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H28.8.31
協定締結時の従業員代表とは


従業員代表の役割
 労働基準法や育児介護休業法、高年齢者雇用安定法等、使用者と従業員代表による各種労使協定を締結する必要のある条項が多々ありますが、最近この従業員の代表の選出について適切な選出かどうかを問われることが多くなりました。
 従業員代表は使用者と協定を締結し、あるいは就業規則の制定、改定に際し、意見を述べて当該事業場における労働者の過半数の意見を反映するといった役割を担う者で、次のようなものと言えるでしょう。
@労使合意に基づき労基法等の労働関係法規上の規制を解除する役割。例えば労基法第36条の時間外勤務協定等です。
A労使の協議を通じて労働条件の設定過程に関与する役割
B多様な政策目的を実現する為、労働現場での労使の話し合いを促す役割

従業員代表の使用場面は色々
 従業員代表は労働者の過半数で組織する労働組合があればこれが締結当事者となりますが、過半数組合が無い場合は当該事業場の労働者の過半数を代表する者が締結当事者となります。
 労使協定とは労基法上その他によって企業が従業員代表との書面による協定を締結した場合にその協定の内容の限りで法の規制を解除する効果を与えるものです。

従業員代表の要件・労使協定の効力
 事業場における過半数代表の事業場とは裁判例では「工場、事業所、店舗等の様な一定の場所において相関連する組織の基盤として継続的に行われている場」とされています。
「労働者の過半数」とは当該事業場において労働契約に基づき労働力を提供している者で、アルバイト、パート、嘱託や契約社員を含みます。さらに見てみると、
@労基法第41条2号に規定する管理監督の地位にある者でないこと
A法に規定する協定等をする者を選出する事を明らかにして投票や挙手等の方法により選出された者
 これらをふまえて過半数代表の選出とは当該事業場の労働者に選出の機会が与えられ、民主的手続きが採られていることです。






H28.8.30
特定求職者雇用開発助成金


就職困難な方を雇用した時の助成金
 障害者法定雇用率が2.0%となりましたが、障害者等対象となる就職困難な方を雇い入れた場合に事業主に対して支払われる助成金を紹介します。

受給要件
 雇い入れ日現在65歳未満で次の様な方を、ハローワークや民間職業紹介事業者等の紹介により雇用保険被保険者として雇い入れた時に支給されます。紹介を受けた時に失業等の状態にある場合に限ります。
@60歳以上の者
A身体障害者・知的障害者・精神障害者
B母子家庭の母
C児童扶養手当を受けている父子家庭の父
Dその他の就職困難者
 但し過去の一定期間、次の様なことがあった時には支給されません。
・対象労働者が当該事業場で雇用されたことがあったこと
・雇い入れ事業主と雇用、請負、委任の関係にあったこと
・当該事業場の役員の3親等内の親族であること

対象事業主
 対象労働者の雇い入れ前後6ヶ月に当該事業場で雇用保険被保険者を事業主都合によって解雇(退職勧奨を含む)したり、雇用保険被保険者を特定受給資格者となる離職理由で一定数退職させたりしている場合は対象となりません。事業主都合で辞めさせて新規に人を雇い入れ助成金を得ることが無いように考えられています。

支給額
 対象労働者は一般と短時間勤務者によって分けられています(下段が短時間労働者)。

中小企業の場合         
対象労働者              支給総額   助成期間
重度障害者              240万円     3年
重度以外の身体・知的障害者   120万円    2年
                       80万円    2年
母子家庭の母・高年齢者他     60万円    1年
                        40万円    1年

 受給手続きは助成対象期間を6ヶ月ごとに区分した期間ごとに行い、対象期間の翌日から起算して2ヶ月以内に添付書類を添えて提出します。






H28.8.29
賃貸用建物の譲渡と課税事業者

 個人で不動産の賃貸業を営む方(免税事業者)が、たまたま前々年の平成26年(本年、平成28年)、いわゆる基準期間に賃貸用建物を1千万円超(税込)で譲渡していた場合、本年、平成28年は課税事業者になって、仮に、本年中に貸店舗等の賃貸収入などがあれば消費税の納税義務が生じることになります。

