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H29.4.28
何となくは伝わるけど… 「一人〇〇」「二人〇〇」

 
欅坂46『二人セゾン』ってどんな意味?
 電車に乗ったり、食事をしたりすると隣の人の会話が自然と耳に入ってきますよね。その中には思わず感心してしまったり、笑ってしまったりするものもあります。
 平安時代には「辻占」「橋占」といって、辻や橋に立ち、偶然そこに通った人の言葉を元に占うという風習があったようですから、人はそれ程変っていないのかもしれません。先日、隣に座った小学生の娘さんとお父さんが次のような会話をしていました。

娘「『二人セゾン』(欅坂46というグループの曲)ってどんな意味?」
父「セゾンは季節という意味だから、『二人の季節』みたいな感じじゃないかな。」
娘「それだと、なんで『の』がないの? あと『君はセゾン』『僕もセゾン』と歌っているから意味が通じないよ!」
父「じゃあ、クレジットカードの宣伝かもな」
娘「はあ?」
父「…。雰囲気優先じゃないのかな…」

 「クレジットカード」はまずかったみたいですね。調べてみると、恋人と過ごした時間という「季節」と、青春時代という「(人生の)季節」をかけているみたいです。まあ、「雰囲気優先」は間違いではないかも…。

「一人〇〇」は寂しい意味ばかりですが…
 一方で、「一人〇〇」というと「一人焼肉」「一人カラオケ」と寂しい意味でしか使われませんが、税務・労務では「一人親方」という用語があります。業務委託や個人請負で現場に入っている大工、左官、とび職等の方です。このような方々は純然たる「事業者」扱いとなると思われるかもしれませんが、実態により「被雇用者」と判断されことがあります。この場合、社会保険加入が求められ、給与所得として課税されます。

「一人親方」の税務上の判断基準
 この「一人親方」の判定が「雰囲気優先」では少し困りますよね。税務では平成21年に判断基準が通達で示されています。
@他人が代替して業務を遂行することが認められるか
A報酬の支払者から作業時間を指定されるなど時間的な拘束を受けるか
B作業の具体的な内容や方法について指揮監督を受けるか
C引渡していない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合に請求できるか
D材料又は用具等が供与されているか





H29.4.27

受動喫煙対策強化案


オリンピックに向けて対策
 厚生労働省が3月1日に東京五輪・パラリンピックに向けて受動喫煙対策の新たな規制強化案を公表しました。
 飲食店も原則禁煙、例外として喫煙できるのは小規模なスナックやバー等に限定することを骨子とし、違反した喫煙者が指導に従わない場合は30万円以下、事業者が従わない時は50万円以下の過料を科すとしています。同時に健康増進法の改正案を今国会に提出する予定で2019年秋のラグビーワールドカップ開催までの施行を目指しています。

努力義務から強制的な義務へ
 日本の受動喫煙対策は今まで努力義務とされてきましたが、世界保健機構(WHO)からは「世界的にも低レベル」であると批判されていました。このため新たな規制強化案では受動喫煙対策を義務化します。
 禁煙の範囲は小中学・高校、医療機関は敷地内禁煙、官公庁や福祉施設、運動施設等は建物内禁煙、コンサート等興業目的では喫煙室の設置を認めています。

難しい飲食店の禁煙
 飲食店では屋外テラス席も含め禁煙とされますが、喫煙室は認めています。居酒屋や焼き鳥屋でも家族連れ、外国人観光客を想定し対策が強化されています。
 例外は小規模なスナックやバー等、面積が30平方メートル以下の店は対象外です。ホテルの客室や福祉施設の個室等の喫煙は可能です。

5年間の経過措置
 今回の規制強化案では既存の喫煙室について、施行後5年間は排気装置等が一定の基準を満たせばそのまま使用を認めるようです。
 飲食店等の喫煙室の設置が認められている施設だけでなく、医療機関や官公庁等も対象にしています。
 今後内容が変更される場合もありますが、禁煙でなく分煙の推進を望む意見も多く、法案の調整が注目されます。





H29.4.26
事業と非事業の判定


事業的規模の不動産所得
 不動産貸付けでの事業的規模の判定には、5棟10室基準があります。不動産所得は、その不動産貸付けが事業的規模かどうかによって、所得金額の計算上の取扱いが異なります。この基準を満たすと地方税の事業税の対象になるとともに、所得税では、賃貸用固定資産の取壊し除却などの資産損失、賃貸料等の回収不能による貸倒損失、事業専従者給与(事業専従者控除)、65万円の青色申告特別控除などの必要経費算入が認められます。
 5棟10室基準は形式的な基準なので、所得税では、実質的に事業と認められる実態があるか否かの社会通念上の判断に適えばよい、とされているので、形式基準未満でも事業的規模とする余地があります。

