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H26.11.28
誤りやすい事例
年末調整の留意点

 年末調整の時期となりました。年末調整とは、給与の支払を受ける人の一人一人について、毎月(日)の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与総額について納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足額を精算する手続きです。

昨年と比べて変わった点
 平成26年分については、大きな改正点はありませんでしたが、昨年から創設された復興特別所得税の計算がありますのでその留意が必要です。
 そのため、年末調整において年税額を計算する際にも、復興特別所得税を含めた年税額[年調年税額=年調所得税額×102.1%(100円未満切り捨て)]を算出する必要があります。
 以下、誤りやすい事項について3例ほど検討したいと思います。

遺族年金の受給と合計所得金額の判定
 扶養親族に該当するかどうかを判定する場合の合計所得金額には、所得税法やその他の法令の規定によって非課税とされる所得は含まれないことになっています。
 したがって、非課税所得である遺族年金を含めないところで扶養親族を判定することに注意して下さい。

給与の支払日が年の中途で変更された場合
 これまで前月21日から当月20日までの勤務分に係る給与が当月末支給から翌月5日に変更になった場合、11月21日から12月20日までの給与は翌年1月5日に支払われることになります。
 この1月5日に支払われる12月分の給与は、本年の給与に係る年末調整の対象に含めなければならないかどうかですが、結論は、計算対象には含めない、です。
 その理由は、年末調整は、その年中に支払うべきことが確定した給与が対象で、確定した給与とは、契約又は慣習により支給日が定められている給与についてはその支給日、支給日が定められていない給与についてはその支給を受けた日、と解されていることにあります。

親族等が契約者となっている保険契約等
 妻や子が契約者となっている生命保険契約等であっても、その妻や子に所得がなく給与の支払を受ける夫がその保険料を負担している場合には、その保険料又は掛金は夫の生命保険料控除の対象になります。
 但し、保険金等の受取人が給与の支払を受ける人又はその配偶者その他の親族でなければなりません。





H26.11.27
マイナンバーがはじまる
事前準備が着々と

社会インフラとしてのマイナンバー
 マイナンバー法が成立し(平成25年5月31日公布)、情報化社会のインフラが整備されることになりました。
 マイナンバーは、個人と法人に付与されますが、個人については社会保障分野、税分野に利用範囲を限定して導入されます。法人については、広く一般に公表されることになっているので、官民問わず様々な用途で活用される予定とされています。

今後の導入スケジュール
 マイナンバーの導入スケジュールは、現在のところ、平成27年10月から個人番号・法人番号の通知、平成28年1月から順次、社会保障、税、災害対策分野で利用開始することが予定されています。
 所得税の申告については平成28年分の申告書から、法人税の申告については平成28年1月以降に開始する事業年度に係る申告書から、法定調書については平成28年1月以降の金銭等の支払等に係るものから、申請書等については平成28年1月以降に提出すべきものからマイナンバーの記載が開始されることになります。

源泉徴収票はA6からA5へ
 平成27年7月に所得税法や法人税法、相続税法などの施行規則の改正省令が公布され、法定調書にマイナンバーを記載するようにするための様式改正が行われました。
 「給与所得の源泉徴収票」には情報がギッシリ詰め込まれるので、従来様式の手直しでは対応しきれなかったらしく、全面的に改め、現在の「A6判」を倍の「A5判」にした上で、本人及び扶養親族等のマイナンバーの記載欄を設けています。
 その他の法定調書としては、公的年金の源泉徴収票、報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書、配当等の支払調書等があり、国外財産調書も同じくマイナンバーを記載するよう様式変更されています。

新しい制度に伴う細部の整備と解説
 内閣官房のホームページではマイナンバー制度全般のFAQを掲載しています。国税庁も最近、マイナンバー制度に関するサイトを開設しました。
 準備の進行に応じて、今後、随時更新され、解説も細部に及ぶようになると思われます。





H26.11.26
高齢化する経営者


平均年齢は60歳超え
 中小零細企業において、経営者の高齢化や事業承継問題は今日的課題です。東京商工リサーチが実施した「2014年全国社長の年齢調査」によると全国社長の平均年齢は60.6歳と高齢化が進んでいます。社長の5人に1人は70歳以上との結果も出ています。
 社長の年齢分布は70歳以上22.5%、60歳以上35%ですが30代以下は4%と若い経営者の創業や社長の交替が進んでない事がうかがえます。

