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H26.6.30
消費税の経理処理
有償支給材の経理処理

有償支給材の目的
 有償支給材の目的は、外注先に材料を無償で支給すると、外注先の材料の管理も自社でおこなわないと、材料の管理が先方で杜撰になりやすく、材料の無駄や不良品が出やすくなるためです。

有償支給材も売上です
 有償支給材とはいえ、材料の外注先への売却にほかなりませんから、当然消費税は課税されます。

同じものが5%から8%となる違和感
 今回の消費税の増税で、製造業の経営者の方が指摘されたのは、「なんで、5%で支給した有償材を8%で買い戻さなければならないのか?」といった疑問です。
 3月に支給した有償材には5%の消費税がかかりますが、4月に加工を終えた材料を引き取るときは8%の消費税がかかることへの違和感です。
 理屈では、5%の仮受消費税から8%の仮払消費税を引いて多く支払った仮払消費税は、製品の売上等の仮受消費税から控除され結局国へ支払う消費税が減少し、外注先へ支払う消費税が増え同じですが、外注への支払いが増えるために、経営者の方はどうも納得しがたいようでした。

売上の返品は5%のまま
 3月に5%で売り上げた製品が4月に返品された場合は、5%の消費税での返品になります。有償支給材も支給した材料の返品のような感覚を持つようです。

解決策
 有償支給材は支給した時には売上が立ちます。ですから、月末に外注先に在庫として残っている有償支給材を確認し、一度全て返品してもらうことにするのです。そして月初に在庫分を改めて支給したことにすると、3月分は5%で支給し5%で返品を受け4月分は改めて8%で支給したことになります。
 この方法は、月次の外注費を正しく把握するためにも必要です。なぜなら、有償支給材は売上とはいっても、多くの場合外注費のマイナス項目で処理されますから、こうすることによって、有償支給材が多い月と少ない月で外注費が左右されることがなくなります。





H26.6.27
キャリアアップ助成金

非正規雇用者のキャリアアップ等を促進
有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労者と言った人たちを正社員への転換、人材育成、処遇改善の取り組みを実施した企業に対して助成されます。
2014年3月1日から2016年3月末までの間に計画書を作成・届出をし、取り組みを実施した場合の助成金が拡充されました。

4つのコースについて
@正規雇用等転換コース・・パート、アルバイト等を正規雇用する制度を規定し、有期労働者を正規雇用等に転換した場合に支給されます。2016年3月までの措置で支給が上乗せされています。
ア、有期労働者→正規雇用
 1人当たり 50万円
   対象者が1人親  10万円加算
   対象者が派遣者  10万円加算
イ、有期労働者→無期雇用
   1人当たり 20万円
   対象者が1人親  5万円加算
ウ、無期労働者→正規雇用
   1人当たり 30万円
   対象者が1人親  5万円加算
   対象労働者が派遣者10万円加算
A人材育成コース・・・有期契約労働者にoff・JTやジョブカードを活用した3ヶ月から6ヶ月の職業訓練を行った場合に助成されます。
off・JTの賃金助成  1人1時間 800円
訓練経費1人につき100時間未満 10万円
100時間以上200時間未満     20万円
200時間以上 30万円
OJTの賃金助成    1人1時間 700円
B処遇改善コース・・・すべての有期労働者の基本給の賃金テーブルを3%以上増額した場合(2016年3月末まで)
1人 1万円
職務評価制度を活用した処遇改善 
1企業 20万円
C短時間正社員コース・・・短時間勤務者の正社員制度の規定を作る。
ア、雇用する労働者を短時間正社員にする
           1人当たり25万円
イ、新たに雇い入れる 1人当たり15万円
 対象労働者が1人親の場合10万円が加算
1年度間に10人までを限度としています。





H26.6.26
消費税の経理処理
基本は税抜処理で


税抜処理と税込処理
税抜処理とは、「仮払消費税」と「仮受消費税」という科目を設定して、売上や費用項目等に消費税を影響させない処理です。
 税込処理とは、消費税込みの金額で売上や費用項目等を処理する方法です。
 企業の選択でどちらの方法で処理してもよいこととされております。

利益はどうなるの?
 税抜処理と税込処理のどちらで処理しても資産の購入が無ければ利益は変わりませんが、資産を購入した場合には、税込処理の方が先行して利益は多く計上されます。
例えば消費税8%で50万円の商品を100万円で販売した場合を考えてみましょう。
税抜処理
売上100万円−仕入れ50万円=利益50万円です。消費税は仮払消費税4万円、仮受消費税8万円となり、差額4万円が負債の未払消費税となりますので、損益に影響ありません。
税込処理
売上108万円−仕入れ54万円−消費税4万円=50万円です。税込処理ですから、納める消費税4万円は費用となりますので利益は50万円で税抜処理と変わりません。
しかし50万円の商品を2つ仕入れて1つ売れた場合は以下となります。
税抜処理
売上100万円−(仕入れ100万円−在庫50万円)=利益50万円で変わりません。消費税は仮払消費税8万円、仮受消費税8万円で納める消費税は0となります。
税込処理
売上108万円−(仕入れ108万円−在庫54万円)−消費税0=利益54万円となります。収める消費税は0ですので利益は54万円ということになります。
このように在庫の購入も資産ですから資産を購入した場合には税込処理の方が利益は大きくなります(償却資産等いずれ費用化できる資産なら長期的には同じです)。

