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H24.5.31
スイスUBS事件後日譚


ジョン・ドウ・サモンズ(John Doe Summons)
 アメリカの税務調査を強力なものにしている召喚状調査(Summons)の中でも、特に匿名召喚状(John Doe Summons)の威力が、いま国際的に注目を浴びています。
 銀行守秘義務を売りに、長い歴史をもつスイスが、サモンズの要求に基づき、UBS銀行のアメリカ人顧客情報を米国税務当局に開示したことにより、スイス国内、アメリカ国内、世界のオフショア銀行業界に、大きな激震が走りました。

スイス銀行守秘義務の行方
 UBS事件は、スイスの政府・議会とアメリカとの租税条約上の合意として処理したものの、国内の銀行法にある守秘義務遵守条項には抵触したままであり、租税条約が国内法に優先するとしても、従来の租税条約は必ずしも今回のような合意を想定したものになってはいませんでした。
 その後、スイスは租税条約に、国際的な脱税及び租税回避行為の防止に資することを約した情報交換協定を盛り込む改正を推し進め、日本との条約も改正され、2012年1月以降の実施項目となっています。

アメリカでのその後
 スイスのUBS銀行を使って、資産隠しをしていた人に対して、米国税務当局は、自主的に申し出た場合は罰則等を軽減すると期限を切って布告しました。その結果、15,000人余りが自主申告をしたそうです。
 アメリカの得たUBS顧客情報は4450件でしたので、UBSだけでその3倍以上の脱税的資産フライトがあったわけです。しかし、UBSに限っても、まだ全部ではないかも知れません。
 アメリカは、UBSに次いで、英国のHSBC(香港上海銀行)に対しても匿名召喚状を発し、昨年すでに口座情報を受け取っています。

国際的なオフショア銀行の動き
 オフショアとは、外国の投資家や企業の資産管理を受け入れる金融機関や市場を指す金融用語で、おおむね『タックス・ヘイヴン』と同義語として使用されています。
 そのオフショア銀行では、米国外での米富裕層向けサービスを打ち切り、アメリカへの一種の宣戦布告をする動きもあります。
 しかし、グローバル化と規制緩和の波が逆回転し始め、社会基盤を揺るがすような富裕層の課税逃れについて、国家による規制が強化され出しているように思われます。




H24.5.30
能力考課の方法


 
人事考課における能力考課は、業績をあげる手段としての職務遂行能力を評価するもので、とくに入社してから中堅社員に育って行くプロセスでは、良い仕事の仕方が業績に結びつくことを社員に覚えさせるために重要な意味を持っています。

考課の方法
 職務遂行能力は、日常の仕事のなかで発揮された能力を事実として捉えて考課します。
 例えば営業職の場合は、
1.重要な営業案件を遂行するなかで発揮された営業計画の立て方・顧客との商品取引に於ける量や価格に関する折衝力などをどう活用したか。
2.製品開発の専門職の場合は専門知識・技術を実際の開発や企画にどのように活用したか。
3.店頭販売職の場合は、顧客応対・販売トークなどを販売にどう結びつけたか。
等を実際に発揮された職務遂行能力を観察して考課します。
 また、能力考課の期間は業績考課の期間と同じ期間とし、その期間内で重要な考課場面(重要な案件に関する締めくくりの場、定期的な観察場面の設定など)で考課します。
 いずれの場合も考課場面が期間内に均等になるように設定し、それらの考課の平均で考課します。

能力考課の問題点と対策
1.経済環境のアゲンストの変化が、能力発揮や業績の障害になることは当然予想しておかなければならないことです。
 したがって、あらかじめ環境変化対応(アゲンストの風を避ける、フォローの風を利用する。)の巧みさを着眼点として設定しておき、考課を行うのが適切です。
 経営者・管理者はこのような変化対  応を社員に呼び掛け、かつ事実に基づ  いて考課を行い、期中にうまくフィードバックすると能力考課が的確にできるばかりでなく、創意工夫の競争が生まれて業績にも良い影響が出せます。
2.チーム活動の場合は、メンバーの中で誰がどのように能力を発揮したか、その事実を最もよく知っているメンバー間の相互考課を参考とする考課も適切な方法と言えましょう。





H24.5.29
平成22年分 相続税の申告状況


 過日、国税庁から平成22年中に亡くなった人から、相続や遺贈などにより財産を取得した人に係る相続税の申告状況の発表がありました。その具体的な内容は、次のとおりです。

死亡者数・課税対象になった被相続人数
 死亡者数(被相続人数)は、約120万人(前年約114万人)であり、前年対比で104.8%となっています。この死亡者数ですが、10年前(平成12年は約96万人)の25%増です。
 また、相続税の課税対象となった被相続人数は49,733人(前年46,438人)であり、前年対比107.1%と増加していますが、課税割合は4.2%(前年4.1%)となっており、ほぼ同水準です。

課税価額・税額の推移
 課税価額は、10兆4,470億円、前年10兆1,072億円、また、相続税額も1兆1,754億円、前年1兆1,618億円と、いずれも前年を若干上回っています。
 なお、これを被相続人1人当りでみると、課税価格は2億1,006万円、前年2億1,765万円で、相続税額では2,363万円、前年2,502万円と、いずれも減少傾向がみられます。

