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H25.6.29
外国人労務 「雇用」以外の契約形態

外国人の方が日本で適法に在留するためには、27種類ある在留資格のうちどれか一つを得ている必要があります。これら在留資格は、その外国人の身分(日本人の配偶者である場合など)に基づき交付されるもの、またはその外国人の活動内容に基づき交付されるものとに大別され、このうち活動内容に基づき交付される在留資格については、更に就労が可能な資格と原則就労不可能である資格に分けられます。

契約形態は雇用契約に限らない
 就労可能な在留資格のうち、いくつかの資格においては、その外国人が特定の機関との継続的な「契約」を結んでいることが求められます。一般的には、会社と雇用契約を結び就労可能な在留資格を得ることが大半ですが、この「契約」は雇用契約だけに限らず業務委託契約や委任契約、派遣契約なども該当しえます。「外国人労働者の知識・スキルを事業に活かしたいが、雇用契約よりもその他の契約形態の方が業務の性質上適している」といった企業であっても、雇用という形ではなく委託や派遣などの形で契約することにより、外国人の方に働いてもらうことが認められる場合があるのです。

雇用契約以外の契約形態の注意点
ただし、在留資格が得られる可能性については、通常の雇用と比べそれ以外の契約形態の方が申請手続きは煩雑になります。
在留資格の申請においては、その外国人が日本で継続的、安定的に生活できる基盤を立証することが非常に重要となります。雇用以外の契約の場合、一般的に雇用契約よりも活動や報酬の安定性が低いとみなされることが多いため、雇用契約同様にその契約が期間・報酬ともに安定的なものであることを証明しなければなりません。たとえば派遣契約を結ぶ場合、派遣が継続的なものであること、報酬額についても正社員と同程度以上の額が保障されていることが望まれ、これらは在留資格の申請時既に確定されている必要があります。また、申請時には企業の事業内容が適正であるかといった点も審査対象となりますので、派遣契約であれば派遣元が労働者派遣法による許認可を受けていることや必要な届出を行っていること、諸法令に基づく労務管理が行われていることなども重要になります。





H25.6.28
消費税 TaxHaven

ネット取引はグローバル(無境界)
電子書籍や広告を配信している、楽天などインターネット関連の大手企業が、配信拠点を海外に移す検討をしている、との報道があります。日本の消費税不課税の海外ネット大手と競争条件をそろえるため、との理由です。
国境を越えた取引でも、税関を通過するものには、そこで課税できますが、ネットの中だけで取引が実現してしまうものには、消費税の課税をすることは限りなく不可能です。それで、日本の消費税法も、最初から課税を想定していません。

日本の消費税課税への侵蝕
配信拠点の海外移転によって、消費者の負担する消費税は完璧にゼロになります。即ち、海外配信拠点への国内事業者からの配信データの引き渡しは『輸出』に該当し、それまで累積されている仮払消費税はその『輸出』の際、全額還付され、国内事業者に累積消費税の負担が残らないので、消費者に価格転嫁する必要がありません。
ネット取引が非課税だったら、この消費税還付は無くて、事業者の負担のままになりますが、輸出は税率ゼロの課税なので、還付されるのです。
そうすると、事業者に負担が無いならば、事業そのものの海外移転は必要ないので、事業の空洞化は起きません。そのかわり、課税の空洞化が起きます。

ゼロ税率課税を廃止したら
課税の空洞化を阻止する方策としては、ゼロ税率を廃止して、非課税とする、という案があり得ます。
ゼロ税率という輸出免税制度は、輸出産業に対する事実上の補助金なので、輸出免税の廃止は、輸出産業の国外移転を促進することになり、故に、非課税化は難問です。
しかし、外貨獲得に貢献するわけではない、配信拠点だけの海外移転のようなものに限定した非課税化は有るかもしれません。

国際消費税多国間条約の創設
消費税が世界標準の課税制度だったら、ネット取引に関する多国間条約を創始して、国際間共通税率を設定して、ネット取引の発信者を通じて、ネット取引利用者への課税をすることもあり得ます。ただし、消費税に関しては、アメリカは世界最大のTaxHaven国なので、これも難題です。





H25.6.27
国境を越えると無課税

国境に消える法人所得への課税権
支店、出張所等の事業所、工場、倉庫などをPE(恒久的施設)といい、日本国内にPEを持たない外国法人は日本への申告・納税義務がなく、PEを持つ場合には日本国内源泉所得が課税対象となります。
米国Amazonは日本国内にPEを置かないままNet販売で日本顧客と取引し、米国で売上計上し、日本への法人所得に係る納税義務がないものとしています。
楽天とAmazonが同じNet書籍販売をしている場合、楽天は、日本への納税をしますが、Amazonはしないので、競争関係はAmazonに有利、楽天に不利です。
なお、このケースでは、Amazonは日本に消費税の納税はしています。

消費税も国境を越えると課税が無くなる
書籍も、電子書籍になると、流通はNet上だけで実現してしまい、国境を簡単に越えてしまいます。
輸入品には、輸入時点で、税関が『輸入者』に消費税を課しています。しかし、消費税課税があるのは、『外国貨物』に対してであって、ネットで配信されてくるものは『外国貨物』の概念に含まれません。課税実務的にも、ネット配信の商品・サービスを捕捉しきるのは困難であり、課税対象とすべき『輸入者』を捕捉することも困難なので、日本は最初から課税を諦めています。
楽天 とAmazonが同じことをしている場合、Amazonは所得課税だけでなく、消費課税からも逃れ得るので、競争優位は一層大きくなります。

