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H25.2.27
実例経営シリーズ 方向を決めるのは、社長の役割


 毎日努力されている経営者の皆様に、経営に役に立つ事例をシリーズでお届けします。一つでも貴社の経営のヒントになることがあれば幸いです。

社長は一生懸命だけではダメ
 従業員20名弱の自動制御機用部品販売業のC社長は、第一次オイルショック直後昭和40年代後半に会社を設立しました。機器メーカーの資材購買窓口を同業者に紹介してもらい、また、一方ではC社長は独自の開拓でなんとか受注をとって進めることができました。その後、不況の際には従業員と共に機器メーカーを訪問して頑張ってきましたが、数回赤字決算になりました。
 そのとき、同郷の先輩社長に「寝るひまも無く、やっています!」と言ったら、「従業員でもできることをやって忙しがっているだけだ」、「社長の役割をどう思っているのか!」と叱正を受け、ハッと気がついたとのことです。

世の中の進む方向を見極める
今も技術の発展は激しいですが、当時から技術の進歩は早く、同じご注文は長くは続きません。「今日は昨日の続き、明日は今日の続き」ではありません。会社の机の上に各社のカタログなどを並べ「どちらの方向へ向かっているのか」を毎日考えるようになりました。帰宅しても、自宅の畳の上にカタログ等を並べていたため、ちょっと離れた隙に小さかった長女に踏まれてビリビリになったこともありました。
 そのようなことをしていたところ、「機械と電子とを組合わせた装置が、自動制御の中心になってきている」ことに気がつきました。それからは社長自身が工業専門学校に通って設計を学び、設計図を部品加工協力会社へ渡して部品作をするようになりました。

提案型の下請けへ
このように技術を自身で学ぶ努力が実り、自動制御や分析機器メーカーの技術者とも直に技術の話をすることができるようになりました。技術者の困っていることや求めていることを聞き出して、それらを解決する部品を提案して、ご注文を貰うようになりました。





H25.2.27
5%か、推定時価か

5%の概算原価の射程範囲
 昭和27年以前から所有している土地や建物や借地権などを売却した時の譲渡原価については、実際の過去の取引の事実がどうだったかよりも、売却収入金額の5%をもって、その譲渡原価とする、と法律で規定しています。
 もちろん、5%の概算原価よりも、実際の譲渡原価が高い場合は、実際の数値を使うこととされています。
 なお、昭和28年以後取得のものについても、その譲渡原価を売却収入の5%とすることについては、条文に特に禁止規定がないということで、通達で拡大解釈し、不動産のみならず、株式その他有価証券一般に適用できるものとしています。

5%概算減価と推定実原価との関係
 5%の概算原価の立法趣旨は、実原価の証明資料を紛失等したときの救済規定ではありません。実原価がわかっていたとしても、有利であれば使ってよいという規定なのです。
従って、実原価の証明資料を紛失等しているが、譲渡資産の取得時期がハッキリしているので、その取得当時の売買時価を推定することが可能な場合には、5%の概算原価が不利であれば、概算時価ではなく推定時価を採用する方が、立法趣旨に叶っているのです。

判例と裁決例で確認できる課税庁見解
昭和44年地裁、翌45年高裁の判決で確定した事例では、税務署サイドが、譲渡資産の取得価額の推定方法として、日本不動産研究所発行の市街地価格指数について物件売却時と取得時のものを求め、物件売却価格にそれらの比を乗じていることに対して、その方法は相当と認定しています。
その後、何件かの類似の判決や国税不服審判所の裁決事例が現れており、取得時期が判明している係争事件では、税務署サイドとして、市街地価格指数による推定時価逆算法を常套手法にしています。

推定時価逆算法の射程範囲
推定時価逆算法適用の前提は、譲渡原価が不明なものの譲渡資産の取得時期がハッキリしている、という場合です。
もちろん、根拠となる市街地価格指数などの過去の累積された統計データがあることも前提です。





H25.2.26
富裕層課税の税制改正

日本の富裕層の数
 『ウィキペディア』が紹介するところの一つクレディ・スイスの調査よると、純資産100万ドル以上を持つ富裕層数が最も多い国はアメリカ(約1100万人)であり、2位に日本(約360万人)、3位にフランス(約230万人)、4位にイギリス(約160万人)で、一方、純資産5000万ドル以上を持つ超富裕層数はアメリカ(約3万8000人)が他国を圧倒的に引き離しており、以下中国(約4700人)、ドイツ(約4000人)、日本(約3400人)です。

富裕層への課税の強化の表出点
富裕層課税の強化は世界のトレンドですが、今年の税制改正案では、稼得・移転・保有・消費の各段階に対する課税制度の中で、富裕層課税の強化は、資産の保有に対する課税、物やサービスの消費に対する課税のところには出てきていません。消費税などは、逆に軽減税率の導入のほうに焦点が当たっています。
稼得に対する課税としての所得税、移転に対する課税としての相続税贈与税のところでは、その最高税率のアップとして、富裕層課税の強化策が現れています。

