デイリーニュース

HOME > デイリーニュース > バックナンバー



H29.7.31
賃金等の不利益変更

 賃金等労働条件の不利益変更には、労働契約法に定められた要件をクリアする必要があり、役割貢献給の導入など、賃金制度の改定にあたって、変更内容検討・労働組合との話し合い等適正に対処しなければなりません。

不利益変更が可能な要件と対処法
 労働契約法第9条・第10条で定めている不利益変更の可能要件の概要と、対処法は次の通りです。

要件の概要 対処法
労働者の受ける不利益の程度
 改定賃金制度への移行に伴い、不利益が生じる対象者と不利益の程度を把握、代償措置・緩和措置を講じ、他の労働者の改善を示す。
労働条件の変更の必要性
 経営目標の達成には、社員の経営貢献度評価と役割貢献給が不可欠である等、高度な必要性、合理性を持たせる。
労働条件変更内容の相当性
 世間一般の労働条件、同業他社の労働条件と比較して相当であることを示す。
労働組合等との交渉の状況
 制度改定の推進プロセスで労働組合(または社員の代表者)に、役割貢献給による賃金制度、評価制度、目標管理制度などについて、変更内容を随時説明するとともに、質疑応答で理解を深め、意見・要望を聞き、その経過を記録しておく。
その他の就業規則の変更に係る事情
 経営上、異常な労働分配率が赤字体質の原因となっている等、特別の事情があれば、賃金制度改定目的・内容に盛り込む。
 上記の要件に照らして、的確に対処し合理性がある変更であることを示す。

経営者・人事担当役員の留意点
 制度改定を進める上でのポイントは次の通りです。
・経営上の必要性・合理性が得られるよう賃金制度改定の検討を行い、シミュレーションにより、具体的な効果や不利益変更など問題点の把握と対処法を検討する。
・労働組合、又は社員代表者への説明、協議を丁寧に行い、理解、納得を得る。






H29.7.28
育児休業給付金の延長手続

育児休業給付の給付延長ができる時
 育児休業給付金は1歳に満たない子を養育する為の休業に対して支払われる給付金で、財源に雇用保険料が使われています。子の1歳の誕生日の前々日(1歳に達する日の前日)まで支給されます。また、子が1歳に達する日より後の期間について休業する事が雇用の関係に必要と認められる場合(保育所に入所できなかった時等)は1歳6カ月に達するまで給付が延長されます。

給付金の延長の為の手続は
 認可保育所に入所できなかった場合の延長手続には「1歳の誕生日(「パパ・ママ育休プラス制度」を利用する場合は休業終了予定日の翌日)以前を入所希望日とする保育所の申し込みをしたが入所ができなかった」事の事実を証明する為、保育所の入所申込書と入所不承諾(保留)通知書などの写しが必要となります。自治体によって入所申し込みの時期や入所可能日の手続が異なるので注意が必要です。早めに調べておきたいものです。不承諾通知書の有効期限にも注意をしましょう。1歳の誕生日直前の選考で不承諾となっている事が必要です。
 また、入所保留と言う形式の自治体では毎回不承諾通知書を発行しない場合もあり、最初に発行された不承諾通知書だけでは受給要件を満たさない場合があります。1歳の誕生日に保育が可能となっていない事が明らかになる証明(待機通知等)を付けなければならない場合もあるので、必要な場合は自治体に問い合わせをしましょう。
 なお、自治体から認可保育所の入所が困難であるとの説明を受けて入所申し込みを行わなかった場合は、延長給付の対象とはなりません。

平成29年10月よりの育児休業法改正
 保育所に入る事ができず、退職を余儀なくされる事態を防ぐため、10月から育児休業が2年に延長されます。1歳6カ月を過ぎても保育園に入れない場合、会社に申請し育児休業期間を最大2年まで再延長ができるようになります。この場合も前述のような手続は必要となるでしょう。休業給付期間も2年までに延長されます。事業主は働く方やその配偶者が妊娠出産を知った場合にその方に育児休業に関する制度(育児休業中・休業後の待遇や労働条件等)を知らせる努力義務も創設されます。







H29.7.27
子ども・子育て拠出金とは


全額事業主負担の子ども・子育て拠出金
 子ども・子育て拠出金は平成26年度までは児童手当拠出金と呼ばれていました。
 社会保険料(健康保険及び厚生年金保険)は労使折半負担となっていますが、子ども・子育て拠出金は全額企業が負担します。被保険者からは徴収しません。
 平成29年度からは0.23%となりました。被保険者の厚生年金保険の標準報酬月額に料率を乗じます。標準賞与額にも同じ料率がかけられます。
 例えば標準報酬月額が20万円の人は20万円×0.23%=460円となります。金額は大きい額ではありませんが、平成28年度は0.20%でしたから上限とされている0.25%までは今後も上がる事でしょう。
 被保険者に子どもがいるかいないかは関係なく厚生年金の加入者は全員が拠出の対象になっています。

