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H24.3.30
協会けんぽ 保険料率改定


3年連続 健保・介護保険料の引き上げ
 都道府県毎の保険料率が設定されている全国健康保険協会は平成24年度の保険料についても改定する事とし3月より(4月納入分より)変更することを発表しました。
この事により健保組合の平均保険料率とのさらなる格差の拡大に加え、平均保険料率は10%の大台に達する事となりました。
 景気の低迷による賃金の下降や高齢者医医療給付の増大により、現役世代の負担は増すばかりです。また、協会けんぽでは40歳から64歳までの方の介護保険料率が全国一律の1.55に改定されます。

雇用保険料率・労災保険料率の改定
 平成24年4月より、雇用保険料率が下がります。
・一般の事業 1000分の13.5(事業主負担8.5 労働者負担5) 
・建設の事業 1000分の16.5(事業主負担10.5 労働者負担6)
・農林水産・清酒製造の事業1000分の15.5(事業主負担9.5 労働者負担6)
また、労災保険料率も改定される事業の種類がありますし、建設業等の労務費率や一人親方の特別加入制度の保険料改定もありますので年度更新時には注意が必要です。

高額な外来診療を受けた時の一定額支払い
 健康保険の高額療養費は、これまで高額な外来診療を受けた場合、一月の支払い負担が自己負担限度額以上になった時には一旦支払いをして、あとから払い戻してもらう方法でしたが、従来の入院に加え、4月からは外来でも限度額を超える分は窓口で支払う必要が無くなります。
 70歳未満の方、又は70歳以上の非課税世帯等の方は傷病で高額な支払いがある場合には加入する健保組合等に「認定証」(限度額適用認定証)の交付申請をします。認定証の交付を受け、医療機関に提出すると外来の窓口支払いが一定額までとなりますので、一時に大きな金額の支払いをしなくともよい事になります。(上限額は各人の収入により決まっています)
認定証を提出しない時は従来通りの手続きとなります。事前申請が必要ですので協会けんぽや健康保険組合等にご確認ください。





H24.3.29
運輸事業と環境問題 
グリーン経営認証とは

 エコ意識が高まり環境保全活動が注目されている中、国土交通省では環境行動計画に基づき、運輸事業者に対し環境負荷の少ない事業運営を目指すグリーン経営の普及を進めています。

運輸事業とグリーン経営認証
 トラックやバスをはじめとする運輸事業は、経済活動において非常に大きな役割を担う一方、走行に伴う二酸化炭素の排出等大気汚染や騒音の問題は深刻な問題です。こうした問題に対し、各運輸事業者が環境保全を社会的責任としてとらえ、自主的な環境保全運動を推進し、運輸業界における環境負荷の低減につなげるために創設されたのがグリーン経営認証です。
 グリーン経営認証は、交通エコロジー・モビリティ財団と国土交通省が作成したグリーン経営推進マニュアルに基づき、一定のレベル以上の取組みを行っている事業者に対して審査の上認証・登録を行う制度です。平成15年からトラック運送事業を皮切りに、平成16年にはバス・タクシー事業者、平成17年には旅客船・内航海運・港湾運送・倉庫事業向け制度と、段階的な導入が行われ、平成23年12月までに全事業で合計3,617の事業者が認証されています。

ISO14001認証制度との違い
 同様の環境対策制度としてISO14001が挙げられますが、これは環境改善を図るための体制や書類の整備といったマネジメントシステムの適合性を審査するものであり、グリーン経営認証制度は環境改善の取組結果を審査するものです。また、ISO14001に比べ認証予算が少額であり、中小企業でも取得しやすいのが特徴です。

認証制度発足から8年
 今年2012年、地球温暖化対策を定めた京都議定書の第1約束期間が終了します。これに伴い、昨年11月28日から12月11日まで南アフリカのダーバンで国連気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)が開催されましたが、その結果、2013年以降日本は温室効果ガスの法的削減義務から逃れ、自主的努力をすることとされました。京都議定書の目標達成計画においては、運輸事業のグリーン経営普及を促進する旨宣言されており、京都議定書の終了がグリーン経営認証の普及意識に何らかの影響がある可能性も考えられますが、一般の方の車選びの基準としても「エコカー」「低燃費」の合言葉がこれほどまで定着した今、やはり事業者として環境対策へ取り組む姿勢は、今後も怠ることのできない課題であることは間違いありません。






H24.3.28
賃金のメリハリと安定性

 “賃金のメリハリ”とは、よく働き、業績を上げ、今後も期待できる社員に高い賃金を支払う一方、あまり業績に貢献しなかった社員・今後の期待度が低い社員は昇給を減らし、賞与支給額を少なくするなど、両者に明確な賃金の差をつけることを言います。
 これに対して“賃金の安定性”とは賃金のメリハリをつけ過ぎると、能力・業績が高い従業員は納得する一方、多くの従業員にとっては生活に必要な賃金が保障されなくなり、モラール低下につながってしまいますから、一定の基準で生活の安定につながる賃金額を支給することを言います。