相続財産の種類別構成比
 相続財産の金額の構成比は、土地48.4%(前年49.7%)、現金預金等23.3%(前年22.3%)、有価証券12.1%(12.0%)です。特に、現金・預金の増加傾向は著しく、平成14年には16.7%程度しかなかったものが、現在では全財産の4分の1を占める勢いです。もっとも、その背景には、不動産価額の低落傾向もあります。が、相続税の課税価額が平成14年以後から現在に至るまで10兆6千億円前後で推移していることからしても、現金・預金の増加傾向には注目です。

課税当局の思惑
 現金・預金は他の財産と違って、原則、その移動に関して制約はなく、国境を超えることは容易です。
 近年増加傾向にある預金等の海外シフト、それに伴う国外財産の申告漏れ、これを防止する目的で、平成24年度税制改正で「国外財産調査制度」を創設しました。
 その内容は、5千万円超える国外財産がある場合には、当該財産の種類等一定の事項を記載した調書の提出を義務付け、不提出及び虚偽記載等があれば罰則をも設けています。適用は平成26年1月1日以後です。





H24.5.28
サモンズという強制調査

アメリカの税務調査とサモンズ
 アメリカの税務調査が原則として任意調査であることは、日本の場合と同様です。
 日本の場合、資料調査課の調査、いわゆる「料調」は、裁判所の発する捜査令状こそないものの、刑事訴追を前提とする「マル査」の調査のように厳しい、と言われています。内偵により、違法申告を物証的に確認していることが多いからなのですが、それでもこれは任意調査です。
 アメリカには、刑事訴追を前提とするものではないが、裁判所の召喚状に基づいて行う強制調査(サモンズsummons)があります。日本の、「料調」と「マル査」の中間のような制度です。

サモンズが発せられると
 サモンズの対象者は、決められた日時と場所へ要求された帳簿または記録を持って出頭すること、そして宣誓のもとに証言することが要求されます。聴聞官は、召喚された者の宣誓のもとに通常質疑応答形式で聴聞を行います。
 出頭者には、日当及び旅費及び提出資料のコピー代が支給され、助言者又は代理人を随伴する権利があり、録音機等の携帯も許されます。

ジョン・ドウ・サモンズ(John Doe Summons)
 日本の税務調査が、必ずしも納税者本人に限定されず、事業取引先への「反面調査」や金融機関への「銀行調査」があるように、サモンズでも、法律上、調査対象を納税者に限定していません。
 対象の幅広さを象徴するものに、匿名召喚状(John Doe Summons)というものがあります。サモンズでは、その対象となる納税義務を負うべき納税者を特定するのが通常なのですが、特殊な場合には、納税者を特定するためのサモンズを発することが認められています。

スイスUBS銀行へのサモンズ
 投資アドバイザーの助言により脱税をしていた疑いのあるアメリカ人顧客情報を引き渡すよう2008年に米国税務当局がスイスの最大銀行UBSに匿名召喚状(John Doe Summons)を発しました。
 スイス政府とスイス連邦議会は、米国税務当局との交渉による合意により、UBS銀行に対し情報開示を許可し、2010年暮れ迄に4450人の口座情報が米国に引き渡されました。スイスの守秘義務を売りにする銀行商売に風穴を開けた米国サモンズの威力が世界的に一躍有名になりました。





H24.5.25
ご存知ですか?
あなたの街の補助金・助成金

支給しているのは省庁だけではない
 融資と違い、返済義務がない補助金や助成金。機会があれば誰もが一度は活用したいと考えたことがあるのではないでしょうか。補助金・助成金と一口に言っても、その支給源は様々です。雇用関係の助成金を扱う厚生労働省や、中小企業庁などの省庁だけでなく、各市区町村でもそれぞれの地域性に合わせ、産業振興を目的としたユニークな補助金・助成金を支給しています。

例えばこんな補助金・助成金も
例@ホームページ制作費の補助金・助成金
 今やほとんどの企業が持っているホームページですが、本格的に制作しようとなると、なかなかの経費がかかるもの。そこで活用したいのがホームページ制作費に対する補助金・助成金です。業者に制作依頼をした場合のみでなく、自社で作成した場合のソフト購入代を補助している自治体もあります。
≪実施している自治体≫
東京都足立区、東京都江東区、東京都練馬区、千葉県船橋市など

例A建物の緑化に対する補助金・助成金
 昨年に引き続き、今年も更なる節電努力が求められています。冷房の温度を上げ節電に励もうとも、近年の猛暑にはとても耐えかねてしまう…そんなとき注目したいのが植物の力を借りた省エネ方法。ヘチマやゴーヤなどの植物を建物の外側に這わせ日陰を作ることにより、建物の温度の上昇を抑える「緑のカーテン」の育成や、屋上スペースに植物を植えたりと、建物の緑化に対し補助金を支給している自治体が多数存在します。
≪実施している自治体≫
埼玉県寄居町、千葉県千葉市、広島県広島市、静岡県静岡市など

申請時の注意点
助成金・補助金申請の際には、その助成事業に関する事業計画を提出しなければならない場合が大半です。事業計画作成の際には、実行時期や規模、参加人数から見てその事業が確実に遂行できるかという明確性、助成金交付後もその事業を続けることができるかという継続性などを具体的に示すことが必要になります。また、先ほど紹介した助成金・補助金や実施している自治体はほんの一例で、自治体により募集の開始時期や終了時期、応募条件も全く違います。自治体のホームページをこまめにチェックすることが、新たなチャンスの発見に繋がるかもしれません。





