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H25.9.30
雇用延長で賃金は

 今年の4月に施行された高年齢者雇用安定法の改正では、希望する社員は全員、65歳までの継続雇用をする事が義務付けられましたが、各々の企業が雇用延長に伴いどのような賃金対策をしてゆくのか少しずつ様子が見えてきました。

限りある原資を現役と高齢者にどう配分?
 高年齢者の賃金を引き上げるとするNTTグループでは再雇用する60歳以上の社員の年収を引き上げるとしていますが、その分を現役世代の基準内賃金を圧縮するとしています。
 山崎パンでは現役世代とほぼ同じ働き方を求める代わりに収入を増やし、現役世代の賃金を削減して原資とするとしています。
 YKKグループは再雇用制度を見直し定年延長に切り替える代わりに賃金体系を年金給付開始年齢に合わせ整備し、人件費の抑制、人事評価を適性化するとしています。
 賃金制度の見直しは賃金カーブを緩やかに変更します。この方法は中堅社員の賃金の上昇を抑える事になりますので、処遇が不利になる層からは反発も予想されます。他には仕事のポストで賃金が決まる職務給制度に移行する企業も増えています。職務給は仕事内容の難しさや責任の大きさによって決まり、年数による賃金変動は無く、世代間の競争が促しやすくなります。

中小企業の高齢者賃金対策
 高年法では雇用延長の方法としてア、再雇用 イ、定年延長 ウ、定年廃止のどれかを選択しなければなりませんが再雇用で有期雇用契約を結び、1年ごとに更新する企業が多いのが現状です。しかし再雇用時に大幅に賃金が減額されて現役時代と同じ働きを求められても高年齢者の意欲をそぐ事も考えられます。だからと言って原資のやりくりも考慮しなければなりませんから賃金改定は一様にするのではなく、今までの働きぶりと今後の期待も込めた額にすることが必要ではないでしょうか。例えば@今後も活躍してほしい社員、A普通にやって欲しい社員、B今一つの働きぶりだと思える社員に分け、一律の率での賃金減額や年金や高年齢雇用継続給付の適用を行うのではなく必要な人材には適切な賃金を出し、Bの社員の場合は会社の意向をさりげなく示す等も考えられます。但し賃金を下げる時には本人に説明をした上で行う事が必要になるでしょう。





H25.9.27
オフィスの移転と許認可

 オフィスを移転する企業が最も多いのは3月だそうで、年間の引越日の約3割がこの時期に集中すると言われています。そして、年明けの3月移転を目指している企業が動き始めるのが9月から10月頃。物件選びでは立地等営業面の諸条件の他、移転後に行う関係官庁での手続きについても意識しておきたいところです。

関係官庁への届出も忘れずに
 会社としては取引先やお客様への移転案内が優先になってしまいますが、関係官庁への届出も忘れてはいけません。法務局に税務署、都道府県税事務所、労働基準監督署等のほか、忘れがちなのが許認可を管轄する関係官庁への届出です。役所への届出はほとんどの場合が事後報告になりますので、つい後回しになってしまいますが、移転後に許認可事業の継続に関わる事実が発覚しては、せっかくの移転が台無しです。

許認可取得の基本のひとつ、「場所」
 一口に許認可とは言っても役所での手続きは多種多様ですが、大抵の手続きで基本となるのが「人」「財産」そして「場所」の3つです。許認可によっては取得した「場所」に対して付与されるものもありますので、オフィスの移転により新たに審査を受けなければならない場合や、事前承認を必要とする場合もあります。
 たとえば、職業紹介事業の許可を例に見てみましょう。許可に際しては、周辺に風俗営業系店舗が密集していないこと、対面型であれば面積は概ね20uであることや応接スペースを設けることなどが条件となり、移転後のオフィスでもこれらの条件を満たすことが必要です。

特に気を付けたいポイント
 周辺施設や面積的な要件の他、レンタルオフィスや他社との共同事務所に移転する場合は、パーテーション等により独立性が確保されているかといった点も問題になることがあります。レンタルオフィスについては転貸借扱いになり、オフィスの運営者と建物のオーナー双方の協力が必要になるケースも珍しくありません。また、本来居住用である物件などについては建物のオーナーから使用承諾を求めることになりますが、実はこの承諾が一番のハードルになることが多いのです。心機一転、気持ちよく業務をスタートするためにも、充分な事前確認で余計な手続きやトラブルを未然に防ぎたいものです。





H25.9.26
今年の路線価

全体はまだ下落継続基調のまま
 相続税・贈与税での土地評価の基礎となる「2013年分路線価」が全国の国税局から公表されています。
 12の各国税局のそれぞれの最高路線価をみると、3ヶ所(高松・熊本・仙台)で前年比減、3ヶ所(東京・広島・福岡)で前年同額、6ヶ所(金沢・沖縄・大阪・札幌・名古屋・さいたま)で前年比増です。
 でも、47都道府県単位でのそれぞれの最高路線価をみると、32ヶ所で前年比減、8ヶ所で前年同額、7ヶ所で前年比増と、増よりも減がずっと多くなっています。
 さらに、全国524税務署単位でのそれぞれの最高路線価をみると、350ヶ所で前年比減、127ヶ所で前年同額、47ヶ所で前年比増と、増は減の比は一層減が多くなります。

