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H24.8.31
会社法と法人税 有償減資(受領者側)

会社法の位置づけ
 会社法では、有償減資による資本の払戻し(その他資本剰余金の処分による配当等)を受けた場合は、払戻しの対象となる有価証券が売買目的有価証券である場合を除き、原則として払戻し受領金額をその対象有価証券の帳簿価額から減額します。仕訳で表すと次のようになります。

 現預金×× / 有価証券××

法人税の位置づけ
 法人税では、発行法人が有償減資(その他資本剰余金から配当)を行った場合、減少する資本金等の額と利益積立金とから区分構成されるものと考え、受領法人側では、資本金等の額からなる部分を「譲渡対価」とし、利益積立金からなる部分を「みなし配当」として取り扱っています。
 具体的には、資本剰余金を原資とする配当等(交付金銭等)を受けた場合には、資本金等の額の減少額のうち、出資割合に対応する部分の金額を超えるときは、その超える部分の金額は配当等の額とみなされます。但し、受取配当等の益金不算入の規定の適用があります。
 一方、資本剰余金を原資とする配当等の額のうち、配当等の額とみなされ金額を控除した金額は、当該払戻しを受けた株式の譲渡対価として取り扱われます。
 株式の譲渡原価の額は、次の算式で求めることができます。

 払戻し直前の株式の譲渡原価×減少した資本剰余金の額/前事業年度末の簿価純資産額
 実務上は、この分数の割合は、払戻し法人(実施者側)から通知されますので、その通知された割合を用いて計算します。
 以上の処理を税務上の仕訳で表すと次のようになります。
 現預金×× / 有価証券 ××
 譲渡損×× / みなし配当××
(譲渡益の場合もある)
  したがって、有償減資による金銭等の交付を受けた場合には、その処理で会社法との違いが生じることから申告調整が必要となります。
 なお、完全支配関係がある場合にあっては、有償減資に伴う金銭等の受領によるその株式の譲渡損益は認識しません。





H24.8.30
税法改正の文書確認

官僚達の仕事
 霞が関の省庁は不夜城の如く夜遅くまで火が灯っています。官僚達の仕事の相当部分が「質問趣意書」に対する「答弁書」の作成に費やされています。
国会報道として、テレビで放映され、新聞その他のマスコミで報道されているような、国会での議員と政府との質疑のやりとりは、議員の質疑活動のほんの一部です。そこに登場しない他の国会議員の姿はなかなか国民の目に届きませんが、衆議院・参議院のホームページを覗いてみると、紙の上での国会討論が盛んに行われていることが確認できます。それが、「質問趣意書」で、政府への提出とそれへの答弁というものです。国会での質疑が尽くしきれなかったものの再質問もあります。毎年、衆参合わせて千通以上の「質問趣意書」と「答弁書」がやり取りされています。

事実上の税制改正を文書確認
 その中の一つに、今年5月7日提出、5月15日答弁の文書で、事実上の重要な税制改正を確認するものがあります。配当課税に係る10%(国税7%、住民税3%)の現行制度は2013年12月31日期限の時限法規であるが、その期限延長をしないとの内閣総理大臣名での答弁です。
 時限立法の法律は、期限到来と共に自然消滅しますので、期限延長しない場合には、期限延長しない旨の改正新法は不要なのです。すなわち、政府が何もしないことによって、この規定は消滅し、本則税率の20%(国税15%、住民税5%)が復元してくることになります。
 質問が配当に関してだけなので、株式の譲渡所得についての税率には触れていませんが、「金融所得間の課税方式の均衡化と金融所得課税の一体化」との前置きをしての答弁なので、質問が株式譲渡所得についても行なわれていたとしたら、同じ扱いをする旨の答弁になっていたと思われます。

課税復活で株価急落
 台湾立法院(国会)は7月25日、個人投資家が株取引で得た売却益に課税する関連法案を可決、成立させました。2013年から実施し、24年ぶりに株式売却益への課税が復活します。馬英九政権の税制改革の一環ですが、構想が明らかになった3月から株価は急落しています。
 日本でも類似の動きなわけですが、日本市場はどう反応するのでしょうか。





H24.8.29
給与額改定と随時改定

標準報酬月額が決まる時期
 社会保険料を決める標準報酬は@入社時 A毎年4月、5月、6月の賃金を平均して決定する定時決定 B報酬が大幅に変動した時に改定する随時決定 C育児休業終了時の4つのタイミングで決定されます。
 定時決定は算定基礎届を提出し、当年9月から翌年8月まで決定した標準報酬が適用されます。しかし途中、昇給等で報酬の額が著しく変動した場合、その月以降継続した3ヶ月の報酬の平均額を基に4か月目から標準報酬を改定する事を随時改定と言い月額変更届を提出します。

