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H26.12.26
消費税の「軽減税率」導入問題
「黒ネコ」と「たいやき」の昔話

そ平成27年10月の消費税増税は延期
 平成26年11月18日、安倍首相は、GDPが2四半期連続でマイナス成長になったこと等を踏まえ、平成27年10月に予定していた消費税10%の増税を平成29年4月まで延期する方針を発表しました。
 また、平成29年4月増税時のタイミングでは、景気条項を付することなく、延期する考えがないことも示しています。自公両党はこの再増税時に「軽減税率」の導入を目指しているようです。

与党税協が示した軽減対象範囲の8類型
 これは消費税の標準税率より低い税率を「生活必需品」に適用するという議論です。
 6月に与党税制協議会は「飲食料品」の「軽減税率」の対象範囲の8パターンを示しています。
@全飲食料品、A全飲食料品−酒、B全飲食料品−酒−外食、C全飲食料品−酒−外食−菓子類、D全飲食料品−酒−外食−菓子類−飲料、E全飲食料品−酒−外食−菓子類−飲料−その他の加工食品(=生鮮食品)、F米、みそ、しょうゆ、G精米
 この「軽減税率」の議論は、低所得者ほど税負担が重くなるという「逆進性」を緩和することが目的で、欧州の付加価値税(日本の消費税に相当)では、食料品や書籍に導入されています。
 一方で「軽減税率」導入には、否定的な議論もあります。@対象品目の「線引き」が困難であること、A食料品の軽減税率は高所得者にも恩恵が及ぶこと、B事務処理コストに零細事業者が耐えられないことなどが挙げられます。

「線引き」問題は昔からあった?!
 欧州の軽減税率導入時点では世の中の取引が今ほど複雑ではありませんでしたが、現代はサービスとモノが複合的に組み合わさっているだけに、今の欧州の付加価値税でも「線引き」問題は大きな課題を抱えています。確かにテイクアウト、出前、ケータリング、イートインや居酒屋の酒とソフトドリンクが混ざった「飲み放題メニュー」など「線引き」が難しいものがあります。
 「線引き」の話は物品税時代もありました。「黒ネコのタンゴ」は「童謡(非課税)」に当たらないので課税(歌謡曲扱い)となったのに対し「およげ!たいやきくん」は童謡に当たるため非課税と判断されました。間接税課税の難しさはいつの世も同じです。





H26.12.25
平成27年1月以後に開始する相続
「小規模宅地等の減額」の改正

H27.1.1以後の「小規模宅地等の減額」
 平成27年1月1日以後に開始する相続に係る相続税について適用される基礎控除額の引下げ・税率構造の見直しによる税負担の増加を緩和するため、次の「小規模宅地等の減額」の改正が行われております。
@特定居住用宅地等の限度面積の拡大
A特定事業用等宅地等と特定居住用宅地等の完全併用

特定居住用宅地等は限度面積330uに拡大
 特定居住用宅地等の限度面積が240uから330uに拡大されました。これは大都市圏における「特定居住用宅地等」を適用している事案の平均値が約360uであることなど居住用宅地の実情に合わせた改正です。

「特定事業用等」「特定居住用」の完全併用
 小規模宅地等の減額を受けようとする宅地等が複数ある場合には、「特定事業用等宅地等」(特定事業用宅地等と特定同族会社事業用宅地等)、「特定居住用宅地等」と「貸付事業用宅地等」の限度面積を全体で調整する規定が設けられています。
 今回の改正後も次の算式により減額の適用ができる限度面積が調整されます(これを「限定併用」といいます)。
【算式】
特定事業用等宅地等の面積×200/400
+特定居住用宅地等の面積×200/300
+貸付事業用宅地等の面積 ≦200u
 今回の改正では、この算式によらず、「特定事業用等宅地等」と「特定居住用宅地等」のみである場合には「完全併用」できるという制度が設けられました。つまり、「特定事業用等」400uと「特定居住用」330uを合わせて730uまで制限なく適用できることになります。

小規模宅地等の「選択」が変わってくる
 「限定併用」の考え方では、減額金額が最大となる選択をする場合には、次の算式による「1u当たりの減額金額」を比較して大きなものから選ぶことになります。
・「特定事業用等」1u単価×80%×400/200
・「特定居住用」 1u単価×80%×330/200
・「貸付事業用」 1u単価×50%
 ただ「完全併用」が導入されたことにより、1uの減額が大きな「貸付事業用宅地等」をあえて選択せず、「完全併用」を用いた方が有利なケースも出てきました。今後は「限定併用」「完全併用」の両者を計算して比較し検討する場面も出てきそうです。





H26.12.24
日常会話と異なる「法令用語」
「その他の」と「その他」の違い

「法令用語」は日常会話と異なる
 税理士という職業柄、税法など法律の条文にはよく目を通します。
 そこで目にする法律の中には、日常生活では特に意味の違いがないような言葉でも、立法技術上、特有の意味で使われている言葉があります。このような「法令用語」の特有の意味を厳密に理解できなければ、法令解釈は難しくなります。

