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H27.10.30
主体性重視で発揮能力開発

 企業における能力開発では、技術や知識を保有するだけでなく、実践的に実務で活用できる発揮能力の開発が必要であり、社内資格の要件でも、発揮能力のレベル定義を用い、達成目標を与えることが重要です。


発揮能力の効果的開発法
 
 社内研修を使って発揮能力を開発する効果的方法について次に例示します。
@ 研修ニーズ・対象者の明確化
目標管理制度の目標達成度・プロセス評価などから、不足している発揮能力(例えば、企画能力、計画推進力)と対象社員層を明確化する。
A 社内講師の育成、活用
社内等級の上級者・エキスパートに講師・テキスト作成・カリキュラム編成を担当させる(または、社員から少数の代表者を選び、社外研修に参加させた上で、社内講師を担当させる等、社内人材の育成を重視)
B 社内研修の計画、実施
1 社内研修準備
カリキュラム・テキスト(研修テーマについて、学習する理論・活用手順の概略を記載)の準備
2 参加者の上司・本人にカリキュラム・テキストと共に研修参加要請
3 参加者の事前準備
参加者がテキストを参照し、自己の担当業務で活用する上での疑問点を整理した上で研修に参加
4 講師のレクチャー:テキストに基づいて一通りの説明、解説
5 実務活用上の疑問点を参加者間でグループ(4〜6名単位)討議・発表・共有(講師が整理)
6 同様に疑問点に対する回答をグループ討議・発表・共有、講師による整理とまとめ
7 参加者の上司に研修内容、参加者の疑問点・回答・講師のコメントを説明、職場でのフォローアップ・目標管理の運用の中でのOJTに連結させる


経営者・管理者の留意点

 研修した知識・技術を発揮能力とするには、このように参加者が主体的に、かつ相互に学習する研修の実施と実務でのフォローアップへ連結させることが不可欠です。







H27.10.29
非課税措置年内終了 公募公社債投信



現在、公募投資信託の数は、5000本以上もあり、一般にファンドともよばれています。その多くは、契約型(運用会社と信託銀行が契約を結んで組成)で株式投資信託(約款に株式に投資できる旨記載されている投信)です。


投資信託の利益は2種類
 
投資信託には、インカムゲインとよばれる「分配」とキャピタルゲインとよばれる「売却益」の2つの利益があります。
 前者は、分配金30円と書かれていれば、1万口ごとに30円、ということになります。
 後者は、株と同じように、値上がりによる売却益(値下がりによる売却損もある)です。この売却益ですが、投資信託では、基準価額とよばれる数値が株の株価にあたるものです。基準価額は、ファンド1万口あたりの価格です。基準価額1万円のとき100万円でファンドを100万口買った後、基準価額が1万2000円になったときに全部売却したとすると売却額は120万円となり、120万円−100万円で20万円の売却益、キャピタルゲインが生じたことになります。


公募公社債投信の行方

 現在、公募公社債投信の売却益は、原則非課税で、売却損はなかったものとされ、いずれの所得とも損益通算ができません。
しかし、来年からは、売却益は課税になり、一方、その売却損は、特定公社債等の配当等、利子、売却益、償還差益との損益通算、そして、上場株式等(上場投資信託「ETF」)、上場不動産投資信託「REIT」、上場投資証券「ETN」、公募株式投資信託等)の配当等、売却益との損益通算が可能となります。損益通算の結果、控除しきれない損失の額については確定申告により翌年以後3年間繰り越すことができます。
 そこで、公募公社債投信の中に含み益をもったファンドがあれば、今年中に売却して売却益非課税を狙うか、一方、資源国、新興国向けのファンドの中に含み損を抱えているファンドがあれば、損出しは損益通算できる来年まで待つ、といった選択もあります。


難しい判断(市場を読む)

 ファンドの運用が好調で純資産残高も順調に推移し基準価額も上昇しているのであれば、何も今年中に売却することもありませんし、一方、ファンドの資金が流出し純資産残高が著しく減少しているのであれば、損失拡大回避のため早くファンドを処分した方がよい場合もあります。






H27.10.28
相続で所得した資産 その耐用年数


 相続で取得した減価償却資産は、特殊な事例を除いて殆どが中古資産です。この中古資産について、取得価額について明文の規定はありますが、耐用年数については規定がありません。
そこで、減価償却資産の耐用年数等に関する定めを適用して算出した耐用年数、いわゆる中古資産を取得した場合の簡便法(当該資産の法定耐用年数から経過年数を控除した年数に経過年数の2割に相当する年数を加算したもの)が適用できるかどうかです。
結論は、「相続により取得した減価償却資産には中古資産の耐用年数の簡便法は適用できない」、です。高裁まで争われましたが、その論拠は次の(1)、(2)です。


(1)取得日及び取得価額の引継ぎ規定

 譲渡所得の計算において、相続・贈与等で取得した資産を譲渡した場合には、その者が引続き当該資産を所有していたものとみなす、とする「取得日の引継ぎ」規定があること。
それと平仄を合わせるように、相続・贈与等で取得した減価償却資産の取得価額についても、その者が引続き所有していたものとみなした場合における当該減価償却資産に所定の償却に関する規定を適用して算出された場合の取得価額に相当する金額、とする規定があること。
 そして、これらの規定の趣旨を勘案すると、取得価額のみならず、償却費の計算に当たり必要となる耐用年数及び残存価額も前所有者から取得者に引継がれると解すべきである、としています。


