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H28.10.31
同居していない兄姉も被扶養者になれる

被扶養者の認定要件が緩和
 健康保険の被扶養者の認定が受けられる家族の範囲は3親等までの親族で被保険者が生計を維持していることが要件となります。そのうち一定の範囲の家族は同居している事も要件となります。その対象が兄や姉の場合は今までは被保険者本人と同居していないと被扶養者になれませんでした。平成28年10月からは法改正により、兄姉
については同居要件が外されました。

被扶養者の要件
 健康保険では被保険者に扶養されている健康保険の給付を受ける事ができます。この家族を被扶養者と言います。被扶養者の認定を受けられるのは次の@からBに該当する方です。
@主として被保険者の収入で生計を維持されている75歳未満の(後期高齢医療制度の被保険者とならない)方
A被保険者の3親等内の親族
・被保険者と同居、別居を問わない親族
ア. 配偶者(双方に戸籍上の配偶者が無い内縁関係を含む)
イ. 子(養子含む)、孫
ウ. 弟妹(平成28年10月より兄姉)
エ. 父母などの直系尊属          
・被保険者と同居が要件の親族
オ. 前記アからエ以外の3親等内の親族
カ. 配偶者の父母及び子
B年収が130万円未満(60歳以上又は障害者は180万円未満)でかつ次の基準を満たす人
A.同居の場合・・・・被保険者の収入の2分の1
B. 別居の場合・・・・被保険者の仕送り額がその対象親族の年間収入を上回ること

平成28年10月からの被扶養者認定
 この度の法改正でこれまで被保険者と同一の世帯であることが条件となっていた兄と姉については同居の要件は撤廃されました。別居している場合でも収入要件など他の要件が該当していれば新たに被扶養者として認められる可能性があります。







H28.10.28
どうする?決算処理 販売代金が確定していない売上

税務調査でチェックされる売上計上基準
 税務調査では、まず調査対象年度の売上高の計上時期に誤りがないかチェックが行われることが通常です。
 法人税法では、棚卸資産の販売による収益の額は、「引渡しのあった日」の属する事業年度の益金の額に算入することとされています。具体的には、棚卸資産の種類・性質、契約内容等に応じて、合理的であると認められる収益認識日として法人が採用した基準により収益計上することとなります。
 @出荷基準・・・商品・製品を出荷した日
 A検収基準・・・相手方が検収した日
 B使用収益基準・・・相手方において使用収益ができることとなった日
 調査の場面では、調査官は法人からのヒアリングを行い、受注から納品、請求、回収の流れの中で、実際にどのタイミングで収益を計上しているか確認していきます。

収益認識基準と請求書との関係
 売上がこのような基準で認識されるとすると、期中に発行した請求書を合計したものが、そのまま当期の売上高となるとは限りません。請求書発行の締日が月中にある場合には、「締日〜月末」までの期間に引渡しをした商品があれば、請求書が未発行な状態であっても売上として認識されます(この売上を「締後売上」と呼びます)。

販売されたが金額が未確定なものは?
 一方でビジネスの中では、納品は行ったが、顧客との価格交渉による合意が得られず、販売代金が期末までに確定していないということも起こります。「金額が決まってないと経理しようがないよね」と未計上のままにしておくと調査で痛い目に遭います。
 法人税の通達では、その法人が採用している収益基準が到来している限りは、売上を計上しなければならず、その事業年度の期末の現況により、販売金額を適正に見積もらなければならないとされています。

見積計上した売上金額がその後確定したら
 この取扱いに従って見積計上した販売金額がその後確定した場合には、実際に確定した販売金額と差額が生じることが多いでしょう。この場合、見積計上年度に遡って修正することなく、販売金額が確定した事業年度において、その差額を損益に計上することにより調整することとされています。






H28.10.27
棚卸資産の決算作業 共通する付随費用の配賦方法


棚卸資産の付随費用の配賦計算
 種類の異なる棚卸資産を購入した場合、共通する付随費用を期末棚卸資産に配賦しますが、手間のかかる決算作業の一つです。
 その配賦の「やり方」としては、具体的には、次のような方法が考えられます。
 @ 購入代価の比で按分する方法
 A 購入数量の比等で按分する方法
 B 購入代価の大きなもののみに一定基準により配賦する方法
 C 付随費用を期末時に一括して売上原価と期末棚卸高の比で按分し、期末棚卸高に加算すべき金額を計算する方法

購入代価の比で按分する方法
 一つの例で考えてみましょう。
【設例】購入代価(計 2,000,000円)
 商品A(500個) 750,000円
 商品B(500個) 1,000,000円
 商品C(250個) 250,000円
  付随費用は120,000円 発生(内訳:引取費用40,000円、買取事務費・検収費32,000円、支店までの 運送費48,000円)
 この場合、買取事務費・検収費と移送費用で購入代価の3%超であるため、これらも取得価額に配賦しなければなりません。
 @の方法によれば、商品Aの取得価額は次のように計算されます。
 購入代価75万+付随費用の配賦額4.5万(12万×75万/200万)=795,000円

