デイリーニュース

HOME > デイリーニュース > バックナンバー



H25.7.31
精神疾患と上司の対応

2012年度労災の傾向
 最近厚労省から発表された労災申請に関する調査結果によると2012年度に労災認定された人は前年度から150人増え、475人となり、3年連続過去最多を更新しました。原因は過労や職場のいじめでうつ病等の精神疾患が増え、仕事の内容や職場の人間関係が影響した事例が目立っています。

発症原因別の労災認定者数
 背景には医療機関でうつ病と診断される人が増えている事に加えて、厚労省が具体例等で労災認定新基準を公表し、基準が分かりやすくなり、精神疾患でも労災申請が出来ると言う意識も浸透してきました。労災を申請した人は1257人、4年連続で1千人を超える水準となっています。労災認定された人のうち原因別では「仕事内容・仕事量」が最も多く59人、「嫌がらせ・いじめ・暴行」が55人、「悲惨な事故や災害の体験や目撃」51人となっています。1ヶ月に80時間を超える時間外労働も原因としては続いていますが、増加傾向にあるのは「嫌がらせ・いじめ・暴行」で上司とのトラブルやセクハラを挙げる人が増え、職場の人間関係の難しさを感じさせます。

部下のストレスがたまっている時
部下の様子が以前と比べてなにかおかしいと感じ、顔の生気の無さ、口数の少なさ、返事が遅い、週明けの欠勤が多い、ミスが目立つ、人の話を聞いていない、集中力の低下等が2週間以上続いている時には心の病の可能性があります。
上司が立派でスーパーマンやナルシストタイプの場合は部下のストレス度が最も高いと言われます。完璧な上司ほど部下の病気を作ってしまう傾向があるようです。

今、上司は本当に大変
精神疾患系の部下が職場に生まれないようにするには上司としてこれから身につけておきたい事はメンタルヘルス面での知識です。部下から心の問題を相談された時にはすぐに解決を目指さず、聞くだけに留め、励ましはせず、共感や労いのある言葉でストレスを和らげる事が出来れば良いですね。もし、理不尽な要望等を言ってきた時にもその要求の背景を理解するだけに留めておく姿勢が大事でしょう。
上司こそ部下が心の健康を崩した時に自分自身が精神的、肉体的負担に押しつぶされないよう心の健康管理が重要なのです。





H25.7.30
中小企業実態基本調査(H24)
中小企業の棚卸資産保有状況


中小企業の棚卸資産の保有状況
 先日、中小企業庁HPに公表された「中小企業実態基本調査(確報)」によれば、中小企業の貸借対照表の総資産に占める棚卸資産の構成比率は次の通りとなります。
【棚卸資産のBS構成比率】(業種:大分類)
全産業 8.4%
建設  8.9%
製造  10.3%
情報通信 4.1%
運輸  0.7%
卸売  10.0%
小売  13.2%
不動産リース 9.8%
宿泊飲食 1.2%
その他サービス 1.7% (中小企業実態基本調査 平24確報)
 この数値の水準は、ここ数年来変わっていません。もう少し業種を細かく見ると特徴が出てきます。同調査の中分類の業種区分(92業種)による高比率TOP5は次の通りです。

1 不動産取引業 36.6%
2 織物・衣服・身の回り品小売業 20.6%
3 なめし革・同製品・毛皮製造業 18.7%
4 繊維・衣服等卸売業 17.8%
5 木材・木製品製造業(家具を除く) 16.7%

特に不動産取引業は、流動資産に占める棚卸資産の割合も58.6%を示し、キャッシュフローの重要課題となっています。在庫の時価変動インパクトが非常に大きいのも特徴です。
 また、衣料品関係は、小売・卸売とも他業種に比して高水準となっています。こちらの業種も季節変動や陳腐化など不良在庫リスクを抱えやすい業種です。

棚卸資産―金融機関はよく見てます!
 棚卸資産はビジネスそのものの態様を表すため、経営の巧拙をそのまま示すものと言えますが、その管理体制の構築は一朝一夕にできるものではありません。
 金融機関では、融資の際、決算書に不良在庫や架空在庫がないか必ずチェックします。
 これらは外部からでは実態が分りませんので、左記のBS構成比率や回転率(回転日数)の同業他社との比較が行われます。異常値があれば、差異の原因や在庫管理手法の実情、商品の市場性について訊ねてきます。中小企業では精到な在庫管理は難しい面がありますが、「在庫数値」の説明能力は、いつの時代の経営者にも求められています。





H25.7.29
改正消費税法のある改正点

野田政権の置き土産、消費税増税法
 平成24年8月10日の参議院本会議で消費税法改正法が可決成立し、消費税の税率は平成26年4月1日から8%,平成27年10月1日から10%へと段階的に引き上げられることになりました。
 この改正法については、税率改定時の経過措置に注目が集まっていますが、次の二つの改正も興味深いところです。

グループ法人と新規設立免税事業者
 50%超支配関係にあるグループ法人の一員として資本金1000万円未満の法人を新規に設立した場合、その支配関係法人個人の中に、新規設立法人の基準期間に対応する期間の課税売上高が5億円を超えるものがある場合には、当該新設法人の設立後2期間の事業者免税制度は適用されません。
 なお、その事業者免税制度不適用の判定に当たっては、新規設立法人の設立前1年以内に解散した別の支配関係法人がある場合には、その解散法人を含めたところで、5億円超課税売上法人個人の有無の判定をします。

