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H25.11.29
離婚年金分割の誤解

離婚時の年金分割とは
 年金分割の基本的な仕組みは、離婚当事者の婚姻期間中の厚生年金保険や共済組合の保険料納付記録を離婚時に限って当事者間の分割を認めるというものです。分割は平成19年4月1日以降に成立した離婚が対象です。分割に当たり、間違えやすいケースを見てみます。

夫の年金全額が分割対象という誤解
 分割は厚生年金(報酬比例部分)や共済組合(職域部分を含む)が対象で基礎年金部分には影響しません。ですから自営業等でずっと国民年金しか加入していなければ分割できませんし、厚年基金も代行部分以外は対象外です。対象期間も婚姻から離婚までの期間とされ、按分割合を決めるのは当事者各々の保険料の納付実績の比較をして標準報酬額の再評価で額の多い人が少ない人に分割を行います。ですから場合によっては夫が自営、妻が会社勤めで妻の方が夫より年金が多ければ夫に分割して渡すと言う事態もあるかもしれません。

専業主婦は無条件で2分の1と言う誤解
 平成20年4月から3号被保険者(専業主婦・夫)が請求すれば夫婦の合意がなくとも配偶者の厚生年金や共済年金の半分が受け取れる3号分割制度は、その対象はH20年4月以降の期間です。それ以前の期間分は話し合いが必要です。当事者間の合意ができない場合は求めに応じ、裁判所で定める事も出来ます。

分割後年金は自動的にもらえると言う誤解
 分割手続きは離婚した翌日から2年以内に「年金分割の為の情報提供請求書」や「標準報酬改定請求書」を年金事務所に提出します。これは分割する保険料納付記録だけを請求するのですから、実際に受給するのは受給期間を満たし、定められた受給開始年齢に達した時、年金の裁定請求書を提出して受け取る事になります。

元夫の死亡や妻の再婚で分割分は消滅と言う誤解
 分割年金は自分が再婚しても、元夫が死亡した時も保険料納付記録は消えません。又、事実婚の夫婦は婚姻期間の特定が困難と言う理由から基本的に分割の対象外とされています。但し、第3号被保険者として認定されていてH19年4月以降に関係が解消されたと認められる場合は対象となります。





H25.11.28
長期業務の目標設定

 研究開発業務、システム開発業務などで、当初から2年以上の期間が必要とされている場合、通常1年以内の期間を区切りとして目標達成度を評価する目標管理制度の仕組みでは、目標の設定が困難です。
 例えば新製品の開発業務では、市場のニーズ動向と技術的シーズを組み合わせて市場で優位に立てる製品開発を目指すわけですが、製品改良のケース以外では何らかの新技術開発を伴う場合など困難なプロセスがあり、開発方針は示されているが具体的開発プロセスは動き出して見ないとどのような手順で開発を進めたら良いのか見当がつけられない、と言ったケースがあります、

長期業務の目標設定方法
このような長期業務では、年度毎の成果イメージにこだわりすぎず、開発製品の性能、競合他社製品との差別化ポイントなど最終ゴールの姿を定義した上で、そこに到達するプロセスのマイルストーン(里程標)イメージを具体的に記述し、その中から年間到達目標を設定すると良いでしょう。
 しかし長期業務の成果を追求する場合、プロセスの生産性向上策と年度別評価の在り方が、担当者のモラール向上と成果創出に大きな影響を持ちますから注意が必要です。

プロセスの生産性重視
 長期業務はチーム(2名以上)によって取り組む場合が多く、研究開発・技術開発などの現場で、そのチームがいかに「創造的な開発業務をスピーディーに推進できるか」、言い換えれば「チームの知的生産性の高さ」が「マイルストーンと最終成果の質とスピード」を定付けます
このように、長期業務では1年ごとに目標を設定できる短期業務と比較して「プロセスでの創造性」が成果に与える影響が格段に大きいのです。これを目標設定の視点から見ると、「プロセスの生産性を評価するプロセス目標」を設定するとインセンティブ効果が期待できます。

長期業務の年度評価
 年度の実績評価の段階では「マイルストーンの質的達成度や到達スピード」などについて、「長期業務最終ゴールに対する接近度」を基準に評価することが適切です。
 なお、一般に納得が得られくいケースなので、経営者が高い専門能力を持つ管理者と合意形成して評価を決定すると被評価者の納得が得られ易いでしょう。





H25.11.27
SNSが巻き起こした騒動

アルバイトの非行が増加
 この夏コンビニのアルバイト店員がアイス用冷蔵庫の中に入っている写真を取り、ツィッターに掲載する事件が発生、飲食店や小売店で似たような事件が相次いで起こりました。中には閉店に追い込まれた店舗もあり、経営者が問題を軽く考え、アルバイトの教育をおろそかにする事は出来ない時代となっています。従業員だった人も解雇されただけでなく、損害賠償を請求されたケースもあり、ちょっとした遊びのつもりがその人の将来にも影響してしまうような事例もあります。