これも富裕層課税が目的
ただし、富裕層課税の強化とは言われていませんが、今年の税制改正案の、上場株式の配当や譲渡益への地方税込み10%課税の廃止と20%原則課税への復帰、それと100万円までの少額投資非課税制度導入とのセットは、実質的に富裕層課税への強化策です。
また、公社債の譲渡による所得は非課税とされていましたが、これを課税に変更するという今年の税制改正案も、ターゲットは富裕層課税の強化です。

富裕層課税の環境整備も
財産の海外フライトは富裕層特有の現象なので、これへの対策措置も当然に富裕層課税強化につながります。
本年末の海外保有財産から申告が開始する国外財産調書制度は、昨年の税制改正で制度化されたものですが、今年の税制改正案では、本年4月以降、子や孫を海外移住させて意図的に国籍離脱させることによって贈与税・相続税が回避できた手法に封じ手を打っています。被相続人・贈与者が国内在住者であれば相続人・受贈者が外国籍の海外居住者でも課税対象に取り込まれるようになります。





H25.2.25
年金の空白時代の到来

厚生年金の支給開始年齢の引き上げ
 高年齢者雇用安定法では企業に対し、65歳までの @定年の引き上げ A継続雇用制度の導入 B定年制の廃止のどれかの措置を行う事としていますが、8割以上の企業が継続雇用制度を利用しています。平成25年4月から厚生年金の受給開始年齢が60歳から61歳に引き上げられます。今後3年ごとに1歳ずつ引き上げられ、平成37年4月には65歳からの開始となります。それに伴い今までは継続雇用制度の対象者基準を労使協定で決めておくとその基準によって選別できていましたが、4月より希望者全員を継続雇用する仕組みとなります。但し、厚生年金の報酬比例部分の受給開始年齢に到達した後は、今までの選別基準を使える12年間の経過措置が設けられています。

全員継続雇用が困難な時
 年金の受給開始年齢が引き上げられる事は、60歳になっても年金がすぐには支給されない空白の時代が到来したという事です。自社だけでなくグループ内企業での継続雇用でも良いとされていますが、65歳までの希望者全員を継続雇用するのが難しい企業もあります。その場合は経過措置期間で生年月日に応じて継続雇用基準を適用して行くことが出来ます。
 労使協定で継続雇用対象者基準を定めている企業は直ちに希望者全員の65歳までの雇用をすることが困難な場合に、経過措置期間が認められています。次の人は継続雇用の対象者基準が適用できます。
 平成25年4月〜28年3月 61歳以上
 平成28年4月〜31年3月 62歳以上
 平成31年4月〜34年3月 63歳以上
 平成34年4月〜37年3月 64歳以上

経過的措置期間に対応した基準作成 
 この経過措置は平成37年3月まで行われますが、以前は60歳以降の雇用契約を更新する場合は雇用基準を設け、基準に該当した者だけを継続雇用する事が認められていました。この制度を今後も使い、少しでも人件費の抑制を計りたい、残す人を選別したいと言う場合には経過措置で少しずつ65歳までの継続雇用を進めて行くことになるでしょう。今まで基準を作っていなかった企業でも平成25年3月までに労使協定で継続雇用基準を作り、就業規則の変更を届出すれば適用することができます。





H25.2.22
公正証書をどう活かす?

公正証書とは?
 公正証書とは、公証人という法律の専門家(元裁判官、元検察官が大半)が、人又は法人の嘱託により、法令に従って、私法上の権利・義務の変動をもたらす行為あるいはこれら権利に関する事実について作成した証書をいいます。遺言、任意後見契約、金銭の貸借に関する契約、不動産賃貸借、離婚に伴う慰謝料・養育費の支払に関する契約等に関する公正証書が典型です。

主な効用は?
1 証明力が極めて高い
 公証人が公証役場で本人の意思を確認した上で作成し、かつ、公正証書の原本は公証役場に保存されます。そのため、偽造、変造というクレームや、内容の明確さに関する疑義が出る余地はなく、証拠としての価値は極めて高いことになります。
2 裁判なしに強制執行ができる
 例えば、金銭の貸借や、未払債務の支払に関する契約のように、債務者が支払なき場合には強制執行を受けることを受諾する条項を入れることがありますが、この場合には、裁判で勝訴判決を得ることなく、直ちに強制執行等に入れます。
3 法律上公正証書が必須な場面もある
 任意後見契約や事業用定期借地権契約のように、法律上公正証書の作成をもって締結することが要件という例もあります。

事前の下準備は必要
 公正証書は、いきなり公証役場を尋ねても、その場でできるものではなく、事前の手間暇がかかります。まず、文言は、法律的にみてケチのつかない一義的に明確な内容にすべく、事前に公証人と文案を打ち合わせる必要があります。また、添付書類として、法人であれば代表者の資格証明と印鑑証明書、人であれば本人を確認する資料(場合によっては印鑑証明書も)が必要で、それらを漏れなく用意することになります。このため、当事者双方が手続に終始協力的でないと、公正証書の完成までたどりつけません。
 また、内容が複雑であり、契約の内容が典型的でないものであるならば、当事者だけで進めるのは荷が重く、法律の専門家に依頼した方がスムーズです。





H25.2.21
公証人役場をご存じですか?

