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H30.5.31
変わる基礎控除とその歴史

平成32年分所得税から適用される改正
 平成30年の税制改正によって、これまでは一律1人38万円とされていた所得税の基礎控除が、合計所得金額が2,400万円以下の人は48万円に引き上げられます。
 2,400万円超〜2,500万円以下の人は基礎控除が段階的に減額され、2,500万円を超える人は基礎控除がゼロになります。
合計所得金額         所得税の基礎控除の額
2,400万超〜2,450万円        32万円
2,450万超〜2,500万円        16万円
2,500万円超           適用されません

設立趣旨は生存権の保護だった?
 基礎控除は1947年(昭和22年)に創設されました。「納税者本人や納税者の配偶者、扶養親族の最低限の生活を維持するために必要な収入を守る」という趣旨があったとされています。過去には頻繁に金額を変更した事もありましたが、年間生活費を計算した際の献立・生活があまりにもお粗末だった事もあり、顰蹙を買う事も多かったようです。
 なお、「平成29年4月1日現在法令等」と前書きがある国税庁の説明では趣旨には一切触れてはおりませんが、簡素に「基礎控除は、ほかの所得控除のように一定の要件に該当する場合に控除するというものではなく、一律に適用されます」となって、設立趣旨には沿っています。これが今回の改正で崩れる事になります。

多様な働き方に対応した改正と言うが
 今回の改正の趣旨には「働き方の多様化を踏まえ、働き方改革を後押しする観点」と明示されています。
 諸外国の水準と比べ過大となっている給与所得控除と、公的年金等控除からは共に10万円ずつ控除が低くなる改正を併せて行う他、子育て世帯等には「調整控除」を入れる事によって負担が増えないような改正も行われます。結果、一般的な年収のサラリーマン世帯には一連の改正によって税の増減は発生しない事になります。
 ただ、当初の設立趣旨であった、憲法で定められている生存権への税制からのアプローチである人的控除、その根幹であった基礎控除を無くすと言うのはいかがなものかと思われます。





H30.5.30
PERT(パート)の利点

  「PERT」(Program Evaluation and Review Technique)と言う手法は、複線型の処理手順を持つ複雑な仕事の工程を、決められた納期通りに完成させるため、または納期短縮に使われます。
 第2次世界大戦中にイギリスで、軍事的目的で開発され、アメリカに渡って民間企業も含めてさらに活用度が高まりました。
 日本では、霞が関ビルの建設工事に初めて使われ、その後、公共工事・民間の工事・様々なプロジェクトの進度管理に用いられているタイムマネジメントの代表的手法です。

PERTの使い方
@ 作業リストの作成 
作業名    所要日数    先行作業    後続作業
 A       2       なし     B・D・E
      (中略)
 C       0        B        E
 H       3       G・E      なし
A作業リストに従って、一連の作業の流れを、図のように「作業(矢印)と作業の結節点(〇印)」で表記します。
Bスタートからゴールまでの、所要日数が最も長い一連の作業ルート(図の太線表示したルート)を「クリティカルパス」と呼び、重点管理が必要な作業群です。
 すなわち、クリティカルパスでは、時間余裕がゼロで、それ以外のルートでは、余裕があります。なお、ダミーは前後関係のみを示し、実際の作業はありません。

経営者・管理者の留意点
 社内の重要プロジェクトでは、このような手法を活用して、クリティカルパスの重点管理を行い、納期通りの達成を図りましょう。
 また、余裕(フロート)がある作業の工数をクリティカルパス上の作業へ振り向けることによって、プロジェクトの総作業時間を短縮すると納期の前倒しも可能です。





H30.5.29

新・中間省略登記と登記税・取得税・消費税


地面師暗躍「海喜館」事件

 昨秋、大手住宅メーカーが土地購入を巡って「地面師」の被害に遭い、土地2000u、売買価格70億円の9割の63億円をだましとられた、と報道されました。同社は、土地所有権移転登記が出来なかったことにより、詐欺にあったことに気付いたようです。
 同社のニュースリリースに、「当社の契約相手先が所有者から購入後直ちに当社へ転売する形式で」と記されているので、「第三者のためにする契約」(新中間省略登記)だった事が推測されています。