年齢別 地域 企業業績
 黒字企業は30代以下では80.4%で40代80%、60代が79.4%、50代79%となっていますが70代以上になると78%以下となっており、一概には言えませんが年齢が業績に影響しているのかもしれません。
 地域別では70歳以上の社長は東京が最も多く4社に1社であり、全国的に60代の構成比が全てで最も多くなっています。又、最も平均年齢が高いのは岩手の62.4歳、最も低いのは沖縄、次に滋賀、大阪、広島、愛知の順と西日本で多くなっています。
 商工リサーチでは「社長が高齢化するほど安定や成長を支えるビジネスモデルの構築が遅れ、従来の営業モデルからの脱却が難しく、業績低下につながっているのがうかがえる」と分析しています。
 売上と利益を見ても増収増益の比率が高かったのは、社長が30代以下の企業38.2%であり、「減収減益」の比率は70歳以上26.8%が最も高く、次に60代26.1%となっています。
 若い社長だから一概に業績が良いとは言えませんが高齢者になると新しい事への挑戦や意欲が少なくなる事はあり得る事です。

事業承継は大きな問題
 2014年の中小企業白書では事業の将来に見通しが立たず、誰にも相談せず廃業するケースが多くなってきており、高齢化が進んでも「後継者難」を理由に継承がスムーズに行われていない現状が分かります。
 特にオーナー企業では子や親類には後を継ぐ人がおらず、事業承継が難しい状況となっています。白書では円滑な事業承継が可能であれば事業を続けていくケースも少なくないとみています。





H26.11.25
職務発明の対価

改めて職務発明の対価が話題に
 ノーベル物理学賞で関心を集めた職務発明ですが、現在の日本の特許法では社員が仕事で生み出した発明を特許にする権利は発明者に帰属する事となっています。但し社内規定があれば企業は社員から権利を受け取ることができ、代わりに社員に相当な報酬を払う事となっています。
 受賞者の1人の方の青色発光ダイオードの職務発明についてその対価に対して訴訟があり、話題にもなりました。地裁では200億円、最終的に高裁では8億円で和解となりました。このころ同じような訴訟が相次いでいた為、産業界の要望で05年には改正特許法が施行されました。

合理的な対価の算定が求められる
 この改正法は、構造は同じですが企業が労使協議を経て内規で「合理的に算定した対価」であれば裁判では尊重するとしています。相当な対価が社内規定で不合理である場合は裁判所が算出する事とされています。大企業では「合理的な対価算定ルール」を策定、煩雑な算定作業をしています。と言うのも会社にとっては相当と思われる対価を払っていても社員からの訴訟リスクはあり得るからです。

特許は会社に帰属させるとする改正案
 このようなリスクを減らす為に、特許庁は特許の権利を会社帰属とする改正法案を来年の通常国会に提出する予定です。特許は会社のものとする代わりに、報奨義務として適正な報酬を支払わなくてはならない事とし、訴訟を防ぎ、発明意欲も確保する事をめざすとしています。
 今の特許法は職務発明を発明者である社員から承継する事を予め社内規定に定めておき、発明の価値に見合った「相当の対価」を払う事で特許取得の権利承継が出来る事としています。
 中小企業においても特許出願は時として会社の生命線であり、ニッチな部分では多数の特許が取得されています。
 特許を取るべき職務出願がされる可能性がある企業ではこの機会に「職務発明」について、社員ともめる事の無いよう改めて考えてみましょう。





H26.11.21
みなし相続財産とならないもの

本来の相続財産とみなし相続財産
死亡した者に係る給与等で未支給のものは本来の相続財産として相続税が課され、被相続人の死亡後3年以内に支給額が確定した退職手当金等は、みなし相続財産として相続税が課されます。
なお、相続により取得するものについては所得税を課さないと法律は規定し、相続税の課されるものについては、所得税の課税をしない、と二重課税の回避の趣旨が通達で明示されています。
また、別の通達では、相続税の課されない死亡した者に係る給与等、公的年金等及び退職手当等については、一時所得として所得税を課すとしています。

相続不課税で一時所得となるもの
 被相続人の死亡後3年を超えて支給額が確定した退職手当金等は、みなし相続財産の規定外になるので、相続税課税対象外になるとともに、その支給を受けるものの直接の所得となり、一時所得に分類されて、課税されます。
また、年金を受給していた者が死亡し、その死亡時点で未支給となっていた1〜2ヶ月分の年金が、請求によって配偶者等の指定した口座に振り込まれた場合、これも、受給した配偶者等の一時所得となります。
この未支給年金請求権については、遺族が自己の固有の権利として請求するものであることが、国民年金法・厚生年金法に明記されており、かつ、相続財産とみなすとの規定がないので、相続税の課税対象にはなりません。