都会なのに「役場」とはこれ如何に?
 皆さんは公証役場をご存じですか。地方ならともかく、都会に「役場」があるとはと驚かれるでしょう。公証役場とは公証人が執務する官公庁の一つで、全国に約300か所あります。しかし、官公庁のイメージと裏腹に、目立たない場所で、小さな古びた雑居ビルに入っていることも少なくありません。

公証人とはどういう人か?
 公証人とは、公証人法に基づき、法務大臣が任命する公務員で、ある事実の存在、もしくは契約等の法律上の権利に関わる行為の適法性等について、公権力を根拠に証明・認証する人をいいます。
 ご存じの通り、裁判では証拠が重要ですが、公証人は公権力を背景に証拠としての価値に強力な「お墨付き」を与えます。
 このような公的な性格から、公証人は、公平中立で、法的な見識も確かな人材が求められます。そこで、多くは司法試験合格後司法修習生を経た法曹有資格者がなりますが、その実際は退官した裁判官・検察官が多く占めており、その意味で開かれた人事とはいえません。

公証人はどういう仕事をするか?
 具体的には、(1)公正証書の作成、(2)私署証書や会社等の定款に対する認証の付与、(3)私署証書に対する確定日付の付与の3種類があります。(1)は、改めてご説明の機会を持ちたいと思います。(2)は、私人が作成した文書について、文書の成立及び作成手続の正当性を証明するものです。会社や一般社団法人等の法人の「定款」の認証が典型例です。(3)は、私文書に確定日付を付与し、その日にその文書が存在したことを証明するものです。証拠の価値を測る際、作成された時点が何時かが重要なことがあります。その場合、バックデートしたとの文句を封じるのが確定日付です。

意外にも自給自足
 公務員である公証人ですが、指定された地域を管轄する公証役場内に自分で役場(公証人役場)を開き、書記らを雇って職務を遂行します。その収入源は、国家からの俸給ではなく、依頼人から受け取る手数料とする独立採算制です。なお、手数料は政令で定められております。





H25.2.20
外国籍従業員の呼び寄せ期間

来日までにどれくらいかかる?
 平成25年の春採用から、就職活動の解禁時期が大学3回生の10月から12月に繰り下げられたことで、年明けから各企業の就職説明会が一気に本格化しています。その中で、外国籍留学生の採用に積極的な企業の様子が頻繁に報道されていますが、一方では海外現地において外国籍従業員を採用し、研修期間を経て日本へ呼び寄せるという流れも見られます。
観光目的で短期間来日する場合などと違い、中長期間滞在する場合には呼び寄せまでにある程度の手続き期間を要します。手続き期間は来日目的により異なりますが、一般的に就労目的で来日する場合、1か月半から2か月程度の期間が必要です。

来日までのステップは二段階
 外国籍従業員を日本に呼ぶ際には、主に二段階のステップを踏みます。
 まずはじめの段階は、在留資格認定証明書交付申請と呼ばれる日本国内で行う手続きです。在留資格認定証明書とは、日本に入国予定の外国人が、法律に定められた入国要件に該当することを、法務大臣があらかじめ認定した旨を証明する文書であり、いわば来日のための推薦状です。この推薦状を得るために必要な期間は、申請から1か月〜1か月半程度です。
 次に、二段階目として挙げられるのが、海外での査証(ビザ)発給手続きです。日本で発行された在留資格認定証明書を海外の従業員へ送付し、本人又は代理申請機関が大使館・領事館で手続きを行います。この手続きにかかる期間は各国により様々ですが、おおむね1週間程の期間を要します。

最低でも手続きに1か月半
 つまり、日本国内での手続き期間(約1か月〜1か月半)と海外での手続き期間(約1週間)を合わせると、最低でも手続き期間として1か月半程度は必要であり、これに資料の送付や従業員の出国準備等にかかる時間を考慮すると、申請から来日までに2か月は見ておきたいところです。
 また、在留資格認定証明書はあくまで推薦状であり、入国が保証されたものではありませんので、現地で査証発給までに思わぬ時間を取られることもあります。
 外国籍従業員の呼び寄せ時には、就労開始予定の日から逆算し、十分に余裕を持って準備するようにしましょう。





H25.2.19
相続二重資格者と相続人数

相続二重資格の二つの事例

事例1 婿養子夫婦に子がないまま養子の夫が死亡して相続が開始したとすると、養親実親も他界していた場合、相続人は妻と兄弟姉妹になりますが、妻には配偶者としてと兄弟姉妹としての相続資格があります。
事例2 子が母の妹の養子になったものの、母もその妹も祖父より先死した場合、祖父の相続で、養子になった子は母と養母の両方の代襲相続人として相続資格を持ちます。