中間省略登記は禁止されていた

 中間省略登記とは、不動産について、甲から乙への売買、乙から丙への売買があった場合に、所有権は甲→乙→丙と順次移転しているにもかかわらず、中間者乙への移転登記を省略して、甲から丙へ直接所有権が移転したこととする登記のことをいいます。中間省略登記には、登録免許税や不動産取得税が1回で済むというメリットがあります。ところが、平成17年3月に不動産登記法が改正され、登記申請の際、「権利変動の原因を証する情報(登記原因証明情報)」の添付が必須とされ、中間省略登記は封じられました。

中間省略登記復活の2類型

 しかしその後「規制改革推進会議」が、法務省から「第三者のためにする売買契約の売主から第三者への直接の所有権の移転登記」または「買主の地位を譲渡した場合における売主から買主の地位の譲受人への直接の所有権の移転登記」という形での甲から丙への直接の移転登記申請が可能である旨を確認したので、その内容を周知すべきであるとの提言をしました。この提言内容は、平成19年1月12日法務省民事局から全国の法務局へ伝えられています。

登録免許税と不動産取得税と消費税

 この第三者のためにする売買契約や買主の地位の譲渡による直接の移転登記は、甲から丙への直接の移転登記を認めるものです。登録免許税・不動産取得税も従前の中間省略登記と同様に1回分で足りることになります。それで、「新・中間省略登記」と呼ばれています。
 なお、介在者が課税事業者であれば、課税物件の総額につき全当事者に消費税が課されることに変わりはありません。


H30.5.28

係争・供託と収入計上時期


不動産の賃料額トラブル

 不動産の賃貸借の賃料額に関して貸主と借主間で合意がならず、貸主が不合意の賃貸料の受領拒否をする場合には、借主は賃借料の弁済のために供託をします。その場合、供託金を貸主が受取るか否かにかかわらず、貸主が賃貸料収入として計上すべき時期は、契約により定められている支払日です。ただし、計上すべき額は、合意が確定している部分としての供託額です。

不動産賃貸契約解除トラブル

 それに対し、不動産の賃貸借契約の存否の係争の場合には、たとえ借主が賃借料の弁済のために供託をしたとしても、貸主は賃貸そのものを拒否しているので賃貸料収入の計上をしなくても差し支えありません。
それで、その係争につき、その後判決、和解等があり、貸主が既往の期間に対応する賃貸料相当額や和解金として合意した金額(供託金を含む)を受けることとなった場合には、その計上時期は、その判決、和解等のあった日となります。
年金基金解散トラブル
 また、退職年金基金を設けていた会社が、継続支払い困難として、年金額の6割カットと6割部分の年金現価の一時金支払いを通知し、支払いがなされるに際し、その受領を拒否する人がいたため、法務局に供託した、というケースがありました。訴訟にもなり、和解に至りましたが、この時の一時金をめぐりさらに、税務署と係争になりました。審判所での裁決で、一時金は、退職所得ではなく、一時所得で、その計上時期は供託金の受領時期ではなく、一時金支払通知の時とされました。

分限免職トラブル

 もう一つ、最近の訴訟確定事案があります。中学教諭で東京都から平成16年に分限免職処分を受け、その際に退職手当の受領を拒否した上で、同処分を不服とする訴訟を提起した、というケースです。
 同訴訟は平成24年に終結し、本人は、供託されていた退職手当をその時受領し、その受領時の退職所得として還付の確定申告をしたが、税務署は、退職所得の確定は平成16年であるとして、還付申告を認めなかったので、税務訴訟となり、昨年7月東京高裁で、納税者敗訴で決着しました。
 平成16年時、退職所得の受給に関する申告書を提出していなかったようで、過剰な所得税が差引かれたままで、気の毒ですが、時効確定です。