歯科医師会の死亡共済金も
昨年、平成25年12月12日に、歯科医師会共済制度に基づく死亡共済金は相続財産ではなく、遺族の一時所得に該当するとの判決がありました。
この共済金の受給権は、死亡した会員が指定していた者(指定した者がいない場合は法定相続人)にあり、被相続人の財産としての本来の相続財産ではありません。また、みなし相続財産にも該当しません。
ちなみに、この共済掛金の性質は、中途返戻金のないいわゆる掛け捨てであり、火災や重度の障害に対しても共済金が支払われることになっており、掛金の内、死亡共済金の原資として積み立てられる直接の個別対応関係がないので、一時所得の収入金額から控除する額はゼロとされています。





H26.11.20
目標管理とSWOT分析

 SWOT分析は経営戦略の策定に活用されますが、目標管理においても目標達成可能性判断、達成方法検討に活用出来る適切な方法です。

目標管理におけるSWOT分析活用
 経営計画からブレークダウンして自部署の目標を設定した上で自部署にとっての
・内的要因:自部署の強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)
・外的要因:自部署にとっての機会(Opportunities)、脅威(Threats)
を抽出、検討して、目標達成の可能性を判断し、目標達成方法を決定します。
営業担当部署目標「営業利益10%以上向上」を設定したケースの例は次の通りです。
@ SWOT分析による要因抽出
強み:商品の品質・セールスステップ
弱み:新人セールスマン3割の体制
機会:主要顧客15社への販売機会
脅威:競合B社の営業施策
A 最重点の目標達成方法とし、主要顧客15社にセールスステップを使って高品質を訴求、拡販することにより、目標達成可能と判断
B 弱みを強みに変えるため、ベテランをコーチ役とし、新人セールスマンにセールスステップを体験させ、期初3カ月で単独営業が出来るレベルに育て、戦力化
C 脅威回避の基本方針は、ABにより自らの達成方法を深堀りすることに徹する(B社への直接的対抗策はとらない)

経営者・管理者の留意点
 SWOT分析を目標管理で活用する場合に次の点に留意するとより有効な目標達成可能性判断、達成方法決定が出来るでしょう。
@ SWOT分析では、自社内外で生じた事実状況に基づいて重要な要因を抽出することが不可欠で、そのためには現場活動を体験した社員がその議論に参加、根拠となる事実状況を示して発言し、経営者、管理者は、それらの発言に耳を傾け、営業実績データと併せて、自らの判断の重要な参考とすること
A 達成方法の決定は「強みを機会に活用すること」を最重点とすること
B 脅威の回避策は、一般に直接的な対抗策でなく、毅然とした自らの施策深堀り、強化による方法が得策であること





H26.11.19
「出国税」の創設

出国時の「出国税」
 出国(外国への移住による非居住者化)する時には、翌年の3月15日を待たずに出国時に確定申告(準確定申告という)することになっていますが、その準確定申告では今までにない課税がなされることになりそうです。
この10月21日の政府税調に財務省は、平成27年度税制改正項目として「出国税」を挙げ、資料を提出しました。

「出国税」創設の目的
租税条約上、株式の含み益の実現については売却した者が居住している国に課税権があるとされています。そして、キャピタルゲインを非課税とする国もあり、含み益のある株式等を保有する者が、その非課税国に出国し、その後に出国先で売却することにより、日本国内における課税を回避し、出国先でも課税なしで、二重非課税が実現できます。これへの対策が立法目的です。

キャピタルゲイン非課税国への出国
財務省資料は、キャピタルゲインの非課税国としてシンガポール、香港、ニュージーランド、スイスを挙げ、これらの国々への日本人の出国者数の推移を表にしています。それによると、平成25年では、シンガポール1,852人(平成8年は813人、2.3倍)、香港2,151人(同1,017人、2.1倍)、ニュージーランド8,444人(同2,517人、3.4倍)、スイス4,719人(同2,375人、2.0倍)と、これら4ヶ国で平均2.5倍の伸びを示しています。

諸外国における「出国税」
出国税は、出国に際し、財産を処分し現金化したものと仮定して所得税を課すもので米・英・独・仏・伊・西・蘭・加・墺・豪・デンマーク・ノルウェー・スウェーデン・フィンランド・ニュージーランドでそれぞれ制度化されています。
出国税は、分類的には、全ての財産を処分したものとするのが一般出国税で、有価証券に限って処分したものとするのが制限出国税です。一般出国税の方が多数派ですが、わが国でこれから導入しようとしているのは、制限出国税です。