それでは拠点を海外に移してしまおう
電子書籍や音楽映像などのNet配信国内企業がその販売窓口を海外法人に移すと、海外法人のNet販売売上に係る消費税はゼロになります。
それと同時に、その海外法人に、配信直前まで完成したデータを国内事業所から引き渡すとした場合には、それは、輸出売上になります。
輸入と異なり、輸出では、海外法人への役務の提供は、消費税の課税対象です。ただし、税率ゼロです。
すなわち、受取消費税はゼロ、そして、それまでの累積仕入税額は全額控除、となりますので、還付消費税を受け取ることになります。
こうして、楽天は漸く、消費税に関してAmazonと対等になります。





H25.6.26
建設業法施行規則の改正と社会保険加入促進の動き

社会保険未加入企業に厳しい減点
今年5月1日、建設業法施行規則及び関連告示が改正され、7月1日より経営事項審査において新しい審査基準が適用されることとなりました。経営事項審査とは、財務状況や規模等からその建設事業者の経営状態を審査する制度で、公共工事の入札に参加する際には必ず事前に受けておかなければならないものです。この審査において、社会保険の加入状況についてこれまでは@雇用保険に加入しているかA健康保険及び厚生年金保険に加入しているかの2項目に分けて審査していましたが、新基準では@雇用保険に加入しているかA健康保険に加入しているかB厚生年金に加入しているかの3項目に細分化され、更に未加入の場合の減点幅がこれまでの30点から新基準では40点に拡大されます。
また、11月1日からは建設業許可の許可・更新申請時に、保険加入状況を記載した書類を新たな添付書類として追加される予定であり、今後社会保険の加入が建設事業者に一層求められる模様です。

社会保険加入促進の動きと各諸官庁の関係
 社会保険についてはここ数年に渡り、厚生労働省による加入適用を進めていましたが、本年度はより一層強化する予定です。同省は今年5月、厚生年金へ加入義務があるにも関わらず加入せず、保険料を払わない悪質な企業の事業主を厚生年金保険法違反容疑で警察に告発・公表することを決めたことを発表しました。社会保険の未加入事業所総数は近年、10万前後で推移しているとされ、これに対し同省は3年以内に半減させるとの方針を打ち出しています。
 こうした中で今回改正された建設業法施行規則ですが、加入率促進の動きは建設業許可事業者に限らず、他の許認可等を管轄する諸官庁にも見られます。外国人の在留を管理する入国管理局では、加入促進のため平成22年4月1日より在留資格の変更や在留期間更新の際には申請時に窓口で保険証の提示を求めるようガイドラインを公表しています。現在、同ガイドラインでは、保険証を提示できないことのみで在留資格の変更や期間更新を不許可にすることはないとしていますが、厚生労働省がこうした方針を強化した以上、影響力が増すことも否定はできません。今後はこのような各諸官庁を媒体とし更なる取締りを進める方向にあるのか、意識をしたいところです。





H25.6.25
分析考課と総合考課

 人事考課の実務では「分析考課」と「総合考課」と言う二つの方法を使います。
 「分析考課」とは、考課項目ごとに考課を行うことで、「総合考課」とは全体的に考課することを言います。

二つの考課方法の特徴
 二つの考課方法には次のような特徴があります。
@ 「分析考課」は、例えば“計画力・判断力などの考課項目ごとに考課を行うこと”であるから、被考課者の行動事実を観察して、その特性を明確に捉えることができる長所がある一方で、全体的に捉えることは出来ない。
A 「総合考課」は、“被考課者の業績や発揮能力などの仕事ぶりを全体として観察して考課を行うこと”であるから、文字通り総合的に捉えることができる長所はあるが、考課者が被考課者に対して先入観を持っている場合には誤った考課に陥り易い欠点がある。

考課者が陥り易い誤り
 考課者は部下の日常の仕事ぶりから、その性格や得手・不得手などを知っており、好き・嫌いの感情を持っていることが多いと言えましょう。そして、“好き・嫌いの感情”は、被考課者の全人的な“優れている・劣っている”と言う先入観に転化しやすい傾向があります。
 その場合、考課のやり方としては、意識的、無意識的に、まず「総合考課」を行い、次に「分析考課」でつじつまを合わせることになりがちです。これを“逆算考課”と言って、人事考課の禁じ手になっています。

経営者・考課者の留意点
 人事考課は、被考課者の業績や行動事実から、的確に判断して行うことが公正性・納得性を高め、人を育てることにつながります。留意点は次の通りです。
@ 経営者は考課者(部長・課長などの上司)に、被考課者に対する先入観を排するなど正しい考課のやり方をトレーニングし、熟知させる。
A 考課の実務手順は、まず「分析考課」を行い、項目ごとに考課してから、「総合考課」を行って、逆算考課”を防止する。
B 「総合考課」では、「分析考課」の優等生タイプばかりでなく、項目別考課のバランスは悪いが、特長がある“尖った(一芸に秀でた)人材”の発見に努める。





H25.6.24
今年の税制改正
二つの雇用促進税制の使い分け

国内雇用者給与拡大促進税制の創設
 従業員の給料を増加させた場合、経済活性化に貢献するものとしてご褒美のような税制が創設されました。
 平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度(個人事業者は平成26〜28年)において、この期間開始直前事業期間の国内雇用者給与総額よりも5%以上支給額が増加した場合、その増加額について10%の税額控除を認めるというのが制度の内容です。
 なお、適用期間中においては、雇用者給与支給額が前事業年度の雇用者給与支給額を下回らないこと、かつ、平均給与支給額も前事業年度の平均給与支給額を下回らないこと、との要件があります。また、雇用者数増加促進税制とは重複適用できず、選択適用となります。

