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H24.4.27
人事考課の公正性と納得性

 人事考課の公正性と納得性は、極めて大切であり、欠如すると会社に対する社員の
信頼が失われ、働く意欲を低下させることになってしまいます。
 つまり、人事考課の結果に基づいて社内等級や賃金が決定されますから、その考課プロセスが社員から見てブラックボックスの中にあり、何を根拠として、誰がどのように考課し、決定したのかが不明瞭な場合、到底社員の納得は得られません。

公正性・納得性を高めるには
 公正性は、会社が定めた人事考課の仕組みに基づいて管理者・経営者が誠意と真剣さをもって考課を行うことによって得られます。
 納得性は人事考課の内容と結果、今後どのように努力すれば評価が向上するのか、本人に分かるように伝えることによって高まります。
公正性・納得性を維持、向上し、社員のモラールを高めるには、経営者・管理者が次の事項を実行することが必要です。

1. 社員に考課項目、考課着眼点・考課尺度・考課点・調整基準・考課シートなどの仕組みを可視化(見える化・目で見えるようにする)して公開し、自分達は何をどのように考課されるのか、分かるようにする。
2. 管理者から本人に年に一度、面談で人事考課の内容と結果を説明し、なぜその考課になったのか疑問点を解く。(タイミングは昇給前)
例えば「あなたの考課は、考課項目の計画力で高い評価を得たけれども、実行力ではやや低い評価にとどまり、・・・中略・・・総合評価で「○ランク」であった。それは主要業務○○の計画が良かったのに実行が十分に伴わなかった点にあった。今後は、計画力の良い点を維持する一方、実行力を高めるように努力して欲しい。」と具体的事実に基づいて説明し、今後に向けてアドバイスする。
3.業績と能力発揮が不十分であった原因と改善具体策について本人に突きつめて考えさせ、実際にやって見ることを勧める。
4.経営者は管理者に人事考課の仕組みや考課の方法、特に仕事の遂行過程と結果に表れた事実に基づく考課と考課調整の方法、人事考課の内容・結果の本人へのフィードバック方法、その後のフォローアップ方法ついて徹底的に訓練する。





H24.4.26

二転・三転 児童手当

新児童手当は継続する手当となるか
 民主党政権時代の目玉政策だった「子ども手当」は今年度から自公政権時代の「児童手当」に名称が戻りました。2010年からの子ども手当と新児童手当との大きな違いは所得制限が設けられる点。元々は児童手当には所得制限がありましたが今回は例えば夫と専業主婦、子供2人の世帯で年収960万円が基準となります。

子ども手当の内容の変遷
 2010年3月までの旧児童手当は、所得制限付き(年収860万円までを支給)で3歳未満は1万円、第2子までは5千円、第3子以降は1万円を支給していました。政権が代わり、民主党がマニフェストで掲げた子ども手当を2010年4月から支給。中学生以下は1万3千円となりました。その後内容や財政面から検討され、2011年10月からは3歳未満を1万5千円、第2子までを1万円、第3子以降は1万5千円、中学生は1万円となりました。又、対象者も子供が国内に住んでいる事が条件となりました。
2012年4月からは金額の変更はないものの所得制限が入り、扶養家族数に応じて基準額は違っています。これは6月より適用となりますが共働き世帯では世帯合計でなく、家族の中で収入の高い人の年収額で判断され、夫婦其々の年収が基準を下回っていれば支給されます。
又、年収制限世帯には中学生以下に1人月5千円が支給される事になっています。もともとの公約では月2万6千円を配るとしていましたが、財政の裏付けが取れず、月5千円を配るというのも年少扶養控除の廃止で負担が増える世帯への激変緩和として出されるものです。

児童手当拠出金の改正
 厚生年金保険に加入している企業は児童手当拠出金と言う保険料を企業が負担しています。厚生年金保険の標準報酬に1.3/1000を乗じた額が徴収されていましたが2012年4月からはこの率は1.5/1000に改定されました。本人負担はなく企業負担も大きいとは言えない額なので気づきにくいかもしれません。これは児童手当の財源に充てられているものです。





H24.4.25
中小企業特例の内外格差

大法人の100%子会社と中小企業特例
平成22年税制改正で、中小企業に有利な特例は、大法人の100%子会社には不適用、とされました。次の特例項目です。
@ 800万円以下部分への19%税率適用
A 19%税率の15%への時限的軽減
B 欠損金繰戻還付不適用制度の中小企業不適用特例
C 同族会社の留保金課税不適用
D 貸倒引当金法定繰入率の中小企業特例
E 交際費損金不算入制度の中小企業特例

外国法人子会社への適用規定のないもの
 上記の@からEまでの項目は、親法人(資本金5億円以上)の100%子会社が内国法人の場合には、全部不適用なのですが、外国法人である場合には、CからEまでの有利規定項目がそのまま適用され続けています。平成23年12月改正、24年3月改正でも、これらの規定の全部について見直し改正がありましたが、内外格差の部分については、特に見直しはありませんでした。

