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H27.2.26
「家族従業員」はキビしい?
慰安旅行・研修旅行の取扱い


慰安旅行・社員旅行の税務上の考え方
 
最近は少なくなった慰安旅行、社員旅行ですが、一般には「福利厚生費」として取り扱われています。
 このような行事は、@役員・従業員が経営委任・雇用されている関係上、必ずしも希望しない行事に参加せざるを得ない側面があること、A役員・従業員が受ける経済的利益の金額が通常少額であること、B役員・従業員の慰安を図るため使用者が負担して行うことが一般化していることから、その福利厚生行事が社会通念上一般的に行われるものと認められる範囲内のものである場合には、国民感情を考慮して「給与課税」を行わないこととされています。
従業員レクリエーション旅行の場合
 
従業員のレクリエーション目的の旅行の場合には、上記のように従業員等に供与する経済的な利益が少額なものについては、強いて課税しないという「少額不追及」の観点から、次の要件を満たすときは、給与として課税しないこととされています。
@ 旅行の期間が4泊5日以内であること
A 旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること
ただし、@役員だけで行う旅行、A取引先に対する接待旅行、B実質的に私的旅行と認められる旅行、C金銭との選択が可能な旅行は、給与や交際費として適切に処理を行う必要があります。
研修旅行の場合

 研修旅行が会社の業務を行うために直接必要な場合には、その費用は給与として課税されません。反対に直接必要がないものとされた場合には、給与課税されます。次のようなケースでは、原則として会社の業務を行うために直接必要なものとは取り扱われません。
@同業者団体が主催する、主に観光旅行を目的とした団体旅行、A旅行のあっせん業者などが主催する団体旅行、B観光渡航の許可をもらい海外で行う研修旅行
悩ましい「専従者」「家族従業員」の旅行

 個人事業者が事業主と事業専従者だけで旅行した場合には、単なる「家族旅行」としての性格が強いものとみなされ、必要経費の算入が認められないケースがみられます。客観的に「単なる家族旅行」と異なることを立証するには大きなハードルがあると言えるでしょう。







H27.2.25
通常は契約書で明らかに!?
固定資産の譲渡時期


宅建業者が作成する不動産の契約書
 不動産取引のプロである宅地建物取引業の方が関わる不動産取引では、契約締結前に『重要事項の説明』と契約締結後に『契約内容記載書面の交付』が行われます。
 前者の説明の場面で示される書類―『重要事項説明書』は、宅建業法35条に規定する書面のため『35条書面』と呼ばれ、後者の書類は同法37条に規定する書面のため『37条書面』と呼ばれます。それぞれ書面で記載する項目は異なりますが、37条書面の必ず記載する条項は次の通りとなります。
@当事者の氏名・住所
A物件の特定に必要な表示
B物件の引渡し時期
C移転登記申請時期
D代金等の額、支払時期、支払方法
 尚、この必要的記載事項を記載した契約書であれば、それが37条書面として用いられます。

税務上の不動産譲渡損益の計上時期
 ところで、税理士が税務判断の参考とする法人税・所得税の通達には、不動産の譲渡の時期は、次のように記されています。
 法人が不動産を『固定資産』として譲渡する場合には、不動産の譲渡日は原則として『引渡し日』(土地等の引渡し日が明らかでないときは、@代金のおおむね50%を収受する日とA所有権移転登記申請日のいずれか早い日)、特例として『契約効力発生の日』が採られます。尚、宅建業者自身が不動産を『棚卸資産』として譲渡する場合には、大量に反復的に取引が行われることから契約日発生基準を採用することはできず、引渡基準のみが適用されます。個人の場合も、原則『引渡し日』、特例『契約効力発生日』ですが、法人のような『引渡し日』が明らかでない場合の代金の50%収受日等を『引渡し日』とする規定はありません。

収益計上時期が判断しやすい契約書
 ここで、宅建業者の方の作成する契約書ならば、必要的記載事項として、これら通達で示された日が網羅的に示されていることが分かります。実際の引渡し・代金支払状況によりますが、収益計上時期の判断がとてもやり易くなります。親族間取引では、不動産取引に不慣れな方が契約書を作成する場面もあると思いますが、参考としてはいかがでしょうか。





H27.2.24
目標管理の振り返り

目標管理における“振返り”は、「管理のサイクル:P-D-C-A(プラン・ドゥ・チェック・アクション)」のC-Aに位置付けられ、次年度の目標設定にプラスの影響を与える重要なプロセスです。
 “振返り”を反省と捉えて目標未達成の原因追求など不十分であった点を改善するために行なう、とする考え方がありますが、それは当然のこととして、目標達成の成功要因にも焦点を当て、次期以降に活用する積極的視点も欠かせません。