●免税事業者にとっては予測し難い
 というのも、個人で小規模又は居住用不動産の賃貸業を営んでいる方は、譲渡年(前々年)においても、多くの場合は免税事業者ですから消費税の納税義務は生じません。また、事業者の方自身が課税か免税かを特段意識されていないこともあってか、譲渡をした年の翌々年の状況を気に留めることはまずないように思われます。
 このようなケースで、平成28年に再度、別の賃貸用建物を譲渡してしまうこともあります。この状況に至っては、災難ともいえる酷な状況を招来させます。建物の譲渡価額が5千万円であれば、単純に見積もって、消費税額の負担は400万円相当です。
 消費税負担額の予測可能性を認識するには、少なくとも、前々年の譲渡時に税の専門家の関与が不可欠かと思われます。

●簡易課税の選択と課税期間の短縮
 平成27年中に簡易課税選択の届出を失念、そして、本年の売買契約締結後引渡前の段階で、どのような税負担軽減の対策が講じられるかですが、以下が限界のように思われます。もっとも、前々年の課税売上高5,000万円(税込)以下が前提です。
 @3か月間の課税期間の短縮と簡易課税選択の届出書の提出、A3か月間の課税期間の短縮の届出が間に合わなければ、1か月間の課税期間の短縮と簡易課税選択の届出書の提出です。
 もちろん、これら課税期間の短縮と簡易課税を選択するとその適用が2年間継続することになりますが、建物譲渡に伴う課税期間の消費税の負担を軽減できれば、免税事業者にあっては、その後の課税期間は非課税売上が圧倒的に多く、課税売上があっても僅かですので大きな事務負担になることはないように思います。
 ちなみに、賃貸用建物の譲渡に伴う簡易課税のみなし仕入れ率は40%ではなく60%です。少なくとも、消費税の負担を相当軽減できます。






H28.8.26
目標管理機能強化の鍵

 目標管理制度の本質的な目的は、経営計画で定めた目標を達成するための“業績管理”にあります。
 しかしながら、目標設定や運用において、トップダウンや指揮命令が強化されると、ともすると社員から“ノルマ管理・押しつけ目標による強制的管理”と受け取られ、納得性が生まれず、自主的、意欲的な取り組みが失われかねません。

目標管理制度のあるべき姿
 目標管理制度が“業績管理制度”として機能するためには、トップの示した目標が、単にトップダウンであるばかりでなく、同時に社員の意欲的な取り組みにうらづけられていることが不可欠です。
 しかしながら、このような“あるべき姿”を実現することは容易ではなく、次のような一人ひとりの社員が持つ一般的傾向を理解して対処する必要があります。
@“人間の性は善であり、現在よりも前向きに、意欲的に生きようとする”。すなわち、現在の自分 の能力を伸ばしながら、ストレッチな(手を伸ばせば、ようやく届く)目標に挑戦しようとする。
A一方、“人間の性は弱でもあり、厳しいことは避けて生きたい、楽をして生きたい”と言う意識が 働き、自分の能力から隔絶した高すぎる目標への挑戦を拒否する傾向がある。
Bトップが期待する高い目標が社員にとってストレッチな水準となるように、社員一人ひとりの能力 が保有されていることが望ましい。言いかえれば、社員のバイタリティー(知力×行動力)を高め ておくほど、より高い経営目標への挑戦と達成の可能性が高まる。

目標管理機能強化の鍵
 目標管理制度の機能強化を図る鍵は、以下の2点にあります。
@管理者をはじめとする社員の能力・バイタリティー向上を図るために、ストレッチな目標設定と達 成努力を求め続けること。
A社員の自主的、意欲的な挑戦を促進するために、“所属する組織・チーム目標への貢献度”を評価 基準とし、その納得性を高めるための評価方法として、メンバー間の真摯な貢献事実の相互フィー ドバックを取り入れる。





H28.8.25
事業年度の変更 基準期間とその課税売上

 事業年度の変更は、グループ間企業の決算期の調整といった観点からなされること多いように思われますが、一方、節税対策の目的で事業年度の変更がなされることもままあります。
 例えば、立退き料の収受、不動産の譲渡、そして、死亡保険金の受領、といった場面などです。