被害を未然に防ぐには
 SNS利用自体を禁止している企業はほとんどありませんから、こうした行為を未然に防ぐには就業時間中は業務に集中し携帯やスマホの操作やSNSへのアクセスを禁じたり、休憩時間中や就業時間外であっても勤務先の不利益につながるような行為は厳しく慎む事を教育する必要があります。
 お客様対応、衛生問題、礼儀作法、服装、清掃等は今までも教えてきたかもしれません。さらにSNSに対する取り扱いについて教育し、店や企業のリスク管理をより強める必要があるでしょう。例えば来店者のお客様の声を写真入りで店のfacebookに掲載したい場合は事前に許可を得る等のルールを決めておく、会社のアカウントの場合は発言内容も社会性を意識した内容にする事等も必要でしょう。

コンプライアンス(法律、規定、規範、倫理等の遵守)の意識付けが必要
 スマートフォンとSNS(ソーシャルネットワークサービス)の普及により、いつでもどこでも写真をアップロード出来るようになった時代、世の中に公開されている実感が少なく仲間同士のおふざけのイメージでやっているのかもしれません。無意識の書き込みが情報のマイナスパワーとして拡散してしまうと企業が窮地に陥れられないとも限りません。根本はモラルの問題でもあり、アルバイトの採用も人手不足で簡単ではないのですが教育には手をかける事が必要でしょう。アルバイト就業規則で規定する他、マニュアルを作る事も有効です。
 小規模の店舗であれば事業主が守って欲しい事項の誓約書を作成し、サインさせ自覚を促す事等を行いましょう。





H25.11.26
後条優先の原則と所得税法の矛盾


所得税法の中の矛盾しあう諸規定
所得税法第5条(納税義務者)は、居住者は、この法律により、所得税を納める義務がある、と規定し、第7条(課税所得の範囲)で、非永住者以外の居住者に対しては、すべての所得に課税するとしています。
従って、通常の日本人なら、全ての所得に課税なのですが、第9条(非課税所得)で、次に掲げる所得については、所得税を課さない、としています。矛盾しています。
そして同条の十六号で、相続、遺贈、贈与に係るものは所得税非課税と規定していながら、第60条で、相続、遺贈、贈与に係るものは被相続人、遺贈者、贈与者の所有期間を引き継ぐとして、第9条で非課税としたことを無視し、矛盾した関係になっています。

後条優先の原則があれば矛盾解消
第〇条の規定に拘わらず、との前置きがあれば優先劣後の関係が明確になり、矛盾がないのですが、先の7条と9条、9条と60条には、矛盾を排除する前置きがないので、矛盾したままです。
もし、後条優先の原則というものがあるとしたら、先にある条文に対して後ろにある条文を優先して適用することになるので、矛盾は解消します。

相続取得財産の譲渡と非課税規定
第9条の非課税規定と第60条の譲渡益課税規定を矛盾なく両立させるべきで、相続時課税額を超過する部分のみ、譲渡益課税の対象になるべき、と主張して訴訟していた事案で、地裁の判決がありました。
判決は、第9条と第60条を両立させることは、事実上第60条をおよそ適用の余地のない条文化することになるが、そのようなものとして定めているとは考え難いとして、後条優先の原則があるかのような結論にしています。

二重課税禁止の構造的・原理的意味
しかし、問題なのは、平成22年7月の最高裁の相続年金二重課税禁止判決です。後条優先の原則を採らずに、9条非課税と年金所得課税を両立さる判決でした。
最高裁は、相続税・贈与税と所得税は二重課税となってよいのだとの原理を否定し、二重課税は排除されるべきとの原理に立って判決したため、譲渡所得課税と9条非課税とを両立させるべきとの主張は、起きるべくして当然に起きてきたのです。
後条優先の原則があるとすれば、最高裁も事態を複雑にしなかったと思われます。





H25.11.25
後法優先の原則と弁護士・税理士

弁護士法第3条第2項の当然規定
 弁護士法3条2項には、「弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる」との規定があります。
この規定は、昭和24年の弁護士法抜本改正に際し、挿入されたもので、当時は「税務代理士」との表現でした。戦前からある税務代理士法を廃止し、昭和26年に税理士法が立法されるに際して、「税務代理士」は「税理士」に書き換えられました。

税理士法第51・52条の業務制限規定
税理士法52条は、税理士でない者は税理士業務を行つてはならない、との規定を置き、51条で、弁護士については、所属弁護士会を経て国税局長に税理士業務を行うこと通知すれば、税理士業務を行うことができる、との規定を置いています。
弁護士法の当然規定と税理士法の業務制限規定とは、明らかに矛盾しています。

不通知弁護士への立会い拒絶事件
特に税務を意識していない通常の法律事案で、たまたま相手が税務当局だったというような場合は、さらにこの矛盾は鋭い業際関係になります。
滞納相続税の連帯納付義務の処理に関する納税者と大阪国税局との係争ではない交渉において、税理士法51条に基づく「税理士業務開始通知書」と30条に基づく「税務代理権限証書」の提出をしていないことを理由に、弁護士の同席を拒絶した、という事件が起き、訴訟になっていました。

地裁勝利・高裁敗訴・最高裁不受理確定
地裁では、弁護士は、弁護士の固有の権限として、受任した法律事務に付随するものである限りでは51条通知をしなかったとしても税理士の事務を行うことができる、としました。
高裁では、税理士法は、現行弁護士法制定(大改正)の2年後に、弁護士法3条2項の規定が存在することを前提に制定されたものであるから、税理士法51条、52条の規定が弁護士法3条2項の特別規定という関係に立っていると考えるのが妥当である、として弁護士を逆転敗訴にしました。

