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H27.1.30
面接効率の向上

戸籍の附票が管理者にとって、目標管理制度で義務づけられた面接は、「忙しいのに面倒だ。」と思われており、実際にも多くの時間を要しているケースが多いようです。通常、面接時間の標準は60分と言われていますが、これを30分、出来れば10分で切り上げたい、と考えている管理者もいるのではないでしょうか。

単純な面接時間短縮の問題点
面接は、主に目標設定・進捗管理・達成度の確認と評価における上司と部下の合意形成を目的としており、そのためのコミュニケーションが出来る時間の確保が必要です。単純な面接時間の短縮が、コミュニケーションの欠落・合意形成の失敗に終わってしまえば、本来の目的を果たせず、面接時間の無駄が生じるばかりか、目標管理の運用失敗につながることになります。

面接時間短縮の条件
面接時間を短縮し、しかも合意形成を成功させ、マネジメントの効率を改善するには、次の二つの条件が必要、不可欠です。
【条件1】「本人に基本的に重要な事柄が理解されていること」、目標設定面接を例にとれば、本人が目標設定会議などで経営戦略・経営目標の背景・主旨、自部署目標と自からの役割・果たすべき貢献・目標と達成基準のイメージが事前に理解出来ていれば、面接での合意形成スピードが速まり、面接時間は短縮出来ます。
【条件2】「日常の報告・連絡・相談がうまく行なわれ、重要な問題が都度解決されていること」、したがって中間面接を待つまでもなく、目標達成阻害要因が排除されており、面接ではその確認程度で済ませることが出来ます。
 それは目標達成度確認・評価面接の場合でも同様で、達成度や評価の認識にズレが生じなければ、面接は確認程度で済みます。

経営者の留意点
 管理者に「面接は面倒だ。」と言う意識があれば、それを利用して、上記のような、目標設定会議、日常の報連相など、個別の面接以前のコミュニケーション充実を図るよう管理者を指導しましょう。また、管理者の集合研修を行ない、目標設定会議、中間フォローアップ会議の効果的、実践的な進め方などのノウハウを与えて支援するのも、「マネジメントの生産性向上」につながる良策です。






H27.1.29
海外勤務者の社会保険

労働海外派遣で一定期間勤務する時
 日本国内の会社に在籍していて海外勤務をする場合、社会保険・労働保険の取り扱いはどのようになるのでしょうか?

健康保険は?
 給付は日本と同じものが受けられます。海外では日本の健康保険証は使えませんので海外で治療した時は医療機関に一旦支払いをします。日本で療養費の請求をして本人負担分の3割を除いた分を返還してもらいます。療養費の請求は日本の会社を経由して行い外国為替換算で計算されます。

介護保険は?
 海外勤務する社員が40歳以上65歳未満の2号被保険者は日本に住所があれば保険料は徴収されます。社員が市町村役場で海外転出届により住民票の除票の手続きをした時は、年金事務所に除票と介護保険適用除外該当届を提出すると海外へ転出した月から徴収されなくなります。日本に戻って来た時は非該当届を提出します。

厚生年金保険は?
 日本企業に在職中ならば資格は継続されます。海外派遣では、現地の年金制度に加入しなくてはならない場合もあります。この場合年金の二重加入となってしまいます。短期では掛け捨てになってしまう事もあるので日本は色々な国との社会保障協定を結んでいます。5年以内の短期派遣は日本のみの加入で良いとされています。5年以上の派遣であれば現地の年金制度に加入し、日本の年金制度が適用除外となります。海外の年金加入期間は日本の加入期間に通算されます(内容は日本とは異なります)。

労働保険の雇用保険と労災は?
 雇用保険は日本の会社と雇用契約が継続している時は被保険者資格を喪失しないので手続は必要ありません。
 労災保険は海外派遣では国内の労災保険は適用されません。海外派遣の特別加入制度がありますので加入手続きをしておくのが良いでしょう。
 海外派遣の人は国内の社会保険のままで良い部分と手続をしておく部分がありますのでその事を知っておくと良いですね。






H27.1.28
戸籍の附票

戸籍の附票が必要な場合
 所得税や相続税、贈与税の申告に際して、戸籍の附票が添付書類とされている場合があります。
 添付が要求されている場合でも、住民票の代替物として戸籍の附票が必要な場合と、住民票の添付の有無に拘らず、戸籍の添付が要求される場合があります。
 戸籍の附票の添付を要求される主な場面は、居住用財産の譲渡や相続や贈与、相続時精算課税にかかる相続や贈与、です。

戸籍の附票とは
 ところで、戸籍謄本や抄本については誰でも一定の知識を持っているでしょうが、戸籍の附票と言われると、エッ!! それって何? と思う人も多いのではないでしょうか。
 戸籍の附票は戸籍の一部なのだろうから、戸籍法に定めがあるのだろう、と誰しも思われるでしょうが、戸籍法には定めがありません。