●消費税の基準期間
 しかし、事業年度の変更は、結果として、翌々課税期間の消費税の計算にも影響を及ぼすことがあります。
 消費税の課税事業者又は簡易課税の適用の有無を判定する基準期間の課税売上は、前々事業年度の課税売上ですが、しかし、事業年度の変更によって、その前々事業年度が1年に満たない場合には、そのまますんなりと前々事業年度の課税売上とはいきません。
 この場合、基準期間は、その事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間とされています。
 少しわかりにくい規定ですので、具体的な事例でもって理解したいと思います。
 毎事業年度10月1日〜翌年9月30日を平成28年に変更し5月決算としました。これにより、変更初年度の開始事業年度は、平成28年6月1日〜平成29年5月31日なり、以後毎年6月1日〜翌年5月31日が事業年度となります。
 この変更により、平成29年6月1日開始事業年度の基準期間は、平成27年10月1日〜平成28年5月31日と、その基準期間が1年未満です。そうすると、この規定に当てはめて基準期間を求めると次のようになります。
 平成29年6月1日開始の2年前の日は平成27年6月2日となり、そして、その前日は平成27年6月1日となります。それから、その日以後1年を経過する日までに開始した各事業年度を合計した期間、ということですから、結局、平成28年5月末までの8か月のみということになります。

●基準期間1年未満の場合の課税売上
 この場合、基準期間の課税売上は、1年未満の基準期間の課税売上がそのままストレートに該当するわけではなく、その期間の課税売上をその期間の月数(事例では8か月)で除し、これに12を乗じて1年分に換算した金額となります。





H28.8.24
外国人労働力拡大案提言

単純労働にも外国人受け入れか
 今後本格化してゆく日本の少子高齢化や人口減少による人手不足解消の為の外国人労働力の受け入れを検討している自民党の「労働力確保に関する特命委員会」では、外国人労働力の受け入れの拡大を提言しています。今までは原則として、大学教員や経営者、高度専門的技術者等を受け入れてきましたが、同委員会では建設従業員の「単純労働者の受け入れも必要に応じて認めるべきだ」として容認し、政策の転換を求めるとしています。
 また、日本人と報酬を同じにする等の仕組みについて提言し在留期間を当面「5年間」とするとも言っています。但し、政府内で統一定義の無い「移民」については「入国時に在留期間の制限の無い者」と独自の定義を示し、この問題には踏み込まない方針です。

外国人労働者数過去最高
 厚生労働省発表の「外国人雇用状況の届出状況まとめ」(2015年10月現在)によると外国人労働者数は90万7千人台で前年比15.3%と過去最高です。
 特に建設業について2014年4月に「建設分野における外国人材の活用」について閣僚会議が行われ、復興事業の加速、2020年の東京オリンピック・パラリンピック等の関連施設整備等の一時的な建設需要の拡大に対応する為、緊急かつ時限的な措置として即戦力となる外国人の活用推進の方針で、平成27年4月から対象となる外国人材の受け入れを開始しました。

労働力不足の解消なるか
 今後2020年代には介護分野で25万人、建設分野で77万人から99万人の労働力が不足するとの推計があります。外国人労働力を明確な労働力として受け入れるようになると人数が益々増えると予想されます。今後は外国人労働力を新たな人材として採ってゆくことも検討材料になるかもしれません。法改正の動きに注目しておく事が必要でしょう。





H28.8.23
褒めて動かす

 社員のやる気を高めるには「良い点を褒めるのが効果的」であると言われています。
 しかし、褒め方によっては、かえって逆効果となる場合もあり、注意が必要です。

失敗する褒め方/成功する褒め方
 失敗する典型は「褒めている事柄が具体的でなく、抽象的で曖昧である」場合で、褒められている側から「口先だけだ。褒められた気がしない」、最悪の場合「上司の人気とりなど、何か裏があるのではないか」と受け取られることがあり、相手の心を動かす内発的動機付けにはつながりません。
 これとは対照的に、成功するケースの典型は「褒めている具体的な行動が明確に指摘され、それがどのように役立ったのか表現されて、感謝やねぎらいの言葉をかけられる」と言った場合で、相手の感動を呼び、内発的、積極的な行動を引き出すことに繋がります。

制度的に褒める効果
 経営ビジョンや、それに基づく行動指針が示されている場合、それが業務推進のすべての場面で実践されてこそ、ビジョンや行動指針の浸透につながりますから、全社員を対象として、制度的に褒めることが重要になります。
 具体的には、社員一人ひとりや、チームを評価の対象として、評価基準・評価シートを準備し、全管理者による評価と推薦、トップによる評価決定、全社員が集合する場における表彰を行なうことになります。
 表彰状には、前記の成功ケースの通り、「褒める具体的行動事実、それが役立った理由が表現され、その貢献に感謝する言葉で結ばれる」ことが適切と言えます。
 このような褒め方は、経営ビジョンの実現、そのための行動指針の全社員への浸透への力となります。

