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H27.4.30
ふるさと納税はいくらまでできる?


住民税所得割額の2割と言われている
 ふるさと納税制度は納税者が、住んでいる場所以外の自治体に寄付し、寄附金控除として後に税金を軽減するという制度です。
 お住まいの自治体の税額をすべて寄附できたら、お住まいの自治体の税額が無くなってしまいますので、上限が定められています。大まかな目安は「今年の所得で計算される住民税所得割額の2割」と言われています。

実際に計算してみると……?
 総務省・自治体・ふるさと納税ポータルサイト等で配布しているエクセルシートや簡易計算プログラムを用いてみると、住民税所得割額の2割を超えて上限金額が算出されてきます。これはふるさと納税の自己負担が最少になる控除上限額計算が以下となるからです。
住民税所得割額×20%÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円

お金持ちほどできる割合が増える
 所得税率が5%(課税所得金額が195万円以下)の人は自己負担が2,000円で済む寄付金額が「住民税所得割額×23.558%+2,000円」であるのに対して、所得税率45%(課税所得金額が4,000万円以上)の人は「住民税所得割額×45.397%+2,000円」となります。所得の大きい人ほど、大まかな目安である住民税所得割額の2割から、大きく乖離します。

算出の際にはご注意を!
 今年のふるさと納税の自己負担が2,000円で済む寄附の上限を計算する場合は、「今年の収入・所得・控除」で計算される住民税所得割額が必要です。
 つまり今、お手元にある源泉徴収票・確定申告書(控)ですと去年の上限が算出されてしまいます。特に転職・退職(退職金は計算には通常含まれません)した方や、不動産所得・事業所得のある方(収入−経費で所得を出すため)は、年によっての差が大きい場合があるため、注意が必要です。
 サラリーマンの方に多い変化は、医療費控除やお子様が16歳以上になり、扶養控除が新たに発生するといったところです。年の途中ですと正確な数字は得られません。各団体のシミュレーションを上手に使ってふるさと納税の控除上限金額の予測を立てましょう。






H27.4.28
目標達成プロセスの設計

目標管理シートは、主に目標と達成基準を設定、記述するために使われ、多くの場合、目標達成プロセスは記述されません。
 しかし、目標設定に当って達成プロセスが設計されていないと、達成阻害要因が生じたときに、プロセスのどこまで戻って対処すべきか、などの判断が難しく、混線状態に陥りがちになります。

目標達成プロセス設計法
 達成プロセスが設計されていない場合、一般には次の二つの方法のどちらかで設計します。
 @ ブレークダウン法
目標達成基準と現状との差を記述し、その差を埋める具体的な行動にブレークダウンして順序付け、プロセス化する。
ブレークダウンを行なう方法は、現状から達成基準に到達するために必要な行動をリストアップする「前進法」と、達成基準から現状へ向かって必要な具体的行動をリストアップする「後進法」があるが、どとらも「すぐに着手できる具体性を持った行動」へブレークダウンすることが重要。
 A 行動先行法
目標に向かって、気付いたことから行動し、動きながら考え、達成プロセスを見つけだす。
 @とAのどちらを選ぶかは、好みの問題
ですが、Aの方法では、無駄や混乱が起こりやすい点に注意が必要です。

重要な目標達成プロセスの場合
 戦略目標の達成など、重要な目標達成プロセスの場合は、その目標設定の元にある「目標達成企画」が的確に構築され、企画のニーズ・現状の保有知識・技術・自社の強み・弱みなどの分析、コンセプト、成功要因の分析と獲得するための行動、ハードルとなる要因の分析と対処するための行動がブレークダウンされ、プロセスとして設計されている必要があります。
 すなわち、基本的に企画そのものの出来具合がプロセス設計に影響します。

経営者の留意点
 過去の目標未達要因を掘り下げて、目標達成プロセスの設計に問題があると判断した場合は、上記の方法を指導するなどの対策が必要です。






H27.4.27

最近話題のふるさと納税

ふるさと納税をしている人が増えている
 ふるさと納税制度は納税者が、住んでいる場所以外の自治体に寄付し、寄附金控除として後に税金を軽減する、つまり住んでいる場所の他に納税できるという制度です。
 各自治体が「寄附のお礼」として、地元の特産品を提供し、「寄附したお金は税金を払った扱いになる上、物が貰える」という事で、あまり節税対策等に縁が無かったサラリーマンを中心に、お得な制度として近年脚光を浴びています。
 平成20年に寄附した人(確定申告者ベースで換算)が約3万人だったのに対し、平成25年に寄附した人は4倍強の約13万人となりました。寄附の総額を比較してみると、2倍止まりとなっている事から、控除可能額は個人の税額に比例するため、裾野が広がり、寄附している所得層が拡大しているように感じられます。

税制改正でさらに利用増加か
 寄附者の増加は、今年の税制改正でさらに勢いがつきそうです。住民税寄附金税額控除の特例分が、旧来は住民税所得割額の1割が上限でしたが、2割へと引き上げられました。
 今まで少額しか控除されなかった方、たとえば年金暮らしのお年寄りの方でも、寄附をして、お礼の品が貰えるようになりました。

自治体も工夫をしている
 魅力ある「お礼の品」もさることながら、目的別の寄附を募る自治体も増えています。
 美術館の新設や、桜の保護、犬の殺処分をゼロにする、商店街のにぎわいを取り戻す、ハンドボール中学選手権の存続、難病治療研究等、ふるさと納税の寄附によって、地元NPO法人や各団体とタッグを組み、魅力ある街づくり、社会的意義の高い寄附を目指しています。
 もちろん、地場産業を支えるお礼の品の提供も、立派な地域振興ですが、自治体が国民に取り組みをアピールするという、総務省が掲げるふるさと納税の意義を鑑みると、自治体にはクラウドファンディング型の寄附プロジェクトを、もっと考えて、増やして欲しいところです。





H27.4.24
所得処分説?所得波動説?
法人税はなぜ損金不算入?

