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H28.11.30
変化へ挑戦する力

 現代は“変化の時代”で、企業経営においても変化の波を避けて通ることは難しく、生き残り、存続するために、常に変化へ挑戦する力を持たなければなりません。
 言い換えれば、変化を的確に洞察、予知し、対応策を講じて、自社にとって有利に活用するべきです。

事業環境変化の性質
 事業変化の性質とは次の3点です。
@不連続性:過去の事業環境との間には断層があり、過去の経験にあぐらをかいていては乗り切ることができない。
A波及性:一つの変化が縦横に波及し、特定の専門分野に閉じこもっていては対処できない。
B加速性:変化のスピードが速く、現代のICT時代にあっては、幾何級数的に加速するので、時間やタイミングを無視しては対処できない。

変化へ挑戦するには
 経営計画や目標管理制度の運用は、事業環境変化へ挑戦する側面を持つケースが多く、組織と社員一人ひとりの変化対応力を高めるチャンスとなります。
 すなわち、経営計画では事業環境変化に対処する次の手順を適用するのが適当です。
@現時点から近い将来の事業環境変化を洞察、予知する。
A変化がSWOT分析のどの項目に該当するか判断する(強味として活用できる変化か、弱みを助長したり、逆に改善できるものか、機会として活用できるものか、脅威を招いたり、増幅、回避させるものか)
Bそれぞれの変化に対応するための担当部署、担当者を決定し、創造的に対応して、事業メリットが得られるような目標設定へつなげる。

経営者・管理者の留意点
 組織や社員一人ひとりは、日常的に変化が乏しい仕事環境に置かれると、思考や行動がマンネリ化し、変化や新しいことに対して必要以上に躊躇し、感性や動作が鈍ります。反対に環境や行動が変化すると、脳が刺激を受けて活性化します。そこで変化に挑戦する力を高めるには、組織や個々の社員に経営計画策定のプロセスへ参加を求め、変化への挑戦を働きかけることが上策です。






H28.11.29
中小企業のための補助金です
〜ものづくり補助金公募開始〜

ものづくり補助金とは
 この補助金は、中小企業・小規模事業者が取り組む、経営力向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。経営革新等認定支援機関の全面バックアップを得て事業を行う中小企業・小規模企業が対象となっています。
 ものづくりという名前の補助金なので製造業関連の設備投資がイメージされますが、正式名称は「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」と言い、以下の様な内容も採択されています。
・「?から作った甘酒酵母パン」の開発と新市場の開発
・「鍼灸・指圧マッサージによる整体において、身体の状態変化が『見える』サービス」の展開
 最近の流行りは「3Dプリンター導入による×××の開発」で、よく採択される傾向にあります。
 サービス業においても、この補助金は積極的に活用されています。

補助上限額・補助率
第四次産業革命型:補助上限額3,000万円
一般型:補助上限額1,000万円
小規模型:補助上限額500万円
(補助率:いずれも補助対象経費の2/3)

審査における加点項目
@ 第四次産業革命型・一般型に応募する中小企業等は、経営力強化法による「経営力向上計画」の認定事業者及び「経営革新計画」の承認申請事業者
A 総賃金の賃上げ等に取り組む企業
B TPP加盟国等への海外展開により海外市場の新たな獲得を目指す企業
C 小規模型に応募する小規模企業者
D IT化に取り組む企業
 加点項目に該当しなくても申し込みは出来ます。

申し込みはいつまで?
 例年ならば、2月に公募が始まるのですが、今年は11月に始まりました。締め切りは平成29年1月17日(火)、締切日当日消印有効。平成29年3月中を目処に採択公表を行う予定です。現状において2次公募は予定されていません。お早めに経営革新等認定支援機関にご相談ください。








H28.11.28
平成28年分
年末調整の留意点

 年末調整は、給与の支払を受ける人の一人一人について、毎月(日)の給料や賞与などの支払の際に源泉徴収をした税額と、その年の給与の総額について納めなければならない税額(年税額)とを比べて、その過不足を精算する手続きです。
 平成28年分の年末調整にあたって留意すべき主な事項は、国外居住親族に係る扶養控除等の適用、通勤手当の非課税限度額の引き上げ、マイナンバーの記載等に関する事項です。
●国外居住親族に係る扶養控除等の適用
 平成28年1月1日以後に支払われる給与等の「源泉徴収」又は「年末調整」において、国外居住親族に係る扶養控除、配偶者控除、障害者控除又は配偶者特別控除の適用を受ける場合には、親族関係書類(親族であることを証明する一定の書類)及び送金関係書類(生活費等に充てるために送金等をしたことを明らかにする一定の書類)の提出又は提示が必要となりました。
●通勤手当の非課税限度額引上げ
 平成28年1月1日以後に支払われるべき通勤手当の非課税限度額が10万円から15万円に引上げられました。
 しかし、4月の改正前に支払われた通勤手当については、改正前の非課税規定を適用したところで所得税及び復興特別所得税の源泉徴収が行われていますので、改正後の非課税規定を適用した場合に過誤となる税額は、本年の年末調整の際に精算する必要があります。
 なお、既に支払われた通勤手当が改正前の非課税限度額以下である人については、この精算の手続きは不要です。また、退職した人など本年の年末調整の際に精算する機会のない人については、確定申告により精算することになります。
●年調関係書類に係るマイナンバーの記載
 年末調整関係書類のうち、@保険料控除申告書、A配偶者特別控除申告書、B(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書については、平成28年4月1日以後に提出するものからマイナンバーの記載が不要とされています。
 給与の支払者が個人の場合には、これらの申告書にマイナンバーの付記は不要ですが、法人の場合には付記が必要です。
 なお、平成29年分から給与等の支払者が提供者のマイナンバー等を記載した一定の書類を備えている場合には、申告書への記載は不要とする取扱いが適用されます。