H30.5.25
制限されてないタコ足配当

毎月分配型投資信託のタコ足配当
 毎月分配型の投資信託というのがあります。見た目には、配当分配が毎月実行されるので、魅力的に感じられところです
 受け取る分配金については、源泉徴収されていないケースもあります。分配金の原資として、運用益のみならず、投資信託の元本を取り崩して分配している場合、その部分については、源泉徴収の対象にならないからです。
これは、「タコ足配当」と言われます。タコが自分の足を食べるのに似ていることから、元本原資分配をこのように表現しています。タコ足配当は、配当所得には該当しません。投資元本の簿価の記録としては、これを減少させることになります。

会社の配当のタコ足配当
 旧商法では、タコ足配当は、絶対的な制限事項でした。旧商法の重要課題の債権者保護は、資本充実の原則によって支えられていましたが、現行会社法にはこの発想がありません。会社法では、企業内容の開示が債権者保護の中核となり、開示によって得た情報を使って、債権者は賢明な意思決定を行い、市場において自分の権利は自から守るという自己責任の原則に転換しています。
 会社法では、資本金をゼロまで減少し、資本剰余金として、利益剰余金と同様に株主に配当してしまうことが可能となっています。タコ足配当は、まったく制限事項ではなくなっているということです。

タコ足配当と税務の留意事項
利益剰余金がない会社で、資本剰余金を原資とする配当がなされた場合、税法では、株主のこの配当収入は株式の譲渡収入と看做すこととされ、その収入に対する譲渡原価として過去の株式出資(購入)簿価が対応することになり、通常は、譲渡益が出ることはありません。冒頭の、元本取崩しのタコ足配当での処理と同じです。
 ただし、合併や会社分割等の組織再編で生ずる資本剰余金は、個人株主からの外部拠出によって生ずるものではないので、もしこれを原資として個人株主に分配することがあるとしたら、これによる株式の譲渡収入と看做される額が、これに対応する譲渡原価となる個人株主の過去の拠出額をはるかに超えて巨額の譲渡益を算出することになる場合があります。






H30.5.24
燃油サーチャージと出国税

飛行機の燃料代「燃油サーチャージ」
 海外旅行の旅券を予約しようとインターネット上のサイトを見ると「燃油」という項目の値段表示を見かける事があります。これは「燃油サーチャージ」と呼ばれるもので、変動する原油の価格に対して航空会社が燃料代をまかないきれない場合に適用される別建ての料金です。原油相場により変動し、1バレル60USドルを下回る(JALの場合)など、一定レベルまで下がれば徴収されないことになっています。
 ある会社の韓国行きの、ここ数年の往復サーチャージ金額を比較してみると、2014年の5,000円が最高、2016年の0円が最低となっています。
 2か月に1度価格の見直しが行われる航空会社が多いので、予約する日を遅くしたり早くしたりすると、ちょっとした旅費の節約になる場合もあります。

旅券に1,000円上乗せ?「出国税」
 平成30年の税制改正で27年ぶりに新税が創設されました。「国際観光旅客税」というもので、国籍を問わず、日本からの出国1回につき1,000円を徴収するものです。
 徴収方法は「国際旅客運送事業を営む者による特別徴収」となっていますから、航空会社はチケット代に1,000円を上乗せして請求する事になるでしょう。

こんな時、出国税はかかりません
 厳密に言うと「出国」となる場合でも以下のケースでは国際観光旅客税はかかりません。
・航空機又は船舶の乗員
・公用機(政府専用機等)で出国
・乗り継ぎ(入国後24時間以内の出国)
・天候不良等で日本に緊急着陸した場合
・一度出国したが天候不良等で戻った場合
・2歳未満の人
・外交官等の一定の出国
・強制退去者等

適用は平成31年1月7日から
 来年1月からは国際観光旅客税がかかってくるので、航空会社の運賃に税が上乗せされての料金が表示される事になるでしょう。燃油サーチャージや航空会社・チケット会社のサービス等を見極めて、お得に海外に旅立ちたいものですね。






H30.5.23
課題解決のフレームワーク

経営課題を解決するために、経営戦略・ 経営計画を策定し、目標管理制度によって、
その実現を図ることは不可欠ですが、多様で複雑な情報をうまく整理して、革新的な思考と行動を必要とするこのような作業を上手に進めるためには「課題解決のフレームワーク」を活用することが効果的です。

