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H28.4.28
国税の期限延長・納税猶予・軽減など 災害により被害を受けた場合の手続

 
災害により被害を受けた場合の国税の手続
 このたびの熊本県・大分県を震源とする大地震により被害を受けられた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 災害により被害を受けた方には、国税について、次のような申告・納付の救済措置があるので概略をまとめてみます。

1.申告・納付の期限の延長
 災害により申告・納付を期限内にできない場合には、その理由のやんだ日から2か月以内の範囲でその期限が延長されます。
 地域指定:国税庁長官が告示した地域の方は、その告示の期日までに申告・納付などをすればよいことになります。
 個別指定:所轄の税務署に申告・納付などの期限の延長を申請し、その承認を受けることになります。

2.予定納税の減額・源泉徴収の徴収猶予
 所得税の予定納税や給与所得者の源泉徴収の段階でも、税の減額又は徴収猶予を受けることができます(相続税・贈与税及び酒税等についても、免除の取扱いあり)。

3.納税猶予(所轄の税務署に申請)
 災害により財産に相当の損失を受けたときは、納税猶予を受けることができます。
@損失を受けた日に納期限未到来の国税(災害のやんだ日から2か月以内に申請)
 猶予対象:損失を受けた日以後1年以内に納付すべき国税
 猶予期限:納期限から1年以内
 猶予対象:所得税の予定納税 法人税・消費税中間申告
 猶予期限:確定申告書の提出期限
A既に納期限の到来している国税
 猶予対象:一時に納付することができない国税
 猶予期限:原則として1年以内

4.確定申告による税額の軽減
 災害により住宅や家財などに損害を受けた場合は、確定申告を行うことで所得税法の雑損控除又は災害減免法の適用を受けることができます。
 所得税法(雑損控除):
 次のうち多い金額を所得控除。
 @損害金額−所得金額の1/10
 A損害金額のうちの災害関連支出の金額−5万円
 災害減免法:
 損害を受けた年の所得金額が1千万円以下の方は、所得に応じて税額の全額・1/2・1/4が軽減されます。






H28.4.27

ついうっかりで解散の危機?!休眠会社とみなし解散


会社法の施行から10年が経過
 平成18年の会社法の施行により、委員会設置会社を除く非公開会社(=全ての株式に譲渡制限のある会社)では、役員の任期を最大10年まで伸長することができるようになりました。役員の任期は満了すると再任の手続き(=重任)をする必要があり、その都度費用と手間がかかりますので、任期を10年にすることでだいぶ負担が軽減されます。この会社法施行を機に任期を伸長した会社も数多くあったことでしょう。
 それから早10年、今では多くの会社で10年の任期が採用されていますが、期間が空きすぎるとついうっかり忘れてしまいそうですよね。必要な変更登記をせずに放置してしまうと、一体どうなるのでしょうか?

うっかりしていると解散させられる?!
 会社法上、最後に登記をしてから12年以上経過している株式会社は「休眠会社」とみなされます(特例有限会社は除く)。「休眠会社」というと、長い間営業活動を行っていない会社をイメージしますが、実態として動いているかどうかではなく、会社法上は、登記の有無で休眠会社かどうかを形式的に判断しています。もし、株式会社が12年間何も登記をせず、休眠会社とみなされると、法務大臣が官報への公告を行い、管轄登記所から会社へその旨通知されます。通知書の送付を受けても、まだ事業を廃止していない場合には、2か月以内に「まだ事業を廃止していない」旨の届出をすればよいのですが、この届出をせず、かつ登記の申請も行わなかった休眠会社については、解散したものとみなされ、登記官が職権で解散の登記をしてしまいます。これを「みなし解散」と言います。
 この規定は、株式会社の役員任期が最大10年であるため、どのような規模の会社であっても、少なくとも10年に1回は役員の登記がされるはずであるとの考えによるものです。なお、役員任期が最大2年である一般社団法人・一般財団法人では5年以上登記がない場合に「一般休眠法人」とみなされ、同様の手続きが取られます。
変更登記は適宜行っていますか?

 会社を移転したなど、何らかの理由でこの通知を受け取ることができなかった場合であっても、事業を廃止していない旨の届出をしなければ解散したものとみなされます。変更があったときには適宜登記が行われているかどうか、登記事項証明書等で確認してみましょう。






H28.4.26
作業手順書の活用


 “作業手順書”は規定された品質・効率をもつ製品やサービスを完成させるために、必要な作業内容・手順を文書化したものです。同じ目的を持つ文書に“標準書”がありますが、“手順書”は“標準書”の一部分を、より詳細に具体的に記述したものです。

“作業手順書”の機能と作成方法
【機能】
@複数の作業者が、同レベルの品質・効率を実現できるように訓練する基準。(初任者の技能向上、
 熟練工の育成)
A作業のミス・漏れをなくし、無駄を防止する手順を示す。
B作業手順の中から、品質や効率を阻害する問題点を発見して改善を行なう。
C「毎年1回など、頻度は少ないが、重要な業務」の手順を誤りなく実施する。(例:年1回の株主
 総会の準備、実施)