購入数量の比等で按分する方法など
 Aの方法によれば、商品Aの取得価額は次のように計算されます。
 購入代価75万+付随費用の配賦額4.8万(12万×500個/1,250個)=798,000円
 Bの方法として、例えば、商品Cに配賦しない場合には、商品Aの取得価額は次のように計算されます。
 購入代価75万+付随費用の配賦額51,428円(12万×75万/175万)=801,428円
 最後に、期中の仕入購入代価の合計を1,000万円、期中に発生した付随費用を80万円、期末棚卸高200万円(うち商品Aが75万円)と仮定した場合のCの方法では、商品Aは、次のように計算されます。
 イ 80万×200万/1,000万=16万(期末分)
 ロ 購入代価75万+配賦額6万(イ×75万/200万)=810,000円
 これらのうち、一つの方法を毎期継続適用し、種類、品質、型等の異なるごとに、各棚卸資産に配賦することになります。






H28.10.26
貢献度評価への転換

 近年“成果主義評価制度”が広く採用されていますが、さらに、最近ではその“成果”を、“貢献度”を基準として評価する制度である“貢献度評価”へ転換する企業が現われています。

“貢献度評価”とは
 “貢献度評価”とは、“成果”を個人やチームの業績を目標達成度などの評価に止まらず、その“成果”がチーム業績に貢献した度合を基準として評価する制度です。
 その評価対象は、結果としての業績のみでなく、成果を生み出した目標達成プロセスでの行動も含まれます。

“貢献度評価”のコンセプト
 ゲイリー・ハメル ミシガン大学教授が中心となり、世界トップクラスの経営学者達によって2008年に開催された会議で提唱された「マネジメント20」のコンセプトに基づいています。それは、「これからは、人間味あふれる組織が大切である」とされ、それは以下の3点に集約されます。
○チーム業績重視
○チームでの振り返り促進、真摯なフィードバックから社員同士で学び合う
○個別のフィードバックに基づき、チーム全体への貢献度を総意で決定
 これは、心の通い合う「信頼関係」に満ちた職場環境の大切さを説くもので、組織と人について次の3点を指摘しています。
・人材を活かせない場合に悪いのは組織であって人ではない。
・本来、人間は主体的に行動し、創造性も有し、情熱を傾けて仕事をしたいと思っている。
・組織がそれを妨げずに本人の力を解き放つことが大切だ。

経営者・管理者の留意点
 “貢献度評価”を導入する際は、「チームとしての目的・目標の達成とチームへの貢献度を重視する」ため、目標設定の段階から、社員が「自分達の目標が、所属する組織やチームの目標に繋がっているか、個々の役割に期待されている貢献を目指すものか」を相互に確認しながら目標設定を行なうよう誘導しましょう。また、目標達成度の自己評価では、チーム目標への貢献事実に関する仲間からの真摯な相互フィードバックに基づいて行なうよう指導し、その上で上司の評価を行ないましょう。






H28.10.25
租税回避策は報告しないと罰

租税回避策報告義務の対象となるもの
 報道によると、@節税策提供に対する割高な報酬がある、A提供節税策について他言無用の守秘義務が約されている、B1年間で億円単位の損失を意図的に作り出している、というような3つの基準のどれかに該当するとその節税スキームは報告義務の対象になります。

すでに国際的には以前から制度化
 自分の作戦を相手に告げてからゲームをするようなもので、誰がまともに報告に応じるのだろうと、不思議に思いましたが、米国や英国、カナダなどいくつかの国ではすでにこの情報開示制度は導入済みで、日本は一歩遅れている、のだそうです。
 米国での租税回避策情報開示制度導入は1984年で、既に32年の歴史があり、英国では1998年、カナダでは1988年、オーストラリアでは1981年です。

先行制度の機能の有効性?
 ただし、米国では、EUから1.5兆円追徴されたアップルも、英国に26億円の自主納税をしたスタバも、その他のグローバル多国籍企業も、米国国家として、EU等からの圧力に対して共同して守るべきものになっており、これらの企業の行為は、租税回避ではない単なる節税をしているだけのようで、情報開示制度があっても、現実的にはどれほどの実効性を伴っているのか、疑わしい限りです。

義務的報告制度の導入理由
 外国でも、租税回避という用語には合意された定義がないと云われており、専門家によって販売される高度なスキームは経済的実質を盛り込んだ自然な取引の様相を持ち、税務当局としても過度な租税回避商品を通常の税務調査で見つけることがかなり困難と認識するに至っているようです。
 日本での創設予定の租税回避策開示制度は、税務行政当局の調査能力の限界をカバーし、法の不備部分を早期に明らかにし、法令改正により抜け穴をふさぐとともに、租税回避行為を早期に発見し、租税回避案件への重点調査を行うことを目的にして設けられる制度です。

あまりにも原理矛盾
 しかし、有効に機能させるには、あまりにも、根源的な原理矛盾を抱えている制度です。租税回避行為への抑止力にはなるとしても、義務的報告制度への対策的対応が研究され、有りのままの素直な対応は限りなく有り得ないように思われます。