振返りの視点
 “振返り”がより本質的、積極的な視点で行われるためには、目標達成、未達成項目別に次のような視点を設定して分析する必要があります。
目標達成項目
・プロセスと結果の関係から見た成功要因(注)は何であったか、その要因を次期の目標達成に活かせないか
・「強み」をより強化する努力は十分であったか
・「強み」を「機会」に活かす努力は十分であったか
目標未達成項目
・プロセスと結果の関係から見た未達要因は何であったか(注)
・阻害要因を排除する方策はなかったか
・シナジー(異質能力協働効果)活用不足はなかったか
・「強み」を「機会」に活かして目標達成を図る余地はなかったか
・「弱み」を改善して目標達成を図る余地はなかったか
・「脅威」を回避するための「強み」の活用、「弱み」の改善余地はなかったか
(注)成功要因・未達要因が捉えにくいときは、「表面的な要因からなぜか、なぜかと5段階掘り下げて本質的要因を突き止める分析方法」を活用すると良いでしょう。

経営者・管理者の留意点
 成功要因はそのプロセスを標準書・手順書で可視化し、経営資源として今後の活用を図るべきです。また、未達成要因がシナジー活用不足であった場合は、チーム目標の設定を指導すべきです。





H27.2.23
思いもよらぬ贈与税等の課税が! 第三者割当は時価発行で!

第三者割当増資は時価発行で!
 会社が資本金を増やすことを『増資』といいます。この『増資』の中でも新株主から金銭等の払込みを受けるものを『有償増資』といい、その新株主の募集範囲の違いから『公募』『株主割当』『第三者割当』の三種類に区別されます。このうち『第三者割当』による増資を同族会社が行うときは、『時価』で発行しないと、思いもよらぬ贈与税等の課税が生じる場合があります。

課税の理由『株主価値の移転が生じる』
 なぜ『時価』でない場合に贈与税等が課税されるかというと、株主間で経済的価値が移転してしまうからです。例えば1株当たりの株価(ここでは時価純資産価額)@100円で発行済株式総数20株(株主A・Bが各10株保有)の会社が、新株主Cから時価の1/2の@50円で5株の増資を引き受けたとしましょう(いわゆる『有利発行』)。

株数 時価総額 株数 払込金額
A 増資前@100円/10株 1,000円 増資@50円/ ― ―
B 増資前@100円/10株 1,000円 増資@50円/ ― ―
C 増資前@100円/―  ―     増資@50円/5株 250円
計 増資前@100円/20株 2,000円 増資@50円/5株 250円

 この増資が行われた後の1株当たりの株価(時価純資産価額)は、(増資前2,000円+増資額250円)÷増資後株数25株=@90円となり株価が下がります。A・Bは何もしていないのに1株当たりの株価が▲10円下がり、Cは@50円の支払で@90円の価値がある株式を取得している状況になります。

株式 時価総額 時価総額 @-A
A @増資後@90円/10株 900円 A移転前/1,000円 移転分▲100
B @増資後@90円/10株 900円 A移転前/1,000円 移転分▲100
C @増資後@90円/5株 450円 A移転前/250円     移転分+200
計 @増資後@90円/25株 2,250円 A移転前/2,250円 移転分 0
 結果として、AとBから、それぞれCに100円の経済的価値が移転してしまうのです。このCへの移転分200円((@90−@50)×5株)について、CがA・Bの親族である場合には、贈与税課税、親族以外である場合には、一時所得・給与所得等の課税対象となります。この課税リスクは、@既存株主が平等に増資を引受けない場合、かつA時価発行増資でない場合に起こります。『第三者割当』の場合には、@は当然充たさないため、時価発行増資でなければ、課税リスクが避けられないことになります。





H27.2.20
平成27年前半
労働法関連改正情報

平成27年前半に施行される労働関連法
@パートタイム労働法  4月1日施行
ア、勤務内容が正社員と同一
イ、人材活用の仕組みが正社員と同一
 この2つの条件を満たした時は正社員との差別的取り扱いが禁止されます。
 又、雇い入れ時に労働条件や雇用契約更新についての説明義務が課されます。

A労働安全衛生法    6月1日施行
ア、受動喫煙防止対策努力義務
禁煙、分煙、喫煙室設置等
イ、重大な労災を繰り返す企業に対する特別安全衛生改善計画作成指示、勧告、公表制度