「その他の」と「その他」は意味が違う?!
 その一例を紹介すると法令用語としての「その他の」と「その他」では意味が異なります。
 どちらも、その直前にある語の例示として、より広い意味の語を引き出す言葉ではありますが、法令用語の「その他の」は「包括的例示」、「その他」は「並列的例示」と呼ばれ、使い分けがされています。
 「その他の」の場合は、直前に置かれた名詞が後に続く内容の広い言葉の一部をなすものとして、その中に含まれる場合に用いられます。「例示の『の』」と呼ばれることもあります。例えば「佐藤さんその他の社員」という場合には、「佐藤さん」は「その他の社員」に含まれます(包括的例示)。
 一方、「その他」の場合は、その語の前後の語句は独立していて,後に続く語とは別個の概念として並列的に並べる場合に用いられます。「佐藤さんその他社員」という場合には、「佐藤さん」と「その他社員」は別個の概念なのです(並列的例示)。
 前者の場合、「佐藤さん」は一応「社員」の一員であることは間違いありませんが、後者の場合、ひょっとしたら「佐藤さん」は「社員」ですらないかもしれませんね。

「その他の」「その他」ばかりの条文は…
 税法の中でも「その他の」「その他」がよく使われる条文は厄介です。たとえば租税特別措置法では「交際費」とは
@交際費、接待費、機密費その他の費用で
A法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する
B接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの
と規定されています。交際費等を包括する「その他の費用」は何なのか、得意先等と並列例示される「その他事業の関係がある者」、接待等と並列例示される「その他これらに類する行為」は何なのか―と考えながら、条文を読んでいるわけです。





H26.12.22
「企業ゆるキャラ」が531体!
会社がゆるキャラ(R)を作ったら?

2014年も「ゆるキャラ(R)」は増え続けた
 今年も数々の「ゆるキャラ(R)」が登場した年でした。「ゆるキャラ(R)グランプリ」2014年大会のエントリー数は1,699体。その内訳は「ご当地ゆるキャラ」1,168体、「企業ゆるキャラ」531体であったそうです。
 今年6月には大阪府のモズをイメージした「ゆるキャラ(R)」の「モッピー」について、USJに先に商標登録されていたことが判明し、9月に「もずやん」に改めました。官公庁のキャラクターが企業のキャラクターとかぶるとは…もはや乱立の状況です。

税理士会にも「イメージキャラクター」
 また、「イメージキャラクター」というものも増加傾向です。
 実は税理士会にも「イメージキャラ」がいます。神奈川と山梨の両県の税理士が所属する東京地方税理士会の「トッチーくん」です。ただ、自衛隊東京地方協力本部には「トウチくん」がいます。東京土地家屋調査士会には「エコゾウとトッチ」がいます。いずれもお堅いイメージの団体だけに「東」と「地」にかけているのでしょうが…似たような名前のキャラばかりで、こちらも混沌とした状況です。

「イメージキャラクター」作成料の税務
 もし、会社がロゴマークやイメージキャラクターを特定の商品やブラントとして用いる場合には、その作成費用や弁理士報酬は次のように取り扱われます。
? 商標登録した場合
 ロゴマーク、イメージキャラクターの作成費用は無形固定資産(商標権)として計上し、10年間で償却することになります。ただし、弁理士への出願手数料や印紙代等は一時の費用として損金処理することが認められています。
? 商標登録しない場合
 商標登録をしない場合には、商標権という具体的な無形固定資産を取得するわけではありません。ただし、その支出の効果が将来にわたり持続することが明らかですので、繰延資産(開発費)に該当することとなります。この繰延資産(開発費)は任意償却を行うことができるため、その金額を一時に償却して損金処理することが認められています。
 ちなみに「ゆるキャラ(R)」という言葉自体も漫画家のみうらじゅんさんと扶桑社により商標登録されています。





H26.12.19
たまたまの土地の譲渡
準ずる割合の承認日

仕入税額控除の原則
消費税の仕入税額控除には、個別対応方式と一括比例配分方式の2つの方法が認められています。
なお、一括比例配分方式を採用した場合は、2年間その適用を継続しなればなりません。

課税売上割合の原則的な取扱い
 個別対応方式においても一括比例配分方式においても、原則、課税売上割合を計算しないと仕入税額控除を求めることができません。課税売上割合は、原則、次の計算式で求めることになっています。
課税売上割合=(課税資産の譲渡等の対価の額の合計額)/(課税資産の譲渡等の対価の額の合計額+非課税資産の譲渡等の対価の額の合計額)
 しかし、特例として、承認を受けることで上記課税売上割合に代えて事業者の事業の実情に応じて算定した合理的な割合、いわゆる課税売上割合に準ずる割合を求めて控除税額を計算することもできます。

たまたま土地の譲渡があった課税期間
 たまたま土地の譲渡があった場合、一般的には、非課税売上の譲渡等の対価の額が大きくなることから、課税売上割合は大きく低下し、仕入税額控除額は小さくなり、結果、事業者にとっては予期しがたい税負担を招来させます。
 そこで、課税実務では、事業者の営業の実態に変動がなく、かつ、過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が5%以内であれば、次により求めた割合のうち低い割合を課税売上割合に準ずる割合とすることが認められています。
・土地の譲渡があった課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合
・土地の譲渡があった課税期間の前課税期間の課税売上割合