税務上の判断
 税務上の判断は、税込処理の場合は税込金額で判断します。ですから10万円以上の資産か否かの判断や、交際費の限度額計算も税込となりますので、税務上は不利となる場合が多くなります。
消費税で損益が左右されないためにも税抜処理が基本です。





H26.6.25
ストレッチ目標

 戦略の策定や目標管理制度における目標設定の際、「ストレッチ目標」と言うキーワードが使われます。
それは「事業発展のニーズ」を満たすとともに「意図的に担当者の現状能力から見て、最大限に努力して、ようやく手が届く目標を設定すること」を言います。

「ストレッチ目標」の効用
 このような目標設定は、次のようメリットを生み出します。
@ 担当者は現状と目標の間にある大きなギャップを埋めるため、目標達成プロセスで新しい発想や革新的な方法を生み出そうと主体的に努力するので、最大限の能力が引き出される。
A 目標が達成されると、様々な創意工夫や苦難を乗り越えた結果であるだけに、高い達成感が得られる。
B この達成感は担当者の“自己実現”と言う最高位の欲求を満たし、成長させる。
C 達成プロセスで、生み出した新しい発想法、仕事の進め方、技術・技能の活用方法などが再活用可能な経営資源として蓄積される。
D 会社にとっては、経営上の成果が得られるばかりでなく、効果的な人材育成ができる。

経営者・管理者の留意点
「ストレッチ目標」の効用を現実のものとするためには、経営者・管理者が次の努力を払うべきです。
@ 経営戦略、経営計画や自部署の役割上、どの業務領域で、どのような「ストレッチ目標」の設定を期待するのか、予め検討し、方向付けを行なう。
A 毎年の目標管理制度上の評価面談などから、個々の担当者が興味・関心を持っている業務目標領域、そこで活用する強み、伸長させたい能力を整理、把握するとともに、次年度の「ストレッチ目標」設定へ結び付ける。
B 目標達成プロセスでは、「ストレッチ目標」設定時に本人と合意した創意工夫、能力向上の内容と目標達成への具体的応用状況に関心を示し、かつ支援を行なう。
C 経営者は「ストレッチ目標の設定と達成努力が、会社と本人を共に成長させる価値観」を可視化、口頭などにより組織の隅々まで浸透させる。





H26.6.24
厚生年金基金の今後の選択肢

平成26年度4月より厚年基金見直し
 厚生年金基金の行方を決める法律が施行され、今後10年かけて厚年基金制度を廃止する事とされました。それぞれの厚生年金基金は代行部分の純資産額の積み立て状況に応じて3つに分けられ、区分に応じて用意された選択肢の中から今後の対応を決定する事になります。基金加入事業所はどのような事を検討するべきでしょうか?

改正後の厚年基金3つの選択肢
 加入している基金の純資産額の積み立て状況を基準に次の様に分かれます。
@代行割れ(積立比率が1.0未満)
→特例解散、精算型解散
A代行割れ予備軍(同1.0以上1.5未満)
→他制度へ移行又は通常解散及び解散命令
B健全な基金(同1.5以上又は純資産÷最低積立基準額が1.0以上)
→他制度へ移行又は存続
 
各々を説明します。
@に関して特例解散とは今後5年以内に解散を促進する事として解散の要件を緩和した措置で解散時の一括納付が困難な事業所には分割納付を促進し、連帯債務条件も外します。分割納付金利も国債に連動した低利とし、今後30年間の延長も認めるとしています。但し納付計画書を提出し、認定を受けなければなりません。
AとBの他制度への移行とは解散後の上乗せ給付分の受給権保全の為積み立て分を他制度に移行しやすくする特例が設けられ、社員数300人以上の企業であれば事業所単位で確定給付企業年金へ移行もあります。300人未満なら中小企業退職金共済へ移行できるようになりました。他には確定拠出年金制度もあります。

代行割れ基金は約4割、予備軍は約5割、健全な基金は約1割
過去の運用環境の変動と受給者の増加が代行割れを招いたと言われています。しかし代行割れ基金に加入している企業にとって、今まで社員が上乗せ年金をもらえると信じて積み立ててきたのですから「上乗せはなくなりました、廃止するのに負担金をお願いします」と言われても納得しがたいものがあります。そのままにしておく事もできず今後の深刻な問題となっています。





H26.6.23
成長意慾と成果

 多くの人が成長意慾を持っていますが、それを仕事の成果に結び付けるには、どのような工夫、努力が必要でしょうか。

成果創出の根本にある成長意慾
目標管理制度などで、成果を上げるには
・能力:仕事に関する専門知識や業務上の実務知識・技術・技能が優れていること、
・人間関係がよくチームワークに優れていること、
・成果創出の意欲が高いこと
が必要な条件とされていますが、それらの根本にあるのは、本人の成長意慾です。
すなわち、本人が仕事の上で成長したい、と言う欲求をもっていれば、自分の得意技を生かすとともにさらに能力を高めたい、他の得意技を持つ仲間とのチームワークを高める人間関係をつくりたい、それらを活用して、成果を創出したい、と言う意識で行動します。

意慾と成果のスパイラルアップ
このような成長意慾を根本的な動機とする成果創出は、目標管理制度の運用によって実現されます。つまり、目標設定においては、担当する仕事の分野での成果創出ニーズと本人の役割、能力や人間関係における成長意慾とを結び付けて目標設定を行ないます。また、その達成プロセスにおいても、本人の得意技を生かしたり、成長意慾を満たす能力向上やチームワークの改善努力を図りつつ、成果創出を目指します。
目標達成度の確認、評価の段階で、成長意慾が満たされ、その結果、成果創出に結び付いたことが分かれば、さらに高い成長意慾・成果創出へスパイラルアップする好循環が生まれます。