旧来からの雇用者数増加促進税制の拡充
 雇用者数促進税制について、税額控除限度額が増加雇用者数一人当たり20万円から40万円に引き上げられました。制度の概要は次の通りです。
@当期中に増加した雇用者(雇用保険の一般被保険者)一人当たり40万円の税額控除ができるが、法人税額又は事業所得に係る個人所得税の10%(中小企業にあっては20%)との制限がある。
A前事業期間と当事業期間に、事業主都合での離職者がおらず、中小企業では2人以上で且つ10%以上の雇用者数増加を実現していること。
B当事業期間における給与支払総額が次の算式額以上であること。
(前期給与総額×雇用者増加率×30%)
 この改正は、平成25年4月1日以後開始する法人の各事業年度(個人事業者は平成26〜28年)において適用されます。

適用要件の留意事項
 両方適用になるケースは少ないでしょうが、雇用者給与拡大促進税制と雇用者数増加促進税制とは選択適用です。
 雇用者給与拡大促進税制は、事実として適用可能な実態になっていれば適用される制度です。それに対して、雇用者数増加促進税制は、ハローワークに、適用を受けようとする事業年度闘始後2月以内に「雇用促進計画」を提出し、かつ事業年度終了後2月以内に「雇用促進計画」の達成状況の確認をして、雇用保険被保険者数の増加が公的に確認されていることが必要です。





H25.6.21
現場リーダーの育成

 課・係などの現場リーダーは、トップと一般従業員の接点で活躍する、言わばトップの分身とも言える存在です。
 それだけに、トップの問題意識・方針・経営課題・施策を正しく受け止めて自部署としての具体的な問題・課題に置き換え、部下に浸透させて解決を主導できる人材でなければなりません。
 言い換えれば、トップの示した課題に基づいて改革推進を図る意識・実行力が高い積極的なリーダーシップをもった人材を育成し、配置することが肝要です。

現場リーダー育成のポイント
 どのように現場リーダーを育成すべきか、そのポイントは、トップ自身が現場リーダーやその候補者に直接会社の現状や外部環境の変化を踏まえた経営改革の必要性・経営課題・解決への思い・期待を語りかけ、やる気を高め、改革へのベクトルを一致させ、積極的改革への動機付けを行なうことにあります。
 管理者研修は、このトップからのメッセージから始め、次に現場の問題発見・課題解決のマネジメントを如何に実行するか、その方法を学習し、現場リーダー層が自己のマネジメントのやり方を研究し合う場にすること、すなわち技法だけを学ぶのではなく、トップからの動機付けとセットで技法と現場改革推進マネジメントの実践方法を学び、自ら考え、研究し合って実践への決意を固める場とするのが効果的です。

強い現場づくりと企業文化
 このような現場リーダーの育成は、現場従業員が共通の目標に向かって団結し、部署間・職場間で助け合いながら改革を押し進め、達成感を分かち合う強い現場づくりに帰結します。
 そして、現場リーダーを核にして全部門を巻き込んだベクトルが一致した改革を継続して行くと、やがて従業員の積極的・主体的な意識・行動が社内に定着し、組織のタテヨコの風通しが良く、トップの示す経営戦略・経営改革施策の現場展開、現場からのリアルな問題提起と対策の上申がスムーズに行われる「トップダウンとボトムアップが噛み合ったスピード経営の企業文化」が形成されます。
 企業文化は“人・モノ・金・情報に次ぐ第五の経営資源”と言われ、常に外部環境変化に柔軟に適応する経営戦略展開の力となります。





H25.6.20
今年の税制改正
同族株式・社債等への新課税制度


証券会社での捕捉管理可能、不可能の指標
 今年の税制改正で、従来の仕組みを抜本的に改組することになった公社債等に係る課税制度では、実質的には、証券会社での捕捉管理が可能なもの、不可能なもの、という指標で特定公社債等、一般公社債等という分類がされています。

一般公社債等への新課税制度
 一般公社債等とは、特定公社債以外の公社債や私募の各種投資信託などをいい、それへの課税方式は、次のようになりました。
@ 一般公社債等の利子については、20%(所得税15%、住民税5%)源泉分離課税が維持されます。次のAとの通算はできません。
A 一般公社債等の譲渡損益も非課税から課税に変わり、税率が20%(所得税15%、住民税5%)の申告分離課税制度になりました。一般公社債等の満期償還金・解約償還金も譲渡収入として扱われます。一般公社債等の各々の譲渡損益は通算されますが、通算の範囲はやや拡大されて、非上場株式等の譲渡損益とも通算されます。
B 上記@Aにかかわらず、同族会社が発行する社債の利子や償還金でその同族会社の役員等が支払いを受けるものは、総合課税の対象とされます。上記の@の利子との通算はできません。

金融証券一体化の進化として
 上場株式等に係る譲渡所得等と非上場株式等に係る譲渡所得等とが別々の分離課税制度とされていることに歩調を合わせて、次のように改組されました。
@ 特定公社債等及び上場株式等に係る利子等・配当等・譲渡所得等の分離課税
A 一般公社債等及び非上場株式等に係る譲渡所得等の分離課税

