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H26.1.31
労働基準監督署の是正勧告とは

労働基準監督署が入るとき
 昨年の秋にテレビで労働基準監督官が主人公のドラマが放送されていましたが、労働基準監督署の名前は聞いたことがあっても労働基準監督官が行う事業所調査とはどのようなものか知っている方は多くはないかもしれません。労働基準監督署は労災保険と労働基準法(労基法)や労働安全衛生法(安衛法)を取り扱う部門がありますが、会社が労基法や安衛法を守っているかを調査することがあり、事業所規模にかかわりなく対象とされます。

主な調査の種類は
 定期監督で実施される調査ではその年度の方針で調査対象が選ばれます。この場合は会社が労基署へ必用書類を持って訪問するケースが多いようです。他には従業員などの申告による調査があります。従業員や退職者が労基署に申し立て、労基法違反の可能性があれば、立ち入り調査があったり、呼び出しがあることもあります。

労基署調査の流れ
 調査は普通書面で通知されてくることが多いので日時、場所、必要書類を確認し、落ち着いて対応しましょう。主な指摘事項は次の通りです。
@ 労働時間や時間外労働時間等の把握はされているか
A 時間外労働手当等、割増賃金の支払い
B 時間外労働の協定届を提出しているか
C 労働条件書面を明示しているか
D 労働者名簿や賃金台帳の整備
E 最低賃金は守られているか
F 従業員10人以上事業所は就業規則を提出しているか
G 定期健康診断は実施しているか
H 従業員50人以上事業所は衛生管理者や産業医の選任をして届けているか
I 管理監督者の時間外労働は適切か
J その他、各業種による事項等
以上のような事項をタイムカードや賃金台帳、雇用契約書等を見て、事業主に確認し、是正事項があれば勧告書や指示書が出されます。会社は指定された期限までに改善し是正した内容を記して必要書類と報告書を提出します。すぐには指摘事項の改善が難しくても今後は改善する方向性を示すのがよく、書類を改ざんする等は避けましょう。





H26.1.30
こんな場合は労働時間?

業務の途中や終了後の時間は労働時間か
業務終了後に行われる研修等に要する時間やそれ以外にも労働時間に当たるのかそうではないのか判りにくい場合があります。幾つかの事例で見てみたいと思います。

社員研修・教育の時間
 まず研修自体が業務なのかと言う問題があります。参加義務があれば労働時間に該当しますが参加が任意であり、自分の意思で参加をするかしないのかを決める事が出来るのであれば業務には当たりません。この事を明確にするには任意参加の研修は労働時間と取り扱わない旨の規定を設けておくのも良いでしょう。しかし任意参加としていながら出席しないと給与、賞与、昇給等の査定で不利になったり、業務上でその研修を受けていなければ差し支えがある等、業務の一環とされるような研修は労働時間である可能性が高いと言えます。

手待ちの時間
 小売店で顧客を待っている時間や貨物積込みの為貨物自動車の到着を待っている時間、運転者が2名以上いて交代で運転する場合で運転しない時に休息や仮眠をとっている時間、又昼食休憩中に来客当番をさせている時間等、作業は行っていないが労働から解放されていない状態を手待ち時間と言い、原則労働時間とされています。

警備員の仮眠時間
 建物の管理の警備業務には夜間に仮眠時間が含まれる事があります。仮眠時間中に仮眠室で待機し、電話や警報に対して対応を義務づけられている時は労働から解放されていないので労働時間とされます。ただし、必ずしも起きて働いている時と同額の賃金を支払わなければならないと言う事ではありません。

健康診断に要する時間
 労働者に対して行われる一般健康診断は企業に実施義務はありますが、業務遂行との関連でその受診の為に要した時間については労働時間とされません。但し、特定の有害業務に従事する者の特殊健診は業務遂行の為必要な事であるので労働時間として扱われます。

出張の時間
 出張中に休日が含まれている場合、その日に移動があっても業務そのものを行わない時は労働時間とは成りません。





H26.1.29
衆目評価法

 成果主義の評価を行なうために目標管理制度が活用されていますが、評価の最終調整などで、被評価者の納得を得る評価を行なうのはなかなか難しいことです。

衆目評価法の活用
 我が国は、“衆目の一致(衆目の見るところ○○に違いない。)”を拠りどころとして、合意形成を図り、納得づくの決定を図ってきたコミュニケーション上の“暗黙知”を持っています。
 KJ法で著名な故川喜田二郎氏が、その“暗黙知”を、KJ法の技法体系に取り入れて“衆目評価法”を開発しましたが、それは次のように評価に応用できます。