住民基本台帳法での戸籍の附票の定め
 戸籍の附票の定めは住民基本台帳法にあり、次の事項を記載するものとしています。
1.戸籍の表示(=本籍および筆頭者)
2.氏名
3.住所
4.住所を定めた年月日
 住民基本台帳法によると、戸籍の附票は、戸籍を管理する市町村で作成します。住民票に新たな記載事項が生じ、それが戸籍の附票に関係するものであって、戸籍の本籍地が他市町村の場合は、その事項を当該他市町村に通知することになっています。
 なお、住民基本台帳には本籍地の記載があります。

戸籍の附票と住民票
 住民票には、前住所、現住所の2点が記載されていて、他の市町村に異動すると、転居先住所が追記載された上で、住民票の除票として、その異動前の住所地の役所で保管されます。
 戸籍の附票には、住民票の移動の手続きさえしていれば、住所の移転記録の全てが記載されているため、住所の変遷の証明書となります。
 ただし、戸籍自身が転籍、婚姻除籍などにより新戸籍となると、旧戸籍における附票は引き継がれません。





H27.1.27
会社の変更と外国籍従業員の届出義務

外国人従業員の届出義務
 外国籍従業員を雇用されている企業の皆様、「所属機関等に関する届出」という手続きをご存知でしょうか?これは、平成24年7月から始まった新しい在留制度により新設された制度で、雇用関係や婚姻関係などの社会的関係が在留資格(≒ビザ)の基礎となっている方が、その関係に何らかの変更が生じた場合、その旨を届け出なくてはならないという義務を外国籍の方本人に課すものです。正確には、平成24年7月9日以降に上陸許可や在留資格の変更、在留期間の更新許可を受けた方に届出義務があるため、外国籍従業員全員にこの義務が課されているというわけではありませんでしたが、制度の施行から2年が経過し、現在ではほとんどの方が対象になっています。

会社の移転や名称変更のときにも
 では、「社会的関係に何らかの変更が生じた場合」とは、実際どのような場合を指すのでしょうか。たとえば就労目的の在留資格、いわゆる「就労ビザ」を取得している方の場合、その就労ビザは会社との「雇用関係」により付与されていますので、会社を離職したり、他社へ転職したりすると、社会的関係に変更が生じたとして届出を行うことになります。つい忘れてしまいがちなのが、会社の名称や所在地に変更があった場合です。法務省では、届出を行わなくてはならない変更事項として、「所属機関の消滅、所属機関との契約の終了・新たな契約の締結があったとき」の他、「日本にある契約機関の名称・ 所在地に変更が生じた場合」と定めています。「そういえば今年は会社を移転した」「社名変更をした」という企業様で、もし外国籍従業員を雇用していらっしゃいましたら、従業員の方が所属機関等に関する届出を行っているかどうか、ぜひ一度確認してみてください。

届出を怠ってしまうと・・・
 残念ながら、まだまだ認知度の低いこの届出。しかし、最近では届出を怠った状態で在留期間の更新申請などを行うと、審査過程で、別途確認の連絡や資料提出の通知が来るケースも見受けられるようになりました。届出を怠った場合は20万円以下の罰金に、虚偽の届出をした場合は1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処せられることもあります。届出義務を課されているのは外国籍の方本人ではありますが、会社に変更が生じた場合には、合わせて従業員に対し届出の案内したいところです。





H27.1.26
高齢者雇用の実態

9割以上が高年齢者雇用を実施
 高年齢者雇用について厚労省より平成26年6月時点の実施状況等をまとめた集計結果が発表されました。
 高年齢者雇用安定法では60歳以降の継続雇用についていずれかの雇用確保措置を講じなければなりません。
@定年制の廃止
A定年の引き上げ
B継続雇用制度の導入
 厚労省の調査では調査した14万5千社余りの企業のうち、98.1%は雇用確保措置をすでに実施していて未実施の企業は1.9%と少数でした。企業別では大企業が99.5%
(約1万5千社)、中小企業では98%(約12万8千社)でした。

8割は継続雇用制度実施
 雇用確保措置の内訳は、実施している企業のうち「定年の廃止」を行っている企業は2.7%(約3800社)、「定年の引き上げ」の実施15.6%(約2万2300社)だったのに対し、「継続雇用制度の導入」による措置を講じている企業は81.7%(約11万7千社)と8割程度を占めています。
 希望者全員が65歳以上まで働ける企業割合は、71%(約10万3千社)、大企業では51.9%(約7800社)、中小企業では73.2%(約9万5千社)です。
 70歳以上でも働ける企業となると19.9%(約2万7700社)のうち、大企業は約1700社、中小企業約2万6千社となっており中小企業の方が長く働ける状況である事が分かります。
 働く時間や賃金を見直しつつ、雇用契約期間の更新をしながら柔軟に継続雇用をしてゆく雇用形態が一般的です。