中間申告不要者の中間申告
直前課税期間の確定消費税額が年48万円(地方消費税を除く)以下であることにより中間申告義務のない事業者は、中間申告書を提出して予定納税をすることができませんでした。しても、無効な中間申告、無効な予定納税ということで、確定申告書で中間納付税額欄に記載できませんでした。
これが改正となり、届出書を提出すれば中間申告できることになりました。義務のない納税をする制度など不可解かもしれませんが、源泉所得税で、半年毎の納期の特例の手続きをしながら毎月納付しているケースはよく見かける事実です。これに似せた制度なのかもしれません。

届け出をして申告納付しなかったら
 その届出書提出の効果及び届出取止め書提出の効果は提出の瞬間に発生します。申告書に同封して提出すればよいわけです。
届出書を出しながら、中間申告と納付をサボったら、一般の中間申告のように提出したものとみなされて、不納付にはペナルティーがあるのでしょうか。
この新制度では、その中間申告書の提出がなかった場合には、届出取止め書を提出したものとみなすことになっています。





H25.7.26
マイナンバー施行前に

マイナンバー法が成立
国民全員に番号を割り振るマイナンバー法が5月24日、参院本会議で可決、成立しました。同法は、個人番号及び法人番号を活用した効率的な情報の管理、利用及び迅速な情報の授受、手続きの簡素化による国民の負担軽減などが目的です。同法の施行に伴う関係法律の関連整備等法も同日成立し、これにより、年金などの社会保障給付や納税を一つの個人番号で管理する制度が、2016年1月からいよいよ始まります。

議論不十分なままでの法案成立
 法律は成立してしまったので、施行までの期間で、危惧される問題点が少しでも解消されるよう国民的議論が広がり法整備もなされなければなりません。
 機関紙「東京税理士界」にこのテーマで会員から論文の寄稿があったので、それからの転載を以下に記します。

問題点を知っておこう
@消費税増税に伴う逆進性による低所得者対策として「給付付き税額控除」を行うために必須の制度ということが導入の理由であったが、現与党は「給付付き税額控除」の採用を拒否している。
A情報の流出が避けられないとすれば、役所・企業・銀行・病院などからの個人データ流失・プライバシー侵害も不可避である。
B他人番号を利用した「なりすまし」犯罪か起きる。アメリカでのこの手の犯罪は頻発しており、最近の3年間の被害者1170万人、被害額5兆円である。
C番号制度の利用制限、個人情報へのアクセス権を確保するとしているものの、基準が不明確。
D特定個人情報保護委員会の設置、罰則の設定をするものの、それで個人情報保護が機能するのか不明。
E施行3年後には、個人番号の利用範囲の拡大を予定しており、民間にまで広く利用される可能性があり、益々個人情報の保護が難しくなる懸念がある。
F有用性と問題点を比較した場合、現状では、国や行政機関側の事務作業の簡便化と情報管理の効率化には寄与するが、国民にとっては、損害等の可能性を考慮すれば、番号制度によって得られる利便性は少ない。
G「納税者権利憲章」とのセットでの法案提案であったのに、納税者権利保護法案は無視されている。





H25.7.25
専門人材の育て方


 専門人材とは、「一芸に秀でた人材」のことを言いますが、企業にとって、「自分が得意ことだけは高度にできるが、他のことには無関心な、いわゆる専門バカ」よりも、「様々な専門人材同士で、協力しながら自分の専門分野を深く掘り下げることができる人材」の方が頼もしいと言えます。
 例えば、異なる分野の専門家が、それぞれの専門技術を使い、協力して顧客ニーズに対してユニークな機能をもった商品開発を行う場合がそれに当たります。

“穴を深く掘るには幅がいる”
「ミスター合理化」と称された元経団連会長・故土光敏夫氏は“穴を深く掘るには幅がいる”と言いました。
 つまり、専門性を深めるには、自分の専門領域の知識・技術だけを深く知っているだけではなく、その周辺の事柄について関心をもち、様々な知識・経験を持っていると、自らの知識・技術をより深く掘り下げることができる、と指摘したわけです。
 例えて言えば、プロ野球の三割バッターは、自分の打撃技術を高めることだけではなく、相手のピッチャー・キャッチャー・野手の心理やプレーの仕方・監督の采配の仕方を良く研究し、知っているので、ヒットになり易い打撃ができるのと同様です。

“チームワーク”を活かして育てる
 頼もしい専門人材を育てるには“チームワーク”の力を活かすのが上策と言えます。
 すなわち、企業の戦略目標を達成するために、顧客のご満足を上げる商品開発、販売施策展開などの具体的・テーマのもとで、
関係する専門人材を集めて、プロジェクトチームを編成するのです。
チームはそこにいる人々に 共通の使命・役割・具体的目標を与えることによって、一体となった協力関係を形成します。
 そして、専門人材が自分の専門知識・技術を駆使しながら、同時に他の専門分野の知識・技術や顧客がいる市場での生の反応などにじかに触れて、自らの幅を広げながら自分の穴を深く掘って行くことができるのです。

仕事と専門人材の育成は不離一体
 このように、実際の仕事と専門人材の育成は、チームワークを通じて不離一体、同時並行的になされ、その両方を意識したプロジェクトチーム運営のマネジメントが、経営と専門人材育成に有用と言えましょう





H25.7.24
※印の「社外流出」


別表四の担う機能
法人税の申告書の代表頁は別表一ですが、最も中心となる頁は別表四です。会計上の利益から加算・減算という申告調整により税務上の利益(課税所得)を誘導計算する頁で、「税務の損益計算書」として機能しています。
また、別表四はその機能のほかに、「税務の貸借対照表」の役割を果たしている別表五(一)を誘導作成する機能も担っています。

税務BS誘導機能
別表五(一)は、会計決算書の貸借対照表の純資産の部(資本の部)に対応する税務版です。別表四の加算・減算項目はそれぞれ利益積立金額(別表五(一))の増加・減少項目に連動します。
ただし、交際費や寄附金や役員賞与の損金不算入など、損金にならないからといっても、資産としては法人外に流出してしまって、税務BSを構成することがないものは、連動から除外しなければなりません。
 その連動除外項目を別表四では、「社外流出」として分別しています。