弁護士法と税理士法との適用関係
 すでにある法律規定が存在することを前提に、別な法律で矛盾する規定を置くことになるときは、先に存在する規定を修正する立法趣旨があると解されます。これを後法優先の原則と言います。これを確認したような判決でした。





H25.11.22
改正点と謝りやすい事項
平成25年分年末調整の確認


 本年も年末調整を行う時期になりました。年末調整は、給与を受ける人それぞれについて、原則、毎月の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない年税額とを比べて、その過不足を精算する手続です。
 今年は、所得控除等についての改正はありませんが、復興税の導入もあり、昨年と比べて変わった点、また、誤りやすい事項についても少しふれてみたいと思います。

昨年と比べて変わった点
(1)復興特別所得税の導入で、所得税の源泉徴収義務者は、毎月の給与や賞与について、平成25年分以後の源泉徴収税額表に基づき、所得税及び復興特別所得税(源泉徴収すべき所得税の額の2.1%相当額)の合計額を徴収し、納付しています。
 したがって、年末調整は、所得税及び復興特別所得税額の合計額で行います。
(2)給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除については、245万円の定額とすることとされました。
 今まで青天井だった給与所得控除額は、上限245万円で打ち止めとされることになりました。
(3)特定の役員等に対する退職手当等に係る退職所得の金額の計算については、退職所得控除額を控除した残額を2分の1する措置が廃止されました。

誤りやすい事例
(1)遺族年金は非課税所得であるにもかかわらずそれ含めて合計所得金額を算定していた。
 遺族年金を除いてところで合計所得金額を算定します。
(2)本人が生命保険料等を支払っており、かつ、保険金の受取人は本人又はその配偶者その他の親族であるにもかかわらず、契約者になっていないことから生命保険料控除の対象としていなかった。
 契約者の有無にかかわらず、本人が保険料等を負担し、保険金の受取人が本人又は配偶者その他の親族である限り、生命保険料控除の対象とすることができます。
(3)生計を一にする親の後期高齢者医療制度の保険料を口座振替により支払ったにもかかわらず社会保険料控除の対象としていなかった。
 年金から特別徴収されていないので社会保険料控除の対象とすることができます。





H25.11.21
人事制度体系と問題発見

 「人事制度」の設計と運用は従業員の意識・行動を経営のあるべき姿へ向けて誘導し、戦略を実現する重要な仕組みです。
 その問題点・改革の課題はそれぞれの企業によって異なりますから、的確に発見して対策を講じなければなりません。
 そこで、人事賃金制度のどこに問題があるのか判断する視点を持つ必要があります。

人事制度体系と問題発見の視点
 現在の制度の問題点・課題を的確に発見するには、図表に示した制度の体系を俯瞰的に見て、個別制度のどこに問題があるのか、個別制度間の関係や全体のバランスから改善・改革の課題を具体的に特定すると良いでしょう。

 すなわち、次のような視点で問題発見を行なうことをお勧めします。
【問題発見の視点】
@社内等級制度そのものの問題(年功的制度であるため、実力に応じた処遇の基軸としての機能を発揮していないなど)
A社内等級制度と賃金制度の関係における問題(等級と賃金が逆転しているため、社員の間に不公平感があるなど)
B賃金制度そのものの問題(役割や貢献度に応じた賃金になっていないなど)
C業績管理制度そのものの問題(業績管理がうまくいっていないなど)
D業績管理と賃金制度の関係における問題(業績評価がメリハリのある賃金支給につながっていないなど)
E人材育成の遅れ問題(組織構築・人材配置のニーズを満たしていないなど)

経営者の留意点
上層部だけの議論で問題発見を行なうのではなく、管理者、一般社員からも普段から感じている問題を出してもらい、改善、改革に結び付けると、全員の経営参加意識、
やる気の向上につながるでしょう。





H25.11.20
特別法優先の原則と電子申告

自署押印に係る罰則規定
 法人税法には、納税申告書に代表者の自署押印を義務付けており、この規定に違反した場合、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する、とされています。
 納税申告が、納税者の財産権を侵害するもので、かつ、自らにとって不利益を生じさせる自己の租税債務を明らかにする行為であるところに自署押印の意義があります。納税申告書の内容が納税者の真意に基づくものであることを明確にすることです。

電子申告では自署押印不要
 それほど重視されていた自署押印が、電子申告ではあっさりと無視されています。
財務省の、税制改正解説書では、税理士が納税者から依頼を受けて作成して送信する税務書類については、公共的使命を負った税理士が税理士業務として作成し、税理士の電子署名を付して送信するものであり、税理士により依頼者の本人確認等がなされていることから、依頼者の電子署名等まで求めなくとも問題ないと考えられるから、としています。
そこまで言うなら、紙ベースでの申告書についても、同じ扱いにすべきと、考えてしまいます。

