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H29.10.30
平成29年度地域別最低賃金

最低賃金引き上げ額平均25円で過去最大
 平成29年地域別最低賃金改定額は中央最低賃金審議会で賃上げ額の目安が公表され、各都道府県労働局長の決定により10月1日より順次発令されます。
 改定額を見ていくとAランクの6都道府県は目安通り26円引き上げられ、東京、神奈川に続き大阪も900円を超えました。Bランクの11府県も目安通り25円引き上げられ、三重、広島、滋賀、栃木の4県が新たに800円以上。一方Cランクは新潟が目安より1円高い25円の引き上げ。他の13道県は目安通り24円の引き上げで、北海道と岐阜が新たに800円台に乗せました。Dランクでは鳥取、宮崎、沖縄が目安より1円高い23円の引き上げで、高知、沖縄と福岡を除く九州6県が737円で並びました。

平成35年度には1000円まで引き上げ?
 最低賃金は近年引き上げの流れが続いていて、時給額のみで表示されるようになった平成14年度には全国加重平均額は663円でしたが、昨年度に初めて800円を超えました。政府は全国加重平均で最低賃金3%程度引き上げ1000円を目指しており、このままですと平成35年度には1000円に達する事になり、中小企業には重い負担となってきます。
 平成29年の改定額は以下の通りです。
A.26円改定
東京 958円  大阪909円 愛知871円  千葉 868円 神奈川 956円 埼玉 871円
B.25円改定
茨城 796円 京都 856円 静岡 832円 三重 820円 滋賀 813円 栃木 800円 
長野 795円 富山 795円 広島 818円
兵庫 844円 山梨 784円
C.24円改定
北海道810円 宮城 772円 群馬 783円
新潟 778円 石川781円 福井 778円  岐阜 800円 奈良 786円 和歌山777円 岡山 781円  山口 777円 徳島 740円
香川 766円  福岡 789円
D.22円、23円改定
青森 738円 秋田 738円 岩手 738円
山形 739円 福島748円 愛媛 739円   高知 737円 島根 740円 鳥取 738円長崎 737円 佐賀 737円 熊本 737円 大分 737円 宮崎737円  鹿児島737円  沖縄 737円






H29.10.27
イクメン育児休業・同給付金(男性版マタニティーリーブ関係)

パタニティーリーブ(男性版育児休業)取得
 制度(育児休業法・育児休業給付制度)や言葉(イクメン)があっても、なかなかそれを活用できない雰囲気にあるのが、日本の民間企業であり、そこに働く人たちです。
 一方、同じ日本にありながら、外資系企業では、企業側もそこで働く人も、日本の民間企業とは考えが違います。日本人男性従業員は、奥さんの出産を機に、パタニティーリーブ(男性版マタニティーリーブ)を取得することになりました。

男性版:育児休業制度と育児休業給付金
(1)どれくらい休めるのか?
 子の出生日から1歳に達する日(誕生日の前日)までの間で労働者申出の期間です。
(2)その間の給料は?
 育児休暇中の給料は、就業規則によりますが、定めがなければ、無給で構いません。
(3)何か給付金はもらえる?
 出産日以後に無給の場合、育児休業給付の申請により、雇用保険から、給料の育休開始から180日目までは「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(181日目以降は同50%)、育児休業給付金が支給されます。
 ただし、給付には上限があります。
 また、育児休業給付金は、課税の対象となりません。
(4)無給中も負担しなければならないもの
 毎月給与から天引きされている住民税の特別徴収額は引き続き負担しなければなりません。別途会社にその都度振り込むか、前もって天引きしてもらうかになります。
(5)無給期間中の社会保険
 「育児休業申出書」を提出することにより、育児休業を開始した月から、終了した日の翌日の属する月の前月まで社会保険料負担が、本人・会社ともになくなります。
(6)給付金申請の方法
 原則は、事業主が「育児休業給付金支給申請書」を事業所の所在地を管轄する公共職業安定所に提出します。その際、賃金台帳や出勤簿など、支給申請書の記載内容を確認できる書類の提出も求められます。
(注)その他詳しいことは、
・厚生労働省サイト「Q&A〜育児休業給付〜」
・ハローワークのサイト「ハローワークインターネットサービス 育児休業給付金」などをご参照ください。
・もしくは、お近くのハローワークか、会社顧問の社会保険労務士さんにご相談ください。





H29.10.26
評価者の悩みと解決策

 評価の納得性確保は、目標管理制度・人事賃金制度が、社員の信頼を得る基本的な条件ですが、1次評価者としての管理者が持つ悩みと解決策の視点から、この問題について考えて見ましょう。

管理者の悩みと問題現象
 管理者の悩みと、それに伴って生ずる問題現象を整理して見ますと、次の通りです。
被評価者が評価結果を納得しないことから、不平・不満を言われたくない。
⇒意図的に高めの評価を行い、被評価者に誤った甘いメッセージを与え、能力開発努力を妨げる。
被評価者の不満が多いことから、管理者としての評価能力の低さが問われかねない。
⇒管理者として自己の評価能力に不安を抱きながら、評価を続けざるを得ない。
確信が持てる評価材料が得られない。
⇒恣意的な評価を自分に許す。
 このような悩みと問題現象は、経営にとっても、管理者自身のマネジメントにとっても、また被評価者にとっても到底望ましい状況とは言えません。