不動産所得以外での事業的規模
 他方不動産所得でない場合は、事業による所得は事業所得、業務(事業的規模以外)による所得は雑所得と分類されており、この事業所得か雑所得かによって、事業専従者給与(事業専従者控除)や青色申告特別控除などの必要経費算入、赤字の損益通算、損益通算後の青色欠損金の3年間繰越などの適用の有無が生じます。
 事業所得か雑所得かの判定は、サラリーマンの副業での赤字の損益通算の場面で是非を問われることが多そうですが、サラリーマンの副業も、退職して給与所得者でなくなり、年金生活者になってからも引き続き営むものについては、最早副業ではないので、判定のハードルは低くなります。

年金所得者の事業所得
 損益通算に関しては、年金所得との通算は雑所得内でも出来ることなので、事業所得か雑所得かの区別に意味はありませんが、特に事業的規模に至らない不動産所得がある人の場合は、事業所得が赤字でも不動産所得から65万円の青色申告控除が出来るので、相変わらず大きな意味があります。
 日経新聞に、「働いて年金満額もらう法」という見出しで、定年延長や再雇用ではなく、従来の勤務先と個人事業主として業務委託契約を結べば年金減額の在職老齢年金制度の適用を免れられる、とありました。この場合には、消費税をどうするというテーマにもなります。事業をめぐる判定のみならず、各人の処世にも関わる選択肢です。





H29.4.25
目標の整合



 目標管理制度の運用において「組織目標と個人目標の整合を図ること」が、重要な課題となります。
 また、それは、公正で納得性がある基準の下で、社員の挑戦意欲が高まる方法で行わなければなりません。

目標の整合を図るには
 目標の整合を図るには次の要件を満たす必要があります。
 @組織目標に対して、個人別目標の合計が上回っていること。
 A個人目標が職種・役割等級別の成果責任、または期待貢献に応じて設定されていること。これは社員の実力に応じて目標が設定され、公正性・納得性を確保するために必要となる。
 B個人目標のチャレンジ度が本人の選択によって決定されること。

役割等級別目標設定の意味
 通常、役割等級は、本人の過去の業績と、その結果培われた能力に応じて評価・決定され、それぞれの等級在籍者には、役割・期待貢献が設定されています。
 目標設定することで公正性・納得性を確保し、社員の意欲を高めつつ組織目標と個人目標の整合を図ることが出来ますから、目標管理制度運用の出発点における重要事項として大切にしたいものです。





H29.4.24
タックスヘイブンとオフショア


それぞれの原義・慣用句
 タックスヘイブンはTax(税)、Haven(避難所)の合成語で、法人税や所得税が、課せられない又は低税率の国や地域を指し、租税回避地と訳されます。
 同じものとして、オフショアOffShoreという言葉が使用されることがあります。原義としては、Off(離れて)とShore(陸)で沖合を意味することから、沿岸から遠く離れた地域(海外)のことを指し、慣用句としては、沖合に建設した発電所による発電事業をオフショア発電、沖合に石油プラットフォームを建てて石油・天然ガスなどの掘削事業を行うことをオフショア建設 、 海外に委託したシステム開発等を指すオフショア開発、開発途上国などで先進国民間資本が工場を設けて本国および第三国市場向けに行う生産をオフショア生産、サーフィン用語としてはOffShoreは陸風、OnShoreは逆に海風です。

大陸にあってもオフショア
 デラウェア州が世界最大のオフショア取引地、オフショア企業の設立地などと言われますが、ハワイのように沖合いに存在する州ではありませんので、これをオフショアと言うとすれば原義を超えていることは明らかです。
 金融用語としては、オフショア金融、オフショア市場、オフショアセンター、オフショアファンドなどと使われ、地理的には国内市場であっても、国内の市場と切り離され、主として非居住者間の取引が行われる市場を指したりしています。

同義的に使われている
 一般にオフショアとされる国や地域では、外国の投資家や企業の資産管理を積極的に受け入れ、この投資や事業によって得た収益に対して無税又は低課税などのメリットを提供しているため、タックスへイブンと同義となっています。
 なお、オフショアは租税回避地のほかに、情報交換がしにくい地域、税制優遇地域、租税メリットのある地域などを指す場合にも使われ、タックスヘイブンよりも、やや広い意味で使われています。
 タックスヘイブンもオフショアも、日本の税法でその言葉の定義はされていません。むしろ、国際的には、租税回避地を指す場合にオフショアを使用することが主流となっています。





H29.4.21
最近の日商簿記事情


会計事務所や経理担当者の登竜門!
 会計・経理の資格といえば、やはり日商簿記(日本商工会議所主催簿記検定)や全経簿記(社団法人全国経理教育協会主催簿記能力検定試験)です。日商簿記でいえば1級が一番難しく、この1級を取得すると税理士試験を受験する事ができます。2級資格は「高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できる」内容とされており、資格保持者は一般的な会社の経理の知識を十分持っている者、といえるでしょう。