下落の傾向をみると
 全国約36万地点の標準宅地の平均路線価は前年と比較してマイナス1.8%で5年連続の下落ながら、下落率は前年よりも1.0ポイント縮小と報道されています。
 昨年のデータを全国524税務署単位でのそれぞれの最高路線価でみてみると、426ヶ所で前年比減、81ヶ所で前年同額、17ヶ所で前年比増です。下落地数が減少し、上昇地数が増えていることが確認できます。

上昇地点をみてみると
 上昇率のトップは日本一の超高層ビル「あべのハルカス」開業で話題の大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目の35.1%増です。東京浅草1丁目の雷門通りも「東京スカイツリー」効果で9.0%増と大きく上昇しました。
 最高路線価の上げ幅トップは、2014年度の北陸新幹線開業に期待感が高い金沢市の6.3%です。
 東京の最高路線価は28年連続の中央区銀座5丁目の銀座中央通りで1平方メートル当たり2152万円ですが、前年同額で上昇なしとなっています。
 脱デフレの指標となるような地価の上昇は、まだ今年の路線価データでは確認できないところです。

原子力事故警戒区域の路線価
 なお、東日本大震災被災に係る原子力発電所の事故に関する「警戒区域」に設定されている区域内にある土地については、路線価を定めることが困難であるため、平成24年分と同様に、その価額を「0」とすることとされています。





H25.9.25
業績管理制度

 経営上は戦略を実現するために、人事制度上は従業員個々が役割を自覚し、期待貢献を追求して成果を出し、評価・処遇を行うために、「業績管理制度」は不可欠です。
 その「業績管理制度」の具体的手段として一般に用いられているのは「目標管理制度」で、その使い方には条件があります。

「業績管理・即目標管理」の条件
 「目標管理」を行なうことが、そのまま「業績管理」の主要なプロセスになるためには、次のような条件が必要になります。
@会社の戦略目標を実現するために「業績管理制度」を運用し、その主要な手段として「目標管理制度」を活用することが定められている。
Aしたがって、組織(部・課・チーム)、及び従業員個々の目標は、厳格に戦略目標からのカスケードダウン(段階的細分化)により決定される。
B「目標管理制度」の運用結果に基づいて業績・発揮能力等の人事評価を行ない、社内等級、賃金が決定される。

業績管理制度のプロセス
 このような条件を組み込んだ業績管理制度の運用プロセスは次に示したフローで運用されます・

業績管理制度の運用フロー
12〜2月 年間目標の設定   ・戦略目標からのカスケードダウンで目標設定
                   ・上司と部下の合意
3〜11月
進行状況確認・フォローアップ ・年間を通じて適時(少なくとも半年間に1回)実施
                    ・必要があれば目標修正
12〜2月
年間評価・フィードバック   ・自己評価・上司1次評価・更に上位の管理者による2次評価・調整・決定
                   ・1次評価者が本人へフィードバック

トップの留意点
 「業績管理制度」の運用は、管理者の理解力、実行能力によって巧拙が分かれ、定着にも時間を要します。各管理者への初期教育を行なうとともに、運用実態をよく観察して、管理者同士の研究会を実施するなど、自らの気付きで運用能力が高まるようにねばり強く指導しましょう。





H25.9.24
人事制度の改革

人事制度とは、「会社の経営目的に合致する従業員の行動と、その結果としての成果を引き出すための手段」であり、そこに問題があると、トップが思い描いた従業員の活躍や経営の成果が得られません。

よくある人事制度の問題点
 人事制度の問題点は、次のような現象として現われることが多いと言えます。
@従業員個々の役割や責任が文書化されておらず、どのような成果が期待されているのか曖昧なため、各自が自分の仕事を自覚できていない。
A役割や責任が不明確なため、業績の評価基準も曖昧で、結果として年功的評価に陥っている。
B評価結果と昇給・賞与の適用について、公正性、納得性をもって従業員に説明できないので従業員のモチベーション向上につながらない。
C評価の結果から能力開発の具体的ニーズ(例:○○君は企画力は優れているが、計画実行力が足りない。)がつかめず、人材育成につながらない。
 問題を放置すると、経営の根幹を揺るがすことになりますから、適切な人事制度改革に着手することが不可欠です。