 H27税制改正〜法人実効税率引下げへ
 平成27年度の法人税の税制改革では、法人税率について大きな改正がありました。
 法人実効税率を数年かけて20%台に引き下げることを念頭に、改正前の34.62%から平成27年度に32.11%、平成28年度31.33%とするものです
 ただし、「税率引下げ」の改正には、「課税ベースの拡大」が付き物です。税源を確保するという意味合いですね。
 特に今回の改正では、欠損金の繰越控除限度額が控除前所得金額の80/100から段階的に50/100と引き下げられます(繰越期間は10年に延長)。経営基盤の弱い中小企業については現行の控除限度額のままとされますが、大法人のタックス・プラン二ングには大きな影響を与えるものです。
 とはいえ、「国際競争力をつける」「成長志向に重点」という政策の中で、「大法人20%台」となる現実味を帯びてきました。

法人税はなぜ「損金不算入」なのか?
 この「法人税」ですが、会計上は「費用」とされますが、税務上は「損金」とされません。いわゆる「損金不算入」とされる項目です。
 法人税が損金不算入とされる理由としては大きく二つの説があります。「所得処分説(利益処分説)」と「所得波動説」です。
@所得処分説(利益処分説)
 法人税・住民税はもともと所得のうちから納付することが予定されており「利益処分的なもの」と解されるため。
A所得波動説
 法人税・住民税を損金算入すると、所得金額が減少し、循環的には波動が生じる。これでは所得の変動以上に税収が年度により変動し、租税政策上好ましくないため。

昔は「損金算入」の時代もありました
 とはいえ、日本でも昭和15年までは法人の所得課税上、損金算入とされていました(法人税の前身の第一種所得税)。
 この第一種所得税ができた頃は税収に対する貢献度も低かったためか、比較的大らかに取り扱われたようでしたが、次第に「費用説」に対する異論が出始めます。その後戦争の時代になると、戦費確保の時代要請もあり、新設された「法人税法」では「損金不算入」とされました。「課税ベースの拡大」という意味では、当時でも大きなインパクトがあったものと思われます。





H27.4.23
改正入管法と新たなビザの登場



「技術・人文知識・国際業務」の登場
 平成26年6月に、外国人の方の滞在を管理する法律、「出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)」が改正され、今年から少しずつ新たな制度が施行されています。
 中でも、外国人従業員を雇用する企業の皆様に注目していただきたいのが、4月から新設された「技術・人文知識・国際業務」という在留資格(通称「ビザ」)。このビザは以前からある「技術ビザ」と「人文知識・国際業務ビザ」が一本化される形で新設されました。なぜこのような統合が図られたのでしょうか。

複合的な活動がしにくかった従来のビザ
 ビザは外国人が日本で適法に滞在するために付与されている資格で、その方の滞在目的によりいくつかの種類に分かれています。就労を目的として滞在する多くの方が持っていたビザが、「技術」と「人文知識・国際業務」でした。前者はエンジニアなど、主に理系知識を活かした職種に就く場合、後者は語学教師や通訳翻訳など、その他文系知識を活かした職種が想定され、その業務で必要とされる知識が理系か文系かによって区分されたビザの、どちらを選択するか検討しなければなりませんでした。
 しかしながら、文系の学生をシステムエンジニアとして採用するケースがあるように、文系だからこの仕事、理系だからこの仕事というように明確に区別ができなくなっているのが実際であり、大学等で学ぶ内容もより複合的になってきています。一口に業務内容を「WEBサイトの作成」といっても、プログラミング的な側面に着目すれば理系、デザイナー的な側面に着目すれば文系の知識を活かすことになり、 これらを二つのビザに単に理系文系と割り振ることは現実的でなく、優秀な人材を硬直化した枠組みの中で配置しなければならないといった弊害が指摘されていました。

外国人従業員の人員配置がもっと柔軟に
 今回の改正では、この二つのビザを一本化することで、外国人の方々がより複合的な業務に携わることを可能にし、活動範囲を広げることが狙いです。これまで転職者の受け入れや人事異動を行った際には、場合によってビザの変更を行わなくてはならないこともありましたが、今後はこうした必要がなくなるケースも増え、より柔軟な人員配置ができる可能性に期待が持てそうです。





H27.4.22
組織再編税制
適格要件が設けられている理由

適格要件は何故設けられているのか?
 現行の法人税法では、6種の組織再編成(合併・分割・現物出資・現物分配・株式交換・株式移転)について、その再編成に係る資産の移転損益の『課税の繰延』を認める『適格組織再編成』を規定しています。
 この『組織再編税制』には、2つの基準と7つの適格要件が設定されています。
2つの基準
@企業グループ内の組織再編成
(100%グループ内)
(50%超グループ内)
A共同事業を営むための組織再編成
7つの適格要件
イ株式継続保有要件
ロ資産負債引継要件
ハ従業員引継要件
二事業引継要件
ホ事業関連性要件
ヘ事業規模要件
ト特定役員引継要件
 この2基準は『判定の入口』と呼べるもので、再編当事者の資本関係に着目した区分です。この『入口』から入って、@の再編はイ〜二、Aの再編はイ〜トの要件を満たせば『適格組織再編成』として再編時の課税負担を避けることができます。それでは、何故これら7要件を満たすことが、『課税の繰延』に結びつくのでしょうか。それはH12の政府税調資料の『基本的な考え方』に一端が示されています。