内外格差の具体的様相
 @の規定は内国法人と外国法人について別々に規定しています。Aの条文は、内外の区別ない法人一般を対象にするもので、その中で内外の100%子会社排除の規定を置いています。@とAの規定には、内外格差はありません。
Bの欠損金繰戻還付とCの留保金課税の規定は、従来から内国法人に対してのみの規定であり、新たな問題ではないので、これらには特に内外格差の指摘の必要がないかもしれません。
 問題は、DとEの規定です。これらの規定は、もともと、内国法人・外国法人に限定した規定ではありません。それにも拘わらず、内国法人である100%子会社のみを排除する規定を置きました。外国法人である100%子会社排除の規定はここにはありません。

なぜ内外格差を置いているのか
 外国法人に貸倒引当金の法定繰入をする会計慣行がないとか、交際費を使う商慣行や実績がないとか、という調査データでもあるのなら、ともかく、例えそうであったとしても内外格差規定にする必要があったとすることに理解が及びません。また、そういう説明を見聞したこともありません。
立法趣旨から考えて、逆に、立法ミスなのではないか、と疑いをもってしまいます。





H24.4.24
信用調査報告書の活用の仕方


評価ランクで判断しないこと
 信用調査報告書では、企業診断の評価を“評点”としてA・B・C・D・Eランクや1〜5までの5段階評価などによって、総合評価が示されております。
中小企業経営者に限らず、大手経理部門の実務担当者から責任者までの殆どの人は このランクを“与信など”を考える上で、主要な判断要素としているのではないでしょうか。また、「特記事項」に記されているイレギュラーな情報には、ついつい関心を高めてしまうようです。

調査会社の立場も考えて読むこと!
 総合評価の5段階の最下点(5又はE)に○を付した場合、一般的には調査依頼者は“警戒・危険水域”であるこの会社と取引を停止し、回収を最優先することになり、被調査会社は大きなリスクに見舞われます。
もちろん、スバリ的中の評価もあるでしょうが、上記のようなことを考慮すると、調査会社は、倒産の直接的な引き金になるような評点を付けられるでしょうか。
また反対に、警戒不要の意味をもつ最高点(1又はA)を付けた会社が倒産した場合には、その責任はどのようになるのでしょうか。
二番手の“ほぼ安全や無難”の評点でも同様のことから調査会社はよほどの確信がある場合を除き、なかなか付けられないランクと言えます。そこで必然的に被調査会社の中小企業の9割前後は、中間ランクの3(又はC)でどちらとでも言える “少し注意”になっていると解釈した方が良いでしょう。

調査の情報を大いに活用しよう!
 会社の沿革、事業内容、取引先、取引銀行、所見や調査数値の決算書添付の有無、役員、不動産の有無やその所在地、決済条件などは大きな情報といえます。依頼者の誤りは、“調査会社の所見やコメント、評点や特記事項”だけによって、判断しようとしていることです。例えば、調査会社から得た情報を基に、不動産所在地が判れば登記簿謄本を取る。取引先が判れば取引先における主要取扱商品の市場の状況を見る。決済条件から資金需要を推測してみる。たいした時間をかけずとも、事実確認の過程で相当確信の持てる情報入手が可能となります。





H24.4.23
人事考課と管理者の役割

 管理者の役割は「従業員と仕事を管理する」ことにありますが、その際「人事考課」が大変重要な鍵を握っています。
 従業員と仕事の管理を、そのプロセスから見ると次のようになります。
1. 部下の能力と仕事の難易度を考え併せて仕事を割り当てる。
2. 仕事の目標を設定する。
3. 部下のモチベーションを高めたり、指導を行い、実践的な能力発揮・開発と目標達成へ誘導する。
4. 人事考課を行う。(業績と遂行過程の発揮能力・意欲などを考課し、会社の「人事賃金制度」に従って賃金・等級などの処遇を決定する。)
5. 人事考課の結果から、1〜3を修正する。
 すなわち、人事考課の内容・結果が部下の処遇や仕事の管理の方法に大きな影響を与えることになります。

管理者の役割遂行のポイント
人事考課の結果に基づいて、次期の仕事に積極的に取り組ませ、目標の達成を支援し、部下の能力開発・向上を図る管理者の役割遂行のポイントとは次の通りです。
1. 部下の能力、特に得意技に注目し、その能力を上回る仕事を割り当てる。
2. ストレッチな(努力してようやく手が届く)レベルの目標を設定する。
3. 目標達成への仕事の遂行過程で、常に関心を示し、部下から状況報告・連絡・相談(ホウレンソウ)が上がってくるようにする。
4. 年に数回は予想される目標達成の重要な局面を逃さず、的確な状況判断・決断
   を支援する。(時には管理者自身の判断・決断が必要な場合も起きる。)
5. 仕事の遂行過程での能力発揮や結果としての業績を事実で捉え、人事考課を行う。

経営者・管理者の留意点
1. 部下から相談があった時に「問題の状況説明が、憶測ではなく、“事実”であることを確認する。(「それは事実か?」と質問し、日ごろから“自分自身が現場で見て知った事実の報告”を習慣づける。)
2. その対策は、部下自身に考えさせ、言わせた上で、対処させる。(少しくらいのミスが予想されても、自ら対処させれば、気付きが深く、再度の失敗が防げる。ただし、取り返しがつかない失敗が予想される場合は、対策を具体的に指示する。)