トップ・管理者の留意点
@ 業務上のニーズ、本人の役割・期待貢献と併せて、本人の強みを強化したり、新たな強みを開発することが必要な目標設定を行ない、達成を図る方向へ向けて指導し、一芸に秀でた人材を育てること
A このような視点で設定した目標は達成した段階で、高い達成感を伴い、人間としての最高位の欲求である「自己実現の欲求」を満たすことを認識し、経営上特に高い貢献があった目標達成については、トップ自ら、その達成感を得た具体的な内容に触れて評価、顕彰することにより、社内に仕事の価値観を示すこと





H26.6.20
所得拡大促進税制
経過年度の取扱いに留意

 所得拡大促進税制(雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の税額控除)は、平成25年度の税制改正で創設されましたが、平成26年度改正で消費喚起をさらに推進する観点から一部適用要件を見直した上、その適用期限を2年延長しました。

制度の概要と見直された要件
制度の概要は、基準年度と比較して、5%以上、給与等支給額を増加させた場合には、当該支給増額の10%を税額控除(法人税額の10%<中小企業等は20%>が限度)できるとするものです。
※基準年度とは、平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち最も古い事業年度開始の日の前日を含む事業年度をいいます。
そして、見直された要件の概要は、次のとおりです。
(1)給与等支給増加割合の要件を「5%以上」から次のように要件を緩和しました。
@平成27年4月1日前に開始する事業年
 度は「2%以上」(平成26年4月1日前に終了する事業年度にも適用)
A平成27年4月1日から平成28年3月31日まで開始する事業年度は「3%以上」
B平成28年4月1日から平成30年3月31日まで開始する事業年度は「5%」以上
(2)平均給与等支給額が前年以上、である要件は、次のように改められました。
 適用年度及び前年度の平均給与等支給額の算定基礎は、継続雇用者に対する給与等した上、前年度を上回ること。
※継続雇用者に対する給与等とは、国内雇用者に対する給与等のうち、高齢者継続雇用対象者を除く雇用保険法の一般被保険者に対する給与等をいいます。

経過年度の取扱いに留意
 上記改正は、平成26年4月1日以後の終了する事業年度から適用されます。
その場合、平成25年4月1日以後に開始し、平成26年4月1日前に終了する事業年度で改正前の制度の適用を受けていない事業年度、いわゆる経過年度(平成26年3月期)において改正後の要件のすべてを満たすときは、平成27年3月期において平成26年3月期の税額控除相当額を上乗せして法人税額から控除できることとされました。
 しかし、この上乗せ適用は、あくまで平成27年3月期においても改正後の要件が満たされているときに限って適用できることに留意が必要です。





H26.6.19
商品券・プリペイドカード・電子マネー
前払式支払手段の収益計上の実態


証商品券は「資金決済法」の規制対象
 平成22年から商品券やプリペイドカードの発行は「資金決済法」により規制され、発行業者は、登録(第三者利用のもの)や供託(未使用残高が一定額を超えるもの)が必要となりました。この法律で規制対象となる「前払式支払手段」は、次の4つの要件を満たすものとされています。
@証票等に金額・度数等が記載又はサーバーに電磁的記録がされているもの。
Aその金額・度数等に対する対価が支払われているもの。
Bこれらの財産的価値と結びついた番号・ID等が付されているもの。
C物品の購入等に際して、その証票等を交付等して使用するもの。
 具体的には商品券やギフト券、磁気型・IC型のプリペイドカード、電子マネー(webmoneyなど)が規制の対象となります。旧来の「前払式証票等規制法(プリカ法)」の規制対象が「証票」であったため、急速に広まる電子マネーを規制すべく「サーバー型」を含めた「前払式支払手段」として規制対象を整備し直した形です。尚、「ポイントカード」のうち、ポイントが無償で付与されるものは、規制の対象外となります。

税務上の収益計上時期は発行事業年度
 法人税における商品券の発行による収益計上時期は、原則として商品券の発行事業年度となります。ただし、会計慣行として、発行時には「預り金」で処理し、商品券の引換えに応じて、引換事業年度に収益計上している例も多かったことから、@引換券を発行年度毎に管理すること、Aあらかじめ所轄税務署長の確認を受けること、B継続して適用することの要件を満たす場合には、例外的にその計上方法も認めています。ただし、例外による収益計上を行う場合には、長期にわたり引き換えられない部分の預り金が残っていても弊害があるため、発行事業年度の翌期首から3年を経過した日(=5年目の年度末)に未引換分を全て収益計上することとされています。

「前払式支払手段」の収益計上の実態は?
 日本資金決済業協会の調べではH24の商品券・電子マネー等を含めた前払式支払手段の収益計上時期は調査714社のうちの42%が「発行年度収益計上」、48%が「引換年度収益計上(未使用分は5年度に収益計上)」、「その他」が10%となっています。





