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H26.5.30
動産登記制度・ABL・ABL保証
気になる譲渡担保の通達文言

譲渡担保とは
 
民法では、動産を債権の担保とする場合には、不動産と異なり抵当権を設定できず、質権の設定に限れられていました。質権を設定する場合には、担保物の占有を質権者に移す必要があるため、占有を移さない手法―「譲渡担保」と呼ばれる手法が学説・判例に支えられて発達してきました。この「譲渡担保」は、債権者が債務者の担保物を一旦法律上譲渡という形で譲り受け、債務の完済をもって、その担保物を返還するという形式を取ります。買戻条件付譲渡や再販売の予約についても同様に担保の効果があるため変則担保などとも呼ばれています。「譲渡担保」は動産だけでなく、不動産についても利用することができます。

所得税・法人税の通達で要件が異なる
 所得税・法人税の通達では、実質主義の見地から、「譲渡担保」があった場合に、次の事項が契約書で明らかにしているときは、譲渡はなかったものとして取り扱われます。
@担保に係る資産(固定資産等)を債務者が従来どおり使用収益すること
A通常の利子(ないしは利子相当の使用料)の支払に関する定めがあること
 ただし、所得税と法人税の通達では要件として異なるものが求められています。まず、所得税の通達では、資産の限定はありませんが、債権者と債務者の連署による「譲渡担保申立書」を提出することが求められています。一方、法人税の通達では、担保とする資産を固定資産に限定しており、債務者側に自己の固定資産として経理することを要請しています。逐条解説などでは、この固定資産に限って適用があることが強調されています(有価証券は証券の種類により担保権者と設定者に複雑な権利関係が生じるため、この取扱いから除外するという記述もあります)。

動産登記制度やABLの動き
 現在では、「動産登記制度」(H17)により動産の譲渡を公示することで、企業が有する在庫商品・機械設備・家畜・売掛金等様々な動産を担保として活用するABL(Asset Based Lending:動産・債権担保融資)の促進が図られています。「流動資産担保融資保証制度」(H19)も設けられている現状を考えると、法人税の通達の文言はどうにかしてもらいたいですね。





H26.5.29
“人間力”の強化

 ビジネス社会で“人間力”という用語がよく使われます。人間性、人間味、人間らしさなどと似てはいますが、それらに比較して、より幅が広く、高い次元の力を表現しているようで、政府の研究会では「社会を構成し、運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」と定義しています。
 このような総合的な力が何故必要なのか、どのように人間力を確保すべきなのか、ビジネス社会に生きる企業人の立場から述べて見たいと思います。

“人間力”の多様性
 ビジネス社会では、ゼネラリストが組織を率いるマネージャーとして働く時、業務知識・経験、マネジメント能力などを超えて、求心力を持って人間集団をまとめる総合的な力・統率力と言う高いリーダーシップ、すなわち“人間力”が必要とされます。
 また、スペシャリストは自分の専門技術・知識だけに関われば済むわけではなく、異なる専門分野を担当する個々のスペシャリストが協働し、チームとして活躍する現代の業務遂行形態では、特に業務上の危機的状況では、一点突破を図るリーダーシップ“人間力”が必要とされます。
 このような“人間力”は、マネジメントスキルのように、ある程度具体的な成功の法則性があるわけではなく、その場の状況に応じて難関を突破する組織力を引出し、勝利に導く総合的な力であり、定義に曖昧性はありますが、実戦上では大変価値の高い力と言えます。

“人間力”強化、トップの留意点
 基礎学力・専門知識・技術・マネジメントスキルなどとは別次元にある“人間力”を開発するには、次のような考え方・方法をとるのが適切であると考えられます。
@ 組織のリーダー層や候補者に、あえて修羅場をくぐる体験を積み重ねさせる。
A 役割・期待貢献に基づく成果と共に、必要な発揮能力として“人間力”を求める。
B リーダー層が危機的状況を突破した体験を交換する相互啓発の機会を設ける。
 近年、アジア諸国への日本企業の進出が盛んになりつつありますが、海外ビジネスにおいては、進出国の文化の理解や語学力以上に、難関を突破する“人間力”が成功要因であり、海外での業務体験が“人間力”を高める機会となっています。





H26.5.28
メール調査と通信の秘密


税務調査での「メール調査」
税務調査において、コンピューター内の各種データや電子メールを見せるように求められるケースが多くなっているようです。
どの会社でも、メールにはかなりの情報が詰まっており、メール調査を足がかりとして申告書面では伺い知れない会社の本音を垣間見ることができ、多くの場合で、否認の端緒や根拠を見つけることになっているようです。

「メール調査」を要求する根拠
税務署員の質問検査権として、事業に関する帳簿書類その他の物件の検査、提示、提出を求める権限があります。
電子メールはここでいう「書類」ではありません。上記の「帳簿書類その他」の文言を拡大解釈して、対象に含めようとすることは、法律の正当な解釈とはいえません。
電子帳簿保存法を根拠として、帳簿書類を作成しない場合には、コンピューターの画面にて電磁的記録の状態の「帳簿書類」を調査担当者が確認し得る状態にして開示する必要がありますが、それだけで十分です。電子帳簿保存法の適用を受けていて、電子メールで受注・発注・業務指示・業務報告を常態としている場合であっても、電子メール内のすべての情報の画面開示を要求することはできません。