フレームワークとは
「課題解決のフレームワーク(枠組み・骨組み)」は、そこに示された思考・処理手順に従えば、目的に合った的確な結果が得られ易いので、戦略の構築から、個別の課題解決まで、よく活用されています。その代表例は図示した通りで、課題解決のために、9つのステップが設定されております。
このうち、最重要ステップはDの基本構想で、課題解決のコンセプトとも言われており、課題が解決されたときの“あるべき姿”と、“そこに至るまでに貫くプロセスのポイント”を表したものです。
“あるべき姿”は、「課題解決の諸要素やステークホルダーとの関係などを「課題解決がなされたときの連関図」などで図示し、見える化すると明快になり、“そこに至るまでに貫くプロセスのポイント”は、課題解決のポリシー(例えば、フレームワークに基づいて、ステップごとの関係者との合意形成を重視する)を明記するのが適切です。

 課題解決のフレームワーク例

   @課題設定
↓←A背景・ニーズと目的
↓  B的確な状況判断
↓←C問題・課題分析

D基本構想(ありたい姿)

↓→E目標設定
↓→F成功要因の定義
↓  G実現のための具体策
↓→H実施スケジュール

また、@〜Hの各プロセスでは、それぞれに適した様々な手法・キーワードがあります。

経営者・管理者の留意点
重要で複雑な経営課題について、フレームワークを活用すると、うまく解決することが期待されます。目標管理制度で、部門間の共同目標をプロジェクトチーム編成によって達成しようとするときなどは、特に有効と言えます。目標設定・プロジェクトチーム編成の際などに、フレームワークを活用し、その達成経験を通じて、巧みな課題解決に慣れることをお勧めします。





H30.5.22
均一・不均一と標準・超過

 日本語の語感からくるイメージ
「標準税率」「超過税率」「均一法人」「不均一法人」という言葉があった場合、これらが二つのグループに対応し合うものだとしたら、日本語のイメージとしては、「均一=標準」「不均一=超過」という組合せになるかと思います。
法人住民税の申告をするとき、不均一課税適用法人に適用する税率の判定で問われる時の話です。

感性に反するイメージギャップ
「不均一」というのだから、特別な法人のこととイメージしがちですが、その適用税率は大抵「標準税率」とされています。「不均一」=「標準」ということなので、面喰らいがちです。
不均一課税とは、一般の税率とは異なる税率で課税することです。だから、「一般」=「標準」ではないのです。

原理を読み解くと
「標準税率」とは、地方自治体が課税する場合に通常適用する税率を指しますが、各地方自治体は、条例に定めることにより、この標準税率よりも高い税率を採用する「超過課税」を行うことができます。その場合、この超過課税での税率が「一般」の税率になり、これと異なる標準税率は一般の税率以外の税率としての「不均一」の税率となります。多くの自治体では、超過課税を採用しつつ、その対象から中小法人を除外する「中小法人に対する不均一課税」を実施しています。

法制度的実態
 不均一課税の根拠規定は地方税法第6条および第7条にあり、第6条が負担軽減規定で、第7条が負担過重規定です。ただし、超過課税を条例化した上で軽減不均一課税をするケースがほとんどです。過重不均一課税が採用されることはあまりありません。
 超過課税については、税率の上限が定められている税目があります。その上限の税率を「制限税率」といいます。法人県民税の法人税割の制限税率は6%です。6%を超える税率を適用することはできません。

特殊な不均一課税
 市町村合併特例法で、合併する相互の市町村の地方税の税率が異なっていた場合、合併が行われた年度及びこれに続く5年度に限り、市内の区域毎に異なる不均一の課税をすることが出来るとされています。。





H30.5.21
甘い言葉に騙されないで! 金の密輸入の罰則引上げ


 税金が奪われている?! 金の密輸入
 近年、金の密輸入の摘発件数が増えています。財務省の発表では、平成25年までは年間十数件だったのが、平成26年は119件、平成27年は465件、平成28年は811件、平成29年に至っては1347件となっています。
 密輸入の要因は消費税です。香港等の消費税の無い国や地域で金を購入した場合、本来なら日本に入る際に税関で消費税分の税金を払わなければいけません。
 これを密輸する事により回避すると、売値が買値と同じなら、消費税分の「儲け」が出るのです。また、国内で買い取った金は輸出免税となるため、再度国外に売却し、消費税の無い国でまた購入、密輸で日本に持ってきて……と、ループ式に儲けが増えてゆきます。