目標は「70歳まで働ける企業」作り
 政府は生涯現役社会の実施にむけた取り組みとして将来の労働力減少、団塊の世代の65歳到達等も踏まえ、年齢に関わりなく働ける社会を目指したいとしています。現在の雇用確保を基盤として70歳まで働ける企業の普及、啓発に取り組むとしています。ただ、企業として人材確保は重要ですが若年者の雇用にも繋げていかなければ先行きが危ぶまれます。雇用確保は年齢分布を考慮しつつ、行わなければならないでしょう。。





H27.1.23
営業部署の目標設定

営業目標のレベルが高過ぎると逆効果になると言う(社)中小企業研究所の調査結果が発表されていますが、個別企業で営業部署の目標レベル設定や成果のカギを握るのは、統計数値には現われにくい「社員の意欲を引き出し、目標と達成プロセスを設計するマネジメントのやり方」にあるのです。

営業部署の目標設定
望ましいチーム目標・個人目標の設定方法の一例を挙げますと次の通りです。

チーム目標
期待される成果
経営目標に基づく売上利益の協働達成
目標設定のやり方
トップ方針とチームメンバーの意欲、営業体験に基づく目標設定参加

個人目標
期待される成果
チーム目標達成に貢献する
@ 個人別営業目標達成
A 技能レベル向上目標達成
目標設定のやり方
・個人別社内等級・役割に応じた目標設定と上司の承認
@ 営業目標設定
A 「セールスステップ・技能発揮レベル定義書」に基づく向上目標設定

目標設定方法のポイント
・チーム目標の設定は、全員が経営目標とその背景、ニーズについてトップの説明を受け、Q&Aでよく理解した上で、各自の営業体験を踏まえ、「自社の強みを機会に活かす方法、営業担当者の能力開発」など、営業施策の裏付けをもって全員が提案、討議。上司が決定。
・社内等級に応じてチーム目標達成に貢献する個人目標を設定し、上司が承認。
・既存顧客・新規顧客別「セールスステップ・技能発揮レベル定義書」で、商品紹介から成約・納入に至るステップ別発揮能力・ツール活用等を定義、個人別現状評価の上、能力向上目標設定、上司承認。

経営者・管理者の留意点
 営業目標の設定と達成には、経営計画と、社員の意欲・具体的裏付けがある方策が不可欠です。営業業務は個人として業務遂行に当ることが多い職種ですが、各自の現場体験にはチームとして共有、活用すべき営業推進ノウハウが多く、それらを共有、活用すること、チーム目標と個人目標の関連付け設定は全員の意欲喚起、結束力強化につながることに留意しましょう。





H27.1.22
相 続 と 債 務
課税方式と債務の分割

遺産課税と遺産取得課税
 相続の課税方式には、遺産課税と遺産取得課税があります。前者は遺産そのものに課税する方式であり、後者は遺産を取得した者に課税する方式で、現行の相続税は、法定相続分を併用した遺産取得者課税です。
 例えば、被相続人の財産1億円、債務1億円で、相続人が長男と次男の2人の場合、遺産課税では、財産1億円−債務1億円、結果、純財産はゼロとなり相続税の課税はありません。
 一方、遺産取得者課税である現行の相続税では、被相続人の純財産がゼロだからといって必ずしも相続税がゼロということにはなりません。債務の承継如何です。

債務の分割(債務の引受)の是非
 現行の相続税では、各相続人が取得した純資産価額(課税価格)をベースに相続税額を計算します。
 先の例ですが、長男が1億円の債務のみを全額承継した場合、長男の取得した財産はマイナス1億円の財産、相続税ではマイナスの取得財産がありませんので、債務額1億円は切り捨てられ、長男の純資産価額はゼロとなります。一方、この切り捨てられた債務は、次男の課税価格から控除できませんので、次男が相続した1億円が課税価格となり、相続税の課税が生じます。
 この債務の分割ですが、民法では、遺産分割の対象にならず、相続人の法定相続分に応じて当然に分割して承継されると解されています。先の例では、債務の承継は、長男5千万円、次男5千万円となります。
 一方、現行の相続税では、相続人がそれぞれ実際に負担する債務の額について債務控除を認めています。つまり、債務の分割を前提した申告を容認しています。先の例では、次男1億円とすることも可で、債務の承継は自由です。もちろん、債務の分割は当事者間では有効ですが債権者の同意がなければその効力はありません。

債務の分割と贈与
相続債務について、民法のように解すると、長男の法定相続分以上の債務引受は代償分割であり、代償に見合う財産を次男から取得していない以上、その分は次男に対する贈与である、との主張もあります。
しかし、現行の相続税では、被相続人の積極財産と同様、債務についても分割を容認していますので、法定相続分を超える債務の承継があったとしても贈与税の課税が生じないものと思われます。