(2)耐用年数簡便法の適用場面

 中古資産を取得した場合の耐用年数簡便法の適用趣旨は、中古資産によって経過年数も様々で、これに一律の耐用年数を設定することは無理であることから特別に定めた規定であり、中古資産を取得した時点における取得価額を当該取得後における使用可能期間等に償却費として配分するために設けられた規定であること。
 そして、相続等により取得した減価償却資産については、取得者は前者の新品としての取得価額を引継ぐことになり、この取得価額に対して通常の法定耐用年数が適用されるのであって、相続等による取得の時点で取得価額が発生することはないから、簡便法の適用の余地はない、としています。






H27.10.27
民法の「寄与分」「履行補助者」妻が夫の親の介護をした場合の相続


妻が夫の親の介護をした場合の相続

 少子高齢化が進む今日においては、介護の負担が家庭の悩みの大きなものとなっています。家庭の中でも分担が上手くいけばよいものの、どうしても負担が特定の人に偏りがちです。妻が夫の代わりに、夫の親(義親)の介護の面倒をみるというのが、今でも典型的なケースといえます。
 このような場合、妻の介護の苦労は、義理の親から相続で考慮されるかというと、原則的には、そのようなことはありません。妻は、義親の相続人の立場にないからです。
そのため、@妻を夫の親の養子にする、A生前贈与や遺贈を行う、B生命保険等を利用するなど、義親が生前に妻に報いる施策を取ることが多いのですが、それができないような場面では、妻を夫の「履行補助者」として特別な寄与があるとして「寄与分」を主張することも考えられます。


「寄与分」とは?

 「寄与分」とは、被相続人の財産の維持・増加について「特別な寄与」がある場合には、その貢献度を相続分に加味しましょうという民法の考え方です。療養中の被相続人に自ら看護を行っていた場合や、相続人の負担でヘルパー等に介護させている場合などがその一例になります。この場合、相続人自身に「特別な寄与」があるというには、被相続人との身分関係上一般に期待できる以上の介護負担をしているほかに、無償性・持続性・専従性・介護の必要性などの要件をクリアしなくてはなりません。


「履行補助者」と民法改正の方向性

 また、学説では「履行補助者」という考え方があります。「履行補助者」の行為は本人の行為とみなすというものです。この考え方によれば、妻という履行補助者の行為は夫(相続人)の貢献として夫の寄与分としての相続分が主張できることになります。
判例でもその考えに基づくものがいくつも示されていますが、その一方で「寄与分に履行補助者の概念を利用することに問題がある」「妻を夫の手足のように考えるのは乱暴だ」という反対意見もあるようです。
 法務省の法制審議会でも「相続法制検討ワーキングチーム」が、寄与分制度の見直し案を報告していますが、「相続人以外の者の貢献等の考慮」については賛否が分かれたようですね。







H27.10.26
マイナンバーの簡便な収集と保管方法


従業員のマイナンバーの収集・保管には

 これから従業員のマイナンバーを収集・保管するのはどうするのが良いのかと考えている企業も多いかと思います。セミナーで聴いたり、システム会社からシステム導入の説明や勧誘を受けてみたりしても何が自社に適当か分かりにくいのが現状です。
マイナンバーを含む特定個人情報は今までよりも厳重な取り扱いが求められ故意による漏えいには罰則が強化されています。取り扱いには注意し、漏えいしないよう必要な手立てをしておく事は大事でしょう。


在職者の番号収集時期は

事 業所はマイナンバーを収集・保管して来年からの雇用保険や労災保険、税分野の書類に関し、届出の際に使用します。事前に社内でマイナンバー事務を扱う人を決めておく必要があります。
在職者の番号の合理的な収集時期は年末調整の前の扶養控除等申告書を各人に配った時に番号を記載してもらい、マイナンバーの通知書写しを添付して、会社が確認をするのが良いでしょう。収集方法は直接かメールでは別便パスワード付きで送付、簡易書留で送付等によって集め、会社はナンバーを記録すれば写しは保管してもシュレッダー等で廃棄してもかまいません。


小規模事業所の収集・保管の流れの例

@扶養控除等申告書と個人番号の写しを提出、本人確認や番号の確認をしたらコピー等は保管しない。
A担当者が手書きで書面に記載して金庫や鍵付きキャビネットで保管するか、パソコンに入力して管理する時はIDを付ける。
B提出書類に番号を書く必要があった時には金庫から取り出し、番号を転記、番号は元の金庫にすぐしまう。
C手続や届出書の控えは、法定保存期間を過ぎたら廃棄する。
D退職者の書類の番号部分はマスキングしておいて法定保存期限が来たら廃棄する。
小規模な事業所では紙ベースでの記録保管が便利です。社員への使用目的説明義務、番号利用記録の記載もでき、バインダーにとじて保管ができる用紙が出ています。システム利用をためらっている場合や費用をかけたくない場合であれば簡単に始められるので、まず行ってみる事で悩みも軽減されるでしょう。