月額変更届の対象者
 次の3つの要件すべてに該当した時は随時改定の対象者となります。
@固定的賃金の変動又は給与体系の変更
A変動月以降継続した3ヶ月の報酬の平均額と現在の標準報酬月額とが2等級以上の差があるとき
B変動月以降継続した3ヶ月の支払い基礎日数がすべて17日以上あるとき

固定的賃金の変動、給与体系の変更とは
@昇給又は降給
A家族手当、住宅手当、通勤手当等の固定的手当の新たな支給や額の変動
B日給・時給等の単価の変更
C日給が月給に、月給が歩合給等に変更
なお、休職による休職給は該当しませんが会社のレイオフによる休業手当が2等級以上の差がある時は対象になります。

固定的賃金と非固定的賃金
 固定的賃金とは稼働や能率に関係なく一定額(率)が継続して支給されるもので、非固定的賃金とは残業代や精皆勤手当、能率手当等稼働実績で支給されるものを言います。
また、固定的賃金が変動したとしても対象の3ヶ月平均額の変動の向き(上昇又は下降)が同じでない場合は随時改定にはなりません。例えば降給したのに残業代が増え、平均額が2等級以上あがってしまったというようなケースは該当しません。
 さらに月に17日以上の勤務日数があることが要件となっていますがパートタイマーの場合は17日以上の月がない時は15日以上ある月を平均します。その場合は届出の備考欄に「パート」と記載しておきます。





H24.8.28
アメリカのエスカレート

匿名召喚状(John Doe Summons)
 日本と異なり、アメリカには、裁判所の召喚状に基づいて行う税務調査(summons サモンズ)があります。
 サモンズは第三者調査に有効な制度です。対象が幅広く、スイスUBS銀行やHSBC(香港上海銀行)へのサモンズに象徴されるように海外に向けても発せられます。匿名召喚状(John Doe Summons)という調査対象者を特定するための手法で行われます。タックスヘイブンの守秘義務を売りにしていたこれらの銀行商売に風穴を開けたので、世界的に話題になりました。

外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)
 なお、アメリカは海外金融機関からの情報の収集の仕方を来年1月から一段とエスカレートさせることにしています。外国のすべての金融機関に、米国人の口座情報を米当局に届け出るように求める外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)の施行です。
情報提供を拒むなら、米国の制裁を避けてドル決済をしなければならず、ドル建て取引が当たり前の国際環境の中では、それは事実上不可能に近いことになります。
FATCAへの日本の対応
 日本の場合、個人情報保護法を遵守するとなると、口座名義人の同意なく米当局に情報開示ができないので、日本政府向けに個人情報を開示して、米当局には日米の租税条約に基づき政府が情報提供する仕組みにしました。UBS事件の時、スイスの銀行と政府の採った手法です。
 日本も、弱腰でいないで相互主義を貫き、アメリカの金融機関に日本人口座情報届出制度を法制化すべきとも思います。

マネーロンダリングにも注意
 アメリカは従来からマネーロンダリング(不正資金洗浄)には厳しい態度をとっており、最近では、HSBCがメキシコ、サウジアラビア、バングラデシュなどの現地法人から、不正疑惑巨額資金を米国に送金し、麻薬組織やテロリスト・ネットワークに便宜を供し、対イラン制裁を回避するイランへの送金隠しなどをしているとして、10億ドル超の制裁金を科す模様と報道されています。
米同時テロ以降、「ルールに従わなければ米金融市場から閉め出す」という姿勢は民主、共和両党ともに共通で、外銀の米業務における税務法務リスクは格段に高くなっています。





H24.8.27
人事考課のバラツキ対策


 人事考課では考課者(課長など)が被考課者(部下)の仕事のプロセスや結果に表れた業績・発揮能力・意欲を、事実に基づいて的確に考課することが求められていますが、考課者によって、厳しい考課をする傾向、甘い考課をする傾向、あまり考課の差をつけず平均的考課をする傾向など、バラツキが起こりがちです。
 そのような考課のバラツキを放置すると、会社が定めた人事考課基準に従った的確な考課が行われなくなり、社員からも人事考課制度に対する信頼感、考課に基づく賃金・昇進などの実施結果に関する公平感・納得感が無くなり、恒常的なモラール低下が生じてしまいます。

考課のバラツキ原因
考課のバラツキを少なくするには、一般に次のような原因で考課の誤りが起こることを知る必要があります。
@ 人事考課とは“人を評価する”のではなく、“仕事の結果やプロセスを、考課要素別に事実に基づいて考課する”ことである等、考課の基本知識の不足
A 考課実務の習熟不足で会社が定めた基準に基づく的確な考課ができない。
B 次のエラーによる考課の甘辛傾向
・“ハロー効果”:ある考課項目のハロー(後光)が強く、他の項目が影響を受ける。
・“寛大化傾向”:実際には考課差が大きいのに、高めの考課に集まる傾向。
・“中心化傾向”:実際には考課差が大きいのに、中心に集まる傾向。
・“論理誤差”:「責任感」があれば「規律性」も高い筈だ、など、実際には異なる考課を同一と見てしまう。
・“対比誤差”:自分との対比で被考課者の優劣を見てしまう。