準ずる割合の適用承認はいつまで
 消費税の実務において、届出書の提出期限又は承認はいつまでか、その手続きが重要です。多くの場合、承認・届出の手続きは、適用を受けようとする課税期間の末日まで、又は課税期間の開始の前日までです。
 しかし、この準ずる割合の承認申請ですが、適用しようとする課税期間末日までに承認を受けていなければ適用できないことになっています。課税期間末日近くでの申請では承認が間に合いません。これは酷な規定です。





H26.12.18
相続以外の承継
事業承継した資産の償却方法

 相続により減価償却資産を取得した場合の取扱いについては、被相続人の取得価額、帳簿価額及び当該資産の耐用年数は引き継ぎ、被相続人が選択した償却方法は引き継がない、と定められています。
このため、相続人が定率法を選択する場合には、新たに償却方法の届出が必要となります。

廃業した場合の償却資産の取扱い
 例えば、父が事業を廃業し、その生計を
一にする長男が父の事業を承継、父が事業の用に供していた店舗(当該店舗は父が旧定率法で償却していた)を無償で父から借り受けて事業の用に供した場合、長男の所得計算における上記店舗の減価償却費の計算はどの償却方法によるべきか、疑問が生じるところです。

課税当局の回答
 課税当局の回答は、「旧定率法」により計算する、です。
その根拠は所得税法56条です。この規定からは、次のような解釈になります。
親族(父)がその有する資産(店舗)を無償で当該事業(承継した長男)の用に供している場合、居住者(長男)の事業所得の額の計算上、必要経費に算入する減価償却費は、居住者(長男)と生計を一にする親族(父)が所得金額の計算上、必要経費に算入する減価償却費である、ということです。
また、居住者の有する減価償却資産が年の中途において不動産所得、事業所得等を生ずべき業務の用に供された場合には、そのよるべき償却方法として旧定額法、旧定率法を選択している減価償却資産は、旧定額法、旧定率法等により償却費の額を計算することになっています。

回答に対する補足説明
 相続により減価償却資産を取得した場合の取扱いとは異なり、父の廃業後、その事業を承継した長男が父の所有する店舗を無償で事業に供しています。
この場合、長男の当該事業に係る所得金額の計算上、必要経費に算入する減価償却費は、父が店舗使用の対価を受け取ったならば不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入する減価償却費になります。
したがって、この減価償却費の額は、父が選択していた方法、旧定率法により計算した減価償却費の額となります。結論は、償却方法は旧定率法、ということです。





H26.12.17
国外居住の扶養親族
扶養控除適用の厳格化

扶養控除の適用要件
 扶養控除の適用要件は、@配偶者を除く年齢16歳以上の親族(法令の規定に基づく児童等も含む)、A親族の年間の合計所得金額38万円以下、そして、B納税者と同じ家計で生活する、の3つです。
この3つの要件ですが、納税者の自己申告であり、適用にあたっては、特にその事実を証明すべき書類、例えば、親族であることを証明する戸籍謄本等、所得を証明する源泉徴収票等、そして、同居以外の場合、同一家計での生活を証明するための、送金の事実を証明する書類等の提出は不要となっています。

国外居住者の扶養親族
 扶養控除の適用可否について、対象となる親族が国内に居住していれば、上記の3要件を確認することはそう難しくありませんが、対象親族が国外に居住しているとなると、その確認は容易ではありません。
 要件の1つである、合計所得金額38万円以下の判定に関しては、その親族が我が国で得た所得、すなわち国内源泉所得だけで判定しますので、その把握はそう困難ではありません。
しかし、親族の証明、親族への生活費の送金事実の証明となるとなかなか厄介です。
 国際結婚で国外に親族がいるようになった場合、我が国のように戸籍制度が確立していれば、親族であることを証明すべき公文書のような書類の提出を求めることもできますが、制度が整備されていないとすると、その信用性が担保できません。
 また、同じ家計で生活していることの証明ですが、生活費の海外送金などの明細書等があれば問題ないのですが、現地で直接現金で渡した場合などは、その事実を客観的に証明することは困難です。

平成27年度の税制改正の行方
 外国人と結婚した日本人や海外に親族を残して日本で働く外国人の扶養控除の実態を会計検査院が調査したところ、不確かな状況で扶養控除を受けている事実が散見され、中には扶養控除額だけで300万円超受けていた人は140人もいたことが明らかになり、新聞報道でも話題になりました。
そこで、財務省は、平成27年度の税制改正で、その適用を厳格化すべき方針を固めたようです。その内容ですが、親族が確認できる書類や送金明細書の添付の義務化等が挙げられています。