H25.5.24
ケガ・病気で会社を休んだら

健康保険傷病手当金
 業務外のケガ、病気で休職し、賃金が支給されない時は、健康保険から傷病手当金が支給されます。休み始めの連続した3日間は待機期間で支給対象にはなりませんが4日目より支給され、同じ傷病は支給開始日より1年6ヶ月の間支給されます。途中職場に戻り、再度休職した場合には同じ傷病であれば開始日より1年6ヶ月の間で残日数分が支給されます。又、傷病手当金は国民健康保険には設けられていません。

給付はいくらになるのか
 傷病手当金は休職1日につき賃金額(標準報酬日額)の3分の2相当額が支給されます。私傷病による傷病を対象としているので労災保険、厚生年金等から給付が受けられる時も支給されません。

退職後の傷病手当金受給
 傷病で退職する事となった時に、資格喪失日前日(退職日)に傷病手当金を受給している場合は、その日までに継続して1年以上被保険者であれば同じ健康保険組合又は協会けんぽから手当を受ける事が出来ます。退職後に他の健康保険制度に移っても同じ傷病が続いている時は支給開始から1年6ヶ月の間は受給できます。退職後、任意継続制度を利用して従前の健康保険に加入している方は同様に退職前の加入期間が1年以上あれば、引き続き傷病手当金を受給出来ます。又、退職後の支給申請書に事業主印は必要ありません。

傷病手当金受給中の失業給付
 会社を退職した時に療養中で傷病手当金を受給している方は、すぐに再就職はできません。ハローワークに求職の申し込みをしても求職活動も出来ない為、雇用保険からの失業給付は受けられません。その場合は疾病等を理由とした受給期間の延長制度を利用する事が出来ます。雇用保険の失業給付は原則として離職した日の翌日から1年間ですがその間に引き続き30日以上働く事ができない期間は働く事の出来なかった日数だけ受給延長できます。延長期間は最大3年間です。なお、所定給付日数300日及び360日の方の延長できる期間は其々最大限3年と30日及び3年と60日となります。





H25.5.23
世界の交際費と日本の交際費の変移

平成25年税制大綱で全額損金へ!
平成25年税制改正大綱で、中小法人にかかっていた600万円以下の部分の1割の損金不算入が無くなり、上限金額も拡大し、800万円以下の交際費はすべて損金算入できる見通しとなりました。注意すべきは、@平成25年4月1日から平成26年3月31日までに開始する事業年度の適用開始予定、A資本金1億円以下の法人でも資本金5億円以上の法人等との間にその法人等による完全支配関係がある法人等を除く、という点です。

世界でも但し書きが多い項目
財務省のデータ(2012年1月)によると、アメリカでは原則交際費の50%を損金不算入(ただし贈答品は1人当たり年間25ドルまで損金算入可)、イギリスでは全額損金不算入(ただし宣伝用の少額贈答品は1人当たり年間50ポンド※約7,500円 まで算入可)、ドイツでは30%を損金不算入(贈答品35ユーロ※約4,500円)、フランスでは原則損金全額算入(ただし接待費用については、年間6,100ユーロ※約79万円を、贈答費用については、年間3,000ユーロ※約39万円を超えた場合には、申告時に明細書の提出が義務づけられる。)といった具合に、国によって差異があるにせよ、損金算入・不算入に関しては例外や特別な枠が設定されている国が多いようです。

制度の変更も世界共通
アメリカを例にすると、以前は100%損金算入、1986年のレーガン税制改正で20%を損金不算入とし、1993年のクリントン税制改正で50%を損金不算入としています。
日本でも平成15年度改正で中小法人の資本金条件が5,000万円以下から1億円以下に・損金不算入割合が20%から10%に、平成18年度改正で交際費等の範囲から5,000円以下の飲食費を除外、平成21年度に定額控除限度額を400万円から600万円に引上げ、そして平成25年度改正で定額控除限度額を600万円から800万円に引上げ・10%の損金不算入措置の廃止と変移しています。
交際費のルールを見ると、その国の景気や世相が見えてくるようにも思えますね。





H25.5.22
人材の価値を高めよう
 

 人材の価値は人材投資に注ぎ込んだコストに対して実際に上げた実績との比できまり、目には見えませんが競合他社との間で激しい人材価値の向上競争が行われていると言えましょう。

人材価値は逓増する
 企業が社員の能力開発・人材育成に努力すれば段々に成長し、人材価値は逓増します。
 すなわち会社の能力開発、人材育成努力の創意・工夫次第で会社間の人材価値の差・競争力の差が生まれます。
 望ましい人材価値の逓増は、このような視点に立って、トップ・管理者が社員を巻き込み、継続的、具体的に実現して行くことで果たされます。

管理者の責務とトップの方針
 管理者の責務は所管する部署の業績を上げることに加えて、その業績を生み出す源になる人材価値の向上にあります。
 ここでは主題を人材価値の向上におき、重要なマネジメントのあり方を述べます。
1.現場で実際に起こった問題について、その真の原因は何か、あるべき姿は何か、現状からあるべき姿に変えて行くにはどうすれば良いか、改善具体策を部下に相談させ、実際にやってみることで効果を確かめさせるなど、現場の問題事実に即した問題解決を体験させ、現場力向上を図る。
2.一人ひとりが自立して仕事ができるように、特に仕事の基本的知識・技術・技能・処理手順など基礎を叩き込む。
そのため、時には、愛情をもって叱る。
以上の1〜2はOJTの基本とも言えます。
3.目標管理制度を活用し、目標の「設定から達成までの課題解決の考え方や手順、手法を体験的にマスターさせ、また人事考課など評価の手段を用いて発揮能力を評価し、能力の開発を行う。
4.人事賃金制度の運用で、部下を主体的、意慾的な能力・業績向上へ向けてモチベートする。
5.職位の上下間・職場内・職場間のコミュニケーションを促進し、社内の風通しを良くしてチームワークの醸成に努める。
 トップは管理者にこのような努力すべき方向を示すと同時に、社員にそれに応えて努力するよう要請することが大切です。