H26.6.18
長寿企業調査から見えるもの

長期存続の要因とこれから大事にしたい事
 少し前の調査ではありますが、帝国データバンクの長寿企業調査で、創業100年以上の企業に対し、「長期に存続してきた要因と今後重視したい事」のアンケートによると要因の1位は「本業を中心とした経営と品質の保持」でありました。2位以下は「堅実な経営」「資金の安定調達・運用」「顧客ニーズに沿う」「リーダーシップの貫徹」と続き、6位には従業員の育成が入っています。従業員の育成は今後重視したい事の1位であり、以下、「販路拡大」「コスト削減」「後継者の育成」「顧客ニーズへの取り組み」等が続きます。

調査結果を見て今後大事な事
 アンケート結果を見て企業が存続して行くのに大事な事は次の3つになるでしょう。
ア、経営革新に取り組む
イ、社員を大事にする経営
ウ、継続後継者の育成
各々を検討してみますと
アの経営革新については事業戦略と言う面と経営システムの革新と言う面があります。社内システムでは仕事のやり方を変えるには直接影響を受ける社員への説明も必要になるでしょう。
イの社員を大切にする経営では育成が今後取り組みたい事の1位ではありました。OJTやOFF-JTのどちらの研修も大事です。しかしむしろやる気を高めるという点で「衛生要因」となる会社方針、職場環境、給与、対人関係等があり、これが不十分であれば不満足と感じます。もうひとつの「動機付け要因」では仕事内容、責任、目標達成、承認、昇進、成長などの可能性を見出すことで満足が高まると言われています。働きやすい職場環境と部下の成長につながる仕事を与え、責任を持たせ評価処遇につなげる事で社員との信頼関係を築く事が大事です。
ウの継続経営者の育成は最も重要でしょう。経営革新も社員を大事にする経営も取り組みの先頭に立つのが経営者です。経営者がこれらの重要性を認識しなければ何も進みません。会社の存続、社員の力の結集、市場環境の変化を読み取り経営革新を行う、業績を上げるだけでなく企業倫理も意識する時代です。実務能力と人的能力があり信頼される人柄が求められているでしょう。





H26.6.17
使い勝手がイマイチ
生産ライン・オペレーション減税


 民間投資を喚起する成長戦略の一環として、今年度の税制改正で創設された「生産性向上投資促進税制」の1つに、「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」を取得等した場合の投資減税があります。

制度の概要(適用要件)について
 対象設備は、機械装置、工具、器具備品、建物、建物附属設備、構築物、ソフトウエアで用途・細目についての制限はありませんが、@投資計画における投資利益率が年平均15%以上(中小企業等は5%以上)で、かつ、A最低取得額以上の要件を満たすことが必要です。なお、投資利益率は、次の算式で計算することになっています。
 投資利益率=(営業利益+減価償却費)の増額額(設備投資等をする年度の翌年度以降3年度の平均額)/設備投資額(設備の取得等をする年度におけるその取得等する設備の取得価額の合計額)
 しかし、この投資減税の適用にあたっては、事前に経済産業局の確認書の取得が前提となっています。
 具体的には、経済産業局に生産ラインやオペレーションの改善に資する設備投資計画の確認申請書の提出、そして、その前提として当該計画について税理士等の事前確認が必要で、その手続きは結構煩雑なものとなっています。
 以下、この制度の適用にあたっての申請手続きを概観してみたいと思います。

確認申請手続きの概要
(1)申請書に記載すべき事項
 確認申請書は、概ね、6項目から構成されていますが、ここでの記述のポイントは@生産性向上設備等が事業者の事業の改善に資することの説明とA基準(投資利益率15%又は5%)への適合状況の記述です。
 例えば、@では、生産の歩留まり率を何%改善できるか等の説明、Aでは、投資利益率の達成が可能である旨を数値等でその根拠を明示して記述する必要があります。
(2)税理士等の事前確認書
 税理士等が、申請書と裏付けとなる資料に齟齬がないかどうか、特に、「基準への適合状況」に記載されている数値には算定根拠資料があるかどうか等を確認し、投資計画との合致を報告するものです。
(3)申請者は、翌年度以降3年間、投資の実施状況を確認書の交付をうけた経済産業局に提出することになっています。
 この制度、まるで補助金の交付を受けたかのような煩雑な手続きを求めており、その使い勝手はイマイチのように思います。





H26.6.16
違法ではないが不当


 違法性と不当性の有無
 国税不服審判所の裁決判断で、「本件取消処分は違法とはいえない」としつつ、「本件取消処分は、不当な処分と評価せざるを得ず」として、更正処分の全部取消しをしたものがあります。
平22年12月1日の裁決例ですが、違法ではないが不当である、との理由で裁決されたものはこの事例のみと言われています。

金銭出納帳がないので青色申告取消し
 毎年わずかばかり赤字になる農業所得と、3000万円を超える不動産所得を有する納税者が、毎年10万円の青色申告控除をしていたところ、税務調査において、同族の不動産賃貸&管理会社を係わらせた行為計算に所得税負担の不当減少を結果させるものがあるとして不動産所得を6000万円超の額とする更正処分を受け、それに先立ち、現金出納帳の記帳がないとの理由で青色申告の取消処分をされ、更正処分の通知書には処分の理由の記載がなかった、というのがこの事例の内容でした。