メリハリと安定性を持つ賃金体系
 このような賃金体系は、例えば次のような考え方で設計します。
1.賃金を「業績・能力反映部分」と「生活保障部分」で構成し、賃金原資を配分する。
2.「業績・能力反映部分」は実績評価から役割等級・資格等級などで今後の期待度を決定し、それに応じた賃金とする。
3.「生活保障部分」は生活安定の視点から年齢に応じた標準的な生計費で賃金額を決定する。
4.「業績・能力反映部分」は上位等級ほど賃金に占める割合を高くする一方、「生活保障部分」は、役割等級などとは無関係に年齢に応じて設定する。
 なお、「業績・能力反映部分」の賃金体系設計方法は企業によって多様ですが、「生活保障部分」の設計方法としては、人事院の標準生計費がよく用いられ、50歳付近で頭打ちにしています。
 また、管理者・上位専門職など上位等級の社員は賃金に占める「生活保障部分」が「業績・能力反映部分」に比較して少なくなり、実質的な意味が低まること、本来「業績」が重視される層であることから、「生活保障部分」を設定しない場合が多いと言えましょう。

経営者の留意点
 賃金制度にメリハリをつけることで、社員により高い業績貢献(標準を超える業績貢献)を求めることが最重要であり、「業績・能力反映部分」の適用に創意工夫をこらすことが必要です。「生活保障部分」は、業績下位の社員も含めたトータルモラールを維持する手段として位置付けましょう。






H24.3.27
相続税 基礎控除等の変遷

 平成24年度の税制改正においても、基礎控除を4割圧縮(基礎控除5,000万円から3,000万円、法定相続人1人当たり1,000万円から600万円)するとともに最高税率を引き上げるという相続税の増税案は見送られました。結果、「社会保障と税の一体改革」では、平成27年1月1日からの実施を目指すとなっています。
 この増税案の根拠ですが、富の再分配、格差是正といった大義もありますが、1つには、バブル崩壊後の地価下落が止まらず相続財産の価額が相対的に小さくなったことも根拠であると言われています。

地価公示価格の推移
 財務省の資料によると、3大都市圏の商業地の公示地価は、昭和58年の価格水準を100とした場合、バブル真っ只中の平成元年には230.3、最盛期の平成3年には336.8まで跳ね上がっていますが、平成22年には79.2まで下落しています。

基礎控除の推移
 一方、相続税の基礎控除ですが、昭和50年に改正され、基礎控除額2,000万円、法定相続人1人当たり400万円となりました。この数値は、バブル初期の昭和62年まで続きました。
 昭和63年の改正では、基礎控除4,000万円、法定相続人1人当たり800万円に引上げられ、さらに、地価高騰を追いかけるように、平成4年には基礎控除4,800万円、法定相続人1人当たり950万円までに引上げられ、そして、平成6年には、現行の基礎控除5,000万円、法定相続人1人当たり1,000万円に改正されました。

税率適用区分と税率構造
 平成4年の改正では、相続税の税率適用区分の幅が1.8倍程度拡大され、平成6年には、税率適用区分の幅の拡大のみならず税率の刻みも13段階から9段階に削減される改正が行われました。そして、平成15年改正で税率の刻みを6段階に、最高税率50%に引き下げられ、現在に至っています。

財務省の思惑
 財務省としては、基礎控除の水準について、物価・地価水準が現在と同等であった時期、概ね昭和50年代半ばに適用されていた水準と同等になるよう、あるべき水準に再設定したい、との思惑があるのでしょう。
 近年、亡くなれた人の内、相続税の課税対象になる人は4%に過ぎないと言われていますが、それでも25人に1人が相続税の課税対象になっています。






H24.3.26
バフェット&ロムニー


算数の復習
@A×15%+B×35%=$6,938,744
A(A+B)×17.4%=$6,938,744
 この@Aの連立方程式を解くと、
A=$35,092,498(88%)
B=$ 4,785,340(12%)、となります。
BA×15%+B×35%
 =$21,660,000×15.4%
CA+B=$21,660,000
 このBCの連立方程式を解くと、
A=$21,226,800(98%)
B=$  433,200( 2%)、となります。

何の応用問題だったか
 @Aはアメリカの著名な投資家バフェット氏の連邦所得税は、693万8744ドルで、実効税率が17.4%なので、氏の投資家所得とその他の所得の額と割合を求めよ、です。
 BCは、共和党大統領候補として名乗り上げているロムニー氏の、2010年の夫妻による収入が2166万ドルで、実効税率は15.4%であるので、夫妻の投資家所得とその他の所得の額と割合を求めよ、です。
 アメリカでは、配当や譲渡益などの投資家所得は税率15%で、共に投資家所得以外がアメリカ連邦所得税の最高税率の35%に該当するものとし、他に控除すべきものがないとして計算すると、という前提での設問です。

欧米で盛んな富裕税論議
 この実例のように、巨額の金融所得を得ている人の税負担が少なすぎることからか、欧米の富裕層が自ら富裕層課税強化の発言をしており、スペインは保有資産に課税する富裕税、フランス・イタリア・ポルトガルは富裕層への所得税付加税を課すことにしています。アメリカでも、オバマ大統領が、バフェットルールを適用して年収100万ドル超の富裕層に増税する、と一般教書演説を行いました。

日本の場合で考えると
 日本の場合の投資家所得は上場株式については7%の分離課税税率で、所得税の総合課税の最高税率は40%(外、震災付加税2.1%)なので、税負担の所得逆進性はアメリカよりも激しい、と言えます。
 いま、増税論議が盛んになっており、高所得者への課税強化が推し進められていますが、税構造が生み出している歪みこそ先に解消すべきです。二元的所得税論が一世を風靡していましたが、そろそろ転換点に来ているのかもしれません。