H28.11.25
チェックしたい決算項目 締後給与・未払社会保険料の計上

決算チェック@ 締後給与の未払計上
 会社で是非検討したい決算項目の一つに、「締後給与」の未払計上があります。
 一般的に、会社の月々の給与は、支給日の属する月の給与台帳に基づいて会計処理が行われていると思います。
 一方、給与手当は「発生した期間」の費用となりますので、決算月の「給与締日の翌日から期末日までの間」に生じたものも、まだ支払は行われていませんが、当期発生の費用となります(これを「締後給与」といいます)。決算においては、決算月の「締後給与」を集計し、未払金(未払費用)で計上することとなります。
@毎月20日締 25日払いの場合・・・21日〜月末の間に生じた給与
A毎月末日締 翌月5日払いの場合・・・月初〜月末の間に生じた給与
B毎月末日締 当月支払いの場合・・・なし

決算チェックA 未払社会保険料の計上
 また、決算月分の未払社会保険料の計上も、検討したい決算項目となります。
 社会保険料は「翌月徴収・翌月納付」が原則です(例外として「当月徴収・翌月納付」とすることも認められています)。
 この原則の取扱いでは、10月分の社会保険料は、従業員の11月給与から預かり(翌月徴収)、会社負担分を合わせて11月に納付することになります(翌月納付)。
 この場合、10月決算の会社であれば、10月の会社負担分の社会保険料は、当期に発生している費用であるため、納付告知を待たずに、決算において、未払金(未払費用)を計上することができます。

決算チェックB 「預り金」の再確認を!
 ここで念のためチェックしておきたいのが、従業員から預かった社会保険料の「預り金」の期末残高です。
 もし、社会保険料を原則の「翌月徴収・翌月納付」で行っていれば、決算日が休日でない限り、 「預り金」残高は消えているはずです(たとえば、10月決算の場合、10月給与から徴収した9月分社会保険料は、10月に納付されているはずです)。
 「預り金」が期末に残高として残っているときは、自社のスタンスが「翌月徴収・翌月納付」なのか、「当月徴収・翌月納付」なのか再確認してみましょう。






H28.11.24
“正しい判断”


 “正しい判断”は、決断、実行、成果獲得に至る第一歩です。
 SWOT分析や3C分析などを使って経営分析を行なうのは、正しい経営判断を行ない、中期経営計画、年度経営計画や、経営目標、施策を決断、実行し、事業成果を得るためです。目標管理制度の運用においても、常にこのような“正しい判断”を必要とする場面に遭遇します。
 しかし、“正しい判断”を誤らせる要因は多く存在しており、それらに注意しながら対処して行かなければなりません。

“誤った判断”が起きる原因
 一般に“誤った判断”が生じる原因には次の事柄が挙げられます。
@判断意図の誤り(その判断の結果、何を決めようとするのか、典型的にはコンプライアンスに反する決断を意図している場合などは、判断誤りに直結します)
A視点の誤り(物事を見る時、悪いところを探す視点、言い換えれば荒さがしの視点で見るなど)
B感覚の使い方の誤り(憶測、先入観をもって判断するなど、あるがままの事実を見ようとしない)
C追求不足の誤り(物事が起きた原因の表面だけを見て、本質的原因を追究しようとしない誤り)

“正しい判断”のポイント
 上記のような誤りを防ぎ、“正しい判断”を行なうには次の努力が必要です。
@倫理観、道徳心に裏付けられた正しい意図に基づいて、状況事実を見る視点を設定する。
A“三現主義”で、憶測・先入観を排除して状況事実を見る。
B現象に囚われず、本質的原因まで掘り下げて追求する(なぜなぜ5回の原因分析などを活用する)
C“正しい判断”が将来に影響を及ぼす場合、想像力を働かせ、将来の状況事実まで見通して判断することが必要になる。

経営者・管理者の留意点
 チームで判断を共有する場合、メンバーの見た事実を基に、衆知を集めて共通の判断に至る柔軟なアプローチを行なう必要があります。場数を踏ませて、正しい判断に慣れさせることが大切です。






H28.11.22
併用が可能なようです! 「家なき子」と「空き家3,000万控」


「空き家3,000万控除」と小規模宅地等
 平成28年4月1日からの譲渡より所得税の「空き家に係る譲渡所得の特別控除(3,000万円控除)」制度がスタートしていますが、これと相続税の小規模宅地等の減額を併用できるパターンがあるようです。

