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H27.3.31
安全な職場を作るには

第3次産業の職場の労災防止対策
 労働災害のうち、4日以上仕事を休まなければならない労働災害は年間12万件近くもあり、このうち4割以上の災害は、小売業、社会福祉施設、飲食店等の「第3次産業」で発生しています。職場で次の様な事は無いでしょうか。原因を見てみます。
転倒・・急いでいる時等に放置された荷物や台車につまずく、濡れた床で滑る等。
急な動き・・重い物を無理な姿勢で持ち上げたり、移動させたりするときにぎっくり腰になったり筋を痛める。
墜落・転落・・脚立やはしごなどの上でバランスを崩して落ちる。階段で足を滑らす。
その他・・交通事故、通路でぶつかる、ドアに手を挟まれる、刃物で手を切る、やけど等。

労働災害の発生と原因
 第3次産業では年間約5万人以上の人が労働災害で4日以上仕事を休んでいます。
また、転倒、急な動き、無理な動き、墜落、転落、交通事故(道路)が事故としては多く、これらの原因で7割を占めています。労働災害の原因を放置したままでは安全・安心に作業する事ができず、作業効率も下がります。さらにケガで休業すると他の人への負担もかかります。災害を防ぐには職場の危険な個所や動作を察知して知らせ、脚立、台車などの正しい使い方を学び全員が安全行動を身に付ける事が大事です。

労働災害を防ぐには
4S活動・・4Sは整理、整頓、清掃、清潔の事で、日常的に行う事で災害防止だけでなく、作業のしやすさや効率化も期待できます。
KY活動・・KYとは危険予知の事です。業務を開始する前に「その作業にはどんな危険ポイントがあるか」を話し合い、危ない箇所の対策を決め、行動確認等を行います。
危険の見える化・・職場の危険を可視化し、従業員全員で共有します。KY活動で見つけた危険ポイントにステッカー等を貼ります。
安全教育・研修・・器具の正しい操作等の研修、新入社員には入社時に教育します。
安全意識・・安全活動を進めるには、経営者、責任者が朝礼や社内報、社内メール等で全員に啓発する事も大事でしょう。





H27.3.30
相対評価基準の統一

 「相対評価基準」とは目標管理における業績評価の場合を例にとると、1次評価が、通常「上司と担当者が、目標設定の際に合意して決めた具体的な目標達成基準」に基づいて評価するのに対して、2次評価〜最終評価までは、「目標達成度を自部署の社員間、他部署の所属社員と相対的に比較・評価することが必要になり、その際用いる比較評価基準」のことを言います。
 業績評価のランクをS・A・B・C・Dの5段階とすれば、1次評価の結果をそのまま最終評価とすると、多くの場合上位ランクに偏ることになり、賃金原資(例えば賞与原資)の公正・納得性の高い配分がなされにくい結果となりますから、一般に所定の分布(通常正規分布)に当てはめるために1次評価を見直して2次評価〜最終評価を決定する「相対評価」が必要となります。

相対評価基準統一の必要性
 1次評価が個々の目標達成基準に基づいて行なわれるのに対し、部署長が責任者となって部署内の複数の管理者間で調整、決定する2次評価に用いる「相対評価基準」は、1次評価の基準から1段階上位の基準とする必要があります。
 例えば、「部署目標達成に対する数量的・質的貢献度」、「経営理念に基づくプロセス業績」、「波及効果の大きさ」などをクライテリア(複数基準)とし、評価適用上の優先順位を決めておき、相対評価分布に当てはめて評価を決定します。

経営者・管理者の留意点
 部署内調整では、管理者間でクライテリアの合意形成を行なうこと、会社として各部署のクライテリア設定の方向付け、義務付けを行なうとともに、部署間最終調整でも、同様にクライテリアを設定します。
 それらは、2次評価以降、最終評価の公正性を確保することと、評価決定に基づくフィードバックにおいても納得性を高める根拠となり、あらかじめ、それらのクライテリアを社内に公開しておくのが適当です。
 ちなみに、「相対評価」は評価にメリハリを付け、賞与の配分など処遇のインセンティブ効果を高める狙いをもっており、日本企業の実例で、賞与の評価に11段階の差を設けているケースもあります。このように、処遇のメリハリをつけ、業績向上努力に対するインセンティブ効果を高めようとすれば、それに相応するクライテリアの精緻化が必要となります。





H26.3.27
運転資金の経営分析ツール
キャッシュ・コンバージョン・サイクル

キャッシュ・コンバージョン・サイクルとは
 「キャッシュ・コンバージョン・サイクル」とは、下記の算式で表される仕入から販売、代金回収までのサイクルタイムのことで、「CCC」或いは「現金循環化日数」などとも呼ばれたりします。
【算式】
CCC=棚卸資産回転日数+売上債権回転日数−買掛債務回転日数
 この「キャッシュ・コンバージョン・サイクル」の日数が短くなればなるほど、「運転資金が楽になる」ことを示しています。

資産の資金化と債務の支払のタイミング
 すなわち、「資産の資金化」のサイクルと「債務の支払」のサイクルを組み合わせて、その会社の必要資金を表しているのです。
 例えば、会社が商品を仕入れたのち、商品を販売、売掛金回収という「資金化」のサイクル(在庫→売掛債権→現金)は、「棚卸資産回転日数+売掛債権回転日数」と表現されます。
 一方、仕入れた商品の買掛債務の支払いは、上の売掛金回収のタイミングより先行することが通常です。従って、「棚卸資産の回転日数+売上債権回転日数−買掛債務回転日数」に相当する「運転資金」を用意しなければならないということになります。
 「日数」という分かりやすい表現にすることで「資金回収の弱点がどこにあるのか」「何をしなければならないのか」という課題が浮き彫りとなることが、この指標のよいところで、日数をグラフにするなど図表で示したりすると、運転資金の流れがより感覚的に理解できます