H24.3.23
永住者」とは


在留資格「永住者」とは
 外国人は、日本での活動内容に合わせた在留資格(全27種類)が交付されることで、日本に滞在することができます。この在留資格には、日本に滞在することができる有効期間が定められており、期間を満了した場合は本国へ帰国するか、更新の手続きを取る必要があります。しかし、「永住者」と呼ばれる在留資格には、他の在留資格のように期間の制限がなく、更新をする必要がありません。また、一般的な在留資格の場合、その在留資格によって就労条件等活動内容が制限されますが、永住者にはこうした活動に特段の制限がないため、他の在留資格に比べ日本での生活が非常に自由になります。

「帰化」との違い
 「帰化」とは、外国人の方が国籍を離脱して日本国籍を取得することで日本人になることを言い、在留資格には当たりません。一方、「永住者」は、外国人の方が国籍はそのままで日本に永久に住める在留資格であり、この日本人になるかならないかという点が帰化と永住許可の大きな違いです。
 帰化も永住も、活動の制限に違いはありませんので、どちらも就労についての制限はありませんが、永住者は日本人ではないため、公務員などの日本国籍を有する者にしかなれない職業に就くことはできません。また、外国人登録や日本から一時的に国外へ行く場合には再入国の手続きも必要です。再入国の手続きを行わなかった場合や、出国後に再入国の期限が過ぎた場合は、永住許可が取り消されてしまいますので、永住者であっても諸手続きには十分な注意が必要です。

近年の動向
 先にも述べたように、永住者はあくまで日本に永住する外国人であって日本人ではありませんので、参政権はありません。生活保護に関しては、各自治体で生活保護法の適用の有無を判断しており、生活保護を受けている永住者も多く存在しますが、法的権利という形では保障されていません。しかし、昨年11月15日には福岡高等裁判所で、大分市が永住資格を持つ中国籍女性の生活保護申請を却下した事案について、「永住資格を持つ外国人は日本人と同様の待遇を受ける地位が法的に保護されている」と市の却下処分を取消す判決を下しており、今後永住者を取り巻く制度の動向に注目が集まります。






H24.3.22
資産課税重税路線への布石


韓国のみなし相続財産
 東京税理士界のホームページには韓国の税制を紹介しているページがあり、そこを見ると、韓国にも日本と似たような相続税の制度があることが、わかります。
 ただし、みなし相続財産のところが特異です。相続開始前1年以内に2億ウォン以上、相続開始前2年以内に5億ウォン以上を処分(債務を負担した場合を含む)した財産がある場合で、その使途が説明できない状況にあったら、その使途不明財産は、相続財産とみなされます。

国税庁もねらっている
 平成24年度税制改正大綱の取りまとめの際に、国税庁が相続税版の使途不明金課税案を具申していたとの報道がありました。
相続開始前の一定期間内に、被相続人の財産を換金したり、被相続人が債務を負担したりして、使途が不明な資金が一定額以上になる場合には、使途不明金を相続人が相続したと推定し、課税価格に算入する、という案のようです。
韓国相続税制のまったくの引き写しです。従来は、あるべきはずの相続財産がなぜ存在しないのかの最終立証責任は課税サイドにあったわけですから、立証義務を納税者側に転嫁することが目的です。

もう一つの布石も打たれている
 今年の改正予定には、年末時点で国外財産の総額が5000万円を超える者に提出義務を課した国外財産調書制度の創設があります。不提出には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されるものです。
 そして、国外財産調書制度創設は、すでに存在している財産債務明細書の改編で、一方を国内版とし他方を国外版とする趣旨による改正です。所得2000万円以上の人に提出が義務付けられている財産債務明細書については、不提出や虚偽記載に対するペナルティーはありませんでしたが、国外版が重い租税刑法で縛られるのに対し国内版もルーズなままではいられないのではないかと危惧されるところです。

税制抜本改革で一網打尽か
 流れをみていると、平成23年度の税制改正大綱で実現できなかった相続税の増税を、平成27年から行うこと予定している税制抜本改革の中に、この使途不明みなし相続財産制や、財産債務明細書の実効性確保のための制度改正などを一気に盛り込もうとしているのではないか、と穿った予測をしたくなってしまいます。






H24.3.21
パート労働者の実態調査結果



パート労働者は全労働者の27%を占める
 パートタイマーとは名称に関わらず週の所定労働時間が正社員より短い労働者を言いますが、このほど厚生労働省が発表した「平成23年パートタイム労働者総合実態調査」によると、昨年6月1日現在、労働者に占めるパートタイマーの割合は27.0%と5年前の前回調査より1.3ポイント上昇した事がわかりました。調査は労働者5人以上の9,769事業所を対象に行われました。

パートの就業状況
 業種別にみると「宿泊等、飲食サービス等」では57.9%「小売、卸売業等」では43.3%「生活関連サービス、娯楽業」41.3%「教育、学習支援業」では37.0%でパートを使う割合が高くなっています。
 パートを雇用している事業所割合は66.1%で前回調査より5.1ポイント上昇しており、雇用理由は「人件費の割安さ」48.6%「仕事内容が容易」36.5%「繁忙時間帯の処理」35.4%となっています。

雇用管理状況は
 雇用期間は期間の定めのある事業所の割合は51.4%で「1年」58.4%「6ヶ月」26.6%で更新方法は「個々の労働者ごとに更新を判断」64.6%「自動更新」26.9%です。
 パートに対する手当は「通勤手当」を支給する事業所は65.1%でもっとも多く、「更衣室や休憩室の利用」は6割程度、慶弔休暇も42.2%となっています。
 又、採用時における労働条件通知書の特定事項(賞与、昇給、退職金の有無)を明示している事業所は60.3%でした。

パートの厚生年金、健康保険適用拡大動向
 実態調査からは離れますが、現在政府が検討しているパートの社会保険適用拡大については3月に国会に法案提出を目指しています。
 加入基準を現行の週の労働時間30時間以上から20時間以上に緩め、最終的に370万人のパートを加入させようとしています。
現在の案は第一弾として従業員300人以下の中小企業を除外、年収80万円以上を対象にする案を検討しています。全事業所が対象になると企業負担は1500億円から2000億円規模になると試算されています。パート雇用率は上がってきましたが、今後保険料負担が増える事になると雇用に影響が及ぶものと思われます。







H24.3.19
所得税の確定申告 誤りを発見したとき!