H27.10.23
平成19年遺失物法改正
ペットを拾ってしまったら…

ペットを拾った場合はどこに届出?
 「迷い犬」や「捨て猫」などを拾った場合、どこに届ければよいのでしょうか?
ひと昔前は「警察署」と決まっていました。「迷い犬」「捨て猫」は、「忘れ物」「落とし物」と同様に「遺失物」として取扱います。 この場合、遺失物法により、すみやかにその落とし物をした人(飼い主)に返すか、警察署、交番等に提出しなければなりません。
ただ、警察署では動物の飼養や保管に関する専門的な職員及び施設を有していません。普通に考えれば、専門的な職員及び施設を有する都道府県等で犬及び猫を取り扱うこととした方が動物の愛護の観点から見て適切ですよね。

平成19年に「遺失物法」が改正!!
そこで、平成19年に遺失物法が改正され、動物愛護法の規定により「所有者の判明しない犬又は猫」が引き取られる場合には、この警察署への提出義務がなくなり、都道府県等の自治体の窓口(動物愛護センターなど)でも受け付けるようになりました。
 とはいえ、法律上「遺失物」という位置づけは変わっていないため、相変わらず警察に届けることはできます。警察署では犬・猫を拾得した旨の申告を受けたときは、@飼い主から、警察にその犬・猫の遺失届が提出されていないか確認の上、A所有者が判明しない場合には、拾った方に動物愛護法の規定により都道府県等に引き取りを求めるか確認するという流れになっています  
ただ、犬猫以外のペットを拾った場合は、警察への提出義務がなくなっている訳ではないので、注意が必要です。

遺失物の拾得者には「お礼」がもらえる?
 遺失物を拾った方には、落とし物をした方から、「お礼」をもらう権利があります。この「お礼」は「報労金」と呼ばれ、遺失物法の規定では、落とし物の価格の5%〜20%とされています(施設内で拾った場合には、その拾った方と施設占有者がそれぞれ1/2となります)。この権利は、落とし主に落とし物が返還された後1ヶ月を経過すると請求することはできません。
 所得税法では、遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金は「一時所得」とされています。






H27.10.22
退職後ライフプラン
国民年金任意加入

公的年金と私的年金
老後のライフプランを考える時は公的年金をベースに不足分を私的年金で補う事を考えるのが一般的です。公的年金はスライド制かつ終身給付であり、賦課方式で現役世代から老齢世代への所得の振替を行っています。収入の少ない時には保険料免除があり、保険料全額が所得控除になります。又、年金の半額を国庫負担で原資を確保しています。
 私的年金は積立方式であり積立金と運用益を原資にしています。保険料の強制徴収はありませんが、終身給付にするには高額な保険料の支払いが必要でしょう。又、インフレになった場合には目減り感が出るかもしれません。公的年金の補完的役割として考える事が良いでしょう。

国民年金の任意加入
年金受給には原則25年の加入期間が必要ですが60歳時にまだ受給権が無い場合や、受給資格はあっても20歳から40歳までの40年間の全期間は満たしていない人は任意加入する事ができます。65歳以上の人は受給権がまだ無い場合で、昭和40年4月1日以前生まれの人は70歳になるまで特例任意加入ができます。受給権が発生するまでの加入となります。受給権を得れば、低額でも年金が定期的収入となり、就職しても年金額を差し引いた賃金で働けばよいので違いが出てくるでしょう。

加入に当たっての注意点
@加入期間調査 平成27年度基礎年金額は満額で約78万円です。年金定期便などで自分の加入期間を調べてみましょう。
A無理な加入は避ける。いくら満額にしたいと思っても資金が無い場合は無理をしない方が良く、又、未納期間の長い人は元が取れない場合があります。
B保険料は賄えると言う場合には早めに加入する方が良いでしょう。
C付加給付(60歳台前半の人)の保険料は月額400円ですが、2年間で納付した保険料の元が取れますのでお勧めです。
Dこの後の介護保険料や後期高齢者の年金からの保険料天引きに備えて年金を積み増しできるなら、しておく事が良いでしょう。
E加入中に障害年金に該当するような事態となった時を考えて保険料は滞納しないようにしましょう。






H27.10.21
人材育成の考え方

“企業は人なり”と言うように、企業活動は、人材の確保と、その活躍によって決定付けられることは自明であり、長寿企業は、豊富な人材を得ることに成功していると言えましょう。ここでは、人材育成で欠かせない基本的な考え方について述べます。

人材育成の考え方
 企業の人材育成において欠くことが出来ない基本的な考え方は次の通りです。
@企業が存続、発展していくために、必要な人材を、職務・職種ごとに、ゼネラリスト(組織活動の維持・運用に必要な管理職、企画職・総務職等幅広い職務をこなせる人材)、スペシャリスト(特定分野の知識・技術を駆使する専門職)の別に必要人員など、自社に必要な人材構成を具体的に描いて、計画的に採用・育成する。
A人材育成の取り組み方は、社員が自ら「自己がなりたい人材像を描き、主体的に、自分の能力開発を図る」よう誘導する。
そのため、人事賃金制度の一環として
 社内等級制度を設け、各等級に求められ
る基礎知識・技術、発揮能力と評価方法
を定めておき、社員一人ひとりが年度ごとに目標を定めて主体的な努力を行なうとともに、管理職、職場の先輩がOJTでフォローアップするなど、能力開発の環境をつくる。
B実務遂行に役立つ実践的な能力開発の土台となる基本的な知識・技術(例えば企画の知識・技術、コミュニケーション技術、部下指導法など)は、階層別(新入社員・中堅社員・管理職等)教育システムとカリキュラムを定めて、Off-JTで教育し、OJTでフォローアップする。

