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H24.4.27
人事考課の公正性と納得性

 人事考課の公正性と納得性は、極めて大切であり、欠如すると会社に対する社員の
信頼が失われ、働く意欲を低下させることになってしまいます。
 つまり、人事考課の結果に基づいて社内等級や賃金が決定されますから、その考課プロセスが社員から見てブラックボックスの中にあり、何を根拠として、誰がどのように考課し、決定したのかが不明瞭な場合、到底社員の納得は得られません。

公正性・納得性を高めるには
 公正性は、会社が定めた人事考課の仕組みに基づいて管理者・経営者が誠意と真剣さをもって考課を行うことによって得られます。
 納得性は人事考課の内容と結果、今後どのように努力すれば評価が向上するのか、本人に分かるように伝えることによって高まります。
公正性・納得性を維持、向上し、社員のモラールを高めるには、経営者・管理者が次の事項を実行することが必要です。

1. 社員に考課項目、考課着眼点・考課尺度・考課点・調整基準・考課シートなどの仕組みを可視化(見える化・目で見えるようにする)して公開し、自分達は何をどのように考課されるのか、分かるようにする。
2. 管理者から本人に年に一度、面談で人事考課の内容と結果を説明し、なぜその考課になったのか疑問点を解く。(タイミングは昇給前)
例えば「あなたの考課は、考課項目の計画力で高い評価を得たけれども、実行力ではやや低い評価にとどまり、・・・中略・・・総合評価で「○ランク」であった。それは主要業務○○の計画が良かったのに実行が十分に伴わなかった点にあった。今後は、計画力の良い点を維持する一方、実行力を高めるように努力して欲しい。」と具体的事実に基づいて説明し、今後に向けてアドバイスする。
3.業績と能力発揮が不十分であった原因と改善具体策について本人に突きつめて考えさせ、実際にやって見ることを勧める。
4.経営者は管理者に人事考課の仕組みや考課の方法、特に仕事の遂行過程と結果に表れた事実に基づく考課と考課調整の方法、人事考課の内容・結果の本人へのフィードバック方法、その後のフォローアップ方法ついて徹底的に訓練する。





H24.4.26

二転・三転 児童手当

新児童手当は継続する手当となるか
 民主党政権時代の目玉政策だった「子ども手当」は今年度から自公政権時代の「児童手当」に名称が戻りました。2010年からの子ども手当と新児童手当との大きな違いは所得制限が設けられる点。元々は児童手当には所得制限がありましたが今回は例えば夫と専業主婦、子供2人の世帯で年収960万円が基準となります。

子ども手当の内容の変遷
 2010年3月までの旧児童手当は、所得制限付き(年収860万円までを支給)で3歳未満は1万円、第2子までは5千円、第3子以降は1万円を支給していました。政権が代わり、民主党がマニフェストで掲げた子ども手当を2010年4月から支給。中学生以下は1万3千円となりました。その後内容や財政面から検討され、2011年10月からは3歳未満を1万5千円、第2子までを1万円、第3子以降は1万5千円、中学生は1万円となりました。又、対象者も子供が国内に住んでいる事が条件となりました。
2012年4月からは金額の変更はないものの所得制限が入り、扶養家族数に応じて基準額は違っています。これは6月より適用となりますが共働き世帯では世帯合計でなく、家族の中で収入の高い人の年収額で判断され、夫婦其々の年収が基準を下回っていれば支給されます。
又、年収制限世帯には中学生以下に1人月5千円が支給される事になっています。もともとの公約では月2万6千円を配るとしていましたが、財政の裏付けが取れず、月5千円を配るというのも年少扶養控除の廃止で負担が増える世帯への激変緩和として出されるものです。

児童手当拠出金の改正
 厚生年金保険に加入している企業は児童手当拠出金と言う保険料を企業が負担しています。厚生年金保険の標準報酬に1.3/1000を乗じた額が徴収されていましたが2012年4月からはこの率は1.5/1000に改定されました。本人負担はなく企業負担も大きいとは言えない額なので気づきにくいかもしれません。これは児童手当の財源に充てられているものです。





H24.4.25
中小企業特例の内外格差

大法人の100%子会社と中小企業特例
平成22年税制改正で、中小企業に有利な特例は、大法人の100%子会社には不適用、とされました。次の特例項目です。
@ 800万円以下部分への19%税率適用
A 19%税率の15%への時限的軽減
B 欠損金繰戻還付不適用制度の中小企業不適用特例
C 同族会社の留保金課税不適用
D 貸倒引当金法定繰入率の中小企業特例
E 交際費損金不算入制度の中小企業特例

外国法人子会社への適用規定のないもの
 上記の@からEまでの項目は、親法人(資本金5億円以上)の100%子会社が内国法人の場合には、全部不適用なのですが、外国法人である場合には、CからEまでの有利規定項目がそのまま適用され続けています。平成23年12月改正、24年3月改正でも、これらの規定の全部について見直し改正がありましたが、内外格差の部分については、特に見直しはありませんでした。