H28.10.24
租税回避策、税理士に開示義務

 
租税回避とは
 日本での解釈としては、脱税は違法な行為、節税は予定された合法行為、租税回避は合法だが行為計算否認規定により不当な行為とされる可能性のあるもの、です。
 でも、完全親会社が子会社に自己株を取得させて欠損金創出をした上で更正期間経過後の欠損金利用可能期間に連結納税を選択したIBMには租税回避の意図は認められないと判決されています。
 他方、適格組織再編の特定役員引継要件を充たすための形式的な役員就任では役員の実質を備えていないとして、YAHOOは租税回避のための規定の濫用をしていると判決されています。
 両判決は、むしろ反対の結論だった方が整合性があります。一般に、租税回避は100%“NO”とも“YES”とも言い切れないグレーゾーンと解されており、その定義的解説はますます難しくなっています。

英語では
 英語でも、Tax Saving は節税の意味で、これが問題視されることはありません。
 それに比べ、英語でTax Avoidance と言われるものは、不当な租税回避行為、とのニュアンスで理解されているようで、日本語の租税回避よりもネガティブです。
 米国では、Tax Planningは大きな市場をもっており、Tax Planning商品のことをTax Shelterと言い、これには必ずしもネガティブなニュアンスはありません。
米国では、Aggressive Tax Planning としての商品たるAbusive Tax Shelterと言われる、過激な、過度な Tax Shelterが問題視されています。

国際的潮流としての問題視
 2015 年10 月5日に公表されたOECDの「税源浸食と利益移転(BEPS)プログラム」の最終報告行動計画12 では、「Aggressive Tax Planning」について、政府への報告を義務化すべしとしています。
 最近の新聞報道によると、日本でも、租税回避策を実行したら、そのスキームを税務当局に報告すべしとの制度が来年度の税制改正で立法化されるようです。実施は2018年度からで、報告義務違反には罰則があり、租税回避策を作る税理士や租税回避策の提供を受ける企業が報告義務の対象になり、報告義務の有る税理士は顧客企業のリストの提出も求められます。






H28.10.21
卸資産の取得価額 購入代価3%以内の判定

棚卸資産の付随費用
 棚卸資産の取得価額は、購入代価のほか、購入のために要した費用及び販売の用に供するために直接要したすべての費用(付随費用)で構成されます。この「付随費用」は外部付随費用と内部付随費用の2種類に分類されます。
外部
付随費用 引取費用・荷役費用・運送(海上)保険料・購入手数料・関税ほか

内部
付随費用 買入事務費・検収費用・選別費用・移送費用・保管費用ほか

一部の内部付随費用の取得価額算入は任意
 内部付随費用は、どの棚卸資産に掛かったものなのか識別することが難しい面があります。そのため、法人税の通達では、下記の費用が購入代価の概ね3%以内であるならば、取得価額に算入しなくても構わないという簡便処理が認められています。
@ 買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用
A 販売所等から販売所等に移管するために要した運賃・荷造費用等
B 特別な時期に販売するなどのため長期にわたって保管するために要した費用
 また、B以外でも棚卸資産の保管費用についての原価算入は任意とされています。

購入代価3%以内の判定
 この3%以内であるかどうかの判定は、共通的に発生する付随費用については、一定の基準により、棚卸資産の種類等(種類、品質及び型)の異なるごと、かつ、所在場所ごとに評価している場合には、その単位ごとに配賦して判定することができます。
【例】@購入代価
A商品(600個) @1,000円(600,000円)
B商品(400個) @500円(200,000円)
AA・B商品の買入事務費 10,000円
BB商品のうち200個は支店へ移送した
 その移送費用 3,000円
 この場合、Aの買入事務費の配賦額は10円(10,000円/(600個+400個))、Bの移管費用の配賦額15円(3,000円/200個)となりますので、次のように判定されます。
A 10円/1,000円=1%<3%
B(本店) 10円/500円=2%<3%
B(支店) (10円+15円)/500円=5%>3%
 支店のB商品については、決算で付随費用(500円×5%)を含めて棚卸資産に計上しなければなりません。






H28.10.20
2つのはしご

専門職の活躍が事業推進のカギを握っている企業では、よく“2つのはしご(複線人事)”を活用しています。
 “2つのはしご”は、等級制度に管理職系統と専門職系統の2つを準備し、賃金制度・人材育成制度などの人事賃金制度と関連付けて運用する“複線型人事制度”で、それに対置するのは昇進ルートを管理職系統のみとする“単線型人事制度”です。

“2つのはしご”が生まれた背景
 パラレルに設定される“2つのはしご”採用の背景には、次のように企業側・社員側それぞれのニーズがあります。
@ 企業が、市場・顧客・技術・法律など外部環境の変化に対応していくため、新商品・サービスの開発などに専門職の育成・活用が不可欠となってきたこと
A 管理職系統だけの昇進制度だけでは、多様化した社員のロイヤリティーを維持することが困難になってきたこと

