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H24.7.31
有期労働契約 法改正の動向

全雇用者の3分の1をしめる非正規雇用者
 パートタイム、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託等呼称は色々ですが非正規労働者は働き方も様々です。しかし正社員に比べて賃金等の待遇が不十分な上、雇用も不安定な状況が多いのが現状です。平成20年秋のリ−マン・ショック時には多くの非正規労働者が雇止めや解雇をされました。雇用を支えてきた建設業や製造業でも2業種の就業者はリーマン・ショック前より170万人も減っています。企業は新興国との競争で人件費の削減を余儀なくされている上、メーカーは工場の海外移転等で空洞化となり建設業は国の財政難による公共事業の減少で雇用吸収力が無くなっています。

法改正案のポイント
このような雇用状況に是正をかける為に政府は有期労働契約のあり方を見直し、法改正や社会保険の適用拡大の検討を進めています。そして労働契約の一部を改正する案が今国会に提出されました。今回の改正案は労働契約法に新たに次の3条文を加えるものです。

@有期労働契約の期間の無い労働契約への転換・・・有期労働契約が5年を超えて反復更新がされた場合は労働者の申し出により無期労働契約に転換させる仕組みを作る。原則として6ヶ月以上の空白期間(クーリング期間)がある時は前の契約期間は通算しない、また別に定めのない限り従前と同一の労働条件とする。

A雇止め法理の法定・・・雇止めの判例法理を制定化し、反復更新をしていて無期雇用と実質的に異ならない状態である場合、契約終了後の継続雇用につき、合理的期待が認められる場合は解雇権濫用法理を類推し雇止めを制限する。

B期間の定めがある事による不合理な処遇解消・・・正規契約の者と労働条件が違う場合、その違いが職務内容や配置換え等を考慮しても不合理なものと認められるものであってはならない。

 以上のように雇用する側にも厳しいところがあります。しかし非正規の雇用を守る為の法改正であるものの、解雇をしにくくしている判例の適用が正規雇用は守られる一方、非正規を増やしてしまう面もあることが考えられます。





H24.7.30
要介護者と障害者控除について

1.はじめに
 所得税の確定申告をする際に、所得控除の一つとして「障害者控除」があります。障害者控除は、納税者自身又は控除対象配偶者や扶養親族が所得税法上の障害者に該当する場合に受けることができます。それでは、介護保険法による認定を受けた要介護者は、所得税法上の障害者に該当するのでしょうか。

2.要介護認定を受けただけでは該当せず
 所得税法上の障害者の範囲は、所得税法施行令10条に限定列挙されています。つまり、精神又は身体に障害のある人やこれらの障害に準ずる65歳以上の人で市町村長等の認定を受けている人等と規定されています。所得税法においては介護保険法の介護認定を受けたか否かについての規定はありません。
大阪国税局の情報によると、「単に障害者といってもその程度は千差万別であり、障害者かどうかの判断を市町村長等にゆだね、客観的に障害者であることが明らかな者のみを所得税法上の障害者と取り扱うこととしていると考えられる」としています。

3.要介護認定者が障害者控除を受けるためには
 市町村長等の認定を受けて所得税法上の障害者に該当するためには、市町村等でどのような手続を取ればよいのでしょうか。
 要介護認定者であれば、障害者控除対象者認定申請書(各市町村等HP参照)等の書類に基準日(12/31)時点での交付を受けることができます。市町村等によってはHP上で「要支援1や2の認定者は該当しません」と明記しているところもあります。

4.市町村長等の認定の基準について
 障害者認定では重度の障害となる人でも、要介護認定では低い「要介護度」や「自立」と判断されることがあります。そこで障害の程度や寝たきり老人であることの情報や判断については、医師の診断や民生委員や福祉事務所長からの証明書類などから客観的に判断していくようです。





H24.7.27
原子力発電に関する基礎知識
電源開発促進税


電源開発促進税とは
国税で、発電施設の設置促進、運転の円滑化、利用促進、安全確保、電気の供給の円滑化などを目的とした、目的税(その税金の使い道が決まっている税金)です。
納税義務者(税金を納める者)は一般電気事業者(東京電力等)で、販売した電力や自ら使用した電力に課税されます。

税金はどれくらい?
税率は、現在1,000KWH当たり375円で、一世帯当たり平均で月110円程度と言われています。税率は2003年9月まで1,000KWH当たり445円でしたのが、その後徐々に下げられて、425円→400円となり、現在の375円となっております。

何に使われているの?
創設は1974年のオイルショックによる石油に代わる代替エネルギーの開発で、原子力・水力・地熱等の発電所の設置を促進することを目的としておりましたが、主に原子力発電所の設置促進に使われてきました。2006年度までは特別会計として、一般会計とは別に取り扱われてきましたが、2007年度からは、一般会計に含め必要額を特別会計(電源開発促進勘定)へ組み入れる仕組みとなりました。
2008年の特別会計は、概ね3,300億円でしたが、その半分以上が、独立行政法人・公益法人・民間企業に委託費用として支払われております。そのうち突出して大きいのが日本原子力研究開発機構(以下 開発機構)1,226億円と原子力安全基盤機構(以下 基盤機構)225億円で合わせて、1,451億円です。これを見ても原子力発電は国策であったことがよくわかります。
更に2011年9月30日の東京新聞ではこの2つの機構には各々4人の天下り官僚OBがおり、各人の平均年収が開発機構で1,570万円、基盤機構で1,860万円と多額であることがスクープされました。しかし一方で開発機構の研究員は、除染廃土処理費の低減技術、廃炉費の低減技術、超高温原子炉(原発のガスタービン化・原子力石炭液化)、海水ウラン(シェールガスの600倍の熱資源)。 など数百兆円以上の国家収益につながる研究業績があると言う意見もあります。