B労災保険料率の改定  4月1日施行
 全54種平均1000分の4.8から1000分の4.7へ1000分の0.1引き下げられます。
 又、1人親方の特別加入、海外勤務者の特別加入の改定もされます。建設業の労務費率や請負金額の取り扱いの改正も決まっています。
 尚、雇用保険料率は据え置きの方針です。一般1000分の13.5、農林水産清酒製造1000分の15.5、建設1000分の16.5で変更無しの予定です。

C助成金・奨励金
「中小企業両立支援助成金」2月1日施行
 育児休業の復帰支援プランが新設、プランナーによる支援の下、復帰プランを策定、導入によって育休取得、職場復帰した場合に支給されます。
 次の助成金も新年度に改正予定です。
「キャリアアップ助成金」
「トライアル雇用奨励金」
「労働環境向上助成金」
「キャリア形成促進助成金」
「建設労働者確保育成助成金」

D社会保険関連
ア、高額療養費制度  1月1日施行
 70歳未満の所得区分の細分化
イ、年金       4月分より
 昨年4月から実施されている年金額の特例水準の解消で、残る0.5%分の解消が行われて年金額が調整されます。年金額は1月の全国消費者物価指数動向で決められます。






H27.2.19
事業的規模か?業務的規模か?
所得税法における貸倒損失

所得税法における貸倒損失
 所得税法における貸倒損失は、その回収不能となった債権が事業的規模の業務により生じたものなのか、事業的規模に至らない業務により生じたものかにより処理の仕方が異なります。
 個人事業が事業的規模である業務に係る債権の貸倒れに係る損失は、その債権が回収不能となった年分の必要経費とされます。 
 一方、事業的規模に至らない業務に係る貸倒れについては、@売掛・未収債権(収入金額に計上されている債権)であるか、A貸付金債権・立替金等の元本債権であるかの別により取扱いが定められています。

業務的規模で売掛債権が回収不能の場合
 その個人業務に係る各種所得の収入金額としていたものが回収不能となった場合(売掛金や未収入金に貸倒れが生じた場合)には、その所得の金額のうち回収不能となった部分は、貸倒れの生じた年分の必要経費とはなりません。その発生した年分の「収入がなかった」ものとみなされるのです。
 「貸倒れでも、収入がなかったでも、同じことではないのか?」と感じられるかもしれませんが、遡及処理を行うという点で両者の処理は異なります。
 すなわち、その年中に売掛・未収債権が貸倒れとなった場合には、その年の収入から、除外すればよいだけなのですが、過年度に計上されている売掛・未収債権は、その収入計上した年分に遡及して、その所得が「なかったもの」とされるのです。この場合、その事由が生じた日(貸倒れが発生した日)の翌日から2ヵ月以内に更正の請求(後発的事由に基づく更正の請求)を行うことになります。
 なお、この取扱いは業務用の債権にとどまらず、譲渡所得や給与所得の収入金額が回収不能となった場合にも適用されます。

業務的規模で貸付債権が回収不能の場合
 事業的規模に至らない業務の貸付金・立替金等の債権について貸倒れが生じるケースとしては不動産所得・雑所得が該当しますが、その損失が発生した年分のその債権に係る不動産所得・雑所得の金額を限度として、必要経費とされます。
 業務に関連しない貸付金の貸倒損失についても、雑所得の金額を限度として、残額は切り捨てられます。





H27.2.18
税務における一時不再理

一事不再理とは
 刑事事件では、判決が確定したなら、同一事件については再度審理を許さないことになっています。これを一事不再理といいます。
 税務訴訟では、行政処分の違法性一般、租税債務総額の適否が訴訟の内容とされているので、講学的に『総額主義』と言われ、確定判決については、完全な一事不再理となります。
 従って、その後に税務申告の違法が発見されても判決により確定した税額を変更することはできません。

再更正と再調査
 税法では、更正処分がなされたあと、再度の再更正処分や再々更正処分がなされ得ることとされています。
 再更正処分は「調査により」行うこととされているので、一度なされた調査のあと、再調査が行われることになります。
 ここには、一事不再理はなさそうです。しかし、何度も何度もの税務調査や更正処分を行うことができるのだとすると、権力による嫌がらせが許されてしまうように見えます。
 でも、税務調査が終了し、更正処分や修正申告がなされた後、あるいは審判所の裁決が出た後、それを覆すような再更正が行われることはありません。

同一情報下での一事不再理
 税法では、再調査は「新たに得られた情報に照らし非違があると認めるとき」にのみ行うこととされています。
 ここにいう「新たに得られた情報」とは、先の調査の時点では想定外の情報と言わざるを得ないようなもので、反面調査などで出てきた思いがけない反面資料などが推測され、また、通達の例示として移転価格のみの調査を行った後に移転価格調査以外の部分の調査を行うとき、としています。
 すなわち、既に有する情報だけでは再度の税務調査を行うことはできませんので、その限りでの一事不再理となります。