導入による問題点
 未実現の所得に対する課税なので、担税力に欠くところがあります。また、日本での課税によって、次に出国先で課税されるに当たり、取得原価を出国税課税対象額にまで増加させ得ないと二重課税となります。





H26.11.18
印鑑の取扱いにはご注意を!!
今も昔も印鑑は重要な存在

電子化が進んでも印鑑文化は変わりません
 わが国では、取引のあらゆる場面で昔からの商慣習や法令により、(取引の証拠として)各種書類等に印鑑を押印することがあります。
 世界的にみると取引において印鑑を用いる国は少なく、大多数が「署名(サイン)」を(取引の証拠として)使用しています。
しかし、我が国においては、グローバル化・電子化が進む現在においても印鑑を用いた取引は数多く存在しており、印鑑がもつ重要性は現代社会においても、昔と変わりません。

実印と認印の違いは
 法律上、実印という用語は存在しません。
個人における実印は、その個人の住民票のある市区町村において登録した印影が刻まれている印鑑のことを指し、法人における実印は、その法人の本店所在地を管轄する法務局において届け出られた印影が刻まれている印鑑のことを指します。

押印する際は十分に気をつけましょう!
 保証契約や定期賃貸借契約などの一部の契約を除き、各種契約の締結は口頭で行うことができます。しかし、世間一般的には、「契約書」という形で当該契約の証拠として「書面化」し、当該契約書には、署名または記名押印がなされます。
これらの署名または記名押印は契約に関する意思を表示したものであり、後日の紛争の際、契約当時、契約する意思があったことを証明する有力な証拠となります。
(1)民事訴訟法では、私文書の成立につき、本人(または代理人)の署名または押印があるものは、真意に基づいて成立したものと推定しております。
(2)最高裁判所の判例において、本人(または代理人)により署名または押印がされた事実があれば、その署名または押印自体が本人(または代理人)の意思に基づいてなされたものであると事実上推定されると判断されています。
上記の推定により、実印・認印の区別なく、その私文書は真正に成立したものとして推定されるため、これらを覆すのは、大変困難なケースが多いといわれています。  
ご注意ください。





H26.11.17
目標管理に改善提案を統合

 企業で一般に活用されている目標管理で次のような問題が生じています。
@目標設定対象外業務が社員に軽視される。A一定等級以下の社員を対象外とする場合、
全員参加の経営にならない。
B全社員を適用対象とすると、下級者まで
含めた管理者の制度運用マネジメント負荷が過大になる。
一方、一般に実施されている「改善提案制度」にも次の問題があります。
@運用がうまく行かず、提案件数が少ない。
A提案件数が多い場合でも審査担当管理者が改善対象現場に詳しくないため審査に多大な時間を要する、想像で審査せざるを得ないなど無理が生ずる。

目標管理に改善提案を統合する利点
 このような問題を総合的に解決する方策の概要とメリットは次の通りです。
・従来の「改善提案制度」を「目標管理制
 度」に統合する。
・従来は改善提案制度の対象としていた小改善の効果を、目標管理制度の部署目標(一人当たり目標)として設定する。
・それぞれの部署内で、改善提案を受け付け、その内容を管理者の権限で一定期間実施してみて、効果を確かめた結果を会社に報告、登録し、実績とする。
 [目標管理に改善提案を統合する利点]
@ 全員参加の目標管理(一定等級以下の社員も目標管理の対象)とすることが出来、管理者の負荷も過大にならない。
A 一定等級超の社員にとって従来の目標設定外業務も小改善・部署目標の対象範囲となり、軽視する傾向が防止できる。
B 小改善が現場の実務判断で的確、効率的に進み、件数が向上するとともに審査の手数が大幅に軽減される。

経営者の留意点
「目標管理に改善提案を統合」する利点を活用し、社員のモラール向上、全員参加で改善に取り組む組織風土を開発したいものです。その場合次の点に留意しましょう。
1. 管理者の改善実施権限(費用支出他)、および評価ルール(質的改善効果の点数換算など)の工夫と明確化。
2. 部署と部署内職場ごとの一人当たり改善登録実績を評価し、社内に順位を公表、表彰するとともに報奨金を支給する(上位表彰で、職場のお祝いパーティーが出来る程度が目安)。





H26.11.14
受動喫煙防止対策と助成金

 受動喫煙防止の為の努力義務公布
先般公布された「労働安全衛生法の一部を改正する法律」において「事業者は労働者の受動喫煙を防止する為、適切な措置を講ずるよう努めるものとする」と定められました。職場の受動喫煙防止対策の実施は避けて通れない課題となってきています。  建物内に喫煙室を設けていても、喫煙者は喫煙室内の劣悪な空気を絶えず吸い続ける事になり、非喫煙者も喫煙室からの副流煙で間接的に健康に影響を受けています。