 確定申告も終わりホッと一息です。終了した申告の関連資料を整理している過程で誤り(税金を過少又は過大)を発見することもままあります。

修正申告のケース
 例えば、生命保険の満期保険金の受取(掛金を上回る金額+50万円)をうっかり失念していたり、また、医療費控除の適用を受ける際に、入院給付金や高額医療費などの補てん金があるにもかかわらずその控除をしていなかったり、結果、税額を過少に申告していることがあります。
 こういった場合には、正しい所得金額を再計算し、正しい税額を求め、当初申告との増差額を納める必要があります。この手続のことを修正申告と言います。
 修正申告によって新たに納付する税額については、原則、法定申告期限(3月15日)の翌日から年4.3%の延滞税がかかります。また、修正申告書提出日の翌日から2ヶ月経過してもなお納付がない場合、2ヶ月経過した以後の期間は年14.6%と高い税率となっています。
 なお、この修正申告ですが、原則、増加税額の10%、増加税額が当初申告税額または50万円のいずれか多い金額を超えるときは、その超える部分には15%相当額の過少申告加算税がかかりますが、自主的に修正申告すればこの過少申告加算税はかかりません。

更正の請求のケース
 逆に、障害者控除や扶養控除、さらには寡婦(夫)控除の適用を失念していた場合や各種所得金額の計算において必要経費を漏らしてしまった場合などは、税金が過大納付となっています。この税金の過大納付を是正し、還付してもらう手続きが更正の請求です。
 更正の請求ですが、平成23年度の税制改正で、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来するものについては、更正の請求できる期間が法定申告期限から5年(改正前:1年)に延長されました。これにより、平成23年分の確定申告における更正の請求は、平成29年3月15日まですることができることになりました。
 なお、この更正の請求の期間延長にともなって、修正申告や修正申告に応じない場合の税金の増額更正(税務署長の職権による税金の是正)も5年(改正前:3年)に延長されました。






H24.3.16
自己都合退職でも給付制限なし


自己都合退職は原則給付制限あり
 雇用保険の失業給付を受ける時には、離職理由で給付日数が異なりますが、離職理由は大きく分けると1.在籍出向や取締役への就任等の離職以外の理由と2.自己都合退職3.事業主の都合による解雇等に分けられます。自ら退職を申し出た場合は自己都合扱いですが、失業給付を受ける際には給付制限がかかります。給付制限とは職安に求職の申し込みを行った日から失業状態が通算して7日間(待期)経過後3か月経過後に給付が支給となるものです。

正当な理由のある自己都合退職者
 しかし、自ら離職を申し出た場合でもそこに正当な理由がある場合には給付制限がかからない場合があります。「特定理由離職者」と言い、大きく2つに区分されます。
@期間の定めのある労働契約の更新期間が満了し、本人が更新を希望したが労使の合意に至らず離職
A正当な理由のある自己都合による離職
この場合の正当な理由とは次の等な場合で、確認の資料添付が必要です。
ア、体力の不足、心身の障害、疾病等でその人の就いている業務を続けられない時
イ、妊娠、出産、育児等で雇用保険の受給期間延長措置を受けた人
ウ、父母や親族の疾病等で看護、介護で概ね30日以上要する場合
エ、配偶者や扶養親族と別居生活を続ける事が困難となった場合
オ、通勤不可能(概ね往復4時間以上)となった場合 結婚による住所変更、育児の為の保育施設利用、事業所の移転、転勤等による夫婦別居等 通勤不可能となった場合

特定理由離職者の給付日数は
 前記のような場合は正当な理由のある離職者として給付制限はかからないのですが所定給付日数が増えるとは限りません。
 特定理由離職者の所定給付日数が増えるのは暫定措置である平成21年3月31日から24年3月31日までの間に離職した、正当な理由による離職者で被保険者期間が12ヶ月以上(離職以前2年間)無い時には自己都合退職の時の給付日数でなく、会社都合退職者と同じ給付日数が給付されることとなっています。





H24.3.15
人事考課とは

 「人事考課」は企業で一般的に活用されていますが、その目的・対象・方法などについて、経営者・管理者・社員が的確に理解し合っていないと、人事賃金制度の運用や社員の仕事をマネジメントする上で重大な誤解・曲解を生み出し、経営上の障害になりかねません。

人事考課で起り易い誤解
 「人事考課」で最も起こりやすい誤解は「評価の対象」に関することです。
それは「“人”が“人の人格や全能力”を正しく評価できるわけがない」と言う見方によるもので、人事考課の対象を“人”としていることから起こる誤解です。
「人事考課の対象は、人が行った仕事、すなわち仕事のプロセスで発揮した能力やその結果生み出された業績、仕事の仕方に現れた意欲など、事実としてとらえ得る事柄」であり、性格・気質・人生観など、仕事に於ける能力発揮の背景として重要であっても、直接観察することができない事柄は対象としません。また学歴・資格などは持っていても、具体的な仕事のプロセスや業績として現われない限り、評価の対象としません。