内外格差の具体的様相
 @の規定は内国法人と外国法人について別々に規定しています。Aの条文は、内外の区別ない法人一般を対象にするもので、その中で内外の100%子会社排除の規定を置いています。@とAの規定には、内外格差はありません。
Bの欠損金繰戻還付とCの留保金課税の規定は、従来から内国法人に対してのみの規定であり、新たな問題ではないので、これらには特に内外格差の指摘の必要がないかもしれません。
 問題は、DとEの規定です。これらの規定は、もともと、内国法人・外国法人に限定した規定ではありません。それにも拘わらず、内国法人である100%子会社のみを排除する規定を置きました。外国法人である100%子会社排除の規定はここにはありません。

なぜ内外格差を置いているのか
 外国法人に貸倒引当金の法定繰入をする会計慣行がないとか、交際費を使う商慣行や実績がないとか、という調査データでもあるのなら、ともかく、例えそうであったとしても内外格差規定にする必要があったとすることに理解が及びません。また、そういう説明を見聞したこともありません。
立法趣旨から考えて、逆に、立法ミスなのではないか、と疑いをもってしまいます。





H24.4.24
信用調査報告書の活用の仕方


評価ランクで判断しないこと
 信用調査報告書では、企業診断の評価を“評点”としてA・B・C・D・Eランクや1〜5までの5段階評価などによって、総合評価が示されております。
中小企業経営者に限らず、大手経理部門の実務担当者から責任者までの殆どの人は このランクを“与信など”を考える上で、主要な判断要素としているのではないでしょうか。また、「特記事項」に記されているイレギュラーな情報には、ついつい関心を高めてしまうようです。

調査会社の立場も考えて読むこと!
 総合評価の5段階の最下点(5又はE)に○を付した場合、一般的には調査依頼者は“警戒・危険水域”であるこの会社と取引を停止し、回収を最優先することになり、被調査会社は大きなリスクに見舞われます。
もちろん、スバリ的中の評価もあるでしょうが、上記のようなことを考慮すると、調査会社は、倒産の直接的な引き金になるような評点を付けられるでしょうか。
また反対に、警戒不要の意味をもつ最高点(1又はA)を付けた会社が倒産した場合には、その責任はどのようになるのでしょうか。
二番手の“ほぼ安全や無難”の評点でも同様のことから調査会社はよほどの確信がある場合を除き、なかなか付けられないランクと言えます。そこで必然的に被調査会社の中小企業の9割前後は、中間ランクの3(又はC)でどちらとでも言える “少し注意”になっていると解釈した方が良いでしょう。

調査の情報を大いに活用しよう!
 会社の沿革、事業内容、取引先、取引銀行、所見や調査数値の決算書添付の有無、役員、不動産の有無やその所在地、決済条件などは大きな情報といえます。依頼者の誤りは、“調査会社の所見やコメント、評点や特記事項”だけによって、判断しようとしていることです。例えば、調査会社から得た情報を基に、不動産所在地が判れば登記簿謄本を取る。取引先が判れば取引先における主要取扱商品の市場の状況を見る。決済条件から資金需要を推測してみる。たいした時間をかけずとも、事実確認の過程で相当確信の持てる情報入手が可能となります。





H24.4.23
人事考課と管理者の役割

 管理者の役割は「従業員と仕事を管理する」ことにありますが、その際「人事考課」が大変重要な鍵を握っています。
 従業員と仕事の管理を、そのプロセスから見ると次のようになります。
1. 部下の能力と仕事の難易度を考え併せて仕事を割り当てる。
2. 仕事の目標を設定する。
3. 部下のモチベーションを高めたり、指導を行い、実践的な能力発揮・開発と目標達成へ誘導する。
4. 人事考課を行う。(業績と遂行過程の発揮能力・意欲などを考課し、会社の「人事賃金制度」に従って賃金・等級などの処遇を決定する。)
5. 人事考課の結果から、1〜3を修正する。
 すなわち、人事考課の内容・結果が部下の処遇や仕事の管理の方法に大きな影響を与えることになります。

管理者の役割遂行のポイント
人事考課の結果に基づいて、次期の仕事に積極的に取り組ませ、目標の達成を支援し、部下の能力開発・向上を図る管理者の役割遂行のポイントとは次の通りです。
1. 部下の能力、特に得意技に注目し、その能力を上回る仕事を割り当てる。
2. ストレッチな(努力してようやく手が届く)レベルの目標を設定する。
3. 目標達成への仕事の遂行過程で、常に関心を示し、部下から状況報告・連絡・相談(ホウレンソウ)が上がってくるようにする。
4. 年に数回は予想される目標達成の重要な局面を逃さず、的確な状況判断・決断
   を支援する。(時には管理者自身の判断・決断が必要な場合も起きる。)
5. 仕事の遂行過程での能力発揮や結果としての業績を事実で捉え、人事考課を行う。

経営者・管理者の留意点
1. 部下から相談があった時に「問題の状況説明が、憶測ではなく、“事実”であることを確認する。(「それは事実か?」と質問し、日ごろから“自分自身が現場で見て知った事実の報告”を習慣づける。)
2. その対策は、部下自身に考えさせ、言わせた上で、対処させる。(少しくらいのミスが予想されても、自ら対処させれば、気付きが深く、再度の失敗が防げる。ただし、取り返しがつかない失敗が予想される場合は、対策を具体的に指示する。)





