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H26.4.30
平成26年7月1日以後提出分より
税務調査の『事前通知制度』改正!


税理士のみに「事前通知」が可能に!
 平成26年度税制改正において、国税通則法及び税理士法の一部が改正されました。これによれば、平成23年12月改正(平成24年10月1日から実施)より行われていた税務調査の『事前通知』(調査を行う旨など法定の11項目を電話(口頭)で通知する制度)について、税務署が『納税者』と『税理士(税務代理人)』の双方に対して行っていたものを、今後は納税者の希望により、『税理士』のみの形とすることが選択できるようになったとのことです。この場合、『新制度』を希望する納税者は、申告書の提出時に添付する新形式の『税務権限代理証書』の『調査の通知に関する同意』(調査が行われる場合には、代理人に通知することに同意)欄のチェック欄『□』にチェックマーク『レ』を入れて頂くことになります(平成26年7月1日以後の提出分より)。

一般納税者の気持ちを慮ると…
 平成23年改正の税務調査制度の法定化はいろいろと明確になった点(無予告調査の要件化など)も多かったのですが、この『事前通知』(日程調整の連絡・事前通知項目)があまり日常では税務署との接触のない納税者の方にいくと、当初はかなりビックリされておりました。そのようなこともあって、税理士の側でも、折に触れクライアント様に『税務調査があるときは…』と周知を行ってきましたが、以前の運用のとおり『税理士のみで構わないのでは…』という意見もかなり出ておりました。

H26.3決算でも『前倒し』適用できます!
 平成26年4月に国税庁HPには、この『新制度』に関するFAQが早速掲載されております。これによれば、@H26.3決算法人がH26.5に提出する申告書にも『事前通知に関する同意』を記載した税務権限代理証書を添付することが可能なこと、Aこれまで提出した申告書について『事前通知に関する同意』をしたいときは、過年度分について提出する必要はなく、次回の申告の際に、(新)税務権限代理証書の『過年分に対する税務代理』欄のチェック欄『□』にチェックマーク『レ』を入れてればよいこと、B既に提出してしまった相続税申告書に『新制度』を用いたいときは、『同意』を記載した税務権限代理証書を再提出することなどの取扱いが追加されています。





H26.4.28
破産と法律上の貸倒れ

税務上の貸倒れ
税務上、貸倒れは、@債権の全部又は一部が法的手続により引き捨てられた場合の「法律上の貸倒れ」、A債務者の資力喪失により債権が回収不能となった場合の「事実上の貸倒れ」、B売掛金等に限り、債務者との取引を停止して1年以上経過した場合等の「形式上の貸倒れ」に区分されます。
 法律上の貸倒れは、法人の経理のいかんを問わず損金の額に算入されますが、それ以外は、貸倒れとして損金経理したときに限り損金の額に算入されます。
 法律上の貸倒れには、会社の判断が入る余地はなく、事実が生じた事業年度以外に損金算入が認められません。

破産債権の取扱い
 更正債権や再生債権については、法律上の貸倒れについての取扱いはありますが、取引先が破産した場合の破産債権について、法律上の貸倒れについての取扱いはありません。その理由として、破産には債権の切捨てという制度がないこと、また、破産の態様によって法人格の消滅がなかなか特定できないこと、さらに、破産債権に連帯保証人がいる場合もあること、等が挙げられています。

破産の態様と法律上の貸倒れ
会社は破産宣告を受けても法人格が消滅するわけではなく、単に当該会社は解散するだけです。法人格は、裁判所が行う破産手続き終結の決定により消滅します。
 しかし、多くの場合、破産手続き開始後に費用不足が判明し、破産手続きが途中で頓挫してしまうことがあります。すなわち、破産手続きの廃止決定です。この廃止のことを異時廃止といい、その効果は、破産の効果を招来に向かって消滅させるものです。
この異時廃止の状況に至った時、法人格の存在はどうなるか、です。異時廃止の場合も法人格は消滅しますが、現行の課税実務では、当該法人はいまだ清算中の会社として存続している、との理解です。
 そうしますと、異時廃止の場合は、会社は清算中の法人として存続していることになりますから、その限りにおいて、法律上の貸倒れはありません。
したがって、事実上の貸倒れの判断ですから、時期をみて(場合のよっては破産宣告から10年、15年経ても)、回収不能である旨の事実を明らかにし、損金経理によって貸倒れを計上することができます。





H26.4.25

2BOX車の法定耐用年数 ライトバンとSワゴンの違い

貨客兼用自動車の耐用年数の判定
 クルマに詳しくない方にとっては、車両の耐用年数の判定は悩ましいものです。ミニバン、ライトバン、ステーションワゴンなど特に2BOX(『エンジンルーム』『乗車スペース』『トランク』のうち後二者が一緒になった2室のもの)の車両は、外観はほぼ同じように見えるもの多く、『貨物自動車』(5年)なのか、『その他』(6年)なのか迷ってしまったという方もいらっしゃるでしょう。これらの判定について、『耐用年数取扱通達』では、貨客兼用の自動車はナンバープレートにより行うものとされています。
自動車(登録車)の場合
上1桁が1(1ナンバー) 普通貨物車
上1桁が2(2ナンバー) 普通乗合車(定員11名以上)
上1桁が3(3ナンバー) 普通乗用車(定員10名未満)
上1桁が4又は6(4ナンバー・6ナンバー) 小型貨物車
上1桁が5又は7(5ナンバー・7ナンバー) 小型乗用車
上1桁が8(8ナンバー) 特殊用途自動車
上1桁が9(9ナンバー) 大型特殊自動車

