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H24.5.31
スイスUBS事件後日譚


ジョン・ドウ・サモンズ(John Doe Summons)
 アメリカの税務調査を強力なものにしている召喚状調査(Summons)の中でも、特に匿名召喚状(John Doe Summons)の威力が、いま国際的に注目を浴びています。
 銀行守秘義務を売りに、長い歴史をもつスイスが、サモンズの要求に基づき、UBS銀行のアメリカ人顧客情報を米国税務当局に開示したことにより、スイス国内、アメリカ国内、世界のオフショア銀行業界に、大きな激震が走りました。

スイス銀行守秘義務の行方
 UBS事件は、スイスの政府・議会とアメリカとの租税条約上の合意として処理したものの、国内の銀行法にある守秘義務遵守条項には抵触したままであり、租税条約が国内法に優先するとしても、従来の租税条約は必ずしも今回のような合意を想定したものになってはいませんでした。
 その後、スイスは租税条約に、国際的な脱税及び租税回避行為の防止に資することを約した情報交換協定を盛り込む改正を推し進め、日本との条約も改正され、2012年1月以降の実施項目となっています。

アメリカでのその後
 スイスのUBS銀行を使って、資産隠しをしていた人に対して、米国税務当局は、自主的に申し出た場合は罰則等を軽減すると期限を切って布告しました。その結果、15,000人余りが自主申告をしたそうです。
 アメリカの得たUBS顧客情報は4450件でしたので、UBSだけでその3倍以上の脱税的資産フライトがあったわけです。しかし、UBSに限っても、まだ全部ではないかも知れません。
 アメリカは、UBSに次いで、英国のHSBC(香港上海銀行)に対しても匿名召喚状を発し、昨年すでに口座情報を受け取っています。

国際的なオフショア銀行の動き
 オフショアとは、外国の投資家や企業の資産管理を受け入れる金融機関や市場を指す金融用語で、おおむね『タックス・ヘイヴン』と同義語として使用されています。
 そのオフショア銀行では、米国外での米富裕層向けサービスを打ち切り、アメリカへの一種の宣戦布告をする動きもあります。
 しかし、グローバル化と規制緩和の波が逆回転し始め、社会基盤を揺るがすような富裕層の課税逃れについて、国家による規制が強化され出しているように思われます。




H24.5.30
能力考課の方法


 
人事考課における能力考課は、業績をあげる手段としての職務遂行能力を評価するもので、とくに入社してから中堅社員に育って行くプロセスでは、良い仕事の仕方が業績に結びつくことを社員に覚えさせるために重要な意味を持っています。

考課の方法
 職務遂行能力は、日常の仕事のなかで発揮された能力を事実として捉えて考課します。
 例えば営業職の場合は、
1.重要な営業案件を遂行するなかで発揮された営業計画の立て方・顧客との商品取引に於ける量や価格に関する折衝力などをどう活用したか。
2.製品開発の専門職の場合は専門知識・技術を実際の開発や企画にどのように活用したか。
3.店頭販売職の場合は、顧客応対・販売トークなどを販売にどう結びつけたか。
等を実際に発揮された職務遂行能力を観察して考課します。
 また、能力考課の期間は業績考課の期間と同じ期間とし、その期間内で重要な考課場面(重要な案件に関する締めくくりの場、定期的な観察場面の設定など)で考課します。
 いずれの場合も考課場面が期間内に均等になるように設定し、それらの考課の平均で考課します。

能力考課の問題点と対策
1.経済環境のアゲンストの変化が、能力発揮や業績の障害になることは当然予想しておかなければならないことです。
 したがって、あらかじめ環境変化対応(アゲンストの風を避ける、フォローの風を利用する。)の巧みさを着眼点として設定しておき、考課を行うのが適切です。
 経営者・管理者はこのような変化対  応を社員に呼び掛け、かつ事実に基づ  いて考課を行い、期中にうまくフィードバックすると能力考課が的確にできるばかりでなく、創意工夫の競争が生まれて業績にも良い影響が出せます。
2.チーム活動の場合は、メンバーの中で誰がどのように能力を発揮したか、その事実を最もよく知っているメンバー間の相互考課を参考とする考課も適切な方法と言えましょう。





H24.5.29
平成22年分 相続税の申告状況


 過日、国税庁から平成22年中に亡くなった人から、相続や遺贈などにより財産を取得した人に係る相続税の申告状況の発表がありました。その具体的な内容は、次のとおりです。

死亡者数・課税対象になった被相続人数
 死亡者数(被相続人数)は、約120万人(前年約114万人)であり、前年対比で104.8%となっています。この死亡者数ですが、10年前(平成12年は約96万人)の25%増です。
 また、相続税の課税対象となった被相続人数は49,733人(前年46,438人)であり、前年対比107.1%と増加していますが、課税割合は4.2%(前年4.1%)となっており、ほぼ同水準です。

課税価額・税額の推移
 課税価額は、10兆4,470億円、前年10兆1,072億円、また、相続税額も1兆1,754億円、前年1兆1,618億円と、いずれも前年を若干上回っています。
 なお、これを被相続人1人当りでみると、課税価格は2億1,006万円、前年2億1,765万円で、相続税額では2,363万円、前年2,502万円と、いずれも減少傾向がみられます。