人事考課の二つの目的と留意点
「人事考課」を活用する目的は次の二つです。
1. 賃金を公正・納得性を持って適用するための根拠として、業績・発揮能力・意欲などを評価・格付けする。
2. 発揮能力を的確にとらえて、不足している能力を開発したり、より向上させるべき能力を発見して伸ばす。
 この目的と評価の対象を考え併せると、次の点に留意して制度を設計し、運用することが重要であり、考課者・被考課者の双方にとって、公正性・納得性のある考課を行い、その結果と根拠の説明において曖昧性をなくすことが求められます。そのため、
@考課者(経営者・管理者)は、仕事の遂行過程で起こった発揮能力や意欲、その結果としての業績の事実を的確にとらえ、考課の材料とすること
A考課者は考課の結果やその理由、事実をもとに被考課者へ説明(フィードバック)し納得を得ること
を重視すべきです。





H24.3.14
振込め詐欺にも税の配慮を


振り込め詐欺ではじめての税務係争
 平成20年中に、いわゆる振り込め詐欺の被害に遭い、だまし取られた金額分の損失が雑損控除の対象になるとして、税務署と国税不服審判所で争った人がいました。
長男と名乗る氏名不詳者から、電話で「勤務先の金を流用したので、穴埋めするための金が必要である」旨のウソを告げられ、電話の相手方が長男本人であり、金を必要としているものと誤信し、郵便局から、電話の相手方が指定した銀行口座に240万円を振込送金し、さらに、翌日と1週間後にも電話でのウソに乗じて260万円及び320万円、合計820万円を振込送金し、その後にだまし取られたことに気付き、警察署に被害届を提出した、と言う事例です。

税務署の主張と審判所の裁決
 「災害」による損失には、本人の意思に基づく行為に依るものは該当せず、「盗難」とは、占有者の意に反する第三者による財物の占有の移転をいうのであり、「横領」とは、財物の委託者と受託者との間に信任関係があることが前提で、振り込め詐欺犯との間にそれがないから、本件が雑損控除の対象となる災害・盗難・横領のどれにも当たらない、と税務署側が主張し、かつまた審判所も同じ判断をしました。

納税者はどう言っていたか
@振り込め詐欺は、病んだ現代社会が生み出した「人為による異常な災害」であり、国税庁 が雑損控除の対象であるとした耐震強度偽装事件が建物販売会社の詐欺行為(販売)に基 因していることと共通面があり、これと同じく取り扱ってもおかしくはない。
A長男に渡すつもりで振り込んだ金銭について、それだけで所有権の移転がないとすれば、 たまたまそれを管理している者が横取りしたのであるから、「横領」に当たる。
B振り込んだ金銭について、本人の意に反してただちに所有権の移転があるとするなら、そ れは「盗難」に当たる。

審判所は十分な吟味をしているか
 裁決書を読む限りでは、結論先にありきで、納税者の主張への十分な吟味をしているようには見受けられません。
 社会安寧の確保が国家の義務であるとしたら、新しい犯罪により高齢年金者が狙われることに対し、配慮がもっとあってもよいのではないでしょうか。





H24.3.13
「もったいない」で需要拡大 リサイクルビジネス

MOTTAINAIの浸透と環境ビジネス
 2004年に環境分野で初のノーベル平和賞を受賞したケニア人女性ワンガリ・マータイ氏が、2005年に来日した際「もったいない」という日本語に非常に感銘を受けたことから、この美しい日本語を環境を守る世界共通語「MOTTAINAI」として広めることを提唱しました。提唱から6年以上の月日が経ちましたが、ここ数年の不景気による所得減、さらには昨年の東日本大震災がきっかけとなり、今再び「もったいない」の精神が浸透を見せています。

リサイクル業界の拡大
 こうした人々の関心や社会的な動向も追い風となり、現在リサイクル業界の国内市場規模は約1兆円とも言われています。個人でも開業しやすい点、また比較的少資金で独立できるということから、起業分野としても注目されており、今後ますますの業界拡大が見込まれます。

リサイクルビジネスと古物商
 一般的なリサイクルビジネスでは、他人が不要となったもの(=古物)を引き取り販売することになりますので、ビジネスを始めるためには営業所を管轄する都道府県の公安委員会(窓口は警察署)へ古物商許可申請をし、営業許可を取る必要があります。店頭で販売する場合だけでなく、インターネットオークションを利用して販売する場合も、事実上業として行っているのであれば同様の許可を申請する必要があります。申請から許可又は不許可の通知が来るまでには1か月〜2か月程の時間がかかり、許可が下りるまでは営業はもちろん買い受けや仕入れを行うこともできませんので注意が必要です。

許可取得後も注意が必要
 許可を取得し、無事営業が開始した後も注意が必要です。古物商の営業許可は、許可を定期的に更新する必要はありませんが、許可者の氏名や住所、あるいは法人の代表者の氏名や住所など、許可の内容に変更が生じた場合には、変更があった日から14日以内(登記事項証明書を添付しなければならない変更の場合は20日以内)に書換申請・変更届出を行わなくてはなりません。各都道府県により若干取り扱いは異なりますが、指定された日数内に届出をしなかった場合は、遅延理由書の提出が求められます。また、遅延が度重なると、事業所への立ち入り検査や営業許可の取り消しにつながる場合もあります。