H24.7.26
経営会議の効率化

社長を中心に行う月間・期間・年間の定例経営会議では経営戦略・経営計画の策定に始まり、その実績のチェック、計画遅れ、又は未達成の原因追究と対策を定例議題として、担当役員からの報告に基づいて検討されるのが通常でありましょう。
そのような定例経営会議の効率は「投入時間対意思決定等の成果」で計り、かけた時間の割に意思決定ができない等、非効率な要因を取り除いて、前向きな緊張感を持ち、スピーディーな対策行動へつなげる会議とするべきです。
しかし、現実には社長が描いたような効率の良い会議が常に開催されるとは限りません。

経営会議の非効率要因
 会議に時間ばかりかかり、社長が意思決定できる明快な具体策がなかなか出てこない場合や、それほどひどくはないが、非効率な傾向がみられる場合、その代表的要因は次のように考えられます。
@ 競合・取引先・技術動向・法規制など外部環境が急変し、当社の業績への影響が複雑にからみ合って、報告担当者が整理しきれていない。そのため自社の業績への影響やその要因に関する状況判断がまとまらず、「○○ではないか、××ではないか。」と憶測による議論に終始する。
A 限られたメンバーが、発言を独り占めする傾向があり、他のメンバーの発言・意見交換が少ない。
B 複数の問題解決具体案があり、それぞれの背景に異なる状況判断があるため、なかなか意見がまとまらない。
C 会議メンバーの議事に参加する責任の自覚が薄く、自ら発言しない。

トップ主導の経営会議効率化
トップはメンバーに対して、少なくとも次のように指導すべきでしょう。
@ 議題に関する的確な状況判断ができるよう、予め案件の担当部門・事務局に命じて、現状報告を要領よく行わせる。
A 議題ごとに、事実に基づく状況判断を一致させた後に、対策を論議する。
B 主要議題をメンバーに事前(場合によっては1カ月前)に予告し、各自の発言・提案内容を事前検討の上、出席させる。
C メンバーに平等な発言機会を与え、異質な意見の組み合わせ、発展を奨励する。





H24.7.25
社内ゴルフコンペはどうなるの


ゴルフコンペは交際費
社外の取引先等を対象としたゴルフコンペにかかった費用は、交際費となることは衆知のことだと思います。

では社内の親睦を図る為に社員だけで行うゴルフコンペは、どのようになるのでしょう?
現在国税局は、社内コンペの取り扱いについて、特に見解を述べてはいません。
しかし一般的には以下のように考えられています。
『従業員を対象とする慰安のための社内コンペ代を会社が負担した場合、社内交際費または給与として取扱います。ゴルフを嗜む人が増えたといっても、一部の従業員しか参加できないと考えるからです。』

社員旅行は一定の条件を満たせば、福利厚生費として認められます。
何故認めるのかと言うと、当局は社員旅行の費用は、企業が従業員に与える経済的利益すなわち給与と考えておりますが、少額不追求を理由に一定の条件で高額でないものについては福利厚生費として認めています。
少額不追求の主旨で言えば、ゴルフコンペのほうが、社員旅行より少額だと思えます。社員旅行も社員の50%以上が参加する等条件がついておりますから、社内コンペも時代の変化とともにそろそろ条件付で福利厚生費として扱っても良いのではないでしょうか?

現状で福利厚生費と出来る方法としては以下の2つが考えられます。
@ 社員旅行の条件の範囲内で、社員旅行と合わせて行う。社員旅行に参加してゴルフをしない社員には、同等の金額の観光コース等を用意する。
A 社内親睦団体主催で行い、親睦団体には社内規定に則って補助金を支給する。
社内に各種親睦同好会があれば、その同好会の一つとして、ゴルフ同好会を創設することも一つの方法です。





H24.7.24
ケアレスミスも重加算税


重加算税とは
国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装した場合に課される税金で、増加した本税に対して原則35%。無申告の場合は40%の税金が課されます。

具体例が公表されました。
法人税の重加算税の取扱いについて(事務運営指針)』(平成12年7月3日付)が発表され、重加算税の対象となる「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装」の具体例が明らかにされました。
具体例としては、二重帳簿を作成していたり、帳簿及び書類を隠したり、偽りの記載などをしていたり、税務申告で提出する証明書などを改ざんしたり、偽りの申請で証明書等の交付を受けていた等、意図的に仮装・隠蔽した場合はもちろんですが、簿外資産で役員賞与その他の費用を支出していた場合も含まれます。