ライトバンとSワゴンは『出自』が異なる
 従って、外観に関わらず、耐用年数は『1・4ナンバー』(ライトバン等)ならば5年、『3・5ナンバー』(ステーションワゴン等)ならば6年、軽自動車ならば4年と判定すれば良いことになります。これは2BOXに至るまでの生い立ちを見ると理解しやすいです。
 『ライトバン』はもともとピックアップトラック(貨物車)の荷台が屋根付きの貨物室となった『有蓋商用車』が発展したものであるのに対し、『ステーションワゴン』は、3BOX(『エンジンルーム』『乗車スペース』『トランク』の3室が区別されている車)のセダン(乗用車)の屋根が伸びていき、トランク部を大きな荷室としてもので、外観が似ていても、自動車としての『出自』が全く異なるということなのです。

ライトバンの商用利用は盛んだったが…
 このような経緯もあり、貨物車であるライトバンは、自動車税と自賠責が安く、車検も1年で、長い間、企業や商店の商用車として利用されてきました。ただ最近は車検が商用でも2年で、税金が乗用車よりも安い軽自動車に押されています。





H26.4.24
スペシャリストの活用

 スペシャリスト(専門家)とは、「特定分野について深い知識や優れた専門技術を持った人」を言い、それと対置されるのは「広範な知識・技術をもつゼネラリスト」で、それぞれ重要ですが、ここではスペシャリストに焦点を当てて活用法を述べます。

スペシャリストの働き方
 企業におけるスペシャリストの働き方、活用法には、表に示した通り、「常時活用したい場合」と「必要に応じて一時的に活用したい場合」の二つのニーズに応じて、人材確保の方法や、契約形態が異なります。日本の企業では、長期安定雇用が美徳とされ、慣行化されてきたこと、開発する商品やサービスの機能も社内技術を活用する程度で対応できた等の経緯があり、スペシャリストの働き方・契約形態も雇用契約が多く活用されてきました。

市場の変化に応じた活用へ
 近年は、市場・顧客が求める商品・サービスが多様化し、また変化のスピードも早くなっています。それらの要求に応えるには、一時的に特定分野の開発技術を駆使するスペシャリストの活用が必要になっており、Bの働き方によるスペシャリスト確保の企業ニーズが高まってきました。

[スペシャリストの働き方]
企業ニーズA 常時活用したい
 業務・スペシャリストの例
 ・商品開発 → ○○技術者
   人材確保の方法/契約形態 → 社内育成/雇用契約
 ・法規制対応・税務対応 → 顧問弁護士・顧問税理士 
   人材確保の方法/契約形態 → 外部人材活用/業務委託契約
企業ニーズB 必要に応じて一時的に活用したい
 業務・スペシャリストの例
 ・法規制対応・税務対応 → 弁護士・税理士・その他特定分野の専門家
   人材確保の方法/契約形態 → 外部人材活用/業務委託契約

トップの留意点
 自社の商品・サービスの開発ニーズと現状の対応力を再評価し、Bの「必要に応じて、特定分野のスペシャリストを一時的に活用する業務委託契約」をより重視する人材戦略をとることが得策と言えます。





H26.4.23
TDB合併企業の動向調査 『貸事務所業』が多いのは何故?


2013年合併企業数は3,783件
 2014年3月、帝国データバンク(TDB)が『合併企業の動向調査』を公表しました。これによれば2013年の合併企業数は3,783件(合併公告・商業登記を確認)で、製造業が前年比7.5%増と印刷・食品・エレキ関連の再編が顕著とのことです。公的な公表数値がないだけに興味深いデータです。業種の大分類では、サービス業21.6%、製造業16.0%、卸売業15.6%の順なのですが、細目ではトップは2年連続で『貸事務所業』という結果でした(カッコ書きは前年順位)。
順位 / 業種(細目)/ 2013 / 2012
1(1)/ 貸事務所業/ 151/ 158
2(4)/ ソフト受託開発/ 69/ 63
3(2)/ 一般貨物自動車運送/ 67/ 72
4(3)/ パチンコホール/ 65/ 51
5(5)/ 経営コンサルタント/ 53/ 49
5(6)/ 医薬品小売/ 53/ 38

『資産管理会社』は企業再編で使いやすい
 ここでは所謂『資産管理会社』が、この『貸事務所業』のカテゴリーに入ってくるものと思われます。企業グループ内での資産管理会社の親会社吸収は、資産の総合管理という意味で合併の動機となりますし、グループ内ならば、一度切り離したり、くっつけても『やり直し』がきくという意味では再編成のハードルが低い会社とも言えます。TDBは2005年にも合併の統計を取っており、その際もバブル崩壊により多額の含み損を抱えた不動産を会社分割で一旦切り離したものを、地価の回復により本体に吸収させた例が多いと解説されています。

同じ『不動産業』でも中身は大分違います
 他の『不動産業』に目を向けてみると、売買業、代理業・仲介業、管理業は業界の規制法があり、再編成でも免許など気を使う業種です。保有型の貸家業・貸間業や駐車場業は個人経営が主体ですので、企業再編成というイメージはあまりありませんね。
H24経済センサス(総務省等)を一部加工
業種 / 事務所 / 個人 / 法人
不動産売買業/ 9,087/ 8.3%/ 91.7%
代理業・仲介業/ 32,450/ 18.4%/ 81.6%
貸事務所業/ 26,447/ 19.1%/ 80.9%
貸家・貸間業/ 131,383/ 66.9%/ 33.1%
駐車場業/ 27,307/ 72.7%/ 27.3%
不動産管理業/ 24,456/ 7.9%/ 92.1%