犯罪への甘い誘いにご用心
 過去には「海外旅行もタダで行けるしお小遣いも貰える」と甘い言葉で一般の旅行客を誘い、密輸に加担させた犯罪集団も居ます。海外で仲良くなった人物に「日本に居る友人にこの荷物を渡して欲しい」と謝礼と共に細工されたケースを渡されて……等の話も良く聞きます。いずれも犯罪ですから、絶対に加担しないようにしましょう。
 密輸と知っていてそれを手助けしたり、密輸品と知って買い取ったりした場合は「密輸品譲受等の罪」に問われます。

国の対応は?
 平成31年10月からは消費税が10%に引き上げられる予定です。消費税率がそのまま犯罪集団の資金に直結する金密輸犯罪をこれ以上跋扈させないために、平成30年4月10日からは輸入について、消費税の脱税に係る罰金額の上限を、「脱税額が1,000万円を超える場合は脱税額まで」から「脱税額の10倍が1,000万円を超える場合は脱税額の10倍」としています。
 また、財務省は「ストップ金密輸」緊急対策として、罰則引上げの他にも旅客への検査の強化をはじめとした各種検査の強化と、情報収集や分析の充実を掲げています。






H30.5.18
海外進出を拡大している企業に影響を及ぼすモデル条約の改訂

OECDモデル租税条約の改訂
 租税条約は、課税関係の安定(法的安定性の確保)、二重課税の除去、脱税及び租税回避等への対応を通じ、二国間の健全な投資・経済交流の促進に資するものであり、日本は平成30年3月1日現在、70条約等、123か国・地域との間で適用されています。
 租税条約には、国際標準となる「OECDモデル租税条約」があり、OECD加盟国を中心に、租税条約を締結する際のモデルとなっています。その改訂版(11版)が、2017年12月18日に公開されました。

進出先国で課税されるか否かの定義の改正
 国外に事業拠点を設ける際には、子会社・支店・駐在員事務所の形態があります。本格的にその国に進出する前の段階として、情報収集、市場調査・開拓、購買活動などをするために、拠点を設けることがあります。その拠点が課税対象となるのか否かを規定するのが、恒久的施設(PE: Permanent Establishment)の定義です。
 モデル条約では5条で定義されています。前回の改正は1977年であり、この間、解説書であるコメンタリーでの改正はありましたが、定義そのものの改正は、40年ぶりとなるものでした。

5条PE定義改正の背景
 国際的に事業を展開する多国籍企業の多くは、あらゆる手を使い、合法的に租税回避をします。人為的にPE認定を回避するようなビジネスモデルの採用で、その国で課税されないか、されてもより少ない所得に対して課税されるような行動をとります。 具体例でいうと、「アドビ事案」に代表されるコミッショネア(=日本の場合商法551条の問屋を使う)や「アマゾン事案」に代表される4項のPE除外規定のあてはめです。
 OECDは、税源浸食と利益移転(BEPS: Base Erosion and Profit Shifting)への取り組みの過程で、モデル条約を改正しました。

海外進出を拡大する企業への影響
 この改正を受け、今後、各租税条約や各国の税法の改正が行われることとなります。実際に影響を受けるのはまだ先の話です。
 とはいえ、以前から日本の経済界からも、源泉地国での課税強化の行き過ぎとなる懸念も示されていましたし、定義に関しての不明確性による納税者の課税関係の不安定さの恐れも指摘されていました。
 海外進出を拡大する企業にとっては将来現実的に影響の出てくる改正です。。