CCCを短くするにはどうするか?
 この「CCC」を短くする施策には次のようなものがあります
@在庫回転日数を短くする(在庫削減)
A売掛金回転日数を短くする(売掛金を削減する・取引条件を見直す)
B買掛債権回転日数を長くする(取引条件を緩和)

自社の「CCC」の前期比較を見てみる!
 まず、ご自身の会社の「CCC」の前期比較を作成して頂くと、資金面での状況変化がわかります。また、業界平均との「CCC」の比較、重要取引先毎、重要商品毎の「CCC」を出してみると、運転資金面での「強み」「弱み」が分かるので、是非活用してみたい経営分析ツールの一つであると言えます。





H27.3.26
まぎらわしい棚卸資産の区分
「半製品」と「仕掛品」との違い

 「半製品」と「仕掛品」の違いはどこか?
 製造等の中途にある棚卸資産に「半製品」と「仕掛品」があります。英語で言えば、前者は“semi-processed goods”、後者は“work in process”。これらはどのような違いがあるのでしょうか?
 財務諸表等規則ガイドラインによれば、「半製品」とは「中間的製品として既に加工が終り現に貯蔵中のもので販売ができる状態のもの」とされています。これは製造工程の中間までは工程を終えて、次工程に移るまで間、一時的にストックしている状態のイメージのものです。
 一方の「仕掛品」とは、同ガイドラインによれば「製品、半製品または部分品の生産のために現に仕掛中のもの」とされています。

「販売可能な状態」のものであるかどうか
 これらの定義から、二つの棚卸資産の区分は、「販売可能なもの」であるか―交換価値を有しているか―という点にあることになります。すなわち、「半製品」はその状態でも「販売可能なもの」であるが、「仕掛品」はその状態では「販売ができないもの」(工程中のもの)ということです。
 別の言い方をすると、「半製品」は倉庫等で現物が確認できる(引渡し等が可能である)が、「仕掛品」はそうではない―ということになります。
 英語の“semi-processed goods”“work in process”と表現されるのも何となく判りますね。

「半成工事」「未成工事支出金」との関係
 また類似のものに「半成工事」というものがあります。これは「仕掛品」と同義のもので、造船業で用いられる勘定科目です。建設業の「未成工事支出金」、不動産開発・宅地造成を行うディベロッパーの「開発事業等支出金」(会社によっては「仕掛販売用不動産」など)も同様です。
 これらのものは、その状態では「販売ができないもの」ですから、低価法適用時の「正味売却価額」は、「完成品の売価−見積追加製造原価−見積追加直接経費」と、販売可能な状態の完成品からスタートして考えることになります。





H27.3.25
源与税課税は避けたいところ
親の家屋に子が増築した場合


親の家屋に子が増築した場合
 親が所有する家屋を子の資金で増築するということがよくあります。この場合、増築後の登記状況等により贈与税が課税される恐れがあります。例えば、父が所有する木造平屋の家屋(時価1,000万円)に、子が家屋の時価と同額の1,000万円をかけて2階部分を増築したとしましょう。

民法における『付合』の考え方
 この場合、民法における『付合』の考え方を理解する必要があります。『付合』とは、別個のものがくっついて一つになるイメージになります。不動産の場合、『不動産の所有者は不動産に従として付合した物の所有権を取得する』(民242)とされています。
 この例では、父所有の家屋(主)に対して、増築部分が『付合』した物(従)とされれば、増築部分も父が所有権を有することになります。
 一般には増築部分が@事実上、分離復旧させることが不可能で、A2階部分だけ独立して取引できるような状態でなければ、『付合』したものと見られます(なお、増築部分が区分所有権の対象となるものについては、『付合』は生じません)。

『持分変更』で高率の贈与税課税を避ける
 今回の増築部分が区分建物として独立性がない場合、一般的には『付合』が成立し、増築部分の金銭負担者(子)と取得財産の名義(父)が異なることになります。そのため、子から父に対して1,000万円の贈与があったものして、父に高率の贈与税が課されます。もっとも、負担分=持分とする形(本事例では1/2)で登記することで、利益の移行がなかったものとして、贈与税課税を回避することができます。
 国税庁HPの質疑応答事例では、@旧家屋の持分2分の1を父から子に時価で譲渡し(本事例では1,000万円×1/2=500万円)、Aその譲渡代金は、子が支出した増築費用のうち父の負担すべき部分の金額 (本事例では1,000万円×1/2=500万円)と相殺することで、贈与税の課税関係は生じないとする例を示しています。このように高率の贈与税課税を避けることはできますが、@の持分異動分については、父の譲渡所得を認識しなければなりません(この譲渡は親子間譲渡のため、居住用財産譲渡の特例等は適用できません)。同様のケースならば、登記及び譲渡の税負担を事前にシミュレーションしておくことをお勧め致します。






H27.3.24
源泉徴収業務は益々大変


親平成27年度の税制改正
 あまり注目されませんが、「国外に居住する親族の扶養控除の適正化」があります。
国外扶養親族21人もの扶養控除の適用を受けていた事例があり、本当に扶養しているのか疑義のあるケースが散見されるため、扶養控除の適正化の為に、平成28年分以降の所得税から適用しようと言うものです。
 その内容は以下の通りです。
 国外に居住する親族に係る扶養控除を受けようとする者は、以下の書類の添付又は提示を義務付けるものです。
@ 親族であることが確認できる書類(例:戸籍の附票の写し、出生証明書等)
A 納税者が親族の生活費等に充てるための支払いを行ったことを確認できる書類(例:送金依頼書、クレジットカード利用明細書等)