二種類の「社外流出」
別表四の「社外流出」には、※印の付くものと付かないものがあります。「※印の社外流出」は加算項目にはなくて、減算項目にのみあります。
前年以前に加算項目とされたものが、翌年以降に、税務と会計との処理が一致したことにより減算項目とされるものは、「社外流出」項目にはなりません。

「※印の社外流出」は社外流出ではない
「※印の社外流出」に該当するのは、主として、益金不算入とされる課税外収入項目です。
会計処理で収益とすることにより、既に利益積立金額(別表五(一))の増加処理が済んでいるものは、課税所得を減額するための別表四の処理と連動させてそれを否認してはまずいことになります。そうしないための、連動排除機能が「※印」の意味で、内容として「社外流出」ではありません。

別表四ではプレプリント
「※印の社外流出」の具体的項目としては、益金から除外される受取配当金・還付所得税・繰戻還付税金やグループ内受贈益・現物配当などがあります。
別表作成者が判断を誤らないよう、「※印の社外流出」項目の多くはプレプリントされています。





H25.7.23
鵜呑みは危ない! パレートの法則

マーケティングではパレートの法則に基づく活動が効率的といわれてます。売上の8割を顧客の2割、売上9割を顧客3割が生み出すので、売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行うよりも、上位3割の顧客に的を絞った営業活動を行う方が効率的であるというものです。

上位顧客A・Bクラスに営業活動を集中
 金属部品加工業のA社はBtoB型で、100社程度と取引しています。社長が売上を分類したところ、本で読んだパレートの法則のどおり、上位30社で売上の90%程度が占められていることをつかみました。法則に沿い、営業マンを上位30社のAとBクラスにはりつけ、残りの70社のCクラスにほとんど営業活動をしなくなりました。数ヶ月後、30社の売上はそこそこ維持されていましたが、会社全体の売上は低下してしまいました。

Cクラスから受注がとれた
 慌てた社長は、そこで内勤の営業事務員に「残り70社Cクラスに電話して、様子をお伺い」することを指示しました。売上が低下して仕事量が少なくなっていたところなので、バンバン電話をかけまくりましたので、少額ではありますが、次々と受注が取れました。

基本に沿った営業活動へ戻れ!
 社長は、営業事務員が電話した顧客を訪問し、受注品の仕様打合わせをしながら、同時に要望を聞き出しています。持ち帰った要望を社内で検討し解決策を、顧客に提案しています。また、顧客の業界動向を調べ、業界の成長性をつかみ、会社の将来の方向を見つけ出そうとしています。こういった情報は、売り上げの金額と関係なく多くの顧客を回ることで得られることがわかりました。

パレートの法則も時と場合
 パレートの法則は、業界全体が伸びているときには、効率的に受注を伸ばす良い方法ですが、現在のように業界全体が低迷しているようなときは、いくら上位30社に張り付いても、おおもとの需要がありませんから受注は伸びません。かえって広く浅く受注を掘り起こす事が肝心でした。社長が気づくのが遅く、勉強代が高くつき今期は減収になる見込みです。





H25.7.22
インターネット副収入の源泉徴収 アフィリエイトは「外交員」?

「アフィリエイト報酬」は事業・雑所得
 「インターネットで副収入!」―こんなことが言われ始めて久しいですが、「アフィリエイト」という言葉も随分浸透してきました。アフィリエイト(affiliate)とは、WebサイトにASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)が提供する広告企業(クライアント)のリンクを貼り、閲覧者がそのリンクを経由して広告企業の商品購入や会員登録を行った場合に、Webサイトの管理人に報酬(売上×数%)が与えられる「成功報酬型広告」の一種です。
 Webサイトの管理人(個人)が受取るアフィリエイト報酬については、事業所得又は雑所得として確定申告の対象となります。
 
アフィリエイトは「外交員」?
 一方、このアフィリエイト収入につき、次の算式による源泉徴収を行っているASPもあります。
【算式】(復興特別所得税含む)
  (報酬・料金の額−12万円)×10.21%
 これは「外交員等に支払う報酬・料金」(所得税法204@四)に係る源泉徴収です。 「外交員」というと一般には保険外交員や集金人、電力量計の検針人のイメージです。 
 ところが数年前から、アフィリエイトをしている有名ブロガーの「ASPから「外交員」の支払調書が届きました」という掲載記事が見られるようになりました。現段階では、全てのASPがこの源泉徴収の対応をしている訳ではなさそうですが、大手ASPではアフィリエイターに源泉徴収の告知を行うなど対応が進んでいるようです。

所得税法上の「外交員」の定義は?
 所得税法では「外交員」を直接定義している規定はありませんが、国税不服審判所では次のように述べています(H11.3.11)。
外交員とは、事業主の委託を受け、継続的に事業主の商品等の購入の勧誘を行い、購入者と事業主との間の売買契約の締結を媒介する役務を自己の計算において事業主に提供し、その報酬が商品等の販売高に応じて定められている者と解されている。
 契約内容にもよりますが、「アフィリエイト・プログラム」の多くに当てはまるものありそうですね。





H25.7.19
平成27年1月1日以後の相続・贈与
確認したい!相続税の実効税率

相続税の計算方法
 相続税の税額計算には一つの特徴があります。「法定相続分課税方式」であることです。これは相続税の計算を、実際の遺産分割の状況にかかわらず、一旦、法定相続人が民法の法定相続分どおりに遺産を取得したものと仮定して各法定相続人の相続税額を計算し、その仮定による税額を合計した「相続税の総額」を実際の相続した方の財産の取得状況に応じて按分するという方法をいいます。ですから、財産をどのように分けようと相続税の総額は変わりません。