適する解決策のポイント
 解決策が具備すべき条件と、適する解決策は次の通りです。
1公正な評価基準に基づく評価であること。
 ⇒経営貢献度(所属組織の目標達成に対する貢献度)を評価基準とする。
2評価根拠が目標達成プロセスの事実状況に基づいていること。
3評価者が確信をもって評価し、被評価者も納得して受け入れること。
 ⇒目標設定・目標達成プロセスの状況事実について直接的に知っている仲間が提供した「相互フィードバック情報」に基づいて評価すること。

経営者・人事担当役員の留意点
 管理者の悩みは、自分からトップに対して打ち明け難いことがらであることを察して、経営者として「被評価者の納得性確保が重要である」との立場から対策を講じたいものです。





H29.10.25
アニメ・ファッション分野等での外国人採用

専門知識・技術が求められる外国人採用
 外国人が日本で適法に就労するためには、就労可能な「在留資格」、いわゆる「就労ビザ」を取得する必要がありますが、一部の例外を除き、この就労ビザが許容され得る業務は「学術上の素養を背景とする」「高度」で「専門的」な技術・知識を要するものでなければならないとされています。たとえば、会計学を学んだ人がその知識を活かして会計業務に就く場合や、電気通信工学を学んだ人がエンジニアになる場合などは比較的イメージしやすいのですが、業界によってはどのような業務が「学術上の素養を背景とする」「高度」で「専門的」なものとして許容されるのか、判断が非常に難しいケースが多々ありました。

クールジャパン戦略と就労ビザの明確化
 これに対し、法務省は平成29年9月、アニメ、ファッション・デザイン、美容、食の4分野について、これらを専門に学びに来日した留学生等が、卒業後も引き続き日本で働く場合、どのような業務が就労ビザの活動範囲に該当し得るのか、各分野におけるこれまでの許可事例等を公表しました。この背景には、クールジャパン戦略の推進や日本のコンテンツに対する海外からの関心の高さがあるようです。

新たに公表された許可事例
 今回公表された許可事例には次のようなものがあります。
@日本の専門学校においてマンガ・アニメーション科を卒業した外国人が、アニメ制作会社において、絵コンテ等の構成や原画の作成といった主体的な創作活動に従事するもの。
A日本の専門学校においてデザイン科を卒業した外国人が、服飾業を営む会社において、ファッションコーディネーターとして商品の企画販促や商品ディスプレイの考案等に従事するもの。
 あくまで専門的技術や知識を活かす業務でなければならない、という前提に変わりはありません。しかし、これまで不透明であった分野における許可事例の公表で、企業の外国人採用、また留学生の就職活動にも、新たな視点が加わりそうです。





H29.10.24
会社分割の要件緩和 創業者の会社貸付金の相続対策

会社分割を利用して貸付金の整理
 平成29年の税制改正で分割型分割の適格要件が一部緩和されました。その内容はこうです。
 単独新設分割型分割にあっては、分割後の株式の保有関係は、分割後にその同一の者と分割承継法人との間にその同一の者による完全支配関係(支配関係含む)が継続することで足り、分割後のその同一の者と分割法人との間の完全支配関係の継続が不要とされました。
 そこで、改正後の単独新設分割型分割を利用して創業者の会社貸付金の整理を試みてみます。

同族会社と同一の者
 この「同一の者」は、親族が単位となりますので、同族会社の場合、親族で株式を保有している例が殆どだと思われますので、いわゆる、会社と同一の者による完全支配関係が成立します。適格要件は満たします。
 例えば、甲社は、創業者60%、配偶者10%、子30%の割合で株式を保有されていたとします。この場合、甲社は、「同一の者」による完全支配の関係にあります。

創業者の貸付金の整理
 具体的な手続きはここからです。甲社は、創業者からの借入金6千万円があり、債務超過でその返済も不能の状態にありますが、現在、事業は縮小しながらも継続して営んでいます。
 ここで、甲社は分割法人となり、継続している事業を新設分割により乙社分割承継法人に承継させ、その後、甲社を解散・清算することにしますが、改正後は、同一の者と甲社分割法人との完全支配関係の継続が要件とされませんので、適格要件は満たしており、それは可能と考えます。
 甲社は清算の段階で、創業者から6千万円相当額の債務免除を受け、その免除益が計上されることになりますが、既に甲社には残余財産がありませんので、原則として、期限切れ欠損金の利用により、甲社に債務免除益による課税は生じません。
 結果として、創業者の会社への貸付金6千万円相当は相続財産から消えます。
 但し、創業者の債務免除により当該者から他の株主への「みなし贈与課税」が生ずる余地はあるかもしれません。   
 なお、この改正は、平成29年10月1日以後に行われる分割から適用されます。





H29.10.23
ふるさと納税実質2千円負担をゼロにする方法(裏技)

 
実質負担2千円のふるさと納税
 ふるさと納税は、「実質2千円負担で地方の特産品が返礼品としてもらえる」と宣伝されています。実質負担2千円は、所得税法や住民税法で「寄附金が2千円を超える場合には…」等と規定されているためです。
 2千円を減らす方法はないでしょうか?