H24.4.20
7月からスタート!
改正入管法と外国人の在留管理


 平成21年、外国人の出入国管理を定める法である「入管法」の改正版が公布され、今年7月9日からいよいよ施行されます。これにより、外国人の方の在留制度が一部変更されることとなります。

1.外国人登録制度の廃止と「在留カード」の交付
 これまで外国人の方の在留に関する情報は、各自治体へ外国人登録を行うことで管理されていました。入国後、外国人の方は各々自治体へ外国人登録の申請を行い、氏名や住所、職場等の基本情報が記載された外国人登録証明書が交付されます。
 新たな在留管理制度は、国が外国人の方の在留に必要な情報を一元的・継続的に把握することを目的としており、現在のような自治体による外国人登録制度は廃止され、外国人登録証明書に代わり在留カードが入国審査時に交付されることとなります。これに伴い、これまで氏名や生年月日、職場等の基本情報が変更された場合は各自治体へ届出を行っていましたが、今後は最寄の地方入国管理局官署へ届け出ることになります。

2.在留期間「5年」の新設とみなし再入国許可制度の導入
 外国人の方は入国後、無制限に在留できるのではなく、日本での活動期間等を考慮し原則最長3年までの在留期間が付与されており、期間が満了する都度更新を行わなくてはなりません。しかし、新たな在留制度の導入により、在留状況を法務大臣が直接、より正確に把握できるようになるため、在留期間の上限を3年から5年に引き伸ばされることとなりました。また、これまで外国人の方が一時的に日本を出国する場合には、再び日本へ入国することを認める再入国許可の手続きを行う必要がありましたが、有効な旅券(パスポート)と在留カードを所持している外国人の方が出国の日から1年以内に再入国する場合は、再入国許可手続を原則不要とするみなし再入国許可制度が導入されます。

企業側の配慮
 1で紹介したとおり、改正入管法の施行後は職場等が変更した場合、自治体ではなく入国管理局へ届け出ることになります。変更の届出期間は変更の日から14日以内で、改正の趣旨からこれまで以上に変更の届出に対し厳格な対応が予想されます。外国人の方を雇用する、あるいは雇用している外国人の方が転職する場合などは、事前に変更届の必要を伝えるなど、企業側としても配慮したいところです。




H24.4.19
適格・欠損金引継等の要件
同じ特定役員でも

2つの共同事業要件
 法人税の条文に「共同で事業を営むための」という文言が2箇所で使われています。1つは、組織再編において、適格合併等(分割、現物出資等)を充足するための要件として、もう1つは、適格組織再編を充足した上で、被合併法人の繰越欠損金の引継及び合併法人等(分割承継法人、被現物出資法人等)の欠損金の利用制限を解除する要件として使われています。
ただ、両者はまったく同意語でないことから、前者を「共同事業要件」、後者を「みなし共同事業要件」と呼んで区別しています。

それぞれの共同事業要件と特定役員
 共同事業要件は、支配関係が50%未満の法人間の合併等において、適格性を満たすための要件です。その要件は幾つかありますが、その1つに、特定役員に関する定めがあります。
 一方、みなし共同事業要件の方ですが、支配関係(50%以上)のある適格合併等であっても、支配関係が5年以上といった一定の要件を満たさなければ、欠損金の引継・利用は制限されます。しかし、このみなし共同事業の要件(適格現物分配を除く)をクリアーすれば、何ら制限なくその引継・利用は認めらます。そして、このみなし共同事業要件にも、上記の適格のための共同事業要件と同じく「特定役員」に関する定めがあります。
 そこで気になるのは、それぞれの共同事業要件に規定されている「特定役員」に違いがあるのか、どうかです。

同じ特定役員でも取扱いに留意
 特定役員とは、常務クラス以上の役員又はこれらに準ずる人で経営に従事している人を言います。両者に違いはありません。問題は、その取扱いです。
 適格の要件としての「特定役員」は、それぞれの法人の特定役員のいずれかが、合併後合併法人の特定役員になることが見込まれることが必要です。
 一方、欠損金引継・利用の要件としての「特定役員」は、上記要件に加えて、被合併法人と合併法人のそれぞれの特定役員は、支配関係発生日前から役員又は役員に準ずる者(経営に従事していた者に限る)でなければならないことになっています。
 特定役員の取扱いをうっかり失念して、欠損金の活用をふいにしたくないものです。





H24.4.18
2年連続年金額の引き下げ


平成24年度の年金額は0.3%引き下げ
 年金は物価の水準により、金額の改定が行われますが、現在支給されている年金は平成12年度から14年度にかけて物価は下落であったものの特例法でマイナスの物価スライドは行わず金額を据え置いたことにより本来の年金額より高い水準(特例水準)で支払われています。この事は現役世代(将来年金を受け取る人)の年金確保を圧迫しかねないため昨年度から年金額の引き下げが始まっていました。
 平成23年平均の全国消費者物価指数が前年と比べてマイナス0.3%となったことにより平成24年度の年金額を前年度より0.3%引き下げる事となりました。年金額の受取額が変わるのは4月分が支払われる6月の受取りからとなります。