経営者・管理者の留意点
 上記のような意味で経営者・管理者は“褒め上手”になりたいものです。
 褒めることの本質は“働きかけて人を動かす”ことにありますから、経営者・管理者は、目標管理制度の運用など、日常の業務遂行プロセスで、褒めることをマネジメントの一環として実践すべきです。
 目標設定、達成プロセスで、個人やチームの積極的、創造的行動に着目して、顕彰の対象とすることをお勧めします。





H28.8.22
来春新卒採用動向と人手不足


2017年卒も売り手市場が続く
 人手不足と言われる昨今、来年の新卒社員を対象とした採用活動ですが、企業としては厳しい採用状況が続きそうです。
 株式会社マイナビによる「2017年卒マイナビ企業新卒採用予定調査」では、2017年の採用予定を前年と比べて「増やす」とした企業が大学文系で26.0%、大学理系が31.4%と、共に前年比2.3ポイント上がったそうです。「減らす」とした企業より20ポイント以上も上回っており増やす企業が多いと言えます。この事は2012年から6年連続しており、売り手市場が続いています。

採用予定数の増加
 2017年採用予定数を前年の採用実績数と比較すると全体平均は19.1%増で非上場企業では20.3%の増加で前年を上回っています。採用予定数の「大きな要因となったもの」は「将来の業績の見通し」45.2%、「年齢構成」44.9%、「前年の採用実績」36.5%が挙げられています。売り手市場の上に採用予定者数の増加もあって採用も一段と困難になりつつあります。

今後の新卒採用の見通し
 同調査の採用見通しでは採用環境はさらに難しくなるということですが、その理由として「母集団(エントリー数)の不足」67.2%が最も多く、次いで「内定辞退の増加」59.5%、「活動の早期化へのスケジュール対応」47.2%と続きます。
 今後は学生が求めている情報やアピールポイントを工夫する事も必要でしょう。

ミドル層の人材も人手不足
 日本商工会議所の「人手不足等への対応に関する調査結果」(4,072社、回答59.1%)をまとめた結果の発表が6月に行われ、55.6%が「不足している」と回答しています。前年の調査より5.3ポイント上昇しています。業種別では宿泊・飲食業の不足感が大きく79.8%。介護、看護、運輸、建設でも6割以上が不足と答えています。求める人材は一定のキャリアを積んだミドル人材が69.0%と最も高かったと言う事です。
 シニア人材においても前年調査比で高く幅広い層で不足感が拡大しています。
 女性活躍推進については6割以上の企業で実施、検討をしているとの結果も出ています。





H28.8.12
都市部の地籍調査の進捗は24% 地籍調査とは?

「地籍調査」とは?
 「地籍調査」という言葉を耳にしたことがありますでしょうか? これは、市町村等が、一筆(土地登記簿の一区画)ごとに土地の「所有者」・「地番」・「地目」を確認し、所有者の立会いのもとで「境界」を確定する国土調査法に基づく事業のことです。
この国土調査法という法律が成立したのは、昭和26年。当時の登記所には、土地の現況に関する資料として「土地台帳」と「付属地図」(明治時代に地租改正を行った時の調査資料)が備え付けられていましたが、さすがにこの時代の測量技術を基としているので不正確なものでした。そのため、戦後の復興に資するという観点から、正確な地図へ置き換えていこうというのが、「地籍調査」事業の目的でした。

「境界確定」の他にもメリットが多い
 もちろん、今日においても「地籍調査」はその意義を失っておりません。土地の位置(経度・緯度などの座標情報)や面積の正確な地図が公に整備されていれば、土地の売買や相続の際に生ずる「境界争い」などのトラブルを未然に防ぐことができます。
 また、公共インフラの整備や用地買収、災害時に土地の形質が変わった場合の復旧にも、その情報を役立てることができます。