相続税の「実効税率」
そこで以下の算式で計算される相続税の「実効税率」が相続対策に役立ちます。

【算式】
 実効税率 = 相続税の総額/課税価格の合計額

 相続・遺贈により財産を取得した方は、
 
 取得財産の課税価格 × 実効税率 による相続税を負担することになります。
 
 従って、相続税の負担を減らすには、@算式前項の課税価格(評価額)をいかに低くするか、Aいかにして算式後項の「実効税率」より低い税率で財産を移転できるかという二つの道筋が見えてきます。

H25税制改正の「実効税率」への影響
 H25税制改正により、H27.1.1以後の相続について基礎控除・税率構造の見直しが行われ、この「実効税率」に影響を与えています。例えば遺産の課税価格8億円、法定相続人(子)2人のケースでは、

H25改正前 相続税の総額2.71億/課税価格の合計額8億=33.9%

H25改正後 相続税の総額2.95億/課税価格の合計額8億=36.9%

 この試算から、@H25税制改正よる影響は「実効税率」3%増であることA実効税率36.9%より低い税率で生前贈与すれば、税負担を減らすことができることの二点が判ります。相続対策は早期の着手が何よりです。「現状把握」の手始めに、この「実効税率」を確認してみてはいかがでしょうか。





H25.7.18
"組織づくり"の本質

 事業が思い通りに行かない、仕事の問題が次々と起こる、と言った状況に陥ったとき、対外的な見かけの合理化を図りたいときなど、組織を変えればうまく行くだろう、と考えて組織変更を行うことがあります。
 それが過剰になり“組織いじり”をすると、あたかも問題解決の体制ができた、と勘違いすることが生じがちです。

組織づくりの本質は何か
 組織は人によって構成されており、その人が組織の目的に叶って、必要最少限、かつ適切に配置され、訓練されている場合に、望ましい機能を発揮します。
 例えば、リーグ優勝を狙うサッカーチームには、専門能力が高いストライカー・ゴールキーパー・ミッドフィルダーなどそれぞれ基本的な役割をもったプレーヤーと有能な監督のマネジメントが欠かせません。
 その上で、戦況に応じて臨機応変に自分の役割を変え、攻撃に参加したり、守備的に活躍したりする機動性を発揮することができるわけです。
 つまり、組織づくりの本質は、組織の目的に合った少数精鋭の人材が配置され、その組み合わせが最適であり、戦況に応じて適切にチームワークのあり方を判断して機動的に働けるよう訓練されていることです。

組織づくりのタイミング
 したがって、是非とも達成したい戦略目標があって、それに相応しい人材を配置し、チームとして機能できるようトレーニングを行なってこそ組織ができたことになり、また、トップの不退転の決意を社内に示すことになります。つまり戦略目標策定時が最適な組織づくりのタイミングとなります。

組織づくりの留意点
 組織づくりの本質は、そこに所属する人とその意識・行動にあるのですから、トップは次の点に留意することが重要です。
@自社の事業に必要な、専門人材、マネージャーを計画的に育成し、重要な戦略目標を策定したときに、いつでも活用できるよう、小さなテーマでトレーニングして、適性・能力を見極めておく。
A人間関係は微妙で、複雑であり、こじれやすいから、組織をつくる時に、マネージャー、メンバーの組み合わせに注意し、また、スタート後にチームワークの状況を注意深く観察し、意外な不具合の発生がないかチェックして、障害を取り除く。





H25.7.17
雇用管理改善の助成金

中小企業労働環境向上助成金
 最近創設された助成金に労働環境向上のための措置を講じた中小企業事業主や事業協同組合に対して助成するものがあります。雇用管理の改善を推進し人材の定着・確保を計る事を目的としています。雇用管理を行う個別中小企業助成コースには重点分野関連事業主と介護関係事業主とがあります。

(1)重点分野事業主の場合
 対象は雇用管理制度導入を行う健康・環境・農林漁業分野等の事業を営む事業主。
次の@又はAの措置を取る事が必要です。
@評価・処遇制度又は昇進昇格基準、賃金体系制度(制度導入後賃金が下回らない事)又は諸手当制度(就業規則等に規定し、適用させる)のいずれかを導入する。
A研修体系制度の導入、職務の遂行に必要な能力等を付与する為、カリキュラム内容時間等を定めた職業訓練、研修制度を導入する。(1人10時間以上の教育訓練、諸経費は事業主負担)

(2)介護関連事業主の場合
@からCのいずれかを取る事が必要です。
@評価、処遇制度の導入
A研修体系制度の導入
B健康づくり制度の導入・・法定の健康診断以外に腰痛健診、B・C型肝炎検査、インフルエンザ予防接種、結核検査、検便、メンタルヘルス相談等のいずれかを行う
C介護福祉機器の導入等・・対象となる機器・・移動用リフト、自動車用車いすリフト、座面昇降機能付車いす、特殊浴槽、ストレッチャー、自動排せつ処理機、昇降装置、車いす体温計
導入後の措置・・導入機器の使用研修、機器のメンテナンス、介護技術身体的負担軽減研修、機器や研修の導入効果の把握

支給申請と支給額
 本助成金は導入に係る計画書を作成し、添付書類を添えて計画開始の6か月前から1ヶ月前までに労働局へ提出します。認定後制度を実施し、計画期間終了後2ヶ月以内に支給申請書を提出します。支給額は
・評価処遇制度導入 40万円
・研修体系制度   30万円
・健康づくり制度  30万円
・介護福祉機器等  費用の2分の1
 支給申請時までに支払い払い完了の事(上限300万円)