『経済的実態が変更ない』という実質主義
 この政府税調資料では『法人の課税』と『株主の課税』に分けて説明しています。
『法人の課税』については組織再編の前後で『経済的な実態に変更がない』場合には、『課税関係を継続させるのが適当』であるとしています。『株主の課税』についても、『株主の投資が継続している』のならば、課税を繰延べるとの考え方が示されています。どちらも『経済的な実態に変更がない』という理由で課税をしていないのです(実質主義)。この法人・株主の『継続性』を個別に落とし込んだものが『適格要件』であり、組織再編成の税負担を減らすという租税措置ではないようです。

日本の組織再編税制の特徴
 九大の渡辺徹也教授は、日本の組織再編成の上のような『建てつけ』が米国税制を参考に作られていることを指摘しながら、@日本の再編税制は米に比して株主段階の『投資の継続性』(イのみ)が重視されていない、A従業員引継要件は日本独自のものであるなどの指摘を行っています。





H27.4.21
最近新聞でよく見る「ADB」
アジア開発銀行債と確定申告

日本はAIIBの創立メンバーには不参加
 日本は中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に創立メンバーへの参加申請(期限:平成27年3月末)を行いませんでした。参加をしない理由については、「ガバナンスが不明瞭である」「米国が参加していない」のほか、「日米はアジア開発銀行(ADB)で主導的な役割にあり、既に投資を行っているから」などが報道されています。

アジア開発銀行(ADB)とは
 では、ADBとはどのような銀行なのでしょうか。ADBは、アジア・太平洋地域の経済開発促進を目的とした投融資を行う地域開発銀行で1966年に設立。現在67か国が参加しています。日本は設立当初から最大の出資国であり、歴代総裁もすべて日本人で占められています。

ADBの財源はOCRと特別基金
ADBは通常資本財源(OCR)と特別基金の2つの財源を持っています。OCRは比較的所得が高い開発途上国への投融資業務に利用され、加盟国からの出資金・準備金に加え、民間市場から調達した資金により投融資するもの(準商業的融資)で、特別基金(アジア開発基金など)は低所得国向けに緩和された条件での融資に使用されるもの(譲許的融資)です。というと判りづらいかもしれませんが、ADBのバランスシートがOCRそのものと理解すればよいでしょう。
ADBのBS(2014.6現在:億ドル)
融資     532 借入     630
投資     253 自己資本   175
その他    399 その他    379

 この借入はADB債発行(国際市場でもトリプルA格。31通貨建)で調達しています(自己資本の3.6倍)。AIIBは中国が資本の過半を出資するとのことですが、債券発行については、日米が参加しないこともあり、「低格付け」の懸念があるようです。
借入(調達)が難しければ、設立当初は「様子を見る」というスタンスもあり得る訳なのでしょうね。

利子は確定申告が必要です!
 このADB債(国内発行)は日本の証券会社を通じて、個人でも購入できますが、注意点が一つあります。債券の利子は一般には源泉分離なのですが、このADB債の利金は源泉徴収がされず、総合課税となり、確定申告が必要となります。





H27.4.20
最大で7,000万円が非課税!?
直系尊属からの贈与特例が拡充

高齢者層から若年世代への早期移転
 近年の資産税は「高齢者層から若年世代への財産の早期移転」を促す改正が相次いでいます。特に平成27年からは、「直系尊属」から「直系卑属」への贈与について大胆な軽減措置がいくつも施行されます。

特例税率〜直系尊属から成人者への贈与
 まず、平成27年1月からの贈与から既に適用されている「特例税率」が挙げられます。平成27年分以後の贈与税率は、「一般税率」と直系尊属から20歳以上の者への贈与に対する「特例税率」の2つに区分されました。この「特例税率」は「一般税率」に比して累進度が緩和された軽減税率です。

住宅取得等資金の非課税制度の延長・拡充
 また、平成27年改正では「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」措置が平成31年6月までに延長されるとともに非課税金額も拡充されています。
 今回の改正の特徴は、「住宅取得資金非課税限度額」(消費税8%契約・中古住宅の個人間売買)と「特別住宅取得資金非課税限度額」(消費税10%契約)の2つの非課税枠が設けられたことです。これは消費税率改訂時の住宅需要へのインパクトを緩和するために消費税率10%が適用される契約がされる時点での贈与について別枠を設けたものです。
このような非課税限度額が「8%契約」「10%契約」と別枠で設けられていますので、8%契約で購入した家屋を、後に10%契約でリフォームした場合等はこの非課税枠を「ダブル」で適用することができます。

結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税
 また、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」制度の「結婚・子育て」版が設けられました(平成27年4月以後の贈与から適用)。こちらは、直系尊属が子・孫等の結婚・子育て資金を金融機関に信託・預入等をした金額のうち1,000万円までは非課税とする制度です。