相続二重身分で異なる二つの事例
 相続税の総額の計算では、法定相続分と代襲相続分の両方がある場合は二重身分としてこれを合算することにしていますが、事例1の配偶者と兄弟姉妹との法定相続分の重複では行政先例は配偶者の身分のみを認めるとしているので、合算はありません。

二重身分と相続人の数
 また、相続税法では、相続人の数も税額計算に影響します。相続人の数という場合、相続資格者の数、相続人実数、のどちらなのでしょうか。相続税法には、民法第5編第2章規定の相続人の数としか書かれていません。
 法定相続人の数とは相続資格者の数のことと解して相続申告したところ、税務署がこれを実数と解して申告の訂正を勧奨してきたので、訂正申告をした上で、更正の請求をし、更正なしの通知処分、異議申立を経て審査請求事例になったものがあります。冒頭に掲げた事例2です。

相続資格者の数が法定相続人の数か
 納税者の主張は、各資格に係る法定相続分を合算して相続税の計算をするのであるから、相続人としての資格の数で基礎控除額を計算するのが適合的というものでした。
 審判所は、民法第5編第2章の各条は、相続人となり得る者の範囲及び要件を規定したものであり、代襲者の資格などを有することになれば相続人の1人になれるという結論を導くためのものであり、資格が重複する相続人がいたとしても、相続人の実数が増加する訳ではないので、請求人の主張は採用できない、としました。

通達にも触れたものがある
 なお、通達としては、養子の数の制限に関する条項に於いて、代襲相続養子は実子扱いとなることを確認しつつ、その中で、代襲相続養子で且つ直養子の場合に触れて、相続人数は実子1人としているものがあります。





H25.2.18
実践的考課者訓練

 人事考課制度の公正性、納得性が、制度の効果を左右する重大事であることは一般によく認識されています。
 そこで考課者訓練のやり方が、いろいろ工夫されており、一般に普及してきたのは、考課場面(職場・考課項目・被考課者の業績・発揮能力・意欲等の考課材料)をケーススタディーとして準備し、複数の考課者(管理者)に考課させた上で、討論を行わせ、まとめ役が準備したモデル回答を説明する、と言ったパターンが多いようです。
 しかし、このような方法は、考課基準適用判断のバラツキを抑制するのに役立つものの、実際の被考課者の考課材料が使われず、リアリティーに乏しいことから、最近は次のような実践的考課者訓練が効果性をもつものとして注目されています。

評価者会議、即考課者訓練の場
 社内役割等級認定においても、貢献度評価の賞与反映、昇給決定においても、業績・能力発揮の事実に基づいた考課の公正性・納得性が重要である、との視点で評価者会議を訓練の場として活用します。
 具体的な進行方法は次の通りです。
@考課目的(役割等級・賞与・昇給の決定)
に応じた調整の相対評価枠(例えば、A評価5%、B評価15%、C評価60%、D評価15%、E評価5%)と、それに対する1次考課者の考課結果の確認。(通常、高い評価や平均的評価に偏る傾向がある。)
A設定された枠を超える考課ランクについて、1次考課者が根拠事実を説明する。
B競合する考課者間で、質疑応答、自己の考課が公正、かつ納得性が高いことを主張し合い、根拠事実に基づいて徹底的に議論する。(裁定者は、この議論を促進する。)
C裁定者(通常1次考課者の上位ランクの管理者・部長など)が、討論全体の状況判断を行い、裁定を下す。(必ず相対考課の枠に合致する裁定を行う。)

実践的考課者訓練の効果
 こうした会議の場で、実際に自分の部下の業績・発揮能力はどうだったかを説明し、真剣な議論をすることで、被考課者本人に対してのフィードバックでも、なぜこのような評価になったのかを自信と納得性を持って本人に伝えられるようになります。
 また、議論を行うことで、自らの考課能力に磨きをかける訓練になります。





H25.2.15
受給を遅らせて割増
年金を受け取る時

老齢厚生年金の繰り下げ支給
 老齢厚生年金の繰下げ支給とは「65歳以後の老齢年金」を受け取ることが出来る場合に、65歳からは受けずに、66歳の誕生日の前日以降に申し出をする事により、その申し出をした日の翌月から増額された老齢厚生年金を受け取ることができる制度です。

繰り下げ支給の申し出を行える人
 昭和17年4月2日以後生まれの人は原則、66歳の誕生日の前日以後に支給の繰下げの申し出が出来ます。但し、65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日までの間に障害厚生年金、遺族厚生年金等の年金を受け取る権利を有した事がある時は申し出が出来ません。また、66歳の誕生日以後に障害厚生年金や遺族厚生年金を受け取る権利が発生した場合は、支給の繰下げの申し出は出来ますが、この場合他の年金が発生した月を基準として増額率が定められ、繰下げ加算額が計算されます。増額された老齢厚生年金は実際に繰下げの申し出をした月の翌月から支給されます。
 昭和17年4月1日以前生まれの方であって平成19年4月1日以後に老齢厚生年金を受ける事が出来る事となった方も繰下げの申し出を行う事が出来ます。