憲法21条「通信の秘密」
明治憲法でも保護されていましたが、現憲法では一段と明確に、「通信の秘密」が保護されています。国民の通信に対する公権力の監視、干渉からの自由は基本的人権の一つです。この憲法の規定を承けて、刑法、郵便法、信書便法に信書開封・信書隠匿に対して、「秘密を侵す罪」として懲役刑と罰金刑が規定されています。
この自由権はプライバシーの保護のためのものです。会社にしても、個々の従業員にしても、プライバシーもあれば秘密にしたいこともあるのが普通です。
通信の秘密の対象には、文書としての信書のほか、電話・電子メールなど全ての通信媒体によるものが含まれ、保護の対象は、通信内容だけでなく、通信日時、発信人・受信人の氏名・住所など、内容を察知させる可能性のある外形的事実にも及びます。
税務調査において、無断で、電子メールの内容を覗き見ることは、明確な「通信の秘密」の侵害です。許されるのは、憲法35条の令状主義の要件を満たした犯罪捜査の時だけです。





H26.5.27
内部資料見られて重加算


外注傭船料を原価ベースで算出
税理士会のデータベースに開示請求により開示された国税不服審判所の非公開裁決事例があります。その一つに、内航海運業の建造引当権が法人税通達で営業権とされていた10年以上前の時期のもので、興味を引くものがありました。
会社側は、子会社に支払う外注傭船料につき、子会社に赤字が出ないように子会社が負担するコストをすべて積算したものとしているが、ここには架空のコストや虚偽のコストはなく損金算入可の真正なものである、と主張しました。
 裁決は、子会社の営業権償却費は本来の傭船料の原価を構成するものではないので、その部分は、子会社への利益供与としての寄附金である、としました。

税務調査で開示された内部資料
 税務調査の過程で、会社グループとしての決算やグループ内取引についての資料である、「決算検討社内資料」とか、「企画部業務概要および懸案事項」などという編綴書類が開示されました。それらの中には、税務面の危惧を上司に対して説明するために作成したものが含まれており、節税財源確保のための子会社営業権償却費の利用などが記載されておりました。

内部資料が動かぬ証拠の仮装隠蔽
 この事例は、単なる過少申告加算税ではなく、重加算税の賦課とされています。
子会社への利益供与を通じて請求人の課税所得金額を圧縮するために、正当な傭船料のコスト計算に基づかず、本件償却費合計額相当額を傭船料に不当に上乗せすることに子会社等と通謀合意の上、傭船料を過大とした虚偽の本件各協定書を作成し、本件各事業年度の期首にさかのぼって適用したものと認めるのが相当である、との理由です。

処分庁の悠々とした態度
裁決書には新たな処分庁の主張はありません。税務上の問題を認識しながら、虚偽の傭船料の協定書を作成し、あたかも正当な傭船料であるがごとく仮装する行為をしている以上、傭船料の本来の時価の検討など不要との、余裕綽々の態度です。動かぬ自白証拠を押さえた強みからでしょうか。
税務調査で、コンピューター内の電子メールなどを見せるように求められるケースが多くなっているとの情報もあります。
本音でヤリトリしている内部情報が思わぬ落とし穴となることがありそうです。





H26.5.26
長寿企業とはどんな会社か

永く続く企業とは
企業にとって大切な事とは何でしょうか? それは「継続する」という事ではないでしょうか? 顧客にサービスや商品を提供し喜んでいただく、社員を雇用し、その家族も幸せにする。納税や地域社会に貢献しながら存続し続ける、それは理想の姿かもしれません。しかし企業が存続し続ける続けることは容易ではありません。経済変化や企業間競争、有力取引先の消失、災害、不祥事の発生等様々なリスクが付き物です。こうした中、永く営業を続けている企業もあります。その96%は中小企業であり、日本で創業100年以上の企業は2万6千社(帝国データバンク調べ)と言われ、世界最古の企業と言われる西暦578年創業の寺社建築の金剛組と言う企業も日本にあります。

長寿企業の8割が明治時代に創業
明治時代は殖産興業の政策の下、工業化、近代化が進んだ時代です。業種的には製造業と卸・小売業が多く、少ないのは建設、運輸、金融、保険、不動産、サービス業等で昔は物を作って売ることが主流だったからでしょう。製造業の中でも食品・酒関連が多く、金物卸、繊維衣類も多い方です。また、地場で家族中心の小売業が半数近くです。

企業経営者の在位期間
先代の経営者が25年から30年位で60代から70代になった頃に30代から40代の子に経営を任せるというのが一般的です。データでみると1990年代以降は設立30年以上企業が倒産するケースが増加傾向にあります。在位が25年から30年という事から考えると1回は世代交代した後に倒産の憂き目にあう率が増えているとも言えます。

企業が存続し続けるには
企業の継続にはどのような事が必要なのでしょうか。今後の経済・社会情勢は、人口の減少やグローバル化による競争での利幅縮小等も考えられます。その中でも継続するための課題とは、長寿企業から見てみると次のような事でしょう。
@新市場開拓や新事業開発等の経営革新
Aコスト削減等、効率・生産性の向上
B人材の確保育成 社員を大事にする経営
C継続経営者の育成
当然の事のようですがこれを持続し続けるという事は大変なことです。しかし、地道に続けることが企業を成長、存続させて行くのでしょう。