都市部の地籍調査進捗率は24%!?
 このようなハッキリしたメリットがあるにもかかわらず、「地籍調査」は、65年近くの間、なかなか進んでいません。
 国交省HPによれば、平成27年度末現在の全国の進捗率は51%。地域差が顕著に表れており、特に権利関係が複雑な都市部では24%(東京は22%)しか進んでいません
進捗率ベスト3 沖縄99%、福岡98%、青森93%
進捗率ワースト3 京都8%、三重9%、大阪10%
 実施主体の市町村は、人員不足や財政問題を抱え、住民側も土地の権利関係について「寝た子を起こしたくない」という意識もあり、調査は難しいものになっています。

「公図」と「現況」のズレも調査
 都市部の地籍確定率24%という数字は、都市部の「公図」の約3/4はあまり参考にならないことを意味します。これではいけないということで、全国の都市部の地籍整備を推進するため、国交省などが協力し「都市再生街区基本調査」(H16〜H18)が実施されました。この調査では、公図の角の点に対応すると考えられる現況の座標を、「地籍調査」の基礎情報として測量しています。





H28.8.10
経営ビジョンの要件

経営ビジョンは、企業にとって、社員とその他のステークホルダーにとって、重要な意義をもっており、そのためにいくつかの要件を満たすものでなければなりません。

経営ビジョンの要件とは
 経営ビジョンが具備すべき要件は次の2点です。
1.自企業の社会の発展に貢献する事業領域・長期的目標と創造的な取り組み方が“経営者の思い”として単純明快で、分かりやすく表現されていること。
2.そのビジョンの実現は、同時にステークホルダーのメリットや社員の処遇向上につながる約束がされていること。
 すなわち、1と2によって、企業の業績向上と社員をはじめとするステークホルダーのメリットが同時に期待できる点が重要であり、2つの要件が欠落していたり、曖昧であると様々な問題が生じます。

経営ビョン不在・要件欠落の害
 経営ビジョンが明示されていない企業、または、経営ビジョンはあっても、要件が満たされていない企業では、ビジョンの浸透が図りにくく、次のような経営にとっての害が生じやすいと言えます。
@社員のバイタリティーが生まれない。
@)現状維持志向、保守的な意識・行動
 が生まれやすい。
A)消極的になり、高い目標に挑戦しよ
うとしない。
B)目標達成意欲が低く、障害を乗り越
える力に欠ける。
C)自らの座標軸を持たず、向上意欲に
欠ける。
A株主・金融機関など、ステークホルダーの支持が得られにくい。

経営者の留意点
 経営ビジョンの策定と実現にあたって、次の点に留意することが重要です。
@前記の要件1を満たすとともに、要件2について、ビジョン実現に伴う企業とステークホルダーの利益配分の考え方を共有すること。
A業績向上と社員の活躍・貢献に報いて処遇レベルの向上を図ること。
B経営ビジョンによる経営者の意思表示に止まらず、長期経営計画・中期・年度経営計画で、それらを具現化し、人事処遇制度の改定などにより、具体的に実現努力を行なうこと。





H28.8.9
転職理由の本音と建前

転職市場は盛況
 転職求人情報誌DODAの「転職求人倍率レポート」によると2016年6月の転職求人数は前月比102.2%、前年同月比134.6%となり、求人数は19カ月連続で調査開始2008年1月以来の最高値を更新していると言う事です。
 転職希望者も前月比104.3%、前年同月比157.9%となり10カ月連続で最高値を更新しており、転職市場は引き続き盛況なようです。このような人材の活発な流動化のもとでは企業にとって人材確保が大きな問題となります。

会社に伝える退職理由と違う本当の理由
 従業員が退職する場合、自己都合だとしてもその理由を述べるのが普通です。しかし従業員の話す退職理由が本音ばかりでないと言う事を次の調査が伝えています。
 エン・ジャパン鰍ェ行った退職理由についてのアンケート(回答1,515名)では、約半数の人が会社に本当の理由は伝えなかったと答えています。
「会社に伝えた退職理由」
ア、結婚・家庭の事情 23%
イ、体調を崩した   18%
ウ、仕事内容     14%
「本当の退職理由」
ア、人間関係    25%
イ、評価・人事制度 12%
ウ、社風・風土・給与・拘束時間 11%
 以上から考えると従業員が答える退職理由は本音と違っている事もあると言えます。
 退職者の多い会社は「本当の理由」から考えられるように総体的に会社の雰囲気が悪かったり待遇面で不満を持つ人が多かったりという事になり、そこに企業自身が考える必要のある問題も含まれていると言ってよいでしょう。

退職者の再雇用
 半数の退職者は理由が違うと言っても、もう半数の人の中にはやむを得ず退職した人もいるわけです。そのような人はまた戻って働きたいと言う人がいるかもしれません。病気療養や家庭内の事情(介護、育児他)が一段落して、親しんだ職場に戻りたい人もいるでしょう。会社側も採用コストの削減、即戦力にもなり、定着率も上がります。また一緒に働きたいと思う退職者に会社から声をかけてみるのも良いかもしれません。






H28.8.8
相続時精算課税方式って何?