H24.3.12
次なる巨額還付加算金

武富士事件の場合
 武富士最高裁判決で、国側逆転敗訴の結果、加算税、延滞税を含め1,585億円納付していたものに、約400億円の還付加算金を付して、約2,000億円が還付されました。
 還付加算金は国税側からの利子に相当するもので、4%余の利率で計算されることになっており、納税者側の早期納付の場合の軽減ペナルティーとしての利率と同じもので、納税者にも国税側にも、適正申告納付・適正課税執行を促すものとして制度化されているものです。

巨額な申告否認には即納付の納税者
 税務否認を受けると、延滞税が大きくなることを回避するため、納税者としては速やかな納税をしておくことが通例で、その結果、東京都銀行税事件、旺文社事件、ガイダント事件など税額が巨額な国側敗訴の事例で、それぞれ巨額な還付加算金が発生しています。
 次の巨額還付加算金発生が予測されるのは、武田薬品の移転価格を巡る係争です。
武田薬品のホームページでのニュースリリースによると、更正処分を受けた所得金額は1,223億円、地方税を含めた追徴税額は571億円です。

武田薬品移転価格更正処分事件
 武田薬品からアメリカの同社子会社への製品供給価格が低すぎるとして、大阪国税局が2006年6月28日に更正処分をしたことに対し、異議申し立てをするとともに、日米二重課税の解消を目的として、国税庁に対し、米国との相互協議申し立てもしていたところでした。
 2011年11月04日の武田薬品のニュースリリースで、国税庁より米国との相互協議が合意に至らず終了した旨の通知がこの日にあったと報じられました。

国内係争の再開
 相互協議決裂の結果、一旦中断していた国税局への異議申し立て手続きが再開しているので、遠からず異議決定が出ると予想されます。アメリカ政府を説得できないまま、国内法人への二重課税を強行することは考えられません。
 納付から、すでに5年半経過しているので、武富士事件の3分の1程度の規模ながら、約150億円の還付加算金の発生となる可能性は大きいと言えます。





H24.3.9
ねんきんネットの登録と活用

「ねんきんネット」サービスとは
 日本年金機構が2011年2月より始めたインターネットによりいつでも個人の最新の年金記録を確認することが出来るものです。
利用できるのは「年金の記録照会」「私の履歴整理表作成」です。これに加えて同年10月から「年金見込額試算」「国民年金死亡記録検索」の機能が追加されました。

利用登録と認証
 ねんきんネットの利用には登録が必要ですが登録方法は2つあり、アクセスキー(年金定期便に記載してあり有効期限の3ヶ月以内に登録)を使用する方法とユーザーIDを申し込み方法があります。
 登録手順は基礎年金番号とメールアドレスを用意し、年金機構のホームページからねんきんネットのページを開き、初めて登録から入ります。アクセスキーを使わない時はIDの申し込みをすると5日位で郵送されてきますので登録時に設定したパスワードを入力し認証され利用開始ができます。

サービスの利用内容
 ねんきんネット画面は月に一度年金加入記録が更新されますが年金試算額は誕生月に更新されます。
年金記録照会では ア.各月の年金記録の内容 イ.加入期間の情報 ウ.年金額試算 の情報が記載されていて月別の納付状況がわかり注意を要する月(未納、未加入他)は赤や茶色で表示されています。注意の内容を詳しく見る事も出来ます。
 加入期間については付加保険料や厚年基金、共済組合加入で機構では把握していない期間等は表示されていません。
 試算額については50歳未満の方は更新日時の加入実績、50歳以上の方は60歳まで加入したと仮定した額が表示されます。

新しいネットサービスの追加
 2011年10月より、新機能が追加され、さらに年金情報が得やすくなりました。
 年金をもらいながら働き続けた時の在職中の年金停止額、繰り上げ繰り下げ支給を受けた時の試算が出たり、年齢別の給与等を含めた見込額をグラフで確認できたり、複数条件による試算もできます。
 今までは過去の加入記録を確認することが中心でしたが新機能ではこれから先の諸条件での違いによる見込額を知ることが可能になってきました。





H24.3.8
厚生年金基金のAIJ事件


年金消失 預けた資金はどこへ?
 運用を委託した企業年金資産約2000億円の大半が消失していたAIJ投資顧問会社の問題が大きく報じられています。老後の支えとなる年金が目減りしてしまうかもしれないという事態に波紋が広がっています。
 厚生年金基金の年金資産は公的年金に上乗せする積立金です。厚生年金基金は中小企業の同業種の企業が集まって作っている「総合型」基金が全体の7割強を占めています。積立額の不足が発生すると母体企業は年金給付に必要な不足分を穴埋めしなければなりませんが総合型は経営体力が乏しい為問題解決が容易ではありません。将来給付の減額や保険料の値上げ等が起こるかもしれません。

高い保証利回りが重荷に
 AIJが高利回りをうたっていたのは基金から預かったお金を租税回避地(本国の監視の目が届かない為税金が非常に安い地域、タックスヘイブン)のファンドに投資していたからだと言います。運用の失敗か流用か監視委も実態把握が難しいようです。
そもそも厚生年金基金が高い収益のありそうなところに資金を預けたのは基金の年利は5.5%で運用する事となっているからです。今の経済状況では5.5%で運用するところが無いのです。いまだに高度経済成長期の利率で給付すれば高齢化が進む中、積み立て不足が増えるのは当然です。現在の利率は高い為、AIJに預けていた基金だけの問題ではないと言えるでしょう。