H26.5.23
“3C分析”の活用法

 事業戦略の方向性を検討する場合、基本的なフレームワークとして“3C分析”を活用すると、市場・顧客に提供する自社の商品・サービスの競合に対する差別化ポイントを設定するのに役立ちます。
 また、目標管理における目標設定などにも活用することができます。

“3C分析”とは
3Cとは ・Customer(顧客)
・Competitor(競合)
・Company(自社)
を意味し、“3C分析”とは3つのCの関係を分析して戦略を発想する方法を言います。

“3C分析”の活用方法
 活用上、次の2点が基本となります。
@ 自社が提供しようとしている商品・サービスについて「市場において顧客が持っている具体的ニーズ、競合他社商品・サービスとの比較の基準」を知ること(言い換えれば、自社が提供する商品・サービス価値提供の機会を把握すること)
A 顧客の視点から見て自社が、競合他社と比較して優位に立てる差別化ポイント(競合他社にはない自社商品・サービスの独自の強み)を発見すること

活用上の留意点
 開発・販売した商品・サービスが、実際に市場でその価値が認められ、歓迎されなければ意味がありません。そこで、“3C分析”を活用する場合、次の点に留意し、判断の誤りを避け、有効性を確保すべきです。
@ 顧客のニーズ・他社と比較する価値基準を知ろうとするとき、その顧客は誰か(性別・年齢層・職業・好みなど)を具体的に定義した上で的確に把握する。
A他社と差別化する具体的裏付けがある自社独自の経営資源(強み)を確認する。
(この経営資源には、商品・サービスを開発・生産する技術力、設備力、財務力・マーケティング能力、組織とそれを支える人材などが含まれる。)
B市場・顧客に、新しい商品の価値を知ら
せる広告・宣伝、販売方法を決定する。
 このように、“3C分析”を活用するには、多面的なチェックが必要で、SWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)なども併用して、“3C分析”をより有効に活用したいものです。





H26.5.22
ブラック企業とその対策

ブラック企業とは何か
 ここ数年新卒採用の時期になるとブラック企業に関する事が報道されます。ブラック企業とは明確な定義があるわけでなく、厚労省よると「若者の使い捨てが疑われる」「離職率が極端に高い」「過重労働があり、労基法違反の疑いがある」という企業であり、ブラックとは表現されていません。

具体的には次のような行動を指します
@ 嫌がらせ、いじめや些細な問題で懲戒処分を行う等、退職したくなるように追い込み退職勧奨を行う。
A 法定労働時間をはるかに超えて働かせ、法的要件未整備のまま管理監督者、裁量労働制、定額残業代等の適用があるとして残業代に反映させない。
B かなりな長時間労働があってもそれを解消しようとせず、働く人の健康を配慮しない。時に健康障害を起こす。
C 採用手続きにおいて労働条件を明示せず、合理的理由のない内定取り消し、実態に合わない偽装請負契約等。
D 曖昧な理由の解雇、理由を示さない解雇。
E 労働契約の軽視、内容の一方的変更、年休取得を認めない、健康診断を実施しない等。

ブラック企業の生まれた背景
 前から長時間労働の企業はありましたしこのような企業の数が増えているとも思えません。今、労働環境の良くない企業が取り上げられる背景には以前は長期雇用が前提であり、将来の昇給等見返りが期待できていたものが、先々の事が描きにくい時代になった事もあります。このような企業では継続勤務が困難であり、又それをインターネット等で知られるようになったとも言えるでしょう。

今後の取り組み
ハローワークでは2015年度の大卒、大学院卒予定者に向けた求人票に過去3年間の採用者数と離職者数の記入欄が設けられ、離職率を新卒者が見て異常に高ければ応募を見送るであろうと考えているようです。但し記入が任意の為、効果は限定的と思えます。また、厚労省では一定の労務管理体制が整備され、詳細な採用情報を公表、求人をする中小企業に「若者応援企業」と認定し、いわゆる「ホワイト企業」をアピール、イメージアップに役立てようとしています。





H26.5.21
すまい給付金もあるよ

すまい給付金とは
 引上げ後の消費税率が適用される住宅を取得したら、増税負担を軽減してくれる現金給付があります。平成26年4月から平成29年12月までが実施期間です。
 給付金を受け取るためには、給付申請書を作成し、確認書類を添付して提出することが必要です。
 なお、住宅代金の支払いにこの給付金を充当することを前提に、すまい給付金の申請手続を住宅事業者に一括委任し、住宅事業者が給付金を代理受領する、ということも認められています。

給付金額は所得割額が基準となる
8%時に都道府県民税の所得割額が、
6.89(6.93)万円以下 30万円
8.39(8.44)万円以下 20万円
9.38(9.43)万円以下 10万円
10%時に都道府県民税の所得割額が、
7.60(7.64)万円以下   50万円
9.79(9.85)万円以下   40万円
11.90(11.97)万円以下  30万円
14.06(14.14)万円以下  20万円
17.26(17.36)万円以下  10万円
 建物価格1000万円に対する消費税の増税分を補填するというのが趣旨のようですが、建物価格と給付額はリンクしていません。所得の低い人に手厚くなっています。この給付金額は建物の所有持分が100%の場合なので、それ以外の場合は持分を乗じた額になります。()内の金額は税率の異なる神奈川県だけの対象額です。