H26.4.22
個人株主が破産した場合 破産財団からの自己株式の取得

個人株主が破産した場合の自己株式取得
 平成26年3月14日付の東京国税局の文書回答事例に面白いものがありました。平たく言えば『個人株主が破産した場合に、会社がその自社株式を破産財団から買取った場合には、源泉徴収はしなくても構いませんよね?』という照会です。
 この事前照会によると、照会者である会社(当社)の取締役が裁判所から破産手続開始の決定を受けてしまい、当社の株式がその破産財団に組み込まれてしまったとようです。当社は非上場であるため、破産財団側としても市場で売却するなどの処分もできず、当社が時価による自己株式の買取りに応じた―ということでした。

通常の非上場の自己株式取得なら源泉徴収
 通常、非上場会社が自己株式を取得した場合では、その自己株式の取得により交付を受ける金銭等の額が当社の資本金等の額(基因となった株式に対応する部分)を超えるときには、その超える部分が『みなし配当』とされ、所得税法では配当所得、『みなし配当』以外の部分が株式等に係る譲渡所得となります。当社の立場から言えば、この『みなし配当』について源泉徴収義務が生じるということになります。

強制換価手続きによる非課税規定の射程
 所得税法には『資力を喪失して債務を弁済する能力が著しく困難な場合における強制換価手続きによる資産の譲渡による所得』は非課税とする規定があります。そこで、照会者は、当社の事案がこれに該当しますよね?と事前照会をした訳です。
 一見、この自己株式の取引は、取締役が財産の管理処分権を失ったことにより株式を組み入れた『破産財団』と『当社』の取引なので、資力を喪失した取締役(個人)の取引には見えません。従って、取締役の資力喪失を要件とした非課税の適用は難しいように見えますが、法律上はこの時点で取締役は財産の管理処分権を喪失していても、所有権までは喪失していない状態―つまり、取締役個人がまだ取引の当事者という位置付けなのです。また、この非課税規定の『資産の譲渡による所得』を聞くと、『譲渡所得』が連想されますが、強制換価による譲渡を原因とする所得を意味するため、『配当所得』でも非課税であると判断されました。





H26.4.21
業績連動型賞与制度

 賞与制度は次の理由から、企業の規模を問わず活用されています。
1.月例給と比較して夏季・冬季に支給される賞与額が大きく、業績貢献度に応じた支給額決定を行なうことで、モチベーション効果を高めることができる。
2.賞与は月例賃金と比較して、経済環境、経営環境に連動した増減がしやすく、短期(1年以内)の人件費コントロール、労働分配率の増減に利用しやすい。
特に、2000年以降増加が著しい業績連動
型賞与制度は、全社業績・部門業績・個人業績を賞与額に反映する仕組み化によって、短期的業績に基づく支給金額の決定がなされ、短期(1年以内)のスパンで成果・業績を反映するインセンティブが強い賃金制度となっています。

業績連動型賞与制度設計の考え方
小規模企業で採り得る最も単純明快な業績連動型賞与制度の設計方法を例示すれば、次の通りとなります。
1.会社の営業利益から一定割合の賞与原資を確保する。(例えば、株主・会社・社員で営業利益を分け合う考え方に基づいて、営業利益の一定割合を原資とする。)
2.社員の人事考課点の総計で、賞与原資を除して、「人事考課点1点当りの賞与額」を算定する。
3.社員個々の人事考課点に「人事考課点1当りの賞与額」を乗じた額を社員個人別支給額とする。
 会社の規模が大きくなれば(例えば社員100名以上なら)、部や課などの業績(営業利益など、全社業績に対する貢献度)が異なり、それに応じた部門業績・課業績などの評価を行なって、賞与原資を公正に分け与えることが必要になります。また、営業利益への貢献が算定できない開発部門や、間接部門もありますから、その分制度設計に工夫を要します。

トップの留意点
 どのような業績連動型賞与制度であっても、人事考課・目標管理制度など業績評価の方法がある程度整備され、運用実績から社員の納得が得られていなければ成立せず、モラールダウンにつながりかねないことに留意すべきです。
 これは、賞与制度のみならず、人事賃金制度全体の問題でもあります。





H26.4.18
耐用年数の算出の根拠は?
固定資産の耐用年数の算定方法

耐用年数の算出の根拠は?
 現在、税務上用いられる減価償却資産の耐用年数は『減価償却資産の耐用年数等に関する省令』(耐用年数省令)の別表に記載されているものが適用されます。『耐用年数省令』は昭和40年に公表されたものですが、もともとは昭和26年の『固定資産の耐用年数等に関する省令』を改訂したものです。
 この昭和26年版には『固定資産の耐用年数の算定方式』というものが掲載されおり、耐用年数算定のルーツが示しています。

建物は『床』『構造体』など5要素で組成
 例えば、当時の鉄筋コンクリート造りの建物(事務所・店舗用)の一般的耐用年数は75年でしたが、これは建物の組成部分毎の加重平均で求められものとされています。
    耐用年数  全体を1万円とした場合  年要償却額(定額)
防水   20年        135               6.7
床     30年        720              24.0
外装   50年        720              14.4
窓     30年       1,260              42.0
構造体 150年       7,165              47.7
総合   ―         10,000             134.8
上の表の総合欄より、10,000円÷134.8≒74.18→75年ということのようです。
 このように、建物は『防水』『床』『外装』『窓』『構造体』の各部分から成り立っており、建物附属設備は、これらの要素とは異なる個別の効用を有するものと区別され、各部の建築技術上の耐用年数を総合して制定されたものであることが見て取れます。
 この昭和26年当初75年(法定:定率法)とされた耐用年数は、税収確保等の要請から昭和41年に65年(定率法)、平成10年には50年(定額法)と2/3に短縮されました。
 