繰り下げした時の加算額は
 繰下げ加算額は原則65歳時点の老齢厚生年金額を基準として支給の繰下げの申し出をした時期に応じて、計算されます。
 繰下げ加算額=(繰下げ対象額+経過的加算額)×増額率
 繰下げ対象額は原則65歳時点の老齢厚生年金額ですが65歳以降に厚生年金に加入していた時は在職老齢年金を適用されたと仮定した場合に支給される年金額です。
 増額率は「繰下げ月数×0.7%で、1カ月7%ずつ増額され、70歳まで5年間繰下げると最大42%までは繰下げが出来ます。ただ、71歳になってから繰下げ支給の申し出をしても70歳到達時の42%の増額率のままであり、70歳に遡っての増額はありませんので、最大の繰下げを行う時は70歳に到達した月の月末までに手続きをすることが良いでしょう。





H25.2.14
共有持分の贈与と放棄の相違


共有持分の放棄はみなし贈与
 共有者が自分の共有持分を他の共有者に贈与すると、受贈者には贈与税が課税されます。共有者がその共有持分を放棄したときは、民法上、その持分は他の共有者に帰属することになっていますが、これは単独行為なので贈与には該当しません。でも、相続税法上、贈与とみなされて、他の共有者に贈与税が課税されます。
共有持分の贈与も共有持分の放棄も、ここでは、同じ課税関係になります。

みなし贈与も所得税の非課税
 他方、所得税法では、個人からの贈与により取得することによる利得は非課税です。この「贈与」には、贈与とみなされるものを含むものと規定されています。この段階では、贈与税と所得税の二重の課税は忌避されています。共有持分の贈与と共有持分の放棄は、ここでも、同じ課税関係です。

個人間の贈与・放棄と譲渡所得
 共有持分の贈与や放棄をした側に視点を移してみます。個人に対して財産の無償移転をする行為は、共有持分の譲渡による財産権の移転ではありませんから、譲渡所得に対する所得税の課税問題が生ずることはありません。従って、ここでも、共有持分の贈与と共有持分の放棄は、同じ課税関係です。

取得日・取得費の規定の摘要
 ところが、譲渡資産の取得日・取得費の規定の適用に関しては、大きく課税関係が異なります。個人間の贈与の場合には受贈者は贈与物件に係る贈与者の取得日・取得費を引き継ぐのですが、この規定に於いては、「贈与」には、贈与とみなされるものを含むものと規定されていません。共有持分の放棄はみなし贈与とされる行為なので、放棄者の取得費はみなし受贈には引き継がれません。従って、共有持分の贈与と共有持分の放棄では、課税関係が変わるのです。

二重課税問題に直結するテーマ内蔵
 共有持分贈与の場合には、贈与税で時価課税され、その贈与物件を次に譲渡する時に再び時価課税されます。引き継ぐ取得費を超える部分は二重課税となります。それに対して、共有持分放棄の場合には、取得費の引き継ぎがないので、まるまるの二重課税になるのかと推測されそうですが、当局側の課税の実務では、贈与課税時の時価を取得費とするので、逆に二重課税部分は全くなくなります。意外にも軽い課税関係になります。





H25.2.13
経理チェックポイント 修繕積立金

修繕積立金とは
 読んで字の如く、将来の修繕の為に積み立てる金額です。
自社所有ビルの将来の修繕積立金は、単なる資産の振り替えです。すなわち、以下の処理で終わりです。
定期預金(修繕の為)/普通預金

同業者団体等の会館の修繕積立金
 同業者団体が会館を所有し、その会館の修繕の為に毎年積立金を徴収しているような場合は、支出した修繕積立金は、「前払費用」として処理し、会館の修理が行われた事業年度に「修繕費」として経費処理します。また 通常会費として徴収されたものであっても、同業者団体等において、修繕積立金等に充てられるものについては、上記のような取り扱いをするように法人税法の通達(税務当局の見解)では定められています。

自社の所有するマンションの修繕積立金
 それでは、会社が社宅や社員寮あるいは、支店として所有するマンションの管理組合に払う修繕積立金は、どのようになるのでしょうか?
 結論から言えば、以下の理由で、支払の都度「管理費」又は「修繕費」として処理しているのが実情です。
@区分所有者は不可避的に積立金を負担する義務を負うことA組合員の合意による一定の修繕計画に基づき算出され、使途も共用部分に制限されていることBたとえ、区分所有権を譲渡しても、管理組合や購入者からその積立金の残金について返還を受けることはないことC実際の修繕費の支出ごとに費用化していくことの会計処理の煩雑さを避けることなどです。

 マンション管理組合に支払う修繕積立金に関しては明確な通達も指針もありません。解釈によっては同業者団体等の「等」に含めるべきと言う解釈も成り立ちます。
 今後の税収如何によっては、新たな通達が出るかもしれません。