“2つのはしご”の姿
 通常、次の“2つのはしご”が用意され、それぞれ等級制度を基軸として、賃金制度・人材育成制度・評価制度・目標管理制度などと連動して運用されます。
@ 会社全体や部門の運営を司るポジションである管理職へのキャリアパス・管理職等級制度
A 上記@とパラレルな位置付けで、担当分野における深い知識・技術・経験をもち、かつ担当事業領域で、相応の影響力を行使して貢献できるプロフェッショナルへのキャリアパス・専門職等級制度
B 上記@Aの等級は、「人の格付け」ではなく、「仕事の格付け」であり、職務内容の変更や、経営上の重要度が変われば、等級の変更が行なわれる「役割・職務等級制度」である

経営者・管理者の留意点
 “2つのはしご”を効果的に活用し、社員の活躍に結び付けるために次の点に留意しましょう。
@ “2つのキャリアパス”にある個々の社員にとって、ストレッチな(努力してようやく手が届く)水準の目標設定へ誘導すること。
A 「成果と貢献したプロセス行動の事実」に注目して、会社・部門目標への貢献度を基準として評価すること。






H28.10.19
退職金は何のためにあるのか

適年廃止後の退職金制度はどうなってる?
 長期勤務に対する報奨と理解されている退職金制度ですが、中小企業の多くが利用してきた税制適格年金制度(適年)の廃止から4年半、この制度を導入していた企業は「中小企業退職金共済制度」(中退共)へ移行した企業が一番多かったようです。
 また、平成26年度の法改正でそこから5年で多くの厚生年金基金は解散してゆくことになっています。厚生年金基金を退職金の一部にしている企業ではこの対策も考える必要があります。

退職金制度のメリット・デメリット
 退職金は企業と従業員の労働契約により支払われる賃金制度の一部です。そうならば給与や賞与で払えば退職金は支払わない選択もあるでしょう。その分給与水準を高くし、月々の給与に退職金額を上乗せした前払い退職金制度にしているところもあります。但し社会保険料が上がり毎月の給与額も時間と共に当然と感じてしまい、給与を高くした意味が薄れることもあり得ます。
 厚労省の調査によると、従業員30人以上の企業では7割5分が退職金制度を導入しているそうです。
 導入のメリットとしては、良い人材の確保のしやすさ、長期的勤務推進策、定年や早期退職の円滑化策、不況期の雇用調整、従業員の不法行為の制御、退職者の競業避止義務や守秘義務の対価として等があります。従業員側は退職後の必要費用を賄う、企業への満足度の高まり、入社時の決定理由、長期勤務がメリット、税制上の優遇措置等があります。
 一方デメリットとしては経営状態にかかわらず一時的に多額の支払いが生じる場合があるので、決算や資金繰りに悪影響を与えることがあります。また、運用悪化等があれば積立額のチェックも必要になります。

退職金の資金準備
 複数の退職者が一度に発生すると企業にとって退職金の負担は大きくなり、多額の現金が必要になることは資金繰りを悪化させるおそれもあります。予め手当てしておくことは大切です。どこに資金をプールするかと言うと、先の調査では社内準備約6割強、中退共約4割、特退共やその他が少しあります。社内準備は銀行と生命保険の利用があります。






H28.10.18
豊洲市場問題で注目「土壌汚染」 土壌汚染がある土地の会計処理

都・築地市場の豊洲新市場への移転を延期
 東京都の豊洲市場問題(盛り土問題)。小池都知事は、「都民ファースト」の観点から@安全性への懸念、A巨額かつ不透明な費用の増加、B情報公開の不足の3つの疑問点が解消されていないことを理由として新市場の移転を延期しました。肝心の「汚染が解消されているのか」という点も専門家により、かなり意見が異なるようですね。

大法人では「土壌汚染」は減損テスト対象
 法人所有の土地でも、土壌汚染対策法に規定するような「土壌汚染」のあることが判明すれば、汚染除去義務が課せられます。
 こちらも除去費用も多額に生ずることになり、土地利用も制約され、当然、土地の価格の下落要因となるでしょう。大法人では、このような状況を財務諸表に反映させるための会計処理が用意されています。
 一つは減損会計です。資産の収益性が低下して投資額の回収が見込めなくなった場合に、貸借対照表の帳簿価額に価値下落を反映させる手続のことです。土壌汚染がある土地は減損テストの対象となります。

資産除去債務or引当金の計上も必要
 二つ目は資産除去債務の計上です。資産除去債務とは、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって、その除去時に法令や契約により要求される除去コストです。この除去コストを現在割引価値で貸借対照表の負債に計上するとともに、この債務に応ずる除去費用を、その有形固定資産の簿価に上乗せします(償却資産の場合は減価償却で費用化)。もし、減損会計と資産除去債務のどちらも対象となる場合には、除去費用部分を二重に認識しないように、減損会計の計算上、将来CFを計算します。
 最後は、引当金です。土地汚染の浄化義務が資産の除去時でないときや通常の使用によらないとき、法令等で要求されていないときは、資産除去債務に該当しません。
 このような場合でも、発生の可能性が高く、金額が合理的に見積もることができるときは、引当金を貸借対照表の負債に計上することになります。

税法や中小企業会計では?
 これらの処理は公正妥当な会計処理であっても、現行の法人税法では認められていませんので、税務は税務で考えることになります。中小企業会計指針では固定資産の減損(相当の減額)は求められていますが、資産除去債務は強制されていません。