複数の非課税制度を適用した場合
 これらの「直系尊属」からの贈与の特例を最大限適用した場合、教育資金贈与非課税(1,500万円)+結婚・出産資金贈与非課税(1,000万円)+住宅取得資金非課税(H27優良住宅・1,500万円)+特別住宅取得資金非課税(H28.10〜H29.9・優良住宅3,000万円)=7,000万円が非課税となります。





H27.4.17
目標管理とシステム思考


目標管理で知的業務の目標達成を図るケースでは異なる分野の担当者によるプロジェクトチームを編成して製品開発・システム開発などに取り組むケースがよく起こりますが、ともするとその思考プロセスで迷い・停滞・抜けや判断の誤りによる手戻り等の無駄が発生しがちです。このような問題を回避し、効率的に目標達成を図るためにはシステム思考の活用が役立ちます。

システム思考の方法
「システム思考」は唯一絶対的な思考法が存在する訳ではなく、課題によって様々な工夫がされています。
ここでは目標達成に適する一般的なシステム思考の思考順序を紹介させて頂きます。
思考順序(例)
1 テーマの決定(○○の開発)
2 目的の記述(△△部門の利益率向上)
3 現状把握(市場・顧客ニーズ・保有技術・特許など)
4 SWOT分析・クロスSWOT分析で、「強みを機会に活かす」「弱みを改善し、機会に活かす」等の具体策検討
5 コンセプトの決定、ビジネスモデル、スキームなど達成イメージの可視化
6 目標設定:5を表す特性と数値目標等、目標の具体的表現
7 目標達成の成功要因、ハードル認識
8 成功要因獲得、ハードル回避の具体策検討
9 スケジュールの検討記述
10 目標達成スケジュールの管理

経営者・管理者の留意点
 開発品の顧客満足が得られ、かつ製造しやすく設計され、生産性や顧客獲得で実効を上げなければ経営貢献の価値が下がります。的確に事業の成果に現れる実現力を持つ企画とするために最も大切なことは
企画開発担当者と営業・生産等実現場担当者が、企画が実行に移される現地で現物を見て現実に即して話し合い、状況判断を一致させ、課題解決を図ることです。“解は現場にあり”の実践を指導しましょう。
 このようにすると「机の上で、単なる先入感や希望的観測による判断をしてしまう重大な誤り」が回避でき、実施担当者の企画参加で、やる気も引き出せ、役割意識、責任意識を持って実行に移してくれますから、経営成果が生まれ易くなります。





H27.4.16
ファシリテーション技術

持“ファシリテーション”とは会議やミーティングの場で、参加者に発言を促したり、話し合いの流れを整理することによって合意形成や相互理解をサポートする手法・技術のことを言い、経営者の立場で、幹部社員とともに事業戦略構築、目標設定会議など課題解決の意見交換・合意形成に活用することによって、人的コミュニケーションを上手に行ない、ICTなどによる効率化との相乗効果を得る事が出来ます。

ファシリテーションの目的
ファシリテーションの目的は、課題について参加者全員が、考え、発言することを通じて、理解し合い、自らの意思を固めつつ、合意形成を図り、課題解決の主体者になることにあります。

ファシリテーションの手順
その合意形成は一般に次の三つの場面をセットとして、連続して行ないます。
1.目的、問題認識・課題の共有
2.解決具体策の発想
3.具体策の評価、合意形成
[実施要領]
全員を2名〜6名ずつのグループ(管理職、中堅社員、若手社員など、同質性を持つグループが良い)に分けておき、ファシリテーターが次のように進行する。

@ 問題認識・課題共有の場面
1 グループ別に認識内容の検討を行ない、チャート1枚に書き、全グループを掲示した上で、各2分で発表する。(聞き手は問題点や良い点など具体的な指摘点を見つけながら聞く)
2 全グループの発表後、グループごとに、3分程度で最重要な指摘点・指摘グループを決めるミーティングを行なう。
3 各グループの代表が、「○○グループのここが問題だ、等ズバリ一言30秒」で指摘発言を行なう。(ファシリテーターは発表チャートに指摘箇所をマーク)
4 ファシリテーターが結果のまとめを行なう。

A 課題解決具体策の発想場面
@ と同じ手順で実施する。

B 評価場面では、合意形成を目的として点数評価・投票方式で整理する。(5点法などで、各グループ内評価と投票、これをトップの意思決定の参考とする。)





H27.4.15
許認可事業の事業承継対策


 社長の平均年齢は過去最高齢の59.0歳!
 帝国データバンクが行った2015年全国社長分析によると、社長の平均年齢推移は一貫して上昇を続けており、2014年は59.0歳と過去最高を更新したそうです。自分が作り上げてきた事業を、更に育ててくれる後継者に引き継がせたい、そんな想いで事業承継に取り組んでいる社長も多くいらっしゃることと思います。事業承継を巡っては様々な経営資源が問題の対象になりますが、本日は「許認可」に焦点を当てて考えてみます。

許認可事業は承継される?
 会社で行っている事業が何らかの「許認可」を得ている場合、その事業は預貯金や株式などの資産と違い、必ずしも次世代へ引き継がれるというわけではありません。許認可を取得する際、「ヒト(人的要件)・モノ(物的要件)・カネ(財産的要件)」の三要件を満たすことと掲げられている場合が多く見受けられます。このうち、もし社長自身が「ヒト」の要件を満たしその許認可を取得していると、社長が退くことで、事業そのものを維持できなくなってしまうこともあるのです。ここでは、建設業を例に挙げます。