人事制度改革の方向性
 人事制度改革は、次の方向で推進することが適切です。
@従業員個々とチームの役割や期待成果を明確に文書化し、プロフェッショナリズムを持って業績向上が図れるようにする。
A従業員個々の役割や成果(会社の経営に貢献した業績)に応じて、社内等級や給与・賞与を決める。
B制度の運用は、公正性、納得性を持ち、評価結果を本人にフィードバックして、従業員個々の能力開発、人材育成につなげる。

経営者の留意点
 人事制度改革担当部門、又は社内プロジェクトチームに制度改革の方向性を示した上で、具体案の検討、作成を指示すると良いでしょう。その際、人事制度改革担当管理者のほかに制度の適用を受ける側の有能な従業員の参加を要請すると、被適用者の立場から見た仕組みづくりができるなど有益です。





H25.9.20
今年の税制改正
創設された経営改善活性化税制

活性化税制の創設
 今年、中小企業の活性化に資する設備投資を促進するための措置が創設されました。
 中小企業者が経営改善に関する指導及び助言を受けて器具備品及び建物附属設備などの経営改善設備の取得等をして指定事業の用に供した場合に適用となります。
 この制度は、消費税率の引上げによる景気の萎縮に備え、中小企業等の設備投資を促進させることが目的です。

制度の概要
 平成25年4月1日から平成27年3月31日の期間内に取得・事業供用した場合、その取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除が選択適用できます。
 税額控除には法人税額又は事業所得に係る所得税額の20%という制限がありますが、限度超過額は1年間繰り越せます。

適用要件の細目
@事業供用の対象となる事業は、卸売業、小売業、サービス業(除く風俗営業)及び農林水産業で、資本金額1億円以下の法人と個人の中小企業に限られます。
A取得する器具備品は1台又は1基の取得価額が30万円以上、建物附属設備の取得価額は60万円以上が対象です。
B認定経営革新等支援機関による指導助言のあることが要件です。
C税額控除は、個人事業者又は資本金3000万円以下の法人のみが選択できます。
D青色申告が要件です。

例えば、こんな設備投資が対象です
 新しい商品を販売するため、陳列棚を入れる、レジスターを入れ替える、古くなった看板などお店の外装をきれいにする、といったことが代表例です。

申告時の手続要件
 認定経営革新等支援機関の「指導及び助言を受けたことを明らかにする書類」を添付し、特別償却の償却限度額の計算に関する明細書又は税額控除適用の計算に関する明細書を添付しなければなりません。

認定経営革新等支援機関とは
 認定経営革新等支援機関とは、中小企業経営力強化支援法に基づいて、中小企業が安心して経営相談等を受けられるように、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の者として国が認定した税理士、公認会計士、商工会議所、金融機関等をいいます。





H25.9.19
所得税と所得税の重複課税が起きる場合

所得税法の原理的欠陥が生み出す
 所得税法では、所得を把握することの規定と、それに伴う資産の取得についての規定が必ずしも複式簿記の貸借一致の原理のようには定められていないため、重複課税が起きることがあります。

例えば時効取得について
 例えば、取得時効により資産を無償取得の場合です。測量により隣家敷地の長期占有が判明したことに際し、取得時効を主張して自己のものとしたときは、一般に一時所得に該当するとされています。

一時所得課税と譲渡所得課税
 その取得時効部分の土地の時価が1千万円だったらその価額で課税されます。
(借)土地〇〇〇/(貸)一時所得収入〇〇〇
次にその部分を同年中に1千万円で売却したら再び1千万円の譲渡所得が計算され、同一年内に重複課税が起きます。

重複課税となる理由
 資産の取得費は、その資産の取得に要した金額とされていて、時価課税された金額が取得費になるとの規定がないので、時効援用による資産の無償取得の取得費はゼロとなってしまうからです。
 遺失物の取得や無主物、埋蔵物、景品等の取得についても同じ現象がおきます。

重複課税されない例外ケース
 しかし、ストックオプションという無償取得の場合は重複課税になりません。
(借)有価証券〇〇〇/(貸)給与収入〇〇〇
として、給与課税されるとともに、その金額が有価証券の取得価額となります。同時に売却した場合、譲渡益はゼロになるので重複課税されることはありません。

実務上重複課税が回避されているケース
 また、広告宣伝用の資産として車両などを受贈されたときも、取得時に経済的利益に対する時価課税がされ、
(借)車両〇〇〇〇/(貸)事業収入〇〇〇〇
取得車両はその経済的利益の額を取得価額として減価償却の対象にされるとともに、譲渡するときは、その未償却残額は譲渡収入から控除され、重複して利益に課税されることはありません。

必ずしも原理的に一貫していない
 課税の有無は原理的なものではありません。相続贈与という無償取得の場合の相続税贈与税と所得税の重複課税も、共有持分の放棄や、二重課税排除の年金判決の場面では原理的な一貫性が毀損しているのと似ています。