ふるさと納税利用者拡大の歴史
 平成20年に導入されたふるさと納税制度の利用者は、当初年間3万人程度でしたが、平成23年の東日本大震災で被害を受けた自治体への支援の寄附が増えてこの年74万人強の寄附がありました。その後はいったん減少しましたが、税収の少ない自治体にとっては魅力的な収入源ということもあり、返礼品競争や手続きの簡素化により、利用者は拡大しました。平成28年度の個人住民税における適用者数は129.5万人であり、前年度の43.5万人の約3.0倍でした。
 こうした過程で、各自治体は、「書面申請→電子申請」、「銀行振込もしくは郵貯振替→クレジットカード決済」など、利用しやすい環境を整えてきました。

クレジットカードによるふるさと納税決済
 クレジットカード決済は、納税者にとっては銀行等に出向くことなく便利ですし、受入れ自治体でも申込み即決済は税収確保の点からも安心です。(書面の手続きで納付書による納付の場合、時間経過で気が変わり、取りやめるというおそれがあります。)
 さらにクレジットカード決済は、クレジット会社による決済ポイントが付けば、その分実質負担が減るということになります。
 また、ふるさと納税のポータルサイトで独自にポイント付与を打ち出しているところもあり、そこでクレジット決済すると2重取りです。さらに、ポイントサイト経由で3重取りという裏技も存在します。

2千円を1%で割返すと寄附額20万円!?
 クレジットカードの一般的ポイント付与は1%ですので、2千円を取り戻すには20万円の寄附が必要です。限度額20万円というと、総務省のふるさと納税サイトの控除限度額の目安のページによると、給与収入1,100万円もしくは1,200万円以上の方が対象となります。結構な高額所得者です。
 そこまでの収入がない場合は、「ポイントサイト経由で→ポイントが付与されるふるさと納税ポータルサイトから→クレジット決済する」ことにより、できるだけ実質負担をゼロに近づけるということが可能です。





H29.10.20
定型職・評価の納得性

 目標管理制度において、定型的職務の場合、評価結果の納得性を確保することは、非定型職務と同様に重要課題ですが、職務の特性を考慮した対策が必要になります。

評価の納得性を確保するポイント
@定型職は生産技能職・販売職など「チームワークによる成果・貢献目標が適すること」「個人の技能習熟度レベル向上が目標となること」から、それらを考慮した目標設定を行います。

[チーム目標・個人目標設定例]
目標
期待される成果(目標達成基準)
チームメンバーの個人業績評価基準(ウエイト)

共同目標
計画に基づく数量・品質・納期・生産性向上・コストダウン等の共同達成
チーム共同目標達成度によりメンバー全員に対して同じ評価(例・60%)

個人目標
チーム目標を達成するための個人別技能レベルの向上(個々の役割や社内等級に応じた「技能発揮レベル定義」に基づき個別に設定)
個人別に設定した技能レベル向上目標の達成度・チーム目標達成貢献度を評価(例・40%)

A個人目標達成結果を「組織目標達成への貢献度で評価」し、その評価をチーム共同目標を設定した仲間同士の「相互フィードバック」によって行う。
 ・技能レベル向上目標達成度と共同目標達成に対する貢献度
 ・仲間に与えた影響
 を評価基準とし、その結果を自己評価・管理者の評価で重要な参考とする。
Bフィードバック面接
・本人(被評価者)と管理者(1次評価者)の準備:相互フィードバック結果から、反省点・アドバイス・次期の課題など
・自己評価と管理者評価の擦り合わせ、違いの調整
・業績・能力開発に関する今期の反省点と次期の努力確認
・管理者による期待・激励

経営者・管理者の留意点
 定型職の場合「共同目標設定」と「相互フィードバック」が、納得性確保のポイントです。





H29.10.19
今年2度目の育児・介護休業法改正

2017年1月からの改正
 この10月より育児・介護休業法の改正が行われます。改正は今年2度目となりますが、まず1月に改正された内容を振り返ってみましょう。
 1月からの改正点は妊娠、出産、育児期や家族の介護が必要な時期に男女ともに離職する事なく働き続けられるように仕事と育児の両立を目指して次の8点が見直されました。
@介護休業の分割取得
A介護休暇・子の看護休暇の取得単位緩和
B介護の為の短時間勤務等取得条件の緩和
C所定外労働免除請求は介護終了時迄可能
D有期契約労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
E介護休業等の対象家族の範囲の拡大
F育児休業の対象となる子の範囲の拡大
Gマタハラ、パタハラ防止措置の義務付け

10月からの改正点
 上記に引き続き10月の改正では子が保育園に入所できず退職を余儀なくされる事態を防ぐため、以下の3点が改正されます。
@最長2歳まで育児休業の再延長が可能に
A出産予定の労働者や配偶者がいる人に育児休業等の制度の周知の努力義務
B育児目的休暇制度導入の促進の努力義務
 1年に2度の改正が行われるのは大変異例なことですが、政府が推し進める「働き方改革」の中でも育児・介護による離職の防止は重要なキーワードとなっており、対策が急がれています。