簿外資産で役員賞与その他の費用を支出していた場合とは?
 少額の売上代金を現金でもらい、売上に計上するのを忘れてしまったような場合が該当します。売上の計上を忘れた現金は簿外の資産となり、それを社長さんが知らない間に使ってしまった場合は、役員賞与と言うことになります。
実はこういったことは、社長の財布と会社の財布が同じような中小零細企業においては頻繁に見受けられます。
お店できちんとレジを打たないで小売をしているような場合、忙しいときに、集金が来たので、レジから現金で支払って、その領収証をレジに入れておけばよいものを、自分のポケットに入れ、支払を忘れてレジの現金をその日の売上としてしまった。一見面倒でも、ルールや管理をきちんとしないとこういったことが起こります。
税務調査で一件でもこういった事例が見つかると、もっとあるのではないかと疑われ調査も長引きますし、気分も悪くなります。悪意が無く、単なる間違いでも重加算税の対象となりますのでご留意下さい。





H24.7.23
計画・実行の留意点

「計画」とは、予め到達すべきゴールが決まっている事柄を効率良く達成するために、仕事の段取り、すなわちプロセスの計画を立てることを言います。
この段取りのうまさと計画通り実行する能力次第で、目標達成プロセスの効率が変わり、スピーディーに目標が達成される場合も、逆に最悪の場合は目標が達成できず、利益獲得のタイミングを逸することもあります。

良い計画とは
「良い計画」には次のような特徴があります。
@計画を立てる与件として、「達成すべき仕事の目的・成果イメージ」が明確であり、リーダー及び実行担当者が理解している。
Aスタートからゴールまでの仕事の流れに沿って、必要な作業の細分化・リストアップ(タスク・ブレイクダウンと言う)されている。(目標を達成したい期間が数日の場合は2時間単位の仕事の流れに沿った細分化を原則とし、期間の長短に応じて細分化の単位を変える)
B細分化した仕事を実行順序に従ってチャート化(図示)する。複数の実行担当者がいる場合は並行作業を計画できるので、達成までの期間が圧縮できる。
C実行担当者が、必要な作業の細分化、所要時間見積もりなどに参加している。
Dリーダーとメンバーが計画に基づく目標達成に高い意欲を持っている。

計画・実行における経営者の留意点
重要な計画、例えば経営戦略目標を達成する計画などの場合、経営者はその計画、実行、目標達成の流れのポイントで関与して行くと良いでしょう。
@ 目標達成に参加する計画・実行担当者(リーダーとメンバー)の人選に注意する。 特に経営者が信頼し、メンバーからも信頼される人格・積極性・関連分野の専門性をもつリーダーの人選と承認が重要
A チームが達成すべき仕事の目的・成果イメージを十分理解できるよう、経営者の説明・質疑応答の場を設ける。
B チームが立てた計画を承認し、実行プロセスで関心を示し、達成意欲の維持、向上を図る。
C 目標を達成したときは、「祝い」の場を設けるとともに、表彰・特別賞与などで報いる。





H24.7.20
風営法上の「接待」とは?
許可事業と法解釈


風営法違反で摘発件数急増中
 今年に入り、ガールズバーが風俗営業法違反容疑(無許可営業)で摘発される事例が相次いで報道されています。
これまでも中学生や高校生を雇用していたガールズバーが、労働基準法違反で摘発された旨の報道は度々されてきましたが、最近になり風俗営業許可を取らずに女性従業員に「接待」させたという風俗営業法(以下、風営法)違反での摘発が増加傾向にあるのが特徴的です。

ガールズバーは風俗営業か?
 風営法では、「料理店、カフェ」などの設備を設けて「客の接待」をして飲食等を行わせる営業などを風俗営業とし、公安委員会の許可を得なければならないとしています。この法律に言う接待とは、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と規定されており、一般的にはキャバクラのように女性従業員が客の隣に座り談笑するといった行為が接待に当たります。
しかし、この接待という言葉の定義は運営上非常に曖昧なものです。平成14年に警察庁が公表した解釈運用基準では、接待の判断基準について「継続して談笑の相手となったり、酒等の飲食物を提供」することは接待に当たるとしていますが、「カウンター内で単に客の注文に応じて酒類等を提供するだけの行為及びこれに付随して社交儀礼上の挨拶を交わしたり、若干の世間話をしたりする程度の行為」は接待に当たらないとしており、この点ガールズバーはあくまでバーテンダーが女性従業員中心のショットバーであるため風俗営業許可を取らないでも良いとの認識が多くの事業者の間で通っていたのが実情です。

法解釈の認識と営業実態のずれ
こういった基準の存在もあり、言葉を拡大解釈して抜け穴的に経営してしまうケースも後を絶たなかったわけですが、今回の摘発増加からは、カウンター内であっても実態として「継続して談笑の相手」になっている以上風営法に言う接待であると、その曖昧さに歯止めをかけようとする動きが伺えます。法律上の用語は一般に利用される表現とかけ離れたものが多く、施行後運用していく中で認識のずれが露呈することは少なくありません。そのずれを解消するため追って出されるのが解釈基準や通達ではありますが、ここに後出しされる法解釈との難しさを感じます。