対象となる物件
 住宅ローン控除の対象となる物件が原則として給付金の対象となります。ただし、中古住宅の購入で売主が個人の場合には消費税の課税対象外なので、給付金の対象になりません。
 住宅ローンを使わずに現金購入した場合でも、購入者が50歳以上(所得割額13.3万円以下)であれば、給付の対象になります。

所得割額の証明書類
 都道府県民税の所得割額は、市区町村が発行する課税証明書(住民税非課税者の場合は非課税証明書)により確認することになります。
 課税証明書の発行年度は、建物の引渡しを受ける時期により異なり、6月迄に引渡しを受ける場合には前年度課税証明書、7月以降に引渡しを受ける場合には当年度課税証明書となります。





H26.5.20
寡婦(夫)控除適用拡大の議論

衆議院での議論
 衆議院のホームページにある質問主意書・答弁書の一覧表の中に、「所得税法の「寡婦控除」に関する質問主意書」というのがあります。質問者は民主党議員で、法律婚歴の有無で一人親世帯やその子どもに格差が生じるのは不合理、寡婦控除の適用を法律婚歴のない一人親にも拡大すべき、と主張しています。

現行寡婦控除の対象は
寡婦控除は、死別や離別など、過去に法律婚歴のある一人親を対象とし、法律婚歴のない場合は対象となりません。寡婦控除の対象外とされると、所得税・住民税の納税額が増え、さらに税額に応じて負担する保育料ほかの生活費が重くなります。

議論湧出の社会背景
婚外子(非嫡出子)に対する相続差別を違憲とする最高裁大法廷の全員一致決定を承けて、当該差別規定を削除する民法改正がなされたところですが、法律婚主義の尊重よりも「法の下の平等」の実現を重視すべき、との国民世論の変化が背景にあります。そういう時代の流れから、婚姻届をしている男女間の子どもと、婚姻届をしていない男女間の子どもを平等に遇する必要は相続分の平等ということに限られない、として所得税法の寡婦控除が議論のテーマに浮上してきています。

対立的な争点ではない
 寡婦控除の適用を法律婚歴のない一人親に拡大するため所得税法の改正を行うことについては、与党としてもすでに検討課題に取り上げており、平成25年12月12日の「平成26年度税制改正大綱」において、「寡婦控除については、家族のあり方にも関わる事柄であることや他の控除との関係にも留意しつつ、制度の趣旨も踏まえながら、所得税の諸控除のあり方の議論の中で検討を行う」と明記されています。
 安倍晋三内閣総理大臣名での答弁書も公表されています。政府の答弁書は、与党における検討を踏まえて対応してまいりたい、としています。

地方自治体では先行しているところもある
 寡婦控除の適用可否は、保育料や学童クラブ利用料のほか、国民健康保険料や公営住宅入居資格及びその賃料等の算定、幼稚園就園奨励費等補助金などにも関連しており、自治体によっては、寡婦(夫)控除のみなし適用をすでに実施してもいます。





H26.5.19
人手不足で労働力を確保するには


有効求人倍率は昨秋から1倍超え
厚生労働省は「労働経済動向調査(平成26年2月)」の結果を発表しました。調査結果によると、労働力の過不足状況は正社員等労働者を「不足」とする事業所割合27%、正社員等労働者を「過剰」とする事業所割合は5%となっており、正社員等労働力過不足判断指数(不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の割合を差し引いた割合)はプラス22ポイントとなり連続の不足超過となっています。求職者1人に何人分の求人があるかを示す有効求人倍率は1倍を超えており、1倍を超えているという事は人手が足りているかどうかの判断基準から見て人手不足感が強まっていることを示しています。

産業別にみると
 金融業や保険業では過剰超過でマイナス2ポイントです。しかし以下の産業は不足超過となっており特に建設業はアベノミクスの経済効果で仕事量が増え、プラス44ポイント、医療福祉はプラス42ポイント、運輸業・郵便業プラス40ポイント、サービス業はプラス34ポイント、学術研究、専門、技術サービス業33ポイントと人手不足感が強まっています。
 すでに昨年東京オリンピック開催決定あたりから仕事量も増える傾向にあり、特に建設業では求人しても人が集まらないことが増えています。

これからの労働力不足に備えて
人手不足にはどのような対策を取っていくのがよいでしょうか。一つ考えられるのは今まで働いていなかった層も視野に入れて考える必要もあるという事です。65歳までの雇用延長制度も始まっていますが高齢者の活用や家庭の主婦等の女性の活用も考えられます。まず現在在籍している従業員を退職させないような施策も必要でしょう。賃金水準の見直しも必要かもしれません。仕事量が増えるのはありがたいのですが人手が足りなくなると仕事が回りません。効率を考えた仕事をする必要もあるでしょう。
 50年後には労働力人口は2割減少するという試算もあり、目の前の求人もままならないのにこの先は長期的に見ても人手不足は続くという事でしょうか。