時代のニーズに合わせて内容等も変更
 日商簿記2級は平成28年6月より、出題範囲が変更されました。昨今のビジネススタイルに合わせ、クレジット売掛金・電子記録債権(債務)・サービス業の処理等が新たに追加され、簿記試験が企業活動や会計実務に即した内容になるよう改定されています。また、今までは「4級」とされていた難易度の低い資格が廃され、新たに「日商簿記初級」が2017年4月から始まりました。この初級は「簿記の基礎知識は企業活動や経営を理解するため、経理・会計担当者のみならず、業種・職種を問わず企業人すべてに必要とされており、短期間でこれを習得するための目標となる資格」と位置付けられているようです。

初級はネット受験可能
 1級・2級・3級は今まで通り、お近くの商工会議所で受験する必要がありますが、初級はパソコン教室や資格取得の為の学校等、商工会議所より施行機関として認定されている「商工会議所ネット試験会場」に赴けば受験が可能です。また、試験の結果は即時に出るようです。
 内容は決算処理等の部分が省略されてはいますが、簿記の基本原理・期中取引の処理・月次集計等が出題範囲となっているので、簿記を学んでいない方等には取り組みやすい目標で「経理担当では無いが、基礎的な簿記の知識くらいは知っておきたいな」と思っていらっしゃる方にはお勧めです。
 また商工会議所は「会計ソフトの操作」に特化した「電子会計実務検定」という資格認定も行っています。昔に比べると、経理まわりの選択肢も増えましたね。





H29.4.20
目標管理と人事賃金制度


 目標管理制度は人事賃金制度と不可分な機能を持ち、両者が相俟って経営業績を支えています。両者の機能を俯瞰的に見ますと図に示した通り全体と部分の関係を把握することが出来、制度の問題点検討や改善課題の発見、解決策検討などに役立ちます。

二つの制度の機能体系と関連
@目標管理制度は、経営戦略・経営目標を達成するための「業績管理制度」です。
 すなわち、図の左側に示したように経営戦略・経営目標を策定し、その実現を図るために組織設計を行い、業績目標の設定・プロセス管理・貢献度評価のフローで運用することによって、その機能を果たします。

A一方、人事賃金制度は、役割等級制度・役割・貢献度賃金制度に基づく評価制度によって人材の処遇を決定し、人材配置を行う機能を発揮します。
 言い代えれば目標管理制度によって経営目標を達成するための人材供給機能を果たしていると言えましょう。

両制度の連結点
 目標管理制度と人事賃金制度は運用フローから見ると二つの連結点があります。

@第一の連結点は、目標管理制度の「業績目標設定」と「人事賃金制度」の人材配置にあり、組織設計に応えて、役割等級・成果責任を有する有能な人材を配置することにより、経営目標達成へ向けた「業績目標設定」が可能になります。

A第二の連結点は目標管理制度の「貢献度評価」と人事賃金制度の「評価制度」で、貢献度が公正性・納得性をもって評価できる評価制度の確立が求められます。
 このような、全体像と部分の機能関係から両制度の問題点・改善課題を発見しましょう。





H29.4.19

経済学/管理会計のススメ 機会損失を回避し利益を積み上げる意思決定



意思決定を誤ると機会損失が発生する
 買いたいというお客さんがいて、売る側も売りたいと思っていても、値段交渉での利益算定を誤ると、儲け損ないが発生します。これを機会損失と言います。
設例1:機会損失を(丼もの食堂)で考える
売価:700円/個、材料費:400円/個、人件費:5万円/日、経費:5万円/日、生産能力:500個/日 (平均販売個数:350個/日)

@平均利益
 売り切れにはなりませんが、毎日利益は出ているので、商売は続いています。1日の平均利益は、350個×(700円−400円)−(5万円+5万円)=5千円と計算されます。

A大量の弁当注文にどう応えるか?
 ある日弁当100個予約の問い合わせが来ました。相手は何軒かの弁当屋に相見積もりを出していて、できるだけ安い値段で注文したいと言ってきています。交渉に臨むに際して、最低販売価格はいくらまでであれば商売が成り立つでしょうか? 追加発生費用は弁当箱代10円/個だけとします。

意思決定のための計算
 一日の固定費(売れても売れなくても発生する費用=本例では人件費・経費)は変わりませんので、考慮する必要はありません。売上げに応じて変わってくる部分(=「変動費」といいます)のみで考えます。
 1円でも儲けが出ればいいので、それを最低価格とします。(売価−400円−10円)≧1円であればOKです。よって、答えは411円以上であれば受けた方が得となります。

設例2:(行列のラーメン屋)で考える
売価、材料費、人件費、経費、生産能力は設例1と全く同じ。ただし毎日売り切れます。500杯分のスープがなくなれば閉店です

B人員を増やして生産能力を上げる!?
 人手が1人増えれば生産能力が50杯/日増加します。給料が1日いくら以内であれば人を採用すべきでしょうか?