特例水準の解消
 また、厚労省は現在支給されている年金額はマイナスの物価スライドを行わなかった事により本来より2.5%高い水準で支払われている事から平成24年度から26年度の3年間をかけ特例水準を解消するとしています。法案が成立すれば24年度の年金は10月分が支払われる12月からはさらに0.9%引き下がる事となります。
 特例水準の年金額とは物価が上昇しても据え置く一方、物価が直近の年金額改定の基となる水準を下回った場合にその分だけ引き下げるという決まりです。また、法律上本来想定している年金額(本来水準)は物価や賃金の上昇や下落に応じて増額、減額されるという決まりです。賃金の伸びが物価の伸びを下回った時は物価でなく賃金を改定の要素にします。いずれにしても当面は下がる方向にある事は確かなようです。

平成24年度の平均的年金受給額は
 国民年金(老齢基礎年金)は満額受給の場合月額65,741円から65,541円と200円の引き下げ、厚生年金は夫婦で老齢基礎年金を含む標準的な月額は231,648円から230,940円と708円の引き下げとなります。また、国民年金の月額保険料は14,980円と40円引き下げられます。





H24.4.17
雇用保険の加入と保険料控除

 
雇用保険の加入対象者は
 雇用保険の被保険者は、高年齢者、日雇者、短期特例雇用者以外は一般被保険者となりますがその加入要件は次の通りです。
@31日以上引き続き雇用が見込まれる事
A1週間の所定労働時間が20時間以上の事
B雇用開始の日が65歳未満の事
C適用除外の要件に該当しない事
 上記@Aの要件を詳しく見てみると下記のようになります。

31日以上引き続き雇用の見込みとは
 次のような場合は引き続き雇用が見込まれると判断されます。
ア、期間の定めなく雇用される場合
イ、雇用期間が31日以上ある場合
ウ、雇用契約期間は31日未満だが、契約更新規定がある場合
エ、雇用契約期間は31日未満だがその後31日以上雇用される見込みとなった場合や同様の形態で働く他の者の実態から見て契約更新が見込まれる場合

1週間の所定労働時間が20時間以上とは
 雇用保険の加入は雇用契約書の内容が資格取得の条件である週20時間以上の労働時間が無い場合は加入対象者にはなりません。たまたま20時間以上働いたとしても勤務時間の延長とみなされます。週20時間以上勤務が常態か一時的か判断し、一定期間の実態を見て平均して20時間以上になるなら雇用契約を改定し、加入手続きをします。

雇用保険料控除について
 雇用保険料は賃金支給総額に雇用保険料率を乗じて計算します。賃金総額とは賃金、手当、賞与、その他名称の如何を問わず労働の対象として支払うすべてのものを言います。
 また、高年齢者(4月1日現在満64歳以上)の方の保険料はその年度の4月より保険料免除になりますが、失業給付や高年齢者雇用継続給付は通常に受給できます。満65歳以上は新たに雇用保険に加入できませんが以前より引き続き加入している場合はそのまま被保険者となります。
 平成24年4月から雇用保険料率が引き下がり一般の事業については事業主負担分は8.5/1000、労働者負担分は5/1000となります。4月分給与から(月末締め翌月払いの場合は5月から)新保険料率が適用されます。





H24.4.16
配偶者・扶養控除
本国に居る妻子


 単身で日本に住所又は引き続き1年以上居所をもって、日本で所得を得ている外国人がいます。これら外国人は、日本で年末調整や確定申告をする際、本国にいる配偶者や子(16歳以上)を控除対象配偶者、控除対象扶養親族とすることができるかどうかですが、その要件は次のとおりです。

国内源泉所得の有無
 妻子に本国での所得がいくらあっても日本での所得、すなわち、国内源泉所得がなければ当該控除の適用を受けることができます。もっとも、本国の妻子と「生計を一」にしているという事実(送金等)がなければなりません。
また、仮に、本国の妻子に日本で38万円を超える所得(国内源泉所得)があったとしても、原則、次のような条件を満たせば適用できます。
 @妻子が日本で事業所等(恒久的施設)を有していないこと、かつ、Aその所得が不動産の売却及び賃貸等の所得以外であること。以下、上記結論の内容を整理したいと思います。

本国の妻子は非居住者
 所得税の納税義務者は、大別して、@国内、国外を問わず全世界で生じた所得に対して納税義務を負う居住者とA国内おいて生じた所得に対してのみ納税義務を負う非居住者とに分けられます。
 居住者とは、日本の国内に住所又は引き続き1年以上居所を有する者、一方、非居住者とは居住者以外の者、と定義されています。したがって、本国に居る妻子は、日本に住所又は居所を有していませんので、非居住者ということになります。

合計所得金額38万円の範囲
 配偶者控除や扶養控除の適用要件の1つは、妻子の合計所得金額が38万円以下であることです。この合計所得金額は、純損失及び雑損失等(居住用財産等の譲渡損失)の繰越控除前の所得で総所得金額+退職所得金額+山林所得金額の合計額で、かつ、申告分離課税の各種所得金額(特別控除前又は上場株式等の譲渡損失繰越控除前)を加えたものです。
 非居住者にあっては、この合計所得金額は国内源泉所得のみで算定します。また、国内源泉所得であっても、原則、恒久的施設を有していない場合で、かつ、分離課税(不動産の譲渡及び賃貸等の総合課税の対象となる所得以外の所得)とされる所得は、合計所得金額には含まれません。