理由附記不備と一事不再理
 従って、納税者から理由附記不備を指摘された更正処分について、すかさず理由附記の完全な更正処分をし直す、ということは当然にできません。
 上記の通り、調査抜きの更正処分が許されず、再調査には新たな情報の取得が前提、とされているからです。





H27.2.17
人事関連の事務

人事とは雇用される人に関する仕事
 人事とは「人に関する事」を行う仕事ですが、仕事の大きな流れとしては人材の採用から始まり、社員を有効に活用、育成してレベルアップしてゆく事で会社の経営目標を達成させる仕組みを生み出し、継続してゆく役割を担っています。仕事に対する社員の意欲を引き出して経営目標を達成する事は重要な事です。一方で社員の働く環境を整備してゆく事も求められています。

人的資源の有効活用を推進する
 社会保険事務や給与計算、福利厚生等アウトソージングしているところも増えていますが、今人事部に求められるのは経営スタッフとしての企画機能です。個別人事管理はもとより、諸制度の運用、人的資源の活用、あるいはコストの管理等。また、人事部は人事権と言う権限があり、採用、処遇、人事考課、異動、機密事項等重要な事項を扱いますが、現場との意思疎通も大事にしなくてはなりません。

人事の主な仕事
@採用・・・・要員計画を立て、社員、パートタイマー等の採用計画、面接や試験の実施、内定者フォロー、などを行います。
A配置・異動・・・・新入社員の配置、社員の人事異動の事務処理。
B教育・研修・・・・教育研修の立案、実施、フォロー、職場単位のOJTの指導、自己啓発等の支援。
C社会保険事務・労務管理事務・・・・社会保険の加入から退職までの手続きや給付の請求、保険料の徴収、納付等。また、労務管理においては労基法や他の法令に基づく人事管理の運用、就業規則や労使協定の労基署への届出等。
D賃金に関する事・・・・タイムカードの集計から賃金計算、振込、保険料や源泉税納付、年末調整事務もあります。これらは経理部が行う場合もあります。人事考課や人事評価を行い給与や賞与の査定を行う事もあります。
E退職・・・・退職、定年、解雇に関する手続きを行います。
 以上のような流れで行われますが、総務部、経理部が行っている場合もあるでしょう。1年間のスケジュールを立てておくと分かりやすいですね。





H27.2.16
企業のメンタルヘルスの取り組み

心の病の増減傾向
 2014年の6月から8月に実施された上場企業約2500社に対しての「メンタルヘルスへの取り組み」に関するアンケート結果が日本生産性本部のメンタルヘルス研究所より発表されました。この調査は1年おきに行われ、今回は7回目となります。

メンタルヘルスの最近の傾向は?
 最近3年間に心の病が増加していると回答したのは29.2%で前回調査より8.2%減じています。横ばいは58.0%(前回比6.6%増)でした。
 過去8年間の結果を見ると「増加傾向」は減少したが、「減少傾向」まで至っている企業は10%にもなっていないのが実情です。「横ばい」とする企業は約6割と半数以上を占めています。
 年齢別では心の病にかかる一番多い年齢層は30代で38.8%(同3.9%減)、40代が32.4%(同3.8%減)となっており、前々回の調査では30代が6割程度と非常に高かったのですが、今回は40代にもまたがっています。また、10代から20代は18.4%と少ないものの対象者が少ない割には高率と言えます。若年から中年まで心の病が平準化してきています。

組織風土と心の病の関係
 心の病が「増加傾向」と答えた企業では「個人で仕事をする機会が増えた」と答えた人が52.1%、「職場の助け合いが少なくなった」については49.3%、「職場のコミュニケーションが減った」は58.9%でした。
 心の病が「増加傾向」の組織では従業員の孤立した状況を示す質問の肯定率が「横ばい」、「減少」の組織より多かった事が明らかになっています。
 心の病を減らすには従業員の声が事業開発や業務運営に反映されたり、異なる雇用形態の人とのコミュニケーションがスムーズに運ぶなどチームから孤立させずメンバーシップを確保し、組織内の垣根を越えたコミュニケーションを広げてメンバーシップを拡大することが大切でしょう。





H27.2.13
目標達成度評価の留意点

 目標管理制度における目標達成度評価の公正性・納得性を確保するために、多くの企業で「評価のしくみ」が考えられていますが、ここでは、その評価に用いられるロジックと留意点を述べます。