空き家に係る譲渡所得の特別控除
 「空き家に係る譲渡所得の特別控除」とは、「被相続人居住用家屋」(相続開始直前において、被相続人のみが居住していた家屋で旧耐震基準により建築されたもの。区分所有建物を除く)を相続した相続人が相続時から3年経過する年の12/31までに次の譲渡を行った場合には、譲渡所得の計算上、譲渡益から「3,000万円の特別控除」ができるというものです。
@その家屋を耐震リフォームした後のその家屋及び敷地の譲渡等
Aその家屋を除却した後の敷地の譲渡等
 この他にも「譲渡対価1億円超は対象外」「相続開始から譲渡の時まで事業、貸付、居住の用に供されたことがない」などの要件があります。

小規模宅地等の減額(家なき子)
 小規模宅地等の特定対象宅地等の多くは「相続開始時から申告期限までの事業継続要件・居住要件」があるため、「特別控除」との併用は難しいものと考えられますが、次の特定居住用宅地等(いわゆる「家なき子」)の場合には、居住要件がなく、併用が可能であると考えられます。
〔適用要件〕 「被相続人と同居していない親族」が「被相続人の居住用宅地等」を取得した場合で、@〜Bのすべてに該当し、かつC又はDの要件を満たしていること
@相続開始時に、被相続人又は相続人が国内に住所を有していること等
A被相続人に配偶者がいないこと
B被相続人の居住用家屋に同居する相続人である親族がいないこと
C相続開始前3年以内に国内にあるその人(又はその配偶者)の所有する家屋に居住したことがないこと
Dその宅地等を相続税の申告期限まで有していること

相続税額の取得費加算とは選択適用
 ただし、この「特別控除」と「相続税額の取得費加算」制度とは選択適用となりますので、注意が必要です。





H28.11.21
会社法と法人税 資本の払戻しとプロラタ計算

 会社法下で、旧商法上の有償減資と同様な効果を得るためには、資本金の額を減少させると同時に、その減少した資本金の額に対応した「剰余金の配当」により株主に金銭等の払戻しを行うことになります。
 この剰余金の配当は、会社法上は「その他資本剰余金」をその原資とするものではありますが、税法は独自の基準で、「資本の払戻し」とするものの、そこに「みなし配当」が適用される規定もおいています。

平成13年度税制改正前
 平成13年度の改正前は、いわゆる有償減資においては、原則、みなし配当の適用はありませんでした。それは、旧商法では資本金の減少決議において、資本金の額の減少と株主への財産の払戻しが一体となっていたこと、また、税法も商法の規定に準拠していたことによるものと解されています。

平成13年度の税制改正以後
 平成13年度の税制改正で、減資払戻し(有償減資)については、その交付金銭のすべてが資本等の金額(現行資本金等の額)から交付されたとはせず、資本等の金額と利益積立金の双方から比例的に払戻されたとする、いわゆるプロラタ計算方式を導入しました。その算式は以下の通りです。
減資資本等金額=(減資等の直前の資本等の金額)×(交付した金銭の額等の合計額)/(前期末簿価純資産価額)
 したがって、利益積立金が存する限り、原則、みなし配当は算出されます。
 会社法の制定に伴って、平成18年度の税制改正では、分子が「減少する資本剰余金の額」に改められましたが、内容的な変更はありません。

プロラタ計算導入の要因
 (一)、一部清算概念を取り入れた。つまり、払戻しは、部分的な会社からの脱退であり、その交付金銭は、株主が拠出した財産のみならず利益積立金からなる財産からも分配されている。(二)、発行法人の恣意性の排除、これは、旧法人税法では、払戻し交付金銭が減資資本金を超えてなされた場合、その超える部分が利益積立金、資本積立金のいずれになるかは会社の任意であったこと。(三)、利益等の資本組入れ、これは、過去に一定期間、最低資本金を満たすために無税で利益等の資本組入れが認められていたこと。(四)、商法・会計上の処理基準と税務上の処理基準の根本的な差異、などが挙げられるかと思います。





H28.11.18
小規模事業者のための補助金です 小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、経営計画に基づいて実施する販路開拓等の取り組みに対し、原則50万円を上限に補助金(補助率2/3)が出る補助金制度です。
 補助対象者は下記の通りです。
卸売業・小売業 常時使用する従業員の数 5人以下

サービス業(宿泊業・娯楽業以外) 常時使用する従業員の数 5人以下

サービス業のうち宿泊業・娯楽業 常時使用する従業員の数 20人以下

製造業その他 常時使用する従業員の数 20人以下

 対象となる事業は、商工会議所の支援を受けながら実施する販路開拓等のための事業、もしくは販路開拓等と併せて行う業務効率化(生産性向上)のための事業です。
 こんな使い方でもOKです。
●販促用のチラシやポスター、営業用のパンフレットの作成、配布
●お店の什器購入や看板新設、洋式トイレへの改修といった店舗改装
●展示会への出展や販路開拓のための活動
●新商品の開発や既存商品のパッケージの改良