意思決定のための計算
 50杯×(700円−400円)+給料≧1円であればOKです。よって給料が1万5千円以内なら人を採用という意思決定となります。

数字により客観的に意思決定しましょう
 正確な意思決定のためには正確な数字のデータが必要です。会計も経営に役立ちます。せっかく作っている経理データはどんどん活用しなければモッタイナイ話です。





H29.4.18
未支給年金の判決と国税庁の整理


未払給与・未払年金
 遺族の方に支給される遺族年金は、所得税も相続税も課税されません。ただし、相続後に支給を受けるものであっても、その死亡した人に支給されるべき年金給付のうち未だ支給されていなかったもの(未支給年金)があるときには、未払いの給与などと同じように、相続財産になるのではないか、と考えてしまいそうです。

未支給年金の相続性
 ところが、未支給年金については、「国民年金」についての最高裁の確定判決があり、未支給年金請求権について、最高裁はその相続性を否定しています。
 国民年金法は、未支給年金を請求できる者の範囲及び順位について、民法の相続人とは異なる定め方をしています。
 一定の遺族が「自己の名」で未支給年金の支給を請求することができるとした国民年金法は、遺族の生活保障を目的とした立場から未支給年金の支給を認めたものと解されています。

固有の権利とみなし規定
 従って、年金受給権者の遺族で一定の要件に該当する人は、その人の名前で当該未支給年金の支給を請求することができます。
 遺族の固有の権利に基づいて支払いを受けるものには、保険金や退職金などもあります。しかし、保険金や退職金と異なり、未支給年金には、相続財産とみなす規定もないので、相続財産ではなく、その遺族の一時所得の収入金額に該当します。
 
「厚生年金」と「共済年金」の規定ぶり
 これを踏まえ、いろんな未支給年金の課税関係について見てみると、厚生年金法は国民年金法とほぼ同様の規定ぶりになっているので、先の未支給国民年金と課税関係も同様とすべきとなりそうです。
 他方、「共済年金」では、請求権者の範囲及び順位について、民法の相続人とは異なる定め方をしているという点では同じですが、「遺族」がいないときは死亡した者の「相続人」に支給すると、いう規定も置いています。そうすると、死亡した者の「相続人」が支給を受けた場合には相続税の課税対象になるとも考えられそうです。

国税庁の整理
 ところが、この場合も支給を受けた者の「一時所得」になると、国税庁ホームページでは整理しています。





H29.4.17
健康保険 退職後の傷病手当金



資格喪失後の継続給付
 健康保険の傷病手当金は、被保険者が業務外の病気やけがの療養の為に働く事ができない期間に給与が受けられない場合、又は給与の支払額が手当金より少ない場合に受給する事ができます。
 傷病手当金が受けられる期間は支給開始時期から最長で1年6ヶ月です。この間に復職した期間があって再び同じ傷病で休んだとしても、支給期間は支給開始より1年6ヶ月間の期間に算入されます。

資格喪失後の傷病手当金
 退職等で資格喪失した場合でも傷病手当金を受け取れる場合があります。資格喪失日の前日(退職日)まで被保険者期間が1年以上あり、その日に傷病手当金を受けているか受けられる状態であれば、資格喪失後も引き続き支給を受ける事ができます。これは資格喪失後の継続給付であり、被保険者が出産の為休業する期間に対する出産手当金も同じ制度があります。

任意継続被保険者となった時
 退職した時に任意継続被保険者となった場合は、資格喪失時の継続給付に該当すれば任意被保険者であっても傷病手当金を受ける事ができます。但し、任意継続被保険者になった後に、病気やけがの療養の為、働く事ができない時であっても傷病手当金を受け取る事はできません。

傷病手当金が支給調整される場合
 資格喪失後の継続給付は、資格を喪失した人が老齢年金を受けている時は原則として傷病手当金は受け取れませんが、老齢年金額の360分の1が傷病手当金の日額より少ない時はその差額が支給されます。
 また、退職後に雇用保険の失業給付の基本手当を受けようとしても、傷病手当を受けていれば基本手当を同時には受けられません。基本手当の受給要件が「いつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就くことができない状態にある事」である為、傷病手当金は受けられないのです(基本手当の受給期間延長はできます)。
 このように退職後の継続給付で傷病手当金を受けている時には支給制限にかかる事もあるので注意が必要です。





H29.4.14
相続課税割合公表値を読む

 

基礎控除引下げの影響の予測と結果
 平成27年1月1日以後の相続から基礎控除額が60%に引下げられています。27年中の相続税申告の事績が昨年末に公表され、その制度変更の影響がどう表れているか明らかになりました。
 亡くなられた方について相続税の申告がなされた割合は10年来4.1〜4.4%で推移していたところ27年は8.0%と倍近い増加になっています。少し前までは、6%ぐらいを予測値としている情報が多かったところです。

公表結果値の概要
 死亡者数は年々少しずつ増加し、ここ10年来で2割ぐらい増えてはいるところ、前年比では1.4%程度の増にすぎませんが、課税申告書提出件数は83.2%もの増になっています。
 前年比の申告書の提出を要する課税実増加件数は46,804人で、それに対応する実増加申告財産額は32,276億円で、相続申告増加1件当たり約6,900万円です。実増加税収は4,208億円で、相続申告増加1件当たり約899万円です。

