる健康状態であるか事前に知る必要があるでしょう。職安法5条4項では人を採用するに当たり業務の目的の達成に必要な範囲内で個人情報を収集できるとしています。むしろ必要な情報を得なかった為に採用後間もなく健康を害する等のトラブルが無いようにしておく方が良いと言えるでしょう。

内定前の学生に健診させて良いのか?
 会社が学生に対して内定を出す前に健康診断を受診させたり、診断結果を提出させるのは個人情報保護法違反でしょうか?
個人情報保護法の趣旨から見て、集めた情報を本人の同意無く目的外で利用する等、第三者に提供しない事が重要であり、情報を集める事自体を禁止しているものではありません。判例でも入社前健診を認めているものがあります。但し法により、「HIV」「B型・C型肝炎」「色覚異常」等については特別な事情が無い限り、健康情報は取得すべきでないとしています。

メンタル不全の病歴は採用前に聞けるか?
 一般健診だけではわからない疾病もあります。最近はうつ病等で欠勤、休職するケースも多い状況です。実は入社前に発症していたという場合もあります。面接時に尋ねにくい事項ではありますが疾病によっては業務の遂行に支障をきたす場合もあるでしょう。精神疾患の病歴は就職差別にならない配慮は必要ですが、業務の目的の達成に必要な範囲内で収集する事は可能です。口頭で聞きにくい場合は健康状態チェック表等で一定の期間を区切ってその間の健康状態を記入してもらう事も良いでしょう。





H24.12.7
自動車税と日数按分


中古車購入時の諸費用
 年度の中途、車検期間の中途での中古自動車の取得の場合、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料については、前所有者の支払分のうちの未経過部分はその効果が継続しているので、取得者本人名義での納税納付は起きません。但し、前所有者に対して、残存有効期間分を日割計算して支払うことが慣行となっています。
 リサイクル預託金には日割計算はなく、リサイクル券の売買として引き継がれます。

未経過費用・前払費用と法人税・消費税
中古車両の売買時の仕訳をしてみます。
譲渡側
現金 1114    車両運搬具 1000
未経過自動車税等   72
未経過自賠責保険料  30
前払リサイクル料  12
譲受側
車両運搬具 1000  現金 1114
未経過自動車税等 72
未経過自賠責保険料 30
前払リサイクル料 12

リサイクル料だけ特別扱いだが
固定資産税の場合と同じく、未経過の自動車税、重量税、自賠責保険料については、上記のように別建て処理していても、それらは車両本体価格の別建て表示に過ぎないと当局は解することにしています。消費税については全部課税売上・仕入扱いです。
ただ、リサイクル料金は預託金という金銭債権だから、消費税の非課税としています。金銭債権とは金銭で回収する債権のことで、従って前払金など商品やサービスの提供を受けるために支払うものはそれに該当しません。リサイクル預託金は廃車時のコストの前払金であり、一度支払ったら金銭で回収することはありません。明らかに間違った根拠による解説をしています。
そういうなら、未経過の自動車関連税・自賠責保険料の方こそ金銭債権です。廃車手続きすれば金銭還付されます。

以前は当局が精算していた
自動車税は、平成17年度以前は、県をまたいだ登録変更時には、旧登録県からは還付、新登録県には納付の手続きをしていました。行政簡素化で廃止となりました。
行政が精算すると精算金額は譲渡代金にならず、民間人同士だと譲渡代金だというのも説得力がありません。
経過利息に対する取扱いとも矛盾します。





H24.12.6
平成25年税制改正
要望にない項目

平成25年の税制改正は、現在、衆議院解散で議論がストップしている状態で、さらに政権交代の可能性もあることから、今までの議論の行方が疑問視されています。
しかし、毎年、税制改正項目の中には、各省庁や経済界、その他団体からの要望がない、通称「要望にない項目」があります。