経営者による考課のバラツキ対策
 経営者は人事考課の実務運用が誤って行われると、社員のモラール低下、大切な人的資源の毀損につながる重大性を考慮し、人事考課運用担当部門に指示して次のような対策をとると良いでしょう。
1.役員・管理者を対象とする「人事考課の基本知識」の周知
2.管理者など考課者を対象とし、自社の実在モデル(職場別に在籍する社員)のケースを使った「考課実習」を行う。(複数の考課者に同一モデルについて考課してもらい、考課のバラツキを見て、正解との違いに気付かせる。)





H24.8.24
振替休日と代休

高速ツアーバス、許可制導入の流れ
 今年4月、関越自動車道で7名の命を奪う痛ましい事故が起きました。これを受け、国土交通省では高速ツアーバスの厳格な制度設計と安全性確保のため、新たに新高速乗合バス制度を設計し、早期に新制度への移行を促す旨を発表しました。

高速乗合バスと高速ツアーバス
 一般的に言う高速バスには高速乗合バスと高速ツアーバスとの2種類が存在しており、これらは業態が酷似しているにも関わらず各々別の法律により管理されています。
 高速乗合バスの運行は道路運送法の下、国土交通省から一般乗合旅客自動車運送事業の許可を得ることで運行することができ、運行ダイヤや停留所の設置などについて細かく管理されています。安全面の配慮からこうした制限があるわけですが、運賃の価格についても変更時には原則30日前に届け出る必要があったりと、供給量や価格設定の面では柔軟な対応が困難でした。
 これに対し、高速ツアーバスは旅行業法に基づくパック旅行商品であり、旅行会社がツアーを企画し貸切バス事業者にその運行を委託するというものです。道路運送法による許可の対象外であるため、各社で運行ダイヤや価格設定が柔軟に行える一方で、停留所設置の義務がないなど安全面には課題が山積みとされてきました。今回の事故では、ここ数年の価格競争の激化に加え、仲介業者による手数料の差し引きで更に人件費や安全整備に対する経費を圧迫していたことが、大きな要因の一つとして指摘されています。

新制度移行と各業界への影響
 こうした問題点から、国土交通省が新たに設計した新高速乗合バス制度では高速乗合バスと高速ツアーバスを一本化し、仲介業者の介在を規制、また旅行会社が貸切バス事業者に委託する場合についても許可の取得を奨励しています。一方で、同省は高速ツアーバスが行ってきた柔軟な供給調整・価格設定は長所と評価し、既に7月31日に発表した国土交通省令では軽微な料金変更の事前届出期間を変更前30日から7日まで短縮することを認めました。
 新制度への移行は1年以内を目標としており、今後徐々に周辺省令等が改正され具体化することが予想されます。しかし、これにより事業運営の大幅な見直しを余儀なくされる事業者の続出も懸念されていることもあり、制度が確立するまでにはまだまだ波乱がありそうです。





H24.8.23
会社法と法人税 有償減資(実施者側)

会社法の位置づけ
 会社法では、減資は無償減資のみと位置づけられています。旧商法のような直接的な資本金の払戻しによる有償減資はありません。
 具体的には、資本金の減資は、減少する資本金を「その他資本剰余金」又は「資本準備」への振替です。簿記上、仕訳で表すと次のようになります。
「資本金場××/その他資本剰余金××」又は「資本金××/資本準備金××」
 したがって、減資前と減資後の「純資産の部」の内部の変動だけで純資産の部そのものの額に何ら変動はありません。
 会社法では、有償減資ができなくなったのか、というとそうではなく、「無償減資+剰余金の配当」として位置づけることで可能となります。この場合の「剰余金の分配」は、利益剰余金の配当ではなく、その他資本剰余金の配当です。
 仕訳で表すと、先ず、「資本金××/その他資本剰余金××」、次に「その他資本剰余金××/現預金××」となります。

法人税の位置づけ
 法人税では、資本の払戻し、すなわち資本剰余金を原資とする配当であっても、払戻し法人に利益積立金が存する限り、みなし配当を認識することとしています。
 具体的には、資本の払戻し(資本剰余金を原資とする配当)は、@資本の払い戻しとなる資本等の金額の減少部分とA配当の支払いとみなされる利益積立金の減少部分とに分けて取り扱われます。
 @の資本金等の額の減少(減資資本金額)は、次の算式で求められます。
 減資資本金額=払戻し直前の資本金等の額×減少した資本剰余金/前事業年度末簿価純資産価額
 Aの利益積立金の減少(みなし配当額)は、払戻した交付金銭等の額が上記@の資本金等の額を超える場合の、その超える部分の金額となります。
 以上の処理を税務上の仕訳で表すと次のようになります。
 資本金等の額×× / 現預金××
 利益積立金 ××
 (みなし配当)
 したがって、有償減資の実施にあたって、その処理において、会社法との違いが生じることから申告調整が必要となります。