建設業許可の承継に必要な人的要件
 建設業許可の取得では、「経営管理業務責任者(経管)」と呼ばれる経営を管理する人と、「専任技術者(専技)」と呼ばれる技術面を担う人の存在が求められます。この二者は誰もがなれるものではなく、経管は建設業許可業者の役員として少なくとも5年以上の経験、また専技は一定の資格を取得しているか、10年以上の実務経験を積んでいるといった条件が課されています。もし社長がこの経管と専技の役割を担っている場合、社長が引退してしまうと「ヒト」の要件を満たせず、許可の取消し事由になってしまう可能性がありますので、事業の承継をするためには、後継者としてこうした一定条件をクリアできる人員を確保していかなければなりません。

許認可事業の事業承継は早めの対策を
ご自身の経営されている事業に許認可が与えられている場合は、今一度その取得要件を確認してみましょう。建設業許可に限らず、「ヒト」が許認可の維持に必須となっているものが多い中、このように要件を満たすまで長い年月を要するケースもありますので、長期的な対策が必要です。






H27.4.14
効果的なフィードバック
 
目標管理制度の評価実施後に行なう「フィードバック面接」は、その目的を誤らず、効果的に実施する必要があります。

フィードバック面接の目的
 フィードバック面接の目的は「目標達成度とプロセスで見られた具体的な能力発揮とその結果の事実認識から、本人が今後の課題や取り組み方を主体的に判断し、やる気を高めて、次の行動への出発点とすること」にあります。すなわち、人材育成のための動機づけが目的です。特に誤りやすいのは、目的を評価結果に納得してもらうための説明、と取り違えてしまう点にあります。

面接を成功させるには
面接が成功したと言えるのは、「本人に新鮮な気付きが生まれ、新しい目標設定や達成プロセスの改善に意欲を持って取り組む気持ちになること」にあり、次のような点に留意して実施すると効果的でしょう。
@ 管理者は面接開始前に対象者全員に「面接の目的は本人の成長を意図して実施すること、そのため当期の目標達成努力を通じた率直なコミュニケーションを行ないたい」旨伝えておく。
A 担当者ごとに、評価結果と関連付けて取り組んだ目標の達成状況、達成プロセスの中から褒めるべき点、注意を要する点について重要で具体的な事実を2〜3点ずつ抽出しておく。
B 面接では、本人が自らの考えで発言し、理解してもらえたと感じたときに、モチベーション効果が高まるので、管理者は終始にこやかに、70〜80%の時間は本人が良かった点、改善すべき点について自分の考えを話し、管理者は20%前後の時間で、確認、理解、事前に準備したことに関する同意、注意点などを簡明、的確に話す。本人が言いたいことがはっきりしないときは、質問を投げかけて考えさせ、具体的な話を引き出す。
C 本人が今後、どんな課題に、どんな点に工夫して取り組みたいか、を聞き出し、それに同意するか、さらに一工夫すべきことを付け加える。
D 最後に励ましの言葉をかけて終了する。(○○へ向けて頑張ろうではないか。)
E 本人から評価結果について質問があれば、抽出した事実と1次評価基準、2次評価以降の相対評価基準によって評価されたことを簡明、率直に説明する。





H27.4.13
簿価修正の隠れ規定

損金不算入寄附金は株式簿価修正
設立されたばかりの子会社の場合、利益剰余金はありませんから、利益の配当はできません。しかし設立により会社に出資された現預金があります。その現預金を寄附金として親会社に引き渡すことは可能です。
そしてグループ法人税制では、法人による完全支配関係にある会社間で寄附・贈与が行われた場合、贈与法人・受贈法人いずれにおいても損金不算入・益金不算入です。
そこで、保有現預金を親会社に全部寄附した後に子会社を1円で売却したら、売却損を計上することになるでしょうか。
このような不自然な事態を排除するために、「子会社株式簿価修正」という制度が設けられています。子会社が親会社に1000万円寄附したら、親会社の子会社株式の簿価は1000万円減額することになります。

資本の配当の場合はどうなるか
 設立されたばかりの子会社が直ちに配当することは必ずしも不可能ではありません。
 新設分割子会社の法定資本金を1円にしたが、資本剰余金が1000万円だった、という場合、資本剰余金を原資とする配当が可能だからです。この1000万円を親会社に配当で戻してしまったら、純資産が1円の会社になってしまいます。
ここで、子会社を1円で売却したら、売却損を計上することになるのでしょうか。
 しかし、そういうことにはなりません。

資本の配当は譲渡とみなされる
 設立されたばかりで利益剰余金のない会社での資本剰余金の配当は、その分配の割合相当の株式の発行会社への譲渡があったことになり、その割合だけ、株式の譲渡原価が認識されるので、税務上の株式簿価は減算されることになります。
 先の例での、1円を残しての1000万円の資本剰余金の配当では、1000万円の譲渡収入と1000万円の株式簿価の原価算入ということになり、子会社株式簿価残価は1円となるので、1円で売却しても売却損は発生しません。

資本の配当と「子会社株式簿価修正」
「子会社株式簿価修正」という税務手法は、グループ法人税制で初めて出現したかのように見えますが、資本剰余金の配当の場面では以前から、株式簿価を減額する規定になっていますので、益金不算入に対応する損金不算入の寄附金が同じく簿価修正をすべきことになるのは趣旨が同じなのでこれを踏襲したからと言えます。