H27.1.21
継続雇用制度と無期雇用転換

有期雇用特例措置法案可決
 平成25年4月に施行された労働契約法では有期雇用契約の更新を繰り返し、継続5年を超えた時点で雇用を続ける者は、企業に対し「無期転換申込権」が発生、申し込みをすると有期雇用者から無期雇用者に転換する事になります。これは平成25年4月から5年後より発生するので平成30年4月以降に権利が発生するとされています。
この度「専門知識等を有する有期雇用労働者に関する特別措置法案」が参議院本会議で可決され平成27年4月から施行される事となりました。これは労働契約法に定められている有期雇用の更新をし、通算5年超えに関して「無期転換申込権」発生の特例を設ける、つまり無期に転換させなくてもよいというものです。

法案の内容は
法案では次のような場合は労働契約法で定められている有期雇用者の雇い入れ後、通算5年を超えても無期雇用者への転換をさせなくともよいとされました。
@5年を超える一定の期間内に完了する事が予定されている業務に就く高度専門知識等を有する有期労働者
A定年後に有期契約で継続雇用される者
@の高度専門職とは「一定の国家資格保有者」「年収1,075万円以上の技術者、システムエンジニア、デザイナー等」が想定されていますが、該当者は少ないと思われます。
Aの定年後再雇用については、有期契約で働いている高齢者数は多いため多くの企業でもかかわりがあります。無期雇用への転換は企業への影響が大きいと言われていました。

計画書の作成と提出
 このような無期転換に関する特例(雇い入れ5年超えても無期雇用にはしない)の適用を受けるためには「対象労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置についての計画書」を作成、提出して厚労大臣の認定を受けるとされています。その内容はまだ発表されていませんが省令等で明らかになって行くでしょう。いずれにしても新たな業務が発生しそうです。





H27.1.20
平成27年度税制改正
国際課税編

 国際課税についての主な改正項目は、外国子会社配当金益金不算入の見直しと外国子会社合算課税の見直し等が挙げられます。以下、その内容を概観してみます。

●外国子会社配当金益金不算入の見直し
 これは、子会社の所在地国で損金算入が認められる配当については、支払を受けた日本の親会社の益金に算入して課税する、といったもので「二重非課税」を防止するための改正です。
 具体的には、内国法人が外国子会社(持株割合25%以上等の要件を満たす外国法人)から受ける配当等の額で、その配当等の額の全部又は一部が当該外国子会社の本店所在地国の法令において当該外国子会社の所得金額の計算上損金の額に算入することとされている場合等には、その受ける配当等の額を、本制度の適用対象から除外するとするものです。
 この改正は、平成28年4月1日以後に開始する事業年度において内国法人が外国子会社から受ける配当等の額に適用します。
 なお、平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各事業年度において内国法人が外国子会社から受ける配当等の額(平成28年4月1日において有する当該外国子会社の株式等に係るものに限る)については、従前のどおりの扱いとなっています。

●外国子会社合算課税の見直し
 この改正は、基本的には日本企業の海外展開を後押しする内容となっています。
具体的には、@特定外国子会社等に該当することとされる著しく低い租税負担割合の基準(いわゆるトリガー税率)を20%未満(現行20%以下)に変更する、A被統括会社は、外国法人であることが前提ですが、所定の要件を満たす内国法人を加える、B統括会社の要件のうち、二以上の被統括会社に対して統括業務を行っていることの要件を、二以上の外国法人である被統括会社を含む複数の被統括会社に対して統括業務を行っていることに改める、C事業持株要件に、統括会社の有する株式等の帳簿価額の合計額又は統括業務の対価の額の合計額に対して外国法人である被統括会社の株式等の帳簿価額の合計額又は統括業務の対価の合計額の割合が50%を超えていることを加える、です。
この改正の適用は、特定外国子会社等の平成27年4月1日以後に開始する事業年度からです。





H27.1.19
平成27年度税制改正
納税環境整備編


納税環境整備に関しては、改正の柱は、財産債務明細書の見直しとマイナンバー制度の預貯金情報等への利用です。以下、その内容について概観してみます。

●財産債務明細書の見直し
 大綱では、財産債務明細書について、次の見直しを行い、新たに、財産債務調書として整備する、となっています。
(1)提出基準の見直し
 現行の「所得金額2千万超」に加え「総資産3億円以上又は有価証券等(出国する場合の譲渡所得等の特例対象資産)1億円以上(12月31日時点)を基準とする。
(2)記載内容の見直し
 記載内容は、国外財産調書と同様とし(例:不動産は所在地別に、有価証券等は銘柄別に記載)、価額も原則として時価(見積価額も可)とする。
 なお、出国時特例に活用する観点から、有価証券等については取得価額も併記する。
(3)加算税の加減算によるインセンティブ措置の導入
 所得税・相続税の申告漏れがあった場合、
@ 財産債務調書に記載がある部分については、過少(無)申告加算税を5%軽減する(所得税・相続税)。
A 財産債務調書の不提出・記載不備に係る部分については、過少(無)申告加算税を5%加重する(所得税)。
(4)その他
@ 財産債務調書の提出に関する調書に係る質問検査権の規定を整備する。
A 不提出及び虚偽記載に係る罰則規定は設けない。
B 財産債務調書の記載に係る事務負担が過重なものとならないよう、運用上、適切に配慮する。
この改正は、平成28年1月1日以後に提出すべき財産債務調書について適用されます。