人材育成の効果的方法
 人材は実務に直結して、実践的に育成することが最も重要で、それを可能とする効果的手段は「実務の遂行、即人材育成」となる業務遂行の仕組みづくりと、管理職が中心となって作り出す場環境です。この意味で、企業活動に広く活用されている目標管理制度は、その本質が「業績管理制度」であり、戦略目標達成のための仕組みであること、その運用プロセスの管理は、そのまま人材育成のプロセスともなっていることから、業務遂行と一体化した実践的、効果的な人材育成手段ともなっていると言えます。






H27.10.20
税務CGとは

CGはコーポレートガバナンス
 インターネットで検索していたら、「税務CG問題なしで調査省略」とか「調査間隔延長」とか、「CG対応プログラム」というのに遭遇しました。
 税務当局が4〜5年前から取り組んでいる「税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組」というもののようです。「申告書の自主点検と税務上の自主監査の促進」をしてもらいたい、というのがその趣旨のようです。

「申告書確認表」と「要注意項目確認表」
国税庁ホームページの中に、局の調査課所管法人を対象としたものとして、「申告書確認表」と「税務上の要注意項目確認表」というものが、掲載されています。
「申告書確認表」は、法人税申告書の完成前のミス発見のための点検作業、「税務上の要注意項目確認表」は決算内容の点検作業に役立たせるためのもののようです。
過去に提出された申告書のチェックや税務調査の結果から、誤りが生じやすいと認められる事項を税務当局が表形式に取りまとめた、もので、当面は、国税局調査課所管法人だけを対象に要請するとしており、申告書への添付は義務付けないものの「確認表」でのチェック作業の有無だけは事業概況書に反映することを予定しているようです。

法人会でも似たような取り組み
 企業の税務コンプライアンス向上のための取り組みとして、日税連監修で法人会が作成している「自主点検チェックシート」というのがあります。チェックシートを活用し、企業自らが自主点検することを通じて、内部統制や経理水準を向上させ、自社の成長を目指し、ひいては税務コンプライアンスを向上させ、税務リスクの軽減にもつなげることを期待するものです。
 国税庁の税務CGとは内容的に重複はしてなさそうですが、その方向性は一致しているように感じられます。

有用性があれば、利用価値も
これらは、チェックシートのスタイルなので、会社決算作業での調整事項や申告調整事項の把握漏れ、申告書の自主点検にも有用だったら、税理士事務所での実務でも役立ちそうです。書面添付に比し簡便で作成し易そうなので、勝手に添付提出してみるのもありかも知れません。






H27.10.17
ジワリと上がる社会保険料


給付の抑制
 消費税の10%への引き上げは平成17年4月まで延期されていますが、社会保険料は毎年少しずつ上げられています。給付の抑制がある半面で保険料負担は着実に増えています。
 年金の給付では特例水準の解消が4月に行われ、以前、物価が下がっていた時期に年金支給額を据え置きして下げなかったので、元に戻す為に平成25年10月と平成26年4月の見直しにより平均月4千円程度が引き下げられました。平成27年度は0.9%の引き上げがありましたが、今後のマクロ経済スライドの発動で物価・賃金の上昇ほどは年金額の上昇に反映されないようになっています。

費用負担の増加
 この8月からの改定で介護保険のサービスを受ける自己負担率が変更されました。
利用者1律1割負担であったものが年収280万円以上の人は2割負担となり、高齢者全体の20%が対象になりました。例えば自己負担が月1万5千円であった人は3万円となる訳ですからかなり負担感は大きいでしょう。
 健康保険でも高額療養費が今年の初めから70歳未満の人で年収770万円以上の所得の人は戻り分も減り、自己負担額が増えています。一方で年収370万円未満の人には負担を減らしています。

保険料の上昇
 厚生年金保険料率は毎年9月に0.354%ずつ上がっていますが、今年は労使合わせて17.828%となっています。来年の9月には18.182%になり、最終予定の平成29年には0.118上がり18.3%で固定される予定です。健康保険料率の上限も平成28年には現行12%が13%になる予定です。(健保組合はもう少し少ないでしょう)
 給与額が同じであれば保険料の上昇で所得税と住民税は減りますが、それを上回る保険料の上昇があるかもしれません。

防衛策は
 防衛策としては収入を増やすか支出を増やす事になりますが、専業主婦家庭であればパート勤務も選択肢でしょう。ローンや民間保険等の見直しも必要かもしれません。年金額の上乗せを考えるなら非課税制度を利用した貯蓄も考えられます。






H27.10.16
平成27年度地域別最低賃金

毎年上がっている時給額
 最低賃金とは国が賃金の最低限度額を定め決めた額以上の賃金を労働者に支払わなければならないと言う制度ですが、最低賃金の決定は毎年10月に発令されています。審議会が労働者の賃金、労働者の生活費、通常の支払能力等を加味して検討し、都道府県労働局長が決定します。
 この度、中央最低賃金審議会は平成27年度の地域別最低賃金改定の目安を発表しました。都道府県別の引き上げ額は時給20円アップを最高に19円、18円、17円、16円と上がり幅が分けられ、全国加重平均は798円(18円引き上げ)で、最低賃金が時給で示されるようになった平成14年以降最大の引き上げ幅です。(昨年度は780円で引き上げ幅は16円)