H25.5.21
孫の幸せを信託

実施の初月から反応
 平成25年度税制改正により、教育資金の直系尊属(曾祖父母・祖父母・父母)からひ孫・孫・子へ授業料等の教育費の一括贈与に係る贈与税の非課税措置が新設され話題になっています。管理を行っている4信託銀行の4月末残高が250億円、契約件数4000件であるとこの度発表されました。

孫、ひ孫への愛情と相続税対策がマッチ。
ここでこの仕組みのポイントを改めて整理すると。従来は、課税されていた「教育資金の一括贈与」が平成25年4月1日から平成27年12月31日までに、信託銀行等の金融機関に信託等した場合には受贈者1人につき、1,500万円を限度として非課税になるという制度です。
@ 1500万円の内訳と時期
祖父母が孫の教育資金の支払いについて、一人につき1500万円迄贈与しても贈与税はかかりません。但し、学校以外の支払い(塾やお稽古事)は500万円迄です。平成27年3月迄に累計額1500万円信託銀行の口座に入っていたならば(つまり、贈与されていたならば)、この1500万円には贈与税がかかりません。平成27年4月以降に、祖父母から新たな入金があったならば、それについては贈与税がかかります。
A利用年齢は30歳未満。
利用出来る孫の年齢は30歳未満です。30歳になった時に、銀行に預けているその教育資金に残額があれば、残額に贈与税がかかるので注意が必要です。
B信託銀行で子ないしは孫名義の専用の教育資金口座開設が必要です。
教育資金の支払いをする度に、領収証を銀行に提出します。「教育資金非課税申告書」を銀行経由で税務署に提出します。
C利用出来る教育資金の中身について
 法律で定められた“学校”の入学金、入園料や授業料などです。お稽古事も、塾、音楽、スポーツ、英会話など広く認められます。

相続税対策と景気刺激策
 相続対策としても有効ですが、高齢者の寝ている資金を活用して景気を刺激する狙いもあるようです。今後増々利用が増えると思います。





H25.5.20
中小企業の海外直接投資 現地派遣者の資質

 海外に生産拠点を有する中小企業において、海外派遣者の選定は、当該プロジェクトの成否を握る重要な事項です。
中国、東南アジアでの事業展開では、日本本社の海外工場ではなく、現地子会社を設立することとなります。日本本社と現地子会社は、それぞれ個別の法人格を有し、独立した経営を営むこととなります。したがって、現地に派遣する人の資質が問われることとなります。今回は、現地派遣者の資質について、見てみたいと思います。

現地企業の経営者
 日本本社と現地子会社は、それぞれ個別の法人格を有しており、現地企業の経営者が日本本社の意向に反した経営を行なうことは可能です。現地企業の経営者は、銀行取引印鑑を管理しおり、巨額な資金を支出することも可能です。
それを恐れて、日本本社が管理や支配を強めると、現地採用社員のやる気がなくなっていくことも懸念されます。

現地派遣者のタイプ
現地派遣者には、現地企業の経営者とその経営者を補佐する人(常駐、非常駐・出張ベース)とに分けられます。
当たり前のことですが、経営者には、現地経営ができる人を派遣してください。現地企業では、生産計画を遂行するだけでなく、人事労務、地元政府との交渉、調達、取引先開拓など瞬時にいろいろなことを判断していかなければ、なりません。経営者をサポートする常駐者が少ない中小企業においては、工場長タイプの人を経営者として派遣しても、現地企業の経営は難しいと思われます。また、現地に着任してから学習することは難しいことから、派遣前の研修も重要となっています。

派遣者の資質
派遣者は、現地企業の経営者とその経営者を補佐する人(常駐、非常駐・出張ベース)といった職位に関係なく、現地社員をリードし、同社がもつ強みを発揮できる現地企業を作りあげていくという使命を負っています。
派遣者には、@明るい、まじめ、まめ、がまん強い、A歴史・文化を尊重し、理解しようとする姿勢、B少しでも言葉を身につけようとする態度、C現地人から信頼される態度(襟を正す)、D主張をしっかり行うが、相手の面子も重んじる等の資質が求められます。





H25.5.17
社外国人雇用
面接時の確認ポイント〜アルバイト編


留学生や家族滞在者のアルバイト
 外国人の方が持つ在留資格(≒ビザ)の中には、原則的に就労することができない(就労が本来の目的ではない)ものもあります。その代表的な例が「留学」や「家族滞在」の在留資格であり、アルバイトを募集する際に目にすることが多いのがこの2つの在留資格です。今日は、こうした「留学」や「家族滞在」の在留資格を持つ外国人をアルバイト採用する場合、採用前に確認したいポイントを紹介します。