H24.4.13
それと気づかぬデリバティブ
 
原則は取得原価主義
 法人税法では取得原価主義が原則です。取得原価主義とは、資産の帳簿価格を、その資産の取得時に支払った金額に基づいて計上するもので、決算期末の時価に基づいて計上する時価主義と対をなす考え方です。取得原価主義のもとでは、評価損や評価益の計上はありません。

補充的にある時価主義の二つの態様
 ただし、法人税法でも、補充的には時価主義が採用されています。時価主義採用の態様は二つに分類されます。一つは、取得原価主義の修正の場合で、棚卸資産が著しい陳腐化等に該当した時、有価証券につき強制低価法適用に該当する時、資産が災害により著しい損傷を受けたことその他の事実により評価換えする時、などです。これらの場合には、評価損が計上されるだけで、評価益が計上されることはありません。
 もう一つの分類は、本来的な時価主義です。評価損だけでなく、評価益となる場合もあります。

本来的時価主義の三つの態様
 本来的時価主義の態様を三つに分類できます。まず、会社更生法、民事再生法等適用のケースです。これは評価益を出すことを目的とする、特殊な、例外的な態様です。
次は、外貨建て債権債務で、これについては、「発生時換算法」と、決算時に換算しなおす「期末時換算法」とがあり、両者の選択採用が可能なので、望まなければ、期末の評価替えはしなくても済むものです。
 もう一つは、売買目的有価証券と未決済のデリバティブ資産負債で、これらについては、複数の選択肢がなく、単純に時価評価が強制されます。

選択肢のない時価主義での失念の危険
でも、売買目的有価証券については、その分類に該当するケースが特殊であることもあって、期末評価替えを失念するようなことはないと、思われます。
 ところが、未決済デリバティブ資産負債は期末に決済したものとみなして所得計算する、という規定になっているので、決済時は損失計上でも、期末時は利益計上ということもあります。
デリバティブ取引が社会に深く浸透するようになり、貸借対照表にデリバティブ資産負債が気付き難い勘定科目で計上されていることがあります。決算作業における新しい留意点です。





H24.4.12
法律用語の分かり易さとは?

専門用語とのギャップとは?
どの業界にもあるでしょうが、法律上の専門用語と一般用語にギャップがある例が結構見られます。ここでは、刑事手続に焦点を当てて、いくつかご紹介します。

容疑者と被疑者は違うの?
まず、一般に言われる「容疑者」とは、法律上は「被疑者」といいます。つまり、両者は同じです。「容疑」を認めるとは、法律上は「被疑」事実を認めることをいいます。また、最終的な刑事処分が決まっていない被疑者又は被告人が拘束を受けることを、一般的には拘置といいますが、法律上は勾留といいます。これは、常用漢字に「勾」の字が入っていなかった頃の名残かも知れません。しかし、このような言い換えが、今やどこまで意味があるのかという疑問も湧きそうです。

刑事も民事も訴えられれば「被告」?
刑事裁判にかかった人は、一般的に「被告」と呼ばれますが、法律上は「被告人」が正しいのです。民事裁判でも相手方として提訴された人は法律上も一般的にも被告と言います。これは、民事訴訟でいきなり相手方とされたときに、「被告呼ばわりされた」という感情的な反感を呼び込むもとかも知れません。

私人も逮捕が出来る?
よりややこしいのは「現行犯逮捕」という概念です。「現行犯逮捕」自体は、捜査機関だけでなく、私人もできる権限を持っています。ですから、私人が現行犯人を取り押さえれば、それ自体「現行犯逮捕」なのです。しかし、報道にかかると、私人の逮捕が「取り押さえ」になり、その後に警察官が受ける身柄の「引き渡し」が「現行犯逮捕」と表現されてしまいます。私人も現行犯人を逮捕できる権限があることが分かっていれば、「見て見ぬふり」の減少に、少しは役に立つかも知れません。

裁判員制度の今だからこそ
 これらの言い換えや語法のずれは、昔は分かり易さを目指す意味でそれなりの意義があったかもしれません。
しかし、現在は、裁判員制度の導入により、国民が司法に向き合うきっかけが制度として組み込まれております。
 「本当の分かり易さとは何か?」が今こそ問われることの例証と言えましょう。





H24.4.11
決算申告以外もお忘れなく!
年度終了後の報告義務

申告するのは税務署だけ?
決算月は会社の任意で決めることができますが、やはり圧倒的に多いのが3月決算。1年間の事業年度を終え、新年度を迎えるにあたり、今まさに決算申告の準備を進めているという企業も多いのではないでしょうか。
事業年度終了後に申告しなければならないのは、税務署への決算申告だけに限られません。税務署の他、どんな官公庁へ申告(申請、届出)をする必要があるのかおさらいします。