都市部と地方部の格差は広がる
 最も時給が高いのは東京都の907円、最も低い額は鳥取、高知、宮崎、沖縄の693円でした。10月1日より中旬にかけて発効となります。毎年都市部の上がり幅が高いので都市部と地方部の格差は場所によっては縮小しているものの、最高額と最低額の差は開いてきています。
 平成27年の改定額は以下の通りです。
20円ないし19円改定
東京 907円 大阪 858円 愛知 820円
千葉 817円 広島 769円
18円改定
神奈川 905円 埼玉 820円 京都 807円
兵庫 794円 静岡 783円 三重 771円
滋賀 764円 栃木 751円 茨城 747円
長野 746円 富山 746円
17円改定
岩手 695円 石川 735円 香川 719円 
島根 696円 熊本 694円 長崎 694円 
大分 694円
16円改定
北海道 764円 青森 695円 秋田 695円
山形 696円 福井 732円 宮城 726円
福島 705円 群馬 737円 山梨 737円
新潟 731円 岐阜 754円 奈良 740円
和歌山 731円 岡山 735円 鳥取 693円
山口 731円 愛媛 696円 徳島 695円 
高知 693円 福岡 743円 佐賀 694円
宮崎 693円 鹿児島 694円 沖縄 693円






H27.10.15
重点管理富裕層という新概念

いわゆる「富裕層」への重点調査
 ここ数年の公表される税務調査事績では、いわゆる「富裕層」に対して、資産運用の多様化・国際化が進んでいることを念頭に調査を実施しているとしていました。
 そして最近、税務専門誌に突然報道されたところによると、国税当局には「重点管理富裕層名簿」というのがあり、この名簿への登載は、各国税局の内部の複数の係の協議の上での指定による、ようです。
登載されるのは、周囲の一定の個人(例えば家族など)や法人も含まれ、一体的に管理されるようです。

登載の指定基準
 該当者と指定される基準には、@形式基準とA実質基準があり、次のようになっています。
@見込保有資産総額が特に大
A形式基準に該当しない者のうち、一定規模以上の資産を保有し、かつ、国際的租税回避行為その他の富裕層固有の問題が想定され、重点管理富裕層として特に指定する必要があると認められる者

富裕層の数はどれくらい
 一般に、資産家とか富裕層とかいう言葉があり、どれくらいの人数がいるのか、という報告はいくつかあります。
 クレディ・スイスのレポートによると、純資産100万ドル以上の日本の富裕層は2,728千人、純資産額5,000万ドル以上の超富裕層は2,887人です。イギリスのナイト・フランクは、純資産3,000万ドル以上の超富裕層は、日本では、16,703人としています。野村総研の公表では、日本における、純金融資産保有額が1億円以上の富裕層は100.7万世帯、5億円以上の超富裕層は5.4万世帯とされています。

超富裕層への課税強化体制整備
 超富裕層への課税強化は、所得税、相続税・贈与税の最高税率のアップ、国外送金等調書・国外証券移管等調書・国外財産調書制度の施行、財産債務調書制度の一新化、マイナンバー制度の導入と、情報捕捉の態勢も整えられ、平成27年7月から施行の出国税(国外転出時課税制度)、平成28年から施行の金融税制の構造変換と着実に歩が進められています。
 財産の総額に累進税率を掛ける富裕税の復活も視野にあるのかもしれません。そういうことのための、富裕層へのメッセージと言えそうです。






H27.10.14
全体最適アプローチ


 目標管理制度の目標達成プロセスで、確実に目標達成に向かっているのか、と確信が持てない状況になったり、混乱状態に陥ったりした場合に、全体最適アプローチによるプロセスの見直しが役立ちます。

全体最適アプローチの基準
 プロセスの「全体最適アプローチ」は図示した通りで、目標達成プロセスに不具合が生じている場合は、そのどこかに問題があり、しかも複合的に絡み合って問題が生じていることが多いようです。

全体最適アプローチ

目的
 現状把握
  現状分析:SWOT分析など
          コンセプト・ゴール
               目標・達成基準
                 成功要因・障害要因の把握と打ち手

 それらを見直すためには、まず「コンセプト(何をどのような方向性で変化させ、あるべき姿に到達するのか)・ゴール(あるべき姿を取引の当事者構成・スキームとして可視化した図解説明)」の適切さを検証し、その後に、これを基準として、他の要因の適切さを評価、見直しを図るアプローチが現実的であると言えます。その理由は見直しの中心に据えるべきプロセスは、あるべき姿と到達の基本方向を示した「コンセプト・ゴール」にあることが挙げられ、的を射た検証により混乱を避けられるからです。

コンセプト・ゴールの検証方法
 コンセプトは、現状把握・現状分析の検証によって変化する可能性があります。例えば、当初予想していなかった、市場ニーズの変化等外部環境の変化、社内の人材・トップ方針の変化等があり、それらに基づくSWOT分析・クロスSWOT分析の内容に修正を要し、その結果「強みを機会に生かす」等コンセプトの修正が必要になり、ゴールの修正を要する、といったことも起こり得るからです。