H25.4.19
成果主義評価の留意点


 “成果主義評価”と言う言葉が、企業の人事賃金制度の分野でよく使われていますが、よく考えて使わないと、とんでもない誤りを引き起こす可能性があります。

役割と成果の意味
 「役割とは、職位・職務上の責任、すなわち職責に、業務の拡大・革新等のチャレンジ度を付加したもの」で、例えば、「営業課長の役割は、営業担当者をマネジメントして当社商品を販売する基本的な職責をもち、かつ顧客満足度を高めて売上高・営業利益を向上させることである。」と言うように、社員の職種・所属部門・職位などに応じて役割が与えられています。
 社員一人ひとりが、自分の役割を主体的に捉えて、能力を発揮し、成果を上げようとしている企業ほど、競争力が高まることは言うまでもありません。

成果主義が引き起こす問題
 社長が単純に「わが社は“成果主義”で評価して、賃金を決める。」と宣言し、社員に努力を求めた場合、社員は自分の成果を高く評価して欲しい、手柄はできるだけ自分のものにしたい、と考えて行動するようになります。商品の販売方法でうまいやり方を見つけても、仲間にそれを教えようとしない、現場の不良品撲滅ノウハウも仲間の前で発表しようとしない、と言った、自分だけが高い評価を得ようとする、あまり前向きとは言えない考え方や行動に走ることになりがちです。
 その結果、職場のコミュニケーションが停滞したり、チームワークが悪くなり、会社の競争力を失わせることにまでなりかねず、実際に、この十数年間日本の多くの企業が体験してきた失敗なのです。

成果主義評価・トップの留意点
 トップが管理者・一般社員に対して業績向上への努力を求めることは当然ですが、そのインセンティブとして“成果主義評価”の方針を出す場合は、成果そのものを評価する以外に次の点を評価のポイントにするのが大変重要な留意点です。
1.自分の役割に則った、ストレッチな(最大限の努力でようやく手が届く)チャレンジ度が高い成果目標を掲げること
2.自分や自部署が成果を得た方法を仲間や他部署に説明し、社内でより広く活用して、みんなで競争力を高めること、





H25.4.18
株式譲渡課税の変遷

消費税の導入がきっかけ
 株式譲渡益に対する課税は、昭和28年から平成元年までは、一定の要件(回数、株数、事業類似)を満たす売買を除いて、原則、非課税でした。理由は、株式投資を促し、国民のお金を企業に資本供給するのが狙いであったようです。
 課税のきっかけは、平成元年の消費税の導入です。資産家優遇との批判を受けてのことです。課税方式は、申告分離課税(税率26%)と源泉分離課税(売買代金の1.05%)2択式でした。
 その後、株式市場の低迷で市場のテコ入れの必要が迫られ、「貯蓄から投資」へのキャッチフレーズのもと、平成15年には、課税方式は申告分離課税のみ、税率も10%(所得税7%、住民税3%)に軽減、また、平成21年分の確定申告から上場株式等の損失と配当所得の損益通算が可能となり、現在に至っています。

今年中に上場株の売却か
 幾度なく延長を繰り返されてきた軽減税率10%は、平成25年12月31日末をもって失効します。平成26年からの譲渡益には、本則の税率20%(所得税15%、住民税5%)が適用されます。
 自民党政権になって、低迷していた株式市場も好転し、若干の乱高下はあるものの全般的に上げ相場です。手持ちの株式にも含み益がでてきましたが、来年になって売却すると、税金は今年に売却した場合の2倍になります。今年中に売却して1度利益を確定させることも選択肢としてあります。

上場株式の繰越損失と含み損
 貯蓄から投資へのメッセージにのって上場株を購入し、株式に含み損を抱えている人、また、譲渡益と相殺できる控除可能な繰越損失を有している人は、値上がり益を狙って持ち続けるのも方策です。
 また、含み損や繰越損失を抱えている非上場株式のオーナーの場合には、自社株を事業承継者等に売却して、その譲渡益と上場株の損失と通算することで譲渡益に係る税負担(20.42%)が軽減できます。
 なお、平成25年度税制改正では、上場株式等の譲渡損益と非上場株式の譲渡損益との損益通算ができなくなっています。

短すぎる繰越損失の期間
 上場株式の譲渡損失は、繰越控除できる期間は翌年以後の3年間ですが、海外では「期限なし」が主流です。この期間を少なくとも10年に延長してほしいですね。





H25.4.17
小さい子を育てている人の賃金低下による標準報酬特例

厚生年金従前標準報酬月額みなし特例制度
 3歳未満の子を育てながら働いている人が短時間勤務等で給料が出産前より下がった場合、子が生まれる前月の給料額と同額とみなして年金額を有利にできる制度があります。将来の年金額の算定をする時は従前の高い標準報酬月額で計算されますが、徴収される健保、厚年保険料は下がった標準報酬の月額変更届を提出しておくと低い標準報酬月額での算定となります。