 販売促進利用ならば大半の費用は問題なく対象となります。これだけではなく、「雇用対策、買物弱者対策の事業」ならば上限100万円、「複数の小規模事業者が連携した共同事業」ならば上限500万円といった申請方法も追加されています。
 気を付けないといけないことは、補助金は補助対象として認められた経費を実際に使った後に入金されるので、資金繰りに注意する必要があります。
 補助事業終了後には、補助事業で取り組んだ内容を報告する実績報告書と支出内容のわかる関係書類を提出しなければなりません。
 平成28年度第二次補正予算でただいま公募中です。締め切りは平成29年1月27日(金)、締切日当日消印有効。





H28.11.17
平成28年度地域別最低賃金


今年も上がる時給額 上げ幅最大
 最低賃金とは国が賃金の最低限度額を定めた額以上の賃金を労働者に支払わなければならないと言う制度ですが最低賃金の決定は今年も10月に発令されています。
 比較可能な平成14年以降最大の上げ幅です。人口減により地方でも人手不足は深刻で最低賃金を引き上げて労働力確保を図る例が目立っています。中央最低賃金審議会は平成28年度の地域別最低賃金改定の状況を発表しました。都道府県別の引き上げ額は時給25円アップを最高に24円、22円、21円、と上がり幅が分けられ、全国加重平均は823円(25円引き上げ)です。若い世代の労働力流出に悩む地域が多く建設、小売業等で深刻化する人手不足の改善につなげるとしています。

都市部と地方部の格差は広がる
 最も時給が高いのは東京都の932円、最も低い額は宮崎、沖縄の714円でした。10月1日より中旬にかけて発効となります。毎年都市部の上がり幅が高いので都市部と地方部の格差は場所によっては縮小しているものの、最高額と最低額の差は最大で218円開いています。
 
 平成28年の改定額は以下の通りです。
25円改定
東京 932円 大阪 883円 愛知 845円  千葉 842円 神奈川930円 埼玉 845円
兵庫 819円
24円改定
茨城 771円 京都 831円 静岡 807円
三重 795円 滋賀 788円 栃木 775円
長野 770円 富山 770円 広島 793円
22円改定
北海道786円 宮城 748円 群馬 759円
新潟 753円 石川 757円 福井 754円
山梨 759円 岐阜 776円 奈良 762円
和歌山753円 岡山 757円 山口 753円
島根 718円 鳥取 715円 高知 715円
福岡 765円
23円改定   香川 742円
21円改定
青森 716円 秋田 716円 岩手 716円
山形 717円 福島 726円 愛媛 717円
徳島 716円 島根 718円 長崎 715円
佐賀 715円 熊本 715円 大分 715円
宮崎 714円 鹿児島715円 沖縄 714円





H28.11.16
株式の併合・分割・無償割当て

必要なときいつでも株式の併合又は分割ができます。

会社法上の手続き
 株式の併合は、10株を1株するなどして株式数を減らすことで、その手続きには、株主総会の特別決議を必要とします。一方、株式の分割は、1株を10株に細分するなど株式数を増加させることで、その手続きには、株主総会の普通決議又は取締役会設置会社にあっては取締役会の決議で行うことができます。
 両者のこの手続き上の差異は、前者は併合により単元未満株式となり株主としての権利を失うおそれがあること、一方、後者は少数株主であっても株主権を失うおそれがないことによるものです。
 また、株式の無償割当は、株主に対して新たに払込をさせないで、会社の株式の割当を行うもので、その手続きは、基本的には分割と同じです。
 しかし、分割と無償割当では、前者は自社株式も分割の対象となるが自社株を交付株式とすることはできない、一方、無償割当は自社株式には無償割当ができないが自社株式を割当することができる、といった違いもあります。

税務における処理
1)発行会社の処理
 併合また分割が行われた場合であっても、それだけでは株式発行法人の純資産の部の金額が変動するわけではありませんので、結果、課税関係が生じることはありません。また、原則、資本等の金額又は利益積立金の調整も必要ありません。
2)株主の処理
 株式の併合は、株数が減っても対価がありませんので、有価証券の譲渡に当たりません。しかし、併合により株式数が減少することから、一単位当たりの帳簿価額の付替え計算が必要になります。
 また、株式の分割や無償割当により既存株式と同種株式を取得した場合には、その取得価額をゼロとして、一単位当たりの帳簿価額を算出します。
 なお、株式の併合又は分割に際して1株未満の端株が生じた場合には、発行法人はこれを一括譲渡し、その譲渡代金を端株主に交付します。この交付金銭は株式の譲渡対価になりますので、端株主は付替え計算後の1株未満の株式の帳簿価額を譲渡原価として譲渡損益を計算することになります。





H28.11.15

種類株式 会社の実態に合った活用

株式会社は、権利内容の異なる複数の種類の株式を発行することができます。会社法は、九つの種類株式を規定しています。以下、幾つかその内容を概観してみます。

●種類株式の特徴とその発行手続き
@譲渡制限株式:株式譲渡の自由を制限した株式です。非公開会社にあっては、無制限に好ましくない者が会社に入ってくることを防止するためのもので、日本のほとんどの会社がこの譲渡制限会社です。A議決権制限株式:原則、株主は1個の議決権を持っていますが、一定の事項、又はすべての事項について議決権を制限することができる株式です。B配当優先株式:配当については優先してもらうことができる株式です。C拒否権付株式:ある決議事項について、拒否権を発動できる株式です。拒否できる権利のある株式ですが、決議はすることはできません。つまり、何も決めることができない株式でもあります。
 その他、D取得請求権付株式、E取得条項付株式、F全部取得条項付株式、G役員選解任付株式、H残余財産分配優先株、などがあります。この種類株式を発行するには、種類株式の内容に応じて、株主総会の特別決議、特殊決議、さらには、株主全員の同意を要件とするものもあります。
 なお、種類株式は、登記事項となっています。これは、中小企業にとっては面倒な手続きです。また、運用面からいってもその手続きは煩雑です。