裁決での判断は行為計算に触れず
税務調査では要求がなかったので提示しなかった仕訳伝票があった、という事実認定の下、不動産所得に係る事業のほとんどで不動産管理会社を介しており、その収入費用は概ね定額、かつ、収入の大部分が銀行口座への振込みで、本件伝票のほか、通帳及び領収書等を集計して計算した各年分の所得金額は、十分正確性が担保されていると認められ、帳簿書類の備付け及び記録の不備があるものの、その程度は申告納税に対する信頼性が損なわれているとまではいえない、として本件取消処分は不当な処分と評価せざるを得ず、とされました。
かくして、青色申告取消しが取り消されたら、理由附記のない更正処分は違法な処分になるので、同族会社との取引の行為計算の判断に踏み込むまでもなく、結論が出てしまいました。

不当をめぐる争いの型
 青色取消処分は裁量行為ではありますが、 完全な自由裁量ではなく、覊束裁量として法律に相当程度縛られてのもので、形式的に法令の規定に該当する事実があれば即処分するべきものではなく、法の趣旨や適用の普遍性を踏まえた裁量の合理性が担保されなければなりません。
 そういう許容範囲の適正さをめぐる採決や判決の例は、不当性が争点なので、この事例以外にも多々あります。





H26.6.13
職務充実・職務拡大

 人事管理施策に「職務充実・職務拡大」というキーワードがあります。
 「職務充実」とは、それまで担当していた仕事の範囲内で、よりレベルの高い仕事に挑戦させること、「職務拡大」とは、それまで担当していた仕事に加えて新たな仕事を任せ、仕事の幅を広げることであり、仕事に対するマンネリ感を防いでモチベーションを高めたり、人材育成の手段の一つとして重視されています。

目標管理と職務の拡大・充実
 目標管理制度は、企業の戦略、年度経営計画で決定された全社の経営目標を社員個々の役割に基づいて分担して達成してもらおうとする業績管理制度ですが、その運用においては次のように、「職務充実・職務拡大」が伴う場合が多いと言え、人材育成の機会ともなります。
 すなわち、社員個々人の目標設定は、常に従来の努力で達成可能なレベルではなく、より高いレベルの仕事への挑戦・職務充実が必要になります。
 また、新しい分野へのチャレンジを伴う目標は、新たな仕事を任せ、仕事の幅を広げる職務拡大によって達成可能となります。

人材育成ニーズと社員の成長意欲
 近年の企業活動では、専門性を持ったスペシャリスト人材の必要性が高まっていますが、社員個々人の側にも、自らの得意分野で専門性を高めたり、様々な業務分野でキャリアを積んでより幅広い専門性を身に付けたい、と言う自己の能力開発に対する主体性が高まっています。
 将来、ゼネラリストとして管理職に就く場合でも、自己の専門分野を持った上で、マネジメントを行なう方が、より成果・貢献が高まりやすいと言えましょう。
 このように、スペシャリスト人材の育成施策・社員個々人の成長意欲が噛み合って、同時に実現されるのが望ましいと言えます。

トップの留意点
 目標管理制度の運用に当って、よりチャレンジングな目標設定、会社のスペシャリスト育成ニーズに基づく人材育成施策、個々人のキャリア形成意欲・成長意欲の充足が、同時に実現されるよう、担当部門・管理職層を指導して、仕組み化、実践するよう留意することは、経営の合理性・人間性を高める上策と言えます。





H26.6.12
H26.4総務省「今後の地方公会計の推進整備」
公会計の複式簿記化は3年目処!?


「今後の地方公会計の整備推進」公表!
 平成26年4月30日に総務省より「今後の地方公会計の整備推進」が公表されました。これは平成22年9月より開催されていた「今後の地方公会計の整備推進研究会」の最終報告として取りまとめられたものです。日本の公会計のモデルとしては、平成19年に総務省から公表された「総務省方式改訂モデル」と「基準モデル」というものがありましたが、その他の方式(東京都方式)なども混在している状況でした。
 そこで、地方公共団体の財務諸表作成の「統一的な基準」を設定することで、@発生主義・複式簿記の導入、A固定資産台帳の整備、B比較可能性の確保を促進することとしています。今後は「統一的な基準」の周知等を行い、H27.1頃に地方公共団体に要請を出し、以後、移行期間3年をめどに地方公共団体における「統一的な基準」による財務諸表作成を目指しています。

研究会報告による「財務4表」
 この研究報告書では、@貸借対照表、A行政コスト計算書、B純資産変動計算書、C資金収支計算書の「財務4表」のひな形を公表しています。
@貸借対照表(固定配列法)
固定資産(事業用・インフラ資産)      
流動資産                

固定負債(地方債他)
流動負債
純資産

A行政コスト計算書
経常費用(業務・移転費用)
臨時損失(災害復旧)

経常収益(使用料等)
臨時利益(資産売却)
純行政コスト

B純資産変動計算書
純行政コスト
資産評価差額等
本年度末純資産残高    

前年度末純資産残高
財源(税収・補助金)

C資金収支表
前年度末資金残高 
業務収入・臨時収入 
投資活動収入 
財務活動収入

業務支出・臨時支出
投資活動支出
財務活動支出
本年度末資金残高

ポイントは「固定資産台帳」の作成
 ここで移行作業のポイントとなるのが、「固定資産台帳」の作成です(単式簿記ではFS作成に必要がない書類でした)。現行でも管理目的用の「公共資産台帳」がありますが、金額情報が不足し、網羅性の確保もされていない自治体が多いようです。