意外と知らない有利な制度
この制度のメリットをご紹介します。
@妻が出産し、夫が育児に協力した結果、夫の給料が下がり標準報酬も下がった様な場合、夫のみなし特例の申し出をする事で夫の年金が不利にならない様にしておく事が出来ます。たとえ妻が専業主婦でも、育児休業中であっても対象であり、男性も利用できます。
A子の養育を開始した前月には厚生年金に加入していなかった場合でも、その前月以前1年以内に厚生年金に加入していれば、その被保険者であった直近の標準報酬月額のみなし特例を利用する事が出来ます。 
B退職後の手続きも可能です。また、子が3歳を過ぎてしまった場合でも手続きが出来ます。3歳を過ぎてからの手続きで、特例期間とされるのは申し出た月の前月から2年分だけが遡りの特例期間となります。本来、子が3歳になるまでの特例期間なので、遡り出来るのはその期間内です。
C特例措置を受けている人が転職で前の会社を退職し、他の会社へ異動した場合でも、子が3歳未満で厚生年金の標準報酬月額が従前より下がっている場合は利用する事が出来ます。前の会社は資格喪失していますのでみなし特例は一旦終了しています。ですから転職先でも再度の申し出が必要です。

手続方法は
 会社を経由し「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」を年金事務所に提出します。添付書類は、戸籍抄本、住民票等です。従前の標準報酬月額とは子の出生日の前月の標準報酬月額です。出産後、育児休業中であれば保険料免除の申出で、保険料は免除されます。その場合この制度の手続きは必要ありませんが、復帰後給料が下がった時には、申し出をしておくと将来受け取る年金を有利にしておく事が出来ます。






H25.4.16
解雇予告手当と和解金

 
解雇予告手当とは
使用者が労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告をしなければならない(労働基準法20条)と言う規定により、30日前の予告をしない場合は、30日に不足する平均賃金を支払わなければならない(10日前に予告した場合は、20日分以上の平均賃金を支払う)。この場合に支払われる賃金が解雇予告手当です。
解雇予告手当は、昭和23年8月18日付の基収第2520号において、「解雇予告手当は労働の対償となる賃金ではないから、必ずしも通貨支払、直接支払などの要件を具備しなくても差し支えないものと解されるが、労働者の予測しない収入の中絶を保護するものであるから、賃金に順ずるものとして通貨で直接支払うよう指導されたい」とのことから賃金ではないので社会保険料や労働保険料の対象にはならないとされてきました。
 また所得税法においては、解雇すなわち退職を原因として一時に支払われるものであるところから賃金(給与所得)ではなく、退職所得に該当することとされています。

和解金とは?
解雇が使用者側と労働者側でもめて裁判になった場合に、双方が合意に達して支払われるのが和解金です。
 和解金に関しては、その和解内容によって取り扱いが異なります。

賃金となる場合
退職時点が使用者側の主張より遅く、それまでの給与相当額で和解した場合や、残業代の未払い分として和解した場合は、賃金となりますので、その分については社会保険料も源泉税もかかってきます。

退職金となる場合
退職時点は使用者側の主張が認められるが、解雇予告手当等として、一時金を支払うことで和解した場合は退職金となりますので、退職所得として課税されます。

非課税となる場合
退職による精神的苦痛に対する慰謝料として支払われた場合は、全く税金はかかってきません。
和解金の場合は、その内容によって取り扱いが異なります。ご留意ください。






H25.4.15
“現場力”を磨こう!


 “現場力”とは「企業の現場における自律的問題解決能力」とされており、この能力が高い企業は、各部門・職種それぞれに高い自律的問題解決能力を持っていますから、企業全体として複数部門間で連携する問題解決能力も高い、と言えます。
 このような組織は、トップの問題提起があれば、言わば「打てば響く問題解決」が関係部門の自発的協力で遂行される“現場力が高い、頼もしい組織”です。

“現場力”を磨く方法
 組識の“現場力”を高めるには、モノづくりの現場と、企画・研究開発・技術等知識労働の現場で、それぞれに適した方法をとる必要があり、一般的には次の方法があります。
1.モノづくりの現場
作業標準や検査・チェックの基準が整備され、仕掛品がそれらを外れた時、リアルタイムに「見える、音がする」ことによって、ただちに異常を感知し、処置をとる。
2.知識労働の現場
知識労働のステップごと(例えば基本設計の大きな区切りごと、詳細設計の大きな区切りごと)に、品質・コスト・環境適性・生産技術面などの自主チェックポイント、上司のチェックポイントを設定して、異常を検出し、対策をとる。
3.営業の現場
商談の場が営業にとっての現場であり、初訪から提案、見積提示、ハードル解除、クロージングなど重要なステップごとに、成功基準を設定して、営業担当者のセルフチェック、上司のフォローアップ・アドバイスなどから問題を検出し、対策をとる。

注意すべき“現場力”のあり方
 開発部門など知識労働の現場では、顧客ニーズに関連する問題の場合、営業の現場を知る必要があり、営業担当者とともに商談の場に同行したり、場合によっては納入予定商品を使う顧客の現場担当者に直接アクセスすることも含めて“現場力”と考え、行動しましょう。
 また、開発部門が、製造部門の工程に関する問題の場合、現場や設備の現物、現場担当者の知見を直接見聞きした方が、的確で早い対策がとれるなど“現場力”が向上します。