H25.9.18
海外派遣者の労災特別加入制度


海外の事業場で働く時に任意加入できる
 労災保険は本来、国内にある事業所に適用され、そこに就労する労働者が給付の対象となります。ですから国内で就労していた方が出向、転勤や派遣で海外勤務する時は労災給付対象外ですが、渡航先国の労災補償制度が適用された場合でも国によっては適用範囲や給付が十分でない事もあります。そこで海外に派遣された方でも日本の労災保険が受けられるようにしたのが海外派遣者の特別加入制度です。

海外派遣者の特別加入の対象者
@日本国内で事業(有期事業を除く)を行う事業主から派遣されて、海外支店、工場、現場、現地法人、海外の提携先企業等、海外で行われる事業に従事する労働者
A日本国内で事業(有期事業を除く)を行う事業主から派遣されて海外にある中小規模の事業に従事する事業主及びその他労働者以外の人。中小規模事業は次の通り。海外の国、かつ企業ごとを単位として判断。
ア、労働者数50人以下・・金融業、保険業、不動産業、小売業
イ、労働者数100人以下・・卸売業、サービス業
ウ、労働者300人以下・・上記以外の業種
B独立行政法人国際協力機構等の開発途上地域に対する技術協力実施の事業(有期事業を除く)を行う団体から派遣されて開発途上地域で行われている事業に従事する人

海外出張と海外派遣との違い
 海外出張は当該海外出張者に関して何ら特別な手続をすることなく労災給付が受けられます。海外出張は単に労働の場が海外にあり、国内事業場に所属し、国内事業場の使用者の指揮に従って勤務する人です。
商談、打ち合わせ、調査、アフターサービス等。
 海外派遣は海外の事業に所属して海外事業場の使用者の指揮に従って勤務する人です。この場合は特別加入を行っていなければ労災給付が受けられません。出向、転籍等、建設工事等の有期事業も該当します。
 加入手続きは国内で労災保険関係が成立している事業主が、所轄の労働基準監督署に特別加入の申請を行い、都道府県労働局長の承認を受けます。





H25.9.17
事業主も加入できる労災の特別加入制度

特別加入制度とは
 労災保険は本来、労働者の業務又は通勤による災害に対して保険給付を行う制度ですが、労働者以外の方のうち、その業務の実情、災害の発生状況から見て、特に労働者に準じて保護する事が適当であると認められる一定の方については労災に任意加入する事ができ、これを特別加入制度と言います。特別加入できるのは中小企業を経営する「中小企業事業主」、個人タクシー等労働者を使用せず事業を行う、いわゆる「一人親方」、海外に出向させる「海外派遣従事者」、特定作業従事者(農業従事者等)です。

中小企業事業主の特別加入
 中小企業事業主が特別加入するには、次の条件が必要です。(人数規模は企業単位)
@常用労働者数が次の範囲の事業主
ア、労働者数50人以下・・金融業、保険業、不動産業、小売業
イ、労働者数100人以下・・卸売業、サービス業
ウ、労働者300人以下・・上記以外の業種
A労働者以外で、事業に従事する事業主の家族、法人役員等
 又、継続して労働者を使用していなくても1年に100日以上使用している場合は常用労働者を使用している事とします。

一人親方その他の自営業者の特別加入
 労働者を使用しないで次の@〜Fの事業を行う事を常態とする方が対象です。
@自動車を使用する旅客、貨物運送の事業
A建設の事業(大工等の他、大震災後除染)
B漁船で水産動植物を採捕する自営漁業者
C林業の事業
D医薬品配置販売(薬事法30条許可者)
E再生資源の収集、運搬、選別、解体作業
F船員法適用の船舶に乗り込んでいる場合

加入の手続きと給付基礎日額
 特別加入するには事務を取り扱う労働保険事務組合を通じて加入する事になります。保険給付は一般の労災保険と同様の給付が受けられますが保険料の支払いは給付基礎日額を選択し、所定の保険料率を乗じて保険料額が決まります。
 給付基礎日額は今までは3,500円、4000円以下、1000円から2000円刻みで設定され、2万円が上限でしたが、選択の幅が広がり平成25年9月から22000円、24000円、25000円が新たに選択できるようになりました。





H25.9.13
都市部相続税の乱の気配

基礎控除引下げで相続税納税者急増予測
平成27年から相続税の基礎控除が引上げられることになりましたが、その改正理由は相続税の課税割合が4.2%では低すぎる、ということでした。ここ30年くらいの期間において最高だったのは昭和62年の7.9%でした。基礎控除の引下水準は課税割合6%のころを照準としているようです。
今次の基礎控除引下げで課税割合は8%に達するのではないかとの見方もあります。

地域によるバラつき
 直近公表の平成23年分相続税課税割合統計値を見ると、全国平均は4.1%ながら、各国税局は、札幌1.8%、仙台1.6%、関信越3.8%、金沢3.2%、名古屋5.9%、大阪4.5%、広島3.1%、高松3.0%、沖縄3.1%、(福岡・熊本国税局は公表なし)であるのに対して東京国税局は6.9%で、頭一つ抜き出ています。