政府の対策と社内整備
 待機児童問題に関しては2013年からは様々な措置が行われてきました。これにより保育利用率は年々上昇しているものの待機児童はなお2万人を上回る水準で推移しています。
 1億総活躍社会の実現として多様な働き方を認める制度や法改正は今後も続くでしょうが法改正の趣旨は法律遵守だけが目的ではなく、働く人の意識を高め能力を最大限に生かし限られた時間で成果を作りだす生産性の高い組織となる事でしょう。法改正規定の整備だけでなく柔軟な労働時間や休暇制度等も組み合わせて従業員全体の満足度にも資する制度でありたいものです。





H29.10.18
製品開発費の回収方法の変遷と 移転価格税制の歴史

移転価格税制の歴史(導入当初〜20年)
 日本に移転価格税制が導入されたのは1986年の税制改革においてであり、法人間の国際取引に限定して導入されました。規定が導入された当初は、主に米国法人の日本子会社を狙い撃ちする形で移転価格税制に基づく税務調査が行われました。この背景として、1980年代後半、米国で、税収増のため、外資系企業(特に堅調な日欧の自動車産業)に対する課税の強化が顕著となり、米国に進出したわが国企業の税に対する環境が厳しさを増してきたことがあり、その対抗措置でもありました。
 上述の経緯で規定導入当初は日本に進出している外国法人の調査が主流でしたが、導入後20年を経過した頃には、日本法人が海外の製造子会社に提供した技術の対価を適正に収受しているか否かという点に着目した調査が増えてきました。

製品開発費の回収方法の変遷
 1980年代後半以降、安い人件費による製造原価の引き下げと、発展途上国の消費増加の期待から来る市場開拓などで、わが国製造業の海外生産移転が進みました。
 製品を開発するには膨大な時間と費用(=開発の人件費)が掛かっています。最近であれば、無形資産の評価で開発費を回収するという流れになってきています。しかしながら、20〜30年前は、単純に製品対価に上乗せして回収するという方法が簡易で便宜的であるとされていました。そのため、東南アジアなどの海外市場で売る製品も、現地生産でありながら、帳簿上はいったん日本の本社で全部買い上げ、それを再度現地生産国周辺で販売するという形を取り、開発費の回収を図っていました。移転価格税制の規定がすでに導入されていたとはいえ、日本法人の国外関連者との取引価格にまでは踏み込まれてはいませんでした。

移転価格税制は国と国との税の分捕り合い
 上述のように、最新論点は、BEPS(税源浸食と利益移転)行動計画8で論議されている無形資産の移転価格についてです。無形資産の開発に係る資金提供に対して期待される利益に関する具体的なガイダンスです。
 移転価格税制とは、結局、簡単にいうと売側もしくは買側のどちらの国の利益とすべきかという話となります。各国間でお互いに納得できる移転価格算定方法を取決め、分捕り合いに費やす時間を無駄に使わないようにしようということなのですね。





H29.10.17
契約書の作成意義とは

契約書がなくても契約は成立する
 合意書や契約書がない場合でも合意や契約は有効ですか、という質問を受けることがあります。
民法では、契約は当事者間の意思の合致により成立するとされています。例外として、金銭消費貸借契約の場合に意思の合致だけではなく実際の金銭の交付がなければならない、保証契約は書面等によらなければならないなどの特例はありますが、原則としては、書面がなくても契約の「申込」(発注)と「承諾」(受注)の意思表示が行われた時点で契約は成立するのです。

なぜ契約書を作成するのか
 それでは、なぜ契約書を作成する必要があるのでしょうか。
 それは、主として、後々、紛争や裁判になった際に、契約締結の有無、また、契約内容や合意事項を証明することができるようにするためです。
 この点、契約書でなくとも合意内容を示すものであればよいため、メールやFAXのやりとりなども契約書に代わる証拠として有効となることがあります。取引の相手に契約書の作成をお願いしにくい、という場合には、単なる口頭合意だけではなく積極的にメールなどで合意内容を残しておくと役立ちます。
 とはいえ、契約書は社長などの最終決裁者がその内容を確認したうえで押印していることが前提となりますので、やはりメールよりはるかに高い証明力を有します。

契約書に何を書くか
 契約書の作成は面倒、と思われる方も多いかもしれません。しかし、実は互いの債務の内容を特定して記載するだけの契約書でも多くの紛争を予防できます。このとき、「誰が」「誰に」「いつ」「何を」「どうするか」を具体的に記載します。例えば、売買契約書であれば「甲は乙に対し、平成29年10月1日までに、商品〇〇を引き渡す。」「乙は甲に対し、平成29年10月末日までに、売買代金として〇〇円を支払う。」のように債務の内容を具体的かつ明確に特定して記載します。これだけでも、トラブルが起こった際にどちらが契約違反をしているかが明確になり、紛争の拡大を防止することができるのです。





H29.10.16
評価の納得性確保


目標管理制度において、非定型職務の場合、貢献度評価結果を役割貢献度賃金に反映しますが、多くの企業で社員の納得性確保が重要な課題となっております。

評価の納得性を確保するポイント
 目標管理制度の評価結果を賃金に反映した結果について、被評価者が納得して受け容れるポイントは、次の3点にあります。
@個々人の目標が、「上位組織目標達成に貢献する目標であり、達成基準が数値的、または達成度が評価できる程度に具体的であること」を社員相互で確認し合っておく。
A目標達成結果を「組織目標達成への貢献度で評価」し、その評価を「同じ組織目標を分担して個々人の目標を設定した仲間同士の「相互フィードバック」によって行う。