H26.6.11
質問応答記録書


質問応答記録書作成の手引
 最近、税理士会のデータベース室が情報公開請求で得たものとしてTAINSに掲載されているものに「質問応答記録書作成の手引」というのがあります。
 それによると、質問応答記録書は、質問検査等の一環として、調査担当者が納税義務者等に対し質問し、回答を受けた事項のうち、課税要件の充足性を確認する上で重要と認められる事項について、その事実関係の正確性を期するため、その要旨を調査担当者と納税義務者等の質問応答形式等で作成する行政文書である、とされています。
 また、課税処分のみならず、これに関わる不服申立て等においても証拠資料として用いられる場合があることも踏まえ、第三者(審判官や裁判官)が読んでも分かるように、必要・十分な事項を簡潔明瞭に記載する必要がある、とも書かれています。

署名押印を求めるがコピーはさせない
 質問応答記録書では、問いは短く、答えは長く記載することとし、その作成後、質問応答の要旨に記載した内容を読み上げ、記載内容に誤りがないことを確認した上で、末尾に、回答者に署名押印を求める、とされています。
 署名押印前か後かを問わず、質問応答記録書の写しを求められても、交付してはならない、とも書かれています。(但し、個人情報保護法による開示請求をすると開示はされます。)
 なお、誘導尋問(質問内容に質問者が期待する答えが実質的に示されており、回答者が単純に「はい」「いいえ」と迎合的に答えるような尋問)になり易いところから、これを抑制もしています。

署名押印は強制されない
 質問応答記録書への署名押印を強制する権限は課税庁にありません。署名押印拒否の場合は、拒否の旨、拒否理由を述べる場合にはそれを付記する、とされています。
 調査官の印象を悪くしないためになどという迎合的な気持ちで安易に署名押印すべきでないことは民主主義社会の独立した個人としては当然の矜持です。
 例え記載内容に異議がないとしても、文書の利用目的、保管のされ方、自分にとっての有利不利などの説明要求、写しの提供要求、セカンドオピニオンとしての税理士の意見聴取、改ざんできない保証措置、などは署名押印に応じるための最低条件とも言えます。






H26.6.10

小売業・流通業の「ポイント制度」
ポイント引当金と金品引換費用

ポイント引当金とは?
 近年の法人税の改正は「税率軽減・課税ベース拡大」の方向で進んでいますが、その際に話題に挙がるものに引当金があります。税務では債務確定主義の見地から見積計上である引当金は徐々に整理されてきましたが、会計分野では、今日的な引当金も増えてきています。大手携帯電話会社、家電販売店、百貨店等ではポイント引当金が問題となります。これは、ポイント制度(商品購入・サービス利用の都度ポイントが付与され、次回以降の購入・利用の際にポイントを使用できる制度)を採用している企業に用いられ、NTTドコモのH25.3期連結決算では1,731億円、KDDIは916億円とインパクトが大きな数字を計上しています。

会計上は明確なルールはないが…
 金融庁ではH20に「ポイント及びプリペイドカードに関する会計処理について」を公表しています。この時点ではポイント発行について明確な会計基準はなく、発行企業が企業会計原則等を考慮しながら個別対応している状況で、売上値引処理か販管費処理とするかなどスタンスの違いが見られました。それでもポイント制度が定着し、過去の実績データも蓄積してきたため、「ポイント使用時」に費用処理するとともに、未使用ポイント残高に過去の実績(失効率)を加味して引当計上する流れが出来つつあったとのことでした。現時点でも状況は変わりませんが、IFRS導入企業は「ポイント発生時」に費用認識するため、計上時期の変更による影響が大きいと言われています。

中小企業は「金品引換費用の未払計上」
 中小企業の場合には、法人税基本通達にある「金品引換費用の未払計上」を用いることが考えられます。これは@金品引換券が販売価額等に応ずる点数が表示されており、Aたとえ1枚の呈示でも引き換える制度ならば、次の算式による金額を、商品の販売事業年度(ポイント発生時)に損金経理により未払計上できるというものです。

1枚又は1点について交付する金銭の額×その事業年度に発行した枚数・点数

 蓄積型ポイント制度による場合や、値引処理とされる場合には、確定債務と同視しがたいものとして適用できないケースもあるようですので、税務も考慮したキチンとした制度設計が必要です。






H26.6.9
伝統の承継と革新


創業100年以上の長寿企業が多い日本
 他国に比べると日本は長寿企業数が多いと言われています。その背景としては日本が島国で侵略された事が無かった事も大きいでしょう。継続的な家制度の存在もあり、家業として始まり長男が後継ぎになったり、養子、娘婿が継ぐと言うケースが多かったからでしょう。そして第一次世界大戦、関東大震災、昭和恐慌、第二次世界大戦、石油ショック等、戦争、天災、経済危機を乗り越えてきました。

 長寿企業の変わるものと変わらないもの
 商工リサーチの調査によると長寿企業の時代が変わっても変わらないものは「顧客第一主義」「本業重視」「品質本位」「製法の維持」「社員重視」「企業理念の維持」等が挙げられており、そして一方では伝統を継続しつつも新しい事や経営革新にも積極的に取り組んできた事がわかります。そして変えてきたものは「商品サービスに関する顧客ニーズへの対応」時代やニーズに即した商品やサービスの提供を実行し販路開拓も行ってきたという事でしょう。
 しかし、このような事は長寿企業の特徴と言うより、経営の本質でもあります。
 帝国データバンクの長寿企業アンケート約800社回答によると大切にしている事を漢字で表すと第1位は「信」で2位は「誠」以下「継」「心」「真」と続きます。信用と信頼を築き誠実に商いを継続してきたということでしょう。その一方で「変」「新」も上位にあります。また、自社の社風を表す漢字としては「和」が圧倒的に多く、「進」も上位にあり、顧客、取引先、地域、社員との和を重んじ一丸となって進んできたと言うところでしょうか。