H25.2.12
コンピテンシー評価

 2000年頃から、日本企業で成果主義・能力主義の評価を重視する傾向が強まったのに伴い、“コンピテンシー評価”と言う評価手法が取り入れられるようになりました。
その目的は、職種別に高い業績を上げている従業員の行動特性を分析し、それをモデル化して評価基準にすることで、従業員全体の質の向上を図ることにあります。

コンピテンシー評価の特徴
 従来の日本型人材評価が、「知識・技術・協調性・積極性・規律性・責任性」など、個別の顕在能力を中心に評価し、業績との関係を推量していたのに対し、コンピテンシー評価では「職種別に、業績に結びついた親密性・専門能力の発揮・計数処理能力・論理的思考などの具体的行動特性」を見て評価するので、会社業績への貢献度が的確に評価されるのが特徴とされています。

コンピテンシーの評価の問題点
 この評価基準を用いると、発揮能力評価と成果・業績との関係が明確になる、とされている一方で、次のような問題点も指摘されています。

@実際の被考課者は、その職種における高い業績を上げた行動特性と比較、評価されるた
め、乖離(かいり)度が大きく、どうしても低めの評価になってしまう。

A評価者の被評価者に対する「好き・嫌い」など、恣意的な評価が入り込みやすい。

B評価の結果として、被評価者に対する納得性が低くなり、モチベーションを下げたり、優秀な人材の流出につながることもある。

経営者・人事責任者の留意点
 “コンピテンシー評価”の利点を生かして、問題点の発生を抑制するには、経営者・人事責任者が次の点に留意して評価制度の設計・運用にあたるべきです。

1.コンピテンシーは、一定・不変ではなく、個別業務とその従事者によって絶えず変化するので、評価の視点としては使えるが、絶対的な評価尺度としては限界がある。

2.前項を踏まえ、「職種別に業績に結びついた複数の行動特性(コンピテンシー)」を評価の視点とし、評価者(管理者)に、 事実に基づく、公正、納得性の高い評価を求め、そのための訓練を行う。





H25.2.8
古物営業法の注意点

 単なる中古品の買い取りだけではない
昨年9月、ソフトバンクが「iPhone(アイフォーン)5」の発売に伴い、旧型の下取りサービスを始めたことに対し、警視庁が古物営業法違反(無許可営業)に当たる恐れがあるとして指導していたというニュースが話題となりました。
実は意外なところで違反してしまう恐れのある古物商営業。今日は、どんなサービスを行う上でどんな行為が古物商営業許可の対象となるかのおさらいです。

下取りサービスで問題になった点
 家電量販店や通信販売でも、新機種を購入する際に下取りを行うサービスは多く見受けられます。基本的に、中古品の販売や下取りでは古物商の営業許可を取る必要がありますが、お客様へのサービスの一環として査定をせず一律で値引きを行う場合は許可の対象外とされています。しかし、査定をしなくとも年式や型番により値段をランク付けした上で下取りを行う行為は、買取料金と売却する新品の代金を相殺することになり、実質上古物の買い取りに当たるため許可が必要になります。この点、ソフトバンクが行っていた下取りは、型番に応じ値引き額を決めていたため、古物商営業許可が必要だと判断されてしまったわけです。

こんなときにも注意が必要
 下取りサービス以外にも、次のようなサービスを行う場合には古物商営業許可が必要となるケースもありますのでご注意ください。

例@買い戻しと転売
 顧客に販売した製品を、その顧客本人から買戻し転売する場合に許可は必要ありません。しかし、その顧客から更に別の人に転売されていて、そこから買い戻す場合や、自社製品を売った相手以外の人から買い戻す場合は許可が必要です。

例A販売だけでなくレンタルも
 古物を販売する場合だけでなく、レンタルをする場合も許可が必要です。メーカーから直接新品を購入してレンタルする場合は必要ありませんが、たとえば古着のドレス等を買い取り、レンタル事業を行う場合などが古物商営業許可の対象となります。





H25.2.7
平成25年度税制改正大綱
納税環境整備他編

 納税環境整備では、延滞税等(利子税、還付加算金を含む)の見直しが特筆されます。この見直し案は、昨年の税制抜本改革案の閣議決定において、「平成25年度税制改正時に成案を得る」となっていました。
 以下、延滞税等の改正案を中心に他の税目についても概観してみたいと思います。

●延滞税等の見直し
(1)延滞税の割合は各年の特例基準割合が年7.3%に満たないとき、次の区分に応じた割合とされています。
 @年14.6%の割合の延滞税 特例基準割合に年7.3%を加算した割合
 A年7.3%の割合の延滞税 特例基準割合に年1%を加算した割合(年7.3%限度)
(2)利子税の割合は、各年の特例基準割合が年7.3%に満たない場合には、次の利子税の区分に応じた割合とされています。
@ Aに掲げる利子税以外の利子税はその特例基準割合
 A相続税及び贈与税に係る利子税(年7.3%のものを除く)は、これらの利子税の割合に、特例基準割合が年7.3%に占める割合を乗じて得た割合
(3)還付加算金の割合は、各年の特例基準割合が年7.3%に満たない場合はその特例基準割合とされています。
 平成26年1月1日以後の期間に対応する延滞税等から適用されます(地方税も同様)。