H27.4.10
プロセス評価の方法

目標管理のプロセス評価は、第一義的には担当者本人と管理者によって目標達成プロセスが達成への軌道に乗っているかどうかチェックし、軌道を外れていればその原因を突き止めて修正処置をとるために行ないます。
 そして、第二義的には、目標達成の前提としていた経営環境などの外部環境や会社の方針などの内部環境の変化があった場合に、最終評価の納得性を高めるために、目標の難易度やチャレンジ度の修正処置をとる目的で行ないます。

プロセス評価の重要性
 目標設定後、最終の目標達成度評価までのプロセスでは、期間的にも時間的にも目標達成のためにほとんどの能力、努力をつぎ込んで戦うことになります。
 その間、当初描いたシナリオ通りに目標達成が図れることは殆どなく、外部環境・内部環境など与件の変化は当然起こりますから、その状況に応じてリアルタイムに知恵を出し、対応することが必要になります。
 プロセス評価は、このような状況の中で適切な区切りで、目標達成阻害要因と対策の状況、成功要因と活用状況などを上司と部下が確認し合い、より良い対策への修正処置をとって、目標達成プロセスを改善し続けていくことが最重要です。

プロセス評価のファシリテーション
 このプロセス評価のやり方として部署の所属社員の集団による「目標達成プロセスの問題点と対策」をテーマとしたファシリテーションを行ない、相互に状況や対策、目標達成状況を報告し合うことで、
・同じアゲンストの環境下においても、対策の違いによる業績差が生じること
・同じフォローの風が吹いている環境下でも対策の違いによる業績差が生じること
など相互に評価し合い、大きな刺激や動機づけ、やる気の向上が図れます。個々の目標達成プロセス修正処置、難易度の修正は、その後に行えば、的確性、効果性を向上させることが出来ます。

経営者・管理者の留意点
このような、生きた体験を「成功要因獲得、阻害要因対応策のノウハウ」として業務標準書に書き加え、蓄積、再活用することが望まれます。またそれらは“経営理念”の形成につながっていきます。





H27.4.9
納税環境整備として
申告ミスの救済


修正申告と期限後申告との比較
 自主的修正申告の場合にはもともと過少申告加算税が課せられないのに、期限後申告の無申告加算税や源泉税期限後納付の不納付加算税に救済措置が設けられたのは平成18年でした。

その救済内容は
(1) その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限までに納付している
(2) その期限後申告を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、無申告加算税の不適用制度の適用を受けていない
 このいずれにも該当する場合が適用です。

不適用制度創設の経過
 平成18年の救済措置創設に至るまでの事例では、申告期限延長の効果が消費税にも及ぶと誤解して申告書の提出をし損なっていた関西電力の12億円余の無申告加算税賦課決定事件や、宅配便での申告書提出で到着が業者の都合で申告期限後になってしまったケースなどがあり、当事者としては無申告の意識のない事務的なミスで、それらへの配慮のない杓子定規な行政制裁をしたものの、当局としても、適正納税の意欲をそぐとして、その後、制度改正をしたものでした。

不適用制度の適用状況
 それから8年が経過していますが、公表された無申告加算税の不適用制度の適用状況を見ると、平成24年7月から翌年6月に終了した事業年度において、法人税の期限内納付済み期限後申告で、2週間以内が72%、1ヶ月以内は92%となっています。期限を2週間から1ヶ月に伸ばせば、無意識の申告漏れへの救済はほぼ、十分でした。

2週間ではまだ不十分
 納付があるのに申告がない、というケースでは、多くの場合、税務署から税理士や納税者に問い合わせがあります。
 納付状態を税務署が把握するのが2、3週間後なので、親切な問い合わせも、2週間の期限の翌日というケースも多く、また、電子申告が普及するに至り、電子申告し始めの税理士で、法人税の申告をしたのに消費税をし損なった、などの事例もあり、制度趣旨を全うするには2週間では不足です。
 それで、今年の税制改正として、無申告加算税の不適用制度における期限後申告書の提出期限が、現行の2週間から1ヶ月に延長されることになりました。





H27.4.8
理由附記をめぐる新しい租税行政判断

すべての税務処分に適用
 国税通則法の改正により、平成25年から相続税や消費税などを含め、すべての税務不利益処分に際して、更正通知書に更正の理由を附記しなければならないことになりました。根拠法は行政手続法第14条です。その附記理由の程度に関する初めての裁決が平成26年11月に出ました。

裁決書を読むと
 処分庁の主張の基本は、@青色帳簿自体を否認する場合の理由附記の程度、A青色帳簿自体を否認しない場合の理由附記の程度、という判例法の体系が従来存在していたところを踏まえるならば、新たに理由附記が必要とされることになった税目に関しては、後者のAの場合の理由附記の程度と同じでよいはずで、その場合の理由附記の程度とは、適用法令と否認の金額が書かれていることで十分、というものでした。

税法以外の分野で先行
 行政手続法が立法されて以後、税法においては租税実務の「大量反復」性を理由に、その適用を全面的に排除してきました。その排除の期間に、税法以外の分野での、行政手続法第14条をめぐる争訟での最高裁判決が平成23年6月7日にありました。その判決は、直接に義務を課し又は権利を制限するという不利益処分の性質に鑑み、行政庁の判断の慎重と合理性を担保してその恣意を抑制するとともに、処分の理由を名宛人に知らせて不服の申立てに便宜を与えること、即ち、恣意抑制機能・不服申立争点明確化機能の担保を「理由附記」の要件としました。