●マイナンバーが付された預貯金情報の効率的な利用に係る措置
 この改正措置は、行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号利用法)の改正に併せて国税通則法を改正し、銀行等に対し、個人番号及び法人番号(マイナンバー)によって検索できる状態で預貯金情報を管理する義務を課するものです。
 この改正は、個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法案(仮称)において一括して行われ、同法律案に規定する施行の日から適用されます。





H27.1.16
平成27年度税制改正 資産課税編

 資産課税については、改正項目の多くは拡充、期限の延長です。以下、その内容を概観していきます。

●住宅取得等資金贈与の非課税枠の見直し
 直系尊属から贈与された住宅取得等資金の非課税措置については、その適用期限を平成31年6月30日まで延長しています。
 また、非課税限度額についても、住宅取得等に消費税10%が適用される場合とそれ以外の場合に分け、その上で、良質な住宅とそれ以外に区分し、消費税10%適用の場合、住宅取得に係る契約の締結期間が平成28年10月〜平成29年9月までは、良質な住宅取得には非課税枠は最大3,000万円、それ以外の住宅取得には最大2,500万円とする等の改正が行われています。
さらに、良質な住宅家屋の範囲に、一次
エネルギー消費量等級4以上に該当する住宅家屋等が加えられています。
 なお、東日本大震災の被災者に関しても
一部非課税限度額が異なるものの同様な改正がなされています。

●結婚・子育て資金の贈与税の非課税措置
 具体的な内容は、@親・祖父母(贈与者)は金融機関に子・孫(受贈者20歳以上50歳未満)名義の口座を開設し、A当該口座に結婚・子育て資金を一括して拠出、B子・孫ごとに1,000万円を非課税とする、C贈与者死亡時の残高を相続財産に加算するが2割加算はない、D受贈者が50歳に達する日に口座は終了し残高があれば贈与税を課税、E適用期限は、平成27年4月1日〜平成31年3月31日まで、とするものです。
 なお、結婚・子育て資金の払出し可能な使途ですが、結婚費用(限度額300万円)、不妊治療、子の保育費、出産費用等が挙げられています。

●教育資金贈与の一部見直しと期限延長
 適用期限は、平成31年3月31日まで延長、そして、特例適用対象となる教育資金の使途の範囲に、通学定期代、留学渡航費等が加えられています。

●非上場株式に係る納税猶予の一部見直し
 非上場株式の相続税・贈与税の納税猶予について、事業承継の円滑化の観点から贈与税の納税義務が生じないよう一部改正がなされています。
 具体的には、1代目が存命中に、2代目が3代目に株式を贈与した場合(3代目が納税猶予制度を活用して再贈与を受けること)には、猶予されていた贈与税の納税義務が免除される等の改正です。





H27.1.15
平成27年度税制改正 消費課税編

 消費税に関して、改正の柱は、消費税率(国・地方)の10%への引上げの施行日を平成29年4月1日と定めたこと、それに伴って附則第18条第3項(景気判断条項)が削除されたことです。以下、主な改正項目を概観していきます。

●国境を越えた役務提供に対する消費課税
 国外からの輸入物品(外国貨物)には消費税は課されていますが、国外事業者から提供される役務(以下、電子書籍・音楽・広告の配信やクラウドサービス等)には消費税が課されていませんでした。
その結果、同じ役務を提供する国内事業者との間の公平・中立な競争環境が著しく損なわれました。
それは、アマゾン等の海外事業者が何か租税回避を画策したわけではなく、我が国の消費課税の仕組みそのものがネット社会に対応していなかったことが原因でした。
そこで、今回、国外事業者から国内の者へのネット等を通じた役務の提供について、国内取引と位置付けて消費税を課税する改正を行いました。
具体的には、提供される役務が「事業者向け」であるか「消費者向け」であるかに応じてそれぞれ課税方式を設けています。
事業者向け取引に係る課税方式は、国外事業者は不課税で役務の提供を行い、役務提供を受けた国内事業者が申告納税を行うものです。この場合、国内事業者は納税と仕入税額控除を同時に行うことから、課税売上割合95%以上の国内事業者にあっては、納税額と仕入控除税額を同額とみなして申告対象から除外する、となっています。
一方、消費者向け取引に係る課税方式では、国外事業者の国内登録を前提に、国外事業者は、課税で役務の提供を行い、納税義務者となって国内の税務署に申告納税を行います。
 この改正は、一部を除き、平成27年10月1日以後の取引から適用されます。

●国外事業者による芸能等の役務の提供に係る消費税の課税方式の見直し
 国外事業者が国内において行う芸能・スポーツ等の役務の提供については、国外事業者の消費税の納税意識が希薄であることから、今までも課税漏れが生じていました。   
そこで、今回の改正でその取引に係る消費税の納税義務を、その役務の提供を受ける国内の事業者に転換させる措置を講じました。適用は、平成28年4月1日以後に行われる役務の提供からです。