H26.5.16
新事業開発の発想法


 事業展開に行き詰まり感がある時、現在うまくいっている事業に、さらに新しい事業展開を加えて収益源を増やしたい時など、従来の発想とは異なる全く新しい発想で事業開発に取り組むことが必要になります。
 以下、その手順の概要を述べます。

新発想創出の基軸
 新発想を創出する基軸となるのは次の2点です。
@発想の仕方:自社の「強み」を市場にある「機会」に生かす方針とする。(SWOT分析のS・O)、
Aチーム編成:自社の事業に対する問題意識と改革意欲を持つ、中堅層以上の優れたメンバーで新事業創出チームを編成する。(トップを含め、合計で2〜6名)

新発想の手順
 経営者が主導し、チームとして行なう新発想の手順概略は次の通りです。
@新事業の必要性、発想の仕方・手順をメンバーに説明、理解してもらう。
A自社事業・商品・サービスの機能・販売実績などから現状の「強み」をリストアップする。(根拠となる事実があること)。
B市場動向の観察から、「新事業展開の機会」をリストアップする。
C「弱み」と「脅威」は補完的に取り扱うので、しっかり捉えておく。
D「強み」を「機会」に生かす組み合わせ発想で、新事業のアイディアを複数発想し、文書表現で単純明快に可視化する。
 [可視化表現の例示]「○○顧客の△△ニーズに応える□□機能を持った商品の開発、販売」
E複数のアイディアについて、メリット・デメリットを比較、検討し、最終的にトップが決断、決定する。

トップの留意点
 新しい事業案は、社員の年齢、性別に関わらす、実際に商品・サービスを使う立場にあるメンバーの発想が有用です。例えば生活用品・サービスの開発なら、女性メンバーの参加が不可欠です。
また、はじめから100点満点でスタートできることは稀です。60点程度以上で開発に着手し、動きつつ考えて完成度を高める実践的姿勢が必要です。





H26.5.15
生産人口の減少と女性・高齢者の活用

2013年10月時点の人口推計
 総務省が発表した統計によると15歳から64歳の「生産年齢人口」が32年ぶりに8千万人を割り、65歳以上の高齢者の割合は数値を公表し始めた1950年以降で初めて25%超えたことを伝えています。生産年齢人口とは国内の生産活動に携わる中心となる労働力に相当する人口で日本では15歳から64歳をさしています。戦後の2つのベビーブームを経て人口は増え続け、1992年の69.8%でピ−クに達し、その後減少し、現在は定住外国人も含め62.1%となり2012年以降は団塊の世代が高齢者層に入り始めました。現役世代からの保険料や税金が限られてくる中、給付を受ける人が増える一方では社会保障制度も維持、継続が難しくなります。

非労働力人口は減少傾向
 一方で景気の緩やかな回復を受けて「非労働力人口」は減っています。非労働力人口とは15歳以上の人口のうち職を持たずかつ仕事探しもしていない人を指し、主に学生、専業主婦、高齢者等で仕事を探している失業者は含まれていません。2013年1月から前年を下回り始め2014年2月まで連続して下回っています。このことは非労働力だった女性や高齢者が労働力に加わってきたことを示し、特に主婦が外で働き始めた動きが顕著です。労働力人口のうち女性は1.4%増の2804万人で3年ぶりに過去最高を更新しています。求人の増加や小さい子を持つ母親が働きやすい環境作りも増進され、主婦の再就職も進んできています。    又、60歳以上の高齢者の労働力人口も1250万人と1.2%増えており、定年も働き続ける再雇用制度も13年度からの高年法の施行もあり進んできました。

非労働力であった人が職に就くと
 働き手が増えれば、働いた人が所得税や年金、医療、介護の保険料を負担する側に回り、高齢者も働くことで健康を維持する効果もあるとみています。
 現在、専業主婦の所得税の配偶者控除と年金保険料の第3号被保険者制度の優遇見直しを検討されています。又女性や高齢者が働くことで生産活動を持続し、社会保障制度を支えるためにも活用を進める方向です。将来的には労働力人口は大きく不足する見通しで女性、高齢者の活用は重要課題といえるでしょう。






H26.5.14
今だからこそ基本を知ろう 消費税の基本

「消費税」は間接税です。
 本年4月に消費増税率が5%から8%に上がり、来年の10月には更に10%に上がるかもしれない中で、今一度「消費税」というものの基本を知っておきましょう。
消費税は、税金を「支払う人」と「納める人」が異なる「間接税」というタイプの税金です。「支払う人」とは一般消費者です。「収める人」とは事業者です。事業者とは個人で事業を営む者と法人をいいます。事業者は預かった消費税から自分が支払った消費税を差し引いて、その残りを税務署に納めます。ですから基本的に事業者は消費税を一切負担しておりません。
 その意味では事業者にとって消費税は5%でも8%でも関係ありません。

課税取引と不課税取引
 消費税は、国内において事業として行われる取引にかかる税金です。事業として行われる取引とは、対価を得て行われる資産の譲渡・貸付や役務の提供を言います。
ですから、海外の取引や、事業として行われない取引には消費税はかかりません。これらを不課税取引と言います。事業として行われない取引とは、香典・ご祝儀・寄付行為・損害賠償等が該当します。