根拠法は何か、税法での根拠は
 電子申告の根拠法は、税法ではなく、総務省管轄の行政手続電子化法です。細目は、各省庁の定める省令(規則)に委ねられており、国税に関しては財務省の国税電子化省令が定めるところとなっています。
 電子申告は、紙ベースのものを電子化することが趣旨だったのですが、それに止まらず、税法における申告等手続規定の実質的な改変をしています。
 その結果、税法では、懲役刑を科されるようなことになっていても、電子申告に係る法律の中では適法となるような矛盾した状態になっています。

税法と電子化法との適用関係
 法律と法律の間には、矛盾した規定が存在することがあります。〇〇法の第〇条の規定に拘わらず、との前置きがあれば優先劣後の関係は明確ですが、それが不明なときは、一般法に対して特別法が優先して適用されます。税法本法と租税特別措置法との関係の如くです。
 国税諸法と行政手続電子化法の国税部分との関係も一般法と特別法の関係として理解することになります。





H25.11.19
高齢者向けの住まい

介護保険も利用できる高齢者の住まい
 高齢者が自宅での生活を引き払い、高齢や向け住宅に入居したいと思ったときに、何を基準に住宅選びをしたらよいのでしょうか。費用負担や介護サービスも様々であり本人あるいは家族が望む住まいを検討し選択する必要があります。

主な高齢者向け住宅
@有料老人ホーム・・・有料老人ホームは住まい食事、生活支援のサービスが一体となっていて介護サービスも同一事業者が提供をしている場合が多いです。費用負担は最も大きくなります。
Aサービス付き高齢者向け住宅・・・安否確認、生活相談の提供、食事の提供が主で介護医療サービスは外部事業者で別にする場合もあります。一般的にはまだ十分な介護は必要ない方向けと言えるでしょう。費用は提供内容で異なります。
Bケアハウス・・・軽費老人ホームは費用負担は少ないのですが主に自立した高齢者向け住宅です。生活コストを抑えながら高齢者に配慮した住宅です。介護サービスは提供されない場合もあります。
C特別養護老人ホーム・・・費用負担は比較的少ないですが待機の場合があります。介護度の高い方が多く、4人部屋等もあり、プライベート空間が少ない場合もあります。

高齢者住宅を選択するポイント
@職員の配置は・・・受けたいと思うサービス内容に人員配置がどのようになっているのか。介護保険では例えば有料介護老人ホームでは3人の要介護者に対して1人以上の介護、看護職員の配置が義務付けられています。
A職員の資格は・・・専門的な技術や知識を活用して入居者の介護をする「介護福祉士」、身体機能の維持回復を図るトレーニングサポートをする「理学療法士」や「作業療法士」等の資格を有する職員の配置。
B夜間の勤務体制は・・・緊急時に対応が出来る体制になっているか。夜勤は夜間に寝ずに勤務する事、宿直は寝泊まりする職員がいる事を指します。
C医療・介護ニーズへの対応は・・・入居時に自立していても入居後に医療や介護が必要になった時に入居し続けられるのか、例えばケアハウス等は介護サービスがない場合もあり、再度の住み替えもあり得ます。





H25.11.18
課税→免税の移行時期

課税→免税のときの棚卸資産
 課税事業者が新たに免税事業者となる場合で、課税事業者期間の末日において所有する棚卸資産のうちに、課税事業者期間中に仕入れた棚卸資産がある場合には、その棚卸資産に係る消費税額は、その課税事業者期間中の仕入れに係る消費税額の計算の基礎となる課税仕入れ等の税額には含まれないこととされています。
 税抜仕訳の場合には、仮払消費税を消去して期末棚卸資産は税込価額にしておかなければなりません。

課税→免税のときの仕入値引返品等
 課税事業者期間中の仕入れについて、免税事業者になってから仕入値引割戻返品があった場合には、その対価の額の中に含まれていた消費税額は認識しないことになっていますので、全て税込価額で処理します。
 課税事業者期間中の仕入に係る商品等で免税事業者になった最初の期首に有していたものを、その後仕入返品する場合にも、その対価の額の中に含まれていた消費税額は認識しないことになっています。
 前記のような期首棚卸資産を税込価額に処理し直していたことと、つじつまの合う関係になっています。

課税→免税のときの売上値引返品等
 課税事業者期間中の売上について免税事業者になってから売上値引割戻返品があった場合、又は貸倒れが生じた場合や消却債権取立益を得た場合にも、その対価の額の中に含まれていた消費税額は認識しないことになっていますので、すべて税込価額で処理します。
 なお、課税事業者期間中の売上に係る売上返品により増加した棚卸資産については、税込価額への変更処理が要求される期首棚卸資産と同じく、期末まで在庫品として残った場合には、税込価額で期末棚卸資産の経理処理をすることになります。

売上戻り商品を売上げると
 免税→課税の移行期においては、売上戻り品の売上げで、免税事業者期間の消費税額が課税事業者になってから強制的に損金算入され、税込価格仕入額と税抜課税売上額が対応させられる不都合が生じます。
 それに対し、課税→免税移行期では、全てが税込取引で例外なく処理されるので、平仄の合わない不都合は生じません。





H25.11.15
役割等級の作り方

 日本企業の人事賃金制度の基軸として、現在役割等級制度が広がりを見せています。
 この等級制度は、社員個々の仕事が持っている役割を明確にし、次の3点を実現することを目的として設計します。
@役割に応じた会社への貢献を引き出す。
A役割・貢献実績に応じて実力主義の賃金(給与・賞与)を支給する。
B貢献実績に基づき、さらに高い貢献を期待して新しい役割を付与する。