都道府県別比較をしてみると
 課税申告割合、全国平均の8%に対し、都道府県別に高い方のベスト3をみると、東京15.7%(都内23区では16.7%)、愛知13.8%、神奈川12.4%です。東京の場合は、6.4人に1人の割合で相続課税がなされています。低い方のベスト3は、秋田2.2%、青森2.9%、鹿児島3.1%です。秋田の場合は、45.5人に1人の割合で相続課税されています。

変化の波と身近な経験的印象
 課税対象となる割合の高い地域が、その割合の増加の程度も高そうに思ってしまいそうですが、課税対象割合の増加率を追ってみると、その高い地域の増加変化率は東京が最低で162%、次いで京都163%、大阪164%で、これがワースト3です。
 逆に、増加変化率のベスト3は、富山246%、秋田244%、青森223%です。絶対数では、大都市圏で課税対象者割合が高いと言えるものの、基礎控除引下げの煽りを烈しく受けて変化の波に呑まれているのは過疎的地方なのかもしれません。









H29.4.13
テロ等準備行為と節税


節税行為がテロ等準備行為だって?
 クローズアップ現代というテレビ番組をみていたら、国会に提出され、今国会での成立が期されているテロ等準備罪法案は、組織的犯罪集団の関与が想定される犯罪として、277の犯罪類型に対象を絞り込んでいる、との解説があり、その277の犯罪類型の一つに「節税」がある、と大きく字幕表示されていました。
 出演者の一人も、節税対策を練っていて、結果的にそれをやめたとしても、準備行為はしていたわけなので、「テロ等準備行為」と見られる可能性は残る、との趣旨のことを言っていました。
 節税がどうして、テロ等準備罪法案での規制対象になるのだろうか、と不思議に思いました。

テロ等準備罪法案をみてみると
 この条文案を確認してみると、テロ等準備罪法案の対象は、「テロリズム集団」と「その他の組織的犯罪集団」です。「その他の組織的犯罪集団」とは何かというと、「別表第三」に掲載される罪を実行しようと計画した者が該当します。
 この「別表第三」には、税に関しては、@軽油の不正製造・軽油取引税の脱税、A関税法違反の不正輸出等、B偽り不正の行為で所得税・法人税・消費税を免れること、などが記載されています。
 これら@ABは刑事罰規定ですが、行為計算否認の税法規定の適用で、すべて合法の行為でも、上記Bの偽り不正行為の対象とされる可能性がないわけではありません。
 偽り不正行為規定の適用に至る回路が遮断されていない以上、節税プラン作りが即「テロ等準備行為」になる、というテレビ番組の警告は、その通りかもしれません。
 節税プランを練っていた段階で、内部告発でそれが暴かれ、それだけで、「組織的犯罪集団」のレッテルが貼られるとしたら、民間企業としては命とりです。

何を取り締まろうとしているのか
 テロ等準備罪との活字が躍る中で、「節税」がそれに含まれるとするには、あまりにも違和感があり過ぎます。税の部分に関しては、税理士会も意見を言うべきです。
 印象としては、テロ及びその準備行為を取り締まるものとの謳い文句なのに、「節税」まで対象にするような、便乗しての対象領域の拡大があるのでは、と感じてしまいます。






H29.4.12
健康診断費用の補助

定期健康診断の実施義務
 企業に働く従業員に対し、労働安全衛生法では年1回以上の定期健康診断を実施する事となっています。
 健康保険の保険者である協会けんぽや健康保険組合と契約している健診実施機関(医療機関)で「生活習慣病予防健診」を実施する場合、健康保険より補助を受ける事ができます。この健診は労働安全衛生法で定めている定期健康診断で実施すべき項目を満たしており、この健診を定期健康診断とする事ができます。

定期健康診断と生活習慣病予防健診
 定期健康診断は労働安全衛生法で事業所が従業員の健康の保持増進の為、年齢に関係なく常時使用する労働者に対して通常年1回受診する事が義務付けられています。
 一方、生活習慣病予防健診は病気予防を目的としていて協会けんぽや健保組合が健診費用を補助し、一般健診より検査項目も多く充実した健診が実施できるもので、生活習慣病リスクが高まる35歳以上を対象としています。若年者については補助が無い(健保組合で扱いの違いあり)ものの、健診機関に若年者健診を申し込むことができます。

生活習慣病の健診項目
@一般の健診・・・・年1回の定期健康診断においては診察、尿、血液を採取しての健診、胸、胃のレントゲン検査等、約30項目。
対象は35歳〜74歳。
A子宮頸癌検診(単独受診)
20歳〜38歳の偶数年齢の女性。
Bその他のオプション健診