H24.8.22
インターンシップの導入と注意点

中小企業へのインターンシップ拡充
 今年6月、政府は若者の雇用拡大や早期離職の是正などを目指した若者雇用戦略をまとめ、若者への中小企業の情報提供や、中小企業へのインターンシップ制度の拡充を促す方針を発表しました。インターンシップとは、「学生が一定期間企業等の中で研修生として働き、自分の将来に関連のある就業体験を行える制度」と定義される、いわば職業体験実習です。先行的に学生と接することで就職後のミスマッチを回避する効果も期待でき、今回の若者雇用戦略においてもこうしたミスマッチの解消や早期退職しない職場環境の改善を目指すこととしています。

インターンシップに関する経費
 インターンシップ時における企業内での職務内容、また経費についての明確な規定は定まっていません。インターンシップはあくまで職業体験であり、アルバイトのような賃金による対価性はないものとの認識から、これまでほとんどの企業が無報酬で実施していました。しかし、インターン制度の導入が盛んになったことにより、企業によっては優秀な学生の囲い込み手段としてアルバイト並みの有給制インターンを設けている例も見受けられます。

インターン生への労働関連法令適用
 インターン生への労働関連法令適用については、平成9年に文部省等により「労働関係法令が適用される場合もある」旨公表されており、インターン生が労働者とみなされる場合は労基法、最低賃金法等の労働基準関係法令が適用されます。労働者に当たるかどうかについては、仕事の依頼・業務従事の指示に対し諾否の自由があるか、「指揮監督下の労働」に関する判断基準や、報酬が時間単位で計算されるなどの「報酬の労務対償性」に関する判断基準により総合的に判定されるため、インターンの様態が多様化しアルバイト的要素が高まると、労働者としての側面がより強くなることが考えられます。

SNSによる情報漏えいの防止
 導入時に気を付けたいのが、FacebookやツイッターなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)による情報漏えいです。学生にとっては周囲とのコミュニケーションのつもりであっても、そこから企業の情報が漏えいしてしまう可能性は十分あります。学生に誓約書を提出してもらう他、教育機関側との契約書内に企業内情報の取扱いについて盛り込むことで、漏えい防止に努める必要があります。





H24.8.21
ダブル・アイリッシュ・ウィズ・ア・ダッチ・サンドイッチ(DIDS)


米ネット企業のTaxHaven利用節税策
 表題のDIDSは、米IT大手企業の税務戦略の名称で、この7月23日(月)に日経新聞が賞賛的に紹介し、日本企業は後れを取っており、日本の税法やその運用が不透明なことがその遅れの背景と書いていました。
 全世界所得に対する実効税率、Apple約24%、Google約21%、Microsoft約18%とかなり低いのは、ネバダ州、アイルランド、オランダ、ルクセンブルク、ケイマン、ヴァージニア諸島といったタックスヘイブン地域に名目上の拠点を設置し節税しているから、と説明しています。

TaxHavenの利用はもっと普及すべき?
 海外展開を急ぐ経営者や、税務の専門家は、日本では無形資産の対外取引などの「ルールがあいまいで、予測可能性が低い」ので、米国企業に比べ不利と口をそろえて言うそうです。
 この状況が彼我の競争力にも影響しかねず、「税引き後の利益が少ない企業は、税務マネジメントが巧みな海外企業との投資競争で不利になってしまう」と。
 世界でTaxHaven対策税制に最も熱心なのはアメリカなのに、アメリカではTaxHavenの利用による租税回避が日本よりも容易なようです。

日経と異なるニューヨークタイムス
 ニューヨークタイムスは4月末にAppleを税金回避方法を開発したパイオニアとして描き、莫大な税金の支払いを逃れていると、長文の批判記事を書いて話題になりました。租税回避志向の企業がAppleの手法を真似て後に続いている、と主張しました。
 Appleは直ちに納税額の絶対額の多さと国内雇用創出への貢献を唱えてニューヨークタイムスに反論しています。
 日経新聞の記事は、これを踏まえたものですが、Apple側を支持するスタンスです。

利益を出し、納税したい=トヨタ社長
 トヨタは、営業利益2兆2704億円と過去最高を記録した直後のリーマン・ショックで翌09年同期に一気に営業赤字に転落した際、「今税を納めるという最低限のことすらできない状態。本当に悔しい・・・2年ほど厳しい環境が続くと思うが、1期でも早く利益を出して納税したい」と社長が記者会見で語っていました。
 日経新聞とニューヨークタイムス、AppleとTOYOTA、どちらがまともだと思われますか? 