家訓・社是・社訓は8割近い企業にある
 長寿企業の8割近くが家訓・社是・社訓等企業理念を持っています。根本的な経営の指標となり、社内の価値観の共有化を図ってきたのでしょう。
 松下幸之助氏がこのような言葉を残しています。「会社の成否の50%は経営理念の浸透で決まり、30%は社員のやる気を引き出す仕事の仕組みで決まり、残りの20%は戦略、戦術である」と言っています。時代が変わっても企業理念を伝える事で、企業の精神的支柱、経営方針の根幹であり続けて来たのでしょう。





H26.6.6
“4M”の活用

 製造業の機械加工による生産では“4M”が重視されており、量産加工の現場では特に不良品の発生防止の必須事項となっています。

“4M”とは
 “4M”とは次の生産の4要素を指し、それらの投入によって、計画生産量や安定した品質・計画コスト・納期などの達成を図ることが、製造業の目標となります。
・Man:人・作業者
・Machine:機械・設備
・Material:材料
・Method:方法
 すなわち、“4M”の管理を標準書や作業者の訓練、現場マネージャーの指導力などによって、普段からしっかりやっておくことが余計な損失コストを発生させない上策となります。

事故対策の“4M”分析
 事故・災害の原因分析や対策検討を行なう場合、次の4つの視点からチェックすると、本質的原因が捉えやすくなります。
・Man:事故に関与した人に関する要因
・Machine:機械・設備に関する要因
・Media:作業環境、マニュアル、作業情報など、主としてManとMachineの媒体となるものが関与した要因
・Management:管理システム・方法が関与した要因

経営者・管理者の留意点
@事故原因を追求する場合、“4M”の視点で、“なぜなぜ5回”(何故か、何故かと原因を5回掘り下げる方法)を使い、徹底した原因追求を行なうこと
A対策が徹底する具体策(例:不具合の発生を自動的に知らせ、工程をストップさせるなどの“バカよけ”、チェックリストなど)を考案、実施すること
B生産業務に限らず、企画・調査業務・事務作業のトラブル対策にも“4M”による分析、管理を応用すること
Cこのような管理を繰り返し、実行して習慣づけると、的確な業務管理、事故・不具合の未然防止を徹底する考え方・行動のあり方が社員に徹底し、人材育成、企業文化の形成にまでつながることを意識して指導すること





H26.6.5
名義預金とは?

対価のない名義変更と贈与
 相続税の通達に、対価ナシで不動産、株式等の名義の変更があったら、それは贈与行為と判断すると書かれています。
 そして、この通達では預金の名義変更に触れていないので、預金については名義変更をしても贈与税の課税対象にならない、との見解が流布しています。
 しかし、名義預金に対しても贈与税課税されるというのが原則です。

名義預金とは何か、贈与の法要件
 子供名義の預金通帳をつくり、預金通帳や印鑑の管理、そして預金の引き出しや預け入れは親自身が行っている、などというとき、一般にこの預金は名義預金、すなわち子供の名前を使った親自身の預金だといわれることが多いかと思います。
 民法上、贈与は契約なので、贈与者が贈与の意思を持っているだけでは契約は成立せず、受贈者による受贈の意思も必要で、従って、名義預金とは、贈与の契約が未成立状態で所有権変動のおきていない財産、と法律解説的説明が一般にされています。

教育資金贈与としての預金は名義預金?
 去年の4月からはじまった1500万円非課税の教育資金一括贈与のために子供名義の預金を子供自身の了解なしに設定しても、多分、通帳も印鑑管理も出し入れも親自身がするはずなのに、名義預金とは言われません。
 親は未成年の子の親権者で、法定代理人ですから、親から子への贈与において、親は贈与者であるとともに、受贈者である子の代理人として贈与契約の当事者になるので、贈与契約は有効に成立します。
 祖父母が孫に預金の贈与をして、孫の親にその預金を委ねる場合も有効です。

未成年者の子の預金は名義預金にならない
 親権者たる親が贈与の意思を持って子の為に預金をする行為は有効な贈与契約による行為なので、ここから名義預金が生ずることは原理的にあり得ません。
 名義変更の捕捉が困難という理由だけで、名義変更時課税ではなく、捕捉時課税だというのも根拠のない言い分です。

名義預金となるケース
 契約当事者になれる20歳以上の子に対する預金の無断の贈与は有効な贈与になりません。20歳未満のときに設定した預金でも20歳以後に預け入れた部分も同じです。配偶者に対するものも同じです。これらの場合には、名義預金になり得ます。





H26.6.4
EPC契約・フルターンキー契約 機械販売と据付工事の区分計上


EPC契約・フルターンキー契約とは
 最近、太陽光発電のビジネスが活発に動いています。その中でも巨大プロジェクトであるメガソーラー建設は、EPC契約で締結されることが多いそうです。EPCは各々Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)の頭文字で、古くは「フルターンキー契約」とも称されていたものでした。主に大型機械の販売やプラント輸出の場面で用いられ、単なる機械装置を販売するだけではなく、据付工事まで一貫して行い、スイッチ・オンすれば直ちに稼働できる状態で相手方に引き渡す内容の契約(設備一括請負契約)です。この場合、@機械装置等本体の販売をその据付工事と一体不可分として処理するか、A機械装置の販売と据付工事を別個のものとしてみるかで収益計上時期が変わってくることになります。