●属人的株式とその有用性
 上記の種類株式とは別に、株式のすべてに「譲渡制限」が付されている会社は、株主ごとに異なる取扱いをすることができます。これが「属人的株式」と呼ばれるものです。
 種類株式は、その株式を誰が保有しても権利の内容は同じですが、この属人的株式は、社長の持っている株式1株につき1000個の議決権を付与する、というように株式の保有者によって権利の内容を変容させることができる株式です。そして、その者が死亡すれば特別な手続きを踏むことなく、属人的株式は普通株式に戻ります。
 また、属人的株式は、登記が不要であり、単に、定款変更(特別特殊決議)だけで導入することができます。
 種類株式よりも柔軟な機関設計ができ、中小企業はもとより事業承継にあたっても活用できる余地は大と考えます。





H28.11.14
預貯金とマイナンバー


預貯金のマイナンバー管理
 平成27年8月のマイナンバー法改正に伴い、国税通則法を改正し、銀行等に対し、マイナンバーによって検索できる状態で預貯金情報を管理する義務を課す、としました。ただし、9月9日に改正公布されていますが、3年内施行ということで、まだ施行はされていません。

現在ある預貯金口座とマイナンバー
 銀行が個人の顧客に支払う利子の課税については、源泉分離課税で課税が終了することから、利子支払調書の提出が免除されており、銀行等の預金口座に関しマイナンバーを付す必要性も法的根拠もありません。
 それで、預金口座へのマイナンバー付番の根拠として、マネーロンダリング対策や、預金保険機構による預金者救済などでの名寄せ、災害時の迅速な対応といった場面で必要だから、との建前を出して、平成30年以降は口座への付番を預金者の任意の協力の下でできることに法制化しました。

改正通則法の付番管理
 税務当局には質問検査権があり、金融機関に対し従来より、過去数年間の預貯金情報の照会をしており、マイナンバー付番があれば、そのマイナンバーにより名寄せした情報の開示を金融機関に対して行うことは今後とも可能なところです。
 ところが、金融機関等をあまり信用していないのか、対応に不満があるのか、金融機関からの迅速・的確な回答を確保し、税務調査における預貯金調査の効率性を高める観点から、金融機関に対して、マイナンバーに紐付けて預貯金口座に関する情報を管理するという義務を課すこととしました。冒頭の改正法です。

マイナンバー告知強制があるかも
 預貯金者は金融機関から、保有する預貯金口座について、マイナンバーの告知を求められることが予想されますが、預貯金者における金融機関に対するマイナンバーの告知は、義務ではなく、あくまで任意です。

付番促進検討は3年後
 なお、預貯金口座へのマイナンバーの付番が進まないことも考え得るところですが、今般の番号改正法の附則において、本制度施行から3年後の見直し規定が設けられており、その時点で付番の状況等を踏まえ、更なる付番の促進に向けた施策の検討を行うこととされています。





H28.11.11
昇格・昇進の基準

 通常、年1〜2回行なわれる昇格・昇進は人材育成の成果で、有能な人材を育成した結果として、企業経営を支えて活躍する機会を与え、かつ相応に処遇することです。
 なお、昇格とは、等級制度における等級を上げることであり、昇進とは役職を任命することです。

昇格・昇進の審査基準
 一般には、次に例示するような基準を設定して審査を行ないます。
[昇格基準]
@ 直近1年間の業績・能力の総合評価が5段階A〜EのAまたはBであること
A 現在の等級における在籍期間(例:上位等級では12カ月以上、下位等級では6カ月以上)
B 昇格後の等級に期待される貢献度が期待できるか
C 業績貢献に至るプロセスで、実際に行なった工夫・施策・周囲への影響・自社の共通の価値観に基づく行動
D 上位等級では、上記項目についての面接審査結果
[昇進基準]
@ 昇進ポジション(役職)で活躍するための等級を得ているか
A 配置先のポジションで活躍が期待できるか(適性・環境適応力・ストレスに対する耐久力・家族状況による制約・必要な場合は語学力等)

経営者の留意点
 新しい事業分野への昇格・昇進では、次のような点に留意しましょう。
@ 管理職・専門職の複線人事で、昇格・昇進目標と、キャリアルートを社員に示し、主体的な能力開発を図ること。
A 新規事業に関するポジション、海外事業所のポジション等への配置を行なう場合は、「入学方式」(入学試験のような制度)をとり、現在処遇のまま、新しいポジションにつかせ、特定期間における業績・貢献度・実際の発揮能力を評価した上で昇進させること(昇進後に期待外れに起因して、降格が生じ、大きなモラールダウンや退職に至る等のトラブルを避けることができる)。