目標別達成度評価のしくみ
個別の目標達成度評価の代表例を挙げれば次のようなしくみが考えられています。
 [目標別達成度評価のしくみ例]
難易度レベル  目標達成度 
       目標を超える達成 目標達成 やや未達成 未達成 
高い      S          A       B       C
標準      A          B       C       D
低い      B          C       D       D

 S〜Dの評語は、個別目標の難易度に対する目標達成度に対して与えられ、5〜1点に点数換算します。(S=5点〜D=1点)
 難易度レベルは、担当者の役割・等級に求められている標準能力に比較して、その目標達成に必要な能力の高低を指します。(例えば3等級の担当者が、上位・4等級の標準能力を必要とする目標達成に取り組む場合、難易度が「高い」と判定します。[注意点] この難易度レベルは、外部環境の変化や担当者にとって操作できない社内の与件変化などプロセスの状況変化に応じて変わるため目標達成度評価の最終段階で判定しなければ公正性・納得性が確保できません。

目標達成度総合評価のしくみ
 複数の目標について達成度を総合評価するしくみは次の通りで、個別目標達成度の加重平均値です。(Σ:シグマ・足し合わせる)

担当者の目標達成度総合評価点=Σ[個別目標の重要度ウエイト(%)×達成度点数]

経営者・管理者の留意点
 目標管理制度は業績管理制度であることから、目標別達成度評価のしくみで示したような評価を達成プロセスで実施し、3カ月に1回程度は「○○君は難易度が高いにも関わらす目標達成を実現しつつあり、中間評価はA」「△君は難易度が標準であるにも関わらずやや未達成で、中間評価はCに止まっている」などと事実状況を全員に公表し、社員の意慾を高めたり、発奮させたりすることが上策です。その結果、最終評価がより向上することは疑いありません。





H27.2.12
マイナンバーがはじまる
マスキングのすすめ


住民票コードのマスキング
 住民票を取り寄せると、住民票コードという欄があることを確認できます。しかし、その欄は記載省略又は空欄になっています。
 本人又は同一世帯員から住民票コードを記載することを『請求』されない限り住民票の写しに記載されないことになっています。代理人による請求の場合は、「住民票コード記載」の旨が明記された委任状が必要で、その場合でも、直接代理人に「住民票コード記載の住民票」を渡すことはなく、請求者本人の住所に郵便で送付されることになります。

マイナンバーのマスキング
 源泉徴収票などにマイナンバー記載欄が設けられことになりましたが、住民票と同じく、その交付時にはマスキングして空欄にするべきで、電算処理ではそのようにシステム構築することが望まれます。
 マイナンバーを記載することが期待される文書は、民から官、官から官、へ渡されるものであって、民から民、官から民、へ渡されるものには番号情報は不要で、むしろ他人に情報を不用意に開示することを防止するためにも非開示でなければなりません。

マイナンバーの管理
 住民票コードは日本国内の全住民に通知されているのですが、自分に通知された番号を管理していて、知っている人は滅多にいないと思います。
 マイナンバーもある程度は同じことになります。そして、その開示・提供を強制することはできません。
 源泉徴収票等の発行者についても、マイナンバーが記載されるようにすることは、努力義務とされてはいるものの、他人に強制するような努力までは要求されていません。

個人事業者のマイナンバー
 法人のマイナンバーは登記簿の番号を基礎としており、公表されることにもなっているので、源泉徴収票等発行社としてのマイナンバー記載に特に不都合はありませんが、税理士も含め個人事業者の場合は、発行する源泉徴収票等の発行者名の欄に個人のマイナンバーをも記載することになるので、民から民への交付となるものには、マスキングしておく必要があります。





H27.2.10
目標管理と原点回帰理

“原点回帰”とは、ものごとに迷いが生じ、どうしたら良いか混乱した時などに基本に立ち返り、初心に戻って考え、対処することを言います。しかし、目標管理のプロセスではしばしば“原点回帰”と異なる対処法がとられています。すなわち、外部環境が悪化して、どうしたら良いか迷った時に最終的な目標達成度評価が不利にならないよう、目標水準の下方修正を考えるのが主な対策となっており、被評価者の納得性に配慮して「半期に1回程度は目標の修正を認めること」が多くの企業の通例となっています。これは明らかに“原点回帰”とは異なる対処法です。

“原点回帰”の方法とメリット
 しかし、そこで一度立ち止まって、“原点回帰”をし、外部環境の悪化をできるだけはね返すことができないか、と考えると、意外な発見をする可能性があります。その代表的方法・視点は次の二つです。