相続財産の種類別構成比
 相続財産の金額の構成比は、土地48.4%(前年49.7%)、現金預金等23.3%(前年22.3%)、有価証券12.1%(12.0%)です。特に、現金・預金の増加傾向は著しく、平成14年には16.7%程度しかなかったものが、現在では全財産の4分の1を占める勢いです。もっとも、その背景には、不動産価額の低落傾向もあります。が、相続税の課税価額が平成14年以後から現在に至るまで10兆6千億円前後で推移していることからしても、現金・預金の増加傾向には注目です。

課税当局の思惑
 現金・預金は他の財産と違って、原則、その移動に関して制約はなく、国境を超えることは容易です。
 近年増加傾向にある預金等の海外シフト、それに伴う国外財産の申告漏れ、これを防止する目的で、平成24年度税制改正で「国外財産調査制度」を創設しました。
 その内容は、5千万円超える国外財産がある場合には、当該財産の種類等一定の事項を記載した調書の提出を義務付け、不提出及び虚偽記載等があれば罰則をも設けています。適用は平成26年1月1日以後です。





H24.5.28
サモンズという強制調査

アメリカの税務調査とサモンズ
 アメリカの税務調査が原則として任意調査であることは、日本の場合と同様です。
 日本の場合、資料調査課の調査、いわゆる「料調」は、裁判所の発する捜査令状こそないものの、刑事訴追を前提とする「マル査」の調査のように厳しい、と言われています。内偵により、違法申告を物証的に確認していることが多いからなのですが、それでもこれは任意調査です。
 アメリカには、刑事訴追を前提とするものではないが、裁判所の召喚状に基づいて行う強制調査(サモンズsummons)があります。日本の、「料調」と「マル査」の中間のような制度です。

サモンズが発せられると
 サモンズの対象者は、決められた日時と場所へ要求された帳簿または記録を持って出頭すること、そして宣誓のもとに証言することが要求されます。聴聞官は、召喚された者の宣誓のもとに通常質疑応答形式で聴聞を行います。
 出頭者には、日当及び旅費及び提出資料のコピー代が支給され、助言者又は代理人を随伴する権利があり、録音機等の携帯も許されます。

ジョン・ドウ・サモンズ(John Doe Summons)
 日本の税務調査が、必ずしも納税者本人に限定されず、事業取引先への「反面調査」や金融機関への「銀行調査」があるように、サモンズでも、法律上、調査対象を納税者に限定していません。
 対象の幅広さを象徴するものに、匿名召喚状(John Doe Summons)というものがあります。サモンズでは、その対象となる納税義務を負うべき納税者を特定するのが通常なのですが、特殊な場合には、納税者を特定するためのサモンズを発することが認められています。

スイスUBS銀行へのサモンズ
 投資アドバイザーの助言により脱税をしていた疑いのあるアメリカ人顧客情報を引き渡すよう2008年に米国税務当局がスイスの最大銀行UBSに匿名召喚状(John Doe Summons)を発しました。
 スイス政府とスイス連邦議会は、米国税務当局との交渉による合意により、UBS銀行に対し情報開示を許可し、2010年暮れ迄に4450人の口座情報が米国に引き渡されました。スイスの守秘義務を売りにする銀行商売に風穴を開けた米国サモンズの威力が世界的に一躍有名になりました。





H24.5.25
ご存知ですか?
あなたの街の補助金・助成金

支給しているのは省庁だけではない
 融資と違い、返済義務がない補助金や助成金。機会があれば誰もが一度は活用したいと考えたことがあるのではないでしょうか。補助金・助成金と一口に言っても、その支給源は様々です。雇用関係の助成金を扱う厚生労働省や、中小企業庁などの省庁だけでなく、各市区町村でもそれぞれの地域性に合わせ、産業振興を目的としたユニークな補助金・助成金を支給しています。

例えばこんな補助金・助成金も
例@ホームページ制作費の補助金・助成金
 今やほとんどの企業が持っているホームページですが、本格的に制作しようとなると、なかなかの経費がかかるもの。そこで活用したいのがホームページ制作費に対する補助金・助成金です。業者に制作依頼をした場合のみでなく、自社で作成した場合のソフト購入代を補助している自治体もあります。
≪実施している自治体≫
東京都足立区、東京都江東区、東京都練馬区、千葉県船橋市など

例A建物の緑化に対する補助金・助成金
 昨年に引き続き、今年も更なる節電努力が求められています。冷房の温度を上げ節電に励もうとも、近年の猛暑にはとても耐えかねてしまう…そんなとき注目したいのが植物の力を借りた省エネ方法。ヘチマやゴーヤなどの植物を建物の外側に這わせ日陰を作ることにより、建物の温度の上昇を抑える「緑のカーテン」の育成や、屋上スペースに植物を植えたりと、建物の緑化に対し補助金を支給している自治体が多数存在します。
≪実施している自治体≫
埼玉県寄居町、千葉県千葉市、広島県広島市、静岡県静岡市など

申請時の注意点
助成金・補助金申請の際には、その助成事業に関する事業計画を提出しなければならない場合が大半です。事業計画作成の際には、実行時期や規模、参加人数から見てその事業が確実に遂行できるかという明確性、助成金交付後もその事業を続けることができるかという継続性などを具体的に示すことが必要になります。また、先ほど紹介した助成金・補助金や実施している自治体はほんの一例で、自治体により募集の開始時期や終了時期、応募条件も全く違います。自治体のホームページをこまめにチェックすることが、新たなチャンスの発見に繋がるかもしれません。