H30.5.17
年金分野でのマイナンバーの利用

年金分野届出もマイナンバー記載

 平成30年3月より厚生年金被保険者、事業主及び年金受給権者並びに国民年金の被保険者及び受給権者が提出する各種届出等で、現在基礎年金番号を記載しなければならない事とされているものについて、個人番号による手続も可能とし、原則として個人番号記載をする事になりました。各届出の新様式では基礎年金番号は省略され、その代わり個人番号記載欄があります。現在は旧様式も使えますので旧様式の時は基礎年金番号を記載します。
事業所において新様式でマイナンバーを記載して届け出る主なものは、資格取得届、資格喪失届、70歳以上届出関連、賞与届、被扶養者(異動)届、産前産後、育児関連の届出等 基礎年金番号を記載していた普段使用する事が多い書類です。

住所変更届・氏名変更届は提出省略に

 年金機構では各人の基礎年金番号とマイナンバーとを紐付けする作業をしてきましたが、機構で確認が取れている方については住所変更届、氏名変更届、国民年金の死亡届の届出は省略できることになっています。確認が取れていない人は昨年12月に事業主に対象者の一覧表が送付されています。返送されていない場合は確認の上返送しましょう。また、資格取得届等住所の記載が必要な書類でもマイナンバーを記載した時は年金機構が住基ネットから住所を取得するので記載が省略されます。住民票の住所と違う場所に居住している時は住所変更届(居所届)を提出します。

マイナンバーを記載する際の注意点

 届出書類にマイナンバーを記載する際の注意点は、本人からマイナンバーを取得する時は利用目的を告げ、ナンバーとともに本人確認を行う事が必要です。マイナンバーを記載して提出する書類には本人確認書類の提示(提出)が必要になります。個人番号カードか個人番号通知カード+住民票(マイナンバー付)や運転免許証、パスポート等の写しを付けます。
国民年金3号被保険者届は勤務先を経由して届出しますが普通は被保険者である夫が3号被保険者(妻)の本人確認を行います。届出に委任を記載する部分があるのでそこにチェックを入れる事で代理人とします。





H30.5.16
人事判断の重さ

 企業経営にとって人事権は、採用から配置・異動・賃金・労働時間等、処遇全般に関する重要な権利で、そこには労働法等により、様々な規制がかけられています。
 ここでは、それらの規制を受けていない“人事判断”の重さと留意点について述べます。

人事は経営者の重い負担
 人事権は経営者にとって最も大きく、重い負担で、人の活用を通じて経営の将来を左右する人事判断を必要とします。
 また、一方で人事判断は、それを受けた社員にとって、一生を左右しかねない重大事でもあるわけです。
 したがって、人事判断では誤りを避けなければなりませんが、しかし、トップ・上位者も完全人ではなく、ある程度の誤りが起こり得ると考え、その誤りを最小限に止める努力をするべきです。

人事判断の誤りを防ぐ方法
 トップが人事判断で陥りやすい誤りの根本原因は、人事権を“独裁権”と考えてしまうことであり、その結果、人事を一人で決めてしまうことにあります。
 これは、全ての管理者についても同様に言えます。したがって、人事判断の誤りを防ぐ方法は、経営者・管理者が、思い込みを避け、社員の業績・発揮能力・行動の事実を基に関係者で討議し、衆知を集めて決定することです。
 目標管理制度における目標達成度・経営貢献度評価、それに基づく昇格・昇進審査・異動・配置など、人事評価・人事権の行使は、そのように衆知をあつめて、多角的に討議し、誤りなからんとするべきです、
 特に、昇格・昇進審査、異動・配置の人事判断では、
・その人事が、今まで以上にその人を活かすことになるのか
・さらに、新生面を開くことにつながるの か
等、経営の将来への貢献と人材活用を考えた人事判断に衆知を集めるべきです。
 その上で、最終決定の責任はトップに残るのです。

経営者・管理者の留意点
 日常から、トップ・管理者は、目標達成プロセスに眼を配り、現場の状況事実と社員の活動情報を入手しておき、人事判断に備えましょう。





H30.5.15
遡及日付官報による公布施行の問題点


今年の改正税法の公布・施行の日

 今年の改正税法は、3月28日に国会通過し、余裕があったはずなのですが、その後の、御名御璽を得るための天皇への奏上、法律番号を付しての主任大臣と内閣総理大臣の連署、閣議決定、官報の印刷、の何が滞ったのか不明ですが、3月中に発行された官報での公布はありませんでした。