H28.10.17
社会保険の適用拡大


給付の抑制
 消費税の10%への引き上げは平成17年4月まで延期されていますが、社会保険料は毎年少しずつ上げられています。給付の抑制がある半面で保険料負担は着実に増えています。
 年金の給付では特例水準の解消が4月に行われ、以前、物価が下がっていた時期に年金支給額を据え置きして下げなかったので、元に戻す為に平成25年10月と平成26年4月の見直しにより平均月4千円程度が引き下げられました。平成27年度は0.9%の引き上げがありましたが、今後のマクロ経済スライドの発動で物価・賃金の上昇ほどは年金額の上昇に反映されないようになっています。

費用負担の増加
 この8月からの改定で介護保険のサービスを受ける自己負担率が変更されました。
利用者1律1割負担であったものが年収280万円以上の人は2割負担となり、高齢者全体の20%が対象になりました。例えば自己負担が月1万5千円であった人は3万円となる訳ですからかなり負担感は大きいでしょう。
 健康保険でも高額療養費が今年の初めから70歳未満の人で年収770万円以上の所得の人は戻り分も減り、自己負担額が増えています。一方で年収370万円未満の人には負担を減らしています。

保険料の上昇
 厚生年金保険料率は毎年9月に0.354%ずつ上がっていますが、今年は労使合わせて17.828%となっています。来年の9月には18.182%になり、最終予定の平成29年には0.118上がり18.3%で固定される予定です。健康保険料率の上限も平成28年には現行12%が13%になる予定です。(健保組合はもう少し少ないでしょう)
 給与額が同じであれば保険料の上昇で所得税と住民税は減りますが、それを上回る保険料の上昇があるかもしれません。

防衛策は
 防衛策としては収入を増やすか支出を増やす事になりますが、専業主婦家庭であればパート勤務も選択肢でしょう。ローンや民間保険等の見直しも必要かもしれません。年金額の上乗せを考えるなら非課税制度を利用した貯蓄も考えられます。






H28.10.14
資産管理会社と持株会社


上場会社のオーナー
 上場会社のオーナーの大部分の方は、資産管理会社を作って、自らの上場株を管理しています。管理会社は、オーナー自身やその親族が役員となって支配しています。
 目的ですが、何といっても安定株主対策でしょう。管理会社の中には、20%前後の株式を保有しているものもあります。
 もう一つは、節税を含めたところの事業承継対策です。オーナー自身が直接株式を保有していれば、配当金だけでも莫大で、また、オーナーに相続があった場合、その株式は上場株ですので時価で評価され、相続税の負担も大変です。
 資産管理会社に自身の上場株を移しておけば、受取った配当金の、少なくとも、50%は益金不算入の対象になります。
 相続に際しては、オーナーが保有している株式は管理会社の非上場株式です。一般的には、その株式の評価は、株式保有特定会社となり純資産価額方式が適用され評価は高くなりますが、しかし、株式の含み益があれば、その含み益に対して法人税相当額(現行37%)が減額されます。
 もちろん、管理会社の資産内容を組み替えることで、類似業種比準方式が適用可能となり株価の評価を下げることはできますが、開業後3年を経なければなりません。また、3年経過しても組み替えが意図的と認定されれば純資産価額方式のみ適用となってしまうこともあります。相続・贈与の直前の実施は禁物です。

非上場会社のオーナー
 非上場会社のオーナーは、自社株の保有率が高いので持株会社(以下、HD)を作ることは容易です。作る方法は、売買もありますが、会社分割、株式移転(交換も含む)が最もポピュラーな方法ではないでしょうか。このHDは、会社経営のみならず、事業承継対策としても有用性があります。
 HDがグループ会社の経営を統合し、ほとんどの主要資産を移管、管理することで、経営の意思決定が迅速にできます。
 HDの受取配当金は100%益金不算入、主要資産の受入れは、子会社からの売買や現物分配(100%支配関係なので譲渡益課税はない)で可能です。
 結果として、必然的に持株会社は、一部又は全部に類似業種比準方式が適用可能となり、株価は引き下げられます。
 しかし、これも開業後3年を経過しなければ適用できません。






H28.10.13
株主名簿の整理方法
株主を確定させるには

10月から「株主リスト」の添付が必要に!
 商業登記規則等の一部を改正する省令(平成28年法務省令第32号)が平成28年10月1日から施行され、株式会社等が、株主総会の決議を要する事項について法務局に登記申請をする場合、「株主リスト」の提出が必要になりました。この場合の「株主リスト」は、議決権の多い株主上位10名、又は、議決割合3分の2以上の株主に関する「氏名又は名称及び住所、株式数並びに議決権数等」を記載した書面で、株主名簿に類似するもの、とされています。

株主が分散している可能性も
 株主名簿が整理できていれば「株主リスト」の作成は容易ですが、場合によっては、自社で把握している以上に株主が分散している可能性もあります。
 たとえば株主が死亡した場合、株は相続人に相続されますので、相続人が複数いる場合は株主が分散することになります。相続以外にも、相続税対策のために株の譲渡を行った場合や、従業員に自社の株を保有させる「従業員持株」、取引先と株の持合いを行っている場合など、株主が分散する可能性は様々です。株主の情報については法人税確定申告書の「別表二」に記載がありますが、この記載に最新の情報が反映されていない場合、どのように株主を確定すれば良いのでしょうか。