拠出金は何に充てられているか
 拠出金は児童手当のみに使われている印象がありますが、地域子ども・子育て支援事業や平成28年4月から新設された仕事・子育て両立支援事業にも充てられています。
 各内容を見てみます。
@児童手当事業・・・・市区町村に住民登録があり、中学校終了前までの児童を養育している人で下記の条件に該当する方に支給されます。
ア、児童が国内に居住している
イ、児童が養護施設入所や里親に委託されていない
ウ、扶養親族数に応じて所得で622万円から812万円までの限度額があります。
  扶養親族数6人以上は812万円に1人38万円を加算します。
  支給額は3歳未満で1人月1万5千円から中学生1人月1万円の範囲できめられます。所得制限を超えていても1人当たり5千円が支給されています。
A地域子ども・子育て支援事業・・・・放課後児童クラブ、病児保育(事業費及び整備費)、延長保育事業等
B仕事・子育て両立支援事業・・・・企業主導型保育事業(運営費及び整備費)、企業主導型ベビーシッター利用者支援事業等






H29.7.26
リース資産の経理処理
契約途中での買い替え


よくあるケース
 コピーや事務機の営業マンからリース資産のリース途中に「新機種が出たため新機種に替えて再度リースを組みなおしませんか?」と勧められる事は多いと思います。
このような場合リースの残債は新機種のリース料に上乗せされてリース契約は組まれます(厳密に言えば、ここで言うリースは所有権移転外ファイナンスリースです)。

経理処理は2つあります
 リース料の処理を「賃借料」あるいは「リース料」の科目で支払いの都度経費処理している場合は、新リース契約によって組まれたリース料を従来通り支払いの都度、経費処理すればことは済みます。
平成19年の税法改正によりリース資産を資産計上している場合がチョット面倒です。

リース資産を資産計上している場合
 事例でご説明します。
当初リース契約時の処理
資産 500万 消費税 40万 期間 5年
(リース資産)500(リース債務)540
(仮払消費税)40
3年経過後、新機種変更契約時の処理
新機種 300万 リース残債 200万
消費税 40万 期間 5年
 当初資産はリース期間で均等償却(リース期間定額法)しておりますからその簿価は200万となっております。これに対してリース債務の残は216万となっております。   そこで以下の仕訳となります。
(リース債務)216(リース資産)200
(リース資産)500(リース債務)540
(仮払消費税)40 (雑収入)16
 わかり易い事例でしたのでお気付きのことと思いますが、(雑収入)ではなく(仮払消費税)が正解です。

考え方
 リース債務には未払消費税が含まれていて、そしてそのリース残債は免除され(仕入対価の返還)、旧資産は除却した。
(リース債務)216(免除益)200
リース債務中の消費税(仮払消費税)16
(除却損)200(リース資産)200
そして新たに新機種のリースを組んだ。
(リース資産)500(リース債務)540
(仮払消費税)40 
旧機種の簿価とリース債務が必ずしも一致するとは限りません。ご留意ください。






H29.7.25
法人成り
メリットとデメリット

軌道に乗ったら一度は考える法人成り
 個人事業者が法人を設立することを「法人成り」と呼びますが、個人事業が軌道に乗ってくれば、一度は考えるのではないかと思います。なぜ、考えるのかというと、法人成りにはメリットもデメリットもあるからです。

一般的なメリット
@ 給与所得控除が使える:法人成りをして会社から給与を受け取るようにすれば、経営者自身の所得税で給与所得控除が使え、節税になります。
A 消費税が最大2年間免除される:資本金が1,000万円未満の法人は、2期にわたって消費税が免税となります(但し特定期間の課税売上や、特定新設法人の規定により免除にならない場合がありますので留意してください)。
B 決算期が自由に設定できる:個人事業者
の場合は12月決算の3月15日申告と時期が固定されていますが、法人は決算期が自由に設定できます。
C 繰越欠損金の繰越控除の年数が増える:個人は3年ですが、法人の場合は10年(平成30年4月1日以後に開始する事業年度の場合)になります。

一般的なデメリット
@ 法人設立の手間と費用:定款を定めて、登記をしなければならず、定款認証手数料や登録免許税が必要となります。
A 社会保険の加入:個人事業では4人までの雇用であれば社会保険の加入義務はありませんが、法人成りすると1人でも社会保険への加入が義務付けられます。
B 赤字でも7万円の法人住民税がかかる:均等割と呼ばれる部分で、赤字だったとしても税金が取られます。

あまり数字には出てこない「対外的な信用」
 対外的な信用はどうしても個人事業よりも法人の方があるものです。融資や取引で見劣りしないように法人成りをする、というのも立派な理由です。
 色々な視点から法人成りをするかしないかを判断した方が良いでしょう。