上場グループと非上場グループの垣根
 この@及びAのそれぞれのグループ内での通算の範囲は相当に拡がりました。それとは引き換え、@とAとの垣根を越えた損益通算はできないこととなりました。
 社債と株式の分類よりも、上場か非上場か、同族か非同族か、オーナー会社か非オーナー会社か、市場性があるかないか、の分類の方が重要になったのです。
 ただし、@とAの垣根を越えて損益通算、繰越控除ができるものが一つだけあります。エンジェル株式に係るその取得価額及び譲渡損失の控除です。特例中の特例です。





H25.6.19
今年の税制改正
公社債等に係る新課税制度

屋台骨を改組した金融証券税制
 今年の税制改正は消費税増税への世論向け配慮としての富裕層増税が目立っていますが、税率を上げるといような形式のものが多い中で、従来の仕組みを抜本的に改組することによって、富裕層課税の強化を実現したのが金融証券税制です。

譲渡益非課税から課税へ
 屋台骨の組み換えの第1は、公社債等の譲渡による損益は非課税とされていたものを課税に変更したことです。
 ただし、平成27年12月31日以前に発行された割引債で発行時18%や16%の源泉分離課税がされているものの償還金や譲渡所得についてはひきつづき非課税です。

源泉分離から申告分離へ
 屋台骨の組み換えの第2は、公社債等の利子の源泉分離を廃止し申告分離に変更したことです。公社債等の利子は20%源泉分離課税(国税15%、住民税5%)というのが原則でしたが、源泉徴収制度は維持されるものの、課税制度は、税率が20%(所得税15%、住民税5%)の申告分離課税方式に変更されました。

課税緩和の側面もある
屋台骨の組み換えの第3として、この課税化された譲渡損益と申告分離化された利子との間の損益通算が可能となりました。
通算しきれない損失は3年間の繰越控除ができることとされました。

株式課税との一体化
屋台骨の組み換えの第4として、損益通算の範囲は拡大されて、同じく申告分離課税制度を選択した上場株式等の譲渡損益及び配当所得とその繰越控除にまで及ぶことになりました。

申告不要の制度も用意された
屋台骨の組み換えの第5として、公社債等の譲渡損益と利子(源泉徴収(特別徴収)されたものに限る)については、源泉徴収選択特定口座の上場株式等の場合と同じく、損失の繰越控除と無関係であれば、申告不要とすることができることになりました。

証券会社での捕捉管理不可能なものの除外
屋台骨の組み換えの第6として、上記の制度における公社債等の仲間から、証券会社での捕捉管理が不可能な、同族会社の私募債のようなものは除かれることになりました。公社債等への課税方式と株式等への課税方式が類似の形なり、金融証券税制の一体化が飛躍的に進化しました。





H25.6.18
今年の税制改正
延滞税の基準変更と税率引下


悪評ふんぷん、時代の遺物
 延滞税の税率は、デフレ下の実質マイナス金利の時代に14.6%と超高利貸しの水準のまま20年以上も維持されていました。公定歩合が9%なんていう昭和の時代の遺物で、悪評ふんぷんでした。
その見直しに当り、延滞税・利子税等の決定基準を所謂公定歩合から、日銀が毎月公表する「国内銀行の貸出約定平均金利(新規・短期)」という市場金利の実態に基準を置くことにしました。

歓迎すべきながらそれでも1%は高利貸的
 遅すぎる始末ですが、この改正の内容とその結果は、次のようになりました。
@年14.6%の延滞税は、特例基準割合に7.3%をプラスした率になりました。(9.3%)
A年7.3%の延滞税は、特例基準割合に1%をプラスした率になりました。(3%)
B特例基準割合は日銀公表の貸出約定平均金利に1%をプラスした率です。この率は、税金還付の際の還付加算金の率、納税猶予の際の率、手続きを踏んだ利子税の率などに使われます。
(2%)
 もし、貸出約定平均金利が1%だとすると、上記の@ABの各々の率はその末尾に( )で表示した率になります。現行の公定歩合基準方式に比べて、確実に半分前後割安になっていますので、歓迎すべき改正と言えます。
 ただし、それでも、国は市中の金利より最悪でも1%以上高利貸し的であることを確保しています。

非人道的な制度の遅々たる改正
 本来的には、歓迎すべきと喜ぶ改正なのではなく、その改正の遅さの非人道性に怒るべきなのかもしれません。
昨年と一昨年には、自己破産を強制するような、もっと悲惨な非人道的な事項であった連帯納付義務の改正が行われ、職権更正と更正請求期間の権力主義的著しい相違も改正されました。
民主主義社会での制度的非人道性には、もっと目を光らせ、異議申し立てをすべきことと思われます。
この改正は、平成26年1月1日以後の期間に対応する延滞税・利子税等について適用されます。





H25.6.17
トップの直接対話


 トップの“現場との直接対話”は、現場を活性化させる特効薬です。
 トップ自らが全ての現場へ足を運び、従業員と膝を交えて直接対話する、すなわち
・トップの外部環境認識などの問題意識
・実行しようとしている政策・実施方針
・現場への期待
をじっくり説明し、熱く語る。
 その上で従業員の意見を真剣に聞いて受け止め、かつ意見交換する。
 このようなことを“トップの直接対話”と言うことにしましょう。