分煙化は進んでいるが……
一般的に分煙化はかなり進んできていて中小企業の場合も建物の外で近隣企業と共同利用できる喫煙場所を設けている等も見受けられますし、街角でも喫煙所が設置されている場所が増えています。
禁煙化が多い業種は医療、福祉、教育、公務等で分煙化が多いのは宿泊、飲食、娯楽、一般企業等です。対策があまりされてないのは建設、運輸、郵便、農林水産業等ですが働く形態に関係しているのでしょう。   また、労働者健康福祉機構労災病院勤労者予防医療センターの資料によると喫煙による離席コストの労働時間ロスは年1人当たり約17万円と言う試算も出ています。

受動喫煙防止対策助成金
 喫煙室を設置して労働者の健康を守る企業の支援の為、設置費用の一部が支給される「受動喫煙防止対策助成金」があります。
対象事業主は
@労働者災害補償保険に加入している中小企業事業主(業種は問いません)
A一定の基準(喫煙室の入り口で部屋の中に向かう風速が0.2m/s)を満たす喫煙室
B事業所内では喫煙室以外を禁煙とする
助成率と金額は
設置とかかる費用のうち、工費、備品、機械設置等の経費の2分の1で上限200万円です。1事業場ごとに1回申請出来ます。
 職場の空気環境を確認するには煙の濃度や喫煙室の換気状態を測定する機器(粉塵計、風速計)の無料貸し出しも実施されています。





H26.11.13
育児休業給付金支給要件の拡充

育休中就業日数の支給制限が緩和
平成26年10月から育児休業中に就業した場合の育児休業給付金(以下、給付金)の取り扱いが変わりました。これまでの給付金は育児休業を開始した日から起算した1ヶ月ごとの期間(支給単位期間)中に11日以上就業した場合には給付金は支給されませんでした。10月以降の最初の支給単位期間からは支給単位中に10日を超えて就業した場合でも、就業していると認められる時間が80時間以下の時は給付金が支給されることになりました。つまり働いた日数だけでなく労働時間の合計で見ることになったのです。

育児休業給付金の支給額
 休業開始賃金日額×支給日数×50%支給 
(平成26年4月1日以降に開始した育児休業は休業開始180日までは67%支給)
 但し支給単位期間に支払われた賃金と給付金の合計額が休業開始前の80%を超えた場合は減額され、賃金だけで「休業開始時賃金日額×支給日数」の80%以上となる時は支給されません。

育児休業給付金の支給申請書の様式変更
 今回の取り扱いの変更により「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」と「育児休業給付金支給申請書」の様式も変更されました。
 就業日数が10日を超える場合は就業時間の確認が必要になります。就業時間が分かるタイムカードや賃金台帳、就業規則等で就業時間や休憩時間の確認書類を添付します。従来は全日休業していた日数を記入していましたが、就業した日数と就業日数が10日を超えた場合には就業時間数も記入します。面倒なのは賃金締切日とは違う期間となる場合が多いので、支給単位期間の就業時間数が分かるように事前に準備しておく必要があることです。
今までは働いた日数のみに注目していましたが、支給単位期間中に何日も働いた場合でも80時間を超えなければ支給されることになりました。





H26.11.12
扶養判定等の「現況」


その年12月31日の現況による
 扶養親族や配偶者、老人、寡婦・寡夫、障害者、勤労学生などの判定は原則として、その年12月31日の現況による、こととされています。
ここで判定の対象になるのは、納税者本人と納税者の親族等です。そして、死亡や出国により非居住者となる場合などの特殊な場合には、判定がその死亡又は出国の時の現況になります。

判定対象が定性的な場合の現況
納税者本人が死亡し又は出国する場合の確定申告(これを「準確定申告」といいます)では、本人が寡婦・寡夫、障害者、勤労学生などに該当するかどうか、本人の親族等が事業専従者、障害者、生計を一、配偶者その他の親族関係に該当するかどうか、というような定性的なものは、死亡又は出国の時までの現況により判定します。

判定対象が定量的な場合の現況
ただし、納税者本人が勤労学生に該当するかどうか、本人の親族等が控除対象の配偶者や扶養親族に該当するかどうかなどは、定性的なものに加えて、合計所得金額など定量的なものが判断の要素に入ってきます。
この場合の「現況」とは、その年の合計所得金額等を合理的に推測見積りすることのできる条件的状況、の意味です。