課税取引と非課税取引
不可税取引以外の取引は全て課税取引ですが、課税取引のなかで政策的に非課税として列挙した取引を非課税取引と言います。利息・保険料・土地の譲渡等が該当します。 非課税取引を主たる収入としている事業者が収入を得るために支払った消費税は、預かった消費税がありませんから、そのままと言うことで、一般消費者と同じ「消費税を支払う人」と言うことになります。

課税取引と免税取引
海外への輸出も課税取引ではありますが、最終消費地が国外であるため、現地の消費税等がかかることや、消費税を課すことによって、企業の競争力がそこなわれる等の理由により消費税を免除しております。これを免税取引と言います。海外への輸出を主たる収入としている事業者は、消費税を免除されているだけで収入自体は課税取引ですので、「消費税を納める人」に変わりはありません。全て免除され預かった消費税が0の場合は支払った消費税は全額還付を受けることができます。





H26.5.13
底地問題の解決手法の一つ 底地と借地権の等価交換

底地と借地権の等価交換
 多くの地主さんは、『底地を整理したい』と思っていらっしゃるでしょう。実際に整理を行う段階となれば、借地権者や底地買取業者に買い取ってもらうという手法もありますが、ある程度の規模の土地であれば『底地と借地権を等価交換する』というやり方が用いることができます。

国税庁HPタックスアンサーの事例
 国税庁HPのタックスアンサーにちょうど格好の事例があります。
【事例】時価1億円、面積800u、借地権割合60%地域の土地について、地主と借地人が等価交換を行い交換後の土地をお互い更地にした。
 
 Aが借地権60%、Bが底地40%を持っていた土地を、Aが60%、Bが40%の完全所有の形にすることで、『底地問題』を解決してしまおうというものです。
 つまり、Aは借地権のうち320u分をAに譲渡し、Bは底地のうち480u分をAに譲渡することになります。従って、
A 1億円×60%×320u/800u=2400万円
B 1億円×40%×480u/800u=2400万円
と2,400万円の等価交換となる訳です。

『固定資産の交換の特例』により課税なし
 上記のケースで、次の要件に合致すれば『固定資産の交換の特例』により税務上は譲渡がなかったものとされます(所法58)。
@交換資産が固定資産であること
A交換資産は同種の資産であること。
B交換譲渡資産は、1年以上所有のこと。
C交換取得資産は、1年以上所有、かつ交換のために取得したものでないこと。
D交換取得資産は、交換譲渡資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
E交換資産の時価の差額が20%以内

底地の一部と借地権の一部の交換も、土地と土地の交換とされ、Dの用途は登記簿上の用途に変更がなければ良いとされておりますから、交換直後に土地を売却しない限り、特例の適用は受けられます。





H26.5.12
問題解決の方法

 経営上の問題は、戦略の策定から目標管理のプロセス、日常業務に至るまで、あらゆる場面で遭遇し、問題解決の方法を知っていると迷わず対処しやすくなります。
 一口に“問題”と言っても、問題の性質・大きさはさまざまで、解決方法も多様ですが、ここでは業務遂行上発生する諸問題に共通する実務的な解決の方法について述べます。

問題解決の一般的手順
 問題が起こってから、解決するまでの手順の概略は次の通りです。
【問題解決の一般的手順】
@問題の現状把握:問題が起こった時に、当事者と関係者がその現場へ出向き、現物を見て、問題の状況を数量的・定性的に確認する(何が、どの程度、どのように、現場へ行けない場合は、写真等なるべく現場・現物観察に準ずる方法で)。
Aその現場で問題解決後のあるべき姿(正常に復した状態)を具体的に描く。
B@とAのギャップを明確にする。
Cギャップを埋める具体策を検討し、役割分担、実行スケジュールを決定する。
D具体策を実行する。
E問題解決ができたか、確認する。
 なお、その現場で、上記の@〜Eまで実施でき、問題が解決する場合もあります。また、“現場”とは、モノづくりの現場だけでなく、事務処理の現場にも共通です。

経営者・管理者の留意点
 現場で問題を解決すると、同時に次のような効果を生み出しますので、経営者・管理者は留意して部下を指導したいものです。
1.問題解決のスピード向上
 現場・現物をもとに論議すると、解決スピードが向上するので、社員に習慣づけるよう指導すると良いでしょう。
2.人材育成効果
 現場・現物に基づく議論は上司から部下、先輩から後輩への技術・技能の伝承など、そのまま生きたOJT(オンザジョブトレーニング)による人材育成に役立ちます。
3.技術蓄積効果
 エクセルシートなどで、起きた問題別に問題解決の手順に基づく実績をインプットする表を作成、可視化しておくと、技術蓄積ができ、問題の再発防止、ノウハウの蓄積、活用に有効です。





H26.5.9
人材育成を図る教育系助成金

創業・雇用調整から教育・労働移動へ
 今年度の厚労省の助成金の方向として政策の転換と法律の改正により、雇用関連助成金の風向きは変わってきています。原則、創業や雇用調整は助成対象が減り、人を雇って職業訓練をしたときに支給する事が多くなっています。教育にはカリキュラムが必要です。今までにも体系立てて教育訓練を行っていた企業であれば利用して活用する事が出来ると思います。これから行う企業の場合でも教育の意思があるならば取り組んでみてはいかがでしょうか。まず教育の実施計画を立てなければなりませんが、労働局に内容を確認してから行いましょう。職業訓練ではキャリア形成促進助成金とキャリアアップ助成金について紹介します。