H29.7.24
平成29年4月1日より
設立・異動届出書の手続簡素化

29年より登記事項証明書の添付省略
 平成29年4月1日より国税庁に提出する届出書について二つの見直しが行われています。一つは、法人設立届出書等に登記事項証明書等の添付が不要となったことです。
 これは、平成25年に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」に基づいて、行政組織の壁を越えたデータ活用により、公共サービス向上を図ろうとする「登記・法人設立等関係手続の簡素化・迅速化に向けたアクションプラン」という横断的な取り組みの一つです(法人番号導入もその一環)。
 法務省では、他の行政機関とオンラインで情報連携ができるような新しい登記情報システムの運用を平成32年度中に開始する予定です。国税庁はオンラインで提供される登記情報の活用を図るため、関係省庁と議論を進め、平成29年税制改正で次の対象届出書等への登記事項証明書の添付が不要となりました。
@法人の設立・解散・廃止等の届出書
「法人設立届出書」「外国普通法人になった旨の届出書」「収益事業開始届出書」等
A税務署の求めに応じ添付していたもの
「営業等開始・休止・廃止申告書」(たばこ税法、揮発油税法、印紙税法等)等

届出書の提出先のワンストップ化
 また、改正前は異動前と異動後の双方の所轄税務署に提出が必要とされていた異動届出書等については、平成29年4月1日以後の納税地の異動等により、以下の対象届出書等を提出する場合、異動後の所轄税務署への提出が不要となりました。
@所得税
「納税地の変更に関する届出書」、「納税地の異動に関する届出書」、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」、「個人事業の開業・廃業等届出書」
A法人税
「異動届出書」
B消費税
「消費税異動届出書」、「納税地の変更に関する届出書」、「納税地の異動に関する届出書」

地方税は従前通りの取扱いのため要注意!
 これらの取扱いは現行では国税のみで、地方税の届出書については登記事項証明書の添付や提出先は従前どおりですので、ご注意ください。







H29.7.21
リースと言っても色々です

リース取引とは?
 リース取引には、ファイナンスリースとオペレーティングリースがあります。
 ファイナンスリースとは貸し手が借り手のために資金を出して資産を購入し、借り手に貸与すると言う仕組みで、資金を融通すると言う意味でファイナンス(金融)と呼ばれています。一般的にリースと言うと、このファイナンスリースを指します。
 一方オペレーティングリースとは貸し手が持っている資産を期間を定めて貸与すると言う、基本的には長期レンタルシステムです。ですからオペレーティングリースの経理処理は、原則リース料支払い時の賃借料です。代表的な例がレバレッジドリースと言われ節税商品として売りに出されている、航空機のリース取引です。

ファイナンスリースとは
 ファイナンスリースには所有権移転ファイナンスリ−スと所有権移転外ファイナンスリースがあります。所有権が最終的に借り手に移るかどうかで判断します。
 所有権移転ファイナンスリースは最終的に所有権が借り手に移りますから、経理処理は固定資産の購入と同じ扱いとなります。

所有権移転外ファイナンスリース
 現在組まれているリース取引の多くは所有権移転外ファイナンスリースです。
 その内容は、契約終了後も所有権は借り手に移らず、契約期間中の解約が認められず、解約する場合は残債を全て支払うと言うものです。

経理処理は選択制
 従来このリースの経理処理はリース料支払い時の賃借料処理でした。しかし、「中途解約が認められず残債は解約時に全て支払う契約は、契約時に多額の負債を簿外処理していることとなるので、会計上いかがなものか」との指摘を受け、税務上も平成19年の税制改正で所有権移転外ファイナンスリースは原則資産の購入となり、償却はリース期間定額法での均等償却となりました。
 但し中小零細企業の事務負担を軽減すると言うことで、税務上は従来通りの処理も認めております。






H29.7.20
役割貢献給への改定

 現状の賃金実態が年功型となっており、社員の高齢化と相俟って年々総額人件費が増加し、経営を圧迫しつつある場合、なるべく早く役割貢献給へ改定することが必要と言えましょう。

役割貢献給への改定手順
 役割貢献給への改定を行う場合の手順として、現状の賃金実態が年功型であり、賃金等処遇の基軸となる役割等級制度の整備も不十分なケースでは、次のような改定手順がおすすめです。
@現状の賃金実態(個人別の年齢・職種・社内等級・月例賃金・内訳、賞与額、年収)を一覧表で表示する。
A賃金実態から、現状賃金制度の具体的な問題点をチェックする。
 ・職種別・社内等級別月例賃金実態(賃金表・グラフ)を表示、等級間の逆転現象など不自然な点をチェックする。・賞与・年収についても同様にチェックする。
B社員全体、及び職種別の年齢別賃金実態(賃金表・グラフ)を表示、年功化などの問題点をチェックする。
C社員アンケート、または聞き込み調査などにより、賃金制度・等級制度・評価制度とその運用に関する問題点を具体的に把握する。
D問題点を解決しうる役割貢献給の賃金体系・運用のあるべき姿について“ベンチマークすべき先行例”を探る。
E日本経団連等の賃金調査資料・人事院の生計費等から、職種別・等級別のあるべき月例賃金水準の見当をつけておく。
F自社の役割貢献給のあるべき姿について、DEを参考に基軸となる役割等級制度・改定賃金体系・賃金額・評価・反映などの運用方法を決定し、問題点解決が可能であることを確認する。
G個人別に現状賃金と改定賃金の差額を賃金制度移行調整額として、2〜5年で償却する計画を立て、実行する。