“衆目評価法”の評価応用手順
 目標管理制度(または人事考課)における成果(業績)評価を、戦略への貢献度から見て、候補5名中、2名を最上位のAランク評価するため、最終調整するケース
1. 成果を評価する基準の合意形成
予め定められた評価基準、または必要な場合、ケースに応じた基準(例:「顧客発掘貢献度・宣伝効果・社員の意欲向上度・費用対効果」など通常5項目以内)
2. 複数の基準に、「合計20」のウエイトを配分する。(評価者の合意形成)
3. 個々の評価者が、5名(5件)の候補を比較して、評価基準ごとに「5点法」で再評価する。「5:非常に高い」「4:やや高い」「3:どちらともいえない」「2:やや低い」「1:非常に低い」、
個々の評価者が各候補に与える点数は「100点満点」(ウエイト合計20×5)
4. 各候補の得点(=全評価者が各候補に与えた点数の合計)の順位で、上位2名をAランクに決定(=衆目評価法で決定)

活用上の留意点
1.衆目評価法を活用する場合は評価者が次の点をよく理解し合い、合意すること
@ 最終調整対象の成果内容
A 成果を評価する基準と意味・内容
B 合計20のウエイト配分(評価の重点配分)
2.被評価者へのフィードバック
“衆目評価法“を最終調整評価に応用した実施手順をありのままに説明することで、納得が得られやすいでしょう。





H26.1.28
会社と社長の土地の賃貸借 権利金の収受がない場合

権利金を取らない会社対社長の借地契約
 会社と社長個人の間で土地を賃貸する際、権利金をやり取りしない場合があります。『会社も個人も一緒』という感覚も分かりますが、会社と個人は別人格。借地を建物の敷地として利用する場合には、税務上『借地権』が設定されたものとされます。

会社の土地を社長個人に貸付けした場合
 地主を会社、借地人を社長個人とする場合に、権利金の収受がないときは、借地権課税の問題が生じます。営利目的である会社が土地をタダで貸す訳がないということです。一般の借地権対価を会社が受け取り、同額を社長個人に渡した(役員賞与)という取扱いになります(『権利金の認定課税』)。
借地人(社長個人)借地権/給与収入
地主 (会社)役員賞与/権利金収入
 この場合、会社側に源泉徴収義務が生ずると同時に、役員賞与が事前確定届出給与でない場合等には、損金不算入とされます。
 ただし、会社の土地の上に社長の居宅を建てたいという場合ならば、借地契約などは行わず、その土地の上に会社の社宅として建築し、社長がそれを利用する等で対応ができるケースもあります。
社長個人の土地を会社に貸付けした場合
 反対に地主を社長個人、借地人を会社とする借地契約で権利金収受がないときは、会社側は通常支払わらなければならない権利金の受贈益を計上しなければなりません。
その一方で貸す側の社長個人には課税関係は生じません。法人に対する低額譲渡は時価課税(みなし譲渡)となるのですが、その対象となる『譲渡』に借地権の『設定』は入らないという解釈からです。
借地人(会社)借地権/受贈益
地主(社長個人) 課税関係なし

『無償返還届出書』は提出すべきか?
 これら権利金認定課税等の救済措置には『相当の地代』方式(権利金なしの更地価格×6%を収受)と『土地の無償返還届出書』(将来借主に立退料を請求せずに無償に返還する旨を記載した書類)の提出の二つがあります。実際のところ、「入口課税」「出口課税」がされたという報告はあまり聞かれませんが、念のため届出関係はキチンとしておいた方が無難でしょうね。





H26.1.27
評価が簡便ゆえに当局との争いが絶えない 悩ましい広大地の評価

減額率が大きい『広大地』
 相続における土地評価で『広大地』と言うのがあります。『広大地』とは、その地域における標準的な宅地に比して著しく地積が広大な宅地で、開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担(いわゆる『潰れ地』)が必要と認められるものをいいます。ここでいう『著しく地積が広大』とは、都市計画法に基づく開発許可を要する面積(三大都市圏で500u、その他1,000u)以上のものを言います。
 この『広大地』を相続税法で評価する場合、下記のような非常に大きな減額率が考慮されます。
広大地補正率=
0.6−(0.05×広大地の面積/1,000u)
 例えば700uの土地ならば0.565となり、イメージとしては約半分の価額で評価できるということになります。

広大地が減額される根拠
 このような土地の買手として想定されるのは、まず宅地開発業者です。彼らは最も需要がある住宅など『標準的な地積』(例えば100u)』に区画整理し戸建分譲する形を取ります。そうなると都市計画法では道路や公園の設置が求められ、土地全体をそのまま利用できずに所謂『潰れ地』が生じます。これを評価に反映させるという訳です。
 また『需要』の面からみても、このような広い土地を購入する者はそうそういる訳ではありません。需要がなければ価格が下がるのが市場原理。実際の価格もこれくらい広い土地の坪単価はかなり安くなります。
 このような実態を鑑定士の方が行う『面大地』の発想を取入れ、簡便計算できるように改正したのが平成16年のことでした。

計算が簡便ゆえに『入口』で争われる
しかし事をややこしくしているのは、「大規模工業用地」や「マンション適地」は所謂『潰れ地』がないため、広大地から除くとしている点です。
 減額率の算式自体は、これ以上ない程簡単ですので、そもそも『広大地』に該当するか否かの『入口』で争われることになります。税務当局が『潰れ地』がないと強弁することも多々見受けられます。そのため反論を想定した綿密な理論武装が求められることになります。