【作成方法】
 “作業手順書”の作成目的を設定する。
 自社で定めた様式に従って、必要な作業を具体的に(固有名詞・数詞を使って)、作業順に記述する。各作業の処理時間を設定し、記載する。
(注)作成イメージは次表の通り。

【作業手順書の作成イメージ】
[目的] ○△バルブの製造
No.  作業           ツール     所要時間
1   ○○の準備                 2分
2   △を□にセット                1分
3   径8mmまで研磨   研磨剤A      5分
                中略
20  完成チェック      チェックシート   5分

“作業手順書”の活用法
@初任作業者の訓練、及び作業者の熟練度向上訓練・認定に用いる(完成品の品質と、所要時間で効 果を計測)。
A品質問題の発生原因、作業スピードの問題点等を手順の中から特定し、改善手順を作成、適用す
 ることにより、品質の安定、生産性向上に貢献する。

経営者・管理者の留意点
 作業担当者が理解、納得している手順書が本当に役立つ良い手順書です。作成時や改善時に、実際に作業に携わっている作業者の参加を求め、衆知を集めて作業手順書のブラッシュアップを図りましょう。






H28.4.25
海外進出時の経理業務



海外に支店もしくは子会社を持つケース
 海外進出と言えばどういったイメージをお持ちでしょうか? 「日本での販路は開拓し尽くして商圏を海外に求めるため」や「製造会社がより安い人件費を求めて発展途上国に工場を作る」などの積極的な理由を思い浮かべるのではないでしょうか。もちろん、そうした攻めの経営が理由としてすぐに思い浮かぶイメージでしょう。

海外進出が自社の意思ではないケース
 しかしながら、現実には、嫌々ながらも海外進出しなければならないという事態も少なくはありません。
 たとえば、自動車会社がいままで拠点のなかった国に新たに工場を建設するような場合です。自動車産業の場合、自動車メーカーを頂点として、一次下請け、二次下請け、三次下請けといった製造過程のピラミッド構造があります。自動車会社としては工場の隣に部品供給メーカーがあれば困らないので、進出先国の規制で現地要件がない限り、部品供給の構造をそのまま持ち込みたいのです。
 下請けとしては、“一緒に来い”と言われれば、日本での先々の仕事のことを考えるとNoとは言えません。かくして、海外進出が決まってしまうのです。

英語でのコミュニケーションが始まります
 さて、海外進出となると、従業員(=日本からの駐在員を含む)の所得税や社会保障、現地拠点の法人税や会計監査の問題等、様々な管理業務も発生します。
 現地トップとして派遣される駐在員は語学堪能な人が選ばれるでしょうが、立ち上げ時にはものすごく多忙を極めるので、経理や税務の問題は、日本の経理部の誰かが、日本から英語でやり取りをすることになります。覚悟が必要です。

日本語を話す会計専門家が頼りになります
 とはいうものの、日本の経理部の英語力では心許ないとなると、経理部員に語学の習得をさせるとか、語学のできる経理部員を採用するとか、いずれにしろ時間とお金がかかります。そんな時、現地国に日本の国際会計事務所からの駐在員がいると大いに頼りになります。業務報酬は多少高くなりますが、即戦力として使えます。






H28.4.22
国際税務って何だろう


国際税務との関わりの始まり
 海外との取引が始まると国際税務との関わりも始まります。たとえば、海外のソフトウェア開発会社に業務を依頼した際に支払う対価については、国際源泉課税の適用について調べて対応しなければなりません。また、逆に、海外の業者からの依頼に基づき提供した業務報酬を受取る際に、海外の税制により、源泉税が控除された後の金額が送金されて、当初の見込みよりも少ない手取額となってしまうこともあります。

国際税務という名の別の税法はありません
 こうした国際間の取引に際して出てくる税務問題が国際税務です。しかしながら、国際税務という名の別の税法規定が適用されるわけではありません。
 あくまでも適用されるのは、日本の税法であり、相手先国の税法です。また、相手先国との間に租税条約があるとその取り決めも勘案して対処することになります。
 たとえば、外国会社に使用料の対価を支払う際には、日本の所得税法の「第四編 源泉徴収」の「第五章 非居住者又は法人の所得に係る源泉徴収」で適用関係を調べます。そしてさらに、租税条約が適用される場合には、租税条約に関する届出書を提出した上で、源泉徴収税額を計算・納付することになります。

具体的には以下の分野が国際税務です
 税法規定で国際税務に関係するものは、(1)利子・配当・使用料にかかる源泉税、(2)外国税額控除、(3)過少資本税制、(4)移転価格税制、(5)タックス・ヘイブン対策税制などです。
 一般的に相手先国でも同様の税法規定がありますので、取引の方向によっては相手先国での上記税法規定も影響してきます。
 国際税務との関わりは、自社の海外の会社との取引の開始から、規模の拡大、海外への支店や子会社の設立など、自社の事業の拡大や時の経過によって、多面的に派生することになります。

普段見ない場所に書かれているので馴染めないだけです
 国際税務の規定は、同じ税法の中でも少し離れた章・節に置かれています。そのため少し馴染みづらいですが、慣れれば仲良くできます。恐れる必要はありません。