誰が責任を取るのか?
 一見もっともな改正ですが、上記@Aの書類を誰が確認し、保存するのかが問題です。納税者が自ら確定申告をしている場合は、自己責任ですからよいのですが、納税者が給与所得で源泉徴収されている場合、その責任は源泉徴収義務者である企業にあります。

外国人労働者への対応
 外国人労働者は、日本に出稼ぎに来ているわけですから、その目的からして母国に扶養親族を残しているわけで、多くの外国人労働者に扶養親族がおります。
従来は、扶養控除申請書に自主申告してもらっており、その真偽の確認は行いませんでしたが、今後はその扶養親族の真偽を確かめるために、先の@Aの書類の提出を求め、提出がない場合は、扶養控除をせずに源泉徴収することとなります。
 @Aの書類の提出がないまま扶養親族として源泉徴収していて、その後の税務調査で書類の不備が見つかった場合、源泉徴収義務は企業にありますから、追徴税額は企業が納付することになります。
 税務調査時に既に当人が帰国してしまっていれば、負担した税金を徴収することはまず無理です。





H27.3.23
棚卸資産の評価方法 低価法の適用漏れがあったら?

「低価法」の網羅性の要求度はどこまで?
 棚卸資産の低価法を適用した会社―特にその種類が多い会社―は「低価法の適用漏れがあったらどうなるのか?」と心配になることがあるかもしれません。

 確かに、期末に存在する棚卸資産のすべてについて調査を行い、網羅性を確保するには多大な労力を要し、全購入品について低価の事実の発生の有無を判定することは事実上不可能といってもよいでしょう。

 会計においては、会計方針として棚卸資産の評価基準に低価法を選択した場合に、「つまみ食い」的に低価法が適用されれば、「利益操作」につながるものと理解されています。金額的に重要性が低いものならば、さほど問題とされない場合もあると思いますが、「恣意的な運用をしていない」という環境を確保する意味で、ルール作りやマニュアルの継続的・安定的な運用を図りたいものです。
税務上全額が否認されないか?

 一方、税務上の心配ごとは、「棚卸資産の一部に低価法の適用漏れがあった場合には、適用全体が否認されてしまうことはないのか?」ということだと思います。
 実はこれについて、法人税においては法令にも、通達にも触れたものは何もありません。
 一般には「低価法の適用全体が否認されることはない」と理解されています。
 つまり、棚卸資産の一部について低価法の適用漏れがあったとしても、法人の所得金額と納税額が増えるだけです。法人が単に権利を放棄したというだけであって、法人が任意に評価損の損金算入を行わなかったものとして取り扱われるだけの問題となります。

申告時の減算調整はできるのか?
 ここで法人税法における低価法については、特定の事実が生じた場合の評価減(会計上の強制評価減)と異なり、損金経理を要求していません。従って、会計で取り込まなかった低価法の評価損があった場合に、この洩れがあった評価損相当額を法人がその申告時に減算調整することは許容されているものと解されています(税務調査による減額更正は難しいでしょう)。





H27.3.20
新入社員研修の進め方

新入社員教育は何を行うか
 平成27年度入社の新規学卒採用数はかなり伸びており、中小企業でも4月に学卒者を採るところも増えています。
 新入社員教育は学生気分を払拭させ、社会人としての自覚を芽生えさせます。研修を通して次第に企業人として成長して行くスタートとも言えます。普通、新人研修は集合教育の形をとる事が多いのですが、社会人としての最低限必要な事項や職場に共通する事項等を学びます。中小企業等では例えば商工会議所や研修会社の研修を他の企業と共に受ける場合もあると思います。集合研修は数日から週単位の事が多いです。

社内研修と社外研修
 企業内で講師を用意するOJT方式、企業外で実施するOFF・JT方式を使い分けます。  社内では実施しにくい事項は外部講師を招く等もありますが、自社の重視すべき基本事項や重要な事項は各々の会社で違うので内部で行う事が大事です。

自社研修のテーマの例
 新入社員教育には色々なテーマが考えられます。自社の考えや必要性に応じて取り組みましょう。例を挙げると
@会社生活の基本
・就業のルール、出退勤や休憩、休暇
・人事制度 福利厚生
A会社の仕組み・知識
・経営理念 会社の沿革 社会貢献
・取引の仕組み・顧客と取引先
・主力商品やお金の流れ
・利益とコスト
・ビジョン・中期計画・組織部門と役割
B仕事の進め方、指示、報告連絡相談
・仕事の手順・計画・サイクル・優先順位
・ビジネス基本用語
Cビジネス文書 伝票、報告書、PC研修、
OA機器とソフトウエアの取り扱い等
Dビジネスマナー、社会人としての意識付
E現場作業の職場では具体的な実地訓練
 他にも自社として身につけてほしい事は色々あると思います。短期間の間に全部は行えないとしても計画的に実施して行くことでスキルアップが期待できるでしょう。
 会社の目標達成を目指して行う研修は新人に限らず訓練や能力開発を視野に入れて行うものとなります。






H27.3.19
採用時の誓約書と身元保証書


 4月は新年度の始まり、新入社員が入ってくる企業も多い事でしょう。採用時に提出させる書類として誓約書や身元保証書を求める会社もありますが、注意をする点について見てみましょう。