H25.4.12
経理チェックポイント
帳簿に残る「電話加入権」
 
 長年帳簿に載っていて、その存在がほとんど無視されておりますので、改めて再確認しておきましょう

電話加入権って何?
 電話加入権は、NTT東日本・西日本の加入電話回線を契約・架設する権利の事です。相続や企業の合併・分割等、契約者の意思表示によらないで法的事実により権利が移転する場合は手数料無料で名義変更ができ、譲渡や遺贈等、契約者の意思表示で行う権利移転については手数料を払うことで名義変更ができます。

帳簿上の電話加入権
 屋内配線工事に要した費用等、電話機を設置するために支出する費用も、電話加入権の取得価額となります。
 電話加入権は譲渡可能な権利であり、また権利の内容は時間の経過によっても変化しないため、法人税法上では減価償却のできない無形固定資産とされています。
 実際の価格(NTTに支払う費用の名称は「施設設置負担金」で、これを支払うと電話加入権が発生する)を見てみると、1968年に3万円、1971年に5万円、1976年に8万円、2005年に37,800円と、様々に変化しています。
 特に近年は携帯電話の普及に伴い、NTT以外の電話加入権販売会社を利用すると、1万円台で購入できるケースも存在します。
少額で、権利としての認識も薄くなってきておりますが、税務上未だ経費処理は認められておりません。
 企業会計上で電話加入権を簿価計上している企業も多いですが、近年は時価会計を行う例も多いようです。この場合は簿価と時価の差額を減損します。

電話加入権を利用休止する時
 電話加入権を使わなくなった際は、利用休止が出来ます。電話加入権そのものが、休止「5年経過後」加入権の再取得(転居)のためどこかの市町村に引越しをしたとき、新たに番号取得ができない電話加入権に該当すれば、全額を損金処理できます。
 「転売可能」「新規に電話を引く場合に利用可能(施設設置負担金が不要)」であることから、帳簿からの除却には慎重になったほうがよいでしょう。





H25.4.11
世論は追い風、判決は?

大々的な報道が続いている
 競馬の当り馬券による所得を確定申告しなかったとして所得税法違反に問われた元会社員の男性(刑事訴追されたことにより勤め先を解雇された)に対する大阪地裁の裁判が競馬ファンらの関心を集めており、日本中央競馬会(JRA)などには、課税の仕組みについて問い合わせが相次いでいる、と報道されています。

賭博所得への課税の実態
 賭博による所得は、宝くじ・サッカーくじ(TOTO)が非課税とされている以外は、すべて課税の対象です。しかし、賭博所得に係る課税事件はかつては存在しませんでした。実態として、賭博所得は法令規定に拘わらず実質的に申告不要非課税でした。
しかし、最近は馬券購入も窓口での現金支払いだけでなく、銀行口座振替によるプッシュホン電話・携帯電話・インターネット経由での申し込みが一般化し、当り馬券保持者が特定できるようになっているため、今後は課税申告が必要かどうかの判定が必須となっています。

どう出るか刑事判決、民事も同時進行
 刑事事件の判決は、5月23日に言い渡されるようです。また、外れ馬券を経費と認めずに課税処分したのは違法だとして、国に対して課税処分の取り消しを求めた税金訴訟の第1回口頭弁論が3月12日、大阪地裁(田中健治裁判長)で開かれ、こちらの行政訴訟も同時進行中です。

外れ馬券は経費にならないのか
 訴状によると、大阪国税局は、的中した馬券の購入費のみを経費として控除し、平成17〜21年の5年間に競馬で得た所得計約34億円を申告しなかったとして元会社員に課税処分しています。これに対し、元会社員側は「外れ馬券の購入費も総収入を得るための経費であり、所得計算上控除すべきもの」として、所得は計約1.5億円にとどまると主張し、課税処分の取り消しを求めています。

一時所得か、雑所得か
 課税当局が賭博所得を一時所得とするのは、所得税基本通達に「競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等」を一時所得として例示しているからです。しかし、儲けの7倍近い追徴になる課税処分は、担税力を課税の根拠とする所得税の趣旨から考えて異常です。雑所得とする余地があってもよさそうに思われます。





H25.4.10
副業収入の所得判定

確定申告期になると脱税報道
 確定申告期間には、ミセシメの為か、いつも脱税報道がなされます。今年も、「不良国税OBの金貸し顔負け“ナニワ金融道”」とか、「副業サラリーマンで“脱税指南”」とかの記事が記憶されます。
OB事件の手口は、休業法人を利用し、その口座にソフト開発費などの虚偽費用を支払い、後でバックするというものでした。
副業サラリーマン事件は、サラリーマンにスポーツインストラクターなどの副業をもちかけ、それで赤字が出たという虚偽の確定申告をさせ、給与源泉所得税の還付を受けさせた、というものでした。