確認の基本はパスポートと在留カード
 先述のとおり、在留資格が「留学」や「家族滞在」の場合、原則的に就労することはできません。留学生は勉強すること、家族滞在者は家族の扶養を受けながら日本で生活することが本来の目的だからです。
 そうは言っても、働くことが全く否定されているわけではなく、資格外活動許可と呼ばれる許可を取得すれば、週28時間まで(留学生の場合、学校が長期休業中は1日8時間まで)のアルバイトが許可されます。資格外活動許可を受けているかどうかはパスポートや在留カードに記載されていますので、在留期限と合わせて確認します。もし、資格外活動許可がなかった場合は取得するよう伝え、許可されるまで絶対に働かせてはいけません。

資格外活動許可の制限
 資格外活動許可は本来持っている在留資格の目的外で許可される活動ですので、本文である勉学などを妨げないため、時間数の他、就労先についても若干制限されており、風俗営業関連店舗での勤務は認められません。ここでいう風俗営業とは、風営法に掲げられる営業を指すため、キャバクラやスナックだけでなくパチンコ店、ゲームセンターなども働くことができません。

アルバイトの掛け持ちにも要注意!
 近年、アルバイトのし過ぎにより在留期間の更新が不許可となる事例が増えています。特に、1か所では28時間以内の勤務に抑えているものの、他社との掛け持ちでこれを大幅に超えてしまうというケースが見受けられます。このような場合、ほかでアルバイトをしており、合計が28時間を超えると知っていながら勤務させていた雇用主が、不法就労助長罪という罪に問われる恐れもありますので、掛け持ちがわかった場合は勤務時間数の管理に一層の注意を払う必要があります。





H25.5.16
女性の賃金の伸び過去最高更新


女性の賃金は増えている
 厚生労働省が発表した賃金構造基本統計調査によると2012年のフルタイムで働く女性の平均賃金は前年比0.5%増の月額23万3100円と2年連続で過去最高を更新しています。賃金の伸び率では女性が男性を上回っており、女性の活用が進んでいると言えます。女性の賃金は1989年以降前年を下回ったのは2年だけで毎年の伸び率は男性を概ね上回っていて、男性は昨年0.2%増の32万円でありました。女性の賃金水準は99年には男性の6割程度でしたが昨年は7割を超えました。賃金額が伸びた業種は比較的女性が多いサービス業であり、昨年位から人手不足感が大きくなってきています。

妻の収入も過去最高に
 また、総務省の2012年の家計調査では2人以上の世帯の平均実収入の月額は51万8506円と物価変動の影響を除いた実質賃金は前年比1.6%増えています。世帯でも妻の社会進出が進んできている上に生活を支える為にパート等を始める人も増えています。世帯主の収入増加は0.2%しかありませんでしたが妻の収入は5万9177円と11%も増え過去最高となりました。背景に労働市場で女性の存在感が高まっている事があります。

アベノミクスの一環 女性労働力活用
 働く女性の数も12年は前年より6万人も増えて2375万人と過去最高です。特に医療や介護分野、サービス業は女性就業者が増えています。政府は女性の就労支援に力を入れています。少子高齢化による働き手の減少に歯止めをかける為、育児と仕事を両立出来ずに仕事をあきらめる女性を労働市場に呼び戻したいためです。女性就労者を増やすには保育所の整備等働きやすい環境を作る必要があります。日本では出産後に6割以上の女性が退職していて、20代後半から30代の女性の労働力曲線はM字型カーブを描いており、政府はこの間をつなぎとめる事が出来れば国内総生産を1.5%押し上げるであろうと試算しています。さらに首相方針では5年間で保育所の待機児童をゼロにするとし、現在1年6カ月まで認めている育児休業を3年まで伸ばしてもらえるよう経済界に要請しました。しかし、企業負担の問題や3年後の職場復帰時の難しさ等の多くの課題を検討しなければならないでしょう。





H25.5.15
戦略的基盤技術高度化支援事業
受付締切日は平成25年6月20日です


制度の目的
22技術分野(切削加工,鋳造、鍛造、めっき等)の向上につながる研究開発からその試作までの取組を支援し、特に複数の中小企業者、最終製品製造業者や大学、公設試験研究機関等が協力した研究開発であって、この事業の成果を利用した製品の売上見込みや事業化スケジュールが明確に示されている提案を支援します。

応募対象事業
対象は、中小ものづくり高度化法(以下「法」)第3条に基づき経済産業大臣が定める「特定ものづくり基盤技術高度化方針」に沿って策定され、新たに法第4条の認定を受けた特定研究開発等計画を基本とした研究開発等の事業です。応募するためには、事前に「e‐Rad(府省共通研究開発管理システム)」への「研究機関の登録」及び「研究者の登録」が必要となり、本登録には2週間程度の手続期間となり、早く登録することが必要です。民間企業でも登録できます。

応募対象者
上記の認定を受けた中小企業・小規模事業者を含む、事業管理機関、研究実施機関、総括研究代表者、副総括研究代表者、アドバイザーによって構成される共同体を基本とします。共同体の構成員は、日本国内に本社があり、かつ、日本国内で研究開発を行っていることが必要です。その他の要件は下記URLを参照下さい。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/2013/0424SenryakuKoubo.htm

一般型と小規模事業者型の2種類
一般型
研究開発期間:2年度又は3年度
研究開発規模(上限額):平成26年3月末までに行う費用合計額4,500万円以下
小規模事業者型
小規模事業者とは常時使用する従業員数が20人以下(卸売業、小売業、サービス業にあっては5人以下)の企業
研究開発期間:2年度又は3年度
研究開発規模(上限額):平成26年3月末までに行う費用合計額2,300万円以下