絶対数を踏まえた統計値
 全国平均は死亡者数1,253,066人、申告数51,409件を表現したもので、うち東京国税局は死亡者数237,716人(全国比19.0%)申告数16,317件(全国比31.7%)です。
 東京国税局管轄分についての相続税の課税価格は39,910億円(全国比37.2%)、相続税額は5,772億円(全国比46.1%)です。
東京国税局管内の死亡者は全国の約2割、相続税申告数の約3分の1、相続財産の4割弱、相続税額の半分近くを占め、人と富が集中していることを示しています。

東京国税局管内と23区
 東京国税局の管轄は東京都と神奈川県、千葉県、山梨県で、東京都を23区内と23区外に分けてみると、申告件数、相続税の課税価格、相続税額の比較は次の通りです。

     申告数 課税価格 相続税額
23区内 41.65%  44.29%  48.96%
23区外 15.06%  15.89%  15.31%
神奈川  28.64% 27.14%  25.62%
千葉   12.82%  11.43%   9.46%
山梨   1.83%   1.24%    0.65%
 東京国税局の徴収する相続税の約半分が23区内となっています。

都市部では相続税の嵐となりそう
 全国平均課税割合が8%にでもなったら、都市部の納税者数は3倍くらいに膨れそうです。千代田区22.61%、渋谷区19.37%、港区19.63%と東京23区内の課税割合の著しく高い地域では、申告しない方が少数派になりそうです。





H25.9.12
年功賃金脱出


 企業の利益水準が10年位の経過で見ると顕著に下降する傾向を示している場合、その典型的原因のひとつに人権費の増加があります。

人件費の増加原因
 このような人件費の増加は、次のように“年功賃金”と“高齢化”が結びついて生じる場合が多いと言えます。
@ 処遇制度の基軸として「職能資格制度」が使われ、「資格が上がれば賃金も上がる仕組み」になっている。
A 本来は職務遂行能力が上がれば等級が上がる「職能資格制度」が、運用の甘さで実際には年功的運用になっている。
B 高齢化が進み、高資格者が増え、したがって総額人件費が増えている。
 視点を変えれば、“年功賃金”ではない、
“役割別賃金・成果主義賃金・職務別賃金”など、脱年功型の賃金制度が確立されていないからだとも言えます。
 日本経団連・東京経営者協会の2012年度の人事賃金制度実態調査によれば、人事処遇制度の基軸を年功的運用実態の可能性が高い「職務遂行能力」としている企業が、管理職で現在30%程度、非管理職で50%超、と全体に脱年功型移行の努力は不十分です。

年功賃金脱出のポイント
 年功賃金から脱出するポイントは、
@ 管理職・非管理職に関わらず、役割・責任を明確にし、業績に応じて給与・賞与を支給する賃金体系とする。
A 成果・業績の評価基準を明確にして、公正性・納得性を重視して運用する。
ことにあり、通常“脱年功賃金”に移行するには10数年の期間が必要となりますのでなるべく早く着手するべきです。





H25.9.11
要件が緩和された税制
非上場株式等の事業承継

 非上場株式等の事業承継税制については、アメリカにはありませんが、ドイツ、フランス、イギリスといった主要国において導入されていることから、我が国においても平成21年の税制改正で創設し現在に至っています。
その骨子は、相続及び贈与にて取得する一定の非上場株式等について、その株式等(発行済み株式の3分の2まで)に係る課税価格の80%(贈与税の場合は全額)に対応する相続税額について納税が猶予される、というものです。

使い勝手が悪く課税リスクが大きい
しかし、制度の導入から4年経ってもその適用件数は549件(相続税381件、贈与税168件)と活用されていませんでした。
理由は、この制度を導入しているフランス、ドイツ、イギリスなどと比べてもその適用要件が厳しく、かつ、納税猶予打ち切りに伴う課税リスクが大きく、その利用には躊躇せざるを得なかったのが実情でした。
具体的には、フランス、イギリスなどでは、雇用継続要件などはありません。ドイツにはありますが、要件を満たさなくなったからといって我が国のように猶予税額全額の打ち切りはありません。
また、猶予税額の免除期間ですが、我が国では後継者が死亡するまでですが、ドイツ、フランスなどは5年程度で猶予税額の全額が免除されます。
 さらに、これらの国では、先代経営者の役員継続や親族外承継も認められていますが、我が国では認められていません。

要件が緩和された
 経済界からの強い要望で、平成25年税制改正で要件の一部が大幅に緩和されました。その主なものは次のとおりです。
@雇用要件が「5年間毎年8割維持」が「5年間平均8割維持」になりました。A納税猶予打ち切りリスクであった利子税の負担が、承継5年超で5年間の利子税は免除されました。B役員退任要件については、贈与時の役員退任を代表者退任とされました。C親族でない従業員などへの承継も可能とされました。D猶予税額の計算が有利になるよう、個人債務は株式以外の財産から差し引く方法に改められました。E経済産業大臣による事前確認制度は廃止されました。
なお、これら要件緩和は、平成27年1月1日以降の相続税・贈与税から適用ですが、Eは平成25年4月1日から実施済みです。