誓約書
 誓約書は就業規則やその他の規則を守り上司の指示命令に従い真面目に働く事を誓って約束をする文書です。署名や捺印をするので新入社員の精神的な会社への帰属意識を持たせ拘束を強める役割を果たします。
 誓約書の中身は一般的に次のような事柄が取り上げられます。
1、就業規則や社内規則を遵守する。
2、同僚や上司との協力、職場秩序の遵守
3、配転や人事異動の命令は従う
4、会社の体面を汚すような行為はしない
5、業務上知り得た秘密の漏えい禁止
 上記のようなものが多いのですが会社独自の内容があってもかまいません。
 但し法的効力は強くありません。ただ約束事ですので書面を提出させ、守らせることが目的であり必要書類と言えるでしょう。

身元保証書
 身元保証書は使用者と保証人の間で取り交わす契約書です。身元保証書には入社する人が社員としてふさわしい人物であることを保証する側面と、その社員が会社に対し損害を発生させた場合には損害を補てんすると言う金銭面があります。社員の行為で会社が損害を受けて本人には返済できない時に保証人が代わって賠償するものです。

保証期間はどうか
 身元保証契約の期間は最長5年です。期間の定めが無い時は3年とされています。更新する場合は最長5年ですが普通、高額な金品を扱う仕事でもなければ真面目に働いてきた人に更新はしないでしょう。
 万一本人の業務上不適切で損害が発生したりして保証人責任が生ずる恐れがある時は、使用者はすぐに事実を保証人に報告しておかなければなりません。保証人に責任を追及する場合でも使用者の監督責任が問われます。また、その場合保証人は身元保証契約を解除する権利もあります。100%保証は難しいと言えるかもしれません。書面は本人が保証人に迷惑をかけてはならないと言う抑止力が働く意味では提出させる意義があると言えるでしょう。





H27.3.18
H28.1.1以後の譲渡から適用
上場株と非上場株の損益通算不可

H25改正 株式譲渡損益通算ルールの変更
 平成28年から「金融所得一体課税」が導入され、株式の譲渡損益の通算ルールが変わります。今年のうちは上場株式の譲渡でも非上場株式の譲渡でも同じ「株式等に係る譲渡所得」(分離課税)に変わりがありませんので、同一所得内で損益として通算が可能です。ただ年明け後は「上場株式等(上場株式+特定公社債)に係る譲渡所得」と「非上場株式等(非上場株式+一般公社債)に係る譲渡所得」に建付けが変わることになります。
 従ってH28.1.1以後の譲渡については、上場株式と非上場株式の譲渡損益を通算することはできません。株価低迷期の事業承継策で行われていた「非上場の自社株譲渡で生じた益を上場株の譲渡損とぶつける」などのプランは実行できなくなります。

非上場株譲渡の「損出し」は要注意!
 この新法適用までは1年間の時間がありますので、当年中に上場株式を譲渡して、そこで生じた益をできるだけ非上場株の譲渡で生じた損で相殺しよう―と考える方もいるかもしれません。
 ここで気をつけたいのは、非上場株式譲渡の税法の取扱いです。「時価」取引でない場合、課税トラブルを招くことがあり、特に譲渡損が生じるときには注意が必要です。
(1)個人株主から個人へ低額譲渡
 個人株主が時価の1/2以下で譲渡した場合には「譲渡損はなかったもの」とみなされます。この場合「上場株式の譲渡益と非上場株式の譲渡損を通算する」というプランは成立しません。買手個人側も「著しく低額」な譲り受けは贈与税が課税されます。
(2)個人株主から法人への低額譲渡
 個人株主が法人へ低額譲渡した場合には、時価で譲渡したものとみなして課税されます(「みなし譲渡」)。また、買手法人側も受贈益課税を受けます(自己株式等を除く)。

「時価」課税トラブルを避けるには
 この非上場株式の「時価」の算定については、所得税・法人税・相続税の各通達規定が絡んだ専門的な知識が必要となります。非上場株式の取引をお考えの際には、事前に税理士に御相談下さい。





H27.3.17
若者雇用対策法案のポイント


若者が働き易い労働環境の整備を目指して
 先頃、政府が進めている「若者雇用対策法案」の要旨が発表され通常国会に法案が提出されました。
 同法案は、一定の労働環境基準を満たす企業の認定制度を創設する事や労働関連法で重大な違反があった企業にはハローワークでの求人を受け付けない等が柱であり、平成27年度内の施行を目指しています。
 若者の就業状況は採用については今春大卒予定の内定率は80.3%、高校卒業予定の内定率84.1%と共に上昇しており、雇用状況の改善はしているものの一方で新規学卒者の3年以内の離職率は、大卒が32.4%、高卒者が39.6%となっています。

法案の概要
 すでに厚労省では一定の労務管理体制が整えられていて若者の雇用や育成について積極的な中小・中堅企業で積極的に広報等を行う企業に対し「若者応援企業宣言」事業を実施していますが、今回の法案はさらに内容を強化するものとなっています。
@若者社員の定着率や能力向上の為の研修制度を導入する等、一定の基準を満たす企業を「若者育成認定企業」(仮称)として認定する。
A労働関連法の重大な違反があった企業にはハローワークでの求人受付をしない。
Bフリーターやニートの正規雇用を推進する。
等が盛り込まれています。

「若者育成認定企業」の認定条件
@3年以内の離職率が30%以下
A年次有給休暇の取得率が70%以上、又は10日以上
B平均残業時間が月20時間以内、又は週60時間超えの人が5%以下
 このような条件全てが満たされる企業が対象で助成金も支給される予定です。
 また、新たな税制優遇措置として若者(概ね35歳未満)の採用、育成に積極的な企業で、通常の求人情報より詳細な企業情報、採用情報を公表し、上記の認定を受けた企業には取得した研修施設の建物、OA機器等の設備についての割増償却制度を創設する事も法案に盛り込まれています。