公募期間
平成25年4月24日〜平成25年6月20日





H25.5.14
実例経営シリーズ
事実をつかむ強い意思


危うく倒産しかかった、消費財メーカー経営者の経験談ですが、皆様の経営のヒントになれば幸いです。

自分で事実をとらえる
 連日残業をかさね工場は出荷に追われていたときに、代理店の社長から「手形のジャンプをおねがいしたい」と申し出が総務にありました。「特約店さんからの支払が遅れているので、…」との報告を受けた経営者は、代理店の社長から、特約店の名前と所在地を聞いて、営業部長といくつかの特約店を訪ねて、倉庫を見せてもらいました。  
そこには山積みされた自社製品があり、「これじゃ支払が遅れるのもあたりまえだ!」と営業部長の顔を見ました。

末端の需要が増えているのか
 更に調べると、出荷グラフは月度出荷額の8割以上が月末締切直前2日間で占められる異常さを示していました。営業部長の言い訳交じりの報告をさえぎり、社長は「代理店や特約店に無理に押し込んで営業成績を上げるのではなく、消費者が実際に買う方法を考えて営業成績を上げろ。」と指示をしました。経営者が幹部従業員からの報告ではなく事実を自らつかむことで仮需が抑えられ、会社の危機を防ぐことができた例です。社長は振り返って「あのまま生産を続けていたら、倒産していたかもしれない」とおっしゃっておりました。

あのキリンビールでさえも
10年余り前、社長が特約店を回ると自社ビールが山積みされて、無理な販売をしていたことが歴然としていたそうです。その時、荒蒔社長は首位転落を覚悟し顧客本位の原点に返ったそうで、直接聞いた第一線の社員の声も判断材料になったと日経新聞が報じていました。

歴史に学ぶのは、今だ!
 中小企業景況調査(2013年1−3月期)によると、「円安による原材料価格や燃料費の上昇などの影響が考えられ、今後の動向を注視していく必要がある」としています。先行手配や在庫積上げが想定される中、経営者は良い数字の報告を聞いて安心する誘惑に負けず、自社製品に対する消費者の実需をとらえて経営することが求められています。企業が組織として見かけの数字を追わないよう、社長が強く先導することの大切さを教えています。





H25.5.13
不当利得返還額の横取

納税義務があっても損金算入不可
 「固定資産税は・・・固定資産の真の所有者が負担すべきものである・・・固定資産税の納税義務があるか否かと、固定資産税を法人の損金に計上しうるか否かとは、全く別の次元の問題である。」
 この主張は、固定資産税日割額を負担して、それを譲渡代金とすることを強制された納税者の主張ではありません。平成9年11月13日最高裁判決に係る地裁での西淀川税務署長の主張です。
 納税義務の有無とは無関係に、固定資産の真の所有者こそがその負担額を租税公課として損金算入し、所有者でないものが納税義務者として負担する固定資産税は立替金にすぎない、と言っています。

消費税だけが異なるのか
 国税庁のホームページでは、「不動産売買の際に、売買当事者の合意に基づき固定資産税・都市計画税の未経過分を買主が分担する場合の当該分担金は、地方公共団体に対して納付すべき固定資産税そのものではなく、私人間で行う利益調整のための金銭の授受であり、不動産の譲渡対価の一部を構成するもの(対価として収受し、又は収受すべき一切の金銭)として消費税の課税の対象となります。」と書かれています。
 譲渡対価とさせられた固定資産税日割按分額のうち建物等に係るものには5/105の計算をして売上消費税とすることになりますが、これに係る仕入消費税はありません。
 ここには、立替税金の清算という発想はありません。立替清算として回収した固定資産税の一部は、消費税(場合によっては所得税等)として国や自治体に横取りされてしまいます。

立替金全額清算要求は権利
 地方税法は、真実の所有者に対して課税すべきところを徴税の便宜から名義上の所有者に課税しているものであるので、名義上の所有者から真実の所有者に対する不当利得返還請求が裁判上で確認され、それによって不合理な制度との判定が回避されているものです。
 課税されることによって、その不当利得返還額の全部が保証されないのだとしたら、それは最高裁判決によって確認された国民の権利としての不当利得返還請求権が侵害されたことになります。





H25.5.10
戦略と組織・人事

 外部環境の変化にうまく適応して、自社の事業やその進め方を変化させ、競争優位を保とうとするのが経営戦略です。
 近年の外部環境は、グローバルな激しい変化が短期的に次々と起こり、内需型事業であっても輸入品の影響を受けることがありますから、注意深くその変化を察知して、経営戦略をチェックし、機敏に対応して行かなければなりません。
 かつての高度成長期には、右肩上がりの経済状況下で、一度立てた経営戦略の遂行状況を、しっかり管理していれば競争優位を維持したり、成長できるケースが多かったのに対して、現在では、TPP交渉、その他の貿易協定の行方によって、多様な激しい変化が起こりうる時代となり、成長期にあるアジア各国の市場をとり込んだ積極的な経営戦略が必要な時代になるなど状況が一変したのです。