H26.1.24
留学生と卒業後のアルバイト

外国人留学生と就職活動状況
 3年連続で大卒就職率が改善され、新卒採用は緩やかな回復基調を見せていますが、学生たちにとっては依然として厳しい状況が続いています。特に外国人留学生の新卒採用は、ここ数年メディアから注目を集めてはいるものの、在学中に内定が決まる学生は日本人学生の採用に比べ決して多くはありません。学校卒業後も、アルバイトをしながら継続的に就職活動を行う留学生も多く見られます。今日は、学校卒業後、就職活動中の外国人をアルバイト採用する際の留意点についてお話しします。

学校卒業後の在留資格とアルバイト
 外国人が日本に長期滞在する場合、その方の活動内容に合わせた在留資格(いわゆる「ビザ」)が付与されています。在学中の留学生には、「留学」が付与されていますが、卒業後も継続的に就職活動を行う場合はこれを「特定活動」という在留資格に変更することになります。「特定活動」という在留資格にはいくつか類型があるのですが、この継続就職活動を目的とした「特定活動」については、資格外活動許可と呼ばれるアルバイト許可を取得していれば、週28時間までのアルバイトが認められます。在留資格「特定活動」を持っているだけではなく、この「資格外活動許可」も取得していなければ、アルバイト採用することはできません(尚、風俗営業店での採用は不可)。
 外国人の身分証明書である「在留カード」とパスポートには、持っている在留資格の種類、資格外活動許可を得ている場合はその旨が記載されています。面接時や、雇用している留学生が学校卒業後もアルバイトとしての継続勤務を希望した場合には、必ず在留カードとパスポートの原本を確認しましょう。

雇用主として配慮したい点
 資格外活動許可で認められるアルバイト時間は、週28時間までです。近年、この制限時間を大幅に超えた留学生等が、在留状況が悪いとされ、在留期間の更新や在留資格の変更が認められなかったという事例が非常に増えています。制限時間を超えてのアルバイトは、雇用主としての責任を問われるだけでなく、外国人本人のその後の滞在にも関わります。たとえ本人からもっと長時間仕事をしたいと言われても、その点を十分に説明し、適切な労働時間内での勤務を促しましょう。





H26.1.23
申告漏れは107億円(H24)
金地金の譲渡所得の調査状況

所得税の税務調査は『富裕者層』強化
 H25年10月に国税庁より『平成24事務年度(H24.7〜H25.6)における所得税及び消費税調査等の状況について』が公表されています。個人課税の分野においては、近年の傾向どおり、いわゆる『富裕者層』について、資産の運用化・多様化に対応した調査を実施しているとコメントしています。

金地金の申告漏れは107億円(H24)
 この中で『金地金』についての税務調査等の状況が報告されています。
 『金地金』はインゴットやバーとも呼ばれる金の地金(塊)です。昨年(H25)の4月に入って急落しましたが、1月には国内小売価格は32年ぶりの高値(1/18田中貴金属 1g 5,145(込))をつけるなどここ数年は高水準で推移していたため譲渡益が出やすい状況であったようです。
 これに対し国税庁はH24年1月から対価200万円超を支払う場合に、「金地金等の譲渡の対価の支払調書」の提出を求めるなどの情報収集を強化していました。
 この報告によれば、H24年事務年度で申告漏れの非違件数は1,813件、申告漏れ所得は107億円、また非違1件あたりの申告漏れ所得金額は、593万円であったそうです。

金地金に係る譲渡所得の調査状況(国税庁)
事務年度    H22   H23   H24
申告漏れ   962件  1,309件 1,813件
申告漏れ所得 61億   79億   107億
1件当たり   630万   604万  593万

金地金の売却は原則『総合譲渡』課税
 給与所得者などが所持する金地金を売却した場合の所得は原則として譲渡所得(総合短期・総合長期)として課税されます(営利目的の場合には、譲渡所得とはならず、事業所得又は雑所得)。
(短期総合譲渡 所有期間5年以内)
@売却金額−(取得費+売却費用)=譲渡益
A(譲渡益−50万円)=課税所得
(長期総合譲渡 所有期間5年超)
短期のAの金額に『×1/2』を乗じます。
 尚、金投資口座や金貯蓄口座の利益は金地金現物の譲渡とは異なり、金融取引に近いため、20.315%(所得税・復興税15.315%、地方税5%)による源泉分離課税となります(源泉徴収だけで課税が終了しますので、他の所得と合算して申告をすることはできません)。





H26.1.22
手続きミスにご用心!外国人の出国とみなし再入国許可

入管法の改正で便利な制度も
 平成24年7月に「出入国管理及び難民認定法(通称、入管法)」が改正され、外国人の方の在留に関する諸制度が大幅に改定されました。これにより、外国人の方の滞在に関して以前より厳格化された印象がありますが、外国人の方にとって便利な制度も新設されました。それが、「みなし再入国許可」の制度です。