H24.7.19
無断欠勤と懲戒解雇

正当な理由がなく無断欠勤した場合
 会社に届け出や連絡もせず、欠勤する事は、企業活動に悪影響を及ぼします。この事は就業規則等で定めてあれば懲戒の対象となります。ただ就業規則には無断欠勤があった場合は懲戒と記載してあったとしても日数が明記していない場合何日以上の欠勤で解雇できるのかという問題があります。労働基準法第20条では「労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合」に労働基準監督署長の認定を受ければ解雇予告の除外が出来るとしています。どのような時に認定されるのでしょうか。認定事由には次のようなものがあります。

本人の責に帰すべき事由による解雇とは
@原則として極めて軽微なものを除き、事業場内における盗取、横領、傷害等の刑法犯に該当する行為のあった場合
A賭博、風紀紊乱等により職場規律を乱し、他の労働者に悪影響を及ぼす場合
B雇い入れの採用条件の要素となるような経歴を詐称した場合
C他の事業場へ転職した場合
D原則として2週間以上正当な理由なく、無断欠勤し、出勤の督促に応じない場合
E遅刻や欠勤が多く、数回にわたって注意を受けても改めない場合

就業規則の運用
就業規則に懲戒解雇事由となる無断欠勤日数を明記していない時は、1日の無断欠勤であっても解雇できるかとなると同法16条において「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を乱用したものとして、無効とする」となっているので、前記Dの認定の理由を見てみれば無断欠勤による懲戒解雇は「2週間以上」が一応目安となります。この間に出勤の督促を行う事も解雇の条件とも言えるでしょう。
欠勤期間の長さだけでなく、どのような理由で届出がなかったのか、正当な理由はあるのか、会社に実害があったか等も考慮して解雇手続きは慎重に行いたいものです。
 就業規則には、欠勤日数の明記はもちろんですが、本人と連絡が取れず、意思が確認できない時は一定の期間終了時には自然退職と規定しておく事も、あとから本人が出社してきて退職の異議を申し立ててきたような場合でもトラブル防止策として明記しておくことも大事でしょう。





H24.7.18
地方消費税の基礎知識

地方消費税とは
消費税の増税が物議をかもしておりますが、現在の消費税5%は、実は消費税4%と地方消費税1%の合計で5%となっているのです。ですから正確には消費税等と記され、この等にあたる部分が地方消費税です。
地方消費税は、地方税法に基づき課される税金で、国の消費税額の25%となっておりますので、4%×25%=1%と言うことになるわけです。

消費税率引き上げではどうなるの?
内閣が閣議決定した「社会保障と税の一体改革大綱」では、今後消費税率が8%になった場合は、地方消費税は、消費税額の25%ではなく、消費税6.3%地方消費税1.7%。消費税率が10%になった場合には、消費税7.8%地方消費税2.2%と言うなんとも複雑な税率になってしまいそうです。
しかし現在も国の消費税4%の内1.18%が地方交付税として、地方消費税と合わせて都道府県に分配されております。

地方消費税の清算
地方消費税は本来、消費された地域に納める税金ですが、実務上は納税義務者(会社や個人の事業者)の国税の納税地に地方消費税も合わせて納付されますので、最終消費地に税収を帰属させる為に、都道府県間で清算が行われます。

清算の方法は
都道府県間の清算は、6/8が小売年間販売額(商業統計)とサービス業対個人事業収入額(サービス業基本統計)の合計額により、1/8は人口(国勢調査)により、のこり1/8は従業者数(事業所・企業統計)により按分されて清算します。

市町村はどうなるの?
各市町村へは都道府県の清算後の税収の1/2が、人口と従業者数の比で交付金として交付されます。





H24.7.17
高い高齢者の就業意欲

年金支給開始引き上げと雇用確保措置
 厚生年金の支給開始年齢の引き上げに伴い、無年金、無収入の人が出ない様に希望者全員が65歳まで働ける雇用確保措置を取るよう法で定めています。現在は8割以上の企業は継続雇用制度を導入しています。
背景に年金の定額部分の支給開始年齢の引き上げが有り、今後報酬比例部分の支給開始年齢も引き上げられ、60歳代前半の年金給付が無くなる状況では、就業継続を希望する人はさらに増加するでしょう。

半数超が65歳以降も仕事をしたい
 厚生労働省が発表した調査によると現在就業している60歳から64歳の人のうち56.7%は65歳以降も仕事をしたいと考えています。仕事はしたくない16.6%、考えていない26.7%となっています。仕事をしたいと回答した人の現在の就業状況は自営業者、家族従業員は78.1%、会社団体の役員は56.7%と高く、正規従業員で49.8%、アルバイト等46.5%で派遣・嘱託でも45.6%となり半数近くが就業継続を望んでいます。
 その理由としてはやはり生活の為である一方、健康維持30.2%、今の仕事が好き24.2%、社会とのつながりの維持23.8%、と社会性を求める意見も多くあります。
 実態は生活費について50歳代のころは年金で賄う予定であったものの60代前半になると働いた所得のある人が70.9%と現実には働く必要があったという事でしょう。