 相続時精算課税制度とは60歳以上の親から20歳以上の子へ贈与がされた場合に選択により適用されます。しかし一度選ぶと一生変更できません。受贈者の条件は、
@その年1月1日において20歳以上
でA又はB
A贈与者の直系卑属である推定相続人
B贈与者の孫であること

年齢の数え方
 要求は、1月1日において20歳ということなので、贈与時年齢ではありません。ところで、1月2日生まれの人は1月1日では20歳の誕生日の前日になってしまいますが、法律上は1月1日で20歳扱いです。親の60歳以上についても同じです。

直系卑属である推定相続人とは
 Aの直系卑属とは、子・孫・曾孫・玄孫のことを言いますが、推定相続人とは被相続人が死亡すれば、最優先順位者として相続することが予定される法定相続人のことです。実子のみならず、養子、胎児、非嫡出子、代襲相続人も含まれます。
 ですから通常は贈与者の一代下の子供世代を指します。
 推定相続人についての判定の時期は贈与年の1月1日ではなく、その贈与のあった時です。養子の場合は、養子縁組の解消という事実があった場合にも、解消までの養子としての期間内は要件該当者です。

孫はなぜ認められるの?
 Aの子供世代が健在ですと、孫は推定相続人になれない為、特別に認めております。

どんな制度なの?
 条件に合っていれば2,500万円までの財産の生前贈与は課税されません。2,500万円を超える贈与が行われた場合は、超える部分に20%の贈与税が課されます。
 しかし読んで字の如く「相続時」に「精算」されて「課税」されます。
 要は相続時に改めて相続財産として課税され、払った贈与税があればそれも精算されます。しかし遺産の分割でもめる「争族」は、ある程度は回避できると思われます。

で何がお得なの?
 不動産の場合、相続税評価で2,500万円の財産ですから、5,000万円以上のマンションでも評価によっては2,500万円以下となる場合もありますので、預金を不動産に換えて贈与する等利用価値はありそうです。






H28.8.5
7月1日に
「中小企業等経営強化法」
が施行されました!

中小企業等の生産性向上の為の法律です
 経営力強化のために適切な取組を計画した中小企業・小規模事業者等を政府が積極的に支援する法律が施行されました。
 人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や、設備投資等により、事業者の生産性を向上させる計画を作成することにより、認定された事業者は税務上等、様々な支援措置が受けられます。

固定資産税(償却資産税)が半分に!
 中小企業者等が機械装置(新品に限る)を導入する場合に一定の要件を満たすときは、一定の手続きのもとに償却資産税が3年間1/2に軽減となる特例が設けられました。
一定の要件とは、
●生産性を高める機械装置の取得が対象
(@160万円以上、A生産性1%向上、B10年以内に販売開始)
※生産性向上設備投資促進税制のA類型から最新モデルを除外しているため、10年以内のものであれば、古いモデルでも対象となります。
※中古機械は対象になりません。

固定資産税の軽減措置を受ける場合の流れ
@経営力向上計画策定時に設備を決定
↓ 設備メーカーを通じて工業会等による証明書の入手
A主務大臣に計画を申請
↓ 経営力向上設備等の種類を記載した計画申請書と証明書を提出
B主務大臣より認定される
↓ 計画認定書と計画申請書の写しが交付される
C償却資産税申告書に書類添付
計画申請書、証明書の写しを添え償却資産税の申告時に提出
※年末までに認定が受けられない場合、減税の期間が2年となります。申請から認定までは最大30日程度要しますので、余裕を持った計画策定が必要となります。

その他金融支援
 固定資産税減税以外の支援措置として、
@商工中金による低利融資
A中小企業信用保険法の特例
B中小企業投資育成株式会社法の特例
などがあり、購入に際して、円滑な資金調達ができるようになりました。