H27.3.16
厚生年金保険 
資格取得時の本人確認

社会保険資格取得時の届出・本人確認
 入社した時に厚生年金保険の資格取得届を年金事務所や健保組合経由で提出しますが、平成26年10月から厚生年金被保険者資格取得届を提出する際は本人確認の事務が一部変更されています。
 これはマイナンバー制度の導入により平成28年1月から公的年金等の社会保障分野や税分野で、マイナンバー利用が開始される事に向けた取り組みだとしています。
 マイナンバーは住民票コードを基礎にして作成され、平成27年10月以降に市区町村から住民票の住所に通知カードが送られて知らされます。

基礎年金番号の無い方は
 資格取得時に基礎年金番号を持っていない方は従来通り、運転免許証などで本人確認を行いますが、届け出る住所は住民票の住所である事が必要となりました。
 原則的には日本国内に住所がある20歳以上の人は基礎年金番号を持っています。20歳未満や外国人の方のように基礎年金番号を持っていない人、年金手帳を紛失し、番号の分からない方等は運転免許証、住民基本台帳カード(写真付)、有効期限内のパスポート、在留カード、国や地方自治体が発行した資格証明書(写真付)等で本人確認をする事になっています。さらに日本年金機構で届出のあった住所と住民票上の住所をネットワークシステムの本人確認照合で確認しています。その際本人確認できない場合は資格取得届は返却されます。

外国籍被保険者のローマ字氏名表記
 外国人の方の年金記録を適正にするため、外国籍の方の厚生年金保険資格取得届の提出をする時はローマ字表記の氏名を持つ方について、「ローマ字氏名届」も併せて提出する事になりました。
 届者には在留カード、住民票の写真に記載のあるローマ字氏名とふりがなを記入し、住民票上で漢字の氏名、通称の氏名がある方はそれも記入します。すでに被保険者である外国人の方についても「ローマ字氏名届」の受付は行なわれていますので、まだ届けていない時は届出をしておきましょう。





H27.3.13
国内国外財産調書制度

国外から国内へ
 懲役刑を含む罰則をもつ「国外財産調書」制度の施行は、現行の「財産債務明細書」に対して、必ずや強力な見直しをする方向に作用することになります。
今年の税制改正事項として、従来の「財産債務明細書」を改変し、国外国内を問わないもので、且つ「国外財産調書」と同じように運営する「財産債務調書」制度を創設する、ことが謳われています。

狙いは何か
「国外財産調書」が国外所得の捕捉もれ、相続財産の捕捉もれ、に対処することが狙いであったのに対し、新「財産債務調書」は、国内所得の捕捉もれに対処することが狙いではありません。
 当面の狙いは、相続財産の捕捉もれへの対処であるものの、その先に「富裕税」を見据えている、のです。
 富裕税は、日本でも、昭和25年から3年間実施されていましたが、フランスには今でもあります

罰則は異なる
「財産債務調書」の新制度には、税制改正大綱に書かれていないので、懲役刑を含むような罰則は設けられないようです。
 提出を義務付けられる人のプライバシーの開示を強制するに等しい、財産と債務のオープン化は、100%完璧な申告も限りなく不可能であろうし、心理的には相当な抵抗が予想されるところだから、と思われます。

罰則がなくても強制できるか
現行の「財産債務明細書」については、罰則がないため、提出義務があっても提出しない人が沢山おり、提出はするが形ばかりのことしか書いてない、というものでも、これへの問合せは皆無です。
こうなることを防ぐために、「財産債務調書」の信憑性を担保するための税務調査の制度を設ける、としています。相続財産の事前調査のようになりそうです。調査非協力には罰則があります。

課税標準・税額に影響しない修正申告
 課税標準や税額を変更するのが修正申告や更正処分です。しかし、「国外財産調書」の新制度の運用現場では、その記載事項を書き換えて提出し直すことを「修正申告」と言っています。
さすがに、「国外財産調書」の「更正処分」というのは想像しにくいところですが、相続税申告・富裕税申告と一体として考えているとすれば、わかるような気がします。





H27.3.12
外国上場株式の配当
配当所得の課税方式

個人の金融証券税制は、とても複雑になっています。その一因は、課税方式の選択の場面が多いことがあげられます。
 具体的には、上場株式等の配当等の場合は、総合課税、申告分離課税、申告不要(源泉徴収)、非課税(NISA)です。そして、「確定申告」するか、それとも、「申告不要」とするかは、1回に支払いを受ける配当ごとに選択でき、確定申告する場合は「総合課税」か「申告分離課税」かのいずれかを選択しなければならず、また、いずれを選択するかで「上場株式等の譲渡損失との損益通算ができる・できない」、「配当控除ができる・できない」が決まります。

外国上場株式の配当とその課税方式
 昨今は、海外赴任も一般的になってきています。赴任中、現地に上場されている株式を取得、その後、帰国し居住者となって、その外国上場株式からの配当を受領した場合、課税方式の選択の余地はなく、総合課税のみの適用か、といった疑問を抱く場合もあるかと思います。
 結論からいえば、当該配当の支払が国内の金融商品取引業者等を通じて実施されているかどうかにかかわらず、現地の支払代行機関からの直接の支払であっても、その配当が現地(外国)の証券取引所に上場されている株式の配当である限り、その配当所得の申告にあたっては「申告分離課税」を選択することは可能です。