相互にフィードバック」は、
 ・組織目標達成に貢献した度合い
 ・達成プロセスで発揮した能力
 ・仲間に与えた影響
 の三つの視点で、真摯に行い、その記録をとる。
B絶対評価の実施とフィードバック面談を次のように行う。
本人(被評価者) 管理者(1次評価者)
準備 ・相互フィードバックの記録を重要な参考とした自己評価
・反省点
・次期の努力 ・相互フィードバック記録を重要な参考とした1次評価
・アドバイス
・次期の期待
・キャリア形成
面談 @自己評価と管理者評価の擦り合わせ、違いの調整
A業績・能力開発に関する今期の反省点と次期の努力確認
B管理者の期待・激励

経営者・管理者の留意点
 評価結果の納得性確保は、目標設定段階に始まり、貢献度評価とフィードバック面談までの流れで、それらの相互関係がうまく形成されて成功します。その際、「相互フィードバック」は目標設定・達成プロセスの事実状況を示し、評価の納得性を確保するキーポイントとなることに留意し、重視して実行しましょう。





H29.10.13
共稼ぎ夫婦の税制恩典活用のススメ


共稼ぎ夫婦の税制恩典活用のススメ
 2017年から配偶者控除に代わり夫婦控除という制度が導入されるという話は、立ち消えとなってしまいました。配偶者控除を使えない共稼ぎ夫婦も現行の税制をうまく活用して税務メリットの恩恵を受けることをおススメします。

日本に共同名義口座はない
 一つの銀行口座を夫婦等の共同名義にしてそれぞれがその銀行口座の所有者として利用できる制度を共同名義口座(=ジョイント・アカウント)といいます。夫婦どちらか一方の稼ぎであっても夫婦で稼いだお金なので預金は夫婦のものと考えるアメリカなどでは一般的なものですが、日本でこうした口座を作ることはできません。日本の場合、口座から生活費等を引き出すために代理人カードを作って名義人でない家族でもお金の引き出しをすることはできますが、あくまでも名義人の財産とみなされます。

クレカ家族カードでふるさと納税
 一方、クレジットカードの場合には家族カードという制度があり、こちらは家族の名前でカードが発行されます。これを使うと、ほとんどの自治体でふるさと納税の寄附もカード払いが可能となっていることから、夫婦共稼ぎで両名がふるさと納税の控除限度額を持つ場合、家族カードで寄附金を納付し、実際の資金負担はカード保有者の銀行口座からの引き落としにできます。ふるさと納税受付の際に、決済システムが寄附者の名義とクレジットカードの名義のチェックを行いますが、カード名義や番号、セキュリティコード等が合致すれば本人のクレジットカードという確認がされ、最終決済が申込人の銀行口座でない場合にも、ふるさと納税の寄附は成立します。
 税法上ではこの段階で贈与があったことと認識されますが、他に贈与などがなく基礎控除110万円の範囲内であれば実質的に問題にはなりません。

医療費控除とセルフメディケーション税制の併用
 今年から始まったセルフメディケーション税制(=特定一般用医薬品等購入費控除)は医療費控除の特例であり、従来の制度と併用できません。しかしながら、夫婦共稼ぎの場合、申告主体は別々なので、一方が従来の医療費控除を適用し、他方がセルフメディケーション税制を適用することも可能です。生活費を共同で賄っている場合には、どちらの財布からどちらの制度の医療費を負担したのか区別できないからです。。






H29.10.12
移転価格税制は、
特殊な世界・秘密情報の宝庫

移転価格税制の価格の決め方
 移転価格税制は、資本関係等がある関連者間の取引価格の操作により、特定の関連者の得るべき所得が他国の関連者に移転することを防止するためのものです。一般的には、売買価格の操作で、より高い税率国の所得をより低い税率国の関連者に移転させることを防ぐものです。
 価格操作されないように、取引価格は、第三者との間であればこの金額になるであろうという金額の「独立企業間価格」でなければならないとされています。
 この独立企業間価格の捉え方は、各国の税制で規定されます。わが国の税法では、@「独立価格比準法」、A「再販売価格基準法」、B「原価基準法」の基本三法と、C取引単位営業利益法、D利益分割法の中から最も適切な方法を選定することにより算定するとされています。

移転価格専門チームの特殊性
 移転価格の仕事は、相手先国の税制にも精通していなければならないことから、通常、国際会計事務所の独擅場となっています。また、移転価格税制を担当する部署のメンバーは、税務の専門家というよりも、むしろ経済の専門家集団(経済学修士も少なくない)であり、高額利用料のデータベースを駆使して、膨大な英語文書を読みこなす能力(=英語を母国語とするメンバーも多い)が求められます。そのため、税理士法人でありながら、他の部署とは違った特殊な雰囲気があるといいます。