生活習慣病受診の留意事項
@申し込み時点で協会けんぽや健康保険組合の被保険者である事。
A企業は健診機関に予約を入れ、申込書に受診者を記載の上、保険者に提出する事で補助が受けられます。
B補助は原則35歳以上が対象の為、若年者や健保に加入していない人の場合は受診機関で受診費用を確認し申し込みをします。
C被扶養者の40歳から74歳までの方で受診希望の方は、協会けんぽの場合、特定健康診査(メタボ健診)が受診でき費用の補助がされます。






H29.4.11
カスケードダウン



「カスケードダウン」とは、“滝が急降下”する様子を意味していますが、目標管理制度では、「経営戦略・経営計画目標」から「組織・個人目標」を設定する場合、段階的に順次細分化することを指します。
 目標管理制度を業績管理のために実施すると経営者が意思決定したからには、会社全体の目標と組織目標・個人目標が整合しなければなりませんから、的確なカスケードダウンによる目標設定は必要不可欠となります。

カスケードダウンの方法
 実際にカスケードダウンを実施するには経営計画目標が定量的(指標・数値で示されている)か、定性的目標か、によってやり方が異なります。一般的には次の通りです。

経営目標の性質区分      カスケードダウンの原則                      留意点
定量的(数値的)目標     組織の大きさ、個人の担当業務サイズ             組織目標・個人目標の合計値が、
                   に合わせて数値を細分化                     上位目標の100%以上であること
定性的目標            定性的目標を部課・個人の                  定性目標を代表する指標・数値を探し、
                   役割に応じて受け止め、目標設定                  可能な限り数値化(下記参照)

 例えば「目標管理制度における目標設定は挑戦的に行う」と言う経営者の定性的目標が示された場合、「挑戦的であることを示す代表的指標」を「目標設定の際のチャレンジ度の設定状況」とし、「S〜Aランク目標30%以上」を部・課の組織目標とする等、目標設定方法を工夫することが重要です。

経営者・管理者の留意点
 トップは、目標設定会議などを主宰し、カスケードダウンの目的を徹底するとともに、組織目標が出揃った際 経営計画目標と整合していることを管理者間で確認し合いましょう。また、これは部・課単位でも管理者が中心となって実施しましょう。それは、目標達成基準を明確化できるとともに、目標達成時に公正性・納得性を持った貢献度評価を行う必要条件となるからです。






H29.4.10
パート主婦の扶養の要件



103万円の壁とは
 一般的に主婦の方がパートに働きに出ると収入額を意識する事が多いのが103万円の壁と言われるものでしょう。給与収入が103万円を超えると夫の収入から配偶者控除38万円が控除されなくなり課税になるからです。しかし103万円を超えて141万円までは配偶者特別控除があるので増える所得税は年5万から10万円と言うところです。103万円の壁と言うのは課税が始まる地点と言えます。この103万円超は平成30年1月より150万円超に変更されることになっています。配偶者特別控除も201万円までになりますので、課税され始める地点が150万円に変更される事になります。
 企業で扶養手当、家族手当等の名称の賃金で出されている妻の扶養手当支給要件が妻の収入は103万円以下となっている場合、妻が就労制限をかけてしまう事も考えられます。政府や経営者団体はこのような場合は基準を検討するように求めています。

パートの社会保険加入@ 106万円の壁
 昨年の10月に従業員500人超の企業に勤める方に社会保険の加入が適用拡大されました。新たに加入対象者になる方は「週20時間以上勤務、月額88,000円以上」となっています。年間でみると1,056,000円となり「106万円の壁」等と呼ばれています。この対象は従業員500人超の企業ですから中小企業の多くは対象外です。一般的には「週の所定労働時間」か「月の所定労働日数」のいずれかが常用労働者の4分の3以上の勤務で加入対象となります。
 平成29年4月から500人以下の事業所でも労使合意がありパートタイマーが適用条件に合えば加入できます。

パートの社会保険加入A 130万円の壁
 年収130万円以上になると夫の健康保険の被扶養者から外れます。妻の勤め先で社会保険の加入要件に合えば加入するか、又は自身で国民健保、国民年金に加入する事になり、保険料負担が増加します。国民年金でも年間20万円位かかります。こちらの方が所得税の150万円の壁より意識せざるを得ない壁と言えるかもしれません。






H29.4.7
価値創造で事業構造革新


「価値創造」とは、図のように既存の事業努力から技術革新と価値転換を伴う全く新しい価値を創造することを言い、企業の顧客にとっての価値を追求して事業構造革新を図る中核的・戦略的アプローチです。
 著名な例を挙げますと、オムロン社がJR等鉄道会社と組んで駅の改札サービスを「技術革新」でICカード(Suicaなど)に切り替え、その機能を高度化するとともに、改札機能を「駅への入り口」から、「街への入り口」とする「価値転換」を行い、人々に街における安全・安心サービスを提供するソリューションを提供する「価値創造」を成し遂げつつあります。