H24.5.24
育児短時間勤務制度と
子育て助成金

 7月の法改正を控えて
 育児・介護休業法では今まで適用が猶予されていた従業員100人以下の事業所にも次の制度がH24年7月より適用になります。
@短時間勤務制度
A所定外労働の制限
B介護休暇の創設
改正法の適用を受け、中小企業においても仕事と家庭の両立を計って行く視点が欠かせないものとなってきました。
このうち短時間勤務制度は、小学校就学始期に達するまでの子を養育する労働者が利用出来る1日原則6時間勤務とする措置を含んだ制度を設ける事が必要です。

子育て期短時間勤務支援助成金
 そこで新しい短時間勤務制度を取り入れ、利用者が出た時に受給できる助成金を紹介いたします。

受給要件
@次のア及びイを満たす事業主
ア、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が利用できる短時間勤務制度を労働協約や就業規則により制度化している事(常用雇用する労働者100人以下の事業所で24年6月末以前に対象労働者が短時間勤務制度の利用を開始する場合は少なくとも3歳に達するまでの子を養育する者が利用できる短時間勤務制度を労働協約や就業規則で定めて6カ月以上利用した事)
イ、雇用保険被保険者で小学校3学年までの子を養育する労働者であって短時間勤務を制度化し、希望した者に連続して6ヶ月以上利用させた事
A育児休業、所定外労働の制限、短時間勤務制度について就業規則や労働協約で定めている事
B次世代育成支援対策推進法に規定する一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け、公表、周知させる事

受給額
・小規模事業主・労働者数100人以下
1人目40万円、2人〜5人目15万円
・中規模事業主・労働者数101人〜300人
1人目30万円、2人〜5人目10万円
・大規模事業場  省略
受給のポイントとしては法改正により新しい短時間勤務制を設けなければならないので、就業規則等の改定をしておく事で対象者が出た時にスムーズに申請が出来る事になるでしょう。





H24.5.23
軽減税率の先にあるもの

消費税の複数税率化が報道されだした
 野田首相が、一体改革の合意促進策として食料品軽減税率の採用に積極的である、とマスコミ報道されています。
 消費税は一律税率なので、税率改正は常に全国民を相手にすることになり、内閣の命運をかけた一大事業とならざるを得ませんでした。
しかし、複数税率にすると、商品分類別に税率を定めることが可能になるので、分類消費税という性格になります。そうなると、贅沢品・嗜好品を優先的に高税率にし、その他の商品も贅沢的・嗜好的面のあるものを細分化することにより、差別化政策で税率アップを図ることが容易になります。

国税庁は単数税率・食料品非課税では?
 事務作業が著しく大変になるので、消費税の複数税率化に対しては、税理士には反対の人が多いです。
国税サイドも、税の執行と効果を考えると、分類的な税率アップでは税収は限定的となり、執行の複雑化・困難化に比し効果が薄すぎる、と言うと思います。
 国税の執行現場に尋ねたら、単数税率のまま税率アップをしてもらい、その代わりに非課税枠を拡げる、という方が遥かに適正執行を確保し易いし、税収確保に資する、と言うでしょう。

なぜ非課税が税収確保になる?
 非課税が税収確保? このロジックはマジックなので、解説が必要です。
@消費税10%、食料品は5%のまま、という場合、食料品に係る国の消費税収入は最終消費者の食料品購入価格の5%です。
A消費税10%、食料品は非課税で、食料品の小売業者の課税仕入原価が8割とすると、国の消費税収入はゼロではなく、最終消費者の食料品購入価格の8%となり、3%の税収増になります。
 消費税は、消費者の手に届く前の長い過程で、それぞれに関わった事業者によって仮に納められる前段階消費税がありますが、それがAの説明では8%ということで、これが国に収納されたままになるのです。

最後のドタン場で非課税策に
 非課税による税収増のカラクリは、最終事業者を最終消費者に仕立て、前段階消費税控除を禁じ、一般に言う”益税”の反対の”損税”を負担させることです。消費者と接する事業者の反対が予想されるので、誰も気付かないうちに実現させるシナリオとして用意されている可能性があります。





H24.5.22
簿価移転利用の無限節税

パチンコグループの新手の節税策
 今年の2月半ばのマスコミ報道によると、パチンコ店をチェーン展開する計約40の企業グループが、組織再編税制を逆手に取って、損失を膨らませる新手の節税策により、総額約1000億円の損失創生プランを実行していたが、東京国税局はこれを、限界を超えた租税回避行為にあたると判断し、行為計算否認規定を発動しました。

節税プランを生み出す無限原理
 記事によると、「バブル崩壊で含み損のある株を子会社に現物出資する手口」とあり、「会社新設や合併を繰り返し」とあります。
例えば、甲社所有の株式Aは、簿価1000万円、含み損900万円、時価100万円だったとして、その株式を出資して、適格組織再編の一種の適格現物出資として、子会社Bを設立したとすると、
甲社仕訳B株式1000万円/A株式1000万円
となります。さらにB株式でC社設立、さらにC株式でD社設立、さらにD株式でE社設立・・・・したとすると、それぞれ
甲社仕訳C株式1000万円/B株式1000万円
甲社仕訳D株式1000万円/C株式1000万円
甲社仕訳E株式1000万円/D株式1000万円
ということになります。それぞれの1000万円の価額には含み損900万円があります。
 その後、各株式につき、価額が回復不能として900万円の評価損を計上すると、各会社に900万円の欠損金が発生します。
 そして、甲社がBからEの各会社を吸収合併すると、甲社の欠損金の総額は、AからEまでの5つの株式の評価損の合計4500万円となります。