H28.4.21
法人利子割鎮魂


法人利子割は廃止されました
 地方税法24条の「利子等の支払を受ける者」という文言が「利子等の支払を受ける個人」と改められたことにより、利子割税は、法人については廃止され、平成28年1月1日から施行されています。
都道府県民税利子割税は、銀行などの金融機関から利子等の支払いを受ける際に5%の税率で課される税金で、15.32%の税率の所得税・復興税と同時に源泉徴収されるものでした。

損金不算入で税額控除
 源泉所得税・復興税も利子割税も、通常は、損金不算入で、法人税及び法人都道府県民税の前払分として税額控除の適用を受け、控除超過額となるときは還付されます。
ところが、法人税申告書の別表五に還付未収税金として記載されるのは、利子割税だけで、源泉所得税・復興税は記載されません。なぜ、扱いが異なるのでしょうか?

利子割額には損金算入の選択肢はない
 法人税法では、法人税の前払いとして税額控除や還付を受けないこととした場合には源泉所得税は損金算入です。復興税にも同じ内容の規定があります。
 しかし、利子割については、税額控除や還付を選択しない、という選択肢を設けた規定がありません。従って、受取利息が決算書に計上されているとしたら、利子割額の別表加算は必ずあるべきことになります。

納税義務の確定のタイミング
 源泉所得税・復興税の損金算入・不算入選択のタイミングは申告の時点です。結果的に損金不算入を選択しても、利子割と異なり期末時では還付未収税金が税務上認識されません。
これらが、別表五における利子割税と源泉所得税・復興税の記載相違の理由です。

事業税では同じ扱い
 事業税の所得割の課税所得を計算する上では、源泉所得税は損金の額に算入しないとされています。ここでは、利子割税と源泉所得税は同じ扱いです。この場合、法人税の課税所得と事業税所得割課税所得とが異なることになるケースが出現します。
 ちなみに、復興税については、事業税所得割課税所得につき損金不算入の規定がありません。法人税で、損金算入を選択したら、そのままです。立法時の立法洩れなのかもしれません。
は源泉徴収がされず、総合課税となり、確定申告が必要となります。






H28.4.20
“使用価値”の革新


 マーケティングの分野で“交換価値”と“使用価値”と言う二つの価値概念が用いられており、目標管理制度など、経営管理の全ての領域で欠かせない視点として、自社の商品・サービスの価値を定義し、その高度化を図るために不可欠です。

“使用価値”の重要性
 顧客は商品やサービスを購入する時に、その価格を支払うだけの“交換価値”の高さを評価して購入してくれます。しかし、実際に使用して見ると、使い勝手(ユーザビリティー)が悪いなど、顧客にとっての“使用価値”が低く評価され、販売活動の失敗につながることがあります。
 例えば、多くの機能が備わったスマホが、高齢顧客にとっては、かえって面倒で、生活に必要な最小限の通信機能に特化し、使い勝手を高めた方が、喜ばれることがあり得ます。
 このような“使用価値”は形がある商品に限らず、ホテル業・飲食業など全てのサービス業にも共通する概念です。

“使用価値”の革新を図るには
自社の商品やサービスの“使用価値”について、実態を把握し、評価して、顧客の高い満足が得られるよう、再構築する一連の革新は、次のステップで推進すると良いでしょう。

[“使用価値”革新のステップ]
ステップ /目的/方法
@ 自社品・サービスの“使用価値”調査 “使用価値”の実態をありのままに把握する。 顧客の商品・サービスの使用現場で観察、記録。
A現状評価 “使用価値”の現状を評価し、問題点を特定する。 “使用価値”の項目別に現状を整理、問題点を特定する。
B革新 革新策を検討し、商品・サービスの“使用価値”を高度化する。 “ DRASTIC”分析等を用いて、革新を検討し、設計変更を行なう。
C検証 フォローアップを行ない、革新効果を検証する。顧客の“使用価値”発現場面で革新効果を確かめる。
 これらの革新ステップでも、社員の参加、“三現主義”、共創が欠かせません。







H28.4.19
勤務成績不良・協調性欠如を理由とした解雇



勤務態度が問題ならば対処しておきたい
 職務上で勤務態度不良や協調性が欠如している従業員を社員としての適性が欠けると判断した場合解雇はできるのでしょうか。
 判例によると、他の従業員と度々対立し、上司の命令に従わず、遅刻・私用外出を繰り返す等不都合な行為を注意されても改めず、業務や職場秩序への影響が無視できないほどとなっている時は、勤務態度不良の理由で解雇も認められる可能性があります(高島屋工作所事件)。
 また、勤務態度が悪く、自己中心的で他の従業員と感情的に対立するようであっても業務の阻害や職場秩序への影響がさほど生じていない場合、勤務態度を改めるように注意や指導をあまりしていない場合、他の従業員との人間関係の調整を図る等せずに解雇が認められない場合もあります(福岡大和倉庫事件)。
 問題社員であっても解雇にするには本人が悪いと感じていないと労使トラブルに発展しかねません。