法務局への登記申請
 取締役や監査役などの役員が、今回の決算に関する定時総会において任期を満了する場合は、法務局へ登記の申請を行う必要があります。
会社の定款を見ると、原則として取締役は2年、監査役は4年と任期が定められており、選任から定められた任期年数以内の最終の決算期に関する定時株主総会の終結で任期は終了します。たとえば、決算期が3月、取締役の任期が2年と定められた会社であれば、平成22年4月1日に選任された取締役は平成24年3月の決算に関する定時株主総会の終結時に、任期を満了することになります。任期満了後も就任し続ける場合であっても、自動的に任期が更新されるわけではなく、改めて就任する旨(これを重任といいます)法務局で登記の申請を行わなくてはなりません。

許認可を管轄する官公庁への届出
 許認可の中には、決算期を迎える都度、あるいは定められた時期に、毎年度報告を行わなくてはならないものも多く存在します。
≪毎年度報告が必要な許認可(一例)≫
○建設業許可の取得事業者
事業年度終了後4か月以内に、許可を申請した行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)に対し提出。
○酒類販売免許の取得事業者
毎年度(4月1日〜翌年3月31日)の販売合計等を、毎年4月30日までに所轄税務署長へ申告。
○医療法人
 事業年度終了後3か月以内に、管轄保健所等を経由し提出。





H24.4.10
尺度法による人事考課

 人事考課の代表的な方法として「尺度法・目標管理法」などがありますが、最も一般的に活用されている「尺度法」について、その特長・活用の留意点について解説します。

「尺度法」とは
 業績・知識・技術の活用度、計画力・実行力・創造力の発揮度、積極性・規律性・責任感などの考課項目ごとに着眼点を設定し、5段階で評価する方法です。
 例えば、考課項目・計画力の着眼点を「業務目的を達成するための最適な方法を具体的に計画化する能力」とし、その考課段階を「特に優れている・5点、優れている・4点、普通・3点、やや不足している・2点、不足している・1点」の5段階を設定、その中から選択する方法をとります。

「尺度法」の利点・注意点
 「尺度法」の利点は、考課段階が5点法で点数化され、専門職・事務職・製造職・販売職などの職種別に考課項目ごとの考課ウエイトを変える工夫をすれば、満点を100点として何点の合計考課点が得られたか、明確な数値化による被考課者間の比較が容易になるなど実用性が高いことです。
 その反面、次のような欠点があるため、注意が必要になります。
1. 考課段階ごとの考課基準が抽象的であるため、考課者の主観が入り易い。
2. 考課基準が抽象的であることから、考課者が総合的考課に傾斜しやすくなり、被考課者の特性を捉えられない。

「尺度法」を活用する留意点
 「尺度法」の利点を生かし、欠点を補って活用するには、次の点に留意し、実践的な考課者訓練を徹底すると良いでしょう。
(1)1次考課者は通常、被考課者の直属上司である課長などが行うが、その際の考課材料を「仕事の遂行過程や結果として起きた事実」に注目し、その裏付けをもって評価段階の1〜5点を選択する。
(2)1次考課者と2次考課者、最終考課者の
間で行う考課調整の際、それぞれの考課
案の根拠説明・合意形成・最終判断の基
準を「仕事の遂行過程や結果として起き
た事実」に注目して行う。
経営者がこのような考課の姿勢を貫き、考課者を指導することで、考課基準の抽象性を補い、公正性・被考課者の納得性を得ることができます。





H24.4.9
予算より先に成立する軽さ

税制改正は3月30日、予算は4月5日
 今年は、予算の成立よりも予算関連税制改正の成立が先行してしまいました。過去に、こんなことはありませんでした。
 昨年は、3月27日に予算が成立し、予算関連税制改正の一部がつなぎ法として3月30日に成立し、6月22日と12月1日に自公民3党合意により、大幅改正でないものを2段階で順次成立させ、残りは未成立でした。この顛末も過去にないケースでした。

平成24年度改正のタイトルと項目
 今年の法律のタイトルは、いつもの「所得税法等の一部を改正する法律」ではなく、「租税特別措置法等の一部を改正する法律」です。所得税・法人税・相続税などの本法にも改正があるにも拘わらず、です。
 改正税法の条文は、「第〇条 〇〇法の一部を次のように改正する」となっていて、一税法一条文で規定されています。
今年の条文構成は次の通りで、第一条が、所得税法ではなかったわけです。
第一条 租税特別措置法
第二条 所得税法
第三条 法人税法
第四条 相続税法
第五条 国税通則法
第六条 国税徴収法
第七条 租税条約実施特例法
第八条 外為関連国外送金調書法
第九条 東日本震災臨時特例法

平成24年度の改正内容
一、個人所得課税(25年分から適用)
1.給与所得控除について、給与収入の1500万円超に上限設定
2.特定支出控除に資格取得費等を追加し、給与所得控除額の1/2も適用
3.勤続年数5年以下の法人役員等の退職金、1/2課税廃止
二、法人課税 たいしたものなし
三、資産課税 たいしたものなし
四、消費課税 たいしたものなし
五、国際課税 国外財産調書制度創設
といった、ところが改正の内容で、中身の薄い印象です。
でも、衆議院ホームページにある法律案をワードにコピペしてみると、205ぺージあります。一昨年のものは、291ページ、その前の年は228ぺージでした。中身が無いのに、ページ数だけは、一人前です。