株主の確定方法
@原始定款を確認する
 定款とは、会社の基本規則を定めた書類で、会社の設立当初に作成したものを特に原始定款と言います。ここには設立当初の株主が記載されていますので、地道な作業にはなりますが、この情報から株主を辿ることができます。もし手元に原始定款がない場合は、設立時に定款の認証を行った公証役場に行けば謄本を取得することができます。公証役場での保存期間は20年です。
A法務局で登記添付書類を閲覧する
 設立時、法務局で登記申請を行った際の添付書類には当時の株主(発起人)の氏名と住所、引き受けた株数が記載されています。法務局での保存期間は5年ですので、最近設立された会社であればこの方法で確認することもできます。
 これまであまり株主名簿を利用する機会がなかった会社も、今後は利用頻度が増えることが見込まれます。常に最新の株主情報を把握するよう努めたいですね。






H28.10.12
すでに存在する貯蓄税


預金税、富裕税などの実現可能性
 ときどき、預金に課税するという新税案がマスコミで採り上げられることがあります。民主党時代の予算委員会で副大臣が富裕税という考え方もある、と発言をしたこともあります。でも、預金税や貯蓄税など今のところ実現可能性がないと誰しも思っていると思います。
 しかし、預けている貯蓄原資残高に毎年1.173%(国税1%、地方税0.173%)課税されることになっているものがあります。
 すでに存在する“貯蓄税”です。

法人税法は所得課税だけではない
 法人所得に対する税法というのが法人税法のイメージですが、「第一章 各事業年度の所得に対する法人税」に対して「第二章 退職年金等積立金に対する法人税」というのもあるのです。
 退職年金等積立金というのは、個人や法人が拠出している厚生年金基金、確定給付企業年金、確定拠出年金などのことです。
 将来受取る年金のための貯蓄のようなもので、課税はこの積立年金残高に対して税率を乗じて税額を計算することになっています。運用利益に対する課税ではありません。すでに貯蓄税は存在しているのです。

課税の理屈の再検討を要す
 確定給付の企業年金では、基金の解散等の場合、納税や運用損による責任準備金の減少額は企業が負担することになっており、リーマンショックの時には、負担しきれず破産企業が続出しました。
 確定拠出年金の場合には、加入者の個人別管理資産から控除して納付することとされており、将来受取る年金への二重課税にもなっています。
 マイナス金利の時代に、貯蓄残高課税など信じられない制度です。

現在は課税凍結されているが
 退職年金等積立金残高に対する課税制度は昭和37年に創設され、平成11年に課税凍結されるまで、現実に40年近く課税されて来ました。その後3年間の課税凍結期間が延期されつづけ、現在は平成29年3月31日までの期間の凍結となっています。
 報道によると、厚生労働省は来年度税制改正に向け、この積立金課税制度廃止を提案要望しています。ただし、廃止か再延長かは財務省との調整次第との観測です。






H28.10.11
住宅ローン控除と特別控除の2制度創設
三世代同居リフォームの減税制度


三世代同居リフォームに減税制度創設!
 平成28年4月より「住宅の多世代同居改修工事に係る特例」制度がはじまりました。
 この制度は、子育て支援・介護支援の一環として、三世代同居のために住宅のリフォームを行おうと考えている方を後押しする目的で設けられた減税制度です。
 平成25年に内閣府が行った意識調査によれば、「祖父母の育児や家事の手助けが望ましいか」という問いに対して、実に78.7%が「とてもそう思う」「ややそう思う」と答えています。三世代同居を「理想の家族の住まい方」と答えた方も、20.6%いらっしゃったようです。
 ただ、現実には、総世帯に占める三世代同居世帯の割合は昭和61年の15.3%から平成25年には6.6%と減少しています(厚労省・国民生活基礎調査)。
 このような状況の中、世代間の助け合いによる子育てしやすい環境整備を図るため、税制上の特例措置が講じられました。

住宅ローンの有無で2つの制度
 実際に「三世代で住もう」とした場合には、住環境の整備が必要です。この場合、キッチン、トイレ、浴槽等の水廻りを増設することが一般的であり、概ね250万円がかかると国土交通省では試算しています。
 そこで、「特定増改築等に係る住宅借入金等特別控除」と「既存住宅の特定改修の場合の特別控除」に追加する形で2つの減税制度が設けられました(選択適用)。

@住宅ローンあり(借入期間5年以上)
住宅ローン年末残高×控除率
〔控除率〕
 増改築工事全体(1千万まで)…1.0%
 うち三世代同居改修工事(250万まで)
               …2.0%
この制度では、年間で最大125,000円(250万円×2%+750万円×1%)の控除を5年間受けることができます。

A住宅ローンなし
標準的な工事費用(単位当たりの標準費
用×改修箇所)×10%(最大25万円)