会社の対応・対策は
 勤務態度不良の問題社員の処分を考えるならば、主観的、一方的であると思われないよう少なくとも、いつ、どのような行為にどのような問題があったのか、改善する為に注意・指導を繰り返すことが必要です。
 もちろんその過程は指導記録等に記載しておく必要があります。
 不都合な非行行為が軽微なものであり懲戒事由に該当すれば、けん責処分で始末書を提出させましょう。始末書を提出しない時はそれを理由にさらに懲戒処分を行う事はできないとする判例も多くあります(福知山信用金庫事件、豊橋木工事件)。
 この場合は改めて非行行為を注意指導した上で、人事考課をマイナス評価にする等が適当かもしれません。
 まず注意・指導した後は改善期間を与え、手順を踏んだ上で、それでも反省なく改善されないならば退職勧奨し、本人が拒否した場合は解雇もやむなしとして認められる可能性が高まります。






H28.4.18
能力・成績を理由とした解雇


問題社員ならまず注意・指導を
企業においては時々能力不足や勤務成績不良など、労務提供がきちんと行われていない従業員に退職を促したいと考える場合があります。しかし能力不足や勤務成績不良と言う事由だけでは、すぐに解雇を正当化できるものではなく、このような時は指導・研修・配置換え等の措置によって能力や勤務成績の向上を図ってもなお、平均より著しく不良であることが明らかであり、向上の見込みもないのであれば、解雇が有効になる可能性もあります。
 仮に著しく不良であっても会社の指導や教育・研修等を行わずに、配置転換や改善の為の猶予期間も設けずにいきなり解雇では労使トラブルになるかもしれません。

改善・対策はどうするか
 能力不足・勤務成績・態度不良等は本人が気づいていない事もあるので、まずそのことを会社から本人に求める最低基準(会社によって尺度は違いますが)を具体的に示す事です。例えば営業職ならば、
1. 顧客からのクレームは月に3件以上ない事
2. 売上目標の最低ラインを示しておく等
 また、営業職と言うわけではありませんが、態度不良や社内の他の従業員や顧客からクレームがある場合には具体的に改善対策を示し態度を改めてもらう等、一定の期間を設けて指導、教育してゆく必要があるでしょう。普段から指導記録を取っておいたり、始末書で自覚を促したりすることも必要です。もちろん指導した内容がすぐにクリアできないからと言って直ちに解雇ではなく、回避できるならばその方が良いでしょう。

能力見込み違いをした場合の対処
 企業の求める能力を有する者として中途採用した者が能力の見込み違いで「思ったほどの能力が無い」等の場合の解雇は基本的には正当な理由には成りにくいでしょう。 採用時に特定の知識や能力を有している事を前提に雇用契約し、雇用契約書にも記載されている場合、解雇理由にされる可能性はあります。このような場合はまずは必要なその能力に対して賃金額が決められますから、一定期間後にその能力が見られなければ賃金の改定もありうることを定めておく事も有効でしょう。






H28.4.15
ふるさと納税の
最有効限度額の算出



ふるさと納税と所得税住民税の寄附金控除
 都道府県及び区市町村に寄附することを「ふるさと納税」といいます。ふるさと納税額の2000円超部分が所得税の所得控除としての寄附金控除の対象になるとともに、住民税の税額控除の対象になります。
 所得税で所得控除とされるふるさと納税額には、所得の多寡に応じた5〜45%の税率(その上に復興税率2.1%)が乗じられ、その算出額が寄附金控除税額となります。
 住民税は、税率が一律の10%なので、まず寄附金控除対象ふるさと納税額の10%が税額控除されます。
 次に、その税額控除前の住民税額所得割の20%を限度に(残りの税率)を乗じた額が税額控除されます。

限度内の控除税率は100%
 寄附金控除対象ふるさと納税額に掛けられる税率は、所得税で(5〜45%)×102.1%、住民税でまず(10%)、そしてさらに住民税で(残りの税率)が掛けられ、掛けられる税率は合わせて100%になります。
 これは、本人の納税額の一定限度を、都市と地方の税収の格差是正を目的に、納税者が選択する自治体に回せるようにしようとの制度趣旨を実現する仕組みの意味するところのものです。

本人の実質負担なく、得して儲かる
 国と居住地都道府県と市町村が、支出したふるさと納税額を税額軽減として補填してくれることにより、本人負担は2000円に止まることになります。
 でも実際は、最高7割という例のある特産品などの返礼品の贈呈があるので、本人の実質負担はゼロで、逆におおいに得してしまう、ことになっています。

2000円で止まる最有効限度額の算出方法
 所得税と住民税にはそれぞれ、合計所得金額の40%、30%という寄附金控除対象額の制限があるほか、先に書いた、(残りの税率)に係わる住民税額所得割の20%という限度制限があります。
 (残りの税率)は、低所得者ほど大きく、高所得者ほど小さく、乗ずる住民税額所得割は、低所得者ほど小さく、高所得者ほど大きく、結果として、相対的な限度額は、低所得者ほど大きく、高所得者ほど小さく算出されます。次の算式で計算できます。
 住民税所得割額×20%÷(100%−所得税率×1.021−10%)+2,000円