H28.11.10
増税後に変わった「相続税の申告案内」
相続税の「申告要否検討表」


東京局、相続税の申告要否検討表を送付
 相続税の課税が見込まれる一定の者に対しては、税務署は従来から「相続税の申告等についてのご案内」「相続についてのお尋ね(相続税申告の簡易判定シート)」や相続税の申告書などの書類を送付していました。
 平成27年1月1日以後は遺産に係る基礎控除の減額などの改正が入ったため、東京国税局管内ではこの取り組みを見直し、「@相続税の周知文」又は「A相続税の申告案内」を送付することとなりました。

「相続税の周知文」の送付
 これは東京国税局が新たに始めた取り組みで、相続税の申告期限から3ヶ月前を目途に「相続税の周知文」、「相続税の説明会のお知らせ」、「改正相続税リーフレット」を一定の要件に該当する「相続税の申告義務が生じる可能性がある者」に送付するというものです。
内容   相続税の周知・広報、申告要否のチェックを促す。
対象者  相続税の申告義務が生ずる可能性がある者(一定の事実を満たす事案の相続人等)
対応   申告要否の自主チェック
送付時期 相続税の申告期限の3ヶ月前を目途

「相続税の申告案内」の送付
 こちらは従来から行われていたものですが、相続税の課税ベース拡大に応じて、送付する書類が「相続税のお尋ね」から「相続税の申告要否検討表」等に変わりました。
内容   「相続税の申告書」又は「相続税の申告要否検討表」の提出を依頼する
対象者  相続税の課税が見込まれる者(抽出基準に該当する事案の相続人等)
対応   相続税の申告義務があれば「相続税の申告書」、申告義務がなければ「相続税の申告要否検討表」を提出する
送付時期 相続税の申告期限の4ヶ月前を目途

送付対象者の違い
 「相続税の周知文」が送付される者と「相続税の申告案内」が送られてくる者とでは、後者の方が、KSKの「抽出基準」により送付されることなどから、前者よりも納税義務が発生する可能性が高いものと見られています。「相続税の申告要否検討表」の提出依頼はあくまでも行政指導であるため、必ずしも提出義務があるものではないのですが、提出がなければ、税務署から提出を促す連絡がくるものと思われます。






H28.11.9
商業簿記は今日的な論点を追加!
簿記2級が変わりました!」


履歴書に「2級合格」と書いてあっても…
 11月20日は本年最後の日商簿記検定の試験日です。会計資格の人気が落ちてきたとはいえ、日商簿記1〜4級の年間受験者は約55万人(平成27年)。これは大学入試センター試験の受験者数に匹敵します。
 中でも経理担当者に取得して頂きたいレベルは、まず2級です。ただ、履歴書に「簿記2級合格」と書かれていても、その方の実力の程はよくわかりません。
 ある税理士の先生の書籍に書かれていた例ですが、簿記2級を取得し、税理士試験受験経験あるというスタッフさんを採用し、入社初日に「売掛金は借方と貸方のどっち?」と尋ねたところ、「貸方?」という答えが返ってきたそうです。就職活動のために「とりあえず勉強した方」は、すぐに知識が抜けてしまうことがあるようです(仕事をしながら学べば良い部分がありますが…)。会計事務所に限らず、採用面接の段階で、「売掛金は借方?貸方?」というような、ごく簡単な質問も尋ねるのはこのためです。

平成28年に商業簿記の試験範囲見直し!
 とはいえ、簿記学習の範囲と会計実務で求められることが乖離していたという事実もあります。そのため、日商簿記2級の試験範囲が見直され、平成28年の試験では商業簿記の次のような論点の入れ替えが行われました(工業簿記は変わりません)。
試験範囲から除外
社債、特殊商品販売、繰延資産、本支店会計、手形の裏書・割引、大陸式決算法、特殊仕訳帳、荷為替など手形の扱い
試験範囲に追加
売上原価対立法、クレジット売掛金、電子記録債権、引当金、割賦購入、自社利用ソフウェア、資本剰余金からの配当ほか

今日的な論点がどんどん追加!
 さらに2級には、平成29年以降も次のような新論点が追加されます。
平成29年度 連結会計、圧縮記帳、リース会計、外貨建取引
平成30年度 税効果会計
 合格率も昔のイメージと違います。第136回(H26.2)の2級試験の合格率は41.6%であったに対し、ここ3回(第141〜143回)の合格率は11.8%、14.8%、25.8%です。 
 となると最近の簿記2級の合格者は、かなりの「強者」といえます。採用面接で「いつの簿記2級に合格したのですか?」と聞くことも増えるかもしれませんね。






H28.11.8
学校からは事後報告?
作品が入試問題に引用された場合

 作家には黙って使って事後報告
 元名古屋大学助教授で小説家の森博嗣さんが著された「作家の収支」(幻冬舎新書)には、皆の興味をくすぐるものが多く記されています。その中に作品が「入試問題に使われた場合」の話があります。
 これによると、最近、森さんが新書で公表した作品は、大学・高校・中学の入試問題でよく使われるようになったそうです(某受験サイトでは、入試問題の作家別使用頻度が2年連続1位とのこと)。
 入試で使われる場合、事前に作家の承諾を得る必要はないそうです(機密漏えいになりますからね)。そのため、学校側は黙って入試で出題して、事後報告の形で作家に伝えるそうです。この時点では著作権料はかかりませんが、最近は入試問題を公表する学校が増えたため、公表時には引用した作家から承諾を得て著作権使用料を支払う義務が生ずるそうです(無料公開でも同じ)。