H24.8.20
民法と相続税
実子と養子

民法と相続税
 民法では、養子の数に制限をもうけていませんが、相続税では、相続人に養子がいる場合の相続人の数、法定相続人ですが、その数に含める養子の数を制限しています。理由は、養子の数が増えると次のような税負担の軽減が図られるからです。
@遺産に係る基礎控除額が大きくなる
A累進税率が緩和され相続税の総額が縮減される
B保険金の非課税限度額が大きくなる
C退職手当金の非課税限度額が大きくなる

制限される養子の数
 被相続人に養子がある場合には、次の区分により「法定相続人の数」に含める養子の数が制限されます。
・相続人に実子がいる場合・・・・1人
・相続人に実子がいない場合・・・2人
なお、この制限措置は、民法上の養子縁組の効力や養子に相続人としての地位を否定するものではありません。あくまで相続税の計算上の措置にすぎないので注意が必要です。

養子であっても実子とみなす場合も
 民法上は、被相続人と養子縁組により養子になった者であっても、次の養子は、相続税の課税上、実子とみなし、法定相続人に含める養子の数の制限の対象から除外しています。
@民法の特別養子縁組による養子なった者
A被相続人の配偶者の実子で被相続人の養子になった者
B被相続人との婚姻前に被相続人の配偶者の特別養子縁組による養子となった者でその被相続人の養子となった者
C被相続人の実子若しくは養子又は直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失ったため相続人となったその者の直系卑属
 上記、A又はBのいわゆる配偶者の連れ子養子については、被相続人とその配偶者との婚姻後にその被相続人の養子となった者に限られます。したがって、被相続人と配偶者との婚姻前に被相続人と養子縁組をしても、それは実子とみなさる養子ではなく、通常の養子として取り扱われます。
 なお、被相続人の配偶者の死亡後その配偶者の子と養子縁組をした場合には、姻族関係を終了させて後の養子縁組でない限り、被相続人の配偶者の実子(特別養子も含む)で被相続人の養子となった者、すなわち実子とみなされる者に該当しますので留意が必要です。





H24.8.10
最低賃金と生活保護の逆転現象

増えている生活保護受給者210万人超
 最低賃金で働く人の可処分所得(手取り額)が生活保護受給者より低い逆転現象が広がっている事が最近のニュースで取り上げられていました。昨秋の最低賃金の引き上げで逆転している地域は12から9に減ったものの最近では11都道府県に増えています。それは最低賃金で働く人の社会保険料が増えたためです。(生活保護受給者は保険料や医療費の減免措置があります。)
すでに平成24年度の最低賃金の目安は厚労省の審議会で全国平均7円の引き上げを決めており、生活保護の水準を下回っている地域については高めの引き上げ額を示しています。

最低賃金とは
 最低賃金とは企業が労働者に支払う国の定めた時給の下限です。正社員だけでなくパートやアルバイトにも適用されます。厚労省の中央最低賃金審議会が景気や雇用等の指標を基に毎年夏に引き上げ額の目安を提示します。これを基に地方審議会が具体的な金額を決め毎年10月に改定されます。最低賃金の平均額はH19年から4年連続で10円以上引き上げられて23年度は大震災の影響で5年ぶりに1ケタの7円に留まりました。24年度も経済情勢の厳しさを理由に前年と同水準に留まっています。

最低賃金を上げるより就労支援が必要
昨年度の最低賃金の全国平均は737円。生活保護の水準が最低賃金を上回る都道府県は以前からありましたが、昨年の9つに比べると今年は11の都道府県で逆転しています。この事は働く意欲の低下を招きかねないとして審議会の労働組合側は最低賃金の引き上げを求めましたが、経営者側は経営への影響が大きいとして反発しています。無理な賃上げは企業収益を圧迫し、採用減を招きかねません。しかし、働くより生活保護受給が生活の余裕があるというのは制度間のひずみでしょう。
 生活保護受給者の就労促進こそ必要であると考えると雇用の受け皿となる市場も育てなければならないでしょうし、自治体の支援体制の増強も必要でしょう。一筋縄ではいかない事は確かなようです。





H24.8.9
新しい在留管理制度による出向・異動時の注意点


「所属機関に関する届出」の義務化
 今年7月9日から新しい在留管理制度が施行されたことに伴い、就労を目的とする在留資格を持つ外国人が、勤務先について以下のような変更が生じた場合、変更後14日以内に入国管理局へ届け出ることが義務化されました。所定期間内に届出を行わなかった場合、20万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
@名称が変更したとき
A所在地が変更したとき
B勤務先が消滅したとき
C勤務先から離脱した、又は勤務先との契約が終了したとき
D新たな勤務先に移籍、又は新たな勤務先と契約を結んだ時
 就労を目的とし在留する外国人にとって、所属する就労機関、つまり勤務先の企業が在留資格付与の基礎であり、入国後の変更情報をより正確に把握するため、届出の義務を課されることとなったのです。これに合わせ、企業側も外国人従業員に以下のような対応を行う場合には届出を速やかに行うよう指示する必要があります。