判定対象者が判定時前に死亡の場合
 納税者の親族等が判定の対象者である場合、判定対象者が判定時(納税者の死亡・出国時)に既に死亡している場合には、判定の時点は親族等の死亡時点に遡及します。
この場合、定量的な判定要素も、死亡によってその年12月31日までの見積計算が不要になるので、定性的判定とともにその死亡時点までの現況ですべてが確定します。

予測見積りの現況に変更が起きたら
死亡納税者からの相続により生ずる引継ぎ不動産所得などは所得として見積り対象ですが、予定外に譲渡した譲渡所得などは結果としては「現況」としての合計所得金額には含め得ないものと言えます。

死亡時現況と年末時現況の重複
年の途中で死亡又は出国した納税者の控除対象配偶者又は控除対象扶養親族に該当した人であっても、その後その年中において他の納税者の控除対象配偶者又は控除対象扶養親族に該当する場合は、その納税者の控除対象配偶者又は控除対象扶養親族として控除の対象となることができます。





H26.11.11
リアルタイムの知


“その場その場の情勢や状況の変化に応じて適切な手段をとること”を臨機応変と言いますが、現代風のカタカナ表現で “リアルタイムの知の創出”と言いかえて、その意義について述べます。
 目標管理では、期首に目標達成計画を立てることが義務付けられていますが、業界や顧客、関連する政治の動向などの与件が不明瞭で、見通しが立たないこともしばしば起こり、達成プロセスの計画を具体的に立てようとすればするほど迷いが生じてしまうことがあります。

視界不透明な時の対処法
 このような時には、無理に具体的計画を記述せず、あえてやや抽象的な大枠の計画に止め、実際に動いて見ること、そこでリアルタイムに顧客との接点などで起こった状況を“三現主義(現地・現場・現実)”で捉え、的確な状況判断を行ない、瞬時に適切な処置をとる“リアルタイムの知の創出”で道を切り拓くことが適切です。
 これはサッカーの名プレーヤーが、競技場の実戦で、ボールが自分の足元に来た時、リアルタイムに的確な状況判断を行ない、瞬時にゴールを目指して次のプレーに移る
状況と似ています。

組織的訓練の重要性
 一人ひとりの“リアルタイムの知の創出力”を高めるには組織的な訓練が重要で、営業担当部署を例にとれば次の通りです。
@ 基礎的技能・技術の習得と実戦体験(初訪・顧客ニーズ把握・提案・見積り・成約・納入・フォローアップの進め方など、個々人のレベルを評価して能力開発)
A 一人ひとりのリアルタイムの営業体験から、成功体験・失敗体験を抽出し、コンピテンシー(成果につながった行動)をチームとして共有する(時にはロールプレーイングを行なう)

経営者・管理者の留意点
 視界不透明な場合の目標達成には、全員の“リアルタイムの知の創出力”が欠かせないことを意識し、現場での一人ひとりの体験に根ざした知識を組織で共有する訓練を推進したいものです。その場合、誰しも自らの失敗体験を披歴することに抵抗感をもつのは当然であり、そこを配慮して、予め小グループ内で失敗体験を率直に話し合わせた上で代表者に発表させる等、巧みな集団ファシリテーションを行ないましょう。





H26.11.10
資産の損失と似て非なる取壊し費用

 相続税の増税に備えた対策の一環として、金融緩和の継続と相まって、借入金による中古賃貸不動産の建替えも盛んのようです。
 これら賃貸に供されている建物の建替えに伴う「取壊し等」により生じた損失、いわゆる資産損失については、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されます。 取壊し等には、除却、滅失等も含まれます。

資産損失の金額の計算
 必要経費に算入される資産損失の金額は、その資産の原価ベースによる価額、いわゆる簿価を基礎として計算することとされており、建物については、損失の生じた日にその資産の譲渡があったものとみなして、その固定資産の取得に要した金額及び設備費並びに改良費の額の合計額からその資産の償却費の額の累計額を控除した金額です。

貸付規模と資産損失の必要経費
 不動産所得の起因となる建物の取壊し等による資産損失が全額必要経費に算入されるかどうかは、取壊し時の不動産の貸付が事業的規模か、それ以外(業務的規模)か、どうかによって異なってきます。
 事業的規模の場合には、その資産損失の全額を必要経費に算入することができ、不動産所得が赤字の場合は他の所得との損益通算、さらに、青色申告であれば純損失の繰越控除の適用があります。
 一方、業務的規模の場合には、その年分の不動産所得(その資産損失を控除する前)の金額が限度になり、不動産所得が赤字であれば、その部分の金額は切り捨てられることになります。
 なお、事業的規模かどうかは、@アパート等については、独立した室数10以上、A独立家屋の貸付については、おおむね5棟以上であれば、反証がない限り事業的規模とされ、また、事業税が課税されていれば事業的規模として取り扱われています。