入試問題は「過去問題集」で書籍になる!
 また、入試問題はその後「赤本」など過去問題集で書籍になります。この問題集の印税は、引用された頁数で按分して支払われるようです。このような問題集はその後毎年印刷され、有名校ならば相当な部数になるようで、ページ数は少なくても1件で毎年数万円は入ってくるそうです。

予備校の「模擬試験」などでも使われる
 この他にも予備校の模擬試験や問題集で使われることもあります(森さんの場合、年間で100件だそうです)。これも著作権使用料が生じますが、森さんは「著作権というものがこの世にあることを、なるべく多くの人に認識してもらえる良い機会」として、日本文藝家協会が規定している料金を頂戴しているそうです(1件1,000円〜2,000円)。もっともらえば良いのにと思うのは私だけでしょか…。

試験の出題料や採点料は?
 このような書籍の印税(複製して販売)には次の税率で源泉所得税が徴収されます。
支払金額(A) 税額
100万円以下 A×10.21%
100万円超 (A-100万円)×20.42%+102,100円
ちなみに、試験問題の出題料や答案の採点料などは「原稿料」に類似するものではありますが、広く頒布されないことや著作物的な創作性が乏しいことから、源泉徴収は要しないものとされています。








H28.11.7
急増するコインパーキング
無人駐車管理装置の耐用年数


急速に拡大するコインパーキング
 コインパーキング(時間貸し駐車場)のビジネスは、平成18年の道路交通法改正により、駐車監視員による駐車違反の取締りが開始されたことに伴い、急速に拡大してきました。その一方で利用方法や料金などのトラブルも絶えないようです。
 一般社団法人日本パーキングビジネス協会では平成26年9月に「時間貸駐車場における表示・運用に関するガイドライン」を公表しています。このガイドラインでは、利用料金・条件などの表示や看板の文字の大きさ等を定めるとともに、釣銭が出る精算機の導入を推奨するなど、利用者の利便性向上に取り組んでいます。

無人駐車管理装置の法定耐用年数
 コインパーキングに設置されている「無人駐車管理装置」には次の2つのタイプがあります。
@オートロック式(フラップ板式)
 主に小規模な駐車場用で、駐車時に自動車を所定の位置に止めると車輪が車止めに固定され、発車時に自動料金装置に駐車料金を入金すると自動的に車止めが解除される仕組みのもの。油圧シリンダー機構と料金計算機構から構成されます。
Aゲート式
 自動車の入出庫時に機械的に遮断できるゲートを備えているもので、駐車券発行機、入口専用ゲート機、料金自動精算機、出口専用ゲート機からなる一体のもの。大規模駐車場・スーパー・病院等で用いられます。
 これらは構造、規模等から「器具及び備品」とされており、法定耐用年数は「11 前掲のもの以外のもの」「無人駐車管理装置」の5年となっています。

耐用年数が5年となった経緯
 この「無人駐車管理装置」の区分は、平成20年に設けられたもので、それ以前は、「11前掲のもの以外のもの」の「主として金属製のもの」の10年とされていました。
 実は、この自動車用の無人駐車管理装置は、排気ガスなどの影響を直接受けやすく、腐食しやすいなどの理由から「耐用年数の短縮制度」の適用を受ける例が相当多くあったため、5年の区分を新設したようです。
 なお、バイク・自転車用の駐輪装置には、通常、このような「耐用年数の短縮制度」の適用対象となるような事情がないことから、「無人駐車管理装置」に含まれず、法定耐用年数は10年とされています。






H28.11.4
貢献度評価の手順


 “貢献度評価”は、「本来、人間は主体的に行動し、創造性も有し、情熱を傾けて仕事をしたいと思っており、組織がそれを妨げずに解き放つことが大切だ」と言う人間観に立っており、心の通い合う「信頼関係」に満ちた職場環境づくりを大切にします。

“貢献度評価”の手順
 評価実務手順では次の3点を重視します。
○チーム業績重視
○チームでの振り返り促進、真摯なフィードバックから社員同士で学び合う
○個別のフィードバックに基づき、チーム全体への貢献度を総意で決定
 この評価のやり方を手順で説明いたしますと以下に例示した通りとなります。

[貢献度評価の手順]
No. 実施内容
1 設定した組織目標やプロジェクトが終了したら、ただちにその振り返りを一緒に仕事をしたメンバーと共に実施する(部門をまたぐ場合もある)
2 メンバー間で、互いの貢献度についてフィードバックを行なう(個々人の業績・創意工夫・行動・他のメンバーへの影響等の視点で、チーム業績へどの程度・どのように貢献したか)
3 各自が相互のフィードバックを利用して自身のチームに対する貢献度を5段階の絶対評価で自己評価する
4 直属上司が、個々人の自己評価と、相互フィードバックの情報を使って、5段階の絶対評価を行なう
5 部門の管理者が集まって、同一の階級別にチームへの貢献度を比較し、5段階の相対評価を実施する
6 経営者による最終承認
7 評価結果に基づく階級・賃金等への反映