(1)出向させる場合
 例えばA企業と雇用関係を結んでいる外国人従業員を、A企業との雇用関係を維持したままB企業に出向させる場合、届出を行う必要があります。出向の場合、従業員に対する指揮命令権は出向先に移転するため、従業員の労働環境に大きな変化をもたらすことは明らかであり、たとえ雇用関係がA企業と持続していても届出の義務が生じます。

(2)別の支店へ異動させる場合
 支店異動については、企業の母体が日本企業か外国企業かにより必要な場合と不要な場合とに分かれます。
例えば日本企業である企業Aのa支店からb支店への異動させる場合、雇用契約を結んでいる契約機関そのものについて変更はないため届出は不要とされています。一方で、母体が外国企業である場合については、日本国内を束ねる本店的な役割を果たす支店が存在すれば、支店間異動について届出を不要としていますが、そのような支店が国内にない場合は日本国内の支店間の異動についても届出が必要とされています。
上記の他、支店異動については外国人従業員の持つ在留資格の種類によっても届出が必要か否かが異なるため、今後の異動については予め入国管理局へ届出の有無を確認するようにしましょう。





H24.8.8
解散等の場合の留意点 欠損金の繰戻還付

 法人税法では、実質的に前期の所得と通算して法人税額の計算ができるという「欠損金の繰戻しによる還付」の制度を設けています。

解散等の場合の特例
通常の事業年度では、この還付制度の適用対象法人は制限されていますが、解散等の一定の事実(事業の全部の譲渡、更正手続き開始の申立て、再生手続の開始決定等)があった場合には、適用対象法人の制限はありません。
また、事業年度に変更がない通常の1年決算法人では、繰戻の還付金額は、欠損金が生じた事業年度(欠損事業年度)の前年の事業年度の法人税とその事業年度の所得金額(還付所得事業年度)をベースに計算しますが、解散等の場合は、欠損事業年度の対象期間の範囲が広がり、それに応じて、還付所得事業年度も異なってくる場合があります。                       
欠損事業年度と還付所得事業年度
 解散等の場合、通常の1年決算法人であれば、欠損事業年度は、解散事業年度の前事業年度又は当該解散事業年度とすることができます。結果、還付所得事業年度もこれら欠損事業年度にあわせてその欠損事業年度の前事業年度になります。
この欠損事業年度と還付所得事業年度の関係を具体例と示すと次のようになります。
・前々期 X1年10・1〜X2年9・30
・前 期 X2年10・1〜X3 年9・30
・当 期 X3年10・1〜X4年3・31(解散)
(ケース1)
 当期及び前期が赤字の場合
・欠損事業年度・・・・前 期
・還付所得事業年度・・前々期
(ケース2)
 当期黒字、前期赤字、前々期黒字の場合
・欠損事業年度・・・・前 期
・還付所得事業年度・・前々期
(ケース3)
 当期赤字、前期黒字の場合
・欠損事業年度・・・・当 期(解散年度)
・還付所得事業年度・・前 期

その他の留意点
 通常の事業年度とは違い、解散等があった場合には、解散等の特定の事実が生じた日以後1年以内に繰戻による還付請求書を提出すればよいことになっています。
なお、還付所得事業年度から欠損事業年度まで連続して青色申告書である確定申告書を提出していなければならないことはいうもでもありません。





H24.8.7
一般派遣と専門業務派遣


一般の業務と専門26業務
 労働者派遣は、本来、一時的な労働力需給の仕組みです。労働者派遣の業務は派遣就業の場所ごとの同一業務については、派遣可能期間は原則1年、最長3年となっています。但し
専門26業務と言われる業務については派遣期間の制限はありません。
 派遣期間で問題が起きやすいのは契約上制限期間の無い専門業務としつつ、実態は26業務を拡大して専門性のない業務に期間制限を設けず派遣を行う場合があることです。

付随業務と付随的業務の違い
 専門26業務を行っていても業務遂行中には周辺業務が発生します。当該業務は専門業務と密接不可分な行為であり、専門26業務の一部とされる付随業務なのか、専門以外の付随的業務なのかにより、講ずべき措置は違ってきます。専門26業務と付随的業務の複合業務では派遣契約書の「従事する業務内容」だけでなく、「付随的業務内容」についても記載する必要があり、派遣期間も規制を受けます。専門26業務の契約かどうかを判断する必要がありますが、具体的な判断基準は厚労省の「専門26業派遣適正化プラン」等に示されています。