H28.4.14
タックスヘイブンの情報漏れ
 

「パナマ文書」の流出
 2016年4月4日、「国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が、タックスヘイブン(租税回避地)での会社設立を代行するパナマの法律事務所から膨大な内部文書が流出したファイルを公開した」と各報道機関が一斉に報道を始めました。

そもそもタックスヘイブンとは
 タックスヘイブン(Tax Haven)とは、租税回避地と呼ばれる、税金がないか、もしくはあっても税率の極めて小さな国・地域のことをいいます。そして、より重要なことは、金融機関による顧客の機密情報保持が徹底しているということにあります。 
 そこに、脱税やマネーロンダリングなどの犯罪行為も入り込む余地があるので、何だか胡散臭くて怪しい存在というイメージを持たれる背景となっています。

日本の大手警備会社の創業者らも活用?
 東京新聞(2016年4月4日朝刊)の報道によると、日本の大手警備会社の創業者らもタックスヘイブンを使って700億円の株式管理を行っていたとされています。
 創業者らと創業者親族が、それぞれタックスヘイブンに保有する複数法人を使って、株式の一部移転をすることで、国内で直接保有する資産を大幅に減少させたようです。「それぞれが現地に保有する複数の法人間の取引は贈与にならない」という税制を活用し、合法的に、相続税や贈与税の軽減を図ったのではないかと推測されています。

あの裁判事例に似ている!
 この報道を見て「オーブンシャホールディングス事件」を思い出しました。日本の特定現物出資規定とオランダの税制を組み合わせることで、日本に保有する株式の経済価値を他者に移転しようとした事例です。
 こちらは裁判で国側が実質的に勝利しましたが、本件は、新聞報道を見る限り1990年代の取引ですから、何らかの課税漏れがあったとしても、もはや時効のようです。

タックスヘイブン情報も政府は収集中
 これまでタックスヘイブンの情報は厚いベールに阻まれて税務当局が情報を入手することは困難でした。しかしながら、日本政府は平成22年以降、「租税に関する情報交換を主たる内容とする条約(いわゆる情報交換協定)を締結しており、現在10条約が締結されており、こうした情報も把握されるようなシステムが構築されています。






H28.4.13
いよいよ盛んふるさと納税

額も件数もうなぎ登り
 昨年の確定申告時期には、税金特集をした「東洋経済」が、「2014年に平戸市への寄付金は約13億円(前年度3.9億円)に上り、全国の自治体で初めて10億円を突破した。」と報道していました。
 ところが、2015年になると、10億円突破自治体は22にのぼり、最高は35億に達しています。トップの都城市を筆頭に、焼津市、平戸市、天童市、佐世保市、伊那市、浜田市とつづき、いずれも20億円を超しています。件数は、同じく都城市の23万件超を筆頭に、天童市、焼津市、浜田市、佐世保市とつづき、いずれも10万件を超しています。

ふるさと納税急増で補正予算
 昨年末、伊那市のふるさと納税の年内見込み額が急増し、22億円となり、補正予算が提出されたという報道がありました。
 伊那市は、市税収入82億円、国庫補助金27億円という規模の歳入予算の自治体なので、22億円の寄附金収入ということになると、予算の組み直しなしには市政事業を執行できないことになるのかもしれません。

返礼品もスマホにまで拡充
伊那市の場合、総額で6位なのに件数で27,030件と30位までにも入っておらず、寄附額の平均単価が高くなっています。理由は、寄附に対する返礼品の種類を拡充し、地元農産物ほか、地元企業Logitecのモバイル製品、パソコン周辺機器などを追加したところ、前年比131倍にも寄附が急に膨らんだからです。

返礼品のデジタル化も進行
 多くの自治体ではその土地の特産品、工芸品、旅館やホテルの宿泊券など、自治体自慢の品々をお礼として寄附者に送っています。そして最近は、返礼品を拡充させ、「ポイント&カタログ制度」を取り入れる傾向にあります。ポイントは、寄附金の3割から5割くらいに相当し、有効期間中は積み立てておけ、再度の寄附で未使用ポイントも合わせて期間延長になります。

人口に膾炙するふるさと納税
 寄附とは縁のなかった高所得の社長さんで、有効限度いっぱいのふるさと納税をして、貰ったポイントを、従業員に臨時ボーナス的に分配している人がいました。
 これからは、ふるさと納税の最有効限度額の予測計算を求められることが多くなりそうです。






H28.4.12
“BSC”と経営管理

“バランススコアカード(BSC)”は、近年経営戦略の策定や目標管理制度の目標設定・評価尺度設定によく利用されており、上手に活用すると、重点思考の経営管理を行うことができます。