H27.1.14
平成27年度税制改正 個人課税編

 個人課税については、配偶者控除を中心とした各種控除や税率構造等の大きな改正は見送られました。以下、主な改正項目を概観していきます。

●国外に居住する親族の扶養控除の適正化
 国外扶養親族21人もの扶養控除の適用を受けていた事例があり、その適用に疑義のあるものも散見されることから、適用を適正にするための改正が行われました。
 具体的には、国外に居住する親族に係る扶養控除等の適用を受ける納税者に対して、確定申告書等に次の書類を添付し、又は当該確定申告書等を提出する際に提示することを義務付けるものです。
@ 親族であることが確認できる書類(例:戸籍の附票の写し、出生証明書)
A 納税者が親族の生活費等に充てるための支払を行ったことを確認できる書類(例:送金依頼書、クレジットカード利用明細書)
この改正は、平成28年分以後の所得税について適用されます。

●国外転出時の譲渡所得等の課税の創設
 租税条約上、株式等のキャピタルゲインなどは居住地国課税です。これを利用し、含み益のある株式を保有したまま、株式等の譲渡非課税国に出国し、その後に売却することで、課税を逃れることができます。
 これを防止するため、一定の高額の資産家を対象に、出国時に未実現の含み益に対して特例的に課税する規定を創設しました。
 具体的には、出国時に有価証券の評価額が1億円以上の者であり、かつ、出国直近10年以内において5年を超えて居住者であった者が対象です(入管法別表第一の在留資格で居住していた期間を除く)。
 また、未実現に対する課税ですので、納税資金が不十分であることを勘案し、一定の要件を具備することで納税猶予が選択できる措置も講じられています。
 なお、この改正は、出国者(特例対象者)の有する有価証券等を贈与、相続又は遺贈により非居住者に移転した場合にも適用がありますので留意が必要です。
 適用は、原則、平成27年7月1日以後に国外転出をする場合又は同日以後の贈与、相続若しくは遺贈からです。

●未成年者のNISAの創設
年間投資上限80万円、非課税期間5年間、非課税投資総額が最大400万円で、18歳になるまで原則として払出し不可といった要件があります。適用は、原則、平成28年1月1日以後の申し込みからです。





H27.1.13
平成27年度税制改正 法人課税編(No.2−2)

 前回に続いて法人課税に関する改正です。以下、主な改正項目についてみていきます。

●試験研究費の税額控除制度の見直し
 控除限度の総枠は、当期の法人税額の30%を維持しつつ、オープンな技術革新を促進する観点から、共同研究・委託研究などの「特別試験研究費」については、控除限度額を別枠で5%手当てし、特別試験研究費の範囲を拡充するとともに税額控除率も引上げています。また、限度超過額の繰越控除は廃止となっています。
なお、試験研究費の総額に係る税額控除限度額は、当期の法人税額の25%(現行30%)に引下げられています。

●所得拡大促進税制の拡充
 給与等支給額の増加要件を緩和し、中小法人等については、平成28年4月1日以降に開始する適用年度について3%以上(現行5%以上)とし、それ以外の法人については、平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する適用年度について4%以上(現行5%以上)としています。

●外形標準課税の拡大
 中小法人等に対する適用は見送られ、資本金又は出資金1億円超の普通法人の法人事業税の標準税率を次のとおり改正し、それぞれ平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度及び平成28年4月1日以後に開始する事業年度からの適用となっています。 (改正案)
平成27年度 付加価値割 0.72%、資本割 0.3%、所得割 6.0%
平成28年度 付加価値割 0.96%、資本割 0.4%、所得割 4.8%
付加価値割(現行0.48%)と資本割(現行0.2%)は2倍に拡充、そして、所得割(現行7.2%)は2/3に引下げられ、赤字法人には厳しい改正となっています。
また、地方法人特別税の税率(現行67.4%)も適用開始時期を同じくしてそれぞれ93.5%、152.6%と改正されています。
 なお、賃金を上げた企業や中堅企業に対しては緩和的な特例措置が取られています。

●自己株取得による資本金等の額の見直し
自己株式取得等によって資本金等の額が、資本金と資本準備金を加えた額を下回る場合、当該金額(資本金+資本準備金)を資本割の課税標準とし、また法人住民税均等割の税率区分の基準とする見直しがなされています。これにより、自己株式の取得による減税に制限がかかることになります。





H27.1.9
平成27年度税制改正大綱
法人課税編(No.2−1)

 平成27年度の税制改正は、法人税改革が中心です。その特徴は、法人税実効税率の引下げに伴う財源不足は同じ法人課税の枠内で調達する、というものでした。
 しかし、改正項目の多くは資本金1億円超の大法人を対象としたものとなり、結果として、先行減税となる改正案です。以下、主な改正項目を概観していきます。