専門26業務で混同されやすい例
 専門26業務のうち、第5号業務(事務用機器操作業務)と第6号業務(ファイリング業務)は一般事務と混同されやすい業務です。5号業務はオフィス用コンピューターを用いてソフトウェア操作に関する専門的技能を活用して迅速、的確な操作に習熟を要するものを言い、単純な数値入力は該当しません。又、6号のファイリング業務とは高度な知識、技術、経験で分類基準を作成、当該基準で書類を分類・整理・保存・破棄を行うもので書類整理を機械的に行い、並べ替えや綴じるだけの業務は該当しません。

付随的業務が1割以下なら専門業務扱い
 専門26業務を行う場合でも付随的に行う業務割合が通常の場合の1日又は1週間当たりの就業時間数で1割以下であれば専門26業務となり、無関係な業務も行った場合には26業務とは扱われず受入可能期間の制限を受けます。3年を超えて同一派遣先に従事する時は専門26業務なのか確認が必要でしょう。





H24.8.6
外国籍社員の招聘と「企業内転勤」


近年は長引く円高や不況の影響もあり、生産工場としての機能だけでなくビジネスの拠点としてアジア等海外へ支社の設立を検討するケースも多く見受けられますが、この過程において海外支社で採用した外国籍社員を日本へ赴任させる必要性が生じることもあるでしょう。こうした海外にある支社等から日本に赴任する場合などにおいて、一般的に申請されるのが企業内転勤と呼ばれる在留資格です。

「企業内転勤」の特徴と業務範囲
 外国人は無制限に日本での活動が許可されているわけではなく、働くためには就労が許されている在留資格を得る必要があり、許可された在留資格の種類により従事できる業務も限られます。たとえば人文知識・国際業務と呼ばれる在留資格では「法律学、経済学」等の知識又は「外国の文化や感受性」を必要とする業務ができるとし、具体的には通訳・翻訳、貿易業務等のいわゆる文系分野の業務が、在留資格「技術」ではIT関連や機械設計、開発技術等いわゆる理系分野の業務が行えます。したがって通常、人文知識・国際業務の在留資格により通訳・翻訳を行う外国人がシステム開発など理系業務に従事することになった場合は在留資格の変更手続きを行う必要があります。
これに対し「企業内転勤」の在留資格により勤務する外国人の場合は、「人文知識・国際業務」と「技術」に該当する活動であれば双方行うことが許容されています。「転勤」という言葉の性質上、一定期間を定めて転勤することを前提としているため無期限に日本で滞在することは想定されておらず、また転勤してきた日本における特定の事業所内でなくては活動できないという制限はあるものの、業務の内容は比較的柔軟に対応できます。

在留資格と学歴・職歴の壁
日本の在留制度の性質上、多くの在留資格で学歴や職歴は重要な要件であり、これにより申請できる人材が限られてしまうという壁があります。「企業内転勤」は申請要件として、転勤前の1年間以上、「人文知識・国際業務」又は「技術」の在留資格に該当性のある活動をしている必要がありますが、一方で学歴要件や実務経験がなくとも許可されうる在留資格です。中小企業の進出先が多国化されている中、学歴・職歴だけに縛られず、当該事業において実際に優秀な成績を修めた能力ある人材の活躍を期待できる一つの可能性として、検討の余地があるかもしれません。





H24.8.3
全体像と工程表

行政改革などで、よく「全体像と工程表を明示すべきだ。」と新聞の社説や政治評論家が主張します。これは、「行政改革の結果として全体がどのように変化するのか、行き着くゴールの姿」と「現在時点からゴールに到達するまでの道筋を一連の作業の前後関係と所要期間で図示する」ことにより、国民への説明責任を果たすことを求めているわけです。このような「全体像と工程表」は政治に限らず、経営に於いても普遍的な重要性を持っています。

経営改革全体像と工程表の意味
 社長が、社員に経営改革の「全体像と工程表」を明示すれば、「会社が目指している方向性・現状からの変化・到達地点」が見えるとともに、「工程表」から「その地点に到達する作業の繋がり」がはっきり見え、社員にとっては、進歩して行く会社の姿を予感できるので自分達が何をすれば良いのか、努力すべき事柄が理解でき、働く意慾が高まります。
 経営改革は、一部の役員が必要と判断した作業を社員に指示することによって進めることはできますが、一般社員まで理解できるように「全体像と工程表」で明示すれば、社員が自ら改革に貢献しようとする全員参加型の力強い改革推進が期待できます。
 このような社員の主体性から生まれる “内発的意欲”は集団的な創造性と頼もしさを伴い、上からの指示を待って、取りかかる姿勢とは、雲泥の差があります。