AIJの委託契約基金は中小企業が9割
 中小企業がコツコツと積み立てをしてきた年金資金が消失した事態はこれからの年金受給者の生活にも影響が及びそうです。AIJに委託していた基金は94基金で9割が中小企業の集まっている総合型基金です。
 資金力のある大企業等の単独型基金は厚生年金の代行返上で積立不足を補い、基金を解散して、利率を下げた上で確定給付企業年金や確定拠出年金に移行しています。以前は1900もあった厚生年金基金は現在595基金となっています。積立不足があると厚生年金資金を切り離す事もできず財政難の基金は高利回りの投資に走りやすくなってしまうという悪循環があります。
 自社が基金に加入している時は年1回以上、「企業年金便り」等で積立金の状況を開示していますので確認してみるのが良いでしょう。






H24.3.7
一般労働者派遣と特定労働者派遣

二つの派遣事業
 労働者派遣事業には一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業の二種類があります。
 一般労働者派遣事業とは、いわゆる登録型の派遣であり、予め登録された求職者に、派遣先が見つかった場合、その期間労働契約を締結して派遣する形態です。労働者の確実な雇用保障がないため、事業者に対し厳しい要件が課せられており、事業を行うには厚生労働大臣による許可を得なければなりません。これに対し特定労働者派遣事業は、自社の正社員だけを派遣する形態です。一般派遣と比較し雇用が安定していますので、事業を行うには届出をすることで足ります。

一般労働者派遣事業の注意点
@派遣元の注意点
 一般労働者派遣事業は、スタッフの派遣先が決まった場合に派遣元と派遣社員とで雇用契約を結び、労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法については原則的に派遣元が責任を負います。しかし、実際の業務では指揮命令をするのが派遣先になりますので、派遣元と派遣先との間で責任があいまいになりトラブルが生じることも多くあります。こうした事態を避けるためにも、派遣先は就業規則の整備や派遣先・派遣社員との綿密な情報確認が必要です。
A派遣先の注意点
 派遣先は、派遣社員が派遣元と締結している雇用契約の内容を超えて就業させることはできません。また、労働関係法については原則派遣元が責任を負うと述べましたが、派遣先の安全配慮に落ち度があれば、派遣先が責任を負うこともあります。

特定労働者派遣事業の注意点
@派遣元の注意点
 特定労働者派遣事業の場合、派遣期間が年単位になることも多く、派遣終了後自社に戻る場所がない、あるいは戻っても社員のモチベーションが下がってしまったという例もあります。派遣元としては、派遣期間の終了と同時に次の派遣先を用意しておく、研修期間を設けスキルアップに繋げる、また関与が少なくなる派遣期間中には自社に対する帰属意識をしっかりと持たせるなど、社員に対する配慮が重要な課題です。
A派遣先の注意点
 一般労働者派遣同様の注意点の他、派遣社員が派遣元の正社員ということもあり、派遣先との関係からトラブル発生時に社員がクレームを表に出しにくいという一面もあります。積極的にコミュニケーションを取るなどして、メンタルケアにも努めたいところです。





H24.3.6
総額主義というテクニック

何度でも更正処分ができるが
 法律の建前では、何度でも更正の請求や更正処分ができることになっています。但し、期間制限の範囲内ということなので、従来は、更正の請求期限が1年と短期だったことから、何度もの更正の請求はありえなかったし、それに対応する更正処分が何度も行われるということは滅多にないことでした。
 ただし、昨年12月の法改正で、その期間が最低5年に延びたので、建前だけでなく、何度もの更正の請求や更正処分が現実味を帯びるようになってきました。

更正処分の効果と判決の効果
 税務署長の更正処分は、過去の申告や更正・決定を白紙にもどした上で、あらためて税額を全体として確定しなおす行為である、と言われており、これを“総額主義”の効果といい、そして、新たな更正処分がなされると、過去の申告や更正・決定の効力はそこまでで消滅し、新たな更正処分のみが法律効果を持つ事になり、これを“吸収説”の効果といいます。
 ところで、税務訴訟での判決も、同じように、総額主義的に税額全体を確定し直し、吸収説的に過去の申告・更正・決定の効果を消滅させる効果をもちます。ただし、判決が確定すると、期間制限内ではあっても、それ以上の更正の請求や更正処分ができなくなり、最終的な確定となります。
 ちなみに、不服申立てでの異議決定や裁決は税務当局を拘束する効果はあるのですが、判決とは異なり、再更正処分を強制する効果に過ぎず、別な事案であれば、再々更正処分が可能で、最終的な確定とはなりません。

アンタッチャブルにする効果
 「最終的な確定」すなわち、それ以上の更正処分が有り得なくなる、という法的効果を得るためには、税務訴訟にして確定させればよいわけです。
 申告内容に、当局と大きく揉めそうな問題点(例えば移転価格税制など)を含んでいるとした場合、小さな問題で更正の請求をして、減額更正しない処分を出させて、不服申立てをすることになれば、訴訟の勝ち負けに拘わらず、訴訟が終わったところで、最終確定となり、揉めそうな問題点が当局にとっていつの間にかアンタッチャブルとなってしまいます。
 期間制限の延長効果と総額主義の法的効果が交錯するところには、税務行政を翻弄させる新しいテクニックが生まれそうです。





H24.3.5
法改正で利用促進なるか
認定NPO法人制度


 昨年6月、NPO法と寄付税制が大きく改正されたことで、今年4月1日から認定NPO法人にかかる制度が変化します。

認定NPO法人制度とは?
 認定NPO法人制度は、NPO法人への寄附を促すことにより、NPO法人の活動を支援するために設けられている税制上の措置です。一定の要件を満たし認定NPO法人に認められると、通常のNPO法人と違い、認定NPO法人に対して寄附すると、寄附をする人の税負担が軽減されるようになっており、通常のNPO法人よりも寄付を受けやすい環境になります。