「みなし再入国許可」とは
 日本に中長期滞在する外国人の方が一時的に日本を出国する場合、入管法改正以前は「再入国許可」という許可を得た上で出国しなければ、それまで取得していた在留資格を失ってしまうというものでした。しかし、この「みなし再入国許可」が新設されたことにより、出国後1年以内に日本での活動を継続するため再入国する場合については、原則として再入国許可を受ける必要がなくなったのです。日本での生活で何かと手続きの多い外国籍の方々にとって、母国に帰る際、少しでも負担が軽減されたのは朗報ですね。

手続きミスにご用心!
 「みなし再入国許可」の新設から1年以上が経ち、外国人の方々の間にもだいぶ制度が浸透しています。ですが、この「みなし再入国許可」の適用を受けるためには、@有効な旅券及び在留カードを所持し、かつ、A出国の際に記入する「再入国出国記録(再入国用EDカード)」で、「みなし再入国の適用を希望する」旨の意思表示欄にチェックをした上で出国することが必要です。実は制度新設以降、この意思表示欄ヘのチェック漏れにより、外国人本人も気づかぬまま出国し、在留資格を失ってしまう事例が少なからず報告されています。みなし再入国許可適用の意思表示をせず出国してしまった場合、単純出国者として扱われ、改めて新規入国手続きを行わなくてはなりません。自社の従業員がこうなってしまっては、企業にとっても大変な負担です。
 アジア圏の方には旧正月に帰国される方も多くいらっしゃいます。外国籍スタッフの方が長期休暇を取得される際には、いつもの会話に一言、みなし再入国に関する留意点も付け加えてみてはいかがでしょうか。





H26.1.21
年の初めに経営理念を考えてみる

経営理念は社員に伝わっているか
 多くの経営者の方は常にお客様のこと、会社のこと、社員のこと等を考え、売り上げ拡大、資金繰り、社員のモチベーションアップ等に心をくだいていらっしゃることかと思います。
 社員のモチベーションで言えば当然経営者の思いや考えを理解していて欲しいし、その考えに基づいて働いてほしいところです。それを「経営理念」に表し、会社の根底となる行動指針を共有している企業もあるでしょう。では全社員に思いは伝わっていますか?次の問いに答えてみてください。

経営理念の浸透度
1、経営理念の明文化
ア、社長はわかっているが明文化してない
イ、明文化している
ウ、明文化し社長の思い考えと合っている

2、経営理念は社内に浸透していますか
ア、一部の社員にしている
イ、全社員に浸透している
ウ、全社員に浸透し、納得もしている

3、経営理念を全社員が実践しているか
ア、理念はあるが実践とまではいかない
イ、一部の社員は実践している
ウ、全社員が実践し、理念が実現している
この質問で3つともウを選択された会社は案外少ないかもしれません。と言うのは「理念」の意味が分かりにくいこともあるでしょう。美しい言葉を並べてみてもどれも似たようなありふれたものになりがちです。それが社員に納得しにくいものになっていたりしています。

理念とは根底にある基本的な考え方
 経営理念とは言い換えれば会社の存在意義と言えます。何のために自社はあるのかをわかりやすく表現し、社会的な意義や人の為になる事等を入れることで社員が理解しやすくなるでしょう。経営者自らが思いやこだわりを込めた文を作り、少し時間をおいて練ってから幹部や社員にも意見を訊くのが良いでしょう。存在意義を明文化することで経営者の大切な思いに共感してくれる社員が残り、採用でも共感する人が集まりやすくなり、共感できない人は徐々に去っていくかもしれません。そのような体制が少しずつ進むと組織の活性化が生まれ、経営者は人使いに悩むことも減ってくるのではないでしょうか。





H26.1.20
平成26年度税制改正大綱
納税環境整備(国税通則法)編

 平成23年度12月の税制改正で、税務調査手続きの明確化等の改正が行われましたが、今回の大綱においても行政不服審査制度の見直し、また、税理士法の見直しを受けて、幾つかの整備のための改正が行われています。以下、主な項目を概観して行きます。
 なお、行政不服審査法は、昭和37年の制定以来、実質的な法改正がなく、今回、@公正性の向上、A使いやすさの向上、B国民の救済手段の充実・拡大の観点から見直し、次期通常国会への法案提出、関係機関の準備と国民への周知後、2年以内の施行を目指すとしています。

●国税の不服申立て手続き等の見直し
(1)現行では、異議申立て、審査請求の2段階の不服申立て前置ですが、改正では直接審査請求できることとしました。なお、現行の審査請求に前置する異議申立ては「再調査の請求」に改めるとしています。
(2)現行では、処分に対する異議申立ての期間は2月以内ですが、これを(再調査の請求、直接審査請求)3月以内に延長することとしています。
(3)現行では、担当審判官の職権収集資料等の物件の閲覧及び謄写はできませんが、改正ではできることになります。
(4)審査請求人の処分庁に対する質問、審理といった手続きの計画的遂行のための手続規定の整備を行うとしています。
(5)国税通則法99条の見直し
 現行では、国税不服審判所長が法令解釈等と異なる裁決をするときは、最終的には国税庁長官の指示により裁決を行うことになっていますが、改正では、国税審査会の議決に基づいて裁決しなければならないことになっています。
 上記改正は、(5)を除き、改正行政不服審査法の施行日から適用となっています。