移転価格資料は秘密情報の宝庫
 かつて国際会計事務所に務めていた税理士によると、情報の保秘も半端じゃないそうです。
 業務の進捗管理や請求時間の把握には、会社ごとに顧客コードを設定し、業務ごと(=法人税申告、税務コンサルティングなどの内訳別)に関与したメンバーが業務日報に入力して管理するシステムが通常のやり方です。しかしながら、移転価格業務の場合、「プロジェクトイエロー」や「インディゴ」「ターコイズ」などの色の名前でプロジェクト管理し関与者以外はどこの会社のどんな業務が行われているのか社内でもわからないしくみであるようです。また、入退室がセキュリティカードで管理されている執務スペースの中でも鍵のかかった保管庫で機密保持を徹底しているとのことです。
 他社には真似のできない飲料の製造方法や薬の製造方法が移転価格算定の重要要素ですので、最上の保秘が求められるということですね。







H29.10.11
育児・介護休業法と給付金の改正


平成29年10月 育児・介護休業法改正
今年の1月に育児・介護休業法が改正されたのに引き続きこの10月からも見直しがあり、保育園に入所できず退職を余儀なくされる事態を防ぐため改正が行われました。改正内容は次の3点です。
@最長2歳まで育児休業の再取得が可能に
 今まで保育園に入れない等の場合、最長1年6ヶ月は育児休業を申し出る事が出来ましたが、子が1歳6カ月以後もまだ保育園に入れない場合、さらに2歳まで再延長できるようになりました。1歳6カ月以後も入所がかなわない場合もある事から最大2歳まで、比較的入所しやすい4月まで育休を取得できるケースを増やしたと言う事になります。
A子が生まれる予定の方等に育児休業の制度をお知らせする努力義務
 事業主は従業員やその配偶者が妊娠、出産した事を知った場合はその方に育児休業
に関する制度(育児休業中・休業後の待遇や労働条件等)を知らせることが努力義務とされました。
B育児目的休暇の導入を促進
 未就学児を育てながら働く方が子育てしやすいよう、育児に関する目的で利用出来る休暇制度(例・配偶者出産休暇、ファミリーフレンドリー休暇、子の行事参加休暇
等)を設ける事が努力義務とされました。

雇用保険育児休業給付金の支給延長
 育児休業給付金は原則1歳に達する日前までの子を養育する為の育児休業を取得した場合に支給されます。子が1歳に達する日後の期間に保育所の入所ができない等の理由により育児休業を取得する場合は1歳6カ月に達する日前まで、延長支給されました。今回の改正で1歳6カ月に達する日後も同様の理由で育児休業を取得する場合、子が2歳に達する日前まで育児休業給付金の支給対象期間が延長となります。
 育児休業給付金の2歳に達する日前までの延長の対象者は、子が1歳6カ月に達する日の翌日が平成29年10月1日以降の方となります。また、あらかじめ、1歳6カ月に達する日の翌日についての延長の申し込みをした方が該当者で、再延長の申し込みをする際は保育の申し込みをしたが保育が行われない等、市区町村の発行した入所の保留通知書等の証明書等が必要です。






H29.10.10
健康診断の受診は労働時間か


健康診断の種類
 労働安全衛生法(第66条)では使用者は労働者に対し健康診断を実施する事が義務付けられています。このうち1年以内ごとに1回実施しなければならないのが定期健康診断(労働安全衛生規則第44条)です。定期健康診断と雇い入れ時の健康診断(同第43条)等を合わせて「一般健康診断」と言います。またこれとは別に有害物質を取り扱う業務の従事者に対して実施が義務付けられている「特殊健康診断」があります。

受診時間と労働時間
 健康診断の受診時間が労働時間に当たっているかどうかは、その労働者がその時間使用者の指揮命令下にあるかどうかが判断碁準となります。一般的に特殊健康診断は業務の遂行に基づいて実施されるべきもので所定労働時間内に行われるのが原則とされています。
 一方で一般健康診断は使用者が労働者の一般的な健康の確保を図ることを目的として実施を義務付けたもので業務遂行との関連において行われるものでないと考えられています。この事から特殊健康診断の受診時間については業務関連性から見て使用者の指揮命令下におかれた労働時間であり、一般健康診断は必ずしも使用者の指揮命令下にある労働時間であるとは言えない事となります。一般健康診断は所定労働時間内に実施すれば賃金を支払うのが通常でしょう。
業務の都合で所定労働時間外や所定休日に受診した場合、賃金の支払い義務はありませんが考慮は必要でしょう。

健康診断の費用負担
 健康診断費用について労働安全衛生法では触れていません。通常は健康診断実施義務の課されている事業者が負担するべきであるとされています。健診機関に出向く場合は交通費等は健診に要する費用とされると解釈されています。
 しかし使用者が指定した医師や機関でなく労働者自ら選択した他の医師や機関の場合はその受診時間は使用者の指揮命令下にある時間ではないので、使用者はその時間の賃金だけでなく受診費用も当然負担すべきものとはならないでしょう。






H29.10.6
定型職務の貢献度反映賃金

定型職とは、一般に職務内容が定型的で、習熟度合によって、遂行速度や正確性が異なる一般事務職・現業技能職・販売職などの職務群を言い、非定型職務の範囲・重複型賃金体系とは別の貢献度反映賃金体系をとることになります。