H25.9.10
圧縮記帳の差益割合
差益割合の適用を巡る争い


 収用等により代替資産を取得して圧縮記帳の適用を受ける場合、差益割合の算出は不可欠です。差益割合は、[対価補償金−譲渡資産の譲渡直前の帳簿価額−譲渡費用/対価補償金−譲渡費用]で求められます。

差益割合の適用を巡る争い
代替資産を複数取得した場合の差益割合は、その取得資産の合計額全体に適用して圧縮限度額を求め、その範囲内で任意の方法により圧縮記帳ができるとする納税者の主張と、一方、取得した個々の代替資産ごとに差益割合を適用して個々の資産ごとに圧縮限度額を算定、その上で圧縮記帳をすべきであり、この場合、圧縮損として損金経理しなかった代替資産は、圧縮限度額の計算の基礎となる代替資産には含まれないとする税務署の主張とが対立していました。
一審、二審とも税務署の主張が支持され、現在、納税者側から最高裁に上告受理申し立てがなされています。以下、設例で両者の差異を確認してみます。

収用等に係る譲渡資産
資産区分  帳簿価額   対価補償   譲渡費用
土 地    10,000     100,000     1,000
建 物    21,600      60,000     1,000

取得代替資産
資産区分  取得価額  用途
土  地   90,000    事業
建  物   50,000    事業
機械装置  18,000    事業
※ 差益割合=0.8(譲渡資産全体で計算)
160,000−31,600−2,000/160,000−2,000

圧縮限度額の計算と圧縮損の計上
納税者の主張では、圧縮限度額は、126,400(158,000×0.8)となり、その範囲内で任意に、例えば代替資産の土地に80,000、建物に46,400の圧縮損を計上することができることになります。
一方、税務署の主張ように、個々の取得資産ごとに差益割合を適用して圧縮限度額を計算すると、土地72,000、建物40,000、機械装置14,400が限度額となり、さらに、納税者側の処理では、機械装置の取得価額が損金経理により圧縮されていないことから、圧縮限度額の計算上、代替資産の取得価額には含まれないことになります。
結果、税務署の主張からすれば、圧縮限度額は112,000なり、土地については8,000、建物については6,400の圧縮超額が生じることになります。
 両者を比較した場合、一概に言えませんが、土地の圧縮損が多く計上できた方が有利です。





H25.9.9
改正消費税と不動産の賃貸借

9月30日までに契約をすればと言うが?
 消費税法においては、不動産の賃貸借契約に基づいて支払を受ける使用料等(家賃)の額を対価とする資産の譲渡等の時期は、当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日となっているため、その支払いを受ける日の税率を適用します。
 しかし、平成25年9月30日までに賃貸借契約を締結し、平成26年4月1日以降引き続きその契約に基づいて資産の貸付を行っている場合で、その契約の内容が次の@またはAの要件に該当する場合には、経過措置の対象となり、平成26年4月1日以後の期間に対応する賃料であっても税率が5%となります。
@その契約に係る資産の貸付けの期間とその期間中の賃貸料の金額が契約で定められており、かつ事業者が事情の変更その他の理由により、その賃貸料の変更を求めることができる旨の定めがないこと。
Aその契約に係る資産の貸付けの期間とその期間中の賃貸料の金額が契約で定められており、かつ契約期間中に当事者の一方または双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めのないこと。

通常の契約では@もAも記載されている。
 昨今の賃貸借契約書では、トラブルを避けるために一般的に「賃料が経済事情の変動等により不相当になった場合には、賃貸人は契約期間中であっても賃料の増額ができる。」旨の条項や「中途解約の場合は、3か月前に申し出る」等の条項が設けられています。この条項が両方あれば、要件を満たしません。
 このように、現実的には経過措置の対象となる場合は少ないかもしれませんが、次のような事業者においては、経過措置の適用を受けるため、すでに締結している賃貸借契約の見直しを検討すべきしょう。

見直しを検討したほうが良い事業者
・グループ会社内で不動産賃貸借取引がある事業者
・課税売上高が5億円以上の事業者
・病院・薬局など課税売上割合が低く、課税仕入れに係る消費税額が全額控除できない事業者
・消費税の申告をするにあたり、簡易課税制度の適用を受けている会社
・免税業者





H25.9.6
教育資金一括贈与の残額
贈与税の適用税率

 直系尊属から教育資金一括贈与を受け、教育資金管理契約終了時に当該教育資金に残額があった場合、その残額については、契約終了日の属する年の贈与税の課税価格に算入されます。
 その場合、教育資金管理契約終了前に受贈者(その年1月1日)20歳以上で、贈与者(直系尊属)が生存している場合といない場合で贈与者が誰になるかで、贈与税の適用税率が異なっていました。