“BSC”とは
“BSC”とは次の4つの視点から、目標・業績評価指標・ターゲット・具体的プログラムを設定することを言います。
視点 各視点の意味
財務の視点 株主や従業員などの利害関係者の期待にこたえるためにどのように行動すべきかの指標を設定
顧客の視点 企業のビジョンを達成するために、顧客に対してどのように行動すべきかの指標を設定
業務プロセスの視点 財務的目標の達成や顧客満足度を向上させるために、優れた業務プロセスを構築するための指標を設定
学習と成長の視点 企業のビジョンを達成するために組織や個人として、どのように変化し、能力向上を図るかの指標を設定
視点ごとに5〜6個の指標を見極め、自社にとって意味があり、自信が持てる指標を設定することが求められます。
 すなわち、評価尺度の正当性が“BSC”アプローチを成功に導く鍵となります。

“BSC”活用・4つのポイント
 このような“BSC”を実現するためには、
そこに参加する“人の力”を最大限に引き出して活用しなければなりません。その4つのポイントを次に挙げます。
1.“三現主義”(現地・現場・現実から得た情報を重視すること):社員が市場や、社内の現場で、見聞きし、体験したことから知った問題点・成功の事実情報の活用。
2.参加:日々第一線で、顧客やモノの現実に接している社員の参加を求めること。
3.共創(衆知を集めて新しい価値を創出すること):1〜2に基づいて社員間で自由闊達な討論を行わせ、新しい知識・情報を得て“BSC”の目標・業績評価指標・ターゲット・達成プログラムを創出する。
4.経営戦略策定、目標設定において、経営者・管理者が適切なファシリテーションで、1〜3のプロセスを誘導し、全員の合意形成を図ること。
このような努力の積み重ねが組織の力を最大化する経営管理を可能にします。






H28.4.11
国外居住の扶養親族確認
会社の責任がますます重くなる


国外の扶養親族は付け放題?
 日本で働く一部の外国人は、祖国に養うべき家族をたくさん抱え、仕送りをしています。国外に居住する家族に生活費を渡していれば、扶養控除の対象にできます。これを悪用して、たくさんの扶養親族を申告し、不当に日本の税金を回避する策が同胞のコミュニティーを通じて拡がり、使われてきました。
日本の税務当局は、いままでも、親族関係を証明する「祖国発行の公的文書」や、「銀行の送金依頼書の控え」を要求し、確認することで、架空の扶養控除を排除する対策をとってきました。

平成28年1月分の給与から給与支払者に
この確認作業が委ねられています
 平成27年度の税制改正により、平成28年1月より非居住者である扶養親族(「国外居住親族」)を有する者は、給与等の源泉徴収及び年末調整において、「国外居住親族」に係る「親族関係書類」や「送金関係書類」を源泉徴収義務者に提出し、又は提示しなければならないこととされました。
 即ち、給与の支払者である会社側は、こうした書類を確認できなければ、源泉所得税の計算や年末調整で、扶養控除対象者として扱ってはいけないことを意味します。
 もし、虚偽の申告があった場合に、関係書類のチェックを怠っていた場合やそれを見抜けなかった場合は、源泉徴収が過少であったとして、源泉徴収義務者である会社の責任となり、追徴課税されます。

次のような書類をすぐに確認しましょう
@「親族関係書類」
 たとえば、インド人の場合にはパスポートに親族関係が書いてあったり等、それぞれの国で家族関係を証明する書類は違いますが、政府が発行する公的書類が必要です。
A「送金関係書類」
 送金時に銀行に依頼した際の「外国送金依頼書」の控えなどが確認書類となります。

何で会社が責任を取るの?
 本来源泉徴収や年末調整は、国の徴収業務の代行です。かつては、1件幾らという有償業務でした。中国等では報奨金と言う名目で今でも事務代行料を払っております。無償の事務代行にここまで責任を取らせてよいのでしょうか?






H28.4.8
マイナンバー
勤務先に副業は知られるか


よくある質問 就業後のアルバイト
 マイナンバーに関しての質問で多いものの1つに「会社に内緒でアルバイトをしているのがばれる事は無いでしょうか?」というのがあります。
 マイナンバー制度は役所等法律で決められた機関に対しての手続にしか使用できません(カード方式で身分証明書にはなるようですが)。役所等から勤務先に対してアルバイトをしている事を連絡するとはまず考えにくい事です。
 アルバイトが勤務先に知られる可能性としたら勤務先が住民税の特別徴収を行っている場合、副業をしている社員が同じ賃金の社員と比較して住民税がかなり違っていたり、それに気づいた担当者が給与から住民税を算出してみたりして大きな差が出ると言う事でも無ければすぐには分かりにくいものと思われます。
 税金の申告から見ると本人はアルバイト分を確定申告し、その報酬分の住民税は分けて支払う方法もあるようです。

問題はそれだけでない
 但し、就業規則で「会社の許可なく副業をしてはならない」等の禁止事項が定められている場合には無断の副業に対して会社からのペナルティがある場合も考えられます。しかし規定違反だからと言ってそれだけで解雇等、重大な懲戒を課すと言うほどではないでしょう。副業での問題は副業が労災の対象となっていない事も多い(請負契約等)点や、疲労の蓄積による翌日の本業への影響も考えられます。