“トップの直接対話”の効果
 “トップの直接対話”は次の効果を生み出します。
1.現場のやる気を起こさせ、活力が生まれる。
2.トップが現場で語った価値観が、意慾的な行動となって現場に広がる。(例えば、現場間で連携した問題の発見と共同解決が自主的に進む、など)
3.現場の管理・監督者が刺激を受け、第一線従業員の声を従来以上に真剣に聞き、現場の問題を発掘し、改善へのマネジメントを進化させるようになる。
4.トップにとっても“現場との直接対話”で得た問題や対策意見は、生きた情報として自信をもって活用でき、社内の問題・課題解決方針を示す際におおいに役立つ。
5.役員・管理者も現場を直視することの重要性に気付き、現場から問題を汲みあげたり、改善のマネジメントを行うことに熱心になる。
“現場との直接対話”は、このような多面的な効果が期待できるので、正に特効薬と言って良いでしょう。
 事実、“車座会議”と称して“全ての現場との直接対話”を実施したあるメーカーの社長は、現場のやる気を起こさせて、業績のV字回復を果たしました。

社内研究発表会などの活用
 社内で様々な改善活動の研究発表会が行われる場合、トップが進んで参加し、社内組織の連携した問題発見、共同解決などの視点で直接質問したり、意見交換に加わることも、全体最適の考え方を浸透させるのに効果的です。ただし、このような発表会の場では、トップの発言に参加者が遠慮しますから、最期に質問するなど気を使うべきです。





H25.6.14
医療法人の特殊性 社員と出資

 社員と言えば、一般的に社団法人等の構成員をさします。株式会社では社員=株主、持分会社でも社員=出資者、また、中小企業等協同組合であれば組合員=出資者です。                  
 しかし、持分の定めのある医療法人にあっては、必ずしも社員=出資者ではありません。

社員(出資)の権利
 社員たる地位は、いわゆる社員権は社団の特殊性によりその権利に差異があります。社員権には、一般的に、共益権と自益権があると言われ、前者は議決権であり、後者は配当請求権、残余財産分配請求権、持分の払戻し請求権等です。この社員権、一定の制約はあるもののそれ自体譲渡等の対象となって、投下資金の回収や所得等をももたらします。それ故、その地位は相続税・贈与税の課税の対象になります。

医療法人の出資の特殊性
 持分の定めのある医療法人の出資者としての社員権は特殊です。医療法人の社員権、共益権は一身専属でその譲渡はできず、譲渡できるのは、自益権(出資持ち分)だけです。もちろん、その譲渡はまったく自由で、非公開株式会社や持分会社、協同組合等のような制限はありません。

出資者たる社員の自益権(財産権)
 また、医療法人は剰余金の配当が禁止されていることから、持分の定めのある医療法人の社員である者の出資の財産権は、持分の払戻し請求権と残余財産分配請求権だけです。この持分の払戻し請求権は、社員資格を喪失(退社・死亡)したときに請求することができます。
 また、社員の死亡の場合は、その相続人は「出資持ち分」を相続することに代えて「払戻し請求権」を相続することもできます。この払戻し請求権、時効は10年です。

出資者たる非社員の自益権(財産権)
 一方、非社員の出資者には、持分の払戻し請求権はなく、残余財産分配請求権のみです。したがって、その相続人は、その出資持ち分たる残余財産分配請求権のみを相続するだけです。医療法人が解散しない限り、その価値は実現しません。まさに、社員か非社員かでその取扱い雲泥の差です。
 にもかかわらず、社員と非社員のその出資持ち分の相続税・贈与税の評価額は同じです。
 非社員の相続人は、その財産権を復活させるためには、社員となるか、それとも出資持ち分を当該医療法人の社員に譲渡する以外にないようです。





H25.6.13
補助金を活用しテークオフ!

補助金公募が始まっている
 新年度の予算が国会を通過して、補助金の公募が始まり、補正予算の補助金はすでに公募を締め切ったものがあります。
 ものづくり関連の補助金、創業関連補助金や商店街活性化関連などの補助金は、予算額が大きく2次や3次公募があります。公示を常にチェックする必要があります。

事業が政策目的と合っていれば申請
 事業の方向性と合致している補助金は申請されることがお薦めです。資金が欲しいからといって、事業を曲げてしまっては補助金を得ても事業がうまく行きません。
 申請書をうまく書けば採択されると思いがちですが、書き方で落とされることはまずありません。
 政策目的に沿った事業に補助金をつけ、当局は事業を支援して政策目的を実現したいので、事業と政策目的が合っていることがポイントです。資金が要るので申請しても、補助金が出てくるのではありません。

補助金の対象費目を絞れば楽になる
 事業終了後、期日内に報告書・支払証憑などを提出し審査をパスした後、補助金を受け取ることができます。この手続きは大変なので、申請をしない企業があります。 楽に申請するには、申請する費目の数を減らすことです。補助対象となる経費を金額が張るものだけにして、消耗品費等の細かなものは補助対象でも申請しなければ簡単になります。人件費や交通費も補助対象ですが、日報など記録となる書類が要ります。人件費に補助金を充てたいのであれば、それなりの支出管理を日ごろから行っていなければなりません。

補助金と助成金の違い
 補助金も助成金も、国や地方公共団体等から支給され、原則返済する義務のないお金のことです。財源は公的な資金から出されるので、誰でももらえるわけではなく、申請や審査が必要になり、一定の資格が必要な場合もあります。
 「助成金」と呼ばれるものは要件を満たせば受給できる可能性が高いです。「補助金」は採択件数や予算額が決まっているものが多く、申請したからといって必ずしも受給できるわけではありません。この違いを頭に入れて申請したらよいと思います。