無限原理のバリュエーション
 無限原理の要諦は含み損会社のコピーです。含み損会社のコピーは甲社の行為としてのみならず、B社がC社に、C社がD社にと、現物出資による新会社設立し、孫会社、ひ孫会社と作っても同じです。
そして、含み損のある株式は、含み損のある土地であってもよいし、寄附や配当の組み合わせで工夫すれば含み損株式は人為的にも作れそうだし、現物出資は会社分割で代替することもできます。
 また、欠損金の発生は、評価損だけでなく、株式の売却による売却損によっても実現します。
それらの欠損金を、グループ内の黒字会社に合併により取り込むと、無限に租税回避が可能なグループ法人になります。





H24.5.21
労災保険のメリット制

労災事故発生と保険料率の関係
 労災保険のメリット制の保険料率は事業の種類ごとに過去の労働災害の頻度や重篤さ等に応じて定められています。しかし、事業の種類が同じであっても作業環境や災害防止対策等の違いに応じて災害発生率は違ってきます。そこで労災保険では、労災防止努力の促進や事故の有無による保険料負担の公平性を計る目的で、一定の要件を満たす事業場に適用する労災保険料率を災害発生状況に応じて増減させる制度「メリット制」を設けています。

メリット制の適用要件
 継続事業にメリット制が適用されるには連続する3年度において次の@ABのいずれかに該当する事業でその3年度の最後の年度に属する3月末日現在で労災保険に係る保険関係が成立した後3年以上たっている事が前提条件です。
@100人以上の労働者を使用している事
A20人以上100人未満の労働者を使用している事業場で、労働者数に事業種類ごとに定められた労災保険料率から通勤災害の災害率(現行1000分の0.6)を減じた率を乗じて得た数が0.4以上であるもの
B一括有期事業(建設事業及び立木の伐採事業)で確定保険料の額が100万円以上であるもの

メリット制の適用は
 メリット制適用は前述の要件を満たした時に保険料の増減が行われます。その判定は連続する3年度の保険料額に対する給付額等の収支率を基に段階的に最大40%の幅で割増や割引が行われます。具体的には収支率が75%以下の時に減じ、85%を超えると増加されます。実際のメリット率適用は連続した3年度の最後の年の翌々年度になります。

メリット制の改正点
 平成24年の3月までは一括有期事業の場合、先に示したメリット制の適用要件の確定保険料の額が100万円以上となっていましたが4月より40万円以上と大幅に緩和されました。但し労災保険料率の増減幅については確定保険料が40万円以上100万円未満の場合は最大30%のメリット率で適用されます。メリット率の恩恵を受ける事業場が増える事は確かな様です。





H24.5.18
使える?使えない? 相続税の物納制度

物納は最後の砦?
 国税は金銭で納付する事が原則ですが、相続税については延納によっても金銭で納付する事が難しい時は、一定の相続財産による物納が認められています。
 延納とは、相続税が10万円を超えた際に担保を提供する事によって、相続税を年賦で支払える制度です。ただこれには利子税がつきますので、実際の相続税よりも、総額では多く払う事になります。
 物納は、延納でも支払えない場合に利用できる制度ですから、最終手段と言うべきものです。「金銭は老後の為にとっておいて、土地を物納して相続税を納めたい」といった方法は取れません。

物納できる財産と物納順位
 物納できる財産は日本国内のもので、その時の相続で取得したものに限られます。さらに物納には順位があり、
1.国債・地方債・不動産・船舶
2.社債・株式・証券投資信託又は貸付信託の受益証券
3.動産
となっています。国債を持っているのに、株式で物納する、といった事は税務署が認める特別な場合だけしかできません。

不動産の物納条件にも注意が必要
 例えば担保がついている不動産・隣との境界が曖昧な土地・道路に通じていない土地などは、物納ができません。
 物納により収納される財産の価額は、原則として相続税評価額(申告した価額)です。また、小規模宅地の減額の適用を受けた宅地については減額後の価額になりますので注意が必要です。
 実際に売買して、諸経費や譲渡所得税(相続税の取得費加算の適用があります)等を勘案した場合と、相続税評価額で物納した場合を比較検討し、物納の選択が有利かどうか判断しなければなりません。

物納・延納の切り替えは出来る
 延納から物納へ、物納から延納への切り替えが可能ですが、物納へ切り替えた場合は当初の延納条件による利子税を納付しなければなりません。ご留意下さい。





H24.5.17
社員の交通事故と企業の対応


道路交通をめぐる最新情勢に合わせ、度々改正が行われている道路交通法。毎回厳しくなる取締りに、道路交通法違反件数も年々減少してはいるようですが、それでも交通事故がなくなることはありません。
社員がもし交通事故を起こしてしまった場合、従業員やその家族はもちろん、企業にとっても大きな不利益となることは言うまでもありません。