経営者・人事担当役員の留意点
 労働契約法で賃金等就業規則の不利益変更について、可能となる要件を「労働者の受ける不利益の程度、変更の必要性、変更内容の相当性、労働組合等との交渉の状況、その他の事情に照らして合理的なものであること」と定めており、それらに注意深く対処して改定を進めましょう。





H29.7.19
特に都市部は大幅な上昇 29年路線価は全国平均0.4%増

29年路線価は前年比0.4%増
 平成29年路線価が公表されました。全国の路線価の平均は前年比0.4%増。一昨年までは7年連続の下落傾向でしたが、2年連続の上昇となりました。これは3月公表の公示地価と同じです。以前は路線価と公示地価の前年対比率の取り方が異なっていましたが、現在は両者とも「地点ごとの変動率」を単純平均しており大差はありません。
 地価公示は「土地の取引価格の指標を与えること」を目的としており、全国で約26,000地点の公示地価を3月に公表しています。一方、路線価は相続税・贈与税の課税価格として用いられるもので、計算の基礎となる調査地点(標準宅地)が約333,000地点です。こちらは件数も多いため、公表は7月となっています。なお、路線価の価格は公示地価の8割程度の評価となります。

鳩居堂前の路線価は過去最高額を更新
 29年の路線価が前年より上昇した都道府県数は13(宮城県の3.7%増が最高)。下落は32でした(秋田の2.7%減で4年連続最下位)。ただ、下落した県のうち26は下げ幅が縮小したため、全体では上昇局面とはいえます。また、路線価の最高額は、例年どおり銀座の鳩居堂前でしたが、これに加えて「銀座プレイス前」などの4か所も1u当たり4,032万円で、バブル期の3,650万円を抜き過去最高とのことです。ちなみに、公示地価の29年の最高額は、同じ銀座の山野楽器本社の5,050万円です(鳩居堂前は公示地価の調査対象ではありません)。
(過去3年間の鳩居堂前の路線価・前年比)
平成27年分・・・26,960,000円(+14.2%)
平成28年分・・・32,000,000円(+18.7%)
平成29年分・・・40,320,000円(+26.0%)

上昇傾向はどこまで続くのか…
 公示地価は土地の用途別で変動率が公表されており、29年は商業地が2年連続の「上昇」、住宅地は「下落から横ばい」へ、工業地は「横ばいから上昇」に転じています。
 これらをあわせて考えると、オリンピック開催で都市部の地価上昇は急激な一方で、住宅需要も団塊ジュニア世代が住宅購入年齢に当たる現在は, 低金利や税制にも支えられ底堅い感じもしますが、先行指標である中古マンションの指標が鈍化していることや、生産緑地指定から30年経過する平成34年には都市圏に土地が過剰供給される懸念も囁かれていますので、オリンピック後の状況はかなり変わるものと予想されます。





H29.7.18
平成29年改正・非上場株式の納税猶予 贈与税納税猶予と精算課税の併用可に!

非上場株式の納税猶予の適用数が大幅増!
 平成21年に創設された非上場株式等の相続税・贈与税の納税猶予制度(いわゆる「事業承継税制」)。当初は担保提供要件や猶予取消しのリスクなどが強調され適用件数・金額とも少なかったのですが、こまめな制度改正が加えられた結果、ここにきて適用事例がかなり増えてきています。
 直近の国税庁の公表数値(平成27年分)では、贈与税は270件(265億円)、相続税は224件(148億円)が納税猶予の適用を受けました。経産省の資料では平成30年の納税猶予適用の前提となる認定が贈与税533件、相続税274件あるとのことですので、今後も適用件数は増えていきそうです。
〔非上場株式の納税猶予の適用件数・金額〕
贈与税
H25−78件−47.5億円
H26−43件−49.4億円
H27−270件−265.7億円
相続税
H25−110件−67.0億円
H26−127件−64.1億円
H27−224件−148.1億円
 この平成29年4月1日からは、経営承継円滑化法の対応窓口も地方経済産業局から都道府県に変更になりました。納税者にとって、より身近な制度となることが期待されますね。

贈与税の納税猶予と精算課税の併用可に!
 平成29年税制改正では、贈与税の納税猶予について、相続時精算課税制度との併用が認められることとなりました。
 例えば、先代経営者から後継者に贈与した自社株2億円について贈与税の納税猶予を適用した場合には、改正前では、その後納税猶予の取消しがあったときには、累進税率の暦年課税で贈与税が課税されますので、贈与税1.3億円の納付が必要でした。
〔改正前〕取消時に暦年課税
贈与時・・・納税猶予、猶予取消時・・・暦年課税1.3億円納税、相続開始時・・・課税なし
 今回の改正では猶予取消時に相続時精算課税を適用できることになりました。
〔改正後〕納税猶予と精算課税併用可
贈与時・・・納税猶予、猶予取消時・・・精算課税3,500万納税、相続開始時・・・相続税申告1,360万円
 この改正により納税猶予取消時の税負担リスクが軽減されます。将来の経営の見通しが見えないため、納税猶予を躊躇していた経営者にとっては朗報といえるでしょう。