対象となる三世代同居改修工事
 どちらも対象となる三世代同居改修工事は、@調理室、A浴室、B便所、C玄関のいずれかを増設し、改修後は@〜Cのいずれから2つ以上が複数になるものになります(補助金控除後の工事費用・標準的な工事費用が50万円超のものに限ります)。






H28.10.7
事業環境変化への対応

“事業環境への対応に失敗すると企業は衰退する”ことは常識と言えますが、実際には企業の対応状況は、千差万別です。

事業環境変化への対応とは
 事業環境変化への対応は、競争力を維持・強化するために行ない、次のようなケースがあります。
@事業環境の大きな変動に伴う経営理念・事業領域の革新
A市場(地域・顧客層)の変化に伴う新商
品・新サービスの開発
B高齢化・嗜好変化等による顧客ニーズの
変化に対応する商品・サービスの開発・改良
C人材不足、少子化等に伴う人材確保対応のための採用基準や方法の改革
D社員の挑戦意欲を高め、活躍を促進するための人事賃金制度改革 
E財務環境の変化に対応して利益確保を図るための財務管理の変革
F上記の変化対応に必要な新技術の導入

事業環境変化対応のポイント
 事業環境変化への対応は次の点に留意して行ないたいものです。
@変化の動向を的確に捉えて、過去の成功要因にとらわれたり、依存し過ぎたりせず、新しい考え方・商品・サービス・技術などを迅速に取り入れる。特にコンピュータ業界のように、技術変化の激しい業界は、市場・顧客の変化も激しく、注意が必要とされる。
A改革と同時に、現在まで採用してきた商品・サービス・経営管理方法を維持・継続することが得策と判断した時は、過去に蓄積してきたものを、新しい商品・サービス、方法の中に活かすなど、取り入れ方を工夫する。

経営者・管理者の留意点
 次の点に留意すると良いでしょう。
@事業環境の変化動向を注視して、毎年自社のSWOT分析を行ない、「強みを機会に活かし、弱みを補強する」視点で環境変化対応を行なう。
Aプロジェクトチームなどで、目標管理制度の共同目標の設定を行なうなど、変化への対応自体をフレキシブルに行なえる体制づくりを行なう。その際、試行錯誤を許容する評価基準をもつよう配慮する。






H28.10.6
「生計を一にする」の定義

「生計を一にする」の解釈
 「生計を一にする」という用語は、多くの税法で用いられています。ただし、税法そのもので、その定義はされていません。解釈通達での定義で済ませています。

法人税法では
 法人税法では政令の同族関係者の範囲の規定で「生計を一にする」という用語が出てきます。法人税基本通達は、「生計を一にする」こととは、「有無相助けて日常生活の資を共通にしていることをいうのであるから、必ずしも同居していることを必要としない」とし、要約的に表現しています。

国税通則法・国税徴収法では
 国税通則法基本通達では、「生計を一にする」とは、「納税者と有無相助けて日常生活の資を共通にしていることをいい、納税者がその親族と起居をともにしていない場合においても、常に生活費、学資金、療養費等を支出して扶養しているときが含まれる。なお、同一家屋に起居していても、互いに独立し、日常生活の資を共通にしていない親族は、生計を一にするものではない。」と定めています。
 国税徴収法基本通達は、前半が同文で、「なお」以下部分は、「なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。」と逆の側面からの規定になっています。

関係の多い所得税法では
 所得税法では、専従者関係の規定、雑損控除・医療費控除・各種保険料控除・人的控除などの所得控除の規定、その他多くの規定で「生計を一にする親族」の判定が係ってきます。
 しかし、所得税基本通達での概念規定は、法人税、通則法、徴収法の各通達と異なり、「有無相助けて日常生活の資を共通にしていること」の概念の内包部分がありません。
 外延としての「なお」以下部分は、「同一の家屋に起居していること」のほか、別居であっても「同一の家屋」が起居のために帰るべき場所であったり、別居先に「常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合」も含まれる、としています。






H28.10.5
百億円でも配偶者だけなら無税

配偶者の税額軽減
 相続税では配偶者に対する税額軽減措置があります。被相続人の配偶者が取得した相続財産の課税価格が1億6千万円以下、又は配偶者の法定相続分相当額以下である場合には、配偶者に相続税はかかりません。
 もし、相続人が配偶者のみの場合はどうなるのでしょうか。相続人が配偶者のみの場合には、配偶者の法定相続分は100%です。そうすると、相続財産が100億円とか1兆円とかの場合にも、税負担額はゼロということになります。

相続人が配偶者のみという状態
 相続人が配偶者のみという状態は、親や子や孫、そして兄弟姉妹や甥姪もいない被相続人だったという場合だけでなく、他の相続人が相続放棄をした、又は他の相続人が相続欠格・相続廃除になった、という場合にも起き得ることです。

相続放棄の結果の配偶者単独相続
 相続放棄者は、遡及的に相続人でなかったものと扱われ、その子供たちの代襲する権利もないものとされます。しかし、これは民法の扱いで、相続税法では、相続放棄は原則としてなかったものとして取り扱われます。従って、相続放棄があったことの結果としての配偶者の単独相続では、配偶者の法定相続分は100%にはなりません。