[方法1] 目標設定時の原点に立ち返って、戦略の理解・受け止め方、目標ブレークダウン、役割認識、目標達成プロセスの計画等をチェックし、目標そのものを見直し、強化する。
[方法2]“企業理念”に立ち返って、目標達成の取り組み方、進め方に基本的なズレや誤りがなかったかチェックし、見直す。
 それは、外部環境の悪化を受けて、直接的に目標水準を下方修正する考え方とは一線を画する、目標達成のために考え抜き、挑戦し続けようとする前向きな姿勢の現われと言え、外部環境など目標達成阻害要因の負の影響を減殺し、場合によっては跳ね返す力を持ちます。

経営者・管理者の留意点
 経営者・管理者は目標管理のプロセスでP-D-C-Aがうまく回るよう見守り、異常が起きたときには、「社員に手取り、足取り対策を教えるのではなく、本人が自ら納得できる対策を真剣に探すアドバイスを行なうこと」により、適切な支援を行なう責任があります。そのような時のマネジメント上の支援策として、上記の[方法1・2]について、異常の事実認識を的確に行ない、対応策を創意工夫する視点、自社における過去のチェック・対応策の実例などを準備しておくべきです。企業の存続、発展を支えてきた企業理念は様々な試練に対処して磨かれてきたものであり、また試練と向き合い続けることで確立されて行くものであることを再確認しましょう。





H27.2.9
国民年金保険料
まとめ払いで割引に

まとめて払うと割引される
 国民年金保険料を納めるのは国内に居住している20歳以上、60歳未満の方で、自営業、フリーランス、学生等が対象です。
 国民年金保険料は前納制度があり、毎月払いした時より保険料が安くなります。2014年度は15,250円です。納付期限より1ヶ月早く納付するのは「早割」、半年、1年前払いの「前納」、平成26年度から2年の前納制度も始まりました。期間が長いほど割引額は大きく、又、現金払いより口座振替の方が割引額は多くなっています。

割引額は?
納付方法、保険料額、1年間の割引額

前払期間 決済方法 保険料  年割引額
1ヶ月分  口座振替 15200円  600円
6ヶ月分  現金カード 90760円   1480円
     口座振替 90460円   2080円
1年分  現金カード 79750円   3250円
     口座振替 179160円   3840円
2年分   口座振替 355280円   7400円

 国民年金に加入していた人が老齢年金を受け取るには現在は25年以上加入が必要です。最長40年加入し納付した人は現在の年金額は77万2800円です。

2年前納制度について
 平成26年度から始まりましたが2年分の保険料は26年度の場合、通常は37万80円と2年で14,800円安くなります。1年前納の口座振替のケースを見ると17万9,160円と、普通より3,840円安くなります。
 また、2年前納の場合の確定申告の社会保険料控除は次のいずれかの方法を選択する事になります。
@全額を納めた年に控除する。
A各年分の保険料相当額を各年に控除する。
 日本年金機構が発行する保険料の控除証明書は2年分前納を含め、平成26年に収めた保険料全額を証明して発行します。1年分の控除を受ける場合は申告者自身が社会保険料控除額内訳明細書に各年分の控除額を記載し確定申告の際、控除証明書と共に税務署に提出してください。
 1年、2年前納が割引になるとしても保険料をまとめて支払わなければなりません。資金計画を考えた上で行うのが良いでしょう。申込期限は2月末までに届け出が必要です。保険料は4月末振替です。





H27.2.6
マイナンバーがはじまる
国民背番号になるか

マイナンバーの利用範囲の拡大可能性
 マイナンバー法の正式名称は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号」です。「社会保障・税番号」として利用すると解説されていますが、必ずしも明確な制限がないので、行政全般において利用することが可能です。
 日本では、現在、基礎年金番号、健康保険被保険者番号、パスポートの番号、納税者番号、運転免許証番号、住民票コード、雇用保険被保険者番号など各行政機関が個別に番号をつけており、縦割り行政で重複投資になっています。

国民総背番号制頓挫の歴史
 「国民総背番号制」は、広辞苑(第5版)には、「電子計算機による行政事務の効率化のため国民一人一人にコード番号を付ける」と記載されています。
 かつて、佐藤内閣が1968年に「各省庁統一個人コード連絡研究会議」を設置し、この国民総背番号制の導入を目指しましたが、各方面からの反対にあい、頓挫したという歴史的経緯があります。

ネガティブな個人情報の管理 
 住所移転により住民票が異動すると、その情報は戸籍を管理している市町村に通知され、戸籍の附票に記載されます。
 公の機関の発行する「身分証明書」として、成年被後見人・被保佐人などの登記に係る法務局の証明書、禁治産・準禁治産・後見の登記・破産宣告・破産手続開始決定等々についての市町村が通知を受けているものに係る証明書、があるように、これらの個人身分事項は管理されています。