H29.7.14
タカタ鰍フ民事再生法適用申請によりセーフティネット保証1号の発動


 
中小企業・小規模事業者対策として
 エアバッグの欠陥で大量リコール(回収・無償修理)があった自動車部品大手のタカタ鰍ヘ、平成29年6月26日に東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。米国法人を含む海外子会社も同様に、米連邦破産裁判所に連邦破産法11条の適用を申請しました。実質的な負債総額は1兆円を超えており、製造業では戦後最大の大型倒産です。信用不安が広がらないように支援企業も決まっており、中国の部品大手「寧波均勝電子」傘下の米自動車部品メーカー、キー・セイフティー・システムズ(KSS)が選ばれています。
 経済産業省も、この倒産劇が中小企業に与える影響を考慮し、資金繰り等に関する相談窓口を設置し、公的金融機関による支援を実施するなど、支援策を講じています。

セーフティネット保証1号(連鎖倒産防止)の発動
 タカタ鰍ニ一定の直接取引関係を有する中小企業・小規模事業者を対象として、一般保証とは別枠で融資額の100%を保証するセーフティネット保証1号を発動します。
・対象となる中小企業者(以下いずれかを満たす場合)
@当該事業者に対して50万円以上売掛金債権等を有している中小企業
A当該事業者の事業活動に20%以上依存している中小企業者
・内容(保証条件)
@対象資金:経営安全資金
A保証割合:100%
B保証限度額:無担保8千万円含み2億円
C保証人:原則第三者保証人は不要
その他のセーフティネット保証
 1号から8号まであります。有名なところでは業況の悪化している業種に属する中小企業者で、直近3カ月間の売上高が前年同期比で5%以上減少している等が条件の5号(業況の悪化している業種)で、リーマンショックや原油価格高騰でお世話になった中小企業者も多かったかもしれません。
「溺れる者は藁をもつかむ」ではありませんが、緊急時にはありがたい制度です。





H29.7.13
改正後の業種別株価Aは二段表示に国税庁、平成29年類似業種株価公表

 国税庁、平成29年類似業種株価表を公表!
 平成29年1月〜4月に発生した相続税や贈与税の「取引相場のない株式」(非上場株式)の評価に用いる類似業種比準価額の業種目別株価が、平成29年6月下旬に国税庁ホームページに公表されました。
平成29年税制改正により、業種別株価(A)に「課税時期の属する月以前2年間の平均株価」も適用できるようになったため、この数値がどのような形で示されるのか気になるところでしたが、公表された株価表では、下記のように上段を「各月の株価」、下段を「課税時期の属する月以前の2年間の平均株価」と二段表示する形となりました(自分で平均を出すことはないようです)。
〔業種目別株価表〕(単位:円)
株価A/
業種目 平29年
1月分 2月分 3月分 4月分
建設業 242
217 244
218 256
220 256
220
新通達による自社株評価の影響は?
 この他にも、今回の「取引相場のない株式」(非上場株式)の改正は、@会社規模の判定区分の見直し、A類似業種比準価額方式の算式の改正があり、中小企業経営者にとっては、自社株の評価がどう変わるか気になるところです。
類似業種比準株価については、旧通達では利益の変動が株価に大きな影響を与えていましたが、新通達ではその影響は少し小さくなるようです。例えば、比準要素が「配当1・利益1・資産1」の会社の利益が「1→0.5」あるいは「1→2」になった場合の比準割合は、旧通達では0.70倍〜1.60倍のレンジであったのに対し、新通達では0.83倍〜1.33倍のレンジとなります。
〔利益の増減の類似株価への影響〕
配当 利益 資産 旧通達   新通達    新旧増減
          の比準割合 の比準割合
                   
1 2 1 1.60倍    1.33倍    ↓
1 1 1 1.00倍    1.00倍    −
1 0.5 1 0.70倍    0.83倍    ↑

会社規模区分改正のインパクトも大
 また、新通達の類似業種の算式では、純資産が大きな会社の評価が相対的に上がる傾向にあるようです。一方で会社規模の判定区分見直しで大・中会社の適用範囲が拡大されることから、実際の改正のインパクトは計算してみないとわからないようです。




H29.7.12
相続は財産だけではありません

相続債務にはご注意ください
被相続人が亡くなって相続が開始されると、相続人が集まって遺産分割協議を行います。遺産分割協議で相続財産の分割を受けなくとも、相続債務は引き受けなければなりません。
 どういうことかと言うと、
両親と子供一人の家族で、アパートを所有していた父が亡くなり、母がその後の生活のためにアパートを相続したようなケースで、アパート建設のための借金が残っていた場合、銀行はその借金の返済をアパートを相続しなかった子供にも請求できます。
 債権者にとって、相続人が勝手に決めた遺産分割協議に拘束されることはなく、相続人全員に法定相続分に応じた分割債務を請求できるのです。
 そうならない為には債権者である銀行等に承認を得ておく必要があります。
 遺産分割協議書は、相続人の間では有効ですが、債権者には意味がありません。