役割等級の要素
 役割等級は、組織における仕事の役割を
次の3つの要素
1.仕事に必要な知識・技術・経験
2.解決すべき課題(例:○○商品の市場拡大)
3.達成責任(例:○○商品の売上高向上)
で定義した上で、経営への期待貢献を明らかにし、それらの重要度・困難度レベルの区分によって等級を定めるものです。

等級決定までの手順
 その手順概略は以下の通りです。
1.現在の組織図に基づいて、個々の社員が担当する「仕事名」(○○部・△△課長、▲▲担当)をリストアップする。(かなり多くの仕事名がリストアップされる。)
2.職種別・職位別に代表的な仕事を選定し、フォーマットを決めて3項目の具体的内容を書き出す。
3.代表的な仕事の役割要素から、同種の仕
事の役割要素を推定して書きだす。
4.全ての仕事について、ABCなどの評語を用いて経営上の重要度ランク、困難度ランクを判断、記述する。
5.会社の仕事全般を良く知っている複数の
 人(役員・管理者・監督者など)が、仕事の重要度(経営への貢献度)・困難度(所管する社員・予算、顧客との折衝など)のランクを相対的に比較して等級で区切る。(等級の数は、中小企業では 一般に役員・管理職層で3等級程度、一般社員で3等級程度、合計6等級前後)

経営者の留意点
 役割等級作成は現状の慣行を見直す重要で難しく、手数がかかる業務なので、通常業務全般に詳しい複数の担当者を選任、目的の説明はトップ自らが行い、かつ検討プロセスでの問題解決、結論の承認を行なうべきです。





H25.11.14
失業給付を受けるには

 雇用保険の失業給付とは加入者が倒産・定年・自己都合等で離職し、再就職までの生活を安定させ、早期に就職できるように支給されるものです。

失業給付(基本手当)の受給要件
 基本手当を受けるには、離職時の理由によって、最低加入期間が異なります。会社 都合退職の場合は雇用保険に加入し、離職の日以前2年間に賃金支払い日数が11日以上ある月が最低6カ月以上必要です。自己都合退職であれば、最低1年以上加入している事が必要です。
 基本手当を受ける為には居住地管轄のハローワークへ求職の申し込みをします。雇用保険に加入していたとしても、失業の状態を確認し、認定を受けなければ給付は受けられません。失業の状態の確認とは「働く意志及び能力がある」状態を言います。

受給する事が出来ない場合
次の様な場合は原則受給できません。
ア、病気やけがですぐには就職できない
イ、妊娠・出産ですぐには就職できない
ウ、親族の看護等ですぐには就職できない
エ、定年等で離職し、しばらく休養をする
オ、結婚して家事に専念し就職を望まない
カ、家事手伝い、農業、商業等家業に従事
キ、収入有無は問わず自営業をしている。
ク、会社役員に就任している
ケ、次の就職先がある。又は就職した
コ、昼間の学校の学生で学業に専念する
 上記のア〜エは受給期間の延長申請が有。

給付日数は離職理由と年齢加入期間で決定
 基本手当は離職理由と加入期間と年齢により受給日数が異なります。また、離職した日の翌日から1年間で受給期間は終了することとなっています。満了日が到来すれば原則受給は終了します。ですから自己都合退職をした方で求職の申し込み後7日間の待機期間終了後、3ヶ月間の給付制限がかかりますので申し込みが遅くなると満了日以降受給できないと言う事があるかもしれません。留意をして下さい。
 基本手当の金額は失業状態にある日について、離職する日の直前の6ヶ月間に支払われた賃金の合計額を180で割った賃金日額のおおよそ45%から80%の間で、賃金の低い人ほど高い率で支払われます。





H25.11.13
免税→課税の移行期

免税→課税のときの棚卸資産
 免税事業者が新たに課税事業者となる場合で、免税事業者期間の末日において所有する棚卸資産のうちに、免税事業者期間中に仕入れた棚卸資産がある場合には、その棚卸資産に係る消費税額を課税事業者になった期間の仕入れに係る消費税額の計算の基礎となる課税仕入等の税額とみなして仕入税額控除の対象とします。
 税抜仕訳の場合には、仮払消費税を認識して、棚卸資産の価額を減額しておきます。

免税→課税のときの仕入値引返品等
 免税事業者期間中の仕入れについて、課税事業者になってから仕入値引割戻があった場合には、その対価の額の中に消費税額は含まれていない扱いなので「課税対象外」取引にしなければなりません。
 ところが、免税事業者期間中の仕入に係る商品等で課税事業者になった最初の期首に有していたものを、その後仕入返品する場合には、前記のような期首棚卸資産の税抜処理との関係から、その取引はマイナスの「課税仕入」取引とします。

免税→課税のときの売上値引返品等
 免税事業者期間中の売上について課税事業者になってから売上値引割戻返品があった場合、貸倒れが生じた場合、消却債権取立益を得た場合には、その対価の額の中に消費税額は含まれていない扱いなので「課税対象外」取引にしなければなりません。
 なお、免税事業者期間中の売上に係る売上返品により増加した棚卸資産については、税抜きが要求される期首棚卸資産とは無関係なので、売上値引割戻等と同じく、その対価の額の中に消費税額は含まれていないものとして「課税対象外」取引にします。
 仕入返品と売上返品との相違点です。