定型職に適した賃金体系
 定型職の基本的賃金体系は、図のように職務価値を反映した「職務給」と、習熟度合を反映した「習熟給」で構成します。
?「職務給」の設定:世間水準・同業他社の賃金水準を参考に等級別職務給の基準値を設定します。
A「習熟給」の設定:基準値の±20〜30%程度の額を「習熟給」とし、約2分の1を基準値に含み、残りを基準値の上部に設定します。
 習熟度合は、級内に号給を設定し、正確性・効率性の向上度合(貢献度合)によって評価・昇給させます。一般に低下することがなく、一定の習熟度以上には上昇しないため、級内積上げ型で上限を設定します。

[定型職の一般的な賃金体系]
職務給:等級別単一型
習熟給:級内積み上げ型(別法:習熟ランク給・習熟レベル別定額)
・基準値は世間水準(参考:厚生労働省賃金構造基本統計調査、同業他社賃金)から設定、
・習熟給は基準値の±20〜30%程度の額とし、約2分の1を基準値の上部に、残りを職務給基準値に含ませる。基準値マイナス習熟給の2分の1を等級別単一給として、そこから習熟給を評価に応じて積み上げる。

[習熟給設定例]単位円
等級      職務給     習熟給         合計
5         180,000    1号    2,600   182,600
         (基準値     2      5,200   185,200
         マイナス    3      7,800   187,800
         習熟給の    :        :       :
         2分の?)    :        :       :
                  15    39,000    219.000


[習熟給昇号基準例]
貢献度評価(習熟度評価)   S    A    B    C    D
昇号                 5    4    3   2    1







H29.10.5
スタバやアップルなどがアイルランドに税逃れ拠点を持つ理由


信頼のブランドこそ無形資産
 成田空港の出国ラッシュ・帰国ラッシュのニュースは、お盆の風物詩です。皆さんの中にも、夏休みを海外で過ごされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 米国発の外食産業といえば、ハンバーガーチェーンやコーヒーショップ、コーラ飲料などが頭に浮かびますが、観光地となり得るような場所では、世界中あらゆる国で、こうした店舗や自動販売機を見かけます。せっかく外国旅行に来たのだから現地にしかないものをと思っても、馴染みの味は安心でき外れないので、ついつい選んでしまうというのが実情ではないでしょうか。
 この信頼の元がブランドであり、その会社の将来の利益を生み出す無形資産です。(=ブランドという形のない資産です。)

ブランド構築にはお金と時間がかかる
 1971年開業のスターバックスコーヒーは、北米以外の新市場における初の店舗として、1996年8月に東京・銀座に第1号店「銀座松屋通り店」をオープンしました。その後も世界各国に店舗展開し、いまや全世界に2万2千を超える店舗を保有しています。
 こうした時間とお金をかけて構築してきたスターバックスというブランドが、消費者への信頼の看板であり、グループの利益を生み出す大きな源泉ともいえます。

構築した無形資産の回収とその最大化
 ブランドを構築するためにかけたお金はロイヤリティー(Royalty)という形で回収されます。ブランドの使用料として対価(=金)を払うのか、商品原価に上乗せされて支払われるのかはケースバイケースでしょうが、ブランドを持つ親会社(=ブランド保有会社を別会社としている場合も多い)に利益が配分されます。ロイヤリティーを受ける会社と支払う会社が別の国にある場合には、移転価格税制の問題が発生します。
 税金が課された後の利益を最大化するためには、税率が低いとか、何らかの優遇税制を持つ国が選ばれます。アイルランドはこうした国の代表例なので、スタバやアップルなどがアイルランドを税逃れ拠点として選んでいる理由の一つとなっています。
“ダブルアイリッシュ、ダッチ・サンドウィッチ”などの節税策で批判されても、国際多国籍企業がこうした合法的な税逃れ拠点を持つ理由は、税引き後の利益を最大化することこそが経営者の使命だからです。





H29.10.4
ふるさと納税
中間仮計算のススメ

過熱するふるさと納税−規制もあれば抜け道も!?
 2017年4月1日付で総務省は各自治体に対し、「ふるさと納税の返礼品の価格について、寄付額の3割までに抑えるよう要請」し、「商品券や家電製品といった返礼品は換金しやすさや地元産かどうかを問わず、全面的に控えるよう求め」ました。これで一部自治体の目玉だった商品券や各種ポイントも返礼品から消えることとなりました。
「税法の縛りがあるところに合法的な節税の抜け道あり」ではありませんが、頭を使って考える人はいるものです。自社が提供するふるさと納税の申込サイトから寄附すれば、自社のポイントを付与し、他の申込サイトよりもポイント分得するという売りを打ち出したところが出てきました。ポイントは、自治体から納税者に付与されるのではなく、ふるさと納税の申込サイトを運営する会社から付与されるので、総務省要請も対象外ということなのでしょう。

ふるさと納税限度額の計算
 持ち出し(=寄附金が控除限度額を超えてしまうこと)なくふるさと納税をするためには、控除限度額の把握が必要です。ふるさと納税導入当初は、総務省や千葉県などのウェブサイトで提供されていた表形式のものしか限度額を予測するものはありませんでした。しかしながら、いまは各種ふるさと納税の申込サイトでシミュレーションコーナーが設置され、より精度が高く計算できるようになってきています。