“内発的意欲”を高める留意点
 「経営改革の全体像と工程表」を利用して、社員の“内発的意欲”を最大限に高め、それを経営改革実現の力にすることは、経営者としての、レベルの高いマネジメント行為であり、次のような留意点が参考になるでしょう。
@トップとして、社員が経営改革に貢献しようとする高い意欲を持っていることを信じ、経営改革の「全体像と工程表」を明示する。
Aできるだけ、多くの社員に「全体像と工程表」に関する質問・意見を求め、改革の計画とプロセスに参加させる。
B改革の経過に応じて、成果実績と改革を妨げる問題点を社員に説明し、必要な対策について、社員が自ら考え、行動するよう働きかける。
C社員の努力と貢献を定期的に顕彰する。





H24.8.2
欠損金の利用制限 うっかり失念

平成22年度税制改正前
 法人税では、適格吸収合併であっても、被合併法人(消滅会社)の欠損金を引継ぐことはもちろんのこと、合併法人(存続法人)の欠損金の利用についても厳しい制限を設けています。理由は、被合併法人の収益力や含み益資産を引継ぎ、合併法人の欠損金の早期償却などの租税回避の防止です。
 改正前では、支配関係の合併にあっては、5年間の資本関係の継続、一方、それ以外の合併の場合は、共同事業要件(事業規模、特定役員の就任等)を満たすことが欠損金利用の前提でした。過去に、合併法人がこの制限規定をうっかり失念し、意図しない結果を招来させてしまうようなことがありました。その内容は、こうです。

意図せざる罠
 合併法人では、会社存続のために、不要不急資産の売却、事業の分割・整理統廃合、早期退職、人員整理などで多額の欠損金を計上し、翌期以後5、6年以内でこの欠損金を回収できる事業再生を実施しました。
 1年経過後、リストラの効果で会社の業績も順調で、3年目に先にリストラで分割した子会社を理由があって、適格吸収合併しました。
単に、子会社を元に戻す合併ですが、この時点で、資本関係5年を満たしていないという理由で、合併法人の@支配関係事業年度前に生じた欠損金及びA支配関係事業年以降の欠損金のうち特定資産の譲渡等損失額からなる一定の金額は利用できない、という思いもよらぬ結果を招来させました。

平成22年度の税制改正以後
 この欠損金の制限規定には、少なからず批判がありました。そこで、課税当局は、平成22年度の税制改正で、支配関係が5年なくても、被合併法人等の設立の日から継続して支配関係がある場合には欠損金の利用制限を外すことにしました。
 これにより、分割した子会社を5年以内に適格吸収合併しても、上記のような悲劇を招来させることはなくなりました。

罠は取り除かれていない
 支配関係が設立当初からある子会社の場合は該当しますが、これが、まったく資本関係ない会社(会社規模を問わず)を適格吸収合併する際には、共同事業の要件を満たすか、あるいは、合併法人の保有資産の含み益が欠損金額を上回っていない限り、合併会社の欠損金の利用は制限されます。失念は、許されません。





H24.8.1
相続人の地位の譲渡 相続分の譲渡

 相続分の譲渡は、あまり馴染みのない言葉ですが、民法にもその規定があることから、相続における遺産分割の一形態として利用されています。当然、相続財産が未分割であることが前提です。

相続分の譲渡とは
 この相続分の譲渡ですが、遺産に含まれる個々の相続財産の持分の譲渡でなく、被相続人の財産の総体、すなわち、現預金、不動産、有価証券といった積極財産と借金や債務といった消極財産を含む遺産全体について、その相続人の法定相続分の譲渡ということになります。まさに、相続人の地位の譲渡です。この譲渡は、有償、無償を問いません。
相続分の譲渡は、他の相続人はもちろんのこと相続人以外の第三者に対してもすることができますが、その殆どが他の相続人に対する譲渡です。
 この相続分の譲渡の実行は、多くの場合、相続人間での遺産分割協議がなかなかまとまらず合意に至らなかったとき、また、早く解決をしたい、あるいは相続の争いに巻き込まれたくない、というのが大きな理由の1つです。

相続人に対する譲渡
 他の相続人への相続分の一部又は全部の譲渡は、譲り受けた相続人にはその相続分が増加し、一方、譲り渡し相続人は、その相続分は減少します。
そして、相続分の譲渡が有償であれば、一種の代償分割ということになり、たとえ、無償であっても遺産分割手続きの一環であることから贈与課税の問題も生じません。

相続人以外の第三者に対する譲渡
 これに対して、相続人以外の第三者に対する譲渡は、譲受人の第三者が遺産分割協議に加わるなどして、複雑な関係を招来させる可能性があります。
例えば、相続分の譲渡人は、被相続人の債権者から債権弁済の請求を拒むことはできませんし、相続分の全部を譲渡した相続人であっても相続税の申告義務は免れません。
 また、相続財産に不動産などが含まれていれば、譲渡所得の申告が必要な場合もあり、その譲渡の申告期限は、譲渡した年分か、それとも遺産が分割された年分か、といった問題など多くの課税上の未解決問題があります。よほどのことがない限り、相続人以外の第三者に対する相続分の譲渡は控えるべきでしょう。