売上戻り商品を売上げると
 免税事業者期間の商品仕入105億円、売上210億円、期末棚卸なし、次の期に課税事業者になってから、全売上が返品となったものの、まもなく、同額で同じく売上が実現した、とします。
 それだけの取引しかなかったとすると、
当期売上    200億円
当期売上戻り 210億円
当期売上原価   0億円 当期利益−10億円
当期課税売上 200億円
当期課税仕入   0億円 納付消費税10億円
このような、不合理な結果になります。税抜きのある仕入戻りにはない不合理です。





H25.11.12
小規模事業者保護と現金主義


税法の原則・債権債務確定主義とその例外
 所得税法では、年末までに現実に金銭等を受領していなくとも、「収入すべき権利」が確定していれば、その年の収入金額に計上することになっています。従って、実際の金銭等の授受の有無、また、代金の請求の有無とは関係ありません。
 しかし、この原則の例外もあります。償却費等以外については、実際の現金収支の収益と費用だけで所得計算することも認められています。現金主義です。

現金主義の適用と適用外との境界線
 現金主義の選択適用者にとっては、ただ現金預金収支のみを管理していればよいので、売掛金や買掛金などを考える必要がありません。
 ただ、現金主義を選択する直前年末の売掛金、買掛金、未収収益、前受収益、前払費用、未払費用その他これらに類する資産及び負債並びに棚卸資産、それに各種引当金や準備金の額については、記録を保存しておく必要があります。
 その後、現金主義の不適用者となったとき、上記の売掛金等の額と、その不適用最初の年の初日1月1日における同じ売掛金等の額との間に差額がある場合は、その差額はその不適用最初の年の不動産所得や事業所得の金額の計算上、それぞれ総収入金額又は必要経費に算入します。現金主義期間をまたいだ 残高洗い替え方式です。

消費税にもある現金主義
 所得税法の現金主義選択適用者は消費税法でも現金主義者になれます。
 ところが、消費税法では、現金主義の期間においては、ただ現金預金収支のみを管理していればよい、ということになっていません。
 所得税法では、現金主義は小規模事業者への保護規定として、現金主義者に対して寛容ですが、消費税法では、原理主義的不寛容が露わで、現金主義期間の非正規処理を後の現金主義不適用期間に持ち込むことを禁じます。
 先の売掛金等の残高洗い替えは、現金主義期間の末日に済ませよ、と命じています。

現金主義の適用該当者
 専従者給与等の適用前の前々年所得が300万円以下で青色申告者であることが選択適用の要件です。非適用は要件不充足によるものと選択放棄によるものがあります。
 所得税で現金主義者でも、消費税ではそれを選択しないことができます。





H25.11.11
東京都は信号機の数より多い!
税理士登録者数


H25.3現在の登録者数は73,725人
 たまには、私どもの職業―『税理士』の話を取り上げましょう。H25.3現在、全国の税理士登録者数は73,725人になりました。この数字を、当コラムの読者の方は多く感じるのでしょうか?少なく感じるのでしょうか?全国のコンビニ店舗数が約5万ということを考えると、『意外に多いな』と感じるのかもしれません。事業者向けサービスの側面が強い業界ですので、小売業などと違って、一般には見えづらい業界ともいえるでしょう。とは言え、東京都の税理士登録者数は約2.1万人。東京都の信号機数は約1.5万機と言われますから、東京で信号を見かけたら、近くに税理士が1人はいるという勘定です。もう少し親しまれる努力が必要な業界なのかもしれませんね。

実は税理士には『3種類』あります!
 この登録者数は、日本税理士連合会(日税連)の『税理士名簿』に記載された人数です。税理士は、試験合格者等が実務要件等を満たした後、日税連に備え付けられている『税理士名簿』に登録して初めて『税理士業務』(税務代理・税務書類の作成・税務相談)を行うことができます。
 この『名簿』には『社員税理士』『補助税理士』『開業税理士』の税理士の区分を記載しなければなりません。『社員税理士』は税理士法人の経営者(無限責任社員)であり、『開業税理士』『補助税理士』はその名の通り、個人事業者と補助者という位置づけです。先程のH25.3登録者数のうち、『開業税理士』が80.5%、『社員税理士』が9.1%、『補助税理士』が10.4%の内訳となっています。以前は『開業税理士』が9割を占めていましたが、他の士業と同様に『士業の法人化』が進みつつあると言えます。

税理士資格の特徴―無償独占業務
 また税理士資格は『無償業務独占資格』であるという特徴があります。
 公認会計士、弁護士、社労士等の業務は『有償での業務のみ』が独占業務となることから『有償業務独占資格』と呼ばれます。
 これに対して、税理士の業務は無償の業務も独占業務となります。医師、薬剤師、司法書士等もその例に当たります。