全体最適化の実施
 見直した「コンセプト・ゴール」を中心において、「目標・達成基準」「成功要因・阻害要因」「打ち手」の妥当性をチェック・検証することでプロセスの全体最適化、すなわちプロセスの混乱状態から脱出し、目標達成に確信が持てるプロセスを取り戻すことが出来ます。






H27.10.13
半血兄妹の相続分は今も2分の1

民法の半血兄弟姉妹に係る規定
 現在の民法第900条(法定相続分)の第四号には、「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。」と記載されています。
 あれっ!! この但し書きの差別規定は削除になっているんじゃなかった? と思う人はいませんか。

婚外子(非嫡出子)差別違憲判決があった
 平成25年9月の婚外子(非嫡出子)に対する相続差別を違憲とする最高裁大法廷の全員一致決定を承けて、同年12月に当該差別規定を削除する民法改正がなされました。
 違憲判決により民法規定の、「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし、」の部分が改正削除されました。
 でも、削除部分に続く先記した全血・半血差別部分はそのまま存続しています。

存続している差別規定の意味
 ここの民法の規定を解説抜きに理解するのは難しいところですが、嫡出・非嫡出に関する規定は親からの相続についての定めで、全血・半血に関する規定は兄弟姉妹間での相続についての定め、と読むべきとされています。
 被相続人に子供がおらず、直系尊属も既に死亡している場合は、被相続人のすべての兄弟姉妹が同順位で相続することになりますが、相続割合については、全血兄弟姉妹に対し半血兄弟姉妹は半分、と平等にならないことになっています。
 配偶者がいたとすると、配偶者の相続割合は4分の3、兄弟姉妹全体の相続割合は4分の1で、兄弟姉妹間の相続割合は全血か半血かによって異なる扱いを受けます。

兄弟は他人の始まりなので
 親の異なる兄弟姉妹だったら、他人度が相当に高くても不思議ではありません。しかし、相続分に違いはあるにせよ、疎遠なので連絡もしないまま、半血兄弟姉妹が参加しない遺産分割協議をしても、それは無効です。
 逆に、債務超過の相続だったので、子が相続放棄したために兄弟姉妹に相続権が移る場合や、兄弟姉妹間の相続で、日頃疎遠のため情報が乏しい場合には、3ヶ月の放棄申述期間を徒過しないように注意すべきです。






H27.10.9
交際費課税の整理整頓



交際費に該当しない交際費
 交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人がその得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます)のために支出する費用をいいます。
 ですから接待、慰安、懇親を目的とした飲食その他これに類する行為(以下「飲食等」といいます)のために要する費用は交際費ですが、1人当たり5,000円(消費税抜き)以下の場合は交際費に該当いたしません。
 但し専らその法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものは、5,000円以下であっても交際費に該当いたします。
  
資本金1億円以下の法人
 交際費は原則損金不算入ですが、次の@かAの有利な方を選択して、損金に算入できます。
@飲食等のために要する交際費に該当する費用。要は以下の費用です。
「1人当たり5,000円を超える費用並びに法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出する費用」の50%の損金算入を認める。
A800万円までの交際費の損金算入を認める。
 @は飲食等のために要する交際費に該当する費用の50%が800万円より多い企業が選択しますが、多くの中小企業はAとなると思います。

その他の企業
 資本金1億円超の法人の場合は@の適用ができます。できますと言ったのは、平成26年3月31日以前に開始した事業年度は、交際費は原則通りすべて損金不算入でした。
また資本金5億円以上の企業の100%子会社等は資本金が1億円以下であっても@の適用しかありません。

 交際費は景気動向も踏まえ政策的に頻繁に変わります。毎年チェックしましょう。






H27.10.8
経理処理の留意点
棚卸資産の取得価額


棚卸資産の取得価額
 棚卸資産といっても製品・仕掛品のように「自社で製造されたもの」と、商品・材料のように「購入したもの」とがあります。「自社で製造されたもの」は、製造にかかる人件費や機械等の減価償却費や電力料等の諸経費を計算して、直接費だけでなく間接費も含めた全部の製造原価を棚卸資産の取得価額にすることは広く知られています。また簡便な方法として、売価還元法で棚卸資産の価額を決めることもできます。
 しかし「購入したもの」は、購入価格×数量で簡単に棚卸資産の取得価額を決定している場合が多々見受けられます。

購入棚卸資産の取得価額
 法人税法施行令によれば、購入棚卸資産の取得価額は、「購入先に支払った代金の他に引取運賃・荷役費・運送保険料・購入手数料・関税(附帯税を除く)等の購入のために要した費用、更に当該資産を消費し又は販売の用に供するために直接要した費用の額」となっています。
 しかしこの規定の後半の消費・販売に係る規定は、これを厳格に適用すると、現場の経理処理は煩雑を極めるため、さすがに税務当局も少額のものや、特別なもの以外は取得価額に算入しなくてよい、と言っております。

購入のために要した費用の経理処理
 前述したように購入のための費用には引取運賃・荷役費・運送保険料・購入手数料・関税(附帯税を除く)等があります。
 これらを「荷造運賃」「保険料」「支払手数料」「租税公課」等の科目で処理してしまうと、はたして棚卸資産の取得価額に加算すべき費用が幾らなのかを改めて計算しないと判らなくなってしまいます。
 そこで、これらの費用は一括して「仕入諸掛」勘定で処理しましょう。そうすると期末の棚卸資産の取得価額に加算すべき金額は以下の算式で簡単に求められます。