●消費税率引上げに係る措置
 軽減税率は、消費税率10%引上げ時にその導入を目指し、協議すべき課題として@対象・品目A軽減する消費税率Bインボイス制度などの区分経理の整備C中小事業者の事務負担増等については、次回の税制改正時まで結論を得るとしています。

●国際課税について
 国外関連者との取引に係る課税の特例、いわゆる「移転価格税制」について、独立企業間価格を算定する際の利益水準指標に営業費用売上総利益率を加える改正がなされ、また、徴収共助制度について、租税条約相手国間との送金等に関し、所轄国税局以外の国税局からも照会可能な措置が講じられています(平成25年7月1日から適用)。

●検討事項について
 大綱の検討事項に、「小規模企業等に係る税制のあり方については、個人事業者、同族会社、給与所得者の課税のバランス等について、幅広い観点から検討する」、とあり、先の「特定支配同族会社の役員給与の損金不算入制度」の導入をほうふつさせます。





H25.2.6
平成25年度税制改正大綱
法人課税編

法人課税については、大綱の基本理念が「成長と富の創出の好循環」であることから、改正内容は投資等減税が中心となっています。それでは、主な改正項目を概観してみたいと思います。

●生産等設備投資増加企業への投資減税
 一定の生産等設備の投資額がその年の償却費を超え、かつ、前年の投資額の110%相当額を超えた場合には、30%の特別償却と3%の税額控除との選択適用が創設されています。

●商業・サービス業等の中小企業への投資減税
 中小企業等で経営改善に関する指導及び助言を受けた店舗の改修等に伴い器具備品(1台の取得価額30万円以上)及び建物附属設備(一の取得価額60万円以上)の取得等をした場合、30%の特別償却と7%の税額控除との選択適用が創設されています。 
 以上の改正の適用は、平成25年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度に取得又は実施したものとなっています(控除限度額法人税額の20%)。

●給与等の支給増を促す減税措置
 基準年度(適用年度の前年)と比較して5%以上の給与等の支給増(一定の要件を満たす場合に限る)が実施された場合、その増加額の10%の税額控除ができることとされ、控除限度額は法人税額の10%(中小企業20%)です。この改正は、平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年において適用されます。
 なお、この制度は、次の雇用促進税制との選択適用となっています。

●雇用促進及び試験研究費等の税額控除
 雇用促進税制では、1人当40万円(現行20万円)に拡充等がなされ、また試験研究費等にあっては、限度額を法人税額の30%に引上げられています(現行20%)。

●交際費等の損金算入額の拡大
 中小法人の交際費課税の特例について、定額控除限度額を800万円(現行600万円)に引き上げるとともに、定額控除限度額までの金額の損金不算入措置(現行10%)が廃止とされています。

●組織再編における欠損金の制限措置拡充
一定の組織再編における特定資産の譲渡等損失の損金不算入について、一定の資産を特定資産に加え、また、当該譲渡等損失となる金額が追加されています。
この改正は、平成25年4月1日以後の一定の組織再編に係る資産及び欠損金について適用されます。





H25.2.5
賭博に課税される時代

審判事例にもあった競馬所得事案
昨年12月21日に公表された国税不服審判所の新裁決事例の中に、馬券による所得の無申告を税務署から指摘された地方公務員が、過去5年分の馬券所得を雑所得で申告したところ、税務署が一時所得に該当するとして更正処分をしたという事例がありました。申告者は、多種多様のファクターを組み合わせて着順を予想し、競走後にも結果の分析及び検討を行い、次の競走に生かして、過去6年余にわたり、毎年黒字の収益を確保していたなどとして、本件競馬所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得に該当し、雑所得である旨主張しています。

話題を呼んだのは別な事案
また、昨年11月29日、競馬での1億円の儲けに追徴額6.9億円、という全国紙での類似のニュースがありました。こちらは、会社員がインターネットで馬券を3年間で計約28.7億円分購入し、約30億円余りの払戻しで差引約1.4億円の儲けを得たところ、国税局はこの馬券の所得を一時所得と認定し、30億円の収入に対する必要経費と認めたのは28.7億円ではなく、当たり馬券の1.3億円だけとしました。

時代が変わった馬券購入
 賭博所得は法令規定に拘わらず実質的に無申告非課税という実態だったところ、窓口まで足を運び現金で馬券購入するというのではなく、銀行口座振替によるプッシュホン電話・携帯電話・インターネット経由での申し込みが一般的な購入形態になったことにより、当り馬券保持者が特定できるようになり、法令通りの課税・申告をなし得る時代になったようです。