審判所の判断の依拠したところ
 審判所の裁決は、青色申告帳簿をめぐる過去の判例史を一顧だにせず、この最高裁平成23年判例に直接依拠しました。適用法令と否認額から推測される多様な否認理由のどれを根拠にしているのか特定できない以上、理由附記が十分とは言えないとしました。税法の係争にも、最高裁平成23年判例の効果が直接及ぶようになったことを確認したのです。

新裁決以後の新たな地平
 そうすると、青色帳簿を否認しない場合の更正も、今後は、最高裁平成23年判例で判断することになり、従来の所得税法と法人税法における青色申告に係る理由附記規定は、創設的意味を失い、他の場面よりもより慎重さが要求される注意的・確認的規定と解されることになったと言えます。





H27.4.7
ダイバーシティと女性の活躍


個々の違いを認め合い組織力向上を目指す
 安倍政権の成長戦略の1つである「女性の活躍推進」が重要課題として進められています。少子高齢化や労働力不足、企業活動のグローバル化などの対応という点において企業経営を取り巻く環境は様々な人材が活躍できる「ダイバーシティ(多様性)」が必要となってきました。高齢者、女性、外国人などを活用し、日本人、男性、正社員、長時間労働を前提にした今までの働き方から転換し、多様な人材が活躍できる職場組織の実現が不可欠な時代になってきています。

多様な人材の活用は必要ではあるが
 このような多様な人材や働き方を推進するダイバーシティを進めるにはトップの問題の取り上げ方にもかかっています。一方組織を動かす時に様々な意識や価値観をまとめるのはたやすいことではありません。それを実行に移すのは職場レベルの反発や抵抗も生じやすいものです。よその会社が行うならば良い事に思えても自社で導入するにはハードルが高く感じます。例えば制度や法律を変えて休暇を作っても、休暇の後に長時間労働になるのでは意味がありません。

働きがいと働きやすさを求める
 企業が女性の活躍を進めるには何が必要でしょうか。女性の支援と言うと、出産育児制度の導入は法的整備もあり実施率は高いのですが、その後働き続けられるかどうかは別の問題です。女性に限りませんが働きがいを感じる為には人材育成を後押しし、スキルを身に付け「仕事の与え方」「結果のフォローアップ、フィードバック」等男性だけでなく女性にも同様な教育が必要でしょう。そして意欲を引き出し、離職防止のための柔軟な労働時間等働きやすい弾力的な制度で勤務継続が可能な働き方を選択できる事も大切でしょう。しかし休暇制度支援があったとしても、責任のある仕事は任せにくい、移動させにくい等の理由で育休後のキャリアが積みにくい現状があります。
 女性が家庭と仕事の両立をするには、今後増えてくる親の介護責任を担う男女従業員も含めてフルタイム等、画一的な働き方ばかりではなく、たやすくはできないかもしれませんが仕事の責任を果たした上でキャリアも積む事が出来る柔軟な組織作りが必要な時代が来るでしょう。





H27.4.6
評価一元化のメリット


 労務管理研究所の調査によれば、目標管理制度の導入企業は8割に上りますが、その殆どは、業績評価に活用していると見られます。目標管理制度が全職務に適用されている場合、これをさらに一歩進めて、目標管理制度上の評価をもって人事評価とする仕組みをつくっておくと、経営管理上様々なメリットが生じます。

評価一元化の方法とメリット
 例えば次表のように、自社の評価・処遇の関係を対応付けて整理します。

[ 評価・処遇の関係(例)]
目標管理制度の評価項目  人事評価制度の評価項目   処遇反映等
 目標達成度           業績       昇進、昇給・賞与
プロセスでの発揮能力     能力(発揮能力)   等級昇格 能力開発 異動
プロセスで示した意慾的行動    意慾       昇進 賞与 異動

 この対応が的確に出来ると、目標管理制度の評価項目について評価することで、人事評価制度の評価も行なわれ、評価が一元化し、処遇等に連結します。
 すなわち、担当者は目標管理のプロセスで能力を発揮し、意欲的行動を示して目標達成を図ること、管理者は目標達成へ向けて担当者を支援しつつ、評価材料を得て評価することにより、評価の一元化が図れます。このような一元化のメリットは次の通りです。
(1)社員にとって、目標達成に努力し、そのプロセスと結果で人事評価を受けることが明快になり、公正性・納得性が高まる。
(2)その評価が処遇に反映される仕組みの下で、必然的に社員と管理者の目標管理制度への集中度が高まるので、業績管理制度としての機能も向上する。
(3)目標達成へのOJTを通じて目標管理制度の能力開発・人材育成機能が向上する。
(4)評価実務の効率性が高まり、管理者の負担が軽くなる。

経営者・管理者の留意点
 この仕組みに、コンピテンシー評価、経営理念に基づく意識・行動評価などを取り入れると、より高度化された目標管理制度に進化することになります。





H27.4.3
在宅勤務を導入するには

時間や場所を限定しない働き方
 パソコン等ITを活用し、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を「テレワーク」と言います。多くは自宅で仕事をするので在宅勤務と言っていますが在宅勤務以外ではモバイル機器を使う外勤職も対象者です。
 雇用関係では雇用されている場合と請負契約の2つの形態があります。雇用と請負とでは契約形態や労務管理は全く異なります。在宅勤務制度を取り入れるならば、対象者が雇用か請負かを明確にした上で運用するのが良いでしょう。