H25.7.16
2世帯住宅に人気

評価が8割引の特例を最大活用
 相続の際に土地の評価を8割引にできる「小規模宅地等についての特例」の見直しにより二世帯住宅が注目されています。 「小規模宅地等についての特例」とは、被相続人の居住用・事業用・貸付用などに利用されていた土地について、その評価額の一定割合を減額して課税価格とするものです。たとえば相続税評価額1億円の土地で被相続人の居住用であったものを、配偶者等一定の相続人が相続した場合、課税価格は、80%減額され2000万円となります。

適用対象の土地面積が拡大
 さらに居住用宅地について、対象面積の上限が今までの240平方メートルから330平方メートルに拡大され、さらに限度面積に満たない部分については、不動産賃貸用の土地(貸付事業用宅地等)からも適用が受けらます。なお、貸付事業用宅地等は、200平米まで50%の減額です。
「同居」の概念が変わった完全二世帯住宅でも特例の適用が
現在、被相続人の自宅の土地に関しては配偶者・同居の親族・生計を同一にする親族・持家のない別居している親族。が相続により取得した場合に特例の適用があります。
 しかし内部で行き来のできない二世帯住宅については、それぞれが独立した家屋と見なされ、子どもは小規模宅地等の特例を受ける条件である「同居の親族」には当たらないとされてきました。そのため、特例の適用を受けることができませんでした。(しかし現実には、簡単な壁で仕切り、相続時には壁を壊す等様々な裏ワザが使われ、問題となるケースもありました。)
 今回の改正では、租税特別措置法で明確に同じ建物なら良いと記されております。
 極論すれば、同じマンションの別室でも良いとなりますが、やはりそれは政令でダメと言うことになっております。

消費税の税率UPも追い風に
 また平成26年4月からの消費税率のUPもあり、2世帯住宅への駆け込み需要と関心が高まっております。
これもアベノミクス効果でしょうか?





H25.7.12
今年の税制改正
教育資金残りへの課税


使い切れなかった教育資金への課税
 一括贈与の教育資金口座は、@受贈者が30歳に達した、A口座等の残高がゼロになり教育資金口座契約を終了させる合意をした、B受贈者が死亡した、ときに終了となります。
 口座終了時に、非課税拠出額から教育資金支出額(学校等以外に支払う金銭については、500万円限度)を控除する計算をし、残高が計算される場合には、上のB死亡による終了の場合を除き、その口座終了のときにその残高が贈与者から贈与されたものとされます。
 したがって、暦年課税対象者で、その残高が110万円超の時は、その年の贈与税の申告期限までに申告を行う必要があります。

贈与税税率構造の見直しと軽課税率
 今年の税制改正で、贈与税の税率構造は、相続税の税率構造の変更に合わせて、最高税率が50%だったところ55%となり、新たに45%税率部分が新設され、全6段階税率が8段階税率になりました。
 その上で、20歳以上の者が直系尊属から暦年課税の贈与を受けた場合の贈与税について、別種の軽課税率表が用意されることになりました。軽課の内容は、贈与額の累進に応じてそのカーブを66%〜75%緩和させるものです。

贈与税課税時の直系尊属贈与の軽課課税
 教育資金未使用残額については、30歳到達日、又は教育資金口座契約終了合意日の属する年の贈与税の課税価格に算入する、と法律で定めています。
 実際に贈与があったのは、この日より何年も前なのですから、この法律の規定は「みなし」規定で、事実と異なる日に贈与があったものとするものです。
 それならば、贈与者は直系尊属なので、改正税法の軽課規定が適用になりそうです。

政令で独自のみなし規定を置いている
 政令では、贈与者が生存していれば改正税法の軽課規定が適用になるが、既に死亡のときは直系尊属以外の単なる[個人]からの贈与とみなす、としています。
 法律では贈与の事実を後ろ倒しにする仮装の設定にしているのであるから、贈与者が既に死亡していても、その贈与者が贈与したものと解釈して不都合がありません。
 法律では、贈与者個人を別な人格に置き換える規定を置いていないのに、政令で勝手に解釈して、法律と異なる規定を置くのは租税法律主義違反です。疑問ありです。





H25.7.11
今年の税制改正
教育資金一括贈与

教育資金贈与はもともと非課税では?
 学校の入学金や授業料など教育のために必要な資金を祖父母を含め近い親族からその都度贈与されていた場合、贈与税はもともと非課税です。
 祖父母にとっては、一括贈与よりその都度贈与の方が感謝される回数が多くてよいのではないでしょうか。

一括贈与の新制度の利用のスタンス
 課税される相続財産を減らそうと考えている人でも、一括贈与制度を利用しようとする前に、3年の時限期間(延長があるかもしれない)ギリギリ、あるいは死期が近いと判断される時まで、その都度贈与をまず優先すべきです。
 まして、老後生活資金や介護付き老人ホーム終身利用権の取得資金まで侵蝕させるべきではありません。

教育資金非課税申告書
 新制度の利用は、受贈者が教育資金非課税申告書を提出することで開始します。贈与者が複数でも、申告書は一つにします。
 提出済みの教育資金非課税申告書に係る金融機関との教育資金管理契約が終了していて、その終了契約に関する非課税拠出額が1500万円に満たなかった場合には、その満たない範囲での拠出額で再度、教育資金非課税申告書を提出することはできます。

追加教育資金非課税申告書
 先に提出している教育資金非課税申告書の非課税拠出額が1500万円に満たない場合で、新たな教育資金の一括贈与があったなら、その満たない範囲で追加教育資金非課税申告書を提出することができます。