順列組み合わせ確率論の前で足踏み
 裁決事例での課税当局の主張は、賭博は一回性のもので、各賭博の結果には相互関連性がない、という理由でした。しかし、FX取引・株取引などにも賭博性の強いものがあるし、CDSなどのデリバティブ取引や保険契約などにも賭博と共通するものがあります。
儲けの7倍近い追徴になる課税処分は、担税力を課税の根拠とする所得税の趣旨から考えて異常です。
所得税基本通達が賭博所得を一時所得として例示していることが、課税当局の判断に制約を加えています。しかし、所得税基本通達の規定を有利選択できる例示と理解することにしてもよさそうに思われます。





H25.2.4
平成25年税制改正大綱
相続税・贈与税編

 資産課税の見直しも、昨年6月の税制抜本改革法附則第21条を受けての改正内容となっています。それでは、主な改正項目を概観してみたいと思います。
 なお、以下の改正は平成27年1月1日以後の相続又は贈与から適用されます。

●相続税の基礎控除及び税率構造の見直し
 基礎控除は4割圧縮され、定額控除5,000万円が3,000万円に、法定相続人1人当たり1,000万円が600万円になりました。
 また、税率構造は、現行では相続税の課税価額が3億円以下40%、3億円超50%ですが、大綱では2億円以下40%、3億円以下45%、6億円以下50%、そして6億円超の金額は55%となっています。
 なお、贈与税についても税率構造が見直されています(税率構造の一部緩和)。                   
●小規模宅地等の特例の拡大
 特定居住用宅地等については、現行の適用対象面積を240uから330uに拡大、さらに、特定事業宅地等との完全併用が可能で、適用面積は最大730uとなっています。

●事業承継税制の見直し
 具体的には、雇用確保要件については、現行の「5年間の間、毎年8割以上」から「5年間平均で8割」とする等に緩和され、また、利子税の負担軽減や猶予税額の再計算の特例の創設等の負担軽減、事前確認制度の廃止、手続の簡素化等の見直しがなされています。

●未成年者控除と障害者控除の見直し
未成年者控除(20歳まで)は年6万円から20万円、障害者控除(85歳まで)は年6万円(特別障害者12万円)から10万円(特別障害者20万円)に拡充されています。

●相続時精算課税の適用要件の見直し
 贈与者の年齢を60歳(現行65歳以上)に引き下げ、受贈者の範囲に20歳以上の孫(現行 推定相続人のみ)を追加しています。

●教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度の創設
 これは、直系尊属からの教育資金一括贈与(一定の要件を満たすのものに限る)については、子・孫ごとに1,500万円まで非課税とするものです。この非課税の措置は、平成25年4月1日から平成27年12月31日までの期間の贈与に限られます。

●その他の改正
 二世住宅の構造要件の撤廃、老人ホームに入居していても一定の要件を満たす場合には特定居住用宅地等の適用が可能となる改正もなされています。これらは、平成26年1月1日以後の相続から適用されます。





H25.2.1
平成25年度税制改正大綱 
個人所得課税編


 平成25年度税制改正大綱は、1月24日与党自民党・公明党から発表されました。内容的には、自公政権時代の平成21年度税制改正附則104条(税制の抜本的な改革に係る措置・・・格差是正、所得再分配機能の回復、税率構造の見直し、金融所得課税の一体化等)、昨年6月の税制抜本改革法附則20条(所得税の最高税率の見直し等)を受けての改正となっています。それでは、主な改正項目を概観してみたいと思います。

●所得税の最高税率の見直し
 特に高い所得階層、課税所得4,000万円超については、45%の税率が設けられました。これにより、住民税10%と合わせて最高税率が55%になります。この改正は、平成27年分以後の所得税から適用されます。

●住宅取得控除の延長と拡充
 住宅ローン減税は、平成26年1月1日から平成29年末まで4年間延長され、その期間の内平成26年4月1日(消費税の増税)から平成29年末までの認定住宅については最大控除500万円に、それ以外の住宅取得には400万円に拡充されました。
 また、個人住民税についても、住宅ローン控除の対象期間を平成26年1月1日から平成29年末まで延長され、その期間の内平成26年4月1日から平成29年末までに住宅を取得した場合の控除限度額を、所得税の課税総所得金額等の7%(最高13.65万円)に拡充されました。

●金融所得課税に一体化による見直し
 現在、原則、非課税扱いとなっている公社債等の譲渡を課税とし、これら債券の配当や譲渡損益も上場株式等の譲渡損益及び配当との損益通算、繰越控除を可能とするものです。この改正は、平成28年1月から適用です。
現行の上場株式等の譲渡損益及び配当に対する10%課税の軽減措置は、今年末をもって廃止され、平成26年以降は、本来の20%課税に戻ります。

●その他の改正項目(措置法関係)
@個人から法人に不動産等を贈与した場合の「みなし譲渡課税」については、一定の要件を満たすものについては課税しない(平成25年4月1日から平成28年3月31日までの期間に贈与)、A非上場株式を相続税法において相続又は遺贈により取得したものとみなされる個人もみなし配当課税の特例の対象者に加える(平成27年1月1日以後に開始する相続又は遺贈)、などです。