前科を記す犯罪人名簿
 法律の根拠なく、各自治体が、罰金以上の有罪判決者の氏名や罪名・量刑などを記載した「犯罪人名簿」を作成しているが、法的整備が必要ではないかとの質問主意書が、少し前、国会で提出されています。
 明治時代、刑罰等の事項は戸籍表又は寄留表に記載されていましたが、大正時代になって、別途、「犯罪人名簿」が作られるようになり、それは戦後になっても、選挙資格調査資料として引続き作成されているところです。
 なお、検察庁は、拘留、科料などの軽微な罪も含めて犯歴管理を行っています。

情報流出が避けられないとして  
 個人情報の管理を全面否定は出来ませんが、情報流出のリスクを考えると、情報の一元管理には恐怖がつきまといます。





H27.2.5
高額療養費の自己負担額改定

医療費の支払いが高額になった時
 けがや病気で入院等をし、医療費の支払額が高額になった時、自己負担が一定の額を超えた場合、申請により後から払い戻される制度が健康保険の{高額療養費制度}です。高額になる事が事前に分かる場合には「限度額適用認定証」を保険者に交付してもらい医療機関に提示しておくこともできます。その場合は支払い時に減免された額を支払うだけで一時的な大きな負担をしなくても済むようになっています。

払い戻しを受ける場合は
 高額療養費を申請して払い戻してもらうには病院等の領収証も必要になりますが、病院は保険者に提出される診療報酬明細書(レセプト)の審査を経てから支払いが行われるので診察月から3ヶ月以上はかかるのが普通です。申請は全国社会保険協会や加入している健康保険組合です。
 また、被保険者が同じ月に入院や通院があったり、複数の医療機関に受診したり、被扶養者が医療機関に受診した時は自己負担限度額を世帯で合算する事が出来ます。さらに高額医療費を受けた月が直近12カ月間に3回以上あった時は4回目から自己負担額が軽減されます(多数該当)。

平成27年1月から自己負担限度額改定
 これまで70歳未満の被保険者に係る自己負担限度額は所得区分が3段階でした。改正では上位区分が増え次のように5段階に区分されます。
@標準報酬月額83万円以上の人
252,600円+(医療費−842,000円)×1%
(多数該当限度額140,100円)
A標準報酬月額53万円以上83万円未満
167,400円+(医療費−558,000円)×1%
( 同     93,000円)
B標準報酬月額28万円以上53万円未満
80,100円+(医療費267,000円)×1%
( 同     44,400円)
C標準報酬月額28万円未満の人
57,600円
( 同     44,400円)
D市町村民税が非課税の人
35,400円
( 同     24,600円)

今回は70歳以上の方の変更はありません。





H27.2.4
最高裁の所得税の混乱の始末は?

法人税法の中の原則・例外の規定
 法人税法をみると、例えば、「内国法人はこの法律により法人税を納める義務がある。」(4条@)とし、「ただし、公益法人・・・については、収益事業を行う場合・・・に限る。」(4条@)とし、また、「公共法人は、前項の規定にかかわらず、法人税を納める義務がない。」(4条A)と、それぞれの規定の間の、原則・例外の関係が明確です。

所得税法の中の原則・例外の規定
 所得税法をみると、「非永住者以外の居住者 すべての所得」(7条@一)に課税するとし、「次に掲げる所得については、所得税を課さない。」(9条@)としてその中で、「相続・・・により取得するもの」(9条@十六)は非課税とし、さらに、「・・・相続・・・」(60条@一)により取得するものには譲渡課税する、とそれぞれの規定がありますが、各規定間の原則・例外の関係は条規の文言としては明確ではありません。

所得税法は暗黙知、あうんの呼吸
 所得税法では、「すべての所得に課税する」とする7条と、9条の非課税とは矛盾しますが、7条の規定に拘らず9条があると、読むべきと解されます。法人税法と異なり、これは暗黙知です。
9条と60条も同じです。9条の規定に拘らず60条がある、と暗黙知的に解されます。

暗黙知の中身は後条優先の原則
 他の法律では確認できませんが、所得税法に限っては、後条優先の原則という原理があるとしないと、条文間の整合的な解釈ができなくなります。この原理があるとすれば、暗黙知ではなくなります。
 しかし、後条優先の原則を明確に否定した判例があります。平成22年7月の最高裁の相続年金二重課税禁止判決です。雑所得としての年金所得のうちに、相続税で課税対象となったものがあるときは、その部分について、重ねて課税してはならない、という判決です。9条非課税にかかわらず、年金雑所得課税があってもよいとは、解さなかったわけです。