事故発生時の責任と罰
交通事故を起こした場合、道路交通法に基づく行政上の責任、刑事上の責任、また一般的に被害者への損害賠償が求められる民事上の責任など、複数の法律的責任を負うことになります。
これらの責任は事故を起こした社員個人だけでなく、その社員を雇用している企業に対しても連帯して責任を問われることがあります。たとえば、社用車で営業を行っている社員の運転免許が失効し、無免許運転状態で事故を起こしたとします。民法では社員が業務執行中に自動車事故を起こし第三者に損害を与えた場合、使用者である企業が責任を負わなければならないという使用者責任に関する条項を設けており、この責任から免れるには「使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をした」こと等を立証しなければなりません。民法の他にも、自動車損害賠償保障法では、企業が「その運行によって利益を得ていたか」ということで責任を判断する運行供用者責任が定められており、これについても企業が責任を免れることを立証するのは極めて困難です。無免許の事実を黙認していた場合は本より、運転免許の確認等必要な措置を企業が怠っていた場合には、やはり企業の管理責任が問われ、法律上の責任に加え企業の社会的信頼に関わることは間違いありません。

企業側の対策
このような事故を想定した上、就業規則やマイカー通勤規定を作成している企業も多いでしょう。しかし、規則には入れてはいるものの、実際に企業側が確認をしていなければ対策として具体的な効果を発揮しません。社員の運転免許証を確認する、社用車の使用目的を確認する書面やマイカー通勤者に対する誓約書を作成するといった確認を、少なくとも年に一回は行うこと、また法令順守の徹底を指導するなどの方法で、社員と会社、双方の身を守る対策を講じたいものです。





H24.5.16
コンプガチャ商法と景品表示法


コンプガチャ商法とは?
 CMでもすっかりお馴染みとなった「グリー」や「モバゲー」などが配信する携帯電話向けゲームですが、これらの中で提供されている「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」と呼ばれる商法について、消費者庁が景品表示法で禁じる懸賞に当たると判断、見解を公表するとの報道により、業界が自主規制をまとめる動きを見せています。
そもそも「ガチャ」とはカプセル入りのおもちゃが出てくる自動販売機、ガチャガチャをイメージしたもので、一回数百円程度の課金でアイテムを購入する仕組み。このガチャで一定のシリーズアイテムを全て揃える(コンプリートする)と、更に希少性の高いレアアイテムを獲得できるというのがコンプガチャと呼ばれる商法です。かつてプロ野球選手等のカードを集めると景品類がもらえるといった懸賞がありましたが、ちょうどこの懸賞をケータイゲーム上で行っているのがこのコンプガチャ商法に当たると考えられます。
何種類かのカードを集めて景品類がもらえるという懸賞は当時も子どもたちの間で爆発的な人気を呼んでいましたが、カード欲しさに商品を買い続けてしまうことに保護者から多くのクレームが寄せられたことや、特定カードの枚数を制限してカードを集めにくくするなど企業側が不正行為をする可能性が指摘され、公正取引委員会が告示の改正に伴い全面的に禁止していました。時代は変わり、架空のゲーム上でこの懸賞が行われていたわけですが、レアアイテム欲しさにいつまでも課金を続けてしまい、結果的に多額の請求がきたという、若干の様変わりをしながらも当時と同様の事例が多発してしまったことが、今回この商法にメスが入った発端と言えます。

電子商取引の盛んな今だからこそ
景品表示法に言う「景品類」とは、 (1)顧客を誘引するための手段として、(2)事業者が自己の供給する商品・サービスの取引に付随して提供する(3)物品、金銭その他の経済上の利益であり、景品類に該当する場合は景品表示法に基づく景品規制が適用されます。もちろんこの規制はインターネット上のような電子商取引についても同様です。今回のコンプガチャ商法は、電子商取引の中で更に電子的な景品類が提供されるという点で規制の範囲外と認識されていたのでしょうが、電子商取引の盛んな今だからこそ、電子商取引であっても、店舗営業と同様の規制を受けることを再認識したいものです。





H24.5.15
業績考課の方法

 人事考課を行う際、管理職や上級社員の場合、業績考課が最も重視されます。
 つまり、上位階級になるほど発揮した能力や意欲そのものではなく、努力して得た結果としての業績に注目して考課するわけです。

考課の方法
 「業績」は例えば営業職は売上高・利益の大きさ、企画スタッフ職は企画・提案の効果、開発職は開発製品の事業貢献度等、職種・等級によって異なり、自社の業務実態に合った考課項目・考課着眼点を人事考課シートに記載して考課します。
 業績の捉え方は、考課対象期間(通常1年)の合計、または平均値とし、被考課者間で公正・妥当と見られるように定義します。

「業績考課」の問題点と対策
業績考課で問題となりやすいのは、プロセスでの発揮能力が高くとも、外部環境などの影響で業績が得られなかった場合です。
公正に評価するには、外部環境でアゲンストの風が吹いた場合、その状況を回避するために努力して得られた業績、その悪い状況を跳ね返す努力の余地があったかどうか、フォローの風が吹いた場合は、良い条件の下で得た業績であり、その良い条件を十分に利用して、さらに業績を高める余地がなかったかを考課することが重要です。
なお、外部環境等与件の変化の業績への影響は企業全体の業績に影響するので、上位役割等級にある者ほど、貢献実績の評価においてその影響を直接的に受けることになり、その合意形成が必要です。
 チームの努力によって業績が得られた場合は、チームメンバー個々のチームへの貢献を的確に考課することが必要で、その事実はチームメンバー自身が最も良くわかっている場合が多く、メンバー間の相互評価を参考とする仕組みを検討すると良いでしょう。