平成25年3月30日公布の施行令
 平成25年3月30日に公布された租税特別措置法施行令では、直系尊属の贈与者が死亡しその残額がある場合には、その贈与は、直系尊属の贈与者からの贈与ではなく「個人」からの贈与を受けたものとみなして、適用税率を定めていました。
 その結果、平成25年度税制改正で、平成27年1月1日以後に20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合に適用される贈与税の軽減税率が適用できない、という状態を招来させていまいた。

平成25年5月31日公布の施行令
 直系尊属の贈与者が教育資金管理契約終了前に死亡していたか否かで、贈与税の税率が異なるのは平仄に欠ける、理不尽、といった批判、さらには、そもそも法律の委任なく政令で権利の制限ができるのか、といった強烈(法律違反たる)な批判もあったかどうか定かではありませんが、平成25年5月31日公布された同措置施行令で、この点が改正され、「「個人」を受贈者の直系尊属とみなす」との規定を追加しました。
 この規定の追加により、教育資金管理契約終了前の直系尊属の贈与者の死亡の有無にかかわらず、同じ贈与税率が適用されることになりました。

相続時精算課税の適用
 また、受贈者が相続時精算課税の適用をすでに受けている場合で、教育資金管理契約終了前に直系尊属の贈与者が死亡し残額がある場合、その残額に対する相続時精算課税の適用の有無です。
 結論は、適用できないです。理由は、上記の改正と同様で、死亡した贈与者を「特定贈与者」とみなす規定がないからです。
 したがって、受贈者が相続時精算課税の適用を受けていても一般の暦年贈与としての贈与税の課税を受けることになりますが、平成27年1月1日以後は、直系尊属からの贈与ですので、贈与税率の軽減特例が受けられます。





H25.9.5
中小企業実態基本調査(H24)
「中小会計要領」は認知度31.2%

「中小会計要領」の認知度は31.2%
 6月に中小企業庁から公表された「中小企業実態基本調査(平成24年確報)」では「中小企業の会計に関する基本要領(以下「中小会計要領」)の認知状況(法人企業)」というアンケート調査の結果が報告されています。

「中小会計要領」を知っているか(%)
全体/YES 31.2/NO 68.8
5人以下/YES 28.2/NO 71.8
20人以下/YES 33.2/NO 66.8
50人以下/YES 40.8/NO 59.2
50人超/YES 48.5/NO 51.5    
 (中小企業実態基本調査H24確報)
 業種別では、50人超の建設業の認知度が高く(58.6%)、5人以下の飲食業の認知度が低い結果となりました(23.3%)。また、規模が大きくなる程、認知度は高くなるという傾向でした(平成24年8月調査時点)。

H24.2.1「中小指針」の簡易版として登場
 「中小会計要領」は、従来の「中小企業の会計に関する指針」(中小指針)の簡易版としてH24.2.1に公表されています。中小企業はこれらのどちらも参照できることとされています。
・中小指針
会計専門家が役員に入っている会計参与設置会社が拠ることが適当とされているように、一定の水準を保った会計処理を示したもの
・中小会計要領
「中小指針」に比して簡便な会計処理をすることが適当と考えられる中小企業が利用することを想定して策定されたもの
 この調査では両者の理解の程度までは分かりませんが、認知度3割は低い数値です。

H25.4.1からの新保証料割引制度と連動
 それでも、新保証料割引制度の融資を行う企業が増えれば、少しは認知度が上がるものと思われます。この「中小会計要領」に準拠して作成される計算書類について、税理士等からチェックリストが提出された場合、保証協会の保証料率が0.1%割引される制度がH25.4.1からスタートしています(これに伴い「中小指針」による割引制度はH25.3.31の申込をもって終了)。





H25.9.4
業務上のケガでも健康保険が使える?

請負契約で業務中に負傷をしたら
 最近発表された健康保険法の一部改正によると今まで業務中の事故や怪我等は労災保険の給付を受ける事となっていました。    その為例えば請負契約の方が業務中に負傷した場合、業務中である為、健康保険が使えないと言うようなケースが多々発生していました。この度この問題解決を計る為、労働者の業務外の事由による健康保険の適用の限定を外し、労災保険の業務災害以外の保険給付を健康保険で行う事としました。つまり健康保険の被保険者又は被扶養者の業務上の負傷について、労災給付の対象とならない場合は、原則として健康保険給付の対象となったのです。