H25.6.12

企業の健康診断の実施

生活習慣病予防検診
 労働基準法にも定められている事項に年に1度の職場の健康診断があります。     受診は加入している健康保険で費用補助を受けて行う事が多いと思いますが、ここでは協会けんぽの予防検診について実施の流れを見てみます。
健診の対象者は、その年度内に満35歳から74歳の方です。年度内に75歳の誕生日を迎える方は74歳のうちに受診する事となります。健診の種類は一般健診の他に一定年齢以上の方が隔年で子宮けいがんや乳がん検診も受診出来ます。また、40歳、50歳、60歳、70歳の方を対象として付加健診が受診でき、さらに詳しい健診を受ける事が出来ます。

申し込みから受診まで
 3月末ころに「生活習慣病予防検診のご案内」のパンフレットや申込書が会社に送られてきます。これらは協会けんぽのホ−ムページ(以下HP)からもダウンロード出来ます。申込書の手書きが面倒な方や、支店ごとに対象者をパソコンで管理したい方、受診時期がバラバラで何度も申込用紙を作成送付するのが面倒な方はHPからの申し込みも可能です。
まず、受診を希望する日を健診機関に予約する必要があります。パンフレットやHPに掲載されている健診機関から受診したい医療機関に連絡をし、受診日を決定、予約を入れます。協会けんぽに契約している全国の健診機関で受診できます。
 会社の担当者は会社を管轄する協会けんぽに申し込み用紙を記入後控えは会社に保管し、提出します。今年から申込用紙をインターネット経由で作成し、申込もできるようになりました。
健診を受ける日が近づくと受診機関からお知らせが届くのでそれに従い受診します。受診日には健康保険証を持参します。

被扶養者や若年者の健診は
 健診は40歳以上74歳の被扶養者も受診出来ます。又、H25年度から被扶養者の受診券は直接自宅に送られるようになりました。
 健診費用は一部が補助され、自己負担額の上限がありますので比較的安価で受診が出来ます。補助の対象外の若年層等は受診機関で若年者健診の費用を確認して、受診させましょう。





H25.6.11

今年の税制改正
バリアフリー改修減税で立法ミス

財務省が立法ミスで記者会見
 財務省はホームページで、バリアフリー税制に関して、次のように、
@平成29年12月31日まで期限延長し、限度額を200万円とする
A平成26年4月1日までの間の経過措置として、200万円を150万円に読み替える
と、すべきところAの規定の立法洩れをしてしまった、と書いています。

朝日新聞はフライング減税
 朝日新聞の「フライング減税」というネーミングも話題を呼びました。同紙は、税制改正法で「来年4月以降」という規定を記し忘れたためで、過去に例がなく、税収減1億円、関係者は処分、と報じています。
 他紙の報道でも、ミスの内容を、平成26年4月以降分の控除上限枠を1年3ヶ月早く前倒しで引き上げ、と伝えています。

バリアフリー改修と省エネ改修
 ローンなし住宅改修税額控除には、耐震・バリアフリー・省エネの3つがあり、そのうち、バリアフリーと省エネは同一の条文に規定されています。
 そうすると、省エネには立法ミスがなく、バリアフリーにのみ立法ミスが起きたのはどうしてか、と疑問が湧きます。

読み替え規定はないのか
 バリアフリーと省エネの条文は平成24年12月31日で期限切れ、新改正法は平成26年4月1日〜平成29年12月31日の期間適用の規定として立法されています。
 平成25年1月1日〜平成26年3月31日の期間については、法律の附則で「なお従前の例による」という文言をおいて、期限延長と読み替えをしています。

前倒立法ミスではなく遡及適用排除ミス
 「従前の例による」との文言は、期限切れになった条文がそのまま継続適用になるとの意味です。期限切れ条文をみると、
@バリアフリー・・・200万円を超える場合には200万円とし、平成24年分については、150万円を超える場合には150万円
A省エネ・・・200万円を超える場合には200万円とし、太陽光パネル設置工事を行う場合で300万円を超えるときは300万円
となっています。
 すなわち、「直前の例による」ではなく、「従前の例による」では、バリアフリーでは、平成24年以外は200万円との規定なので、遡及期間の限度額が復活してしまう、ということになったわけです。これが立法ミスの実体です。





H25.6.10
同じ払戻しでも
資本の払戻しと出資の払戻し等

資本の払戻し
 株式会社では、直接、資本金の額そのものを払い戻す(有償減資)ことはできません。一旦、資本金の額の減少手続きを実施して、減少した資本金を資本剰余金に振替えて払戻しの手続きを実施する以外にありません。上記手続きを仕訳で表記すれば次のようになります。
  資本金/資本剰余金 ×××
  資本剰余金/現預金 ×××
 税法においても、資本の払戻しについては、株式に係る剰余金の分配で当該分配が資本剰余金の額の減少を伴うものと定めています。
出資の払戻し等
 一方、株式会社の自己株式の取得、持分会社(合同会社には一定の制約がある)や事業協同組合、さらには持分の定めのある医療法人等の出資の払い戻し、持分の払戻し、出資の消却(以下「出資の払戻し等」という。)にあっては、直接、資本金の額又は出資金の額を減少(自己株式取得の場合は資本金等の額のマイナス)して実施することができます。
払戻しにおける税務上の異同
 資本の払戻しも出資の払戻し等もその払戻しに伴う交付金銭等が資本金等の額を超える場合には、その超える部分の金額についてはみなし配当として取り扱われます。  
 また、「交付金銭等の額−みなし配当」の金額は、株式等の譲渡所得等に係る収入金額とみなされています。それ故、取得した株式及び出資金の額が資本金等の額と異なるときは、株式等に係る譲渡損益が生じることになります。
 ところで、出資金の払戻し等にあっては、当該払戻しが資本金等の額以下であれば、みなし配当の生ずる余地はありません。
 しかし、資本の払戻しに関しては、その払戻しが資本金等の額からなされていても、当該払戻し法人の純資産の部に利益剰余金がある限り、みなし配当が生じます。資本の払戻しには留意が必要です。
 なお、出資の払戻しが資本金等の額以下であっても、それが特定の出資者に対するものである場合には、他の出資者にみなし贈与課税が生じるケースもあります。