H24.5.14
財産調書の次は出国税か

国境に消える税金への対策
 今年立法化された国外財産調書制度は、資産の海外への逃避に対する施策ですが、欧米には以前から各国それぞれの個性をもった海外財産情報申告の制度があります。
 地続きのEU諸国や白人文化圏の国々では、課税回避のための人と物の異動が、わが国の場合に比較して古くから容易だったので、それへの対処としての租税施策にも歴史があります。

欧米諸国での制度状況
 例を挙げると、アメリカでは、納税者番号制度・海外資産に限らない広範な情報申告制度・罰則・強力な税務調査を一体とした制度化がなされています。フランスには、海外口座情報の報告・海外送金報告記録保存義務・富裕税による海外資産を含めた一般財産申告制度があります。カナダでは、保有海外資産の資料提出義務があります。スウェーデンでは、海外資産保有居住者に海外銀行等への照会同意義務があります。

物の異動の次は人の異動
 人の非居住者化という異動については、米・英・独・仏・蘭・加・墺・豪・デンマーク・フィンランド・ニュージーランドと、多くの欧米諸国で出国に係る課税制度を用意しています。
 その一つが、出国税で、出国に際し、財産を処分し現金化したものと仮定して所得税を課すものです。分類的には、全ての財産を処分したものとするのが一般出国税で、有価証券に限って処分したものとするのが制限出国税です。
 その外に、出国により非居住者となっても居住者とみなして課税を続けるみなし居住者課税制度があります。

国家による人と個人財産の捕捉
富裕層への課税の強化は世界の流れですが、個人課税の重い国から軽い国に移住する富裕層囲い込みを目的にした各国家の租税戦略も又一方にあります。それでいて、富裕層自身の中から富裕層への課税強化の必要が唱えられるような時代にもなっております。さらに、各国の個人課税強化への担保として、国家による人と個人財産の捕捉を強化する試みが進んでいます。
 わが国でも、国境に消える税金への対策の研究が進んでおり、富裕層課税への強化も避けて通れないとすると、遠からず、出国に係る新しい制度案が出てきそうです。





H24.5.11
高年齢継続雇用と労使協定どこまでできる?
酒税法と自家醸造


 最近はメニューに「自家製」と書かれた梅酒などを提供している飲食店を度々目にするようになりました。
 本来、酒類の製造は酒税法により制限されており、酒類製造免許の取得や酒税の納税などが必要となります。なぜ製造免許を持っていない飲食店などでも提供することができるのでしょうか。

平成20年4月の特例措置による緩和
 焼酎等に梅等を漬け込む行為(=混和)は、原則として酒類の製造に該当します。しかし、平成20年4月30日に設けられた特例措置により、次の条件をすべて満たす場合であれば、飲食店等でお客様に対し自家製梅酒等をご提供することが可能になったのです。
1.特例措置が受けられる事業者
 特例措置は、酒場、料理店、民宿、旅館、飲食店等酒類を飲用として提供する事業者の方が対象です。その場でのご提供が前提とされているため、お土産などとしてお持ち帰りすることは認められていません。
2.提供できるお酒と製造制限
 提供できるお酒は、アルコール分20度以上のウイスキー、ブランデー、スピリッツ等一定の蒸留酒に、糖類や梅の他、以下の使用禁止物品以外のものを混和したものです。また、混和後アルコール分1度以上の発酵がないものに限られます。
 ≪使用禁止物品≫
 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ、でんぷんまたはこれらの麹、
 ぶどう(やまぶどうを含む)、酒類、アミノ酸、ビタミン類等

緩和されたとは言っても…
 アルコール度数が20度以下のお酒と、上記にある使用禁止物品を混和した場合、漬け込む過程で醗酵が生じ、アルコール分が生成される可能性があります。つまり、漬け込む過程でアルコール分が絶対に生成されないという条件に基づいて設けられたのがこの特例措置であり、梅酒のように焼酎へ使用禁止物品でない果実等を混和するお酒の場合は、上記の条件下において自家醸造することが可能です。一方、韓流ブームですっかりお馴染みのマッコリは、製造に米と麹を使い、乳酸菌で発酵させるお酒であり、使用禁止物品に当たることなどからこの特例措置を以ても醸造、提供することはできません。特例措置による緩和とは言っても、やはり酒税法の壁が高いことは変わらないようです。





H24.5.10
配当金の益金不算入
配当金の効力発生日


受取配当金益金不算入の趣旨
 言うまでもありませんが、法人税法では、原則、二重課税を排除する目的で、受取配当金の全部又は一部を益金不算入としています(外国法人、公益法人等及び適格現物分配に係るものは除く)。これは、配当金は課税済み後の所得から支払われるものであり、一方、これを受領した側にも課税するとなると同一の所得に対して二重に課税することになるからです。
 配当金益金不算入の割合は、株式等の区分によって異なります。@完全子会社株式等の配当は100%、A関係法人株式等の配当は「配当金-負債利子」×100%、B@及びA以外の株式等の配当は「配当金-負債利子」×50%です。なお、短期所有株式に係る配当には、この益金不算入の適用はありません。

関係法人株式等の配当とは
 益金不算入の適用を受けるためには、配当等の計算期間の全期間を通じて配当支払い会社の株式を継続して所有していなければならないのか、ですが、必ずしもすべてがそうでありません。
 関係法人株式等の配当にあっては、原則(株式移転等による保有は除く)、配当金支払い会社の株式等の25%以上を配当金等の効力発生日以前6ヶ月以上継続して保有していれば、100%の益金不算入の適用を受けることができます。