H26.12.16
「報酬」か「給与」か
時間給ホステスの源泉徴収

時給制ホステスさんの源泉徴収
 ホステス等に報酬・料金を支払うときは、所得税等を源泉徴収しなければなりません。
 この源泉徴収は、ホステスさんがお客様に営業して、お店に来店してもらい、そのお店を使ってもらったことに対する「報酬」―すなわち、ホステスさんが独立した個人事業者として、自己の計算とリスクをもって行う業務の対価を対象としています。お客様の指名件数と支払金額に応じて支払われるケースがその典型例です。
 悩ましいのが「時間給」のホステスさんへの支払いです。平成24年の国税不服審判所の裁決では、「時間給」での支払いが「給与」と判断された事例があります。

雇用契約と同様の指揮監督下にある場合
 この裁決では、@ホステスの採用に際し、店側が給与体系・勤務時間・店舗規則などの条件が記載された「給料システム」という書面に基づき説明していること、A採用後はホステスの出勤日・入退店時刻を指示して出勤シフトを組み、店側が出退勤を管理していたこと、Bホステスに対する支払いは主として勤務時間や遅刻の有無を勘案して算出されていたこと等から、ホステスは、雇用契約と同様に店の指揮命令に服していた実態があるとして、労務の対価(給与所得)であると認定しました。

会社員をしながら週一出勤のホステスさん
 ここで問題となるのが、会社員をしながら週一勤務をしているホステスさんへの支払いです。先程の「報酬」としてのホステス報酬の源泉徴収の算式は次のとおりです。
(支払金額−5,000円×計算期間の日数)×10.21%
 この算式における「計算期間の日数」は、「営業日数」や「出勤日数」ではなく、ホステス報酬の支払金額の計算の基礎となった期間の日数とされていますので、週払いでは35,000円、月払いでは155,000円(31日)を超えなければ税額は算出されません。したがって、週一程度の勤務ならば源泉徴収を行う必要がないことが考えられるわけです。
 これが「給与」となると話が異なります。ホステスさんが会社に勤務されているのであれば、主たる職場ではない店からの支払いは、高率の「乙欄」での源泉徴収が求められます。どちらとも言えない事例も考えられるだけに判断が難しいところですね。





H26.12.15
マイナンバーがはじまる
マイナンバー普及の飴と鞭


マイナンバーと支払調書
マイナンバーの制度は、民から官に向かって提出される支払調書や申告書・申請書などに個人番号を記すことを予定するものです。その中で想定される最多のものは預金口座に係る支払調書です。
日本銀行の統計による2012年度末の個人預金口座数は、郵貯・信組・農協を除き、国内銀行7.8億、信用金庫1.3億です。証券会社の個人顧客口座数は、証券業協会統計によると、2000万です。

利子に係る支払調書の現行法規
利子についての支払調書は、所得税法では例外なく提出するものとされていますが、租税特別措置法で、利子の受領者が個人である場合には支払調書提出の規定の不適用を定めています。これは、利子所得の課税が源泉徴収のみで完結する源泉分離課税となっていることによるものです。
法人については、不適用対象外ですので、金融機関からの支払調書の提出はなされています。なお、施行規則では、非課税利子所得に係るもの、一人当たり年3万円以下、一口座当たり年5000円以下、1年超では1万円以下、のものを少額不追求の趣旨で提出不要としています。

マイナンバーと預金口座
かつて、預金口座に個人番号を付す法律が成立したことがありますが、施行前に廃止されました。グリーンカード制度のことです。
今次のマイナンバー制度も原則としてはグリーンカード制度と同じ趣旨を有してはいますが、実際には、その口座数の多さからして、全ての預金口座にマイナンバーを付すのは無理なことです。

インセンティブとマイナンバー
今後は、新規の預金口座開設や、新規の公社債等の取引では、マイナンバーの提供が条件となることはありえます。
特に、株式等の譲渡損失と配当との損益通算の現行制度の延長として、平成28年から、特定公社債等の譲渡損益と利子がこれに含められることになっているところ、マイナンバーの導入により、損益通算の対象がもっと幅広くなるとともに、他方で、マイナンバーの付されたものに限定する、ということに法改正されていくのではないか、と思われます。





H26.12.12
平成26年分年末調整の留意事項 2年前納した国民年金保険料

 H26.4から新設!国民年金の2年前納制度
 平成26年分の年末調整に際して、留意して頂きたい事項の一つに「2年前納」した国民年金保険料の取扱いがあります。
 国民年金保険料の前納制度は、保険料をまとめて前払いすると割引となるもので、今まで1年・6ヶ月分・1ヶ月の前納制度がありました。前納期間が長いほど割引率が大きくなりますが、平成26年4月より「2年前納」の制度が新たに設けられました。この「2年前納」制度を使用した場合、約1ヶ月分の保険料に相当する割引があります。