価値創造の中心的手段
 このような「価値創造」の中心的手段として注目されているのは、人々の多様な経験・専門分野・知識・経験が生きるオープンイノベーションです。
 すなわち、単独企業内に止まらず、様々な専門分野の「価値創造」を志す人々の交流の中から、「技術革新・価値転換」とそれらを組み合わせた「価値創造」のタネを発見するイノベーションが活発に行われるようになってきました。このような発想法の原点は、市場・顧客や専門技術に日常的に接している人々が“三現主義”に基づいて創造的に議論する“共創” です。
 
[顧客価値追求の方向性・事業の幹] ( )内は事例
        
技術革新 価値創造
(ICカード) (街における安全・安心サービスソリューション)

既存事業努力 価値転換
( 駅の改札) (街の入り口)

価値の進化→


経営者・管理者の留意点
 オープンイノベーションは、社外とのコミュニケーション手段として注目されていますが、「価値創造」は、一方で、社内においても深掘りしなければ事業構造改革に結び付けられません。
 そのため、戦略策定、目標設定における社内コミュニケーションは、社外オープンイノベーションを体験した社員と、多くの社員が参加する“共創”の場づくりを重視し、「価値創造と事業構造革新」へ向けて活用したいものです。







H29.4.6
年休の半日、時間単位、計画的付与



 年次有給休暇の付与
 労働基準法では年次有給休暇(年休)は入社して6ヶ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した従業員に最低10日を付与する事になっています。例えば4月1日に入社して10月1日が初回の基準日であり、以降1年毎の応答日は毎年10月1日になります。企業によっては従業員に一斉の基準日を設けているところもあります。基準日方式と言いますが付与日数が法定要件を上回れば問題ありません。
 パートタイマー等で週の所定労働時間が30時間未満、かつ週所定労働日数が4日以下又は1年間の所定労働日数が216日以下の従業員は、通常の従業員の所定労働日数との比率を考慮して労基法で定められた付与日数になります。

年次有給休暇請求の単位 半日
 年次有給休暇を取得する時の請求は原則1日単位です。半日単位で請求する時は法には規定されていませんので就業規則等で定めておけばよく、半日とは何時から何時までなのかを決めておく事が必要でしょう。
 先頃改正された看護休業や介護休業は半日単位の付与が義務付けられたので、請求があれば所定労働時間の2分の1を付与する必要があります。昼休み等を挟むと2分の1にならずに使いづらい時は協定で定めておけば運用できます。

時間単位の年休の請求
 年次有給休暇は年5日以内であれば時間単位で付与する事も出来ます。病院に寄ったり、介護や看護等少し時間が欲しい時に使用できるものです。但し年休の残日数管理が少し煩雑になるでしょう。この場合も労使協定により従業員の範囲、時間単位として使用できる日数(5日以内)、時間単位の場合の1日の所定労働時間数を決めておく必要があります。

年休の計画的付与
 年次有給休暇の消化率を高めるために企業による計画的付与制度があります。順番に休ませる事ができるのでヨーロッパ等では広く行われています。労使協定により各従業員の5日を超える日数について協定しておき年休を消化します。夏季や年末年始等に利用している企業もあります。
 労使協定を締結するので原則、計画的年休に反対している従業員にも適用されます。






H29.4.5
マネジメント・コントロール
(事例研究から学ぶ)


マネジメント・コントロールとは
 経営管理には、経営者が主体となって全社的観点から経営戦略を策定するステップと、様々な職能分野を担当する現場管理者が行う日常のオペレーション管理の2つのステップがあります。マネジメント・コントロールとは、この2つの橋渡しを行い全体としての組織活動に秩序を与えることです。

事例研究で具体例を学ぶ
参考資料:飛田努「事例研究 創業者の経験と勘の共有化を図る経営管理システムの構築―佐賀県金型メーカーの事例―」『メルコ管理会計研究』(第5号−T 2012年)45-52頁。
@創業者の経験や勘を継承する仕組みとして、経営理念と社是を伝達する手段に社員全員に配布されるハンドブックを活用しました。社長の考える利益観や、長年の経営の中で培ってきた経験、書物等から得たフレーズを書き留めたものがまとめられていて、同社の基本的価値観を規定するような内容です。定期的な読み合わせで、基本的価値観の浸透だけでなく、社内制度に対する理解も深まり共有されるべき価値や仕組みを浸透させる手段となっていました。
A事業承継する副社長がモノづくりプラットフォーム(MZPF)というソフトを導入しました。システム開発や改善活動は社内の各部署とのコミュニケーシヨンに活用されました。受注と同時に営業担当者がオンライン上の所定のフォーマットに入力するようにし、同時に受注情報は社内各所のパソコンを通じてあらゆる部署の従業員が一覧することができるようにしました。これにより、製造現場では機械稼働率や在庫数量等をリアルタイムで確認できるようになりました。情報の蓄積が進んだことで、過去の受注情報を容易に取り出せるようになり、受注価格交渉において安易な値下げをせずに取引ができるようになりました。情報の「見える化」は従業員の利益志向、コスト削減努力の意識高揚に寄与しました。

本事例から得られる知見
 本事例により、中小企業においても経営の中枢を担うシステムを構築することで、「経営者=創業者の長年の経験や勘を目に見える形で形式化することとともに、経営者の知識が共有されることで、形式化されたシステムが次代を担う経営者や従業員にとっての道標になりうる」という意義が示されています。






H29.4.4
貴社のKPI(Key Performance Indicators)は何ですか?