ふるさと納税中間仮計算のススメ
 限度額ギリギリまで得するよう12月の年末調整後に駆け込み的なふるさと納税を推奨する話も聞きますが、今回は、いまの時期に、中間仮決算的準備をお勧めします。
 行うべきことは、医療費の領収書の金額集計です。扶養家族や住宅ローン控除などはほぼ例年通りのことが多く12月末時点の予測は簡単です。一方、医療費控除は集計してみるまで金額がわかりません。
 ある税理士は毎年12月にその年の納税限度額を計算し、限度額目一杯使い切ることを年中行事としていました。しかしながら、12月に突発的な仕事で、医療費控除の予測ができぬまま医療費控除を最大限の200万円としたうえでふるさと納税限度額としました。そして、翌年2月に自身の個人所得税の確定申告をしてみて数万円分のふるさと納税限度額を逃してしまったことに気づいたそうです。その反省から「今年は中間仮計算をする」と宣言していました。





H29.10.3
就活生の入社理由

求人倍率は人手不足を反映
 厚生労働省の発表では今春4月の有効求人倍率は1.48倍でありバブル期のピークだった1990年7月の1.46倍を上回ったとされています。有効求人倍率は全国のハローワークで仕事を探す人1人当たり何件の求人があるかを示します。1974年2月の1.53倍以来の43年ぶりの高水準と言う事です。そしてこれは7月現在でも1.52倍と5ヵ月連続で高水準が続いています。
 企業の求人は増加する半面、求職者数は減少しており企業の「人手不足」がますます増加していると言う事です。このような状況でも良い人材を確保する為に企業はどのような事に取り組むのがよいでしょうか。

就活生が見ているもの
 東京商工会議所の「中堅・中小企業の新入社員意識調査」によると「入社した会社を選んだ理由」との問いには「仕事の内容が面白そう」(44.2%)、「職場の雰囲気が良かった」(39.3%)、「自分の能力、個性が活かせる」(37.0%)が上位となっています。
 注目したいのは4割近くが「職場の雰囲気が良かった」を理由に入社している事です。仕事の内容は容易に変えられませんが職場の雰囲気を明るく働きやすいものに変える事は可能かもしれません。
 公益財団法人 日本生産性本部の「職業のあり方研究会」の「新入社員の調査結果でも「パワハラが無い事を就職先の条件」とする傾向がみられると言います。

就活生と接する社員の対応が大事
 このように職場の雰囲気が人材確保に重要であり、就活生に対する企業側のアプローチを見直してみる事が良いでしょう。社員の対応(面接者、他の社員、受付等)の対応や内部の雰囲気が好感の持てるものは何かを検討してみるのも良いでしょう。
 実際、先の商工会議所の調査では29.6%が「採用担当者や社員に好感が持てた」事を入社の理由に挙げています。
 就活生に限りませんが、中途採用に応募してくる方に対してもにこやかで親切な対応をすることが大事でしょう。






H29.10.2
米国よ、またか?
BEPS行動計画15

米国TPPから離脱
 2017年1月23日、トランプ大統領が環太平洋経済連携協定(TPP)から「永久に離脱する」とした大統領令に署名しました。各国が協力し、「世界経済の4割を占める巨大貿易圏構想は旗振り役の米国アジア太平洋地域において、物品及びサービスの貿易並びに投資の自由化及び円滑化を進めるとともに、知的財産、電子商取引、国有企業、環境等幅広い分野で21世紀型の新たなルールを構築するための法的枠組みについて定める。」としていた構想も暗礁に乗り上げました。

米国が参加保留で67カ国・地域が署名
 2017年6月7日(水)、パリにおいて「税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約」(BEPS防止措置実施条約)の署名式が行われ、日本を含む67カ国・地域が出席して署名しました。
 ただし、米国は参加を保留しています。米国は他国と協調して策定する多国間協定を回避し、TPP同様、二国間での条約にこだわるようです。
 租税条約策定に際して、一般的にはOECDモデル条約や国連モデル条約を基としている国が多い中、独自に自国の租税条約締結方針を明らかにするため、米国モデル条約を公表している米国らしさの表れですね。

行動計画15:多数国間協定の策定とは
 行動計画15は、世界で約3,500本以上ある二国間租税条約にBEPS対抗措置を効率的に反映させるための多数国間協定を検討しています。多国間協定の主要目的は、BEPS対抗措置(条約関連)を導入するために、個々の二国間条約改定交渉によらずに、既存の二国間条約を同時かつ効率的に部分変更することにあります。(多国間協定の先例として、税務行政執行共助条約があります。)
 この多国間協定は、現行の協定を補完・修正するものであり、各署名国においては、BEPS関連条項の多くについて、一部または全部の受入れに係る選択が可能です。(ただし、条約濫用や紛争解決に係るものは義務的なものとなっています。)
 電子商取引の発達等でますます複雑となっている国際取引に関する租税条約の改定も、多国間協定を通じて迅速に部分変更することが期待されています。こちらはTPPのようなアメリカが不可欠の発効条項はありませんので、適正・適切に進展することが期待されます。