配当金の効力発生日とは
 配当金の効力発生日は、一部上場会社を除き株主総会で配当決議する際にその配当金支払いの効力が生ずる日も定めなければならないことになっています。上場会社の多くは、総会での配当決議の翌日となっていますが、その決まりはありません。会社の資金繰り等、さらには、配当金受領会社の当該配当に係る株式が関係会社株式等に該当するよう、その調整をすることもできます。
 設例で具体的にみて見ましょう。配当受領会社X社の事業年度は、24年4/1〜25年3/31、一方、配当支払い会社Y社の事業年度23年10/1〜24年9/30、X社は24年7月1日にY社の株式25%以上を買収、Y社の配当基準日は9月30日で配当決議は12月25日、その効力発生日を翌26日、とすると、当該株式の配当は「関係法人株式等の配当」には該当しません。しかし、効力発生日を翌年25年1月1日以後に定めれば関係法人株式等の配当に該当することになります。買収の際には留意したいものです。





H24.5.9
人事考課の要素


 一般に人事考課では社員に与えた仕事の結果や遂行プロセスを観察して、「業績・発揮能力・意欲」の三つの要素で、そのレベルを測定・考課します。
 「業績」とは、通常1年の考課期間にあげた仕事の結果であり、それぞれの役割に応じて、例えば営業職の場合は売上高・利益など、定量的・数値的に測定し、企画職の場合は担当した企画業務の出来栄え・活用効果など(定性的で数値で捉えられない場合がある。)を測定します。一般事務職では仕事の的確性や処理スピードなどを観察して測定します。
 「発揮能力」は仕事のプロセスで発揮した業務知識や専門知識・技術などの活用度・計画力・実行力・折衝力・調整力・リーダーシップ(管理・監督職)メンバーシップ(一般社員)などを考課項目とし、本人の行動事実を観察して測定します。
 最近は“コンピテンシー(個々の企業において業績をあげている社員の行動特性)”に注目して測定・考課する傾向が強くなっています。
 「意欲」は仕事に取り組んだ際に本人が示した意欲・姿勢を、やはり行動事実を材料として測定・考課します。
三つの考課要素は、入社初期・中堅・ベテラン社員・管理職等の階層によって重視する項目をウエイト付けするのが適切です。

経営者・人事担当役員の留意点
 業種・職種の業務の特徴、社内階級に応じて、社員がやる気を出すのに効果的な考課要素・項目を選び、人事考課表を設計し、考課・調整の仕組みを設計することが大切です。それを社員に公開すれば経営者が社員に期待するメッセージが的確・明快なメッセージとして伝わり、モラール向上につながります。
 





H24.5.8
近い将来の税増収プラン


財務副大臣の発言から
 予算委員会で、財務副大臣が「所得再分配機能をどう取り戻すかが重要課題」とし、
@所得税・相続税の最高税率を上げる
A富裕税という考え方もある
Bマチマチな税率構造を見直す
と施策案を挙げていました。
 @は今、審議中の一体改革案の中ですでに上程されています。
 AとBは、多分、財務省が腹案として、すでに準備しているものなのでしょう。

富裕税をめぐる国際状況
 現在、富裕税が施行されている国は、フランス、スイス、オランダ、ノルウェー、インドなどですが、過去、富裕税を施行させた経験のある国は日本を始め沢山あります。最近、ポルトガルが富裕税を復活させたというニュースがありました。
 いずれも税率は、0.2パーセントから3パーセントといった低率で所得税の補完税としての役割を持たされています。

日本の富裕税導入と廃止の歴史
日本では、昭和22年(1947)に所得税の最高税率は85%になり、昭和24年(1949)のシャウプ勧告は、このように高い税率は勤労意欲にマイナスであるとして、所得税の最高税率を下げ、その補完税として富裕税を導入するように勧告しました。その結果、昭和25年(1950)に所得税の最高税率が55%に抑えられ、同時に0.5〜3%の累進税率で富裕税が導入されました。
 しかし、富裕税は税収総額が多くなく、資産の包括的把握に税務執行上の困難を来たしたため、昭和28年(1953)に廃止され、代わりに所得税の最高税率が65%に上げ直されました。
 国外財産調書制度創設につづき、財産債務明細書の制度強化が図られるとすると、日本でも富裕税の復活かもしれません。

税率構造多段階化という増税テクニック
 所得税や相続税の税率に3%、5%、10%刻みのところがあるので、刻み幅を統一する、という名目による案もありそうです。
 もし税率を1%刻みにしたら、10%税率の人の中には19%、20%税率の人の中には29%の税率になる人が出てきます。
 最高税率のこれ以上のアップは国際比較の上からして困難そうですが、税収の増加策としての税率構造の多段階化は極めて有効です。





H24.5.7
パワハラ報告書と防止策

増え続けるパワハラ相談件数
 平成24年1月に厚生労働省は「職場のいじめ、嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告書」を発表しました。この事は企業の82%が重要な対策問題である(H17年中央労働災害防止協会調べ)としているものの労働局に寄せられたいじめや嫌がらせに関する相談が8年で6倍に増加している事が背景にあります。