心配な場合は相続放棄を
 相続財産を受け取らず、相続債務に不安があるときは家庭裁判所に申立てをして相続放棄を受けることができます。
 相続放棄を受ければ被相続人の債務に関する追及はありません。
 相続放棄は自己のために相続があったことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申立てしなければなりません。
 「知ってから」というのは、相続人と言えども疎遠な場合もあり、知らないうちに相続債務の請求を受けない為の措置です。

相続とは権利と義務を引き受けます
 相続では財産等権利だけでなく、債務等の義務も相続するのです。
 遺産分割協議をおこなう時は財産の分け方ばかりに目が行きがちですが、相続放棄をしないのであれば、債務の引き受け方もきちんと取り決め、債権者の承認を得ておく必要があります。






H29.7.11
健康経営優良法人認定制度


 最近は「健康経営」と言う言葉を耳にする機会が増えています。健康経営とは従業員の健康管理を「コスト」ではなく「投資」としてとらえ、積極的に従業員の健康管理・増進に取り組んでいくと言うものです。
 従業員の活力向上、生産性アップ、企業ブランドイメージの向上等の効果が期待されています。
 国も積極的に健康経営を推進しています。
 経済産業省が東京証券取引所と共同で実施する「健康経営銘柄」、協会けんぽ東京支部では健康企業宣言、厚生労働省では安全衛生優良企業公表制度等があります。

経産省の「健康経営優良法人認定制度」
 この制度は経済産業省が主導し、優良な健康経営を実践している大企業、中小企業の法人を顕彰する制度です。
 従業員、求職者、関係企業や、金融機関等から「従業員の健康経営を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として健康経営に取り組む優良な法人と社会的に評価を受ける事ができる環境を整備する事を目的としています。

認定を受けるとどんなメリットがあるのか
 大企業だけではなく中小企業も対象となり、2017年の認定企業は2月21日に公表され大企業法人部では235法人、中小企業法人部では95法人が認定されています。
 認定を受けた法人には金融市場(低金利融資、従業員の住宅ローン優遇)や労働市場におけるインセンティブが付与され地域に応じた支援を整備してゆくとしています。

認定の基準とは
 中小企業に対する認定基準は健康経営銘柄の評価をベースに全国各地の類似制度を参考に設定され、14の評価項目が定められています。
@経営理念、経営者の自覚、健康宣言の社内外への発信、経営者の健診受診
A組織体制・・・・健康づくり担当者の設置
B制度、施策実行・・・・従業員の健康課題の把握と必要な対策検討(定期健診受診率、ストレスチェック実施等)、健康経営の実践
C評価・改善
D法令遵守・リスクマネジメント
 
 認定を受ける、受けないにかかわらず健康経営を目指す意識と実践は重要な事でしょう。
 




H29.7.10
“ベンチマーク”

“ベンチマーク”とは「他社の優れた経営方法やマーケティング戦略などを探し出し、自社のやり方や手法との違いを分析し、それに基づいて自社の経営や営業手法などを改善する管理手法のこと」を言いますが、安易に使うと、単なる物真似に陥り、自社が持っていた特色を失うなど、得策とならない場合もありますから、注意して、有効に活用したいものです。

“ベンチマーク”活用の注意点
 “ベンチマーク”をうまく活用するための注意点を挙げますと次の通りです。
@自社で使っている経営方法、製品開発の方法などについて、現状の問題点・改善改革の課題を整理して把握する。
  その方法として、現在その業務に関与している役員・管理者・一般社員が失敗経験などの状況事実から、問題点を抽出する。同時に自社の方法が持つ特色、他社に比べて優位であると思われる点を認識しておく。
A整理した問題点や課題を解決するのに、有効と思われる他社の方法・システムを調査、特定する。“ベンチマーク”の対象は特定の企業1社に限らず、複数社としても良く、それらの組み合わせ、活用でより高度な問題解決、改革が図れることが期待される。そのためにも、@の自社の問題点を分析し、「知りたいことは何か」を把握しておくことが、“ベンチマーク”すべき他社の方法・システムなどの発見と比較・評価・選択に役立つ。
B“ベンチマーク”すべき他社の方法・システムなどは、自社の業界に限らず、他の業界にも眼を向けて探索する。
  例えば、製品開発のステップ・目標管理制度・人事賃金制度の仕組みや運用方法などは、特定業界に限らず、優れた“ベンチマーク”に適する事例が存在する。
C以上の@とABで得た“ベンチマーク”対象を参考にして、“自社の方法・システムを改善・改革した時のありありとした姿”を検討し、具体的に記述する。これが、改革構想である。

経営者・管理者の留意点
“ベンチマーク”による改革構想は、重要な経営課題について、プロジェクトチーム目標を設定するのに適しており、メンバーが主体性と挑戦意欲、協力意識をもって、改善・改革を実現することが出来る目標となります。