教育資金非課税取消・廃止申告書
 教育資金一括贈与があったものの、その贈与について遺留分の減殺請求があったとか、そもそもその贈与が無効なものであったとか、などの事由があって、非課税拠出額の一部を減額することになった時は教育資金非課税取消申告書を、全部が無いことになった時は教育資金非課税廃止申告書を提出します。

非課税申告書の提出先と回数
 一括贈与教育資金に係る上記の各種申告書は、教育資金管理契約をする金融機関を経由して最寄りの所轄税務署長に提出します。幾つもの金融機関と契約することに制限はありませんが、管理が厄介になるので、メリットはなさそうに思われます。





H25.7.10
日本的「目標管理」

 今日、「目標管理制度」は日本の企業で一般に活用されていますが、もともとは1950年代に米国でピーター・ドラッカーが提唱した「目標による管理」が出発点になっています。これは「個々の担当者に自らの業務目標を設定、申告させ、その進捗や実行を各人が自ら主体的に管理することで、大きな成果が得られる。」とするものでした。
 日本では、「目標管理制度」として人事制度上の評価に活用され、次のような変遷があり、日本流の活用が進んでいます。

目標管理制度の移り変わり
 日本の「目標管理制度」については、企業における活用経験等から様々な論議がありましたが、その主な論点と現状における帰結について整理しますと、次の通りです。
@業務目標は担当者が決めて良いか
「業務目標を担当者個々人が考えて設定し、自己申告させる方法をとったところ、それらの目標を全部足し合わせても、上位の目標が達成できない。」と言う矛盾が生じ、 また、達成しやすいレベルの低い目標を設定する傾向が見られました。
 現状では多くの企業で、戦略目標からブレイクダウン(細分化)して目標を設定する方法をとるようになっています。
A業務目標達成度(成果)だけで評価して良いか
 成果主義の評価を再重要視し、結果に注目して評価したところ、チーム業績が公正に評価されず、目立つメンバーだけが評価される、自分の評価を高めるために、良い情報やノウハウを一人占めにし、仲間に知らせない、などチームワークを低下させる行為がでてきました。また、プロセスの評価を軽視するようになり、業績向上の元になる人材育成がおろそかになる等から業績とプロセス、チームワークを重視するようになりました。
B「絶対評価」か、「相対評価」か
 評価の仕方には、設定した目標をどれだけ達成したか、を評価する「絶対評価」と戦略目標(全体目標)の達成に、より貢献した方を高く評価する「相対考課」があります。目標を設定して以降、外部環境はよく変化するので、それにうまく対応する努力と結果は多様であり、個人差が生じます。 
 それを的確に評価し、限られた昇給や賞与の賃金原資を公正に、メリハリを付けて支給するには「相対考課」とするのが適切だ、とする企業が主流になっています。





H25.7.9
今年の税制改正
エンジェル株式

エンジェル株式の寄附金控除
 エンジェル株式への投資額には寄付金控除の対象となるものがあります。投資額のうち1,000万円が限度です。
 寄付金控除なので、合計所得の40%までの頭打ちと2,000円の足切りがあります。
 なお、適用を受けて寄付金控除とした金額は、そのエンジェル株式の取得価額から控除されます。
 売却時に損がなかった場合の株式譲渡益課税は20%もしくは10%なので、税率の高い高所得者にとっては、リスクヘッジのみならず節税策としても有効です。

エンジェル株式の損益通算と繰越控除
 エンジェル株式については、投資年において、そのエンジェル投資額の全額を、他の株式譲渡益から控除できることになっています。
 また、エンジェル株式を実際に売却して、譲渡損失が発生した場合も、他の株式の譲渡益から控除できるとともに、控除しきれない譲渡損については3年間の繰越控除ができることになっています。
 さらに、エンジェル株式について、投資先の事業の不成功により倒産等の事態に陥り価値喪失株式になったときは、価値喪失株式化による損失を株式の譲渡損失とみなして、他の株式の譲渡益から控除できることにするとともに、控除しきれないみなし譲渡損については3年間の繰越控除ができることになっています。

今年の税制改正による変更
 今年の税制改正で、上場株式等に係る譲渡所得等と非上場株式等に係る譲渡所得等とは別々の分離課税制度になり、次のように改組されました。
 @特定公社債等及び上場株式等に係る利子等・配当等・譲渡所得等の分離課税
 A一般公社債等及び非上場株式等に係る譲渡所得等の分離課税
 この、@とAとの垣根を越えた損益通算はできないこととなりました。
 ところが、エンジェル株式は原理的にはAに属するものながら、エンジェル株式に係る取得価額及び譲渡損失の控除については@とAの垣根を越えて損益通算、繰越控除ができます。極めて例外的です。
 ただし、@との通算といっても利子等配当等の通算まではできません。また、エンジェル株式のみなし譲渡損はA内部での通算のみ可能で、@との通算は不可です。





H25.7.8
社員の意識行動改革

 社員の意識行動改革は、経営改革に欠くことができない基本的な改革要素です。社員の意識行動改革がなされていない状況下では、経営改革の様々な施策を実行しようとしても、現場の抵抗にあって一歩も前進しません。
 したがって、トップは管理者と協力して日常的に社員の意識行動改革を進めなければなりません。