●法人実効税率の引下げ
 法人税の実効税率(標準課税ベースで34.62%)を平成27年4月1日開始事業年度から2.51%、平成28年4月1日開始事業年度ではさらに0.78%引下げ、以後数年で20%台まで引下げるとするものです。
 なお、中小法人等の軽減税率15%は、2年間延長されることになっています。

●欠損金の繰越控除の見直し
 改正案は、中小法人等を除く資本金1億円超の大法人のみの見直しとなっており、控除限度額は、平成27年4月1日開始事業年度からは所得の65%(現行所得の80%)、平成29年4月1日開始事業年度からは所得の50%に縮減するものです。
 なお、新設法人や再生計画の決定等があった場合には、一定の期間までは所得の全額を控除できるものとし、上場や再上場等の場合、以後の事業年度は対象外とするものです。

●欠損金等の繰越控除の延長
 現行の9年から10年に延長です。これに合わせて帳簿書類の保存要件も10年に延長されています。この改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額から適用です。

●受取配当金の益金不算入の見直し
 改正案では、持株比率に応じて益金不算入割合を次のように区分しています。
持株比率
@5%以下
A5%超〜1/3以下
B1/3超〜100未満
C100%
益金不算入割合
@20%
A50%
B100%
C100%
※負債利子控除に関しては、1/3超100%未満保有の関連法人株式等を除き廃止となっています。
 この改正に伴い、負債利子控除額の計算の簡便法の基準年度を平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度に改められています。
※株式投資信託の分配金は、特定株式投資信託(益金不算入20%)を除き全額益金算入、また保険会社が受ける配当金については、特例的な措置が講じられています。





H27.1.8
供託にもいろいろな種類がある

まずは供託の典型から
 供託で、まず思い浮かぶのは、不動産賃貸借で、契約期間満了や賃料改定が争いとなったときに、賃借人が、法務局で賃料相当額を供託する事例ではないでしょうか。
 これは、弁済供託という類型で、相手方が支払受領を拒否し、あるいは、行方不明になった場合に、供託によって支払義務から解放させることを目的とします。 

供託は弁済供託だけではない
 しかし、供託の種類はこれだけではなく、他にはこういう場面があります。
1 法律上、何らかの担保提供として供託が求められる場合(担保保証供託)
 これは、@営業者(宅地建物取引業が典型)がその営業活動で生ずる債務や損害を担保するために供託を求められる場合(営業保証供託)、A裁判所から訴訟費用や訴訟行為による相手方の損害を担保するために、供託を命じられる場合(裁判上の担保供託)、B相続税、贈与税等の延納許可、又は納税猶予に関し、納付又は徴収を確保すべく、税務署長等から納税者に担保提供を求められる場合(税法上の担保供託)があります。
2 支払債務が第三者の差押えの対象になったために供託する場合(執行供託)
 従業員への給与が差し押さえられた場合のように、金銭債権について裁判所から差押命令の送達を受けた場合に、当該金銭債権の債務者(第三債務者)が、その金銭債権の全額に相当する金銭を供託することができます。また、同一の金銭債権(例えば買掛金債務)について複数の債権者から差し押さえられた場合、第三債務者は、金銭債権の全額に相当する額の金銭を供託しなければなりません。
3 公職選挙のように、ある目的から、一定の額の金銭等を供託させ、一定の事由が生じたときは、国又は地方公共団体がこれを没収する供託(没取供託)
4 目的物の散逸を防止するために、供託物そのものの保管・保全を目的としてされる供託(保管供託)
 例えば、銀行、保険会社等の業績が悪化して、資産状態が不良となった場合に、財産散逸を防ぐべく、監督官庁が財産の供託を命ずる場合です。





H27.1.7
達成度評価の不整合対策

 目標達成度評価の不整合とは、例えば「営業部門の営業利益目標達成度が60%であるのに対して、営業担当者個々の目標達成度評価の平均が75%と高く評価され、矛盾している場合」を指します。

評価不整合を放置する問題点
 このような達成度評価の不整合は営業部門だけでなく、全ての部門で発生する可能性があり、放置すれば次のような問題が生じます。
@「部門全体としての成果は上げられなかったが、各担当者は最善を尽くしたのだから評価されて当然である」と言う風潮が生まれ、個々人の役割・貢献に対する考え方が甘くなる。
A部門の長がこのような評価の不整合を知っていながら是認し、適切な対策をとらないため、課長もそれにならって部下に対する甘い評価を行うので、業績評価が本来の意味を失い、機能しなくなる。
B業績評価の着眼点・評価段階の適用など評価基準が曖昧さを残したまま、継続適用され、甘い評価の温床になる。
C評価の不整合があった部門だけでなく、他の部門にも、それを良しとする意識が生まれ、負の企業文化となりかねない。