戦略・組織・人事は三位一体
 このような外部環境の変化に機敏に対応しなければ会社の存続が難しい時代には、それに相応しい組織をもち、そのリーダー・メンバーの人事配置を含めた組織・人事体制を整備しておくことが必要です。
 そのためには、
・現在の組織は外部環境の変化に注意を向け、自社の戦略をチェックし、その変更ができる戦略的機能をもっているか、またはトップ自身がその機能を果たすことができているか、
・戦略的機能をもった組織がある場合、そこに求められる資質・能力がある人材が配置されているか、またはトップ自身がその人材となり得ているか、
など、戦略と組織・人事は一体として考え、戦略担当組織体制の整備・適性をもったリーダー・メンバーの配置を行うべきです。
 それができない場合は、外部環境の変化にうまく適応できないか、対応できたとしても極めて非効率な対応により、事業の衰退を余儀なくされるでしょう。

外部環境変化とトップの留意点
 どのような時代にあっても変わらざる本質・どこの市場であっても「顧客のお困り、ご不便を解決する自社の事業」に注意を払い、その点との関係から外部環境の変化を読みとり、競争優位に立つ戦略を維持・強化する方針をもって組織と人を育て、活用することに留意したいものです。





H25.5.9
医療費負担が高い時

高額療養費制度
 医療機関や薬局の窓口で支払った額が一定額を超えた場合にその超えた額が支給される制度を高額療養費制度と言います。負担の上限額は年齢と所得で異なっています。但し入院時の食事代や差額ベッド代、訪問看護料等は対象にはなりません。
 計算の基礎となる一部負担金は次のように合算されます。
@被保険者とその被扶養者ごと
A月ごと(暦日単位)
B医療機関ごと
C医科診療、歯科診療ごと
D入院・通院ごと

多数該当や世帯合算
 医療を受けた直近の12ヶ月間にすでに3回以上高額療養費の支給を受けている場合(多数回該当)には4回目から負担の上限がさらに引き下がります。
 又、1人の窓口負担では高額療養費の支給対象とはならなくても、複数の受診や同じ世帯の他の人で同じ医療保険に加入している人の受診についても窓口で其々支払った自己負担額を1カ月(暦日)単位で合算する事が出来ます。その合算額が一定額を超えた時は超えた分が高額療養費となり支給されます。

負担の上限額は所得と70歳以上か未満か
@70歳未満の方の自己負担額
上位所得者15万円+(医療費-50万円)×1%
上位所得者とは標準報酬月額53万円以上
一般 80100円+(医療費-267000円)×1%
低所得者(住民税非課税の方)35400円

A70歳以上の方の自己負担額
現役並み所得者(標準報酬月額28万円以上)の方は外来44400円
1月の上限80100円+(医療費-267000円)
×1%
一般 外来12000円、1月の上限44400円
低所得者 外来8000円 1月の上限年金受給額80万円以下の方は15000円、それ以外は24600円

限度額適用認定証の申請
 現在高額療養費は入院等で一月の窓口負担が自己負担額以上になった場合でも事前申請して、認定証を医療機関に提示しておくと一旦でも限度額以上を払う必要は無くなります。これは外来診療であっても入院とは別計算ですが同じ取り扱いとなります。





H25.5.8
中小企業の海外直接投資
進出可能性の検討と派遣者の選定

海外進出にあたり、自社の現状把握、進出目的の明確化が終わると、ある程度進出イメージが見えてきます。自社の現状把握に照らし合わせて進出可能性について、基本的な事項を検討して、進出計画をより具体的にしていく必要があります。この段階で現地派遣者をプロジェクトリーダーとして選定する必要があります。
今回は、進出可能性の検討と派遣者の選定について、解説します。

進出可能性の検討
 進出計画を立案するにあたって、まず自社の現状、進出目的を踏まえて、次の事項について検討を加えます。
@自社の中長期的経営戦略との整合性
A自社の体制整備(派遣者の選定、専坦チームの組成、国内余剰員対策)
B資金調達手段(自己資金、金融機関借入、その他の調達、総予算額)
C会計事務所(会計/設立手続、人件費等諸経費の支払、決算、税金の支払)
D物流/現地での原材料調達、製品出荷、工場建設に伴う設備搬入等
E金融/設立資金、運転資金、現地での口座開設、輸出入代金の決済)
F海外進出に伴う国内取引先との調整(原材料供給先、納入先、通関・物流業者等)

派遣者の選定
 進出可能性の検討が終わると、進出候補地の選定、進出形態の検討、事前調査、仮のF/S(事業計画書)の策定、現地調査、仮のF/Sの修正、投資の可否判定および認可申請の手続と一連の流れとして進んでいきます。
したがって、進出可能性について、検討を行う初期段階で現地責任者としての派遣を前提としたプロジェクトリーダーを選定する必要があります。つまり、派遣する人に責任を持って計画を立ててもらうことが重要です。社内に適任者かいない場合は、外部からの招聘が必要しなります。
他人が立てた計画は、なかなか受け入れにくく、言い訳、失敗の原因ともなりかねません。現地事業が悪くなると、「誰が立てた計画だ。お前来てみてやってみろ(いわゆるOKY)。」と現地と本社とのギャップが生じることとなりますので要注意です。





H25.5.7
退職後の健康保険の選択肢

普通、企業に勤務している間は会社の加入している健康保険に加入しているので病気やけがをした時は必要に応じて保険給付を受けられます。しかし退職後はいずれかの医療保険を自分で選択し、新たに別の制度に加入する必要があります。一般的には国民健康保険に加入するか、退職時の健康保険を任意継続するケースが多いようです。