●調査の事前通知の規定の整備
 前回の改正でも通知すべき納税義務者に当該納税義務者の税務代理人を含むとされていましたが、今回の改正では、税理士法第30条の規定による書面を提出している税理士があるときは、当該税理士に対しても調査の事前通知をしなければならない、また、地方税にあっては、納税者本人の同意があれば納税者本人への通知に代えて、税理士への通知ができるとされています。
 この改正は、平成26年7月1日以後に行う事前通知について適用されます。





H26.1.17
平成26年度税制改正大綱
消費課税編

 消費税の軽減税率に関しては、税率10%時に導入するとし、その具体的な時期につては明言を避け、導入の判断を平成27年度の税制改正まで事実上先送りされました。
 以下、大綱の主な改正項目を概観していきます。

●簡易課税の「みなし仕入率」の見直し
 会計検査院の以前からの指摘で、実際の課税仕入率がみなし仕入率を下回っており、簡易課税適用による益税が生じている。特に、乖離が大きい金融保険業と不動産業のみなし仕入率の見直しを検討すべきとしました。
 これを受けて今回の改正では、金融保険業は第4種事業(仕入率60%)から第5種事業(仕入率50%)、一方、不動産業は第5種事業(仕入率50%)から第6種事業(仕入率40%)にみなし仕入率が引き下げられました。この改正は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間から適用です。
 ただ、この益税問題ですが、特定目的会社(特定の事業を営むことを目的に設立された会社で債権や不動産等の譲渡が主目的)の巧妙な利用によるものが圧倒的に多く、一般の零細事業者は数こそあれ金額的にはそれ程でもなく、この会計検査院の指摘には、疑問視する声も一部にはあったようです。

●課税売上割合計算における範囲の見直し
 現行では、課税売上割合の計算において、算式の分母に金銭債権の譲渡は含められていません。今回の改正で、有価証券等の譲渡と同様、その対価の5%を算式の分母に含めることにされました。この改正は、平成26年4月1日以後に行われる金銭債権の譲渡について適用されますが、中小の事業会社にはあまり影響はないように思います。

●車体課税の見直し
(1)自動車重量税について
 エコカー減税を拡充(一定の燃費基準を満たす車は2回目の車検においても免税)、一方、経年車に対しては課税強化となっていますが、急激な負担増とならない措置も講じられています。
(2)自動車取得税について
 段階的な引き下げ、消費税10%引き揚げ時には廃止、別途、環境性能課税(環境性能割)を導入することとしています。
(3)軽自動車税について
 平成27年度以降の新規取得自家用車は1.5倍に引き上げることとし、平成28年度分からは、経年車重課となっています(既存・新規車を問わない)。





H26.1.16
平成26年税制改正大綱
国際課税編

 昨年の税制改正では、非居住者及び外国法人(以下、外国法人等)に対する課税方式を、「総合主義」からOECD承認アプローチに沿った「帰属主義」への移行に向けた法整備が検討項目に上がっていました。今年度の大綱で、このアプローチにそった具体的な改正案が示されました。

●帰属主義とOECD承認アプローチ
 帰属主義とは、所得源泉の国内外を問わず、その支店に帰属する所得(支店帰属所得)のみに課税する、というものです。
 OECD承認アプローチは、@支店の果たす機能及び事実関係に基づき、外部取引、資産、リスク、資本を支店に帰属させ、A支店と本店等との内部取引を認識し、B当該内部取引が独立企業間価格で行われたものとして、支店帰属所得を算定する方式です。

●外国税額控除に係る論点
 帰属主義では、外国法人等の在日支店に帰属する所得が第三国を源泉とする所得であっても日本で課税されることになり、当該国外所得が第三国で課税されていれば二重課税の問題が生じます。
 そこで、改正案では、当該支店のための外国税額控除制度を創設しました。
 また、内国法人の国外支店の日本での投資所得についても、当該国外支店の国外源泉所得として認識されることから、改正案では、内国法人の外国税額控除に関して国外支店帰属所得を算定する際には、計算要素に内部取引等を勘案するとしています。

●帰属主義に移行することの意義
 一つは、通常、租税条約は帰属主義が採用されていることから、国内法が帰属主義になることで租税条約との整合性が図られ、国際的にも調和のとれた税制になる。もう一つは、新しいOECDモデル租税条約に沿った共通のルールにより支店帰属所得を計算することになるため、本店所在地国と支店所在地国から二重に課税される部分が減少するとともに、どちらの国からも課税されない「課税の空白」を減らすことにもつながる、としています。
 この改正は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税及び平成29年分以後の所得税について適用されます。

●国境を越えた役務提供等に対する消費税
 この問題については、内外判定基準の見直し及びそれに応じた適切な課税方式の導入を含めて、平成27年度税制改正に向けて具体的に検討する、となっています。





H26.1.15
平成26年度税制改正大綱
個人課税編

 個人課税に関しても「秋の大綱」がありますが、その内容は設備投資等減税に関するもので法人課税と同様です。そこで、ここでは「年末の大綱」のうち3点に絞ってその改正内容を取り上げてみます。