T キャリア形成促進助成金
主に正規雇用の労働者に対して職業訓練を実施した場合に助成されるものです。
@成長分野等人材コース・・健康・環境等の成長分野での人材育成
Aグローバル人材育成コース・・海外関連業務に従事する人材育成
B育児休業中・復帰後能力アップコース
・・育休・復帰・再就職後の能力アップ
C若年人材育成コース・・採用5年以内で35歳未満の労働者への訓練
D技能承継・厚労省の認定OJT訓練、自発的職業能力開発・その他

U キャリアアップ助成金
非正規雇用者の労働者に対して職業訓練を実施した場合
@一般職業訓練・・事業主が行うoff-JT
A有期雇用型訓練・・事業主がジョブカード(履歴、職務、キャリア、評価のシート)を活用したoff-JTとOJTの訓練
@の賃金助成は1人1時間800円、経費助成は2分の1、実施助成は1人1時間600円、Aは賃金助成800円、off-JT助成実施時間により10万円から30万円の範囲の実費額。OJT有期実習型1人1時間700円。

V トライアル雇用助成金
 公共職業安定所の紹介に加え職業紹介事業者の紹介により対象労働者を雇い入れた場合も3か月で12万円の奨励金対象となりました。対象範囲も広がり、就職先の決まらない学卒未就職者や育児でいったん離職した女性の再就職も認められパート、アルバイトで働いていた人も対象となります。





H26.5.8
ブレークダウンの効用

 “ブレークダウン”とは、デジタル大辞泉によれば「分類すること、細かく分析すること、その他機械の故障など」の意味があると説明されていますが、ビジネスにおいて大変重要な意義と実用価値があり、目標管理制度でもしばしば活用されます。

目標管理におけるブレークダウン
 目標管理制度の運用を例にとって“ブレークダウン”の持つ意義と実用価値について述べます。
 目標管理では、目標の設定と目標達成計画(スケジューリング)の二つの場面で“ブレークダウン”の必要が生じます。
@目標のブレークダウン
 会社、部門の戦略や年度計画に基づいて、自部署の目標や個人目標を設定しようとする時、大きな目標を細分化(ブレークダウン)して、順次小さな具体的な目標へ落とし込むことが必要になります。この「ブレークダウン作業」を「カスケードダウン(段階的順次細分化)」とも言います。
 その際、会社や部門の大きな目標を正確、かつ担当者の役割に合った大きさに切り分けることで、担当者にとって目標の意味が理解でき、自ら達成に取り組もうとする意欲が湧くレベルまでブレークダウンすることが大切です。ここで“抜け、漏れ、ダブり”が生じたりすると、始めから目標達成に赤信号がついたり、大きな無駄が生じてしまいますので、細心の注意が必要になります。
A目標達成計画におけるブレークダウン
 目標が明確になれば、次の手順として、その目標達成までの計画、スケジュールを“見える化”しなければなりません。
 その場合、設定した目標に基づいて、その達成にはどのような作業が必要か、担当者が着手、処理することができる大きさまで具体的な作業へ“ブレークダウン”することが必要になります。

トップの留意点
 トップは、管理者、社員を次のように指導すると、目標管理制度の運用の適正化と目標達成に役立つでしょう。
(1)目標のブレークダウンは細心の注意を払い、正確に行なうとともに、“抜け、漏れ、ダブり”を生じさせない。
(2)目標達成計画は、できるだけ具体的な作業にブレークダウンし、分かり易く可視化(見える化)すること。





H26.5.7
老後のライフプランに合わせて 国民年金基金

自営業や自由業など国民年金1号の方対象
 20歳以上60歳未満で国民年金の第1号被保険者であり、保険料を納付している方は国民年金基金に加入することができます。国民年金基金は老齢基礎年金に上乗せして老後の生活保障を厚くする公的年金です。都道府県が運営する地域型国民年金基金、職種単位で作られた職能型基金があります。

平成24年総務省統計局家計調査から
高齢者夫婦が実際に必要とする生活費は月27万円だと言います。国民年金は20歳から60歳未満のすべての期間の保険料を納めても夫婦で約月13万円です。ゆとりある老後のためにはこの差を埋める必要があります。サラリーマン等は老齢基礎年金に加え厚生年金にも加入しているので国民年金の基礎年金しか加入しない人に比べて年金給付額が多くなります。そこで個人年金である国民年金基金で上乗せした年金を受け取ることができるようにしています。

選べる年金タイプ
 国民年金基金は口数制になっていて年金額や給付の型は自分で選択します。給付の型は終身年金のA型・B型、確定年金のT型・U型・V型・W型・X型の7種類があります。1口目の終身タイプでAかBを選択します。A型は納付期間中や年金受給までの待機期間、65歳から15年間の保証期間があり、その間に本人が亡くなった場合に遺族一時金が支給されますが、B型は1万円のみの支給です。2口目は1口目に上乗せする形でいくら上乗せしたいのかを考え終身型・期間限定型の中から選択します。途中口数の変更はできますが月額保険料は1と2の両方を足した額です。掛け金の月額表を確認して毎月の支払額に無理のない計画を立てましょう。国民年金基金の加入は任意ですが一度加入すると任意脱退ができない事となっています。但しサラリーマン等になった時や国民年金保険料を免除された時は資格喪失します。