厚労省報告書のパワーハラスメントの定義
 「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係等の職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的、身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」とされています。ここで言っている優位性とは職場における役職の上下関係の事ではなく、当人の作業環境における立場や能力を指しています。ですから部下が上司に対して、又、同僚間に対してもパワハラはあり得るという事です。
 具体的な行為としては @身体的攻撃、A精神的攻撃、B人間関係の切り離し、C過大な要求、D過小な要求、E個の侵害等となりますが問題点は個別のケースを良く調べる必要があることです。パワハラ問題で難しいのはどこからどこまでの範囲の行動がパワハラなのかわかりにくく最初は適切な指導や助言であったものが時間と共にエスカレートしてしまうこともあるからです。

職場内で問題を解決するには
 先の報告書では予防策として @経営トップのメッセージ、Aルール決め、B実態把握、C教育する、D周知する さらに解決策として@相談の場の設置、A再発防止策等が挙げられています。
 一昔前まではパワハラのような事はどこの職場にもありそうな光景であったかもしれませんが職場環境の変化により仕事のストレスが大きくなって来ていると言えるのかもしれません。仕事熱心である上司がパワハラを指摘されたり、部下が職場不適応でメンタルに問題が生じたりする事も見受けられます。このような問題を解決するには互いのコミュニケーションギャップを埋める為の第3者が入って相談できる場が必要でしょう。苦情処理委員会等と言わないまでも人事部や上司が相談相手になれる体制も有効です。積極的な予防策は活力ある職場には必要な事でしょう。





H24.5.2
伝説の「ブスの25カ条」を克服せよ」


宝塚歌劇団の伝説の格言
宝塚歌劇団の学校に貼られていたという伝説の「ブスの25か条」は、学生、社会人であるかを問わず、自身と他人の人生を豊かにする味わいのある言葉といえます。特に、周りに大きな影響を与えるリーダ的な立場の人にとっては、重要な言葉であるばかりでなく、基本的な思考習慣ともいえるものです。そこで、25か条のうち、10か条をご紹介します。

<ブスの25か条>
@笑顔がない 
Aお礼を言わない
Bおいしいと言わない
C精気がない
D目が輝いていない
Eいつも口がへの字の形をしている
F自信がない
G希望や信念がない
H自分がブスであることを知らない
I声が小さくいじけている

社会人もブスでは困る。美人になれ
 この25か条の言葉は、宝塚ジェンヌたる前に、人としての手本となる生き方を説いています。“ブスの思考”の真逆は“美人の思考”であり、もし、自身が、ブスでない生き方、つまり“美人”として生きていきたいならば、「ブスの25か条」の真逆の行動を取ればいいのです。そうすれば、誰しもが明るい未来になるということです。また、ビジネスなら素晴らしい成果にたどり着くことができるでしょう。「ブスの25か条」はそんな素晴らしい格言だと言えます。
また、その他の「なんでもないことに傷つく」「他人を恨む」「悲観的に物事を考える」など、“ブスの25か条”には知らないうちに陥ってしまいがちな良くない心の習慣が示されています。

明るい会社にはお客様が寄ってくる!
日々の戦いの中であればこそ、勢いのもとである明るい笑顔は非常に大切なことです。自身の存在自体が、周囲を暗くする人か、周囲を明るくする人か、まして、これが組織単位となれば、組織の社会的な存在価値に大きな差が出ます。そのためには、社内会議は、「会社を明るくする組織づくり・社会を明るくする商品づくり」を心がけることが肝要といえます。
 まずは、25か条のうちの一つから、始めてはいかがでしょうか。





H24.5.1
期限切れ欠損金の範囲
法令規定と通達規定


期限切れ欠損金とは
 期限切れ欠損金は、法令上の用語でなく造語ですが、平成22年度税制改正で確実にその市民権を得ました。
この期限切れ欠損金は、清算事業年度の課税方式が「損益法」に改められたことにより、債務超過法人に青色欠損金を上回る債務免除益が生じ、担税力のない課税所得が発生してしまうことを回避する目的で、一定の条件下で清算事業年度において損金算入を認めるものです。
期限切れ欠損金の内容・範囲ですが、「過去の青色欠損金」、すなわち、所得から控除できる期限を経過(失効)してしまった欠損金(平成23年度税制改正で現行7年から9年に延長)ではないか、と思われがちですが、そうではありません。社外流出・損金不算入である「交際費」や「寄附金」もこの期限切れ欠損金に含まれています。

法令上の期限切れ欠損金
 欠損金については、法人税法で「損金の額が益金の額を超える場合におけるその超える部分の金額をいう」と定義しています。
 そして、益金及び損金の額については、法人税法で「別段の定めがあるものを除き、公正な会計基準にしたがって計算されるもの」と定めています。
期限切れ欠損金は、これら定義からすると、青色欠損金の内、控除期限を経過した欠損金から成るものと理解されます。

通達における期限切れ欠損金
 しかし、通達における期限切れ欠損金は、@「期首現在利益積立金の合計額として記載されるべき金額で、当該金額が負である場合の当該金額」− A「青色欠損金等の額のうち損金の額に算入される金額」と規定しています。いわゆる、@は法人税の申告書別表5(1)「31」@欄の金額、Aは法人税申告書別表7(1)「2の計」欄の金額ということになります。
この通達の規定では、期限切れ欠損金には、社外流出・損金不算入である「交際費」や「寄附金」をも含んでいます。

何故、通達の規定なのか
 一つには、過年度の期限を経過(失効)した青色欠損金を補足することは困難であること、もう一つは、損金に、別段の定めにより社外流出・損金不算入となる「交際費」や「寄附金」を含めても、納税者にとって損金算入の額が拡大し不利益にはならない、さらには課税実務の簡便、ということなのでしょうか。