仕入諸掛勘定の金額×購入価格で計算した期末棚卸高÷仕入勘定の金額=期末棚卸に計上すべき購入のために要した費用






H27.10.7
ミッションと技術開発

 従来にない技術開発に挑戦する場合、ミッション定義を先に行ない、それを達成するのに必要な技術開発に進む「ミッション
先行型の技術開発」は、先進的な技術開発に適する開発方法で、期待成果が大きい反面リスクを伴いますので、事前検討を十分に行ない、その着手決定はトップの決断によります。

「ミッション先行型」のメリット
「ミッション先行型技術開発」の著名な先進的業績として、ケネディ米大統領の「アポロ計画」があり、1961年に同大統領が「今後10年以内に人間を月に着陸させ、安全に地球に帰還させる」と言うミッションを定義し、議会で表明した結果、次の画期的業績をあげることに成功しました。
・人類初の宇宙飛行船有人月面着陸
・それを可能とした高度な科学技術開発
・電子工学・遠隔通信・コンピュータ・工学分野における技術開発の波及効果
 このように「ミッション先行型技術開発」は、民間企業においても
・現状から大きく飛躍する事業成果を創出し、そのための高度な技術開発を実現するための戦略的アプローチとして活用出来ます。

「ミッション先行型」の留意点
 このような先進的な技術開発では、自社を核として、複数企業の協力や大学等研究機関との提携等が必要とされる場合が多く、また、リスクを伴いますので、取り組みに当っては次の事項について留意し、トップの意思決定に基づいて着手すべきです。
@ ミッション定義は、アポロ計画のように、「達成期限・達成したい状態」を具体的に疑問の余地がない表現で定義する。
A 協力企業・研究機関と共にプロジェクトチーム編成等推進体制を整える。
B 「基本機能・安全性等に関する不具合リスク・多額の費用負担の最小化・明快な市場優位性と開発投資利益の確保」を図るため、複数の技術開発コンセプトを設定し、事前の評価を行ない、推進企画を策定する。
C 中小企業庁の「中小企業技術革新」等技術開発支援制度の活用を検討する。
D 目標管理制度で採り上げる場合は、自社の総力をあげたトップ直属のプロジェクトチーム編成、高いチャレンジ度の部署間共同目標設定による推進が必要となる。






H27.10.6
改正労働者派遣法
派遣受け入れ期間制限廃止

派遣受け入れ期間を事実上撤廃
 労働者派遣法は企業の派遣受け入れ期間の制限がありましたが、この度の改正で人を入れ替えれば同じ仕事はずっと派遣労働者に任せる事ができるようになりました。
9月30日より施行されています。
 今までは派遣期間の上限が無いのは「専門26業務」とされてきましたが、業務範囲の判別が付きにくい等の問題から26業務と言う区分は廃止されました。26業務以外の業務の派遣期間は3年となっていましたが全業務の区分、上限をなくしました。

派遣期間は業務ごとから人ごとへ
 派遣期間の上限は人材派遣会社との雇用契約によって決まります。今後は派遣会社と無期雇用契約を結べば業務内容にかかわらずいつまでも同じ派遣先、同じ業務で働く事ができます。但し有期の期間雇用者は同じ業務は3年ごとに人の入れ替えが必要です。業務自体の派遣は人を入れ替えれば継続可能であるものの、派遣労働者側から見ると3年ごとに業務を変え、課の異動等を伴わないと同じ企業で働けません。
 今までとの違いは派遣期間の上限が業務ごとから人ごとに3年となりましたので同業務を続けられない事もあり、派遣労働者の4割を占める専門26業務であった人等は影響が出てきそうです。

派遣会社の雇用安定措置義務
 派遣会社には派遣労働者の雇用が不安定にならぬよう同一組織単位に3年間派遣される見込みのある人に
@派遣先企業が直接雇用するように依頼
A新たな派遣先を紹介する
B派遣会社で無期雇用契約をする
等の措置を取らなくてはなりません。
 また、派遣会社は派遣労働者に教育訓練や、正社員求人情報の提供等をしなくてはなりません。
 受け入れ企業は派遣社員の直接雇用義務まではありませんが、派遣を活用しやすくなる一方で正社員への道を狭める、受け入れ企業では社員の仕事が派遣にとって代わってしまうかもしれない等の懸念もあります。派遣継続を受け入れる場合は労働組合の意見を聴取し協議をする事となっています。また、派遣会社の派遣業の届出制はなくなり、全て許可制となりました。
用(公証人手数料)が生じることを頭の中に入れておいて下さい。






H27.10.5
中小企業両立支援助成金 育休復帰支援プランコース

育休取得・職場復帰を支援する助成金
 2015年2月より中小企業両立支援助成金の1つに「育休復帰支援プランコース」が新しくできました。育児休業を取得し、職場復帰する人と職場環境の業務見直し等を支援します。育児休業者が初めての人でも、2人目以降の人でもよく、育休復帰プランナーの支援を受けて育休復帰支援プランを策定すればよいなど、申請の要件も他の両立支援の助成金と比べても難しくはありません。1事業主につき1回限りの受給です。