IFRSは『コンポーネント・アプローチ』
 一方、会計上は企業個別の特殊条件を加味した個別耐用年数を確立して、減価償却制度を確立すべきという主張もありました(昭和35年連続意見書第三)。ただ、日本では、この半世紀あまり税務基準の耐用年数が実務においてあまりにも定着してしまいました。IFRSでは『コンポーネント・アプローチ』といって償却資産の重要な構成要素別で把握します。建物も『構造体』『外装』『内装』など構造の複雑さや重要性に応じた区別単位で償却を行うことになります。






H26.4.17
賞与制度の活用法


 賞与制度は一般的には業績向上へ向けて社員の意欲を高めるインセンティブとして活用されています。
 バブル経済崩壊後、2000年頃から業績連動型賞与制度が増加し始め、日本経団連の調査によると2011年には導入企業が48%に達しています。
 近年の事例からもう少し具体的な活用目的を見ると次のA〜Eの5つの類型があります。

[賞与制度の活用類型・目的]
類型→活用目的
類型A戦略志向型→長期・中期・短期戦略の事業目標達成に向けて社員を動機付ける。
類型B組織風土改革型→脱年功・実力や業績を重視して賞与を配分、組織の活力向上、風土改革を図る。
類型C業績貢献配分型→成果・貢献に報いることを重視し、成し遂げた部門・社員に応分に配分する。
類型D外部環境激変対応型→経済環境激変があっても賞与額の変動幅を抑え、利益額と賞与額がより連動可能な制度とする。(2008年のリーマンショックを契機として生まれた類型)
類型E年俸制・賞与一体型→年俸を業績貢献に応じて決定し、その一部を賞与で支給(500人未満企業の約30%が採用している年俸制に賞与を組み込む類型)

 これらの活用目的は、類型C(業績貢献配分型)と他の類型を組み合わせた複合目的が多くなっています。
 例えば、経営者が自社の問題点を踏まえて年功的な処遇制度から実力・業績に応じた賞与配分を行ない、組織の活力を上げたい、とすれば類型Bと類型Cの複合目的で賞与制度を設計することになります。

トップの留意点
 賞与制度の活用目的は、業績評価の仕方、賞与額決定の仕組みとして具体化することになります。したがって、トップの経営の現状判断、問題意識と「自社をどのように変えて行きたいか」という意思決定に基づいて活用目的を決定すべきです。
また、業績評価で賞与に差を付けたい場合は公正性、納得性を持つ評価制度の整備が必要不可欠であることに注意が必要です。





H26.4.16
年金記録の確認チェック

持ち主不明の年金記録はまだ4割以上ある
 老後に受け取る年金の受給資格について平成19年には基礎年金番号に統合されていない持ち主不明の年金記録が5095万件存在していました。ねんきん定期便等で照合が進みましたが25年当初でもまだ2200万件の不明の記録が残っています。持ち主不明の年金記録を結びつける為には本人しかわかり得ない昔の事情等を自分自身で確認するしかありません。心当たりの記録を年金事務所に申し出する必要があります。

年金記録を確認するには
 ねんきん定期便やねんきんネットを見てみて未加入となっている期間がある場合は漏れや誤りが含まれている可能性があります。ねんきんネットを利用するには利用登録とID発行で指名、生年月日を入力すれば、持ち主不明の記録の中に入力した条件に一致する記録があるか検索できるようになっています。高齢の方などは家族やケアマネージャー等のIDでも依頼者に変わって調べることもできます。

年金記録の確認チェックリスト
 記録確認の為、次のチェックリストで自分の記録に未加入期間がある等気になる方はチェックをしてみましょう。

働いていなかった方
・学生だったとき国民年金に加入していた
・夫(妻)の扶養家族であったが国民年金
 に加入していた(S61年3月以降)
働いていた方
・退職後、結婚し姓が変わった
・色々な名の読み方がある
・事情により本名で無い名で勤めていた
・転職のたびに年金手帳を発行、統合無し
・同じグループ会社で転勤、出向をした
・勤務先が合併、社名変更、倒産があった
・保険の外交員、期間工等で勤めていた
・保険料を納付したはずなのに未納である
・標準報酬額が実際と異なっている
特に漏れや誤りが発見されることが多いのは次の3つで9割を占めています。
・転職のたびに年金手帳が発行された
・会社を退職後結婚して姓が変わった
・色々な名前の読み方ができる 例として
 長田・・ながた、おさだ、ちょうだ
 未来・・みき、みらい、みく
以上のような原因がありますのでもう一度自身の記録を確認してみましょう。





H26.4.15
ビットコインが「モノ」だとしたら


 政府がビットコインにつき公式見解
 この2月25日に、参議院議員からのビットコインに係る質問主意書が出されたのを機に3月7日政府は公式に見解表明しました。それによると、ビットコインには強制通用力がなく、取引の相手方が受け入れる場合に限り対価として利用可能なものなので、当然「貨幣」には該当せず、有価証券でもなく、その取引が法人税法、所得税法、消費税法等に定める課税要件を満たす場合には、課税対象となる、ということです。