取壊し費用と必要経費
 建物の取壊しには、当然、取壊しのための諸費用がかかります。この取壊し費用も取壊しによって生じる損失、除却損と同様、不動産の貸付規模によって必要経費に算入される金額の範囲が異なるかどうかです。
 資産損失は、あくまで資産の取壊し、除却、滅失による資産そのものの損失、原則、未償却残高相当額であることから、取壊し費用はその範疇には入りません。したがって、不動産の貸付の規模にかかわらず、業務供用部分については、全額必要経費に算入されます。





H26.11.7
国と地方のチグハグ

予定納税者は増えることになった
 消費税率引上げに伴い、中間申告納税額の計算方法が変わっています。
 直前課税期間の確定消費税額(除く地方消費税額)が48万円超400万円以下の場合、半年後に1回予定納税しますが、この基準となる金額、例えば48万円は、新消費税の下では8÷5=1.6倍の76.8万円になるかと言えば、そうはなっていません。予定納税の取引規模基準が実質的に8分の5に切り下がったわけです。

予定納税額の計算は国と地方で別基準
 予定納税額の計算でも、旧税率による確定消費税に対して、新消費税率による調整計算をするかと言えば、そうはなっていません。予定納税額が8分の5に切り下がっていると言える場合にもなっています。
 ただし、地方消費税については、新税率を反映することになっています。従来は、国税の消費税額の25%(地方消費税率1%分)として計算していましたが、新消費税率8%のうちの国税消費税6.3%、地方消費税1.7%とされたので、予定納税の地方消費税を算出する計算式は、国税の消費税額に『17/63』の割合を乗ずることとなりました。

なぜにチグハグにするのか
 旧税率を基準にした国税の予定納税消費税額に対して、地方消費税だけ新税率化するのはそれだけ見ればチグハグです。
 国税を基準に地方税を算定する仕組みなので、それが当然なのですが、もし、翌年の課税売上げが大幅減となり、旧税率での予定納税額と一致することになってしまった場合などでは、国税で納付額ゼロ、地方税でのみ新税率との税率差相当分のみ納付というチグハグ現象は解消できます。

チグハグはなくせるのか
 とはいえ、新旧税率の期間が並存する事業年度で、新税率になってからの課税売上げが急減するケースでは、国税で納付、地方税で還付ということもあり得、逆に旧税率期間において特別に大きな課税仕入があるようなときには、国税で還付、地方税で納付ということもあり得、チグハグ現象を無くすことはできません。
 新旧税率の期間が並存する事業年度では、国税と地方税の割合は6.3対1.7にはなりませんので、一方が納付で他方が還付というチグハグ現象をもともと潰滅させることはできません。





H26.11.6
BEPSとは

再編成としての国家の枠組み破壊
 トルコ・イラク・イラン・シリア・アルメニアなどに民族分断されたクルド人の民族国家確立への長い歴史をもつ武装闘争には日本国内にも同情者が多いが、似たような「イスラム国」建国武装闘争には同情者の声を滅多に聞きません。
 賛否はともかくとして、既存の国家の枠組みが破壊されることにより、国家の枠組みが流動化することへの警戒感は、スコットランド独立をめぐる住民投票への世界の関心の高さからも伺えます。

別な方向からの国家枠組みの機能破壊
 国家の重要な本質的機能としての徴税権を破壊する動きが先進資本主義の最先端部分に現れています。
 税源浸食や利益移転(BEPS)は多国籍企業の当然のプランニングであり、既存の指導的な各国家は、自国に係る租税回避以外には関心が薄く、他国での自国企業の租税回避が自国の雇用拡大などの経済貢献している面があると助長的ですらあったため、結果として、巡りめぐって各国政府自身が税収を失い、「租税はただ愚直な者によって支払われる」ものとの認識が国際企業の中で助長されるに至っています。

多国籍企業の具体的な税源浸食手法
 米国及び英国の議会公聴会で、これまでに、Microsoft、Apple、Hewlett-Packard、Starbucks、Amazon、Google などが招致され、合法的だが巨額な租税回避スキームについて報告がなされており、ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチなどという手法が知られるところとなっています。

OECDのBEPS取り組み
 先進国クラブであるOECDが昨年からBEPS(税源浸食と利益移転Base-Erosion and Profit-Shifting)問題に数年がかりで本格的に取組み始め、調査・検討・計画策定を進めています。
 それらの進行に合わせて日本でも税制改正が今後進められる予定ですが、利益配分や帰属について国際合意がなされ、統一化されるのは一朝一夕にいきそうにもなく、その実効性のある実現は難しいものと予想されています。