【H26年度の保険料(口座振替)】
6ヶ月分前納  90,460円(割引1,040円)
1年前納   179,160円(割引3,840円)
2年前納   355,280円(割引14,800円)
ちなみにH23年度の前納件数は被保険者の18.3%で、そのうち1年前納の方が10.8%を占めていました。それらの方々の中から、新設された2年前納で納められた方もいらっしゃったでしょう。
ただ、この前納制度は、@2年度目の保険料が引き下げられた場合でも前納保険料からその差額が返還されないこと、A免除制度を利用した方が有利なケースが考えられることなど、注意すべき点もあります。
「2年前納」した場合の社会保険料控除
 この「2年前納」により国民年金保険料を納めた場合の社会保険料控除の取扱いが国税庁ホームページに掲載されています。
 結論としては、納税者は@納めた年に全額控除する方法とA各年分の保険料に相当する額を各年において控除する方法を選択することができます。

【平成26年に2年前納した場合】
(1)H26年の控除対象額(H26.4〜H26.12)
355,280円×9/24=133,230円
(2)H27年の控除対象額(H27.1〜H27.12)
 355,280円×12/24=177,640円
(3)H28年の控除対象額(H28.1〜H28.3)
 355,280円×3/24=44,410円
 年末調整では、どちらの方法でも年金機構が発行した「控除証明書」を保険料控除申告書に添付して、給与支払者に提出又は提示することとなっていますが、Aの方法を選択した場合には、「社会保険料(国民年金保険料)控除額内訳明細書」に各年分の保険料相当額を記載して、給与支払者に提出することとなっています。これらの証明書類から保険料額が保険控除申告書に正しく転記されているか確認して下さい。





H26.12.11
目標達成基準の曖昧性排除

目標管理制度で、次のような業績区分・指標の性質区分に応じたT〜Wの区分別に目標達成基準を検討すると、多くの場合的確な設定に役立ちます。

【目標達成基準設定のヒント】

●業績区分:結果業績

指標の性質区分T定量的(数値的)
目標達成基準設定のヒント(例):売上・利益、生産量、不良率、原価低減など業績指標の数値的達成

指標の性質区分U定性的
目標達成基準設定のヒント(例):商品開発、技術開発、システムの開発・改善などの質的達成

●業績区分:プロセス業績

指標の性質区分V定量的(数値的)
目標達成基準設定のヒント(例):顧客への提案件数・社内の改善提案件数など結果業績につながるプロセス指標の数値的達成

指標の性質区分W定性的
目標達成基準設定のヒント(例):業績向上施策・業務遂行方策の効果発現・期限内達成など、結果業績につながる質的達成

目標達成基準設定で注意すべきこと
何をもって目標達成と判断するのか、を目標達成基準で具体的に表現しなければなりませんが、ともすると、達成度評価の段階になって、評価基準が曖昧であったことや重要な抜けに気付き、手遅れになる誤りが起こりがちですから、管理者と部下(またはチーム)の目標設定面談における合意形成は、次のようなチェックポイントを使って、目標達成基準の曖昧性排除に注意しなくてはなりません(特に、表のU・Wに該当する目標達成基準は要注意)。
・この目標を達成した時、現状とどこが、どのように変化するのか(具体的に表現)、
・その変化は何に、どのくらい、どのように貢献するのか
・その貢献は、結果業績にどのようなインパクトがあるのか
・波及的な効果があるか

経営者・管理者の留意点
 このような目標達成基準設定の合意形成は管理者・担当者にとって、評価段階でのトラブル防止に役立つ、と言うだけでなく、本質的な目標の意味、重要性を深く認識する機会となり、その後の達成プロセスにおける担当者の努力、管理者のマネジメントにもプラスの影響をもたらすことになりますから重視しましょう。





H26.12.10
役職名称廃止の効果

まだ一般的になっているとまでは言えませんが、社内で地位の上下関係にとらわれず、率直自由なコミュニケーションを促進し、フランクな組織風土をつくりたいと、社内役職名称を廃止し、トップから一般社員まで、お互いを「○○さん」と呼び合う制度を導入する企業が増えています。

役職名称の廃止とは
企業内階層を表す社長、部長、課長、係長といった役職呼称を廃止し、「○○さん」という呼び方に統一したり、マネジメントの必要性から「○○マネージャー」という呼び方に統一することが多いようです。
 ただし、業務上の役割・責任・困難度に応じた賃金その他の処遇の必要性は残りますから、適切な社内等級制度の維持と運用は欠かせず、継続すべきことは言うまでもありません。
 また、社内では「○○さん」と呼び合っても、対外的な儀礼や習慣、営業上の責任・権限を示す必要性などから、社長・部長・課長といった外部での呼称、名刺などの表示は継続する場合が多いと言えます。

社内役職名称廃止の効果
社内役職名称を廃止する効果は次の通りです。
@ 社内のヒエラルキー(階層)意識が減少し、地位の違いを意識した必要以上の権威の誇示や遠慮が減って、業務上の率直、自由なコミュニケーションが促進され、いわゆる世代間などのコミュニケーションギャップも解消される。
A 従来の管理者の権威主義的な意識が是正され、業務上の問題解決が事実に基づき、衆知を集めて行なわれるようになり、的確性が高まる。

トップの留意点
 このような社内役職名称の廃止を決定したからと言って、コミュニケーションギャップが簡単になくなるわけではなく、業務上の問題解決には、その基本として現地・現物・現実に基づいた的確な状況判断を徹底すること、その上に立った解決策について、社内で率直、自由なコミュニケーションが行なわれること、が現実化・習慣化してこそ、この施策の真の効果が現われることを意識して取り組みたいものです。