H25.11.8
資本金の額と法人税額

 法人税では、資本金の額によって課税所得金額に適用される税率、また課税所得金額の算定の基礎なる各種特例の適用にも差異があります。
 資本金の額1億円超の法人では、適用税率はもとより、概ね次のような課税の特例適用は認められていません。
 @交際費等の定額控除、A貸倒引当金の繰入、B一括評価貸倒引当金の法定繰入率、C少額減価償却資産の取得価額の損金算入、D特定同族会社の特別税率の不適用、E青色欠損金の繰戻還付、F青色欠損金の全額控除の適用等が挙げられます。

会社法の定め
 会社法では、株式会社は、その資本金の額を限度として、一定の手続きを経ることで、いつでも資本金の額を減額、すなわち減資することができます。
 したがって、資本金1億円以下が経営上許されるのであれば、減資も一考です。
 減資の殆どは無償減資、すなわち資本金の額をその他資本剰余金に振替えるだけのもので、株主資本の部の内部移動です。
有償減資は、資金の社外流出、株主にみなし配当課税が生じ、継続企業を前提する限り現実的な手法ではありません。
極端な話しですが、資本金の額を零にし、当該資本金全額をその他資本剰余金に振替えることもできます。この場合、資本金が零ですから、資本金を有しない法人に該当するのでは、との疑義が生じます。

資本金を有しない法人
資本金を有しない法人と判断された場合、法人税の課税所得の計算に差異が生じる場面は、概ね、@一般寄付金の損金算入限度額の計算、A交際費等の損金不算入の定額控除額です。
前者は、所得金額のみで限度額を計算(所得金額の100分の1.25)、後者は、簿価純資産価額を基準として定額控除額を計算します(簿価純資産価額の100分の60)。
しかし、課税実務では、会社法の適用を受ける法人は、法人の設立根拠法に資本金制度そのものが存在していることから、たとえ資本金が零でも資本金を有しない法人には該当しない、として取扱っています。

資本金等の額を基準とする制度
 なお、資本金等の額が基準となっている制度もあり、減資の効果が期待できない場合があります。みなし配当の計算、一般寄付金の損金算入限度額、法人住民税の均等割などがその例です。





H25.11.7
マイナンバー制度と企業の事務

マイナンバー法案が成立
 今年の5月に「行政手続きに特定の個人を識別する為の番号の利用に関する法律」が国会で可決されました。これにより国民一人一人が一つの番号を持つ通称「マイナンバー制度」が実施される事になりました。
 マイナンバーはどのように知らせて来るのでしょうか。予定では2015年秋以降に市区町村長から、住民基本台帳に登録されている人全員に番号を付与し、「通知カード」によって通知されます。外国人の方も住民基本台帳に登録されている人は付与されます。2016年1月から社会保障関係の手続きや納税に利用される事となっています。

マイナンバー制度の目的
 マイナンバー制度を行政が必要とする理由は社会保障と税の一体化を推進して国民の利便性と行政運営に必要な経費を削減、それを必要な人に必要な保障を行い、給付と負担の適正化が出来るとしています。現在は国民にマイナンバーを要求できる機関は行政機関、地方公共団体、日本年金機構、医療保険者等に限られています。
今までの住基ネットは主体が自治体であった事や基礎年金番号は年金の為の番号であった等、国としての統一番号が必要であったという事があるようです。

企業が行う事務手続き
 制度が導入されると企業では原則として社会保障と税の手続に提出する調書類にはマイナンバーを記載する事になります。例えば社会保険・雇用保険の取得・喪失や報酬月額や賞与額に関する事項、給与支払い報告書や、源泉徴収票にマイナンバーを記載する事が義務付けられるので、まず本人にマイナンバーを知らせてもらわなければなりません。

もう一つの番号 法人番号
同時期に国税庁長官が法人に対して付番、通知をする番号です。上記のような手続き書類で事業主の名称を記載する際には法人番号を記載するとしています。法人番号は原則公開で民間利用可とされていますが詳細はまだ公表されていません。企業にとって手数はかかるがメリットがあまりない様にも感じられます。国の行政機関や地方自治体の業務効率化を図る為に協力が求められるという事でしょうか。今後、真に国民の為の制度になってほしいところです。





H25.11.6
質的向上目標の設定

 成果目標を設定する場合、数量で表現できない、または数量的に表すことがかえって目標の本質的な意味を見誤ったり、曖昧にしてしまう場合があります。

業務の質的向上目標が必要な場合
例えば、「営業遂行の仕組みを持っているが、受注から納品までの何らかのミスが原因で顧客に迷惑をかけており、クレームの状況から信用を損ねている」などの問題がある場合、その真の原因を突き止めて改善することが必要になります。その場合の目標は、例えば「受注・納品業務のミスによる納品遅れを再発防止し、クレームを皆無にする。」とし、顧客の信頼を回復する業務の質的改善を目標とするのが適切であり、単に「受注・納品作業ミスの減少」などとすると、かえって顧客の信頼向上を意識しない社内の事務改善目標に陥る可能性があります。
別な例を挙げますと、顧客のご満足を高め、当社のファンとなって頂くためにマーケティング施策として、新製品発表会を開催する場合、その結果として招待顧客の反響、発表内容の理解度、新製品の評価・関心度など、「従来の実績に比較した発表会の質的改善度」で目標を設定するのが適切であり、単に「発表会の来客人員」など、質と無関係な数量的目標設定は関係社員に改善の本質を見誤らせることになります。