これまでの認定制度
 NPO法人の活動支援を目的とした認定制度でしたが、認定を受けるためには運営組織や経理、事業活動の内容が適正であるかなど、様々なハードルがありました。中でも高いハードルだったのが、PST(=パブリック・サポート・テスト)と呼ばれるもので、認定にはそのNPO法人が広く一般から支持されているかどうかを判断する基準を満たしている必要がありました。この判断は、「寄付が多い団体ほど支持率が高い」と前提し、収入のうちに寄付の占める割合で計算されていたため、税制優遇を受けることで寄付を集めやすくするための認定制度であるにもかかわらず、多額の寄付を集めた実績がないと認定を受けられないという問題もあり、これまで全国のNPO法人の内認定NPO法人は約0.5%と、制度の利用が進みませんでした。

PST要件緩和と仮認定制度の導入
 こうした問題点を踏まえ、認定制度による寄付の促進をより積極的に実施するため、今年4月1日から次のような免除、緩和措置がなされることになりました。

@絶対値基準の導入
 PSTはこれまで収入に対する割合計算でしたが、これに加え「年3,000円以上の寄付者数が年平均100人以上」という絶対値での判定が選択できるようになり、具体的にいくら寄付金を集めたらよいのかが明確になりました。

A仮認定制度の導入
 そうはいっても、設立から年数の浅い法人にとっては、寄付を集めることそれ自体が難しいという問題もあります。そこで、寄付がほとんどない法人にも先に仮認定を与え、仮認定取得期間中に寄付を集めれば本認定に移行できるという仮認定制度が導入されました。





H24.3.2
受動喫煙防止対策助成金の創設

受動喫煙防止の拡大をはかる
 愛煙家にとって、最近は公共の場では喫煙の場所が狭まり、タバコを吸いにくい状況になってきていますが職場においての喫煙も厚労省が平成4年から快適職場形成を進めていて分煙する企業も増えてきました。
 平成23年9月には飲食店やホテル、旅館等の顧客が喫煙できる事をサービスに含めて提供している場所についても禁煙や分煙が難しい場合には当分の間、換気などの措置を採ることが適当と言う対策が示されています。

受動喫煙防止対策工事にかかる助成金
 この助成金は客が喫煙できる事をサービスに含めて提供している旅館、ホテル、飲食店を営む中小企業事業主に対し、喫煙室の設置等の対策工事にかかる費用を助成するもので労災保険法の事業の一環で平成23年10月に創設されました。

支給要件の概要
@労災保険の適用事業主である事
A飲食店、喫茶店、旅館等を経営する事業主である事
B防止対策を記載した計画書を作成し、これを都道府県労働局長に届け出る事
C上記Aの営業を行う事業場で室内又はこれに準ずる環境において、客が喫煙できる事を含めたサービスを提供している場合、作成した計画書に基づき、一定の基準を満たす喫煙室等を設置する措置を講じる事
D喫煙室等設置の際の実施状況が明らかにされる書類が整備されている事

工事計画書の提出と受給額
 受給するには「受動喫煙防止対策助成金関係工事計画」を策定し認定を受けます。
 計画書には工事前の写真や設置場所の仕様、換気扇などの設備、利用可能な人数、工事見積書、その他喫煙室などの詳細資料等が必要です。喫煙室設置以外の措置であっても必要換気量の設計がなされている必要があります。
 受給額はこの工事にかかる費用の4分の1で上限は二百万円となっています。
 受動喫煙対策は飲食店にとっても頭の痛い問題かもしれません。今後対策工事を計画するのであれば利用を検討されると良いでしょう。





H24.3.1
修正申告しても争える

争えないという理由
 「修正申告をすると争えない」と言われることが多いのですが、それは修正申告が自らその税額を確定する行為だから、ということに由来するものではありません。
 当初申告をして、さらに修正申告をして、その後、減額更正の請求をして、税務署長により減額更正処分が拒否されたら、当然に争えます。
 「争えない」と一般に言われる理由は、更正の請求に期間制限があり、期間が経過してしまっていることが多いからです。

不条理の制度欠陥の典型例
 所得税や法人税の事案で、買換え等をめぐり修正申告が義務付けられていて、これを故意に過怠すると「五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金」に処されることになります。
もし、税務係争中だったら、修正申告書を提出すると、係争の対象の申告や処分が修正申告に吸収され消滅し、「訴えの利益」がないとして原告適格を喪失し、争う資格を失います。
ただし、修正申告後直ちに更正の請求を出せる期間的余裕があれば、振り出しには戻りますが、争いを続けることはできます。
場合によっては、裁判所の指揮の下での審理の併合や訴えの変更が可能かもしれません。
しかし、大抵の場合は、罰を受けたくないとして修正申告書を提出したが最後、更正の請求のできる期間はとっくに経過していて、係争の継続は不可能ということになります。

23年12月改正による解決
 12月2日公布の改正税法によると、更正の請求期間は5年(贈与税及び移転価格税制に係る法人税については6年、法人税の純損失等の金額に係るものは9年)に延長されました。
 改正前の期間制限は1年でした。この圧倒的な短さが、「修正申告をすると争えない」ことの元凶だったのですが、5年に延びたことにより、争いの継続・開始が実質的に可能になりました。
 相続の分割の確定により、相続税の修正申告・更正の請求をすることになる場合も、当局と係争中の場合には不条理な結末をもたらしていました。ウッカリ修正での悲劇のドラマもありました。これらの不条理・悲劇も12月改正で相当程度に解決されたと言えます。