経営者・管理者の留意点
 “貢献度評価”を社員相互の信頼関係強化・主体的な目標達成・能力開発などにつなげるために留意すべき点を挙げます。
@ 目標設定の段階から、チーム目標と各自の貢献を意識した努力を求め、誘導する。
A 手順の1、2は、目標達成プロセスの事実に基づいて、年に2〜3回実施し、主体的行動改善を動機付ける。
B 相互フィードバックから生まれた個々人の能力開発への取り組みを支援する。







H28.11.2
65歳以降に年金受給を繰り下げした場合


老齢年金の受給を遅らせたい時
 老齢年金の受給年齢になり、在職中の場合、60歳以降も収入が確保されるので年金受給しないで65歳に到達する場合があります。65歳でまだ年金を受給しなくてもいいと言う時、本来受け取れる年金額を増額したいと言う場合は年金の繰り下げ受給という制度があります。

65歳以降の支給停止調整額は月47万円
 繰り下げするのであれば在職老齢年金も検討する必要があります。将来の増額分を確認した方が良いでしょう。本来、老齢厚生年金は65歳以降も社会保険の適用事業所で働いていれば、年金の調整があります。65歳から70歳未満は厚生年金の被保険者として保険料を納付しながら、年金額は調整されます。70歳以降は厚生年金の被保険者で無くなるものの適用事業所で働いて報酬を得ていると年金額の調整が続きます。
 65歳以降の在職老齢年金は基本月額と総報酬月額相当額(その月の標準報酬月額+直近1年間の賞与の12分の1)をたした合計額が47万円以下の場合、年金は調整対象外となり老齢厚生年金は全額支給されます。この額が47万円を超えた場合、超えた額の2分の1が支給停止になります。賃金額により調整がかかる、又はかからない場合があり確認が必要でしょう。

年金の繰り下げについて
 繰り下げ請求ができるのは他の年金の受給権が発生するまでの間です。例えば遺族厚生年金や障害基礎年金を受ける権利が発生してしまったら、繰り下げ請求はできません。
 繰り下げは受給権が発生してから1年を経過しないと繰り下げの申し出はできません。繰り下げ待機中に受給者本人が亡くなられたような時は、遺族は65歳からの未支給分の年金を請求できます。

繰り下げ請求と増額率(65歳に達した月から申し出月の前月までの月数×0.007)
66歳0ヵ月〜66歳11ヵ月⇒ 8.4%〜16.1%
67歳0ヵ月〜67歳11ヵ月⇒16.8%〜24.5%
68歳0ヵ月〜68歳11ヵ月⇒25.2%〜32.9%
69歳0ヵ月〜69歳11ヵ月⇒33.6%〜41.3%
70歳0ヵ月〜      ⇒42%








H28.11.1
会社債務の連帯保証や担保提供
社長に支払う債務保証料


会社が社長に支払う債務保証料
 会社が金融機関から融資を受ける場合に、社長を保証人とするよう求められることがよくあります。
 このような場合、社長が会社の保証人となったのだから、会社は社長に対して保証料として相当の金額を支払ってもよいのではと考えるのは自然な発想です。
 問題となるのは、その保証料の「金額」。過去の税務訴訟では、この保証料としての「相当の金額」が争われたものがあります。

信用保証協会の年利率までは「相当」
 この裁判の原告は消費者金融業を営む同族会社でした。この会社は、銀行借入の際に、代表取締役社長が連帯保証や担保提供を行っていたことから、社長に対して、その借入金の月初残高に月利率約0.167%(年利2%相当。民間の保証会社の保証水準)を乗じた金額を「支払利息」として支払い、損金の額に算入していました。
 これに対して税務署側は、信用保証協会の最高保証率である年利率1%(当時)を超える部分を「役員報酬」と認定し、この部分が支給限度額を超過することから、損金算入を認めませんでした。会社側はこれを不服とし、裁判となりました。

役員による会社債務の保証の性質
 裁判所は、原告の主張する民間保証会社の保証料率を参考にすることは相当でなく、税務署が主張する信用保証協会の保証料算出基準を参考とした率による処分を認めました。そもそも、会社の役員が会社の債務保証を行うのは、役員の信用力の提供自体を期待するものでなく「経営責任」上の問題であって、営利目的ではないのだから、営利目的である民間保証会社の保証とは著しい相異がある―というのが理由でした。

保証料を支払う場合の注意事項
 この判例を見ると、信用保証協会の年利率までの保証料の支払いは認められそうですが、その「保証の必要性」、「融資の内容」、「保証範囲」等を勘案し、支払うことが適正と認められるような状況であるという「前提条件」が必要と思われます。
 そのため、融資に当たり、会社に定期預金、不動産等の提供できる担保物がある場合や、既に他に十分な担保があり、役員個人の保証は単に形式的なもので危険負担をしている事情がないときは、保証料を支払っても単純損金とされず、役員給与とされるでしょう。