H25.6.7
悩ましい交際費実務
社名入りゴルフボール

1. 社名入りゴルフボールは交際費か?
 「交際費」の実務には、悩ましいものがいくつかあります。
 「カレンダー、手帳、扇子、うちわ、てぬぐいその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用」は交際費等の範囲から除かれます。
 この「その他これらに類する物品」は、広告宣伝効果を意図して不特定多数の者に配布するようなものを念頭に置かれています。会社名や商品名が記されている少額の物品贈答は、敢えて交際費と取扱わないという趣旨なのです。
 国税職員等が編集に関与している「措置法通達逐条解説」(H19版)には「例えば、社名入りライター、社名入りゴルフボール(1個又は2個程度を配布するものに限る)、価額が少額なシャープペンシル又はボールペン、社名入り煙草等のようなものである」と記されています。

2.「広告的な意図」を立証できるか否か
 ただ、この社名入りライター・ゴルフボール等の例示が誤解を招きやすく、「物品の属性」ばかりに着目して、「広告宣伝的意図」が軽視された表現だとの指摘もあります。
 つまり、社名・商品名が入っている少額な物品でも、「配り方」によっては、広告宣伝的な意図がないものとして、交際費認定されるため注意が必要なのです。
 ここで「広告宣伝的意図」については、贈答の対象者が「不特定(一般)」か「特定者」であるかがメルクマークとなります。
 社名入りゴルフボールが、得意先のゴルフ愛好家に使用されるということならば、「特定者」に対するものであり、広告宣伝というより、「贈答」として捉えられ交際費課税されます。

3. プレーヤー名の印字はOUT!
 「自社の得意先に一律に交付している」という主張が通れば、広告宣伝費とされる可能性もありますが、現状の税務調査におけるゴルフは、まだまだ「一般レジャー」としては認識されておらず、立証には困難が伴うことが予想されます。
 ホールインワンの記念に、社名と共にプレーヤー名を印字して、ケース付で贈呈したとなると、「交際費」認定はまぬがれないでしょう。





H25.6.6
課税上の整理
医療法人もいろいろ


 一口に医療法人と言っても医療法上いろいろとあり、また、国税庁長官が承認した医療法人もあります。これら医療法人は、その存立基盤が制度上異なることから、課税上も異なる取扱いがなされています。

持分の定めの有無による整理
 医療法人を分類・整理する場合、社団か財団かの整理もありますが、特に、相続税・贈与税及び所得税の視点から課税関係を整理する上では、持分の定めの有無によって法人を区分した方が有益と考えます。
持分とは何か、ですが、自己の出資した法人の財産に対する権利の割合を示す概念です。持分の定めがない、ということは、法人の財産に対する権利の割合はゼロ、ということです。
 持分の定めのない法人として、社会医療法人、特定医療法人(国税庁長官が承認)、そして、平成19年4月1日以後設立された医療法人、さらには、まれなケースですが持分を放棄して一般の持分の定めない医療法人に移行した法人等が挙げられます。                   
 持分の定めのない医療法人にあっては、法人の財産に対する権利を持つ人はいませんので、相続税・贈与税、所得税といった課税上の問題は生じません。
 一方、持分の定めのある医療法人ですが、平成19年4月1日前に設立された法人で上記列挙した法人以外の法人で、一般的に、経過措置型医療法人と呼ばれています。
 出資者は、医療法人の財産に対する権利を持っていますので、当該持分の相続・贈与又は持分の払戻し、譲渡等といった場合には、相続税・贈与税、所得税といった課税関係を招来させます。

全所得課税か否かによる整理
 法人課税では、社団や財団又は持分の定めの有無にかかわらず、原則、全所得に対して課税が行われ普通法人と変わりありません。が、社会医療法人については、公益法人として位置付けられていますので医療保険業以外の収益事業から生じた所得に対してのみ課税の対象となっています。
 また、特定医療法人は、税率が軽減されているだけで全所得に対する課税であることには変わりありません。
 もっとも、持分の定めのない医療法人にあっては、基準期間がない法人の消費税の納税義務の免除特例、住民税の均等割の税率、寄附金の損金不算入、交際費等の損金不算入といった局面では持分の定めのある法人と異なる課税関係になります。





H25.6.5
“鈍感な現場”の改革


 “鈍感な現場”とは、問題が起こっても気づかず、自ら解決することができないか、問題に気がついてもその原因追求が甘く、改善に手間取る現場です。
例えば、自社の商品やサービスに顧客が不満を持っていても、営業担当者が気づかず、たとえ気づいたとしても、その原因追求や改善がスピーディーに行われない、生産現場で不良品が発生しても、原因がなかなかつかめず、改善も進まない、といったような現場を言います。