ビットコインの採掘と流通
 通貨は国家(含中央銀行)が発行します。これに対して、ビットコインには国家の裏付けがありません。ビットコインは金(ゴールド)に似ているところがあります。金の価値は国家と無関係に完全に市場動向に委ねられています。そして、理解しにくいのですが、金採掘埋蔵量に限界があるように、ビットコインにも「採掘」の概念があり、流通量・埋蔵量に限界があるようです。

何故か日本が舞台になっている
 ビットコインはネット上の仮想通貨で、「中本哲史」と名乗る人物の「ビットコイン電子マネーシステム」という2009年の論文からスタートしたと言われています。2013年以降、無政府性の斬新さから世界的に急速なスピードで普及し、各国通貨とも交換可能になっており、その交換取引の世界の70%を取扱っていた会社が何故か東京にあり、経営者は日本人ではなく、日本在住のフランス人でした。

ビットコイン交換取引所と規模
 今年2月28日、その交換取引所会社「MtGox(マウントゴックス)」は、サイバー攻撃により資金繰りが悪化したことを理由に民事再生法の適用を申請しました。日銀によると、ビットコインの発行残高は約1200万個であり、本年2月末の交換レート(621$/BTC)で計算すると77億$となるとのことです。(因みに日銀券発行残高はこの2月末85兆4,749億円です。)

ビットコインがモノではマズイ
 政府見解についての多くのニュースは、ビットコインは通貨でなく「モノ」 と認定されたと伝えています。消費税についても言及していて、課税資産の譲渡等として消費税の課税の対象となる、としています。しかしそれでは、国内でビットコインを購入して仕入税額控除し、外国にビットコインを「送金」して輸出免税特権を享受する、ということができてしまいます。あり得ないことのように思われます。





H26.4.14
チーム目標必達法
 
 企業経営では、一般に複数の従業員が、生産・営業・開発など共通の目的・目標を達成しようとして力を合わせて働かなければならないことが多く、リーダーシップの巧拙がメンバーの意識・行動を変え、成果を左右することは良く知られています。

リーダーシップのあり方
 チーム目標を必達するためのリーダーシップのあり方は、“リーダーの舵取りの下で、メンバーが力を合わせて、自発的に状況判断を行ない、考え、行動する”方向へ誘導すること、さらに掘り下げれば、望ましいメンバーの意識。行動を生み出す源泉を確保すること、と言えます。
 ある目標に向かってチーム活動が動き出すと、思い通りに、何の障害もなく進行するなどと言うことは全く考えられず、次々と出てくる障害、問題を解決し続けて行かなければなりません。
 それらに対して果敢に対処し続ける力、すなわちチーム力の源泉を、テーマ・目標設定の段階で確保しておくことがリーダーシップのあり方の基本と言えます。

目標必達への源泉を掘り当てる
 チームメンバー個々は、専門知識・技術、得意技など異質な人間の集まりです。そのメンバー個々がテーマ・目標に対して共通の理解と、どうしても達成したい価値を共有したとき、目標必達への源泉が確保されたと言えます。
 このような源泉は、人間の意思。やる気にあるので、自分達が取りかかろうとする具体的な問題・課題解決テーマについて、
・なぜこの課題解決が必要なのか
・なぜこの目標(達成レベル・時期)が必要なのか
・目標が達成された時の状況(目標が達成されたとき、具体的に何がどのように変化しているのか
・達成プロセスでの自分達個々の役割、協力の仕方
以上のような事柄をチームメンバー全員参加、全員発言で、突っ込んで話し合うことを通じて、チームメンバーの役割意識、力の合わせ方、自主的な動き方など、チーム目標必達へのパワーが生まれます。

経営者の留意点
 経営者は、リーダー達に向かって、チーム力の源泉確保の重要性、スタート段階の
話し合いの実践を指導するべきです。





H26.4.11
H26.4からは複数税率の管理が必要!
未成工事支出金の仕入税額控除

未成工事支出金の仕入税額控除の特例
 いよいよ消費税の新税率の適用がスタートしました。これに伴う経理部門の事務負担が増えていますが、そのようなものの一つに、未成工事支出金について『目的物の引渡日』の属する課税期間に仕入税額控除を行っている場合の税率(5%・8%・10%)の個別管理があります。
 未成工事支出金とは、建設業が未完成である工事の費用を集計した科目です。決算時には棚卸資産(流動資産)として貸借対照表に計上し、工事完成時にまとめて原価に振替えられます。消費税の仕入税額控除は、『課税仕入れ等をした日』に控除を取ることが原則(購入時即時控除)ですので、未成工事支出金に集計される原価項目ごとに、材料は『材料を購入した日』、外注は『役務が完了した日』に個別に『課税仕入れ等をした日』を把握しなければなりません。
 小規模の現場ならばそのような個別管理を行うことは可能でしょうが、大きな現場となると、そうもいきません。そこで事務負担を考慮して未成工事支出金を完成時(目的物の引渡時)に原価に振り替える際に一括して仕入税額控除を行うことが通達で認められています(経理と継続適用を要件)。

『時期』と『税率』は別の話
 ただし、この特例の通達は『時期』についての特例であって、『税率』については触れられておりません。従って税率改訂期をまたぐ現場については、個々に適用税率(5%・8%・10%)を把握しなければならないこととなります(H26.1国税庁HP『Q&A』)。