BEPS対策に効果がないと
 法人税や消費税、さらには所得税、相続税の課税侵蝕を防ぎ得ないとすると、歴史的には国民国家機能の縮小と国際企業の存在意義の増大、国境や国民の意味の曖昧化が進行することになります。





H26.11.5
パラダイムシフト

 “パラダイムシフト”とは、既成概念、固定観念などを大きく転換させることを言い、様々な分野の改革に活用されています。
 目標管理の場合では、例えば目標達成が壁にぶつかってうまく進まないときに、全く新しい発想で達成方法を変えて取り組むことを“パラダイムシフト”と言います。

“パラダイムシフト”を図るには
 ビジネスで“パラダイムシフト”を図るには、顧客の立場、競合企業の立場に立ってどう考えるか、他業界の事例、世代が異なる部下の意見などからヒントを得て、全く異なる立場、新しい発想で考え方と方法を生み出す必要があります。
 また、改革のキーワードを援用して新しい考え方と方法を生み出すことも出来ます。
 一例を挙げれば“DRASTIC”と言うキーワードがあります。
D:Discontinue:やめてしまう。
R:Revers:反対にする
A:Assign:割りふりを変える
S:Substitute:代用する
T:Turn:順番を変える
I:In to Pieces:バラバラにする
C:Concentrate:集中する

“パラダイムシフト”の難しさ
 しかし、既成概念や固定観念を変えることは容易ではありません。
 よくあるケースでは、会社の急成長期に部下にハッパをかけて売上向上に成功した体験を持つ管理者が、安定成長期に入っても「同じやり方が通ずる」と言う固定観念を捨てきれず、部下から押しつけ目標と受け取られ、ヤラサレ感が生じて、意慾を失わせた結果、売上向上目標の壁が破れない、と言ったことが起こりがちです。
 しかし体験から知った考え方、方法を自ら変えるのは大変難しいことで、実践出来るのはかなり柔軟な考え方、行動がとれる管理者であり、あまり多いとは言えません。

経営者の留意点
 経営者は、目標達成の壁にぶつかって“パラダイムシフト”が出来ない管理者がいた場合、時には親身になって苦労を聞き、率直な助言と指導をしてあげるのが良いでしょう。但し、その管理者が大変真面目な人物の場合、その人物の存在意義が重要であること等、尊厳に気を配りながら、注意深く接することが必要です。





H26.11.4
微妙に異なる会計と税務
開業費の「特別に支出する」

微妙に異なる会計と税務の「開業費」
 個人でも会社でも開業に際しては少なからず準備費用がかかります。このような費用を「開業費」といいます。
 「開業費」は、会計でも、税務でも、開業年度において一時の費用・損金とすることに問題はありませんが、その支出の効果が開業後にも及ぶことから「繰延資産」として資産に計上することも構わないこととされています。
 ただ、この「繰延資産」として計上する場合には、「開業費」の会計と費用の定義に微妙な違いがあることに留意しなければなりません。

会計上は経常費も「開業費」扱い
 財務諸表等規則ガイドラインでは「開業費」は、「土地、建物等の賃借料、広告宣伝費、通信交通費、事務用消耗品費、支払利子、使用人の給料、保険料、電気・ガス・水道料等で、会社成立後営業開始までに支出した開業準備のための費用」と定義されています。中小企業会計指針でも「開業準備のために支出した金額」とされ、会社成立から開業までに生じた、開業準備のため直接に支出する費用と理解されています。

法人税では経常費は「開業費」とされない
 一方、法人税では「開業費」は「法人の設立後事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用」とされ、「特別に支出する」ものに限定されています。
 「特別に支出」については、昔の通達では「法人が開業準備のために特別に支出した広告宣伝費、接待費、旅費、調査費」を指し、「法人の成立後営業開始までの間に支出した費用であっても、支払利子、使用人給料、借家料、電気ガス、水道料金等のような経常費的な性格を有する費用はこれに含まれない」と示されていました。
 これは、法人税の場合、「開業費」は任意償却ですので、期をまたいだ利益調整の道具に使われることを避けるため、「特別な支出」に限ることとしたと理解されています。
現在でも、この内容は解釈として引き継がれ、法人税務では経常費は「開業費」から除かれるものとして取り扱われています。

所得税では「特別」ならば、経常費OK
 これに対して所得税では、経常的な費用であっても、その支出が開業準備のために特別に支出したものならば、開業費に計上できるものとして取り扱われます。