副業赤字の留意点
 虚偽申告は問題外ですが、サラリーマンの副業で赤字を出して損益通算(→源泉所得税還付)というシナリオは、必ずしもNOではありません。ただし、いくつかの難しい問題を含んでいます。
@賃貸不動産への投資の場合、発生した損失と給与所得の損益通算は当然の如くOKです。ただし、借入金での資金調達による投資の場合、土地への投資部分の利息の必要経費算入による赤字は圧縮されます。
A不動産所得以外の場合には、その副業が事業所得に該当か、雑所得に該当かの判定をしなければなりません。
事業所得の赤字なら給与所得との損益通算が可能ですが、雑所得の赤字は年金所得等の雑所得内の所得としか損益通算できないからです。
 事業所得か、雑所得かの判定は、基本的には、事業実態の存否をめぐる事実認定の問題でありますが、場合によっては、本人の「本業意識」が奈辺にあるかの主観的問題であることもあります。

副業が本業となるとき
 脱サラ起業して、従来の副業を本格的な事業として取り組む、という場合は当然ながら、事業所得そのものとなりますが、定年により本業のサラリーマンを卒業して年金生活者となり、「副業」だけが残った場合、最早や本業が存在しない訳ですから、その「副業」を雑所得とするか、事業所得とするかは、一重に本人の「本業意識」にのみ依存することになります。判定基準のハードルは相当に低いと言えます。事業所得になると、65万円の青色申告控除の適用が受けられるようになります。





H25.4.9
USPの活用

USP(Unique Selling Proposition)
とは、文字通り、「独自の販売提案」、すなわち「自社の商品やサービスをお客様に喜んで買って頂ける独自の強み」のことを指しています。
 アメリカの広告代理店から提唱されたコンセプトで「広告は消費者にある製品をライバル社の製品から区別して購買するための論理的根拠を提供しなくてはならない。」とするもので、どの企業でも真似ができる値引き販売などはUSPではありません。

USP定義の3ケース
 そこで、USPを確立し、販売優位に立つには、自社が創り出した商品・サービスで、競合他社に真似ができない、顧客にアピールしたい真の独自性は何か、を定義しなければなりません。
 それは、次の三つのケースがあります。
@自社製品であれば商品開発の中で、対象顧客を決めてUSPを創り込み、顧客に告知しなければなりません。
A他のメーカーの製品を買い入れて販売する場合には、対象顧客と、自社が独自に付加するサービスを検討、確立し、顧客に告知しなければなりません。
B店頭販売や接客サービスの場合は、頻繁に変わる多様な顧客や顧客の好みなどに対応する口頭のコミュニケーションやサービス行動にUSPを埋め込まなければなりません。

USPを決めるには
 自社の商品・サービスのUSPを決めるには、一般的に有効な方法として次のように「クロスSWOT分析」を活用すると良いでしょう。
クロスSWOT分析のフォーマット
  
項目
 機会  脅威
 @ ・・・
 A ・・
 @・・・
 B ・・・
 強み  A ・・・
 A・・・
 B
 USPを
 決める
 中心領域
 弱み  @ ・・・
 A ・・
   

 自社商品の強み・顧客と出会う機会をクロスさせて、USPを検討することをお勧めします。





H25.4.8
個人の確定申告
申告の誤りに気づいた時

 確定申告も終わり、ホッと一息ですが、終了後の資料を整理している最中、計算の誤りや領収書の漏れ、特例計算の失念などに気づくことがあります。この場合の手続きについてです。

納税額が過大(還付金額が過少)
 計算誤り等によって、納税額が過大又は還付金額が過少であった場合には、「更正の請求」という手続きをすることによって、過大部分については、戻してもらうことができますし、還付金額の過少部分についても増額してもらえることができます。
この更正の請求ですが、法定申告期限から5年以内にすることができますが、確定申告の義務のない人については、その提出した日から5年以内となっています。

納税額が過少(還付金額が過大)
 一方、納税額が過少又は還付金額が過大であった場合には、修正申告をして不足納税額を納め、また、還付金についても過大部分を返還します。この修正申告が自主的(調査等により更正を受けることを予知して提出されたものでない)になされた場合には、修正申告に伴う延滞税は賦課されますが、税額過少(還付過大)に伴う過少申告加算税は賦課されません。
 しかし、これら修正が税務調査等に基づくものである時は、原則、過少申告加算税が賦課されます。

特例計算の失念等
 平成22年分の確定申告までは、特例計算、例えば、「変動所得及び臨時所得の平均課税」を適用すれば納付税額を減額できたにもかかわらず、その適用計算を失念してしまった場合には、これらの計算は当初申告が要件であることから、更正の請求が求められませんでした。
 しかし、平成23年分の確定申告から、「当初申告要件」の一部を除き大部分が廃止され、更正の請求が可能となっています。
 また、控除税額の限度額計算においても、当初申告の際に記載された金額が限度とされていました。「外国税額控除」などがその一例です。これも、更正の請求により、適正に計算された正当額まで当初申告時の控除額を増加させることができることとなっています。
 万一、特例計算の失念等で納付税額が過大になっていたときは、更正の請求をしてその訂正を求めましょう。
これら更正の請求は、いずれも法定申告期限から5年以内にすることができます。