H29.7.7
テレワークの実施状況

在宅勤務等テレワーク制度導入は約1割
 連合総研(公益財団法人 連合総合生活開発研究所)が実施した「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査」の結果が公表されています。民間企業に勤める男女2千人を対象にインターネットで行ったこの調査には、自宅等オフィス以外で働く「テレワークの制度」の導入状況についての質問事項があります。それによるとテレワーク制度が勤務先に「ある」と回答した従業員が9.7%だったそうです。従業員千人以上の企業では導入率は19.1%が「ある」と答えたのに対し、99人以下の企業では5.0%に留まっています。企業規模で制度導入に差が出ています。

テレワークで働きたいか
「今後自分が在宅勤務型のテレワークで働きたいですか?」の問いには「わからない」と回答した割合が最も多く42.4%、「働きたい(働き続けたい)と思う」が27.4%、「働きたい(働き続けたい)とは思わない」が30.3%となっています。この調査でも現在テレワークで働いていると回答した人の割合は約1%なので、テレワークそのものがまだ広く普及されておらず回答する側にも認識が低いと言えるでしょう。実際どんな働き方になるのかイメージし難いのかもしれません。

徐々に進む制度導入
 このような状況の中で最近は政府が提唱する「働き方改革」の流れでテレワーク普及を推進しようとしています。厚生労働省では東京都や経済団体と連携し2020年の東京オリンピック・パラリンピックを契機としてテレワーク普及を展開する方針で、その一環として東京大会の開会日に当たる7月24日を今年から「テレワーク・デイ」と決め、多くの企業や団体にテレワークの一斉実施を呼びかけようとしています。
 これまではセキュリティやコミュニケーションの疎通、労務管理、コスト面等の問題から導入をためらっていた企業も多かったと言う事ですが、最近はこれらの懸念材料を解消するツールが様々に用意されているようです。
 ICTを活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方は今後、中小企業でも導入が期待されるところです。




H29.7.6
iDeCoの再確認

今年になって大盛り上がり
 iDeCo(イデコ)は「個人型確定拠出年金」の愛称です。確定拠出年金とは、読んで字の如く拠出金が事前に確定され、運用結果に応じて給付額が事後に決定される年金制度です。実は制度ができたのは2001年、今から16年も前の話です。今年になって目にするようになったのは、改正によって加入できる人が増えたからです。

器は国、中身は金融機関
 iDeCoで拠出したお金は所得税・住民税の所得控除になります。まず入口で節税できるので、これだけでも結構なメリットと言えるでしょう。今回の改正で専業主婦も加入できるようにはなったのですが、所得税や住民税を払っていない方ですから、このメリットは受けられません。ご主人が拠出金を払っていても、控除は受けられませんのでご注意ください。
 運用次第によっては拠出した額よりも多い額が退職所得扱いか年金所得扱い(投資案件や諸条件によって選択できない場合もあります)で受給できます。他の退職所得や年金所得によって、受給時期や受給方法を調整する必要がありますが、多くの場合、出口でも税の恩恵が受けられます。
 一番の考え処は「運用」の部分です。控除や課税については国がルール付けていますが、個人が確定拠出年金の運用をお願いする先は、証券会社や銀行等になります。個人投資とは違い、運用益は非課税となりますが、元本保証型のような堅実な投資案件でも、運用管理手数料・口座管理料等諸経費がかかる場合があります。また、投資内容によっては元本割れを起こす可能性もあるので、契約内容をよく吟味する必要があります。
 また、「毎月定額の支出」になること、「60歳を超えないと受け取りができない」事も、念頭に置かなければなりません。長期間のライフプランを組み立てる必要があります。

加入者が死亡したらどうなる?
 iDeCo加入者が死亡した場合は、死亡退職金の扱いとなりますので、遺族が支払を受ける事になります。相続税の対象になりますが、非課税枠もあります。






H29.7.5
海外転出届と住民税課税


前年帰国者の「住民税の税額決定・納税通知書」が届いた!?
 個人の住民税は、その年1月1日に住所がある市町村から課税され、5〜6月に「住民税の税額決定・納税通知書」が送達されます。給与所得者は、特別徴収納付ですので、納付書が特別徴収義務者である雇用主に送付され、給料から控除されて納税されます。それ以外の納税者は、普通徴収制度により、年4回にわたり自分で納付します。
 先日、前年中に本国に帰国していた外国人宛に「住民税の税額決定・納税通知書」が届きました。帰国前に「納税管理人届」を市町村の税務課に提出していたのに、なぜ1月1日が賦課期日である今年の分の「住民税課税書」が届いてしまったのでしょうか?