H26.12.9
マイナンバーがはじまる 触らぬ神に祟りなし

マイナンバー制の期待するもの
マイナンバーの制度により、行政機関、地方公共団体その他の行政事務処理機関の有する個人情報が、名前による管理から、番号による管理に変わるので、名寄せが簡便になり、行政機関、地方公共団体等の間における個人情報の照会・提供がスムーズになり、行政機関等の間の業務連携が密に、正確になると、期待されています。

マイナンバー制の予定していないもの
 マイナンバー法には、「個人番号利用事務」、「個人番号利用事務実施者」と定義された言葉がありますが、これは、行政機関等の公的機関のことであり、マイナンバー制度は、行政事務処理機関が利用するための制度であることを明示しています。
マイナンバー法には、「個人番号関係事務」、「個人番号関係事務実施者」と定義された言葉がありますが、これは、民間の個人・組織を含むものとして規定されており、「関係事務」とは公に対してマイナンバーを含む情報を伝えることがその内容となっています。
民間でのマイナンバー利用は予定されておらず、逆に、民間での、マイナンバーの一般的な収集・保管は禁じられています。

個人番号関係事務実施者の責務
法律の要請により、個人からマイナンバーの情報提供を受けるときには、成りすまし防止のため、写真付身分証明書等で本人確認することを要し、その後、それを目的外に利用することは禁止されており、また、禁止されているマイナンバーの収集・保管、特定個人情報ファイルの作成に該当しないように注意しておくことも必要になります。
個人情報を5000件以上保有する企業が個人情報保護法の規制対象でしたが、マイナンバー法では、件数制限なく、1件でも他人のマイナンバーの情報提供を受けたら保護規制の対象になります。

マイナンバーを扱う上での知恵
 民間事業者も民間個人も、マイナンバーの取扱いや情報提供は強制されておらず、協力の要請をされているだけです。
 マイナンバーの情報漏洩を避け、公への提供以外に提供忌避を図るには、極力、印刷物へのマイナンバーの印刷は避けるべきでしょう。たとえば、本人に交付する源泉徴収票にはマイナンバーを印刷せず、本人が自分で手書きで記載してもらうようにするのがベターかもしれません。





H26.12.8
社会保険・労働保険 給与計算の年間行事

社会保険 労働保険 給与計算 労基法等の届け出や事務作業
総務・人事管理者には年間を通して行わなければならない届け出や事務があります。
 手続きだけでなく保険料率の改定や税率の改定、申請期限なども考えて適正な事務処理を行う為には予定表等で管理しておくとよいでしょう。

社会保険、給与担当者の年間スケジュール
( )内は期限 役所休日の場合は翌日期限
1月 ・労働保険料第3期納付 (1/31)
   ・平成27年分扶養控除等(異動)申告書、給与支払い報告書を市区町村役場へ提出 (1/31)
   ・源泉徴収票、報酬等支払調書を税務署へ提出 (1/31)
(平成27年1月末は土曜日の為2/2期限)
2月 ・新年度の計画を立案(給与改定等)
3月 ・健康、介護保険料率改定(料率は 
    各都道府県、健保組合で異なる)
4月 ・健康、介護保険料率改定額徴収
6月 ・夏季賞与を支給する場合は準備  
   ・住民税、特別徴収新年度分開始
7月 ・健康保険・厚生年金保険月額算定基礎届を年金事務所又は健保組合に提出 (7/10)
   ・労働保険料・概算確定保険料申告書を労働局に提出納付 (7/10)
   ・高年齢者雇用状況報告書及び障害者雇用状況報告書を職安に提出
    (7/15)
9月 ・厚生年金保険料率変更
10月 ・労働保険料第2期納付 (10/31)
   ・算定基礎届厚年保険料変更額徴収
11月 ・年末調整事務準備
    扶養控除申告書、保険料控除、配偶者特別控除申告書を回収
   ・冬季賞与を支給する場合は準備
12月 ・年末調整事務を行い各人に源泉徴収票を渡す
その他・社会保険月額変更届 固定給変動後4ヶ月目に該当した場合提出
   ・賞与を支給した時、支払届を提出
   ・入社退社に伴う社保取得喪失手続
・社会保険料毎月末納付
・給与の源泉所得税毎月10日納付
・時間外労働協定届 原則年1回
労働基準監督署に提出





H26.12.5
マイカー通勤者の通勤手当の 非課税限度額改定

円安と消費税アップで改定
 給与計算の非課税項目の通勤手当の非課税限度額が改定されました。10月に発表されましたが4月に遡って適用されます。改定されたのはマイカー通勤に対する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。 限度額引き上げは平成26年3月31日以前に支払われた通勤手当や、3月までに支払われるべき手当が4月に入って支払われたものは対象になりません。
 4月に遡ったのは消費税が上がった事や円安の影響があった為とみられます。