相続欠格・相続廃除とは
 相続欠格・相続廃除も、相続人資格喪失事由です。相続欠格には、被相続人または競合相続人を死亡させようとしたり、被相続人に遺言書の作成や変更を詐欺や強迫によって強制したり、妨害したり、作成済み遺言書の偽造・変造・破棄・隠匿をした場合が該当します。
 相続廃除には、被相続人に対する虐待・侮辱及び本人の著しい非行を原因とする家庭裁判所の廃除審判が必要です。生前の廃除申立と遺言による廃除申立があります。

相続欠格・相続廃除は民法どおり
 なお、相続欠格・相続廃除の場合には、欠格・廃除とされた者の子供たちの代襲相続権は消滅しません。相続欠格・相続廃除の結果は逆に、法定相続人が増えることになる場合があります。
 相続欠格・相続廃除の結果として配偶者の単独相続が生じた場合には、相続税法に別段の規定がないので、民法通りとなり、配偶者の法定相続分は100%です。この場合には、税負担額はゼロということになります。






H28.10.4
消費税の累進税制による還付申告

所得、財産、消費の捕捉
 消費税の導入の際、竹下総理は、所得と資産と消費へのバランスのとれた課税制度があるべき姿と国会演説していました。
 しかし、国税としては、所得の捕捉に比べて財産の捕捉、消費の捕捉は不完全です。
 ただ、財産の捕捉については、将来の適切な財産税の構築を目指して財産債務調書・国外財産調書が始まりました。それに比して、一人一人の消費量の大きさの捕捉については必要性すら論じられていません。

累進税率、比例税率、逆進税率
 所得税は累進税率(超過累進税率)、社会保険料や国民健康保険税は、料額に頭打ちがあったり、定額であったりで、始め累進あと逆進です。財産税は特定財産所有者にしか課せられないので比例税率ながら累進性の結果をもたらします。
 現在の消費税は完全比例税率です。食料品軽減税率を導入すると、消費税は累進税率になるのでしょうか。多少はなりますね。
 でも、単一税率のまま、消費の総量に対する累進税率にしたほうが累進効果は大きく出ます。

累進消費税(満足税)へ
 真の所得とは満足である、という租税学説があります。満足とは消費とも置き換えられます。従って、真の所得である消費の総量に累進課税をすることこそ、あるべき税制かもしれません。満足税です。
 年間消費総額100万円まで(3%)、200万円まで(5%)、300万円まで(8%)、400万円超(10%)が想定される累進税率です。
 消費の総量は、
年初純財産-年末純財産+当年所得=消費
として計算できます。
 この消費額に累進税率を乗じて累進消費税(満足税)を算出するとともに、単一比例税率(例えば10%)を乗じて比例消費税(先払消費税)を算出します。満足税と先払消費税との差額は確定申告により還付されます。

消費税還付のための確定申告
 年間消費総額400万円だったら、(40万円−26万円)=14万円の還付です。消費者の消費税申告は還付のためだけの申告です。ただし、還付申告をする人は、自らの年初と年末の財産総額を税務署に開示する必要があります。還付を受けなくてよい、という人は、申告しなくてもよいのです。
 扶養家族単位申告にし、毎月申告の制度を創ってもよいかもしれません。






H28.10.3
等級制度の基軸性

 役割等級制度・職務級制度・職能資格制度など、等級制度は、人事賃金制度体系の基軸ですが、その意味について考えておくと、制度の設計と運用に役立ちます。

人事賃金制度体系における位置づけ
 人事賃金制度体系は図に例示した通り、あたかも4輪駆動の自動車のような構造を形成し、等級制度はその基軸の位置づけとなっております。そして、この自動車が安定して走行することで、経営における人事賃金制度の目的が果たされます。
 すなわち、等級制度がエンジンとなり、業績管理制度・報酬制度・人材育成制度・組織設計と人材配置の4つの車輪が、バランス良く回転することによって、この自動車が安定走行できるのです。
 もし、車輪の1つに傷がつけば、走行が不安定となり、自動車の走行は不可能となります。

安定走行を図るには
 また、ハンドルを握るのは経営者・人事担当部門と管理者であり、走行する道路状況や気候変動などの条件に応じて巧みに運転しなければなりません。 
 人事賃金制度体系が安定走行を維持し、経営に貢献し続けるには、次の要件を満た

人事賃金制度の体系(例)
人材育成制度  報酬制度
    ↑     ↑
     等級制度
    ↓     ↓
組織設計    業績管理制度
人材配置    (目標管理等)

すことが必要です。
@人事賃金制度の設計において、等級制度と4つの車輪がバランス良く機能するよう、各車輪と、等級制度を基軸とする各制度内容と相互関係を設計する。
A経営者・管理者は、人事賃金制度運用と言う自動車の運転技術をマスターし、実践を通じて、マネジメントサイクルを回しながら運転する。
B2年に1回程度、管理者・社員からアンケートなどにより、自動車運転状況の問題点をモニターする。
C前項に基づいて自動車の定期点検を行ない、少なくとも10年ごとに総点検と改修を実施するとともに、外部環境変化が激しい場合には抜本的な改定を行なう。