退職後に加入できる医療保険
 退職後すぐに再就職する場合を除き、次の4つの選択肢があります。

@自分の居住地の国民健康保険に加入する
 自営業者や定年退職者、フリーター等他の医療保険に加入していない方で原則として被保険者、被扶養者と言う区別はなく、加入者全ての人が被保険者となります。医療費の3割が自己負担です。保険給付は所得保障の傷病手当金はありません。保険料の算定方法は市町村により異なりますが、所得割、資産割、平等割、均等割等の組み合わせで前年所得の住民税額を基に計算されます。手続は退職日の翌日から14日以内に市町村の窓口で行います。

A退職前の健康保険を任意継続する
 退職日までに継続して2ヶ月以上健康保険に加入していた方は任意継続被保険者になれます。又、被扶養者も加入できます。保険料は今まで会社が負担していた保険料額と自己負担額を合わせた額となりますが上限設定があり、標準報酬が28万円です。最長で2年間加入でき、毎月の保険料の納付期限10日までに納付しないと納付期限の翌日より資格が無くなりますので注意が必要です。手続は退職日の翌日から20日以内に加入していた健保組合や居住地の年金事務所で行います。

B配偶者、親、子の被扶養家族になる
家族が加入している健康保険の被扶養者となれる条件は年収が130万円未満(60歳以上や障害者の方は180万円)であって被保険者の収入の2分の1未満である事。
年金や失業給付を受けていてこの額を超える時は被扶養者にはなれません。

C特定健康保険組合の特定退職被保険者
 厚労大臣の認可を受けた健康保険組合に退職時に加入していた方で厚生年金加入期間が20年以上あるか40歳以降10年以上ある方で老齢厚生年金受給資格のある方です。保険料は組合ごとで異なります。





H25.5.2
消費税増税前にチェック!
住宅にまつわる税額控除


消費税増税で変わる住宅ローン最大控除額
平成25年税制改正で、住宅借入金を有する場合の所得税額の特別控除、いわゆる住宅ローン控除は、現行の特例が平成29年12月31日まで適用期限が延長された上に、「消費税が増税されれば」最大控除額が引き上げられます。
ただし最大控除額の引上げは、「消費税引き上げ後の消費税税率が適用された住宅」についての措置(東日本大震災の被災者の場合は増税が無くとも引上げ)ですから、注意が必要です。
 一般の住宅を例に挙げると、控除率(1%)、控除期間(10年)は現行のままですが、借入上限金額が引上げられる(2000万→4000万)ため、年間控除限度額は20万から40万に、トータルでの最大控除額は400万円になります。

控除しきれない場合の住民税控除も変化
控除額をその年の所得税額から控除しきれない場合には、翌年度分の個人住民税から控除不足分を控除できることとされていますが、現行の控除限度額は課税所得金額等の5%(上限97,500円)から、課税所得金額等の7%(上限136,500円)に引き上げられます。

増改築については上限引下げも
省エネ改修工事・バリアフリー改修工事のための借入金にもローン控除が適用されますが、こちらの総額1,000万円は変わりませんが、控除率2%が上限200万円→250万円までに、控除率1%が上限800万円→750万円になります。
また、借入金を用いない認定長期優良住宅・省エネ改修工事等にも消費税増税に伴う改修工事上限限度額引き上げがあります。
以前は省エネ改修工事とバリアフリー改修工事を同一年中に行うと、税額控除額の合計額は上限20万円に制限されていましたが、平成26年4月1日をもって廃止されます。

結局今なのか、後なのか
 控除上限は増えますが、消費税増税で建築額は増加されますし、建物の大きさや価格、金利等で有利不利に影響が及びます。
 現状でリフォームや新築を考えている場合、慎重な判断が必要な時期と言えるでしょう。





H25.5.1
相続人なき遺産の行方


国庫に帰属するのが原則
相続人が存在しない場合には、その相続財産は国庫に帰属するのが原則です。
しかし、故人(被相続人)と長年同居していた内縁の配偶者のように、被相続人と一定の関係のある人を素通りして、国庫に財産が移行しては、被相続人の意思に反し、不合理だという見方もあり得ます。

特別縁故者への相続財産の分与
そこで、民法は、相続人が存在しないことが確定し、かつ、被相続人の特別の縁故があった者の申立に対し、家庭裁判所が相当と認めるときは、相続財産の全部又は一部を与えることを認めております。

特別縁故者とは?
@被相続人と生計を同じくしていた者
長年同居していた内縁の配偶者、事実上の養子あるいは養親、継親子、子の妻がこれにあたります。
A被相続人の療養看護に努めた者
被相続人と生計を共にせずとも、被相続人の療養看護に努めた親族、隣人、知人等がこれに該当します。家政婦や看護師でも報酬以上の多大な献身があれば、これに該当する可能性もあります。
Bその他被相続人と特別の縁故があった者
 @Aに準ずるような密接な関係で、被相続人が遺言していればその者に遺贈していたであろうと考えられる程度の者がこれに該当します。他人でもよく、自然人だけでなく法人でも認められます。例として、被相続人が経営者として私財を投じて財政的基盤の確立に努め、指導理念や行事に関与して、その発展に大きく寄与した学校法人、や養老院があります。

手間と時間がかかり、微妙な判断になることも
先に相続人が存在しないことを確定させるために、利害関係者又は検察官が相続財産管理人の選任を申し立てます。管理人による管理業務がなされた後、家裁から相続人捜索の公告をなし、その期間(6か月)が経過し、相続人がいないことが確定して初めて特別縁故者による分与請求ができます。
裁判所による判断は裁量に委ねられ、具体的・現実的に存在した被相続人との縁故の濃淡で判断されることになります。