評価不整合に対する対策
 評価の不整合は、トップや人事部門が指摘する以前に、部門長の責任で是正されるよう全社的に目標達成度評価のルールとして、次の事項を定めて実行することが大切です。
@部門長に部門業績評価が適切に行われる責任とそれを検証する義務を負わせる。
A部門業績と部門内における業績評価の総体を比較し、不整合があった場合は部門長自ら適切な評価結果となるよう、部門内の評価を見直し、修正処置をとる。
B前項Aに基づき、不整合の原因(重要な事実認識の漏れ、評価着眼点の抜け、評価段階判断・決定の甘さなど)を発見し、評価実施要領を修正、適用を徹底する。

経営者・人事部門の留意点
 業績評価の不整合を許し、社内にその甘い意識を蔓延させることは、企業発展の重大な障害となります。したがって、経営者は部門長・管理者に不整合の事実認識と是正の責任・義務を負わせ、社内に徹底することが最重要であり、人事部門は適切な情報提供などにより、部門長やトップをサポートすることが大切です。





H27.1.6
チーム目標と個人目標

 目標管理制度で、チーム目標と個人目標を関連付けて設定し、協働意識と同時に個人の努力を喚起する目標達成基準の設定が適切な職種があります。

チーム・個人目標達成基準の関連
 そのような業務特性を持つ職種の代表例として生産部門を採り上げ、チームと個人の目標達成基準・評価基準を関連付けて設定する考え方を示すと次の通りです。
目標…期待される成果(目標達成基準)→個人業績評価基準(ウエイト)
チーム目標…計画に基づく数量・品質・納期の達成・生産性向上・コストダウンの協働達成→チーム目標達成度によりメンバー全員に対して同じ評価(60%)
個人目標…チーム目標を達成するための個人別技能レベルの向上(個々の役割や社内等級に応じた「技能発揮レベル定義」に基づいて個別に設定)→個人別に設定した技能レベル向上目標の達成度・チーム目標達成貢献度を評価(40%)

関連付け目標達成基準設定のメリット
 チーム目標・個人目標の達成基準を関連付けて設定することによるメリットは次の3点です。
@チームとしての目標を掲げることで協働が促進される。
A個人業績評価基準をチーム目標の達成度と「技能発揮レベル定義書」に基づく個人目標達成度評価の組み合わせとすることにより、個人のチーム目標達成貢献意識と自主的能力開発が促進される。
B個々の担当者にとって自分の能力開発や技能ステップアップの方向性が明確になる。

経営者・管理者の留意点
 「技能発揮レベル定義書」は工程別技能発揮の高低、多能工を高く評価、指導能力の有無などの観点から生産工程での個々人の技能発揮レベルの違いを具体的に捉えて作成し、可視化して全員に示すことが大切です。また、個々人が絶えずチーム目標への貢献を意識しながら、競い合って自主的に自分の腕を磨くよう指導しましょう。





H27.1.5
正しい期間損益計算
発生主義とは何か?

「収益・認識の認識基準」は2つある!
 会計の重要な役割に「損益計算」があります。この「損益計算」を単純な算式で表せば、次のようになります。
 総収益−総費用=純利益(純損失)
 会社や個人事業者の方などビジネスを行う方にとっては、事業年度や年という「期間」ごとに損益の計算を行う必要があるため、その期間の損益を計算することを「期間損益計算」といい、上記の算式の総収益や総費用がどの「期間」に属するか決めることを「認識」といいます。この収益・費用の認識基準の基本的なものには「現金主義」と「発生主義」の2つがあります。

「現金主義」では収入・支出の時に計上
 「現金主義」とは、収益が現金で収入した時(期)に、費用は現金を支出した時(期)に計上する基準です。このやり方は、単純であるとともに、客観性や確実性に優れていますが、今日の複雑な経済活動の下では、掛取引などの信用取引も多く、現金主義では、事業の努力(費用)と成果(収益)が必ずしも一つの期間に関連づけられないこともあり、「期間損益計算」の基準としては有用でない面を持っています。

「発生主義」では「取引」の発生時に計上
 これに対して「発生主義」とは、現金の収支によらず、収益・費用が「発生」した時(期)に計上する基準になります。「発生」とは簿記の考え方から言えば、「資産」「負債」「純資産」に増減をもたらす「取引」が生じることと言い換えられます。
 たとえば、商品の販売時には、「売掛金」という代金の請求権が生じることになります。この「売掛金」が生じることは、簿記では「資産」が増加する「取引」と捉えているため、実際に現金が回収されるのをまたず、商品を販売した時点で売上(収益)を計上すると考えるわけです。

貨幣性資産の裏付け(実現主義)も大事!
 ただ、商品を販売した時というだけでは、「得意先と契約した時」なのか、「商品を引渡した時」なのかわかりません。そこで「実現主義」の考え方が援用されます。「実現」とは「その財貨や役務が貨幣性資産の裏付けを持つこと」です。商品販売の場合、「商品の引き渡し」をもって、反対給付である「売掛金」が請求できるため、「引渡しの日」に売上を計上することになります。