●給与所得控除の上限引き下げ
 控除の見直しは、民主党政権下で成立した「税制抜本改革法」第7条で検討事項として上がっていたものです。
 現行の控除上限額は、給与収入1,500万円超で245万円ですが、改正では、平成28年分の給与収入1,200万円超で230万円(住民税は平成29年度分から)、平成29年分以後の給与収入1,000万円超で220万円(住民税は平成30年度分から)となっています。

●少人数私募債利子の節税封じ
 報道等のタイトルでは、特定公社債の範囲の見直し、となっています。この少人数私募債利子に関しては、過度の節税対策として利用されていることに鑑み、昨年改正されました。
しかし、その解釈では、たとえ同族会社が発行し、当該同族会社の役員等が支払いを受けるものであっても「平成27年12月31日までに発行された社債」は、特定公社債に該当し、結果、平成28年以降支払い受ける利子には申告分離課税(平成27年までに支払いを受ける利子は分離課税)20%が適用され、総合課税の対象外となってしまうことが判明しました。
そこで、今年度の改正で、特定公社債から同族会社が発行した社債を除外し、当該同族会社が平成27年12月31日以前に発行したものであってもその同族会社の株主等が平成28年1月1日以後に支払を受けるものは、総合課税の対象としました。

●新株予約権発行会社売却による節税封じ
報道等では、ストックオプション課税の適正化、というタイトルになっています。
 現行法における非適格のストックオプションでは、新株予約権の付与後、権利行使して株式を取得、取得と同時に市場で売却すれば、その所得区分は給与所得して総合課税の対象になります(取得と同時の売却は、通常、譲渡所得課税はない)。
 しかし、付与されたストックオプションを権利行使せずに発行会社に売却すれば、その所得区分は申告分離課税になります。
 そこで、今年度の改正で、平成26年4月1日以降の譲渡から、発行会社への譲渡対価の額を、給与所得等とみなして、総合課税の対象にすることとしました。





H26.1.14
平成26年度税制改正大綱
資産課税(譲渡所得・相続税)編

 先ず譲渡所得、次いで相続税・贈与税の主な改正項目から概観していきます。
(譲渡所得関係)
●ゴルフ会員権等の損益通算廃止
 ゴルフ会員権等の譲渡損失を他の所得との損益通算を認めないこととしました。この改正は、平成26年4月1日以後に行う譲渡から適用です。
●相続税の取得費加算の特例の縮減
 取得費加算については、譲渡した土地等に対応する相続税相当額とすることとされました。この改正は、平成27年1月1日以後に開始する相続等によって取得した土地等の譲渡から適用です。
●特定の居住用財産の買換等
 特定の居住用財産の買換等の場合の長期譲渡所得の課税の特例については、譲渡資産の譲渡対価に係る要件を1億円(現行:1.5億円)に引き下げた上、その適用を2年延長することとされました。この改正は、平成26年1月1日以後に行う居住用財産の譲渡から適用です。遡及適用ですので留意が必要です。
●公益法人等に対する株式の寄付制限
 公益法人等に株式を寄付するにあたって、その株式が発行法人の発行済み株式総数の2分の1を超えて寄付した場合には、寄付者の所得税等を不当に減少させるものとして非課税要件には該当しないこととされました。この改正は、平成26年4月1日以後に行われる株式の寄付について適用です。

(相続税・贈与税)
●医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の創設
 この制度は、厚労省の要望で、期限(最長3年間)を定めて「持分なしの医療法人」への移行を進める手段して認定医療法人を創設、その認定移行期間中の相続税・贈与税の納税を猶予し、移行後に猶予税額を免除する仕組みです。しかし、持分放棄が前提です。この認定医療法人ですが、今年の通常国会で医療法を改正し、創設される見込みです。
●扶養義務者からの贈与についてQ&A
 税制改正項目ではありませんが、昨年末、国税庁から父母、祖父母から生活費等の贈与を受けた場合の贈与税に関するQ&Aが公表されました。
 それによると、数年間の生活費等の一括贈与であっても生活費以外に使われていなければ贈与税の課税対象にはない、とする幾つかの取扱いを示しています。





H26.1.10
平成26年度税制改正大綱
法人課税編

法人課税に関しては、「年末の大綱」とそれに先立つ「秋の大綱」(平成25年10月1日発表)があります。「秋の大綱」の主眼は、成長戦略のより一層の推進です。以下、大綱の主な改正項目をみていきます。

●生産性向上設備投資促進税制の創設
 産業競争力強化法の施行日から平成29年3月31日までに、一定の設備を取得等した場合には、以下の特別償却(即時償却)又は税額控除ができることとしています。