申請手順
 育休復帰プランナーとは育休支援プランの作成および、プランに基づく措置の実施を支援します。厚労省が委託する事業者が委嘱した者で、社会保険労務士や中小企業診断士の資格を有する者等が委嘱されています。
@プランナーの申し込み
 厚労省のHPからできます。受け付け後受託事業者からプランナーが派遣されます。企業を訪問しアドバイスをします。
ア、育休復帰支援プランの策定の支援
イ、対象社員の取り扱いに関する事
ウ、育休復帰を円滑にする業務改善指導
エ、助成金手続きに関するアドバイス
等を無料で受けられます。
A事業主は労働者の育児休業の取得・復帰支援に関するマニュアルや規定を作成する
 社内報等で労働者に知らせます。
B産休・育休支援面談(休業前)
 対象労働者が出たら面接シートを使い「妊娠報告後面談」と「休業2ヶ月前面談」を行います。前者では出産予定日や妊娠期間中の就労時の配慮事項、業務引き継ぎ等を話します。後者では、職場復帰後の就業イメージ等を話し合います。
C対象労働者の育休復帰支援プランの策定
 休業中の業務を滞りなく行うための体制作り、復帰後の時間制約のある状態での働き方等を策定し産後休業開始日までに社員に知らせ、業務引き継ぎを終了します。

支給申請
 休業取得時申請は育休(産後休業終了後引き続き育休を取る人は産後休業)を開始した日から3ヶ月経過する日の翌日より2ヶ月以内に、復帰時申請は育休終了日の翌日から起算して6ヶ月を経過する日の翌日から2ヶ月以内です。






H27.10.2
民泊と許認可

仲介サイトの登録数はこの1年で3倍
 「民泊」という言葉をご存知でしょうか。これは、個人が住宅の空室などに観光客を有償で泊めるサービスのことを指します。外国人観光客が急増する中、空室の有効利用や日本の生活を直に体験してみたいという観光客の要望に応え広がったサービスで、空室を提供したい人と宿泊を希望する人の間を仲介する情報サイトが登場したことにより、急激にその認知度が上がりました。
 東京オリンピック開催までいよいよカウントダウンが始まり、宿泊施設不足対策としても注目が集まっていましたが、この新サービスに対し、各自治体等から「待った」の声が上がっています。

民泊と旅館業法
 ホテルや旅館など、有償で人を泊める事業者は、旅館業法による許可を受けることになっています。この法律で「旅館業」とは、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」を言い、名目の如何を問わず、実質的に寝具や部屋の使用料とみなされるものは「宿泊料」に含まれるとされています。どのような場合が「営業」に当たるかについては明確な定義がないものの、一般的に反復・継続して行われれば営業であると解釈されるため、民泊のように個人宅を提供することもこの定義に係る可能性が高いとされています。既に、実態調査の上、許可を取得していなかった民泊情報サイトの登録者に対し指導を行っている自治体も出ており、今後はより具体的な整備に乗り出す自治体が増えると予想されます。

宿泊事業者を取り巻く許認可事情
 民泊が旅館業法の適用を受ける宿泊施設に当たるとなると、他の法律についても適用を考えざるを得ません。通常、ホテル等の宿泊施設で食事を提供するのであれば、安全衛生の観点から、食品衛生法に基づき飲食店等の営業許可を受けます。その他、施設の構造により建築基準法、消防法等に基づく様々な手続きを適宜行わなくてはなりません。元来、宿泊事業を営むためにはこれだけの許認可規制を受けてきたわけですが、そうは言ってもこうした民泊サービスにニーズがあることも事実。旅館業法については戦後の施行以来、設備要件等の枠組みがほとんど変わっていないなど、法による規制の趣旨が時代に追いついていないことも問題になっています。東京オリンピックのような大規模行事が、今後の様々な法整備のきっかけになりそうです。






H27.10.1
評価制度の設計

 「評価制度」は、「目標管理制度」などの業績管理制度と「人事賃金制度」を結び付ける重要な機能を担う仕組みです。
評価制度設計のポイント
 日本の企業においては、社員の意欲とパフォーマンスを高めるための評価制度設計において次の点がポイントとなります。
@「業績評価」を組織業績評価と個人業績評価に基づいて行ない、主に賞与に反映する。
A「個人総合評価」を個人業績評価と行動評価・発揮能力評価に基づいて行ない、給与・昇格・配置転換・退職金(ポイント制など)に反映する。
Bチームワークによる協働の業績と、その業績に対する個人の貢献度を評価基準として明確に設定し、事実に基づいて評価する。

評価制度設計の課題解決策
 多くの企業において、評価制度について次のような課題が発生しており、以下それらの課題と解決策を併記しておきます(カッコ内が解決策)。
@成果主義の評価に用いる客観的評価指標の設定が難しく、工夫しなければならない。(定性的な業績評価をランク付け・点数化等により数値化する。)
評価制度の全体像(例)
A目標設定外の業務を軽視することが起こりがちになり、評価対象業務の設定に工夫を要する。(目標設定外業務をまとめて、その成果を評価対象とする。)
B目標達成度を高めるために目標を矮小化したり、評価の基準値(実績数値)を低く抑え、達成度のバーを低く設定するなどの恣意的操作が生じるので、それらを回避することが必要になる。(目標設定時にチャレンジ度基準を設定し、評価時点で、プロセスの外部環境等の変化を考慮した実績チャレンジ度と、目標達成度を総合して業績評価を行う。)