質的向上目標設定の留意点
 業務の仕組みや行事・施策の質的向上(改善)目標設定の留意点は、次の通りです。
1. 仕事の仕組み、行事などの問題点は、関係部門の社員が普段から感じていることが多く、問題の指摘、改善の方向性など自由な討議の場をつくって抽出する。
2. 目標設定対象業務の問題はしばしば複数関係部署の処理作業の連携・協力関係に起因する場合が多いので、担当者の個人目標とするより関係部署の担当者によるチームの目標とする。
3. 質的向上目標は、成果の評価が曖昧になりやすいので、質の向上・改善を裏付ける効果測定項目・アンケートその他の効果測定・分析の方法を予め検討し、達成基準をチームとして合意形成しておく。
4. チーム活動の成否は、リーダーの力量にかかっているので、年齢にかかわらず、メンバーを問題解決へ誘導できる求心力を持った人材を選任する。





H25.11.5
パテントボックス税制

経団連の税制建議
経団連は「平成25年度税制改正提言」で「パテントボックス税制の創設」を採り上げています。日経新聞もこの提案を後押しする記事を時々書いています。
米IT企業は税務戦略が巧みで、TAX HAVENに利益を移して税逃れをしていますが、日本のTAX HAVEN対策税制は堅固なので、同じ仕組みでは税逃れ困難です。

パテントボックス税制とは
 パテントボックスは最近EU諸国に普及しだした税制で、現在7ヶ国で導入済みです。二元的所得税のような分類所得課税の法人税への応用版です。特許権等の知的財産権(パテント)に係る収益に対する課税を低税率とするものです。
フランス 2001年導入 15%
ハンガリ 2003年導入 9.5%
オランダ 2007年導入 5.0%
スペイン 2008年導入 15%
イギリス 2013年導入 10%

パテントボックス税制の利用の仕方
 EUのパテントボックス税制導入国はTAX HAVEN国に該当しないので、日本のTAX HAVEN対策税制は適用されません。パテントボックス国の海外子会社に特許権等の知的財産権を移転し、パテント料の支払いを通じてそこに利益が集積するようにすると、連結グループの利益の相当部分が低税率課税で済むことになります。

パテントボックス税制の導入の必要性
 特許権等の知的財産権の管理業務を海外に移すだけだったら、研究開発拠点、あるいは企業の超過収益力の源泉である無形資産の開発力が海外移転してしまう危険はなさそうです。
経団連の提案の趣旨は、パテントボックス税制による企業の税負担の縮減の恩恵は受けたいが、せめて縮減された税金は日本国に納入したい、と言う事なのでしょう。

パテントボックス税制の弊害
 パテントボックス税制は、生気を失った古い先進資本主義国が、自らを部分的TAX HAVEN国化することによって、外国企業の課税逃れ戦略による節税額の一部のおこぼれに与かろう、という趣旨のダーティー国策と言えます。しかし、その悪弊は、お互いの国同士が課税の侵蝕をしあって、各国の財務体質を損なう方向に向かうものです。
しかし、賽は投げられており、既に止め様のない世界の潮流になりそうです。





H25.11.1
全銀協・全国手形取引高
手形取引金額はピーク時の7.6%

手形取引金額は激減!ピーク時の7.6%!!
 『手形取引が減ってきている』とよく耳にします。全国銀行協会公表の『全国手形交換高』は、平成24年中の実績で、金額369兆円、枚数7,745万枚に上ります。
 数値自体は大きなものですが、過去の最高値は金額4,797兆円(平成2年中)、枚数4億3,486万枚(昭和54年中)であることを考えると、金額はピーク時の7.6%、枚数は18%まで激減していることになります。

それでも4割の企業が手形を利用
 この『手形交換高』は、景気連動性が高い指標とされていましたが、ファームバンキングの普及の影響から、その連動性は薄れ、年々減少の一途を辿っています。
 それでも帝国データバンクの調査では、取引先との決済に手形を利用している企業は全体の44.5%に上るそうです。ただし、数字の中身を見てみると、一様なものではありません。まず地域別の手形利用率は、下記のように顕著な格差が見えます。
上位3都道府県
@ 富山県 63.4%
A 香川県 59.1%
B 新潟県 58.6%
下位3都道府県
@ 沖縄県 31.5%
A 東京都 33.5%
B 千葉県 34.7%

手形を使う会社像がハッキリしてきた
 また、@業歴50年以上では6割超の企業が手形を利用する一方で、業歴10年未満の企業は1割台しか利用しない。A売上規模別でも「10〜500億円」の中堅・大手企業の利用率が6割近くになるのに対し、売上1億円未満の企業は25.7%にとどまっている―という結果も出ています。
また手形の利用は特定の業種(製造・卸・建設)に固定化してきています。

『電子記録債権』・『電子手形』の可能性
 このようなタイミングで『でんさいネット』がスタートから約半年が経過しました。『ペーパレス・印紙税がかからない・分割可能』と債権者・債務者双方にとって『コスト・業務効率・安全性』の面でメリットを発揮するものと期待されています。
 まずファクタリング・流動化の分野での活用が見込まれますが、これまで手形を利用していた企業が、今後、電子債権にシフトするならば、その取引相手である中小零細企業にも対応が求められることも増えるでしょう。