高齢者の就業意欲も活かし若者にも雇用を
 元々日本の高齢者の就業意欲は欧米に比べると高いと言われていますが、欧米では1970年代以降60歳代前半になると6割から8割が労働から引退していた時期が続いていました。失業率の高い若者の雇用機会を増やす目的でありましたが結果として社会保障給付が増え、雇用全体が減らされ、若年失業率は下がらず1990年代には政策見直しを迫られました。
 日本も年金支給開始年齢が上がると継続就業を希望する人は増えるでしょう。
 高齢者の働く意欲を活かすには年功的雇用管理を止め、時代の変化に対応できる能力の開発も欠かせない事でしょう。又、高年齢者の就業が若年者の雇用機会を奪う事のないように国も企業も取り組む事が求められる事でしょう。





H24.7.13
管理技術の効用

 「固有技術」と「管理技術」は経営管理において「車の両輪」と言われ、利益の確保、増大の重要な役割を担っています。
「固有技術」は、例えば、溶接技術・メッキ技術などモノづくりの基礎的技術で、企業個別の不可欠な技術であるのに対して、「管理技術」は企業が生産するモノやサービスの質・量・コスト・生産性・スピードを維持・改善したり、戦略策定など経営を前進させるために必要な普遍的技術で、「品質管理」「能率向上」「戦略策定」などが伝統的に活用されています。

「管理技術」を活用しない機会損失
「固有技術」に自信を持っている企業は、同業他社に負けない技術を保有するだけに、「管理技術」の活用を軽視し、ともするとそれらを活用しないことによる機会損失が生じている可能性があり、注意を要します。
 例えば、製造業でメッキ加工の優れた「固有技術」を持ちながら、不良率を低減する品質管理の「管理技術」活用が不十分であるため、損失を最小化することができなかったり、業績向上を図る戦略的経営計画策定・推進の「管理技術」を知らないため、自社の「強み」を「機会」に活用できず、業績向上の機会損失が生じていると言ったケースです。
 また、「ICT」の活用が伸展している現在、「管理技術」もICT化され、その正確さとスピードが活用されています。
「固有技術」と「管理技術」を結びつけて新しいサービスの価値を顧客に提供する戦略に取り組むか否かは、例えば「マクドナルドのクーポン戦略」の成功に見られるように大きな利益獲得機会の確保に直結し、取り組まないと機会損失が生じます。

経営者主導の「管理技術」活用
 「管理技術」活用の原点は、自社の「固有技術」が、商品・サービスのカタチになって、より多くの顧客に歓迎され、業績向上をもたらすようにすることです。
 従って、業績を改善するために製品を改善すべき点はないか、今不足している顧客サービスは何か、画期的なサービスレベルの向上、不良率の低下など、損失を減らし、利益を高める経営者の問題意識が出発点です。社員にその解決に役立つ「管理技術」を探し、自社の「固有技術」と結びつけた使い方を勉強し、検討してもらうのです。
このような経営者主導の「管理・改善の目的」に応じた「管理技術」を使いこなす努力が差別化に繋がります。





H24.7.12
サラリーマンと税務調査



任意といえども強制です
 税務調査は任意調査といえども法律に基づいて、強制的になされます。
 税務署には「質問検査権」と言うのがあります。それは各税法に「必要があるときは・・・質問し・・・検査することができる」と明記されているからです。
 しかも納税者が、税務署員の質問に対して答弁しなかったり、税務署員の帳簿検査について帳簿を見せない等の拒否や妨害をした時は、「1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。」と言う罰則が規定されています。これを納税者の受忍義務といいます。受忍義務とは、文字通り受けて耐え忍ぶ義務です。

受忍義務はどこまで
 「ではどこまで、受けて耐え忍べば良いのでしょうか?」と言う質問に対する明確な回答はありません。税務調査の方法については国税通則法等にも明文化されていません。現場の調査担当者や責任者の判断に委ねられております。
 受忍義務はありますがあくまで任意調査ですから、調査の日時や時間は、最大限納税者の便宜を図るよう要求できます。しかし土・日・祝日は調査を行いません。

サラリーマンはどうするの
 サラリーマンでも相続税や不動産所得や土地の売却等の所得があった場合は往々にして調査があります。
 税務署は、土日祝日は調査を行いませんので、平日にお願いしてきます。しかしサラリーマンは平日は仕事です。もし調査に応ずるなら有給を取るしかありません。
 しかし税務署もそこまでの受忍義務の強要はしておりません。しかし多くの場合は税務署にお願いされると、有給を取って調査を受けているのが現状です。

ではどうするのか
 平日に資料を用意して代理人(税理士や配偶者等)を立てて調査を行ってもらい、本人でないとわからないことは、昼休み等に電話でやり取りすると言った方法も可能です。





H24.7.11
許認可・届出不要事業の落とし穴

許認可がいらない?エステティック業
 会社で行う事業の中には、許認可や届出を行うことが営業要件になっているものもあり、こうした許認可の取得は事業を開始する上では一つのハードルになります。これに対し、エステティック業は基本的に許認可や届出を必要とせず、一人での運営やマンションの一室を利用した小規模なサロンの開業ができることから、特に女性からの人気が高い業種の一つです。しかしこうした許認可が不要な事業であっても、競合他社との差別化や消費者の様々なニーズに応えるため施術メニューを増やすなどして、結果的に他の許認可事業に触れてしまわないよう注意が必要です。