“鈍感な現場”の害
 このような現場は自ら問題を発見したり、解決する積極的な姿勢や能力を持っていません。
 しかし、品質・コスト・安全などの問題は現場でなければ気付くことができず、改善のヒントを見つけることも出来ません。
したがって、“鈍感な現場”をもっている企業は、自社の商品・サービスに対する顧客満足度を低下させ、無駄なコストをかけ、人材が育たないなどから競争力が低下し、結果として売上高・利益が減少し、衰退することになります。それは、多くの場合現場のリーダーシップの不足が根本的な原因です。

自己完結的現場への改革
 “鈍感な現場”を生まれ変わらせるポイントは、「自己完結的な問題解決能力」をもつ現場にすることです。
 すなわち、自ら問題を発見し、原因を追求し、改善して効果を確かめる一連の問題解決行動を自分達の力でやり遂げることができる現場をつくることです。
 それには、トップが少なくとも次の対策を講ずるべきです。
1.現場リーダーとして、問題解決能力の高い、現場を引っ張る力量をもった人材を配置する。
2.現場の従業員に問題解決の基本的な知識・技法を学ばせる。
3.現場でスピーディーな対策の実行ができるよう思い切った権限委譲を行なう。
4.その上で、問題解決の経験を積ませる。
 このようにすると、トップが打ち出す経営戦略・競争優位確保の戦略をしっかり受け止め、自らがもつ自己完結的な問題解決能力を十分に使って、競争優位の経営戦略に貢献してくれる“打てば響く頼もしい現場”への改革が実現します。





H25.6.4
健康保険被扶養者資格の再確認


協会けんぽで行う被扶養者確認
 毎年5月から7月に実施されている健康保険の被扶養者の確認が今年も実施されます。以前は扶養者の確認は健康保険組合だけは毎年のように行っていましたが政府管掌保険は時々しか行っていませんでした。しかし現在は保険給付の適正化や高齢者医療制度への納付金・支援金の適正化等の必要性が高まり毎年、実施されています。

健康保険の被扶養者とは?
@被保険者の直系尊属、配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、弟妹で主として被扶養者の収入で生計を維持されている人
A被保険者と同一世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている人
ア、被保険者の3親等内親族(@以外の人)
イ、被保険者の事実上婚姻関係と同様の配偶者の父母、子
ウ、イの配偶者が亡くなった後の父母、子
B被扶養者の収入は年収130万円未満で被保険者の収入の2分の1未満である事。又、
60歳以上か障害者は年収180万円未満
以上のような要件を満たす者が被扶養者となりますが時々本来被扶養者でない者を被扶養者にする事があります。生計維持関係の無い両親を被扶養者にしたり、共働き夫婦の双方が子を被扶養者で申告したりというような例が見受けられます。

再確認実施の流れ
 協会けんぽから資格の再確認を行う為、5月末から7月末までの間に被扶養者状況リストが会社に送付されてきます。再確認の対象となるのは次の方を除く方々です。
@平成25年4月1日において18歳未満の被扶養者
A平成25年4月1日以降に被扶養者認定を受けた被扶養者
 リストが送付されてきたら、被扶養者が現在も被扶養者の条件を満たしているか確認の上、リスト(2枚目は事業主控)に記入押印し、正のみを協会けんぽに同封の封筒で返送します。また、削除となる被扶養者がいた時は同封の被扶養者調書兼異動届の正副共に、返却する保険証と合わせて協会けんぽへ送付します。
その後は協会けんぽが確認後、年金事務所へ回送、被扶養者削除の上、控が事業主へ返送されます。





H25.6.3
営業はモチベーションで決まる!

ソリューション営業が要る背景
 今までの営業スタイルでは、他社との技術競争により製品の機能が向上してくると、既存顧客に自社の旧製品を新製品にリプレースするよう提案を行っていました。競合相手も同じ売込みをかけてくるので、技術が成熟化すると機能的な差がすくなくなり、価格競争に巻き込まれます。そうならないために顧客の問題を解決するソリューション営業が必要になっています。

相手で違うソリューション営業
 ソリューション営業は複合機を例にとると、解決する問題と言っても、相手が経営者なのか、使用する部署なのかによって違ってくるので、提案の内容も異なります。経営者の場合は「コスト」が重視され、リース代・節電・紙削減などトータルでどうなるのかに関心があります。「コスト」が減ることを一見して分ってもらうように提案します。一方、使用部署であれば、「早く・きれいに・操作しやすい」に、くわえてモバイルネットワーク等の活用に関心があります。企業の規模が大きくなると、さらに購買部門等が加わり、使用機器が複数あれば個々の紙サイズ別使用状況、電気代、費用などを分析し、全機器を含めたトータル費用対効果、CO2削減などに応える必要があります。このように一言で顧客の問題をまとまめることはできないのが、BtoBです。

デキル営業にはチームワークがある
 売り込む時には競合他社と比較され、また、ビフォー・アフターの実績数値で効果の実証が求められています。これらを説明できるコミュニケーション能力が問題解決能力と共に必要で、並みの努力では負けです。教育研修を行い、提案書等も標準化し、OJTにより顧客に説明ができるようにしても、言われてやる営業はダメで、自分からデキル営業を育てるには励ましあうチームワークにも適切な評価がされ、「この会社で働くのが楽しい」と仲間意識のある風土が定着することが大切です。そうすることで社員たちから次々とアイディアが出て来ます。