確定申告不要制度の適用の可否
 外国の証券取引所に上場されている株式の配当であっても、その配当が国内の金融商品取引業者等を通じて支給されているものであれば、法律上、その配当については、源泉徴収(外国で課された源泉税があればその残額に対して)されることになっていますので、その配当は内国法人からの配当とみなされ、確定申告不要も選択することができます。
 ところで、個人の大口株主(発行済株式総数の3%以上保有)の上場株式の配当にあっては、総合課税のみが適用され、申告分離課税、申告不要制度は選択できません。
しかし、この総合課税の規定は、国内の上場株式についてのみ適用され、国内の取扱業者等を通じて支給される外国上場株式の配当については適用されません。
したがって、現地法人の大口個人株主であったとしても、また、その金額の多寡にかかわらず、確定申告を不要とすることができますので、押えておきましょう。





H27.3.11
外国上場株式等
課税方式と繰越控除

株式等の譲渡による所得は、申告分離課税、すなわち、給与所得、不動産所得、事業所得、一時所得等といったこれらの所得とは区分して株式等に係る譲渡所得等の金額を計算し税額を算出します。そして、原則として、株式等に係る譲渡所得等の計算上生じた損失の金額(株式等内の譲渡益と譲渡損を通算してもなお残る損失)があるときは、当該損失の金額は生じなかったものとみなされています。
 株式等には、国内の証券取引所に上場されている外国株式や、外国の金融商品市場において売買されている株式のほか、外国法人が発行する出資持分、新株予約権付社債、転換社債などが含まれます。

外国株式の譲渡損益
 個人(居住者)が外国株式(上場、未上場を問わず)を国内で売却する場合でも、海外市場で売却する場合でも、売却したことによる所得で円に換算した所得金額は、国内株式と同様に「株式等に係る譲渡所得等」に分類され、「申告分離課税」の方法により所得税及び住民税の対象になります。
 一方、外国株式の譲渡で多額の譲渡損が生じた場場合、当該譲渡損が未上場の株式に係るものである場合には、国内の未上場株式の譲渡損と同様、他の株式の譲渡益と通算されますが、通算後のなお当該株式に係る譲渡損が残る場合には、その損失は繰越すことができません。

譲渡損失の繰越控除
 国内の上場株式等の譲渡損失については、無条件ではありませんが、他の株式との損益通算後もその損失については繰越すことができます。
 そこで、外国の証券取引所で上場されている株式等を外国にある金融商品取引業者等に直接依頼して譲渡した場合の譲渡損について、繰越控除の適用ができかどうか、気になるところです。
 上場株式等の範囲には、外国金融商品市場において売買されている株式等も含まれていますが、上場株式等の譲渡損の繰越控除が適用できる上場株式等の譲渡は、当該譲渡が日本国内で営業する金融商品取引業者等を通じてなされたものでなければならない、とされています。
 したがって、外国上場株式等の譲渡損が繰越控除の適用対象となるためには、国内で営業する金融商品取引業者等を通じて売買をすることが不可欠です。





H27.3.10
中古資産に係る簡便法は適用不可!
相続により取得した資産の耐用年数

相続により取得した資産の耐用年数
 相続又は遺贈により資産を取得した場合には、相続人又は受遺者がその資産を引き続き所有したものとみなして、「取得費」「未償却残高(償却限度額)」「当初の取得日」及び「耐用年数」を引き継ぐものとされる一方で、「減価償却の方法」は引き継がれず、その相続人・受遺者ごとに選択することとされています。
 これに関連して、大阪高裁で、相続により取得した賃貸マンションに、中古資産に係る「簡便法」を用いた耐用年数を適用できるか否かが争われていた事件の判決が、平成26年10月に下りました。

中古資産の耐用年数は適用不可!
 結論としては「被相続人の耐用年数を用いなさい」、すなわち、中古資産の耐用年数は適用できない―という判断でした。
 中古資産を取得して事業の用に供した場合の耐用年数は、法定耐用年数ではなく、その事業の用に供した時以後の使用可能期間として見積もられる年数によることができます。この場合に、使用可能期間の見積もりが困難であるときは、次の簡便法よる耐用年数を用いることも認められています。
【中古資産の耐用年数(簡便法)】
(1) 法定耐用年数の全部を経過した資産
その法定耐用年数の20%に相当する年数
(2) 法定耐用年数の一部を経過した資産
その法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に経過年数の20%に相当する年数を加えた年数
 このケースでは、被相続人が47年の法定耐用年数で賃貸マンションの減価償却を行っていたところ、相続人は相続によりこの財産を取得し、上記の「簡便法」による耐用年数を用いて計算していました。

「取得費」と「償却期間」は切り離せない
 この判決の理由の一つに「減価償却の趣旨」が挙げられています。
減価償却は「取得費」を費用収益対応原則に基づき、予定された「償却期間」に配分する会計技術です。したがって、「取得費」と「償却期間」は切り離して考えることはできず、前所有者(被相続人)の取得費は相続人に引き継がれるが、耐用年数は引き継がれないということは、その趣旨にそぐわないということなのです。中古資産の耐用年数は、当初取得時にのみ、その選択の判断ができるということのようです。





H27.3.9
農業所得の収入金額の計上時期
農作物の収穫基準とは

農業所得の収入金額の計上時期
 所得税では棚卸資産の収入は「販売した時」に計上することが原則ですが、農業を営む方の場合には、いわゆる「収穫基準」により収入金額を計上することとなります。
「収穫基準」とは、農作物を収穫した場合に、その収穫した時における農作物の価額(収穫価額)を、その収穫の日の属する年分の収入金額に計上するルールです。
 この「収穫基準」が適用される農作物の範囲は次のとおりです。
@米、麦、その他の穀物、馬鈴薯、甘しょ、たばこ、野菜、花、種苗その他のほ場作物
A果物、樹園の生産物
B温室・ビニールハウス等の特殊施設を用いて生産する園芸作物