Profession Journalで案内

 3月30日、税専門の出版社、清文社の関連会社が運営するホームページProfession Journalに、3月31日(土)の官報にて公布予定であるが、官報の販売は4月2日(月)とのこと、との記事がありました。
インターネット官報も、公開されたのは、4月2日の午前零時を過ぎてからでした。日付は3月31日で、特別号外(第7号)となっていました。遡及日付でした。

公布の日はいつと解されるか

 昭和29年と古い話ですが、覚醒剤取締法の改正法が公布即日施行された日の午前9時ごろ、改正法により重罪となる行為をした人がおり、改正前後のいずれの法が適用となるか争われた刑事訴訟での上告審の最高裁判所は、国民が官報を最初に閲覧・購入できる状態になった時に公布があったといえるとする判断を示して、それを東京の官報販売所において閲覧・購入ができた時刻である犯行日の午前8時30分とし、改正後の重罪適用を可としました。

公布日・施行日の税法の定め

 国税通則法の期間の定めの原則は初日不算入で、期間開始が午前零時からの時は初日算入となっていますので、改正税法の施行日の前日までに公布しておくというのが、従来だったと思われます。
4月2日午前9時が公布日時とすると、4月1日と2日が改正税法未公布未施行期間となると解することになりそうです。

不利益不遡及の税法原則への抵触

 税法の遡及適用は可なれど、それは納税者有利規定に限られ、不利益規定に関しては遡及不適用です。この3月31日で日切れになった法律規定に交際費があります。
この規定は、法律の定める期間内に開始した事業年度の交際費の額に対する課税の規定です。しかし、改正新法が4月3日から適用なのだとすると、4月1日開始事業年度の交際費に対して課税できるのか、疑問が生まれてきます。





H30.5.14
物納制度の財産順位が変更されました

相続税の物納制度とは

 国税は金銭で納付する事が原則ですが、相続税については延納(税金の分割払い。ただし利子がかかる)によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として一定の相続財産による物納が認められています。
 ただし物納することのできる財産には「順位」があり、1位の財産を保有していた場合は、2位3位の財産より先に物納にあてなくてはなりません。

物納にあてることのできる財産順位改正

 現在の物納にあてることのできる財産順位は、
第1位 不動産・船舶・国債証券・地方債証券・上場株式等
第2位 非上場株式等
第3位 動産
となっています。平成29年4月1日から、以前は第2位だった上場株式等が第1位に格上げされています。

価格変動リスクを避けるための改正

 上場株式等は価格変動リスクが高く、さらに相続の遺産分割協議等が終わるまで、譲渡しにくい実態があります。上場株式等の物納が過去の財産順位第2位であると、相続時から申告期限までの10か月の間に、急激に価格が下がった場合、納税資金が確保できなくなる上に、不動産等の上位の財産があるため物納にも使用不可、という事態もありました。
 今回の改正によって、上場株式等の物納にあてることができる財産順位が1位となったため、相続時点の時価(または3か月間の平均額)が納める資産の価値としてみなされ、大幅な下落があった場合の救済措置として利用できるのです。

納付を困難とする金額でないと利用不可

 ただし、最初に書いた通り「延納でも納付を困難とする金額」がある場合に限り物納制度が利用可能です。納税資金がある場合は活用できない可能性が高いので、ご留意ください。





H30.5.11
雇用保険手続きに
マイナンバー記載が必須に

5月からの雇用保険のマイナンバー取扱い
 平成28年1月から利用が開始されたマイナンバーですが、税の方では確定申告等で利用が進んでいます。事業所における社会保険手続は平成30年3月5日から記載が求められるようになりました。
 また、これまでマイナンバーの記載がなくとも窓口で受理されていた雇用保険関係についても、5月からはマイナンバーの記載がないと原則、返戻されますので注意が必要です。
マイナンバー記載が必要な届出など
1、雇用保険被保険者資格取得届
2、雇用保険被保険者資格喪失届
3、高年齢雇用継続給付支給申請(初回)
4、育児休業給付金支給申請(初回)
5、介護休業給付支給申請
個人番号登録や変更届の必要な届出
(マイナンバーが未届けの場合)
6、雇用継続交流採用終了届
7、雇用保険被保険者転勤届
8、高年齢雇用継続給付支給申請
(2回目以降)
9、育児休業給付金支給申請(2回目以降)