〜28.3.31
機械装置、器具備品等
即時償却又は5%の税額控除
建物、構築物
即時償却又は3%税額控除

〜29.3.31
機械装置、器具備品等
50%特別償却又は4%税額控除
建物、構築物
25%特別償却又は2%税額控除

なお、平成26年3月31日以前に終了する事業年度の投資分については、平成26年4月1日を含む事業年度において相当額の償却又は税額控除ができるとしています。

●中小企業税制の拡充と延長
 中小企業促進税制については、その適用期限を平成29年3月31日まで3年間延長し、産業競争力強化法の施行日から平成29年3月31日までに取得等した特定機械装置等が生産性向上設備投資促進税制の対象設備等である場合には、即時償却又は7%(資本金3,000万円以下の中小企業者等は10%)の税額控除ができます。また、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例も2年延長するとしています。

●所得拡大促進税制の拡充と延長
 現行の雇用者給与等支給増加割合5%を平成25,26年度2%、平成27年度3%、平成28,29年度5%以上に要件が緩和され、また、「平均給与等支給額」が前年度以上であることの要件も「継続雇用者に対する給与等」に見直した上で「前年度を上回ること」に変更されました。適用期限は平成30年3月31日までと2年延長されています。

●復興特別法人税の1年前倒し廃止
 復興特別法人税の課税期間を1年間前倒で廃止し、それに伴って、源泉徴収された復興特別所得税額は、各事業年度の法人税から控除又は控除しきれない金額は還付することとされています。

●交際費課税の損金不算入制度の見直し
 交際費課税については、その適用期限を2年間延長するとともに、資本金の規模にかかわらず、飲食(社内接待費は除く)のために支出する費用の額の50%を損金の額に算入できることとし、また、中小法人にあっては、現行の定額控除800万円と選択適用を認めています。





H26.1.9
成果主義とチームワーク

 成果主義評価は、成果をあげた高能力社員と成果をあげられなかった社員をきちんと区別して評価することができ、真の公平さを持つ評価方法であるとされています。
すなわち優劣の差をつけない“悪平等”が避けられ、高能力で実力を持つ社員を正当に評価することによって、そのモラールを高め、一層活躍してもらえるメリットが生まれる、と言う考え方です。
 しかし、その一方で「成果主義評価は高い評価を得た一部の社員にとっては納得性を持つが、会社全体の成果を高めようとする場合にはチームワークを阻害してしまう大きな問題がある。」とする無視できない指摘があります。

チームワークを阻害する訳
 成果主義評価がチームワークを阻害する
理由は次のような点にあります。
1. 社員は自分の評価を高めたいので、自分が持っている知識・ノウハウを仲間や後輩に教えようとしない。その結果業務遂行や改善に役立つ知識・ノウハウが組織内部で共有されず、人材も育たない。
2. 自部署の持つ知識・ノウハウを他部署に開示すると、その活用によって成果をあげられてしまい、自部署の評価に不利に働くと考え、開示しようとしない。
3. このような知識・技術・ノウハウが共有されない組織では、特定の社員や部署における活用に止まり、会社全体での知的財産の有効活用が図れないので、目に見えない大きな機会損失が生ずる。
4. チーム目標の達成のためにメンバー全員で努力したのに、一部の目立ちやすいメンバーだけが評価され、下積み的な目立たないメンバーは全く評価されないなど不平等な評価になりやすい。

チームワーク向上・トップの留意点
チームワークを向上させ、機会損失を防ぐには、トップが次の点に留意すべきです。
@ 個々の社員や部署が持つ知識・ノウハウの開示を奨励し、登録制度を設けるなど会社の知的財産蓄積に対する貢献を認めて成果として評価する。
A 部署間、個人間の知識・ノウハウ共同活用によるチームワークの成果を奨励し、高く評価する。
B チーム内の個人の貢献をその度合いに応じて公正、平等に評価する。





H26.1.8
遺族年金の男女格差是正

公務災害の遺族補償年金、夫の請求が通る
最近のニュースで、大阪地裁で遺族補償年金支給年齢に男女差を設けることを違憲とした事例がありました。
遺族補償年金は夫が死亡した場合妻には年齢に関係なく支給されますが、妻が死亡した時は死亡当時夫が55歳以上且つ、夫が60歳になってからしか支給されません。
この事例では地方公務員であった妻が職務上のストレスから自殺し、夫が労災申請をしていました。ところが妻の死亡当時夫が51歳であった為、遺族補償年金は不支給とされてしまいました。夫はこの処分の取り消しを求めて訴訟を起こし、裁判所側は夫の言い分を認める判決を出しました。

女性の社会進出、共働きの増加
地方公務員災害補償法の施行された1967年頃は夫が外で働き、妻は家事に専念すると言う世帯が一般的でしたが1986年の男女雇用機会均等法施行以来、女性の社会進出も増加、2010年時点では専業主婦世帯797万に対し、共働き世帯1012万世帯と大きく増え近年では妻が家計を支えて夫が専業主夫の場合も多々あります。
労災補償に限らず、厚生年金保険や共済組合の遺族年金も妻の死亡時夫が55歳以上、受給は60歳からとなっています。年金財源の問題もあるのですぐに他の遺族年金制度に波及するのかは判りませんが今後見直しの動きがあるかもしれません。