年末調整での精算は
 自動車や自転車等の交通用具を使用し、通勤している人に対して
@今までは改正前の非課税額を適用して源泉徴収していましたが、改正後の非課税額で新たに非課税となった金額を計算します。
A源泉徴収簿の年末調整欄余白に「非課税となる通勤手当○○円」と表示して新たに非限度額課税となった部分の金額を記入します。
B源泉徴収簿の年調欄の給与・手当の欄には総支給金額から新たに非課税となった部分の金額を差し引いた後の総支給額を記入します。
 このようにして改正後の非課税になった部分の金額を本年の給与総額から差し引いた後の総額を基に年末調整を行います。

自動車や自転車等の通勤者の非課税限度額
 (片道の通勤距離    改正後の金額)
ア、55q以上       31,600円
イ、45q以上55q未満  28,000円
ウ、35q以上45q未満  24,400円
エ、25q以上35q未満  18,700円
オ、15q以上25q未満  12,900円
カ、10q以上15q未満   7,100円
キ、2q以上10q未満   4,200円
ク、2q未満    全額課税

 交通機関を利用している人に支給する通勤手当の1カ月当たりの合理的な運賃等の額の限度額100,000円に変更はありません。





H26.12.4
完全子会社からの
資金調達方法

 事業承継等様々な観点から持株会社が作られることがあります。この場合、事業持株会社とするか、それとも純粋持株会社とするかの選択があります。
 組織形態として、事業持株会社を作った後に、親会社自身が多額の資金を必要とする状況下におかれることがあります。その場合、完全子会社からどのような手法で資金を調達できるのか課税関係を含めて整理をしてみたいと思います。

現金配当方式
 完全子会社(以下、子会社)からの配当は、親会社にとっては全額益金不算入の適用対象となります。
 なお、中途年度で子会社となった場合には一定の要件を満たさない限り、その年度での全額益金不算入の適用はありません。
 また、子会社が配当金支払いの際には、20.42%の源泉徴収をしなければなりませんが、親会社の方では、全額所得税額控除ができます(中途年度を除く)。

自己株式の取得方式
 子会社が親会社から自己の株式を取得した場合、親会社の方では、その対価のうち資本金等の額を超える部分はみなし配当となり、全額益金不算入になります。また、この場合、親会社の方では子会社株式の売却となりますが、当該株式について有価証券の譲渡損益は認識されません。
 一方、子会社の方では、みなし配当については源泉徴収しなければなりませんが、親会社の方で全額所得税額控除ができます。
 この方式は、手続き的に煩雑で株価の算定も慎重にならざるを得ません。

寄附金方式
 子会社からの寄附金については、親会社では全額益金不算入となり、寄附をした子会社では全額損金不算入となります。
 なお、子会社からの寄附に対して親会社の当該子会社株式の帳簿価額を修正しなければなりません。
 寄附金に関しては、煩わしい源泉徴収の手続きはありませんが、場合によっては配当とみなされるリスクがあります。

現物分配方式
 子会社の資産を親会社に現物で分配します。親会社では子会社の当該資産を子会社の簿価で受け入れ、その簿価については全額益金不算入となります。
 一方、子会社の方では、当該資産を時価で譲渡したものとはみなされず譲渡損益は認識されません。また、源泉所得税もありません。





H26.12.3
役割貢献主義処遇制度

 日本の処遇制度は1980年代後半頃、職能資格制度が全盛でしたが、今日でも、役割貢献主義の制度に変化してきたとは言え、中小企業では未だに多くの企業が職能資格制度を使っています。

職能資格制度の問題点
 ここで職能資格制度が持つ一般的問題点を確認しておきたいと思います。
@一人ひとりの経験や能力の蓄積(保有能力)に応じて資格等級に格付けし、資格等級が高ければ高い業績に結び付くであろうと言う期待のもとに賃金その他の処遇を行なっているが、運用実態が年功的になりがちで、資格等級が高くとも担当する仕事や業績はそれに見合わないことが多い。
A若く有能な社員を抜擢し、重要な仕事を任せても、資格等級が上がらず、責任や業績に見合った処遇が出来ない。
B職能資格制度自体の等級格付け基準が、業務の役割・責任や業績に基づいておらず、曖昧性のある能力基準により、評価者が“能力あり”と認めれば昇格推薦がなされ、温情的な昇格圧力に弱い制度運用がなされる傾向がある。また、実際にも年功的に運用されるケースが多い。
 このような問題を持つ職能資格制度を継続適用していると、経営は人件費の高さと業績が反比例する労務倒産型に傾斜し、多数の社員のモラール低下や採用不利な状況を招いて、企業体質弱体化に陥ります。

役割貢献主義移行・トップの決断
 人事処遇制度、特にその基軸である社内等級制度を新しい制度に切り替えるには、社員の意識転換等多くのハードルがありますので次に例示する改革の方向性についてトップが決断し、実行に踏み切る必要があります。
1.ソフトランディング改定
 当面職能資格制度を温存しながら、目標管理制度などを活用して評価基準を役割・貢献主義に切り替え、3〜5年で完全な役割貢献主義の制度に移行する。
2.ドラスティック改定
 1〜2年後に処遇の基軸を職能資格制度から役割等級制度に切り替え、役割貢献に基づいた処遇を行なうトップ方針とスケジュールを社員に示し、準備に入る。