H25.4.5
時代の変化と法律


逆転勝訴
 最高裁での逆転勝訴と言うと、武富士の贈与税が有名ですが、その前年平成22年3月2日、ホステス等の報酬に係る源泉税を徴収する際に控除する金額の計算をめぐって行われた裁判で、最高裁は、1・2審の東京地裁・高裁の判決を破棄し、差し戻す判決を言い渡しました。

争いの中身は
 ホステス等に対して報酬を支払う場合、所得税法では源泉徴収をする旨を定めています。源泉徴収すべき所得税の額は、報酬等の額から、同一人に対し1回に支払われる金額について、5千円にその報酬等の計算期間の日数を乗じて計算した金額を差し引いた残額に10%の税率を乗じて算出します。(所得税法施行令第322条)
報酬等の額−(5千円×報酬等の計算期間の日数)=源泉徴収すべき所得税の額
問題となったのは、この「計算期間の日数」です。
@ 報酬の各集計期間の全日数となるのか
A 実際の出勤日数となるのか
この2つの解釈が争われていた裁判でした。
 最高裁の判決は、ホステスの業務に関する報酬の額が一定の期間ごとに計算されて支払われている場合には、その支払金額の計算期間の日数は、ホステスの実際の稼動日数ではなく、当該期間に含まれるすべての日数を指すものと解釈し、納税者サイドを支持する判断を示しました。

時代の変化と法律
 1、2審判決は「出勤日のみ必要経費が発生すると考えるのが自然で、その方が実際の必要経費額に近い」と指摘し、請求を棄却していました。しかし法律ができた当時のホステスさんは、お客さんの売掛けの回収から、休日のお付き合いまで、お店に出勤する以外でも仕事をしていました。
 しかし現在ではそう言ったプロのホステスさんは滅多に見かけなくなり、ほとんどが日給月給のアルバイト的なホステスさんです。税務当局の主張のほうが実態に即していると言えなくもありません。
武富士の贈与税はその後法律が改正されましたが、ホステスの源泉徴収は未だ法律は、改正されておりません。





H25.4.4
固定資産税の譲渡代金性

課税の便法の合憲性
 自治体の中心的租税の一つである固定資産税・都市計画税は、自治体サービスとの応益性から、その納税義務者を、本来的に固定資産の所有者としているものですが、徴税の便宜から1月1日の登記名義人にその年の固定資産税等を負担させることにしています。
 こういう便法が憲法29条に違反しないかという疑問があるところ、最高裁はこれを立法裁量の範囲内のこととして、違憲ではないとの判決をしています。

税負担調整は権利であり義務である
 しかし、最高裁は、土地、家屋の真実の所有者でない者が登記簿上の所有者であるために、固定資産税等の納税義務者として課税された場合においては、課税を免れた真の所有者に対して、納付税額に相当する利得につき、不当利得返還請求権を持つことになる、と判示しています。
 固定資産税等の課税庁は、本来は真実の所有者に課税すべきところながら、法律上、その探索及び調整の煩雑な事務から解放される制度になっています。他方で、民間人同士では、その税負担の調整を権利義務の清算として行うことが当然で、それを忌避するのは不当利得となる、というのです。

異なる路線を行く国税当局
 国税当局は、固定資産税等の負担調整額を不動産の売買価格の追加払いとみなしています。表面上の納税義務者以外が負担する調整額は固定資産税そのものではないから、取引代金の一部にすぎない、という理由からです。
 この当局見解は、平成7年に消費税基本通達にて表明され、平成13年、14年の国税不服審判所の裁決で支持されるに及び、全税目を通じた見解となりました。
 しかしこれは、最高裁の判例との関係においては、逆行的です。

ボタンの掛け違いではないか
 不動産取引では、固定資産税等ばかりではなく、電気ガス水道料金等の日割清算なども行われることがあり、同じ発想に立つとこれも不動産の対価になってしまいます。
 マンションの滞納共益費などの場合はマンション価格の減価要素になりますが、固定資産税等や電気ガス水道料金等は物件価格に影響しませんから、譲渡代金を構成するという発想は、その根源でボタンの賭け違いをしている、のではないでしょうか。





H25.4.3
直観と先入観


 “直観”とは、平易に言えば「人が経験を積み重ねて熟知している特定の分野で、何かの課題や問題に出会った時、その重要性、解決法や結果としてのあるべき姿を瞬時に思いつくこと」で、いちいち現状分析や原因追求をしたり、論理的な思考をせずに、素早く答えが得られるので、大変重要で、私達の仕事や人生で大きな価値を持っていると言えましょう。

“研ぎ澄まされた直観”の力
 企業活動では、資材購買、生産、営業、品質管理、人事制度の運用、経営企画・管理業務など、多様な仕事があり、それぞれの分野で、次々と問題・課題が生じており、直観によって即座に答えが得られるのは、大層有用であると言えます。
 そこで、仕事の各分野に“研ぎ澄まされた直観力”を持つ人材が多いほど、企業の生産性は高まります。