もともと税務調査の要注意項目
 もともと、未成工事支出金は小規模な現場の計上漏れや間接費の配賦漏れなどが税務調査で指摘されがちの項目です。内容的にも前払金(中間金)、材料貯蔵品、仮払金等の雑多なものが含まれることが多く、大規模な現場では個別の『課税仕入れ等の時期』を正確に把握するのは大変です。そのため、この特例は仕入税額控除の時期は遅れますが、控除の『繰延べ』を認めているものですので、有難い面もありました。ただ今回は複数段階で消費税の税率が改訂されます。どうせ煩雑になるのならば、税率改訂期は特例適用を行わずに、落ち着いたら再適用するという考え方もあるでしょうが、これは『継続適用』の要件に引っかかりそうです。頭の痛いところになります。





H26.4.10
育児休業給付金の引き上げ

次世代育成支援対策の一つ
 厚生労働省は育児休業の取得を促すため、雇用保険制度の所得を補う育児休業給付の拡大を決めました。今までは原則子が1歳になるまでを給与の50%補償をしていましたが、平成26年度から育休の当初半年間に限り、3分の2(67%)に引き上げます。昨年の秋に給付の増額は方針が決まったのですが、次のように発表されています。

労働政策審議会報告の概要
 「育児休業給付は育児休業を取得しやすくし職業生活を円滑の継続促進するために雇用保険の失業給付の1つとして設けられている。(中略)育児休業給付金受給者が増加していることから育児休業の取得促進に寄与はしていると考えられるが、一方で収入が減るという経済的理由から育児休業を取得しなかった男女とも一定程度は存在する。特に男性の育児休業取得率は平成24年度において、2%弱と伸び悩んでいる状況にあるが男性の育児休業を促進することは男性のワークライフバランスの実現だけでなく、女性の育児負担を軽減し、女性が職場で継続して働き就業率向上にも資する。夫の育児・家事時間が長いほど第2子以降の出生割合が高くなる傾向にあることから育児休業促進による男性の育児参加の拡大は少子化対策にも資するものになる」としています。以上のような背景から今回の給付率の引き上げとなったのです。

男女共に育児休業を取得促進できるか
 給付率は引き上げられますが、その率は出産手当金の水準を踏まえ育児休業開始時から6か月間について67%の給付率とすることになっています。この率は育児休業給付が非課税であること、休業期間中は社会保険料免除措置があり休業前の税・社会保険料控除後の賃金と比較して実質的な給付はさらに高くなるという計算です。
 出産、育児に関する支援措置は労働基準法、育児・介護休業法、雇用保険法、厚生年金保険法、健康保険法等多岐に絡んでくるので複雑で全体を把握するのは面倒です。
 受給率引き上げが必ずしも取得率向上となるかはわかりませんが、受給者のメリットは増えます。しかし企業側では取得者が増えると事務面の煩雑や人のやりくりも大変になるという面もあり、現実的な問題も増えそうです。





H26.4.9
大企業向け税制ですが…
H26年度接待飲食費の改正


H26.4.1以後開始事業年度から適用開始
 中小企業向けの税制とは言えないものですが、今回は平成26年度の『接待飲食費』の改正について解説したいと思います。
 平成26年4月1日以後の開始する事業年度から、『接待飲食費の50%特例』の取扱いがスタートします。この制度自体は、資本金や青色・白色の区別なく全ての法人について、接待飲食費の50%を損金不算入とする―その裏返しで、50%の損金算入が認められるというものです。平成18年改正より、1人当たり5,000円以下の飲食費については、交際費等の範囲から除かれる措置がなされていましたが、これに当たらないものについて、上記の制度が適用されます。さらに『5,000円以下の飲食費』との取扱いと同様、社内飲食費については、その範囲に含まれておりません。尚、この改正は事業年度単位の適用になっておりますので、4月1日以後の飲食が即、この制度の適用となるわけではないことにご注意下さい。

大多数の中小企業は定額控除選択か
 とはいえ、この制度は、資本金の額が1億円以下の法人については、年800万円まで損金算入ができる定額控除限度額方式との選択とされています。実際に『接待飲食費の50%特例』の方が有利となるには、800万円÷50%=1,600万円の接待飲食費を使わなければなりません。国税庁の統計(H23)では、単体申告の1億円未満の法人225万8842に対して、その交際費総額は、2兆797億円。1社平均で92万円ですので、まず中小企業が新制度を選択することは少なかろうという訳です。ただし、連結親法人の資本金等の額が1億円以上である連結子法人については新制度の適用が考えられます。

適用する大会社での区分管理が大変!
 一方、新制度を適用する大法人にとっても、新年度からは、交際費の区分管理が結構大変になります。つまり、税務上@5,000円以下飲食費、A50%特例対象の接待飲食費、B社内飲食費、Cその他の交際費の4区分の管理が必要になるのです。また、他の接待行為の一連の行為と認められものを区分もより徹底しなければならない訳で、経理部だけでなく、営業など他部門にも周知・教育が必要となります。





H26.4.8
コーチングの活用

 “コーチング”は人材開発技法の1つであり、対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術で、その特徴は上手な質問で相手の話を引出し、感じたことを伝えて承認することを通じて、自発的な行動を促す点にあります。