KPIとは業績評価のための指標
 KPIはKey Performance Indicatorsの略語であり、重要業績評価指標のことです。
 たとえば、かかりつけ薬局を標榜している場合、顧客名簿に登載している常連客が月に何度相談に来たかという回数が指標になります。会計事務所なら、翌月何日までに顧客を訪問して前月分の会計報告を完了したか、コンサルタント会社の場合は、顧客に業務報酬を請求できる時間を何時間実現できたかや提案書の成功率は何パーセントだったのかなどの、具体的に計測評価できる指標です。

KPIを使って何をするのか
 KPIを使った経営手法の一つにバランスト・スコアカード(BSC)があります。BSCは、従来の財務数値のみならず、非財務の観点からもビジョンと戦略を明確にし、バランスの取れた業績評価を行います。ビジョンや戦略は、「財務の視点」、「顧客の視点」、「業務プロセスの視点」および「学習と成長の視点」の4つの視点で組み立てられます。それぞれの活動の実行度をKPIで評価・測定し、達成度合いを見えるようにし、未達成の場合は戦略を見直し変更して、実現を目指します。

貴社のKPIは何ですか?
 少し前までは、営業と言えば売上至上主義という考えの人が多く存在していました。いや、現在も売上至上主義の社長は少なくありません。
 売上拡大を求めるあまり、「営業マンの増員や広告宣伝費にお金をつぎ込み、売上は増えたが会社に残る利益は減ってしまった」などの笑えない現実も起こります。
 それぞれの業種や会社の環境、社長のビジョンや戦略で、貴社のKPIの指標は違います。また、成長する過程でKPIの見直しが必要になる場合もあります。

専門用語は知らなくともよい
 KPIという用語が出てくるのはこれで10回目です。本当は専門用語なんて知らなくとも構いません。ビジョン(=こうありたいという姿)を達成するためにどんな戦略を使う(=何を行う)かを明確に定め、活動の達成度合いを見えるようにし、未達成の場合は戦略を見直し変更して、ビジョンの実現を目指すのに使う指標をいくつか持ちましょう。わからない時は会計事務所に相談です。いろんな規模・業種の顧客を抱える会計事務所は力強い相談相手です。






H29.4.3
直近の調査でも傾向変わらず
高額所得者ほど所得税負担率は低い


高額所得者ほど所得税負担率は低い?
 「高額所得者ほど所得税負担率が低い」という話を聞いたことはありませんか? 誰がそのようなことを言ったのかというと、意外にも財務省です。平成24年の「所得税の税率構造の見直し」の資料の中で指摘しています。この資料では平成20年の実態調査から所得が100億円の方が1億円より所得税負担率(所得税/合計所得金額)が10%以上も低いというのです。日本の所得税は超過累進税率を採用しているので、そのようなことはないはず…と思われるでしょう。2月公表の直近の調査(平成27年分)の数字でそのカラクリを見てみましょう。

申告納税者の所得税負担率(平成27年分)
 この調査では約87%の方は合計所得金額が1,000万円以下という結果となっています。600万〜1,000万円の方の所得税負担率は次のとおりになります。
合計所得金額 所得税負担率
600万〜700万円 8.0%
700万〜800万円 9.3%
800万〜1,000万円 10.9%
 つづきまして、1,000万円から1億円までの所得の方は約12%いらっしゃるとのことです。こちらの所得税負担率と株式譲渡所得の占める割合は次のとおりになります。
合計所得金額(円) 所得税負担率 株式譲渡
1,000万〜1,200万 12.9% 1.9%
1,200万〜1,500万 15.4% 2.1%
1,500万〜2,000万 18.4% 2.1%
2,000万〜3,000万 22.4% 2.8%
3,000万〜5,000万 26.3% 3.7%
5,000万〜1億 28.8% 6.1%

1億円を超えると株式譲渡益が莫大!
 ここまでは所得増に伴い、所得税負担率も増加していますが、1億超の約0.3%の方々はどうなのか。なんと減ってきます。
合計所得金額(円) 所得税負担率 株式譲渡
1億〜2億 28.9% 13.4%
2億〜5億 26.6% 27.0%
5億〜10億 23.8% 45.2%
10億〜20億 22.7% 59.7%
20億〜50億 19.8% 77.5%
50億〜100億 17.9% 91.2%
100億超 25.6% 63.5%
 要は株式等の保有が超金持ちに偏り、分離課税となっている金融所得が軽課されているため起こる現象ということなのです。