父子家庭の遺族基礎年金の支給
 労災補償でない年金では2014年4月から父子家庭にも遺族基礎年金が支給されます。現行の仕組みでは夫が死亡して遺族が妻と子の場合、妻は子が18歳になった年度末まで遺族基礎年金を受給する事が出来ます。しかし妻が死亡しても夫と子は遺族基礎年金を受給する事はできません。一般的には父子家庭より母子家庭の方が生活の困窮度が高いからという事でしょう。しかし父子家庭であっても生活に困っている家庭も多いという状況から、妻が亡くなり夫と18歳の年度末までの子の場合は年1,012,800円が支給されるようになります。また、夫の被扶養配偶者である妻(第3号被保険者)が死亡した場合は夫には遺族基礎年金は支給されません。残された家族が困窮しないように支給するという性格の為、共働き又は妻が収入の担い手であった専業主夫の場合は支給されます。





H26.1.7
相続時精算課税と暦年贈与
何十年後を予測できるか

リスク・デメリットの予測
相続時精算課税は、何十年も後になり選択の結果がでる制度であり、その間に何が起きるかわかりません。
相続時精算課税制度の適用選択にはどんなリスク・デメリットがあるか、十分に検討する必要があります。
しかし、それでも、多分、すべてを予測し切ることは不可能です。

相続時精算課税のリスク
@相続時精算課税贈与財産が無価値化になっても相続税額が発生します。
A今次の基礎控除引き下げなどのような相続税制の変更に伴い、制度選択が致命的になってもリカバリー困難です。
B受贈者が特定贈与者より先に死亡すると二重課税になる恐れがあり、受贈者が独身、一人っ子で、先に死亡する場合には、三重課税になりかねません。
C相続時精算課税は一度選択すると、その特定贈与者からの贈与については暦年贈与の選択が一切できず、撤回も不可です。
D贈与税の申告内容開示制度により、相続時に他の相続人等からの請求で精算課税贈与額(3年内暦年贈与財産も同じ)が開示されることになっています。

相続時精算課税のデメリット
@相続開始前3年以内の贈与加算される財産は、また、その贈与財産により取得した財産も物納対象となりますが、相続時精算課税制度による生前の受贈財産は、相続時に物納できません。
A相続税の特例として、相続財産に対する小規模宅地等の減額特例がありますが、相暦年課税・続時精算課税により贈与した財産については、同特例は適用できません。小規模宅地等の減額の特例は、非常に効果が大きいものです。宅地等を贈与財産とするときには、この検討は重要事項です。
B暦年課税・相続時精算課税により贈与を受けた財産が土地の場合には、登録免許税の税率は、贈与時の不動産価額に対する税率の1.5%となります。相続であれば相続時の不動産価額に対する0.4%となります。
C暦年課税・相続時精算課税により贈与を受けた財産が土地の場合には、不動産取得税の税率は、贈与時の3%となり、さらに宅地のときは課税標準が1/2になります。相続であれば非課税となります。





H26.1.6
成果主義と挑戦意欲

 トップの意思で“成果主義の評価”が行われている企業が陥りやすい問題の一つに“挑戦意欲の低下”があります。
“成果主義の評価”によって、社員のより高い挑戦を引き出したいと期待しながら、皮肉なことにその意図に反して逆の結果が生じてしまうのです。

挑戦意欲の低下原因
“成果主義の評価”は社員の意識に次のような影響を与えたり、望ましくない現象が生じたりして“挑戦意欲の低下”につながる可能性が高いので注意が必要です。
1. 市場・顧客の評価が定まっていない新規商品や、意欲的に顧客の新しい好みを引き出そうとする冒険的な商品の開発、販売を担当すると、結果が出ず評価が下がるリスクがあるので避けて通りたい。
2. 「ハイリスク・ハイリターン」の評価・報酬を約束したとしても、成功の可能性が低いと予想して、二の足を踏む。
3. リスクを恐れない挑戦意欲の高い一部の社員が新規性の高い提案をしても周囲の反対に遭ってつぶされてしまう。
4. 会社全体にリスクを避け、挑戦しない保守的意識が蔓延し、すでに顧客の評価が定まった定番商品が主力商品の位置を占め、事業が発展性を持たなくなる。
5. 営業部門は新しいマーケティング施策に取り組まず、開発部門は新技術の開発に挑戦する意欲が低下するなど保守的な姿勢が社内に蔓延し、常に短期的に達成しやすい成果を求め、冒険や探検を恐れる組織風土が形成されてしまう。

挑戦意欲を高めるトップの留意点
 トップは“成果主義の評価”を方針として示すと同時に社員の挑戦意欲を高めるよう社内に次のような意思表示を行うべきです。
@ 新たな挑戦による事業の発展を追求して欲しい。それに伴うリスクはトップがとる。
A 挑戦した結果の失敗はマイナス評価とせず、失敗から得た次につながる教訓を見出してプラス評価する。
 また、このような方針を示す前に、管理者層に、“成果主義評価”の方針とともに“挑戦意欲の低下”の懸念を伝え、対策を話し合わせる場を設けることで、管理者の巻き込みを図ると成功するでしょう。