アルバイトやパートにとって不利益に?
 アルバイトやパートタイマーの方々の中には、自分にとってマイナンバーは不利益になると感じている人もいるようです。税金の申告、福祉の給付等で問題が発生しそうだと言う場合でもなければ今までと変わる事はないと思います。
 但し留学生を使っている企業では人のやりくりが大変になる事があるかもしれません。ダブルワークの場合等、週28時間勤務の上限を超えぬよう調整の為、勤務時間を減じる必要が出てくるので、人手が必要な外食産業等で影響が出るかもしれません。






H28.4.7
既卒者や中退者を雇い入れた時の助成


三年以内既卒者等採用定着奨励金
 学校の既卒者等の応募機会の拡大・採用・定着を図る為の助成金が新設されました。既卒者・中退者(卒業・中退後概ね3年以内)が応募できる新卒求人の申し込み又は募集を新たに行い、採用後一定期間定着させた事業主に支給される助成金です。既卒者等コースと高校中退者コースに分かれ、平成31年3月31日までに募集、同年4月30日までに雇い入れることが条件です。

受給のポイントは
既卒者コース
@既卒者・中退者が応募可能な新卒求人の申し込み又は募集を行い、当該求人・募集に応募した既卒者・中退者を通常の労働者として雇用する。少なくとも卒業または中退後3年以内の者が応募可能であること。
A当該求人の申し込み又は募集前3年度間において既卒者が応募可能な新卒求人の申し込み又は募集を行っていないこと。
高校中退コース
@高校中退者が応募可能な高校求人の申し込み又は募集を行い当該求人、募集に応募した高校中退者を通常雇用すること。少なくとも中退後3年度間において高校中退者が応募可能な高卒求人の申し込み又は募集を行っていないこと。
 対象者は以下の高校等を卒業又は中退した者で、これまで通常の労働者として同一事業主に1年以上雇用されたことの無い者。
@学校(中卒以上)、専修学校、各種学校、外国の教育施設の卒業者又は中退者
A公共職業能力開発施設や職業能力開発総合大学校の職業訓練の修了者又は中退者

受給額は
既卒者コース  ( )は大企業
1人目……
1年目50万円(35万円)
2年目10万円 3年目10万円
2人目……
1年目15万円(無し)
2年目10万円 3年目10万円
高校中退コース ( )は大企業
1人目……
1年目60万円(40万円)
2年目10万円 3年目10万円
2人目……
1年目25万円(無し)
2年目10万円 3年目10万円
 これまで既卒者の募集を行っていなかった事業主に対して既卒者等が応募可能な求人を促すことを目的としています。






H28.4.6
次工程はお客様


 「顧客ご満足の追求」は、全ての企業にとって重要な使命と言えますが、この考え方を社内の前後工程に応用すると有益です。
 例えば、表に示した社内工程のつながりの中で「製品保管・入出庫」の次工程は「荷造り」の工程であり、このような前後工程の関係に注目して、様々な改善を進めることができます。

「次工程はお客様」と“BPR”
 “BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)”は「企業活動や業務の流れを分析し、最適化すること」ですが、これを「次工程はお客様」と言う視点で活用することができます。
 次の例は保管工程の担当者が出荷工程の「出庫された製品を並べ替える作業を減らし、残業を低減したい」というニーズを知って、「出庫する時の作業順序を変える」という改善策をとり、効果を上げたものです。このように、前後工程で問題点を話し合うことは、有益な改善につながることが多いと言えます。

前後工程の協力による“BPR”(例)
工程       業務内容    所要時間     改善策
         資材準備
生産      半製品準備
         充填
         (中略)
製品保管   入庫  
         出庫                  (T)(注)
出荷      荷造り      18→16      (D)(注)
         発送
(注)“DRASTIC”のT(順番を変える)、
 D(手間を減らし、残業時間減少)

[DRASTIC分析]
D:Discontinue:やめてしまう。
R:Revers:反対にする。
A:Assign:役割分担する。
S:Substitute:代替する。
T:Turn:方向・順番を変える。
I:Into Pieces:バラバラにする。
C:Concentrate:集中処理する。
  Concurrent:並行処理する。
  Combine:結合する。

経営者・管理者の留意点
 部門間の“BPR”を「次工程はお客様」、 “DRASTIC”の視点で行い、目標管理の部署間共同目標の設定、改善目標達成に応用することをお勧めします。






H28.4.5
管理会計のススメA
銀座のお店はなぜ高い?

高かろう良かろう?
 食い道楽を趣味にしているA社長は、あそこのお店がおいしいと聞けば何か月も前から予約をして出掛けるし、ミシュランで星がついたと聞けば嬉々として出掛けます。
 満足感は値段の高さに比例すると信じていたA社長ですが、先日、友人に連れて行ってもらった下町のお寿司屋さんは、その信念を裏切るような出来事でした。いままで行った高級店と比較してもネタも腕前も劣らないレベルのものを半額の値段で食べられたのです。そこで思ったのは、値段ってどうやって決まるのかということでした。