要望にない項目とは
これら「要望にない項目」の多くは、現行税制の歪みや問題点を是正する目的で、また税制改正の効果を高めるために秘密裏に進められ、突然、政府発表の税制改正大綱に載るものもあります。その最たるものが平成16年改正の「不動産所得の損益通算廃止」です。最近では、小規模宅地(居住用)の課税の見直しや消費税の仕入税額控除の95%ルールの見直しなどがあります。
平成25年度税制改正における「要望にない項目」については、過日、政府税制調査会から20項目公表され、すでに新聞、専門誌等でその内容が報じられていますが、今一度、主な税目等についてその内容を確認したいと思います。

所得税関係
 改正項目は全部で7項です。主なものとしは、@当初居住年に再居住した場合(取得から6ヶ月を超えて再居住した場合に限る)、再居住年以後控除期間を通じてローン控除ができませんでしたがその見直し案、A国外財産調査制度との平仄から財産債務明細書に記載すべき公社債等の価額は、その年12月31日の時価を原則とする見直し案等です。

法人税関係
 改正項目は全部で5項目です。主なものとしては、現行法では中小法人以外の法人が、会社更生等により債務免除等があった場合に、債務免除益以外の所得があるときは、期限切れ欠損金の控除順序の違いにより、青色欠損金の控除限度額8割制限の効果が打ち消され、最終的な所得金額に差異が生ずることによる見直しです。

相続税・贈与税関係
 改正項目は1項目だけですが、インパクトは大です。子や孫に外国籍を取得させ、国外財産への課税を免れる相続回避事例が生じているということで、その納税義務の範囲を見直そうとする案です。
以上が主な内容ですが、項目には上がっていませんが、延滞税(還付加算金も含む)の引下げ案も議論にあります。
 要望にない項目の趣旨からいって、改正の可能性は高いです。





H24.12.5
役員への支給は注意!
渡切交際費とは

渡切交際費とは何か
 渡切交際費は、金銭を社員・役員に渡して交際費として使うが、その清算をしないという形状のものです。
 通常、会社が社員や役員に機密費、接待費、交際費、旅費等の名義で金銭を支給した場合、領収書などを添付して精算が行われ、その費用が会社の業務に必要な接待費や交際費であれば交際費等として処理されることとなりますが、渡切交際費は金額の精算をせず、任意に処分できるものですから、その金額については給与の性質を有していると考えられ、交際費等としては取扱わないということになっています。

渡切交際費=給与?
 渡切交際費は、給与として会社側は損金処理できますが、支給された側の給与所得に計上され、交際費として実際に使ったとしても、個人に所得税が課せられます。個人の所得税分も含めて、営業等のインセンティブ等として渡せば、交際費が限度額を超えるような企業の場合は、一定の節税効果があります。

役員に支給する場合は要注意
 たとえば、渡切交際費が毎月定額で役員に支給されるような場合は、「定期同額給与」となりますので、通常の役員給与に合算したうえで損金の額に算入されます。
 会社によっては接待の機会が多くなる年末年始だけに渡切交際費を支給するというようなことも考えられますが、それが役員に対して支給されるものであるならば、その金額はその支給した役員に対する臨時的な給与として取り扱われ、この場合には、その内容を事前に税務署長に届出(事前確定届出給与)していない限り、損金の額に算入することはできません。

使途秘匿金として判断される事も
渡切交際費はその使途が不明な為、使途秘匿金に該当するものを役員に対する給与として支給していると判断された場合、役員に対する給与処理は取り消され、使途秘匿金として損金不算入の上、特別課税として支出額の40%の法人税額が追徴される事となります。





H24.12.4
法人税の調査事績分析

大口・悪質・不正計算想定法人
11月8日、国税庁が平成23事務年度(7月〜6月)の法人税・法人消費税・源泉所得税の調査実績を発表しました。
この年度においては、大口・悪質な不正計算が想定される法人など調査必要度が高い法人12万9千件(前年対比103.1%)について実地調査を実施したようです。この期に調査された法人は「大口・悪質な不正計算が想定される」と見られていた法人です。心当たりがあるでしょうか。