実際には同額の仕入金額が計上されます
 ここでいう「収穫価額」とは「収穫時における生産者販売価額(庭先価額)」のことをいいます。この「収穫金額」を収穫時に収入計上しますが、それと同時に「収穫価額」により取得したものとみなすこととされていますので、同額の仕入金額を計上することとなります。例えば収穫高を1,000万円、年始・年末の在庫を各100万円、販売高を1,200万円とすると、
@総収入金額 収穫高1,000万円+販売高1,200万円=2,200万円
A原価 年始在庫100万円+収穫高1,000万円−年始在庫100万円=1,000万円
となります。
原則的にはこれらの数値の把握のために「農産物受払帳」で米・麦など農作物の種類ごとに収穫時・販売時の数量・金額を「販売用」「事業用」「家事用」に区分して記録・整理します。

「収穫基準」を簡略化できる農作物
 これを見ると「販売高だけを収入計上しても一緒ではないか…」と思う方もいらっしゃるかもしれません。そのため、青色申告者については、米麦等以外の「野菜等の生鮮な農作物」「その他の農作物」の収穫時の記帳は行わず、販売時の数量・単価・金額を記帳するのみで構わないという特例が設けられています。なお、この「生鮮な農作物」は収穫時から消費までの期間が比較的短いものに限定されますので、果実のうち、みかん・りんご・栗やいも類などはこれに当てはまらないこととされています。





H27.3.6
シルバー人材センターの報酬・諸謝金も対象!
家内労働者等の必要経費の特例

家内労働者等の必要経費の特例
 所得税の事業所得や雑所得の計算では、総収入金額から必要経費を差し引いて所得を算定することとなっています。
この必要経費は、原則的には、その年に債務が確定した金額を計上することとなっていますが、特例として、「家内労働者の必要経費の特例」という制度があります。
この制度では、その年の必要経費が少ない方でも65万円までは必要経費として認められています。

家内労働者とは?
「家内労働者」とは、いわゆる「内職」や「在宅ワーク」のイメージの方です。
自宅を作業場として、メーカーや問屋などの委託者から、部品や原材料の提供を受けて、一人または同居の親族とともに、物品の製造や加工などを行い、その労働に対して工賃を受け取る人をいいます。
 厚生労働省のホームページによると、家内労働者の数は、全国で約13万人(平成23年現在)おり、そのうち女性が90.1%を占めます。業種別にみると、「繊維工業」に従事する方が30.2%、「その他(雑貨等)」が20.7%となっているそうです。
このような方は、一般的には必要経費があまりかからないようですね。

案外広い適用対象者の範囲
 この他にも外交員・集金人の方のほか、「特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人」がこの制度の適用対象となります。「特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人」の例として、乳酸菌飲料の訪問販売員の方や、シルバー人材センターの業務に従事する方が挙げられますが、そういえば「特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行っているな…」という方は案外いらっしゃるのではないでしょうか。

特例を受けるための手続き
 この特例を受ける場合には、@適用を受けた金額を青色決算書の「青色申告特別控除前の金額の所得金額」と申告書B第一表の「所得金額」前に〇で囲んだ「特」と記入、A申告書B第二表の特例適用条文欄に「措法27」と記入の上、「家内労働者等の事業所得者の所得計算の特例を受ける場合の必要経費額の計算書」を添付した確定申告書を提出します。





H27.3.5
小規模企業共済・中退共の利用も
青色事業専従者に対する退職金

青色事業専従者に対する退職金
 個人事業者の所得の金額の計算上、青色事業専従者に対する退職金の必要経費算入は認められておりません。
 所得税法では、専従者が受ける給与は給与所得の収入金額とするものとされています。したがって、退職所得の収入金額とされるものは、専従者給与とすることを予定されていないと解されています。

専従者が利用できる共済制度
 ただし、直接退職金を支払うことができなくとも、小規模企業共済や中小企業退職金共済(中退共)を利用することが考えられます。
 実はどちらの共済制度も、従来は個人事業者の専従者の加入が認められていなかったものですが、平成23年より加入ができることとなりました。
この場合、小規模企業共済では専従者を「共同経営者」として、中小企業退職金共済では、専従者を「従業員」として加入することになります。
そのため、青色専従者の場合は、「共同経営者」か「従業員」かのステイタスを選択せざるを得ないため、重複して加入することはできないこととなります。

小規模企業共済制度を利用する場合
 小規模企業共済に加入する場合、青色事業専従者は「共同経営者」として自己が契約する形になります。したがって、その掛金は青色事業専従者の所得控除(小規模企業共済等掛金控除)を適用して、専従者の所得税額などを減らす形となります。

中小企業退職金共済制度を利用する場合
 一方、「従業員」の立場で加入する中小企業退職金共済の掛金は、専従者給与を支払う個人事業者の事業所得などの所得の金額の計算上、必要経費に算入することになります。
 退職金を直接支払う場合には、必要経費算入が認められていないのに、中退共の掛金が必要経費となることに疑問がないわけではないですが、他の従業員がいる場合に、すべての「従業員」が加入(普遍加入)して平等に取り扱われ、「従業員」性が担保されていることが前提となります。
 どちらの制度も受取時には、一時金の場合には、退職所得(任意解約の場合は一時所得)、年金の場合には、雑所得とされます。





H27.3.4
退職後の傷病手当金と失業給付


傷病が再発した時、傷病手当金は?
 傷病で休職していた人が職場復帰した後に再発し、その後退職する事となった場合、休業中に傷病手当金を受給していた時は再発したのが支給期間内であれば手当金を受給出来ます。傷病手当金の支給期間は支給開始日から1年6ヶ月です。その間で残りの期間の分が支給対象期間となります。