意識・行動改革の手段
 その手段として用いられるのは一般に次の3項目です。
1.人事評価制度の運用を通じた働きかけ
 業績と積極的・意欲的な能力発揮を中心に実力で評価し、学歴・性別・年齢・経験年数による差を排除した公正性・納得性が高い評価と社内格付・賃金(給与・賞与)等へのメリハリのきいた反映を行うとともに、評価結果のフィードバックを的確に行い、意識行動改革の働きかけを行う。
2.目標管理制度の運用を通じた働きかけ
 経営改革の重要な課題について、チーム目標・個人目標を設定し、達成を図る一連のプロセスで上司が部下を指導し、
 課題解決の方法にとどまらず、意識行動改革を図る。(目標管理制度は経営課題の解決を図る目的と同時に人事評価制度の業績・能力評価に用いることが多い。)
3.チームワークの指導を通じた働きかけ
 部門間プロジェクトチームなどチーム活動で、チームリーダーを中心としたメンバー間の協力による課題解決に取り組んでいる場合で特に重要、かつ困難な問題に遭遇した時に、全員で知恵を出し合って、全力投球でハードルを乗り越え、最後までやりぬく危機突破の体験をさせ、チームとしての意識行動改革の素晴らしさをからだで感じさせる。
 なお、「最後までやりぬく危機突破の体験」は、1項・2項の個人の場合も同様に重要です。

トップ・管理者の留意点
 意識行動改革の足を引っ張る者は「指示待ち型イエスマン(いつも上を見て、その指示に従っていれば安全と考え、保身に努めるタイプ)」で、他の社員の意識行動改革の足を引っ張ります。そのような部下は、個別に自ら問題を発見し、解決に貢献するよう注意を喚起すべきです。





H25.7.5
経理チェックポイント
キャンセルされると、経理は大変

業務に伴う出張の処理
 業務に伴い出張する場合、ホテル・新幹線・飛行機の予約をした場合には、出張日よりかなり前に代金の決済を行います。また旅行業者に任せた場合でも、代金の決済は、出張日より前となります。この時の経理処理は以下のようになります。
出張費****/現預金****
当然に国内出張であれば消費税は課税取引となります。

キャンセルの場合
 しかし、業務の都合で突然キャンセルとなった場合、キャンセル料が発生し、支払った出張費の一部又は全額が戻ってこない場合があります。
一部返金があった場合は、返金分を戻して出張費をマイナスし、返金がない場合はいずれにしろ経費ですからそのままにしてしまいがちですが、出張費とキャンセル料では、消費税の取り扱いが違います。

キャンセル料とは
 実は、いわゆるキャンセル料といわれるものの中には、その解約に伴う事務手数料としての性格のものと、解約に伴い生じる逸失利益に対する損害賠償金としての性格のものとの二つがあります。前者の解約に伴う事務手数料としての性格の場合は、解約手続き等の事務を行う役務の提供の対価だから課税取引となります。
一方、後者の場合には、相手方が本来得ることができたであろう利益がなくなったことの補てん金だから、資産等の譲渡等の対価に該当せず、不課税取引となります。

キャンセル料の経理処理
 そこで経理処理は以下となります。
雑損失 逸失利益/出張費****
雑費 事務手数料/
現預金 返金分 /
雑損失は不課税取引、雑費は課税取引、返金がない場合は現預金は発生しません。
 なお、解約等に際し授受することとされている金銭のうちに、役務の提供である解約手数料等に相当する部分と逸失利益等に対する損害賠償金に相当する部分とが含まれている場合、キャンセル料の性格の区別がされていないで一括して授受することとしているときには、全額を不課税取引として取り扱うこととされています。





H25.7.4
都は「PR目的の看板と同じ」と認定
「サザエさん」銅像に課税!


「サザエさん」の銅像に課税の新聞報道
 6月12日の新聞に「サザエさん一家の銅像、課税対象に―商店街困惑」という記事が掲載されました。東京都世田谷区の桜新町商店街の名物「サザエさん一家」の銅像12体に固定資産税58万9,200円が課せられたというものです。固定資産税と言っても土地等に係る固定資産税とは異なる、減価償却する資産(機械等)にかかる「償却資産税」が課税されました。
 
論点@ 自治体は非課税団体。商店街は?
 第一の論点は「所有者と用途」です。固定資産税は「所有者課税」の税金で、「人的非課税」と「用途非課税」の二つの非課税があります。前者は所有者が国・地方公共団体の場合、課税しないというもの。後者は公共用途などの資産を非課税とするものです。今回の「サザエさん」達は「商店街振興組合」がPR目的(商業用途)で所有していると認定され、課税対象となった訳です。
 この「商店街振興組合」は商店街振興組合法で規定により「法人格」が与えられ、法人税法上でも「協同組合等」として納税義務者となります(税率19%)。

論点A 非償却資産か?償却資産か?
 第二の論点は償却資産税ですから、「非償却資産」に該当するかという点です。法人税実務でも「創業者の胸像」は、製作者が美術年鑑等に登載されている場合又は素材が貴金属である場合、「時の経過により減価しないもの」として減価償却資産から除かれます。そうなると償却資産税の対象からも除かれます。これに該当しなければ「PR目的の看板」と同じ「償却資産」となります(金属製で屋外なら「構築物」45年)。

法人税か?償却資産税か?
 報道だけでは事実関係は分かりませんが、商店街振興組合は法人税の納税義務がありますので、サザエさん像を償却して、減価償却費として経費化していたと思われます。そうでなければ、償却資産税の対象とはなりません。法人税と償却資産税どちらを取るか、悩ましい問題です。





H25.7.3
今年の税制改正
価値喪失株式のみなし譲渡損の扱い変更


価値喪失特定管理株式の上場廃止手順
 上場株式の上場廃止には手順があり、上場廃止の可能性が出てくると、監理銘柄となり、さらに上場廃止が確定すると整理銘柄となり、原則として1か月後に上場廃止されます。監理銘柄になっても、すぐ解除になるものもあります。オリンパス、大王製紙などがその例です。

価値喪失特定管理株式と証券会社
 株主の保有する株式は、証券会社においては、上場廃止により特定口座から「特定管理口座」(上場廃止後の株式を保管する口座)に移管されます。その後倒産等が確定し、清算結了となり、あるいは、日本航空のように100%減資が実施されると、その株式の無価値化が確定します。そうすると、証券会社はその元株主の顧客に「価値喪失株式に係る証明書」を交付します。