H24.4.6
パートの社会保険適用拡大の動向

二転三転の適用拡大案
 以前よりパートタイマーの社会保険適用については国からは何度も拡大案が浮上しては企業負担の面から批判が多く、実現には至りませんでした。
 政府の社会保障と税の一体改革で当初出した案では週20時間以上働くパート労働者370万人を適用する目標が、この適用で5400億円の企業負担が生じる事から反対の声が大きかった為、中小企業は当面見送る事とし、対象人数を減らしました。
最終案はまずは従業員501人以上の企業で働く45万人を対象として適用とするとしました。対象者は勤務時間が週20時間、年収94万円以上、雇用期間1年以上のパートタイマーです。2016年4月から適用し、3年以内に追加拡大の方向です。

現行制度はどうなっているか
 現在社会保険の加入対象者となるパート労働者は労働時間が週30時間以上、年収130万円以上となっていて同じ企業で働く社員の概ね4分の3以上の労働時間を働く人が対象になります。ですから加入対象者は労働時間がフルタイマーに近い人に限られていましたが、週20時間となると適用者はかなり増える事となるかもしれません。

費用負担と給付の公平性
 現在の社会保険標準報酬月額の下限は98千円、この場合の保険料負担は月額約16,000円(会社負担1/2)で国民年金保険料の月額約15,000円と近い額です。しかし適用拡大で給料がこれより低い人も加入し、下限が78,000円となると月額13,000円の負担で基礎年金と月額約17,000円の厚生年金がもらえます。国民年金加入者は月額約15,000円払い続けても基礎年金しかもらえません。これでは公平性に欠けると思えます。又、公平性を考えるなら、自分では保険料を支払わない専業主婦層(第3号被保険者)が基礎年金を受給し、低収入で国民年金保険料が払えない人が無年金や低年金になるであろう問題が残ります。
 今までパート年収130万円未満で働き、保険料負担をしていなかった人が新たに94万円の壁ができると労働時間を調整していた主婦の働き方に影響を及ぼすことになるのは間違いないでしょう。





H24.4.5
65歳からの介護保険料


第1号被保険者の保険料はどう決まる?
 会社員が給料から天引きされている介護保険料は、40歳の誕生日の月から徴収が始まり65歳の誕生日に達する前月まで天引きされます。この方を介護保険第2号被保険者と言います。65歳に達した月から第1号被保険者となりその月からは天引きはありません。それに変わり年金から天引きされるまでは普通徴収として住所地の市区町村から納付書(又は口座振替)が送付されてきます。

介護保険料の特別徴収
 介護保険料が年金から天引きされる事を特別徴収と言いますが、毎年4月から対象者の把握を行い、その場合、同年の10月から天引きが開始されます。4月以降、対象者は偶数月に把握が行われ半年後に天引きが開始となります。天引き開始までは納付書納付(又は口座振替)となっています。
天引きの対象者は年金が18万以上の方(月額15,000円以上)が特別徴収されます。年金は2ヶ月に1度2ヶ月分が支給されますので控除される保険料も2ヶ月分です。老齢基礎年金無受給者や年金額が18万円未満の方は天引きされません。

65歳以上の被保険者の保険料額の決定
 65歳以上の被保険者の保険料の決定方法は市区町村ごとに作成する介護保険事業計画に基づいて提供するサービス水準やサービス量等によって決定されます。地域におけるサービス普及状況等の実態調査に基づき事業計画を立て、サービスの内容から介護費用全体の総額を算出しその約20%を65歳以上の被保険者が負担します。残りは国、都道府県からの税金と第2号被保険者からの介護保険料が当てられます。
企業が加入している協会健保の介護保険料率は全国共通ですが65歳以上の方は住んでいる市区町村によって保険料は異なっています。

所得に応じて異なる介護保険料
 市区町村ごとに保険料が違うだけでなく、さらに所得に応じた区分を設けています。
 各市区町村の介護保険事業計画(3年ごとに見直し)で保険料の基準額を決定した後に所得に応じて6段階で区分した保険料が決定されています。(一部では7段階以上の地域もあり)


 


H24.4.4
目標管理制度の目的


 目標管理制度は1950年代に著名な経営学者・ドラッカー教授が提唱、日本に紹介され多くの企業が導入しました。
 実態から見ると目標管理制度は次のような目的で活用されています。
1.主に人事賃金制度上で等級や賃金を決定する人事評価の手段
2.本来の目的である経営計画の分担と達成の手段
3.社員の主体的経営参加を促す手段

目標管理制度活用の問題点
それらの目的は、本来相反するものではありませんが、多くの企業で人事評価の手段として活用されているため、制度の実施主体が人事部門となり、制度運用のしくみには明確に賃金決定・等級など処遇の変更が組み込まれており、管理者と社員はそれを意識して目標の設定・達成・評価にかかわるようになっています。
 例えば、通常、目標の達成による等級・賃金の決定基準が公開されていますから、管理者も社員も当然それを意識して活動することになります。
 それはそれで正しい活用方法なのですが、人事評価の手段であることを、強く意識し過ぎると、相対的に本来の目的である経営計画の分担と達成の手段としての機能が希薄化されかねません。