エステと他の許認可事業の狭間
@理容業・美容業
 近年の厚生労働省の見解によれば、美顔施術について「当該施術が容姿を整え、又は美しくするために化粧品又は医薬部外品を用いる等業を行うに当たって公衆衛生上一定の知識を必要とするような場合には、理容師法又は美容師法の対象となる」としています。エステと理美容業の関係については以前から疑義が唱えられていますが、この見解によればフェイシャルエステとの境界が気になるところであり、コンプライアンスを求められる大手サロンでは理美容師資格の取得をすすめているのが現状です。
A公衆浴場営業
 公衆浴場を設置・営業するには都道府県知事による許可が必要です。公衆浴場にはいわゆる「銭湯」だけでなく健康や美容の増進を目的としたサウナ等も含まれ、エステサロンで熱気や熱砂、熱線、泥風呂を使ったサービスを行う場合にはこの営業許可を受けなければなりません。

意外なところに落とし穴が
 営業に十分な注意を払い問題なく運営が行われており、自分たちでは許認可の必要がない事業と認識していても、思わぬところで損害を被る可能性もあります。たとえば融資を申し込む際、事業内容と事業計画の提示は必須です。このとき客観的に他の許認可事業と抵触していると認められてしまった場合、適正な運営を行っていないとされ融資が下りないこともあります。エステティック業以外にも、現段階では特別なルールや法規制の対象とならない業種は無数に存在しますが、既存の他制度や法との抵触性はサービスを多様化、創設させる上で非常に悩ましい問題です。





H24.7.10
契約社員やパートは育児休業の対象者か

正社員でない人の育児・介護休業
 育児・介護休業法の改正で従業員100人以下の企業にも@短時間勤務制度、A所定外労働時間の制限、B介護休暇の適用を受ける事となりましたが、労働期間の定められた契約社員やパートタイマー等はこの対象者となるのでしょうか。この場合は期間雇用者であっても一定の範囲の人が対象者となります。

期間雇用者の育児休業
 一定の範囲の期間雇用者とは申し出時点において以下の全ての要件を満たすものです。
@同一の事業主に継続して雇用された期間が1年以上である事
A子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用される事が見込まれる事
B子が1歳に達する日から1年を経過する日までの間に労働契約期間が満了し、かつ労働契約の更新がない事が明らかでない事
 
 以上の点から見た上でさらに期間雇用の契約を取っていてもその契約が実質的に期間の定めのない契約と異ならない状態となっている場合には、上記の育児休業の対象になります。

適用除外者
 一方、育児休業の適用とならない者は、
@日々雇用される労働者
A一定の労働者について育児休業できないとする労使協定を結んだ場合
 この場合の一定の労働者とは次のような場合を言います。
ア、同一の事業主に継続して雇用された期間が1年未満の者
イ、休業の申し出から1年(1年6ヶ月までの休業の場合は6ヶ月以内)に雇用関係が終了する事が明らかな者
ウ、週の所定労働時間が2日以下の者
 
 以上のように期間雇用者であると言うだけで休業が取得できないわけではありませんが、期間更新等が明らかでなく休職中に雇用期間が切れてしまうような場合は話し合いで取得の有無を決める事も出来ます。
以上の事は労働時間の短いパートタイマーでも同様の扱いになります。





H24.7.9
成果主義賃金制度の留意点

 企画職・専門技術職など知識労働者について、経営者の期待は、「知的労働の質と創造的発想、仕事の効率的方法によってCS(顧客満足)と利益を高める良い企画や製品開発・生産技術開発などの成果をスピーディーにあげること」にあります。その成果に対して賃金を支払いたい、働いた時間が長く、成果をなかなか出せない社員には賃金をできるだけ支払いたくない、と考えることは当然です。

成果主義賃金の問題点
 ところが、成果を評価し、賃金を支払う場合、経営者の意図に反して好ましくない問題が発生します。
 すなわち、多くの企業が最近10年前後に、成果主義賃金を導入した結果、次のような問題を体験したことが知られています。
@「成果」が求められているため、担当者本人も上司も「成果」を強く意識するあまり、プロセスでの職務遂行能力の発揮の仕方を軽視するようになった。
Aチームで取り組んだ仕事の成果について、一部の目立ちやすい担当者ばかりが高い評価を受け、目立たない下積みの協力は評価されない不公平が生じた。
B目標達成度評価を高くするため、目標レベルを意識的に低く設定するようになった。
C新しい業務領域を担当すると、はじめは高い成果が得られにくいため、新しい仕事にチャレンジしなくなったり、そのための人事異動を避けるようになった。

問題を解決する経営者の留意点
 問題解決のカギは次の通りです。
@知識労働者の人事賃金制度を設計する場合、「成果」で考課するのは管理者・同相当の専門職とし、育成過程にある社員は「成果及び発揮能力」等で考課する。
 また、管理者の考課項目に部下の育成実績を設け、育成努力の手抜きを防ぐ。
Aチームで取り組む業務の場合、その目標達成やプロセスの職務遂行能力発揮について、リーダーがチームメンバーの相互評価などを参考とすることにより、メンバーの貢献実績考課を公正に行う。
B社員の社内階級に応じた役割・期待貢献を明確に設定・公開し、考課する。
C新しい業務領域にチャレンジしたり、新分野へ積極的にチャレンジする異動を高く評価する。





H24.7.6
車の売却や購入
消費税、気をつけることは?