通達では機械販売と据付工事を区分計上可
 法人税基本通達では、たとえ一つの契約であっても、@その据付工事が相当規模であること、Aその据付工事に係る部分の対価の額が契約・見積書で合理的に区分できるときは、機械装置を棚卸資産の収益計上基準である引渡基準(出荷基準〜検収基準〜使用収益基準)で計上し、据付工事を完成基準で計上することができるとされています(法人がこの取扱いによらない場合には、全体を棚卸資産として販売基準で収益の認識をすることになります)。また、工事進行基準の適用がある場合には、全体の収益を区分するという考え方には馴染まないため、適用除外となっています。

区分しても計上時期は大して変わらない?
 この区分経理ができれば、期末のタイミングで、機械本体は出荷基準で当期計上し、据付工事は完成基準で翌期計上するという場面もあるように思えますが、実際はどうでしょうか。大型機械やプラントの場合、棚卸資産の引渡基準で考えても、試運転後に検収ということが多いので、結局、区分をしようが、しまいが「据付工事」後の検収のタイミングで収益認識せざるを得ない形にないように思えます。太陽光発電設備の入札条件等をみると、実際にパネルとパワーコンディショナーを設置し、所定の電力を発電できたことをもって検収とする例も散見されます。





H26.6.3
理由附記の程度


平成25年からの処分通知書
 平成25年1月から施行されている改正税法により、全ての更正処分等に理由附記が必要になりました。従来は青色申告に係るものへの更正処分・青色取消処分の時のみ義務付けられていたものです。
 理由附記を欠く処分は無効で、理由附記が不十分な処分は取消対象となります。理由附記不十分とされると、更正された各事項の是非の検討に入ることなく、更正処分はなかったことになります。
 特に、相続税や贈与税の更正決定等の処分では理由附記の必要性の有無を検討する風土が課税庁に無かったので、処分の通知書の理由欄が不備になる可能性大です。しっかりチェックするべきです。

理由附記の趣旨目的を押さえる
 法の適用について課税庁と納税者との間で見解が対立する場合等においては、法の適用判断の過程が省略されること無く記載されることを要し、また、調査の過程でのやりとりにより処分の理由についてはお互いに了知・推知し得るところだったとしても、それが文面において明らかにされていなければなりません。
 理由附記が要請されるのは、処分庁の判断の慎重、合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、更正の理由を相手方に知らせて不服申立ての便宜を与えるのが趣旨目的だからです。

要求される理由附記の程度を押さえる
 納税義務の成立という法律効果を生ずる法律要件の明示と、課税関係にかかわる事実の摘示と、その事実が課税要件とどのように係わることになるのかの判断と認定を示すこと、これが理由附記の骨子です。
 また、理由附記が義務化されていなかった期間の従来型更正通知書等の表組みでの記載内容で判断できる程度のものを文章化するだけでは法改正の趣旨に悖ります。表組み記載の数字となる判断と認定の過程が文章上で逐一容易に検証できるようになっていなければなりません。

処分庁の甚だしい思い違い
 最高裁の判例の我田引水的理解で、附記理由では結論のみを示せば足りる、と係争中の処分庁が主張しているのをよく見かけます。課税処分の大量反復性から処分庁の負担は軽減されるべきで、法適用の解釈や判断認定の逐一明文化することまでは要求されていない、というのも本音の主張です。でも、それが通用する時代は終っています。





H26.6.2
“AIDMA”の活用

 販売・営業職種で“AIDMA”というキーワードがよく使われ、販売促進に役立っています。

“AIDMA”とは
 “AIDMA”とは、次のように、「広告・宣伝に対する消費者心理のプロセスを示した略語」で、カッコ内は売り手が顧客の購買心理・行動を誘導する行動を示します。  
1.Attention:注意(顧客の注意を引く)
2.Interest:関心(顧客に商品・サービスの特徴を訴求、関心を引く)
3.Desire:欲求(顧客に商品・サービスへの欲求があり、それが満足をもたらすことを納得させる)
4.Memory:記憶(商品・サービスを記憶させる)
5.Action:行動(顧客に購買行動を起こさせる)

“AIDMA”の活用法
 今日、“AIDMA”は、テレビ・インターネット・雑誌などで見られるように商品・サービスの販売促進に広く活用されていますが、その活用の仕方には、さまざまな創意工夫があります。
 活用の実務的ポイントは、
1.自社の商品・サービスについて、“AIDMA” に基づく販売促進行動を、具体策としてよく検討する。
2.その内容を「セールスステップ」化(注)し、販売・営業担当者を訓練して、組織的な営業・店頭活動で実行し、また宣伝・広告を行なう。
(注)「セールスステップ」:販売・営業活動を初訪から購買・アフターサービスまでステップごとの行動と商品説明書・仕様書・取扱い説明書・契約書など使用する販売ツールを標準化・可視化した文書

トップの留意点
 “AIDMA”の検討、「セールスステップ」の作成には、社員の経験・知恵による創意工夫を要請し、積極的参加を求めることが得策です。 社員は自ら考え、お互いに議論し、創意工夫して作った文書は、出来上がった時点で、それは単に他者から与えられたものではなく、自らやって見たい欲求を伴いますから、それ自体が重要な販売力・営業力となるでしょう。