今後の課題
経営計画の分担を行うには、経営目標から順次ブレイクダウンする分担目標の設定に漏れをなくす必要があり、また社員の主体的経営参加を促すより高い目標設定を誘導することも重要になります。
また、多くの企業で複数部門が共同でチャレンジすべき目標が増加していますからチーム目標の設定や、チームマネジメントの重要性が高まっています。
また、目標達成の的確性向上には、目標設定時にその達成方法を良く考え、達成プロセスでは状況変化に上手に対応しながら達成努力を行う必要があり、担当者の能力と、それを支援する管理者のマネジメント能力向上に注力しなければなりません。

経営者の留意点
このような目標管理制度の機能改善を図るには、人事部門と経営企画・管理部門が共同して取り組むようトップが誘導すると良いでしょう。





H24.4.3
社員が出産・育児をする時

妊娠・出産から職場復帰まで
 従業員が妊娠、出産した場合、健康保険や厚生年金保険、雇用保険の手続きが必要になります。本人と話し合いの上、職場復帰するとなればその間多くの手続きが必要となるのでスケジュールを組んでおくのが良いかもしれません。

産前・産後の休業と出産手当金(健康保険)
 健康保険の被保険者が出産日以前42日から出産日以後56日までの間に労務に就かず、賃金が支払われなかった場合は1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する額が出産手当金として支給されます。

出産育児一時金・被保険者(異動)届(健保)
 協会健保に加入している場合は子一人につき42万円の出産育児一時金が支給されます。(産科医療補償制度に未加入の医療機関は39万円) また子を扶養する場合は出産した本人又は夫側の会社で被扶養者異動届を提出し、子の健康保険証を申請します。

育児休業と社会保険料免除(社会保険) 
 産後57日目以降に3歳未満の子を養育する為、育児休業を取得する場合は申請により会社、被保険者とも健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料が免除され、育児休業開始の属する月から終了日の翌日の属する月の前月までが免除されます。

育児休業給付金(雇用保険)
雇用保険の被保険者で育児休業開始前2年間に賃金基礎日数が11日以上ある月が12カ月以上ある方が、1歳、又は1歳2ヶ月(延長該当者は1年6ヶ月)未満の子を養育する為、育児休業を取得した場合に、休業開始前の給与の約50%の額が支給されます。申請は2ヶ月毎に行います。

職場復帰と育児休業終了時改定(健保)
 育児休業が終了し職場復帰した場合、終了日の翌日の属する月以後、3歳未満の子を養育している期間に、勤務時間短縮等で賃金が下がった場合で標準報酬が1等級以上の差が生じた時は、申出により標準報酬月額を改定することが出来ます。下がった月より支払いの基礎日数17日以上の3ヶ月間の平均額で計算されます。

厚生年金保険養育期間標準報酬月額の特例
 3歳未満の子の養育期間中に被保険者の賃金が時短等で下がった場合に標準報酬が下がっても将来の年金額は養育期間前の高い標準報酬月額で計算し受給に不利にならない様にしておくものです。





H24.4.2
外国人の出入国管理
高度人材に対するポイント制

昨年12月28日、法務大臣による臨時記者会見で、「高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度」の検討結果と、今年春以降に制度の実施を予定していることが公表されました。この制度は、在日している外国人に対して学術や技術、経営などで高度な資質・能力を有すると認められた場合にポイントを付与し、ポイントの合計額が一定点数に達すると出入国管理上の優遇措置が与えられるというもので、ポイントは学歴、職歴、年収、年齢などを点数化することにより算出されます。

どんな優遇措置が受けられる?
 外国人が日本に在留するには、活動内容に応じ、27種類ある在留資格の中から活動内容に最も適した在留資格一つを選び取得する必要があります。現在の外国人に対する活動範囲は非常に限定的で、たとえば調理人として働くための在留資格を取得した外国人が来日した場合、その外国人の日本における仕事の範囲は調理人としての活動に限定されます。これに対し、高度人材として認められた場合には、従来のように限定的な活動内容に縛るのではなく、その外国人の持つ高度な資質や能力を活かした複数の在留資格にまたがる活動や、事業経営活動が許容されることになります。
 また、高度人材本人だけでなく、その配偶者に対しても優遇措置が認められます。就労目的で在留する外国人の配偶者については、一般的に「家族滞在」という在留資格が付与されますが、この在留資格は原則的に就労することはできず、就労したい場合には入国管理局で資格外活動許可とよばれる許可を得る必要があります。ただし、この資格外活動許可には就労時間の上限が定められており、週28時間までしか働くことができません。しかし、今回のポイント制により高度人材に認められた外国人と同居する配偶者については、一定の要件を満たすことで週28時間を超える就労が認められるようになります。

高度人材はどんな人?
 高度人材の認定対象は、学術研究、高度専門・技術、経営・管理の3分野で活躍する外国人で、学術研究を行う研究者や技術者、企業の経営管理を行う方などが想定されており、かなり限られた人材に対する優遇制度となっています。法務省では制度開始後1年を目処に、状況を分析し制度の見直しを検討する意向を示していますが、これにより一般的な外国人の方の活動制限に対し影響をもたらす可能性はあるのか、今後の動向に注目が集まります。