 消費税法では、国内において事業者が行う物の販売と役務の提供及び外国貨物の輸入に消費税を課することになっています。

対価の額について
 消費税について、課税標準額の計算に用いるのは、課税資産の譲渡等の対価の額です。車の売却に際し、対価の額は「売却損益」ではなく、「売却収入」について考える必要があります。また、車の買い換えの時に中古車両を下取りに出し、下取り金額と新車の購入代金とを相殺して購入することがあります。この場合も中古車両の下取り金額を課税売上高として処理します。
一方、新車の取得については、下取り金額を差し引く前の金額で課税仕入高を考えます。つまり、消費税を考える場合、「所得」ではなく「売上」を基準に計算をする事に注意する必要があります。

自動車税の清算金について
 自動車税は、毎年4月1日の自動車の所有者に対して翌年3月31日までの税金が課税されます。中古車両を売買する場合に、自動車税が売り手と買い手の間で清算が行われることがあります。これらの清算は商慣行として行っているだけで、法律として定められているものではありません。そのため売り手は租税公課(自動車税)のマイナスの処理にするのではなく、中古車両の対価の一部として取り扱われることになり、自動車税の清算金は「課税売上高」として処理します。一方、買い手の側の自動車税の清算金は「課税仕入高」として処理します。ただしこれらの処理の考え方を疑問とする意見もあります。

「個人事業者が事業に付随して」対価を得て行う車の売却
 個人事業者が、事業に付随して対価を得て車を売却した場合、事業所得ではなく譲渡所得となりますが、売却した車両についても消費税の申告をすることになります。この場合、所得ではなく売却収入(譲渡金額)を課税売上高として処理する事も確認しておきたいです。





H24.7.5
マイルやポイントは、どう扱う?
税務上の取り扱い


経費を支払ってポイントを貯めたものの・・
 出張旅費などの仮払いを受けて、その現金を使わずに、自分のクレジットカードで決済する、なんてことをする人がいます。
会社の同僚と飲みに行った時、割り勘で支払った領収書をみたら、カード支払にチェックマークが付いていた、なんてこともあります。
損得なしだから、どうでもよいことと思いますが、カードで支払った人のカードの中にポイントが溜まる場合があります。中々の才覚と言えます。

出張で貯めたマイルは誰のもの?
飛行機利用の出張で溜まったマイルは誰のものか、支払者たる会社のものか、利用者個人のものか、という議論があります。
公務員の公費出張の場合、航空券購入は税金で賄われますので、マイルをためて、家族旅行に利用するというのは、納税者の納得を得にくいところです。
多くの中央官庁は公務員のマイル取得自粛を申し合わせており、カード利用のポイント稼ぎも含めて禁止しているところもあります。しかし、罰則はないようです。

経済的な利益を受けている事実は?
 マイルやポイントを利用して、個人がその恩恵に与ったら、それは所得の発生と言えます。
個人の事業や副業に利用する場合は、経費の節約で、自動的に所得に反映されます。個人的利用でも、金額僅少ならば、少額不追及で終わりでしょう。しかし、金額が大きくなったら、課税関係を無視できないことになるかもしれません。
マイルやポイントを厳密に会社管理しているところもあるらしく、そういう場合の個人利用は現物給付としての給与課税の対象になりそうです。

お店側のポイントの取り扱い
法人税については、引き換え日基準で損金算入です。販売日基準で損金経理により未払金計上可の場合もあります。
消費税については、ポイントの発生・発行時は不課税、ポイントの交換・売買は非課税、ポイントの利用時での商品券・電子マネーへの交換は不課税です。現金交換(キャッシュバック)は課税(対価の返還)支払代金の控除や相殺は、不課税となります。





H24.7.4
小出しの改正 連帯納付


非人道的な連帯納付義務
 相続税の連帯納付義務については、以前から、「不意打ち」的に納税を迫られること、担保提供の上での延納の場合の担保価値下落リスクが税務当局・担保提供者以外に転嫁されてくること、10数年も前もの相続税が問われることによる延滞者の高率延滞税の負担まで負わされること、相続財産だけでなく元々の固有財産まで没収される、等々の問題点が指摘されていました。

悲惨なケースも珍しくない
 特に、バブルの影響で路線価が異常に高騰した年の相続だった場合、その相続税の額は、その後に相続財産全部を処分したとしても、その処分価格を遥かに超えてしまうことは珍しくありませんでした。
延納の許可を受けて、相続財産のほとんどを担保に供していた場合で、滞納に至り、担保物は処分させられても、地価下落で結果的に滞納税額だけが残り、他の相続人にしわ寄せがいく、という事例が沢山ありました。