直観力を磨く人材育成
 直観が働く人材が、各分野に多いほど経営上の問題解決が早まりますから、それは人材育成の重要な目的・目標になります。
 しかし、直観力は多くの場合、仕事上で基礎的な知識・技術を学び、様々な問題に遭遇して、原因分析、判断、解決策の論理的思考、仮説の検証、問題解決を繰り返す中で磨かれるものですから、いきなり新入社員に要求できるわけではなく、一般的には早くとも30歳前後まではトレーニング過程にあると言えましょう。
 そこで“直観力をもつ人材育成”を目的・目標に掲げ、意識的に手順を追った問題解決の経験を重ねさせながら、直観的問題解決にチャレンジさせることも、企業の人材育成、知的生産性向上、競争力向上に役立ちます。

“先入観”には要注意
 特定の人物や物事に対するネガティブな認識や評価の基になる不十分な知識、不確実な認識を“先入観”と言い、世の中に無用な混乱を引き起こす原因となります。
 特に経営者・管理者が特定の従業員に対して“先入観”をもつことは、起こりがちで、しかも自分の“直観”と混同しがちです。そこで、人の上に立つ者として、不確実なことは自ら一度は疑って見る、事実かどうか確かめる、ことによって“先入観”を避ける謙虚な習慣を持つべきです。





H25.4.2
60歳以上再雇用後に
賃金改定した時の特例


社会保険標準報酬月額の即時改定
 60歳以上で定年後再雇用された人が賃金改定で月額が下がった場合はその月から同日得喪により標準報酬月額を改定する事が出来ますが、H25年1月25日厚労省の通知により適用条件が変更されています。今までは「特別支給の老齢厚生年金の受給権者であって、退職後継続して再雇用されるもの」から「60歳以上のもので、退職後継続して再雇用されるもの」に変更されました。また、H25年4月以降に60歳になる男性は60歳時に年金の受給権が発生しませんが60歳時で賃金改定があれば、同日得喪が出来る事となりました。

同日得喪とはどのようなものか
 社会保険の保険料は賃金額から決定される標準報酬月額で決められます。標準報酬月額の決定や改定があるのは次の3つです。
@資格取得時決定  社会保険の資格取得時に予定賃金額を基に決定される
A定時決定  毎年4月から6月の3ヶ月の賃金の平均額を基にその年の9月から次の年の8月までの標準報酬月額を決定する
B随時改定  固定的賃金(基本給や定額の手当等)が改定された時に、変動した月から3ヶ月間の平均額が従前の標準報酬月額より2等級以上変動があった場合に4ケ月目に改定されます。
 保険料を即時に改定するのは資格喪失と同時に資格取得をすれば賃金引き下げに伴い即時に改定されるのです。この事を同時得喪と言います。

不利益回避のための措置
 定年後継続雇用され賃金が下がった場合に随時改定では3ヶ月経過後にしか改定できません。同時得喪は賃金が下がった時にすぐ保険料を改定する事が出来ると言う点があります。又、在職老齢年金の受給が支給停止や減額支給で不利益とならない様にする為の措置でもあります。
同時得喪の要件は
@定年退職後継続して雇用されるもの
A定年以外の退職後の再雇用
B再雇用後の契約更新時等
が対象となっており60歳以上であれば適用できる事となり、さらに65歳以上の継続再雇用時や契約更新時でも適用される事となりました。





H25.4.1
勤続5年を超える有期労働契約者への対応

労働契約法の改正(平成25年4月施行)
 この度改正された労働契約法では有期労働契約についての改正がありました。
@最高裁判例の「雇止め法理」の法定化
A勤続5年超え無期労働契約への転換
B正社員との不合理な違いを禁止
 以上のうち@はすでに施行され、AとBはH25年4月より施行されます。
 この中で最も実務的影響が大きいのが無期労働契約への転換の対応でしょう。

無期転換申し込み権の行使
 改正された労働契約法第18条1項は、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合、無期労働契約に転換させるルールが設けられました。
@同一の事業主との間で締結された2以上の有期労働契約期間を通算した期間が5年を超える有期労働契約者であって
A使用者に契約期間満了日までの間に無期労働契約締結の申し込みをした場合
B使用者はこの申し込みを承諾したものとみなされて、契約期間満了日の翌日から無期労働契約が成立する。とされました。
しかし、通算される契約期間の計算方法は、有期労働契約をしない一定以上の期間が続いた場合は、その通算期間はリセットされるクーリングも規定されています。クーリング期間は6ヶ月以上とされています。

有期労働契約者の労働契約書と就業規則
 今後、有期労働契約者を採用、契約更新する場合には、無期契約への転換も考慮した上で雇用管理しなくてはならないでしょう。つまり雇い入れる有期労働契約者(アルバイト、パート等含む)を無期契約はしない前提で雇用するのか、無期への転換を認める方向で雇用するのか考える必要があるという事です。雇い入れの時点では決定できないと思いますので平成25年4月以降、通算5年となる前の更新時には無期への申し込みがある事を想定し、無期雇用とするかどうかを決定する必要があるでしょう。
無期雇用と言っても常に正社員と同じ処遇にしなければならないと言う事ではないのでその違いは労働契約や就業規則等で示しておく事が良いでしょう。
 また、有期労働契約者であっても優秀・勤勉な人を引き続き雇用したい場合は通算期間満了前に正社員登用する事も視野に入れておく事も良いでしょう。