考えられるいくつかの原因
 1月1日現在住所が有るか無いかは、住民基本台帳によります。この台帳は住民の方々に関する事務処理の基礎となるものです。住民税等の関係で市町村に提出する「納税管理人(変更)申告書」(注:各市町村で名称が異なる)は、納税管理人を届け出るものであり、それをもって出国の有無や日付が証明されるものではありません。別の公的手続で出国(日)が確認されます。
(1)「在留カード」が未返納か?
 日本を出国するとき、空港で「在留カード」を入国審査官に返納することとなっています。この返納により、出国の事実が、在留カードに記載された自治体に通知されます。なお、この通知までの期間は長ければ6か月から1年くらいかかるようです。通知の遅れが原因だったのでしょうか。
 一方、“記念”に在留カードを返納せず帰国する人もいます。原因はそれでしょうか。
(2)「転出届」を出していなかったか?
 日本での勤務を終えて母国に帰国するに際しては、市町村の住民登録担当窓口で、転出の届出をしなければなりません。転出届先は同じ自治体ですので税務課も遅滞なく出国の事実は把握できます。

外国人の帰国時には「転出届」を忘れずに!
 この会社では過去何人もの外国人出向者がありすでに帰国者もいましたが、こうしたトラブルは初めてでした。国民健康保険で脱退手続きがあれば出国手続きもしたでしょうが、転出届を出さぬまま、居住者カードも返納しなかったことが原因かと思われます。のちのトラブル回避のためにも、転出届は必須です。
 採用時のビザの確認もそうですが、外国人雇用には独特の注意点がありますので、ご留意ください。






H29.7.4

来日5年経過後の外国人の
確定申告(租税条約がある場合)

外国人も来日5年超で全世界所得課税
 仕事や留学で来日し、日本が好きになったり、日本人と結婚したりして、在留期間が5年を超えて日本に住み続けている方がいます。日本の国籍を有していない外国人も、在留期間が5年を超えると、日本人と同様、全世界所得が所得税の課税対象とされます。

国外所得がある人の確定申告
 国外に財産を持っていれば、その所得の発生国と日本国との両方で課税されます。 
 事例として、ドイツ国内に株式と賃貸用不動産を保有している場合を想定します。株式の配当があれば、配当金に対してまずドイツで課税され、その後日本でも同じ配当金に対して課税されます。不動産収入も、ドイツで課税され、日本でも課税されます。それぞれの国の税法の規定で課税されるため、課税金額は違いますが、同じ所得に対して二重に課税されます。
 この二重課税部分は、日本の確定申告の際に、外国税額控除という規定で二重課税の調整が行われます。しかしながら、課税の時期や国内所得と国外所得の割合による計算の関係で、100%二重課税が調整されるわけではありません。

租税条約が適用される場合の取扱い
 先日、ドイツ人の方から、「二重課税を調整する独日租税条約に、不動産所得に関する規定で、“ドイツに存在する不動産はドイツ国において租税を課することができる”と書いてあるので、日本では課税されないのではないか?」という質問を受けました。たしかに、そう書いてありますし、租税条約が源泉地国と居住地国との二重課税の排除を目的とし、一般的には源泉地国における課税の免除又は軽減を規定する場合が多いです。しかしながら、不動産所得に関しては、原則としてその不動産所在地国(ドイツ)での通常の課税方式、すなわちドイツ国内法どおりの課税を認めることとしているものであって、不動産所在地国だけに課税権を認めているものではありません。
 なお、配当や利子、使用料などは、租税条約の所与の手続きを事前にすれば、国内法よりも軽減された源泉所得税を適用させることもできます。ただし、これは源泉税控除の際に軽減された税率が適用されるということであって、あくまでも申告に際しては全部を課税所得に算入し、二重課税は外国税額控除で調整されることとなります。






H29.7.3
管理者の目標設定

 目標管理制度において、管理者の目標設定は、言うまでもなく部署別業績管理の要となる重要事項です。

管理者の目標設定目的
 管理者の目標設定について、その目的を明確に認識することは、目標管理制度が担う経営貢献の高度化につながります。
 すなわち管理者の目標設定内容は図に示した通り、組織目標とマネジメント目標であり、社員のプロジェクトチーム目標・個人目標・その達成プロセス・貢献度評価に関わり、次の目的を果たすことが必要です。
@ 管理者が所管する組織の目標として、達成すべき業績目標と能力開発目標を設定する。
A 同時にこの目標設定へ社員を参加させることにより、組織目標の意味・各自の果たすべき貢献を理解させ、主体的・挑戦的なプロジェクトチーム目標・個人目標の設定を動機付ける。
B また、組織としての能力開発目標を設定して開発すべき能力の全体像を示し、個人別能力開発目標の設定を方向付ける。
C マネジメント目標を設定し、組織目標からプロジェクトチーム目標・個人目標へのカスケードダウン(段階的な順次細分化)を的確に行うとともに、達成プロセスの問題解決等適切な支援、公正性・納得性の高い貢献度評価を実施する計画を立てる。

[管理者の目標設定内容]
上位目標

管理目標  組織目標    マネジメント目標
        ・業績目標     ・目標設定
        ・能力開発目標  ・プロセス支援
                    ・貢献度評価

プロジェクトチーム目標・個人目標

達成プロセス

貢献度評価

経営者・管理者の留意点
このように管理者の目標設定は、組織として実現したいことと、個々の社員が主体的に取り組みたいことを調和・統合する意義を持つこと、組織の目標管理制度運用にまことに大きな影響力を持ち、所属社員の目標達成力を高めることに留意して取り組みたいものです。