目標管理におけるコーチング活用
 “コーチング”は目標管理制度でよく使われます。例えば上司の管理者と部下が目標設定面談を行なう場合、その目的は部下が検討してきた目標案について話し合い、必要な修正、補強を行なって、最終的に承認する、即ち目標設定の合意形成にあります。その時のコーチング活用のやり方は、
1.部下の目標案について説明を聞く。
2.管理者が、部下に「なぜその目標が良いと思ったのか」理由を質問する。
3.その答えに納得できれば、承認し、合意形成が出来たので目標設定は終了する。
4.もし、その答えに納得できない場合、管理者として部下に、再検討、修正を求める。その場合、
(A)管理者が一瞬にして、部下の検討不足や、誤りを判断し、それを具体的に指摘して修正を求める。
(B)コーチングを活用して、部下自身に、修正の必要性を判断させる。実務上は、このケースが多いと思われ、「君の原案通り設定した場合、その後どうなって行くだろうね?(フィード・フォワード質問)、その案を具体的にした時どうなるだろうね?(具体化質問)」などの質問を行ない、部下自らが原案の問題点を考え、気付くように仕向け、納得できる答えが出たところで承認する。

 このやり方は目標設定面談に限らず、中間面談、最終面談のケースにも使えます。
 人間は頭から指示されること(A)を嫌い、自ら考えて判断し、決めたこと(B)には納得するものです。言い換えれば、人間の本性は、ロボット化される(指示される)ことを嫌い、主体的であることを好むのです。

経営者の留意点
「コーチングは、人に云いにくいことを、相手を傷つけずに気付かせる技術」とも言えます。経営者から見て、相手が役員・上級管理職であっても同じように何かもっと理解して欲しいこと、主体的に行動して欲しいことがある場合には、コーチングを活用すると良いでしょう。





H26.4.7
産前産後休業の保険料免除


平成26年4月から免除期間拡大
 今まで出産育児に関し、社会保険料免除は産後休業が終了した育児休業開始時からが対象とされていましたが産前産後休業中も保険料が免除されるようになりました。
対象は平成26年4月30日以降に産前産後休業が終了する方です。但し3月にかかった分は対象にならず、保険料は4月分から免除となります。条件は産前産後休業期間(産前42日、産後56日)のうち、妊娠出産を理由として労務に従事しなかった期間の保険料が本人、事業主とも免除されます。

手続き方法
 保険料免除を受けるには「産前産後休業取得者申出書」を提出しなければなりません。提出は産前産後休業期間中に行ってください。出産前後の提出時期で提出する書類が違ってきます。
@出産前に保険料免除申出をした場合
ア、出産予定日より前に提出した時は、実際の出産が予定日通りにはならないことが多いので出産があってから「産前産後休業者変更(終了)届」を提出しなければなりせん。
イ、出産予定日より、後に提出した場合も同様です。
ウ、出産予定日通りに生まれた時は、「産前産後休業取得者申出書」のみで変更届は不要です。
A出産後に保険料免除の申出をした場合
この場合は出産後ですので「産前産後休業取得者申出書」だけを提出し、出産予定日であった日と出産日の両方を同時に申請し、1回の提出で済みます。
B産休終了予定日前に産休を終えた場合
産後に8週間まで休まず(労基法では本人の申し出で、産後6週間が過ぎれば医師の承諾があれば勤務してよい)休業を短くすることもあり、その場合は終了届を提出します。終了予定日通りに終了した場合、提出は不要です。又、産後8週間過ぎてから育児休業を取得する場合の育児休業保険料免除は別途提出が必要です。





H26.4.4
中小企業退職金共済制度とは


退職金制度の普及の為昭和34年に創設
国の中小企業対策として制定され、相互扶助の制度で退職金制度の普及や中小企業の従業員の福祉の向上、企業の発展に寄与することを目的としています。中小企業退職金共済制度は平成25年現在約36万4千事業所、330万人が加入しています。

制度の特色
@ 新規加入時の掛け金の一部が補助されます。掛け金の2分の1、上限1人5千円までが加入後4か月目から1年間助成されます。また、月額掛け金を増額すると(1万8千円以下の場合)増額分の3分の1を1年間助成されます。
A 税法上の特典として掛け金は法人企業の損金、個人企業の必要経費となります。
B 退職金は安全に管理され、退職した本人の口座に振り込まれます。
C 従業員ごとの納付状況、退職金資産額を知らせてくれます。
D 過去の勤務期間の通算(新規加入の際)
E 中退共に加入していた他の企業からの転職では加入期間通算もできます。

加入の条件
 加入できる中小企業は次の通りです。
@ 一般業種(製造業等) 常用従業員300人以下又は資本金3億円以下
A 卸売業  従業員100人以下、又は資本金1億円以下
B サービス業  従業員100人以下、又は資本金5千万円以下
C 小売業 従業員50人以下、又は資本金5千万円以下
従業員は原則、全員加入ですが有期雇用労働者などは対象としないこともできます。
又、役員の場合は従業員賃金も受ける等労働者として実態のある人は加入できます。代表者は対象となりませんが事業主と同居の親族で生計を一にする人が使用従属関係にある時は加入することができます。

掛け金について
掛け金は事業主負担で従業員の負担はありません。月額掛け金は5千円から3万円の間で、将来受け取る退職金額から想定した掛け金を決めます。パートタイマー用の低廉な掛け金もあります。
 受給は一括で受け取るか、退職時が60歳以上であれば分割も選択でき、一括受取は退職所得、分割受取は公的年金等控除の雑所得扱いとなります。