具体的な重点項目とされた4項目法人
 具体的な調査対象選択の基準として、
@稼動無申告法人A海外取引法人B無所得申告法人C消費税還付法人が挙げられています。
@については、6,035件に対して調査を実施、408件が意図的無申告でした。
Aについては、15,247件調査し、非違件数は3,666件、不正が606件でした。例年のことながら、海外事案は効率が悪いです。
Bは、本来、黒字でありながら赤字を装って申告することにより納税を免れている法人のことで、55,353件の調査で非違件数は37,789件で、12,692件が不正、5,962件が黒字転換でした。
Cについては、8,539件の調査で非違件数は4,678件で、800件が不正でした。
 全体として、見込みを立てて調査したのに関わらず、法人税の非違があった法人は9万2千件で71.2%でした。見立てが悪いように思われます。その申告漏れ所得金額は、1兆1,749億円、追徴税額は2,175億円で、前年実績に比し低調でした。

不正発見割合の高い業種と金額の寡多
「バー・クラブ」は不正がバレ易いのか、52.6%で10年連続、近年25年間で24回1位(唯一2001年度がワースト2位)という不名誉な記録を持つワースト業種の常連です。以下、前年3位の「廃棄物処理」(33.1%)、これも常連で同2位の「パチンコ」(31.9%)、同7位の「自動車修理」(31.0%)、同4位の「土木工事」(29.5%)と続きます。
一方、1件あたりの不正脱漏所得金額が大きい業種1位は「パチンコ」、第6位「バー・クラブ」のほかは重複業種はなく、「医薬品」「水運」「鉄鋼製造」「輸入」「自動車部品製造」など大手企業を連想させる業種が並び、不正が発覚したら一件だけで巨額になりそうです。





H24.12.3
固定資産税と日数按分

不動産取引でも日数按分がある
 日数按分により負担調整をする取引の例として、不動産の売買に際しての固定資産税の負担按分があります。
次は、固定資産税に係る仕訳例です。
固定資産税支払時
固定資産税 140    現金  140
土地譲渡時
現金    10070   土地  9000
売却益  1000
         固定資産税   70
土地取得側
土地    10000   現金 10070
固定資産税  70

利子型か配当型か?
 経過利子については一般に元本と別建てで認識するのに対して、配当は配当含みで元本株式の価格として認識します。
 固定資産はどちらに近いのでしょうか。確実な按分計算が出来ると言う点で、経過利子に近いことは明らかです。上記の仕訳はそれを反映したものです。
利子型だとして、経過利子のときと同じ取扱いになっているかと言えば、当局の扱いは配当型です。未経過固定資産税は譲渡代金の一部と主張しています。

配当含み型取扱いの問題点
 年の途中で物納した場合は、申請により納期後の固定資産税は免除されます。条例による減免です。減免額は、過剰物納時の譲渡収入にはなりません。利子型です。
 1月1日だけのたった1日だけ所有した ことにより、1年間の固定資産税を負担しなければならないとしたら不合理に決っています。本来は法により当局の事務として不合理を調整すべきものです。現実は、当局は民間の自主的負担調整に委ねているところです。当事者間で固定資産税負担の調整することの趣旨は条例減免と同じです。
 最高裁判決においても、固定資産税等の不当利得返還請求権を容認しています。

ボタンの掛け違いは正すべき
 会社分割で資産負債を移転した後に、移転資産に係る固定資産税の按分負担をしたら非適格分割になってしまうのではないか、との疑問があります。固定資産税按分の慣行に従うと、他はすべて適格要件充足でも非適格になるのは不合理だからです。
賦課期日・納税義務者の規定に拘りすぎて、実質を見誤り、ボタンの掛け違いをして、余計なところに波紋を拡げています。