最高裁の見解待ちの譲渡での二重課税
 譲渡所得課税では9条非課税とされている相続課税済み分を除くべき、との争点で最高裁に2件の上告があります。後条優先の原則を否定した結果の当然の争訟です。
 遠からず、判決がありますが、どういう理屈をたてるのか、関心の湧くところです。





H27.2.3
年金受給者の為の
年金担保融資

 年金担保融資制度は年金受給者の方が国民年金、厚生年金保険、労災の年金を担保にして融資を受ける事が出来る制度です。
 使途は保健・医療・福祉・住宅改修・冠婚葬祭・生活必要物品の購入等の支出の為に一時的に小口の資金の必要な場合に利用できます。

利用出来る人は
@国民年金・厚生年金・船員保険・労災保険の年金証書を持っている方
A資金の使途
ア、入院費や手術費用・健康器具購入等
イ、介護施設の利用料金、福祉器具等
ウ、住宅の改築購入、引っ越し費用
エ、授業料、資格取得、教材費、生涯学習費用等
オ、冠婚葬祭、墓石等
カ、生業の運転資金、事業用車購入等
キ、債務の返済、滞納費用の支払い
ク、生活必需品の購入、家電、家具の購入
B融資額
 10万円から200万円の範囲で、生活必需品の場合は80万円までです。受給している年金の0.8倍までで1回の返済額の15倍以内です。概ね2年半で元本相当額を返済します。
返済は年金から指定した金額が差し引かれます。1回の返済額は年金支給額の3分の1以下です。
C利率は、年金担保融資は年1.6%、労災担保融資は年0.9%となっています。
D連帯保証人が必要ですが、信用保証制度を利用する事もできます。

申し込みの方法
 申し込みは「独立行政法人福祉医療機構代理店」と表示されている金融機関で扱っています。
 必要書類は申込書と年金証書、直近の年金の振込通知書、印鑑証明書、本人確認証明書類と10万円以上の融資には資金使途の分かる書類(見積書、請求書、領収書、パンフレット等)を付けます。申し込みから融資まで4、5週間かかります。
 融資の斡旋業者と名乗り電話で手数料をだまし取るケースもあります。注意をしましょう。





H27.2.2
戸籍の附票と精算課税

居住及移転ノ自由
 日本臣民ハ法律ノ範囲内ニ於テ居住及移転ノ自由ヲ有ス。これは明治憲法第22条です。何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
これは、現日本国憲法の第22条です。
 封建制下では、特に農民には、居住地を選ぶ自由はありませんでしたが、近代社会の形成と発展には、人的資源の自由な移動が不可欠の要素であるため、明治維新後の必要な新制度となりました。

戸籍の附票は戦後から
 新国家体制の基礎作りとして戸籍制度が始まりましたが、当初は、本籍地と居住地が異なることはほとんどなく、戸籍とは別な住民管理帳簿は必要ありませんでした。
 しかし、明治中期以降、本籍地と異なる場所での就業者が急速に増えたため、本籍地=居住地(住所)としていた制度が機能しづらくなりました。
 そのため、1914年(大正3年)に寄留法が制定され、寄留簿によって本籍地以外で生活する者の把握を行うこととしました。
 戦後、1951年(昭和26年)に施行された住民登録法により、住所の把握は住民票によることになり、住民登録法の中で寄留簿の後を継ぐものとして戸籍の附票の規定が制定され、寄留法が廃止されました。

寄留簿と戸籍の附票
 寄留簿が本籍地を離れて生活する者のみを記録したのに対し、戸籍の附票は戸籍に入っている者全てを記録しており、住民票の記録の正確性を維持するためのものとして位置づけられています。
 1967年(昭和42年)には住民登録法が廃止され、住所に関する記録は現在の法律である住民基本台帳法に引き継がれましたが、戸籍の附票の位置づけに変更はありませんでした。

相続時精算課税と戸籍の附票
 相続時精算課税は他の税制と比べて戸籍の附票への執着が特に強い印象を受けます。
 相続時精算課税は、選択の撤回を不可としており、一度始めると生涯続けなければならず、戸籍の附表で住所の変遷を把握し、各住所地所轄の税務署への贈与税の申告事跡を捕捉する必要があるからです。
 それならば、精算時の相続税の申告書の添付資料とするだけでよさそうですが、なぜか、制度選択時に適用条件である届出書提出の必須添付書類にしています。