H26.4.3
経営理念の浸透策

 経営理念とは「組織の存在意義や使命を、普遍的な形で表した基本的価値観の表明」で、それが社員によく理解され、日常業務の遂行に生かされて、業績向上に貢献し、社内外の利害関係者の納得と支持が得られてこそ、経営理念の浸透が図られた、と言え、近年の経営管理で大変重要視されています。しかし、経営理念の浸透策は、短期間で出来るものではなく、経営者の継続的努力が必要になります。そこで、いかに経営理念を社員に理解、浸透させるか、その具体策について述べましょう。

経営理念に基づく日常活動
 社員に経営理念を理解浸透させるポイントは、「個々の管理者・社員が担当業務の遂行、つまり日常活動において、経営理念を基本とした考え方、行動を徹底すること」にあります。多くの企業では、業務の主要な部分が目標管理で遂行されており。そこに経営理念が生きている状態こそ、首尾一貫して、日常社長が口にしている経営理念と社員がやっている仕事のやり方に矛盾がなく、社内外の関係者が納得するばかりでなく、健全経営の実践に繋がって行きます。
 では、そうなるために経営者は何をしたら良いか、その具体的な実践方法のヒントを述べましょう。

経営理念の浸透、経営者の留意点
 経営理念が社員に理解、浸透して行くプロセスは、経営戦略・年度経営計画の策定、それに基づく目標管理制度運用の流れになりますから、経営者は社員に次のように働きかけることが重要です。
1. 経営理念を事業展開に具体的に生かす経営戦略、年度経営計画の起案を、担当役員・管理者・起案担当者に要請し、チェックする。
2. 目標管理制度など業績管理システムの運用において、戦略・年度計画に基づく目標設定・達成プロセスで経営理念に基づく考え方、行動を徹底するよう全管理者・社員に要請する。
3. 要請に止まらず、「経営理念に基づく行動の実践状況」を目標達成度とともにプロセス評価に組み入れてフォローアップする。
4. 管理者研修に「経営理念浸透策」を取り上げ、自部署の実例を発表させて相互の研鑽、工夫を求める。





H26.4.2
なぜ証拠が重要なのか?


証拠はない。それがどうした?
 民事上のトラブルがあり、裁判を起こしたいと勢い込んで弁護士や司法書士に相談したら、証拠は?こういう書面はないか?と言われ意気消沈した経験はないでしょうか。しかし、これには理由があります。

証明責任とは
 裁判で当事者が立証を尽くしても、争点たる事実の有無を裁判官が確信できない場合があります。その場合、裁判所はどちらか分かるまで進んで自分で調査することはしませんし、どちらか分からないから判決は出さないと職務放棄することもできず、いずれかの結論を出さなければなりません。このように、真偽不明の場合に結論を下すことでいずれかの当事者が被る不利益のことを証明責任といいます。
 どの事実についてどちらが証明責任を負うかは、おおまかに言えば、自分に有利な法律上の効果の発生を求める者は、その根拠法令が要件とする事実について証明責任を負うことになります。貸金請求を例にとると、貸主は金を貸したこと、つまり、金の授受、返還の約束を証明する必要があります。相手方がこれを否定する(金自体受けていない、借金でなくもらった)ためには、真偽不明に追い込むべく反対証拠を出す必要があります。逆に、相手方が返済済みであることを主張するならば、返済の事実についての証明責任を負います。

本人の供述も証拠にはなるが・・・
 民事訴訟法上、定められた証拠方法は、文書、検証物、証人、当事者本人、鑑定人があります。当事者本人とあるように、本人が裁判所で自ら証言しても証拠となりますが、客観性を持つ証拠方法があればそれに超したことがないのはもうお察しのことでしょう。
 冒頭の事態にならぬためには、契約書、議事録等目に見える証拠を用意しながら進めることが必要です。





H26.4.1
管理のサイクルと目標管理

 どのような業種であっても、固有技術は、事業分野・職種によって多様ですが、管理技術は職種横断的に共通の考え方、方法があり、中でも経営管理に役立つ基本的な管理技術は「管理のサイクル(Plan―Do―See)」で、経営者・管理者にとっては欠かせないものです。

目標管理の基本はPlan―Do―See
 業績管理システムとして、日本の企業に広く普及している目標管理制度において、その進め方の基本は管理のサイクルとなっています。
 すなわち、目標管理制度に基づく業務遂行は、基本的な管理技術・「管理のサイクル(Plan―Do―See)」の実践にほかならないのです。したがって、経営者・管理者が中心となって、このサイクルを的確に回せば業績管理・目標管理制度の運用がうまく行き、業績向上が図れることになります。

経営者・管理者の役割
しかしながら、このサイクルでは様々な障害が出現し、知恵と努力で乗り越えて行かなくてはなりません。そのためにこそ、経営者・管理者の管理のサイクルに沿ったマネジメントが重要になります。

【目標管理における経営者・管理者の役割】
目標管理制度のステップ=管理のサイクル
   管理のサイクルに従った経営者・管理者の役割
目標の設定(PLAN:計画)
   経営貢献度の高い目標、及び達成への道筋、手段、役割分担、スケジュールの明確化と合意形成
目標達成プロセスでの業務遂行(DO:実行)
   遂行プロセスで生じる多様な障害の発見と除去を図るメンバーの参加、協働
目標達成度・成果の評価と、次の目標設定への反映(SEE:評価と処置)
   ・公正で納得性が高い評価、処遇、
   ・成果の標準化等、経営資源化、
   ・次の目標設定、能力開発計画

経営者の留意点
様々な障害を乗り越えるために、経営者が中心となり、自社の実例に即した管理者層のマネジメント研究の場を設けるのが、管理者に対する適切な支援施策、即マネジメント能力開発の上策と言えます。