H28.8.4
経営ビジョンの力


 経営ビジョンは自社の“夢と希望”、言いかえれば、“自社が社会に存続する意義、目指していること、やりたいこと”を明文化し、社員やステークホルダーに示して、将来への道筋を指し示します。

経営ビジョンがもつ力
 経営ビジョンには次のように、経営の基盤となる多面的な力があります。
@将来に向かって自社が社会に貢献していく領域・目標・道筋を示し、ステークホルダーの支持が得られる。
A経営ビジョンを実現するための長期経営計画、経営目標の設定につながる。
Bさらに、中期経営計画・目標、年度経営計画・目標とそれらを達成する目標管理制度の運用につながる。
C社員が経営ビジョンを感得することによって、一人ひとりが働く意義を見出し、組織全体と個々人に業務遂行のバイタリティーが生まれる。
D年度経営計画・経営目標達成のための業績管理制度として、目標管理制度を運用するにあたって、目標設定、達成プロセスの全ての段階で、社員の積極的、創造的なパワーが生まれ、より高い目標設定、達成プロセスの問題解決に向けて主体的な協力が促進される。
E経営ビジョンに基づく経営計画の策定は、金融機関等から高い支持が受けられる。

経営ビジョンのあり方
 このような経営ビジョンのあり方は、次の通りです。
@自企業の社会の発展に貢献する事業領域・長期的目標と創造的な取り組み方が“経営者の思い”として単純明快で分かりやすく表現されていること。
Aそのビジョンの実現は、同時にステークホルダー、とりわけ社員の処遇向上につながること(これは“貢献度に報いる”ことがキーとなる)。

経営者・管理者の留意点
 経営者は、常に経営ビジョンの浸透方法を考え、経営計画策定、目標管理制度の運用場面では、繰り返し、経営ビジョンを反映した経営計画・目標設定を求めましょう。
 管理者は少なくとも、自部署の3年後のありたい姿をビジョンとして示すべきです。





H28.8.3
「選挙」と「手話通訳」のビミョウな関係?
手話通訳の報酬・料金

あれ? 政見放送に「手話通訳」なし?
 H28夏の参議院選挙に続き、都知事選挙も終わりましたね。その間、TVでは沢山の候補者の「政見放送」が放映されましたが、参議院「選挙区」には手話通訳がなかったことにお気づきになったでしょうか?
「見たような気がするけど…」という方もいるかもしれませんが、それは、参議院「比例代表」や都知事選挙の「政見放送」の話。
 実は、参議院「選挙区」の「政見放送」では、ずっと手話通訳がない状態なのです。

参院「選挙区」以外は実現していますが…
 昔は「立会演説会」というものがあって、手話通訳が付いていました。この「立会演説会」が公職選挙法改正で昭和58年に廃止されると、その役割をTVの「政見放送」が担うようになりました。「政見放送」では、現在まで、@衆議院「小選挙区」、A衆議院「比例代表」、B参議院「比例代表」、C都道府県知事選挙については、政党・候補者の判断により手話通訳を付けることができることとなりましたが、参議院「選挙区」だけが、いまだに「不可」の状態。もちろん、各政党とも手をこまねいている訳ではなく、議論を重ねてきたようですが、現場の放送局側は政治用語に精通する通訳者の確保が難しいのが現状。「手話通訳のいる」候補者と「いない」候補者がいては、公平性を確保できません。新聞報道では、参院の委員会でも条件面が整わないとのことで見送りとなったようです。

法律では手話通訳者は「選挙運動員」?
 それとは別に手話通訳者は公職選挙法でも面倒な立ち位置にあります。この法律では「報酬を受取ることができる人」を厳格に定めており、候補者の出陣式等で手話通訳をするために手話通訳者が雇われた場合には、報酬を受取ることが認められています。ただ、その立場は「選挙運動に従事する者」(いわゆる「選挙運動員」の扱い)。「別に候補者の代弁者ではないのに…」と関係団体が取扱いの変更を求めています。

手話通訳の方には源泉徴収は不要です!
 ここでやっと税金の話ですが、手話通訳者の報酬・料金を支払うときには、源泉徴収は不要です。所得税法では源泉徴取を要する報酬・料金として「通訳の報酬・料金」を定めていますが、「手話通訳の報酬・料金」はこれに該当しないこととされています。





H28.8.2
民放連CM「それ、違法です」
「送信可能化権」とは?