就労場所はどこになるか
 在宅勤務であれば自宅が普通ですが、自宅以外では「サテライトスタジオ」等自宅と会社の中間に設けられた施設を利用する形態もあります。
 在宅頻度の点から考えると在宅勤務をする割合がどの程度かにより「完全在宅」「部分在宅」があります。完全在宅は仕事の大半を自宅で行い週に1、2度とか月に数度、業務報告や連絡会議等で出社する程度なら完全在宅と言えるでしょう。部分在宅は1日のうち数時間は在宅勤務をするとか週又は月のうち何日かを在宅勤務をする等、又両方を組み合わせる働き方もあります。

在宅勤務の目的やメリット
 導入の目的やメリットとしては次のような事が考えられます。
@ワークライフバランスの推進
 少子高齢化によって人口減少が進む中、使える人材をできる限り確保する必要があります。育児や介護を担いながらも能力とやる気のある人材を活用する事は経営戦略的にも大事な事でしょう。
A生産性や創造性の向上
 製品やサービスの付加価値が企業の競争力につながるならば、時間的効率やゆとりを持った創造性の向上が業績を左右する事もあるでしょう。
B危機対応にも備え
 東日本大震災の後、出勤困難者が多くいましたので事業継続の視点から、在宅勤務者が注目を集めています。
 この制度を導入する場合は以上のような目的を決め、自社にふさわしい働き方を考え、必要に応じて在宅勤務もできるような体制作りを検討してはどうでしょうか。





H27.4.2
個人事業も開業は大変?


 確定申告も終わり、ほっとしている方も多いと思いますが、これから個人事業を始めようとされる方へ、開業にあたっての留意点です。個人事業は法人設立と違って簡単に始められそうですが、個人事業者の場合であっても、税務署へは様々な届出が必要となります。開業届や青色申告の承認申請、専従者のいる場合には青色事業専従者に関する届出など、片手ではおさまらないほどの書類の提出が必要です。

原則的な効力発生は
 新規に開業した場合、多くの書類は開業後1〜2ヶ月の間に提出すればよいことになっています。例えば青色申告の承認申請は開業後2ヶ月以内に提出すれば、開業の年から青色申告者として確定申告をすることになります。つまり開業後1〜2ヶ月の間にこれらの書類を提出すれば、開業時点から各規定が適用されることとなります。
 
例外的な規定
その1 源泉徴収の納期の特例
 従業員に給与を支払うような場合には所得税を源泉徴収し、その翌月10日までに国に納付することとなっていますが、給与の支払を受ける者が常時10人未満である事業所等については、申請書を提出した場合には特例としてその納付を1月(7〜12月分)と7月(1〜6月分)の年2回とすることができます(これを源泉徴収の納期の特例と言います)。
 例えば4月1日に開業して開業と同時にその申請書を提出したような場合には4月分から6月分の給与に係る源泉税をまとめて7月に納付すればよいと考えがちです。
 ですがこの申請書は提出月の翌月末日に承認がされるものとなっておりますから4月1日に提出した場合、特例の効力発生は5月31日となり、1回目の納付日である5月10日は特例の適用が受けられず、4月分の源泉税を納付しなくてはなりません。
その2 消費税課税事業者選択届
 この届出は、開業した年の12月31日までに出せばよいこととなっております。しかし、開業時に多くの届出を済ませてしまいますから、開業から12月31日までにかなりの間隔があると、ついつい忘れてしまう場合があります。ご留意ください。





H27.4.1
試用期間を有期契約にできるか

試用期間とは
 企業が正社員等を採用する場合に一定の期間の試用期間を設けている事は多くあります。一般的な意味では採用された時従業員としての能力や適格性を評価、判断する為に設けられた期間であるとされています。
 判例によれば試用期間は基本的に「解約権留保付労働契約」が成立していると解されていて、採用した者が能力や適性が無いと判断した場合には試用期間終了時などに企業が保留していた解約権の行使ができると言うものです。但し、この解約は法的には労働契約の解約つまり解雇に当たります。労基法では「試の使用期間」は雇い入れ後14日以内の解雇であれば解雇予告は適用されませんが15日以上たっていれば解雇予告も必要になります。

合意があれば有期雇用契約もできる
 採用の際、試用期間とせず、有期雇用契約を結ぶ事は問題無いのでしょうか。労働契約は使用者と労働者の合意の上で成り立つと言う原則からすれば、労使の合意があれば良い事になります。但し、有期雇用契約は、契約期間の途中での解約はやむを得ない場合に限られています。期間の定めの無い契約解除よりも厳しい条件があるとされています。更新の可能性を含む有期雇用契約を中途解約する事は雇止めとして、解雇と同様の理由が求められます。

試用期間の性格を持つ有期雇用契約は
 判例によると有期雇用契約が従業員の能力や適格性を評価・判断する目的で設けられた場合は、期間の満了により労働契約が当然に終了する旨の明確な合意が成立していない限り、その期間が試用期間の性質を持つとされています。
 つまり形式的には有期雇用契約を結んでいても、法的にみると期間の定めの無い契約を結んでいて、それは試用期間とみなされると言う事です。
 実務的には試用期間を有期雇用契約とするならば、応募者には試用期間は有期契約とする旨は労働条件として示さなければなりません。採用予定者となった時も十分な説明をしておく事が必要でしょう。