退職後の傷病手当金は?
退職する時に傷病手当金を受けていた人は資格喪失日までに継続して1年以上被保険者期間があれば、支給対象期間までは引き続き傷病手当金を受給できます。但し、継続給付となりますので、継続して受給しない時は対象から外れます。資格喪失時に傷病手当金を受給中で退職後も継続して受給していた人が途中で傷病が回復して、就労可能状態になり、一旦傷病手当金受給を中止するとそこで終了となります。再び傷病が悪化しても資格喪失後の傷病手当金は受給できません。

傷病による退職後の失業給付は?
 雇用保険の失業等給付は、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力がある人が失業状態であれば受給できます。ですから傷病状態ですぐには就業できない時は失業状態とは言えません。本人に働く意思があり、医師が働ける状態と診断している場合には失業等給付が受給できるでしょう。

傷病手当金と失業給付の併給は無い
 傷病手当金は労務不能状態であるから受給できる手当であり、失業等給付は働く事が出来る状態で失業中に支給されるものであるので両者の手当の目的は相反するものです。
 もし、傷病が治り、求職活動をしている時、失業等給付を受給中に傷病が再発して働けない状態となった場合には、失業等給付の受給期間は就職した日の翌日から起算して原則1年ですから、そこで給付が終了してしまいます。しかし傷病等の理由の場合、引き続き30日以上働けない状態となった時には受給期間の延長を申し込む事が出来ます。1年の期間にプラス最大3年まで延長可能です。





H27.3.3
国税庁の「申告所得税標本調査」
青色事業専従者給与の支給状況

青色専従者を有する事業所得者は48%
 国税庁が公表している統計(平成24年分申告所得税標本調査)によると、青色申告を行っている事業所得者のうち48%、不動産所得者のうち13%の方が、青色事業専従者給与を支払っているそうです。
(人) 青色 青専従有 割合
事業 91.0万 43.8万 48%
不動産 67.4万 8.8万 13%
 この統計では、「事業者の合計所得階級別」に「専従者数」と「専従者給与額」も公表していますので、「専従者給与額」を「専従者数」で割れば、各所得階層の1人当たりの平均額が求められます。

青色専従者給与(事業)の平均は約215万
事業所得者が支払う青色事業専従者給与の1人当たりの平均額は約215万円、不動産所得者は約179万円となっています(全所得階層)。
ただ、内容を見てみると、事業所得者の支払う専従者給与の1人当たりの支給額はこの事業者の所得階層に応じて「ピンからキリまで」ということがわかります。
例えば合計所得階層の最下位の区分である「合計所得70万円」の方の1人当たりの専従者給与支給額は約121万であるのに対し、「合計所得が3,000万円超5,000万円以下」の階層では約704万円となっています。
統計表の中には「合計所得20億円超50億円以下」の方が1人いらっしゃって、専従者1人に対して3,600万円の支払いがあることが記されています。
青色事業専従者給与として支払うとなると「労務の性質」「提供の程度」「類似同業者の平均支給額」なども考慮しなければなりませんので、この方が一体どのような職務に携わっているのか気になるところです。

不動産所得者は「事業的規模」に限定
 一方、不動産所得者については、もともと「事業的規模」(5棟10室基準)をクリアしなければ、青色事業専従者給与を必要経費とすることは認められていません。
そのため、不動産業の青色専従者給与の支給割合も13%と低いわけです。
 1人当たりの支払額も110万〜474万円の範囲といったところになっています。
 一般的には不動産業の専従者としては、事務職に携わる方が主でしょうから、金額判断としては頷けるところです。





H27.3.2
評価の公正性・納得性

 人事評価は、目標管理の導入、普及前から、業績・能力・意慾(または情意)の三つの評価項目について行なわれてきました。
 業績評価の手法として目標管理制度が活用されるようになり、能力・意慾の評価もこれと不可分な関係を持つようになっています。わが国では人事評価の公正性・納得性について、被評価者・評価者・人事部門が大変ナーバスな取り組みをしており、これも日本企業の特徴と言えましょう。

公正性・納得性の確保
三つの評価項目について、公正性・納得性を確保するポイントは以下の通りです。
評価項目 公正性・納得性を確保するポイント
1.
業績評価
・目標管理制度に基づいて目標達成度評価基準を上司と部下で共有すること。特に数値目標として設定できない評価基準については、現状と目標達成時の状態変化を具体的に表現し、合意しておくことが重要
・結果業績につながったプロセス業績を評価するか否か合意形成
2.
能力評価
保有能力ではなく、事実として発揮した能力を捉えて評価すること、プロセス業績評価を取り入れている場合は混同しないよう、発揮能力面から評価するよう注意
3.
意慾評価
「意慾」そのものは目に見えないものであり、「意欲を示した行動事実」
を捉えて評価すること

評価者はこれらの評価が「人物評価」ではなく、「業績・行動事実の評価」であることを意識し、注意して実施しなければなりません。特に「能力発揮」があっても「意慾ある行動に欠けた」と言うこともありますから、評価項目別の評価を的確に行なう必要があります。

経営者・管理者の留意点
 通常1次評価は「絶対評価」を行ない、2次評価・最終評価は、賃金の原資管理上、相対評価とする企業が一般的ですから、「戦略目標達成貢献度・部署目標達成貢献度について貢献内容・優先順位を付けた複数基準」として相対考課基準を明確化し、評価者間で共有するとともに予め公開・周知しておくと公正性が確保でき、評価フィードバックの際の納得性確保にもつながります。