税制上の優遇
 一般の個人年金は年4万円までの所得控除しか受けられないのですが国年基金は掛け金の上限月68,000円まで社会保険控除とされます。例えば課税所得が約400万円掛け金は年30万円納めた場合で所得税・住民税が9万円ほど軽減されます。年金を受けた時も公的年金控除の対象となります。





H26.5.2
簡易課税の課税区分見直し
不動産業は第6種(40%)へ!


やはり変った!不動産業のみなし仕入率
 『近いうちに変わるのでは…』と言われていた簡易課税制度の不動産業の事業区分の見直しがついに行われました。不動産業は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間から第5種(みなし仕入率50%)から新設の第6種(40%)が適用されます。不動産業と金融業の『みなし仕入率』が実態とかけ離れているのではという指摘は、ここ数年の財務省の調査やH24の会計検査院の報告などに上げられていました。
 会計検査院(H24)は、決算書から類推した実態の課税仕入率とみなし仕入率との乖離をサンプリング調査しています。
金融等 運輸等 サービス 不動産
第4種 第5種 第5種 第5種
@ 60% 50% 50% 50%
A 33.8% 44.1% 38.9% 32.0%
B 90.1% 78.4% 67.6% 76.1%
C 47.8% 59.5% 49.3% 42.5%
@ みなし仕入率
A 簡易課税適用者の課税仕入率(推計)
B 本則課税適用者の課税仕入率
C 全体(簡易・本則)の課税仕入率
 確かに不動産・金融業のみなし仕入率@と実態の課税仕入Aの差は大きく見えます。

簡易課税の適用率の高い業種でもあります
 他の統計では簡易課税の適用割合が高い業種として不動産業が挙げられています。
H21簡易課税の適用割合(個人・法人計)
消費税申告処理・状況表(国税庁)(%)
1 農林水産 72.2
2 不動産 61.6
3 金融保険 49.0
4 飲食店 47.1
5 サービス 45.7
6 建設 40.4
7 製造 38.1
8 小売 32.2
9 運輸通信 21.2
10 卸売 20.3

取りやすいところから取った感じ
 現在、みなし仕入率が実態と乖離しているといっても、第5種創設時(H9)の国税庁の実態調査(H5)では不動産業の実態課税仕入は50%近辺の数値を示していました。この改正で不動産業の簡易課税の納税額は税率改正も加味すると、売上×5%×(1-50%)=売上×2.5%から、売上×10%×(1-40%)=売上×6%に増えることになります。他のサービス業も乖離が大きいですが、簡易課税適用者は元々スモール・ビジネス。上記のように売上×3.5%(6%-2.5%)の負担増には耐えられません。その中でも資産収入を得ている業種が狙われたということなのでしょう。





H26.5.1
社員と不協和音を起こしやすい言動


ちょっと気をつけたい会社の対応
従業員の就業状態において「問題社員」と言う言葉を聞いたことはありますか?自分勝手な行動等をして会社の秩序を乱し、職場に迷惑をかける人の事を指しています。一方で会社側の雇用に関して問題行動がみられる事があります。一概に雇用関係に響くとは限りませんが、多くの場合次のような行動は労使関係に不具合が生じやすいものです。全うな従業員は会社側の態度を見て嫌気がさして転職し、行き場のない人だけが残る等という事が無いように信頼関係を築く上で考えて行動したいものです。
日頃、次のような行動はないでしょうか。
@ 採用日までに労働条件通知書等を用意していない・・本来採用日には渡すべき書類であり、経営者の指示に従い仕事をする以上給与を含め、本人は労働条件を知っておきたいものです。
A 「様子を見ないとすぐ辞めるかもしれないから」と社会保険加入は試用期間後にしか加入させない・・このような事は結構ありますが本人もなぜと思っても
異議は唱えにくいものです。
B 長時間労働や残業代未払い・・始業の時間は決まっているが終業時間が曖昧な会社が見受けられます。無駄な残業はさせず、又無駄に残って残業代未払い等と思われるムードは無くしたいものです。
C 就業規則中の従業員に厳しい内容の部分だけを取り上げる・・会社側に都合の良いことを前面に出すともめやすいので制度はバランスを保ちながら運用したいものです。
D 給与から控除するものは事前に知らせ、親睦会費や積立て等の天引きは協定が必要なものは書面にする等、遅刻欠勤などの控除は社内規定に記載しましょう。
E 退職した人を悪く言う・・自己都合退職した人を快く思えない事はあります。ただ今いる社員の前で非難めいた事を言うとあまり気持ちの良いものではないので品格をも疑われる場合があります。

会社経営において法令遵守ばかりとはいかないことも多いものです。しかし守れない事を当然の事として社員に違法行為を奨励すると後で不都合な事態になると「会社の指示でやりました」というような事になりがちです。