ようやく腰を上げたが
連帯納付を迫られても、所有財産が少なければ、開き直りも出来ますが、財産があると差押さえの対象になり、給与債権の差押さえもあり得ることなので、納税者はパニックになってしまいます。
 それで、平成23年6月改正と平成24年3月改正との2段階で一定の問題解決がなされました。平成23年6月改正では、
@ 連帯納付者負担の延滞税の利子税化
A 不意打ち予防の事前情報提供の制度化
 平成24年3月改正では、
B 連帯納付義務の5年での時効的消滅
C 延納・納税猶予の承認を受けた相続税について連帯納付義務の不発生
ということになりました。

なぜ一度の改正で済ませない?
 これらの改正は、@は平成23年4月1日以後の期間について適用され、Aは施行日以後で、BCは平成24年4月1日以後に申告期限等が到来する相続税について適用されます。ただし、同日において滞納となっている相続税についても、上記BCの改正と同様の扱いとされます。
 従来も、追徴当事者の方がむしろ心苦しかったようで、連帯納付の追徴は、法令の規定の厳格さほどには厳しくありませんでしたが、恩に着せるかのように、少しづつの小出しの改正をすることには、毎年少しづつの改訂版を繰り返す会計ソフトの営業戦略のような小賢しさを感じます。





H24.7.3
絶対考課と相対考課


 人事考課を行うときに「絶対考課」と「相対考課」のやり方とそれぞれの性質を理解して使い分ける必要があります。
「絶対考課」とは、考課項目ごとに基準を明確にして、その基準をクリアしたかどうかを考課することを言います。
「相対考課」とは、基準を定めずに複数の被考課者を比較して、その優劣で順位を考課することを言います。 
                                
考課法の長所と短所
 「絶対考課」の長所は、例えば『○○氏の「計画力」は、彼の社内階級に期待されている基準と比較しておおいに高い。』などと、どこがどのように優れているか、劣っているかを具体的に考課することができる点です。このため、考課の結果を能力開発や適材適所の配置に使うことができますが、考課基準を設定、記述するには手数がかかり、特に定性的な考課項目では苦労することになります。
「相対考課」の長所は、複数の従業員を相互に比較して優劣を判断する方法であるため、具体的な考課基準を必要とせず、手数がかからないことです。しかし、被考課者個々の特性を捉えた考課ではないため、能力開発や人事配置などには使いにくいと言えます。

考課法の使い分けと留意点
 通常、人事考課は被考課者の直属上司(例えば課長)が1次考課を行い、その上位者(例えば部長)が2次考課を行って、必要な修正を行い、管理職については最終考課を社長が行うなど、考課手順をルール化して行います。
 この1次考課は、考課項目ごとの「分析考課」を「絶対考課」で行い、それに基づいて「総合考課」行うのが適しています。
 2次考課は、例えば部長が主催する考課調整会議で、1次考課者(課長)を集めて1次考課の結果を並べ、優劣を比較討論し、「相対考課」で部長が決定します。
 このような2次考課を行うのは、限られた人件費(月例給与・賞与)の公正な分配が必要なこと、また誰でも年齢さえ上がれば給与が高くなる年功処遇によって、若くとも高能力を発揮している社員のやる気を失わせてしまう弊害を排するためです。
 このように考課法と人材育成、従業員のモラール(意欲)向上とは深い関係があり、経営管理の重要なポイントの一つです。





H24.7.2
未知のまま打たれた封じ手の解説


法人株の究極の相続対策
 株式価値の高い父親経営の同族会社を、息子が新規の会社を設立し、そこに吸収合併させ、無償消滅させてしまう、という相続対策は、適格組織再編として課税関係が生じませんでした。この行為は無対価組織再編と言われるものです。
 100%親族グループの場合での適格組織再編の要件は、株式以外の資産の交付がないこと、というのがほとんどの内容です。そうすると、株式そのものの交付もしない『無対価』の組織再編は、この要件からして「適格」に該当してしまいます。
 大会社のグループ内再編では無対価組織再編は通常のことで、会計基準もあります。ただし、税法については特に規定がありませんでした。平成22年の改正によってはじめて『無対価』という明文の規定創設がされたところです。

22年に打たれた封じ手の処方箋
 平成22年の創設規定は、それまで野放しだった無対価の適格組織再編について、その要件を厳しく制限しました。制限外のものは、その後は非適格になることになりました。その境目は、通常の適格組織再編では、あり得ないと言われていた非按分型(株主構成が変わる)適格組織再編が実質的に可能になっていたところの遮断でした。
 改正規定中の最も典型的なものは「一の者」という言葉です。これに触れている解説書は皆無だったのですが、この言葉は法律と政令に100回近く出現します。平成22年改正前の法律では例外なく、個人の場合は「一の者」の後に( )書きをつけて、同一親族グループを意味するものにしていました。それ以後の法律では、組織再編の場面ではことごとく( )書きのない「一の者」になっています。

封じ手処方箋の解説が公開
 まったく説明されてこなかったところなのに、改正から2年経過した今年の3月に、国税庁は突然ホームページで、質疑応答事例として「無対価合併に係る適格判定について(株主が個人である場合)」を公表して、「一の者」に掛る( )はずしの意味を解説しました。
 多くの無対価組織再編の事例の中で、実際に、非按分型を実行した例は極く少数だったと思われます。意識的に節税策に使われる前に、ほとんど未知のまま封じ手を打ったことの解説のように見受けられます。