価値喪失特定管理株式と税務手続き
 「価値喪失株式に係る証明書」は、その交付に係る年分の確定所得申告書に添付することにより、価値喪失株式の取得価額相当額を株式譲渡損とみなし、他の株式等の譲渡益と相殺することができる特例制度を使えます。
 上場株式の譲渡損失については、配当所得との損益通算及び株式譲渡損失の3年間の繰越控除の規定の適用があります。整理銘柄になって1円の株価になったところで売却した株主の譲渡損も、上場株式の譲渡損であることに変わりないので、配当所得との損益通算及び譲渡損失の3年間繰越控除の規定の適用があります。

従来の取扱い
 価値喪失株式の損失は株式譲渡損とみなされるものの、配当との通算、3年繰越控除の規定の適用はありません。理由は、特定管理口座株式は、すでに上場廃止となった株式なので、非上場株式に分類され、そして、生じたとみなされた譲渡損失は、非上場株式の譲渡により生じた損失ということになり、上場株式への特典を享受できなかったからです。

非上場の価値喪失株式は上場の仲間
 今年の税制改正で、価値喪失特定管理株式に係る価値喪失損について、上場株式配当との通算、株式譲渡損失3年繰越控除の規定の適用が受けられるようになりました。
上場株式の痕跡を残すものは、とことん上場株式の仲間として遇する姿勢に転換したからです。





H25.7.2
今年の税制改正
住宅自己資金改修税額控除の新設規定的改正

住宅自己資金改修税額控除の3規定
 住宅ローンが無くても、自己の居住用家屋について耐震化・バリアフリー化・省エネ化の改修工事をした場合に、その改修工事年の所得税から1回限り、改修工事費限度額(補助金等の交付がある場合には、その補助金等の額を控除した後の金額)の10%が税額控除される、という超短期決着型の税額控除制度があります。

適用期限延長タイプではない改正条文
 今年の税制改正でそれぞれ期限延長ではなく、平成26年4月1日から平成29年12月31日まで適用期限の創設的規定に変わり、消費税率アップに対応するものとして最高限度額が増額されています。
とはいえ、その期間の改修工事でも、新税率での消費税負担をしていない改修工事については旧限度額に据え置かれます。

●耐震改修工事の場合
平成26年3月31日までの期間における耐震改修工事限度額は200万円のところ、平成26年4月1日以後の期間は250万円です。
耐震改修工事について、借入金があり、通常の住宅ローン控除の対象となっている増改築等にも該当する場合には、珍しいことに、本制度と住宅ローン控除との重複適用が可能です。それに、他の住宅関連控除と異なり、連年適用不可の制限も、合計所得金額3000万円超適用不可の制限もありません。

●バリアフリー改修工事の場合
平成25年1月から平成29年12月以後のバリアフリー改修工事限度額は150万円から200万円に増額されています。

●省エネ改修工事の場合
平成26年3月31日までの期間における省エネ改修工事限度額は200万円(300万円)のところ、平成26年4月1日以後の期間は250万円(350万円)です。
上記の( )内の金額は、省エネ改修工事と併せて太陽光発電装置を設置する場合の改修工事限度額です。

消費税増税対策の意味
 消費税増税で国民負担が増えるので、それへの配慮としてそれぞれの措置があるのかというと、そうではなく、増税後は需要減になるであろうから、景気刺激策として需要の大型化を促進しよう、というのがその内容です。ローン控除でも同じです。





H25.7.1
今年の税制改正
中小の交際費課税事実上の廃止

10%の損金不算入措置が撤廃
 交際費等の損金不算入制度における中小法人に係る損金算入の特例について、定額控除限度額が600万円から800万円に引き上げられるとともに、定額控除限度額までの金額の10%の損金不算入措置が撤廃されました。
 この改正は、平成25年4月1日以後開始する事業年度分の法人税について適用されています。

交際費課税の歴史
 交際費課税制度は昭和29年度の税制改正により導入されました。当時は、朝鮮特需により重要産業や基幹産業の設備投資に支えられた内需拡大で好況を続けており、乱痴気騒ぎの如く交際費の濫費もかなりあったようで、冗費の節約と資本蓄積の促進が立法趣旨でした。資本金500万円以上の企業で、過去年度の7割を基準にそれの超過額の50%を損金不算入とされました。
 昭和31年度改正で損金不算入割合50%が100%となり、対象企業が資本金1000万円以上となり、昭和36年度改正で資本金基準がなくなり全法人が対象となり、定額控除300万円その他を超える額の20%が損金不算入となり、昭和42年度改正で前期交際費の105%その他を超過する部分が損金不算入となり、昭和57年度改正で定額控除方式に戻り、資本金1000万円以下400万円、資本金5000万円以下300万円、資本金5000万円超0円の定額控除の超価額が損金不算入となり、平成6年度改正で資本金5000万円以下法人の定額控除額の10%が損金不算入となり、平成10年度改正でその10%損金不算入が20%となり、平成14年度改正で資本金5000万円以下法人の定額控除が400万円に統一され、平成15年度改正で定額控除の対象法人が1億円以下となり、定額控除の損金不算入が10%に戻り、平成18年度改正で一人当たり5000円以下飲食費が交際費除外となり、平成22年度改正で資本金5億円以上法人の完全支配関係法人の定額控除適用排除となり、そして今年の改正に繋がっています。

中小法人の交際費課税は廃止に近い
 今年の税制改正の交際費10%課税撤廃で、交際費の額が年間800万円に遥かに満たない中小法人では、交際費か交際費以外かの科目判定は意味を持たないことになりました。こういう法人にとっては、交際費課税の事実上の廃止とも言えます。