H26.12.2
出生から死亡まで
相続と戸籍

戸籍とは
 戸籍は、日本国民の身分関係を登録し、これを公証する公文書です。それ故、日本人である限りその居住地が国内外のいずれの場合であっても、原則、すべての者について記載されます。これは、旧法戸籍(明治5年〜昭和23年1月1日前)であっても同様でした。
 戸籍は、本籍と戸籍の筆頭者によって特定されるものですから、本籍は戸籍の在り場所を示す役割をしています。また、本籍は日本国内(市町村の区域内)であれば、どこに定めてもよいことになっています。

戸籍の編製基準と編製原因
 現行戸籍の編製基準は、原則、一つの夫婦とこれと氏を同じくする子という夫婦親子の単位で編製することになっています。
 なお、旧法戸籍では、家を単位に編製され、戸主を中心にして、その直系・傍系の親族を一つの戸籍に記載していました。
 初歩的なことですが、戸籍をみていく上で最も重要な点は、出生事項は「戸籍の編製原因」ではない、つまり、出生では新たに戸籍は作られない、ということです。
 戸籍は、戸籍の改製や他の市町村からの転籍があった場合には、現行戸籍も旧法戸籍も戸籍の編製原因となり、新たに戸籍が編製されました。しかし、両者では、その編製原因が大きく異なります。
 現行戸籍では、婚姻の届出、親子と同籍の子が未婚の子や養子を有したとき、離婚、縁組等の一定の場合です。他方、旧法戸籍では、家督相続、分家、廃家等が編製原因でした。

出生から死亡まで戸籍の連続
 相続の実務にあっては、法定相続人を確定しなければ、遺産分割はもとより、正しい相続税額の計算もできず、さらに、公正証書遺言がなければ不動産登記もできません。この法定相続人を証明してくれるものが公文書である戸籍です。
 では、何故、出生から死亡までの連続した戸籍を取り寄せなければならないか、です。それは、先ほどの戸籍編製原因で、新戸籍の編製により除籍者は移記されないからです(筆頭者除く)。
 例えば、高齢の方が亡くなられた場合、この方に子がいなければ、その相続人はこの方の兄弟姉妹、あるいはその子(甥、姪)です。この場合、この方の出生まで戸籍を遡らなければ判明しません。
 戸籍の見方としては、戸籍編製原因を読み取ることです。





H26.12.1
マイナンバーがはじまる
安易にコピーは禁

マイナンバー制の利用範囲
 平成28年分からの源泉徴収票にはマイナンバーの記載欄が設けられることになりました。マイナンバーの正式名称は、「社会保障・税番号」で、法律上は「行政手続における特定の個人を識別するための番号」となっています。
 名称からすると、利用範囲は社会保障・税に限定されているようにみえますが、法律ではもっと範囲が広く、「社会保障制度、税制、災害対策その他の行政分野」となっているので、行政全般において利用することが可能です。

マイナンバーの通知と保有形式
 マイナンバーは平成27年10月以降に各個人に自治体から通知される予定です。通知は紙製のカードで行われる予定で、券面に氏名、住所、生年月日、性別、マイナンバーが記載されます。
 その後、希望者には、住基カードのような顔写真入りのICチップ付き「個人番号カード」が交付されます。マイナンバーは、「個人番号カード」の表の面には記載されず、裏面に記載されます。

なぜ、裏面記載なのか
 「個人番号カード」が身分証明書としてコピーや読み取りをされることを前提として、マイナンバーは裏面に記載されます。
 裏面のマイナンバーをコピーすることは、たとえ本人の同意があっても、法律上の禁止事項になっています。個人番号をその内容に含む個人情報を「特定個人情報」といい、これを収集・保管・提供することは原則禁止だからです。

民間でのマイナンバー取扱いの概容
 マイナンバー情報の提供を求め得るのは、特別に法律が認めた場合に限られます。その場合でも、個人本人には必ずしも提供に応ずる法的義務があると明記されていないので、無理強いすることはできません。
 社保書類記載のために提供を受けたマイナンバーを源泉徴収票のために利用することは違法と解されます。再度、本人からの提供を要します。
 提供によるマイナンバー記載の書類も保存期間を超えて保有し続けることも禁止で、書類やデータの廃棄・削除・破壊も復元不可能を証明するような措置が必要です。
 法は、情報漏洩・乱用に神経質で、違法行為には他の法律に比して2〜3倍の重い罰則を用意しています。


ボタンの掛け違いは正すべき
 会社分割で資産負債を移転した後に、移転資産に係る固定資産税の按分負担をしたら非適格分割になってしまうのではないか、との疑問があります。固定資産税按分の慣行に従うと、他はすべて適格要件充足でも非適格になるのは不合理だからです。
賦課期日・納税義務者の規定に拘りすぎて、実質を見誤り、ボタンの掛け違いをして、余計なところに波紋を拡げています。