民放連CM「それ、違法です。」
 「TV番組をアップロードしちゃいけないの、知らなかった?」「グレーかもしれないけど、ギリギリセーフなんて思ってたんじゃないの?」―俳優の遠藤憲一さんを刑事役に起用した日本民間放送連盟の「放送番組の違法配信撲滅キャンペーン」のCM。
 2015年1月から随分と長い期間、放送されています。最後の「それ、違法です。」のキャッチコピーも印象に残り、TV動画等の違法アップロードの注意喚起には、とても貢献しているのではないでしょうかね。

だけど「何の法律に違反しているの?」
 ただ、このCMで「違法」というのは印象付いているのですが、「どんな法律に違反するのか?」といわれると少し心許なくなります。そのあたりも民放連HPでは、丁寧に説明しています。
 テレビ番組をインターネット上で公開する場合は、上記の権利者およびテレビ局などの番組製作者から「複製権(または録音・録画権)」「公衆送信権(または送信可能化権)」等について許諾を得る必要があります。これらの許諾を得ずにテレビ番組をインターネット上で公開すると、関係権利者の著作権等を侵害することになります。(一部引用)
 具体的には、アップロード側がネット上のサーバーに著作物をデータ保存することが「複製権」の侵害で、アップロード自体も「送信可能化権」の侵害となるようです。

「送信可能化権」って何?
 この「送信可能化権」というのは、インターネットなどで著作物を自動的に公衆に送信し得る状態に置く権利のことであり、平成9年の著作権法改正の際に導入されました。この著作権の「送信可能化権」の使用にあたっては、著作権者の許諾が必要であり、その対価は「著作権の使用料」に該当するため、所得税の源泉徴収の対象となります(10.21%〜20.42%)。
 具体的には、ネット動画のストリーミング配信事業でデジタル動画の制作者に対して支払う対価がそれに当たります。微妙なのは「WEB掲載のための写真の報酬」。
 こちらは印刷物に掲載するための「写真の報酬」(源泉税の対象)にはあたらないのですが、公衆送信権(送信可能化権)の使用に該当する可能性があるようです。





H28.8.1
国税庁 文書回答事例
金融機関の「暦年贈与サポートサービス」

「暦年贈与サポートサービス」の照会事例
 国税庁のホームページには、「事前照会に対する文書回答事例」が公表されていますが、平成28年3月に気になる照会事例が掲載されました。ある金融機関が照会した「暦年贈与サポートサービスを利用した場合の相続税法第24条の該当性について」というものです(東京国税局回答)。
 この「暦年贈与サポートサービス」とは、その金融機関の預金口座を有する3親等以内の親族関係にある複数の個人を対象として、その個人間の「贈与の意思及び贈与金額の確認」を行い、「双方合意が存する場合」に限り、「贈与契約書の作成」や「預金の振替」等をサポートするサービスなのだそうです。このサービスに基づく贈与は、相続税法の「定期金給付契約に関する権利」に該当するのかというのが照会の内容でした。

「定期金給付契約に関する権利」とは
 「定期金給付契約に関する権利」とは聞き慣れない言葉ですが、いわゆる「年金受給権」を指します。たとえば、AがBに対して5年間現金100万円ずつ贈与する場合、これを「その1年ごとに個別に100万円ずつ贈与する」と見ることができれば、各年で110万円の基礎控除が適用できますので、贈与税は課税されません。ただ、当初より5年間(毎年)現金100万円ずつを贈与するつもりであるならば、これは5年分の「定期金(年金)を受給する権利」を取得したと認定され、一時に贈与税が課税される恐れがあります。この場合に、贈与を受けたものとみなされる金額は、次の@〜Bのいずれか多い金額とされています。

(有期定期金の場合)
@ 解約返戻金の額
A @に代えて一時金を受けることができる場合…一時金
B 1年間で受けるべき金額×残存期間に応じる予定利率の複利年金現価率

「直ち」には定期金給付契約と認定せず
 そのため、現金の「連年贈与」を行う場合と同様に、このサービスが「定期金給付契約に関する権利」に当たる余地があるか心配だ…ということなのです。東京国税局の回答は、このサービスを用いた場合には、贈与の都度の確認があるため、「直ちに」は定期金給付契約とは認定しないとのことのようです(契約の内容や個別の状況などで判断する余地はあるのでしょうかね…)。