管理会計的視点で考える
 商品の値段はどのように決まるのでしょうか?ブランド価値を維持するために高めの値段設定をすることや、逆に、薄利多売で利益を積み上げる戦略もありますし、他社がこれくらいの値段だからいくらという決め方も少なくないでしょう。しかしながら、本稿では管理会計的視点で捉えることにしますので、損益分岐点思考で考えます。
 算式:「値段=原価+粗利益(=儲け)」
 レストランを例にとると、食材に調理人の手を加えたこと等で料理として価値が増えるので、材料費という原価(=変動費:売上で変わる費用)に粗利益という儲け部分を上乗せした金額が料理の値段となります。家賃や人件費など売上に関係なく発生する固定的な費用(=固定費)は、この粗利益として上乗せさせた部分から賄います。そのため、「損益分岐点売上=固定費÷粗利益率」で計算します。
 意味は、どれくらい売上げれば固定費をカバーできる粗利益の合計となるかです。

銀座のお店が高いのは土地代も一因
 固定費であるお店の家賃が高くなれば、早く損益分岐点に達するためには、儲けの源泉である粗利益の部分を上げる必要があります。これで銀座のお店が高いのは納得できますね。
 改めて儲けのしくみに納得したA社長が、自社の損益分岐点の改善に取り組んだことは言うまでもありません。
 そのあとA社長は“管理会計に詳しい食い道楽”(自称)になったようです。






H28.4.4
管理会計のススメ@
まずは損益分岐点


財務会計vs管理会計
 会計には、大きく分けて外部報告目的の「財務会計」と内部管理目的の「管理会計」の2つがあります。一般的に会計というと、銀行や税務署に提出する“中小企業の会計指針”や“法人税法”の基準で作成する「財務会計」の方が馴染みがあるかと思います。
 管理会計には、従わなければならない規則がないので、各社で自由に会計の数字を使って、自社の経営や将来に役立つ意思決定に活用できるというメリットがあります。

管理会計は何の役に立つの?
 管理会計の目的は、計画/統制目的か、意思決定/業績評価目的に分類されます。
 管理会計で出来ることはたくさんあります。たとえば、@価格戦略=値上げや値下げの打撃を図る、A部門別業績評価、B外注(アウトソーシング)の意思決定、C追加受注の意思決定、D価格交渉(生産能力の余裕度も考慮)、E撤退か否か(撤退条件)、F投資にかかる利益計画などです。

まずは損益分岐点から
 いくらの売上があれば、人件費や家賃等売上に関係なく発生する固定費を賄えるか把握していますか?
 粗利益すなわち売上から変動費(売上に比例して発生する費用:商品の仕入原価など)を引いた儲けが、毎月の固定費をカバーして利益がゼロとなる売上高または販売数量のことを、損益分岐点といいます。
 貴社は毎月何日目に損益分岐点を超えていますか? 損益分岐点を超えて始めて、会社の利益が発生します。
 自社の損益分岐点を的確に把握することで、固定費や変動費をあとどれくらい増やせるか、又は減らさなければならないのかなど目安が分かります。
 また、大量受注の際に値引きはどこまで可能か、生産能力を超える注文に残業をしてもらって内製した方がよいか、外注に出した方がよいかなどの意思決定の判断材料に使えます。

損益分岐点は以下の算式で計算できます
 固定費÷粗利益率=損益分岐点です。
 なお、損益分岐点を超えた売上の粗利益が会社の利益です。






H28.4.1
士気の向上にも寄与 表彰制度

いまどき古臭い?表彰制度
 どの企業も就業規則の中に表彰及び懲戒の項目は設けられていると思います。懲戒の方は項目が多いのは普通ですが、人材の確保やモラール向上面からも「永年勤続表彰制度」を見直してもよいのではないでしょうか。終身雇用制度の時代は終わったというものの、中堅・中小企業にはまだまだこの制度があり、制度を見直している企業もあるようです。公平感や会社への帰属意識の効用もあるのが理由となっています。
 制度を設けるならば、表彰を受けた本人も喜ばしく家族にも喜ばれ、周りの社員も少し羨ましくなるような副賞を考えてみてはどうでしょうか。昔であれば名前入りの楯や時計、万年筆といった記念品を贈るのが一般的でしたが今は流行っていません。社員のやる気の向上につながるカタログギフトや商品券、旅行券などの自由度の高いものを贈るのが一般的となっています。旅行券と休暇をセットにしてリフレッシュに役立ててもらう等も増えています。

商品券等の税務上の取り扱い
 永年勤続表彰の記念品の支給については、
@利益の額が勤続期間等に照らして社会通念上相当と認められる
A勤続年数が概ね10年以上の人が対象
B2回以上表彰を受ける者は前回の表彰から概ね5年以上の間隔がある
 このすべての要件を満たせば非課税となります。ただし、現金や商品券で支給される時はその商品券等の券面額やその金額が課税の対象です。

表彰制度の規定例
 永年勤続だけでなく新たに表彰制度を設ける場合の規定例としては、
@品行方正、技術優秀、業務熱心で他の者の模範と認められる者
A労災を未然に防止し又は災害の際特に功労のあった者
B業務上、有益な発明、改良、工夫考案のあった者
C永年にわたり無事故で勤続勤務した者
D社会的功績があり会社、他の社員の名誉となった者
その他各号に準ずる善行、功労のあった者
 表彰は賞状、賞品、賞金等を授与して行う。