健康保険・労災保険其々の適用 
 元々健康保険法の「業務」とは「職業その他社会生活上の地位に基づいて継続して行う事務又は事業」と広く取り扱っています。
しかし例えば請負で行った仕事や、インターンシップで負傷した時等は労災保険も健康保険からも給付が受けられない事態が生じる事があり、厚労省で検討していました。施行日は平成25年10月1日からです。
 一方、労災保険には労働基準法に規定する労働者以外の者(請負業務を行う者等)は特に保護が必要な者には特別加入制度で労災の任意加入を認めています。雇用関係にある者はもちろん労災保険の対象者ですが、請負契約においては就労の実態から労働者性を判断し適切に適用して行かなくてはならないでしょう。

法人の役員について
 法人の役員は従来通り、業務上の疾病、負傷、死亡、等に関して労災の適用はありませんので労災適用には特別加入制度の利用等が必要でしょう。
 特例としては法人役員等が業務上の負傷で健康保険から給付されるのは平成15年7月の通達で「被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等であって一般の従業員と著しく異ならないような業務に従事している者については、その者の業務遂行の過程において業務に起因し生じた傷病に関しても健康保険の給付の対象とする」とされています。
今回の改正で業務上と業務外のはざまで保険給付が受けられなかった方が救済された事は多様な働き方が増えている時代に沿った改正と言えるでしょう。





H25.9.3
消費税の経過措置
所有権移転外ファイナンスリース

 平成26年4月1日から消費税の税率8%アップが予定されています。消費税の税率改正時において、いつも問題となるのは施行日前後の税率の適用関係です。
 例えば、施行日前に契約したものについて、資産の引渡し又は役務の提供が施行日以後になる場合には新旧いずれの税率が適用されるのか、また、深夜営業の店舗売上等については、施行日の午前零時をもって新税率の切替が必要になるのか等種々の問題が生じます。
 前者については、取引の特性に応じて経過措置規定を設け実務に混乱が生じないよう配慮しています。
また、後者について言えば、新税率の切替の必要はなく、日々行われている売上レジの締め時間に合わせることで実務上問題ないとされています。

 資産の貸付けに関する経過措置
 経過措置は、取引の特性を概ね11類型に分けて規定が置かれていますが、事業者にとっては、主に、@工事の請負に関するもの、A資産の貸付に関するもの、そして、B役務の提供に関する経過措置について留意が必要かと思われます。
特に、資産の貸付に関する経過措置につては、再度、その内容を確認する必要があります。と、いうのも所有権移転外ファイナンスリース取引(以下「ファイナンスリース」)は、平成9年時の税率アップの際には資産の貸付として、経過措置の適用がありました。
しかし、平成19年度の税制改正で平成20年4月1日以後契約のファイナンスリース取引については、リース資産の引渡しがあった時に当該資産の売買があったものとして処理さることになりました。この改正により、ファイナスリースは、今回の資産の貸付に係る経過措置の対象外となっていますので、施行日前の目的物の引渡しがされているものについては、施行日前に行われた資産の譲渡とて旧税率が適用されることになります。

仕入税額控除と会計処理
 リース資産については、本来、リース資産の引渡しを受けたに日に資産の譲受があったものとして、仕入税額控除の計算をします。
 しかし、賃借人が賃貸借処理をしている場合については、そのリース料の支払うべき日の属する課税期間における課税仕入れとする処理、いわゆる分割控除も認められています。従前通りの取扱です。





H25.9.2
10万円20万円30万円に注目
資産の減価償却費計上の注意点

経費処理方法のおさらい
 「〇〇を今度購入しますが経費処理できますか?」とよく聞かれます。その際には、「購入金額はいくらですか?」「見積書をみせてください」と資料の提出を求めます。それは、減価償却資産をイメージして、その取得価額・資産の種類及び耐用年数によってその取扱いが違うからです。特に30万円未満の減価償却資産は、度重なる税法の改正でややこしくなっております。もう一度おさらいしておきましょう。

1.取得価額が10万円未満のもの
 取得時に全額損金経理処理ができます。(勘定科目:消耗品など)

2.取得価額が10万円以上のもの
 原則、減価償却資産として、その耐用年数・償却方法に応じて計算された金額を減価償却費として損金経理処理します。(勘定科目:減価償却費)が、以下の特例があります。
@ 取得価額が10万円以上で20万円未満のもの
いわゆる一括償却資産として、その取得価額の合計額につき3年間で損金経理処理できます。また、償却資産税の課税対象となりません。
A 取得価額が10万円以上で30万円未満のもの
 青色申告者の中小企業者等の特例として、取得価額が30万円未満のものを一時に損金経理処理できます。ただし、年間の取得価額の合計額が300万円に達するまでの金額が限度であり、申告書に明細の添付が必要です。

3.取得価額が30万円以上のもの
 原則通り減価償却資産として、その耐用年数・償却方法に応じて計算された金額を減価償却費として損金経理します。しかし、資産の種類・金額によっては、特別償却や税額控除という別の税務上の特典に該当する場合もあります。

4.結論
 決算状況を把握しつつ、30万円未満の減価償却資産の経理処理につき最良な選択をしていくことが重要です。