すでにマイナンバーを届けている場合
個人番号の記載のある届出、上記1〜5番については届出の都度マイナンバーを記載することになっていますが、既に他の書類で届出している場合は、届出の欄外に「マイナンバー届出済」と記載して個人番号の記載を省略することができます。個人番号の記載欄のない届出、上記6〜9は「マイナンバー届出済」の記載は不要ですが未届けの場合は届出書類が戻されてしまうので個人番号登録・変更届を添付し提出します。

個人番号登録・変更届で別の登録を行う時
 事前に個人番号登録・変更届によりマイナンバーの登録を行うことが可能です。
 ただし、新規に被保険者資格を取得する従業員については被保険者番号が振りだされていないので、資格取得届に先立って個人番号登録・変更届による届出を行うことができません。このような場合等、個人番号登録・変更届の提出が各種届出よりも後になる時は各ハローワークに相談してください。





H30.5.10
相続税の延納制度

相続税は条件付きだが分割払いができる
 国税は、金銭で一括納付することが原則ですが、相続税額が10万円を超え、金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税者の申請によりその納付を困難とする金額を限度として、担保を提供することにより、年賦で納付することができます。
 この制度を「延納」といいますが、要件があり、担保の提供が必要であり、利子税の納付が必要となります。

延納の要件は?
 以下のすべての要件を満たす場合に、延納申請をすることができます。
@相続税の納期限までに、延納申請書を提出すること
A相続税額が10万円を超えること
B一度に金銭で納付することが困難な理由があること
C延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること
 ただし、Cの要件は延納税額が100万円以下で、延納期間が3年以下である場合は必要ありません。

担保の種類は様々
 延納の担保として提供できる財産は、国債地方債社債・有価証券・土地建物立木・自動車船舶機械・財団等様々です。また、保証人の保証でもかまいません。ただし税務署が延納申請者の提供する担保が適当でないと判断すれば、その変更を求める場合があります。

延納期間と利子税の仕組みは複雑です
 延納期間は原則5年ですが、相続財産に占める不動産等の価額の割合や相続財産の内容により異なります。利子税の計算は、不動産等の割合によって決まる「延納利子税割合」と年によって変動する基準「延納特例基準割合」を用いているため、利率が一定ではありません。
 相続税額にもよりますが、利子税だけで高額となる場合もあるので、内容によっては銀行融資を受けて一括納付した方が有利になる可能性もあります。また、延納額を繰り上げて納付すれば支払うべき利子税は下がるので、対策を検討しましょう。







H30.5.9
職場のパワハラを
起こさないために


多いいじめや嫌がらせ
 平成29年に厚生労働省より発表された平成28年度の個別労働相談では113万件以上の労働相談がありました。9年連続100万件を超えました。労使トラブルが多く起こる背景として、労働者側の権利意識の向上やインターネットを中心とした情報インフラの進展が考えられます。労使トラブルの中でも、いじめ・嫌がらせに対する相談は5年連続トップとなっています。民事上の個別労働相談件数の内、いじめや嫌がらせに関する相談は7万件を超え、その次に自己都合退職による相談が4万件超え、解雇問題は3万6千件になっています。

パワハラ6類型と予防措置
 パワハラには以下のタイプがありますが予防には下記の様な対策が考えられます。
・身体的な攻撃   ・精神的な攻撃
・過大な要求    ・過小な要求
・人間関係からの切り離し ・個の侵害
@トップのメッセージ……職場のパワハラは起こさないと明言をする。
A就業規則等で規定する……服務規定等で定め、行った時の処分も規定する。
B従業員アンケート等で現状に問題が無いかを把握する。
C社員、管理職に教育を行い周知させる。
D組織内や外部に相談窓口を設ける。
E起きた時は行為者に再発防止研修を行う。

相談を受けた時の対応は
 もし相談者が相談してきたら、対応は次の流れが考えられます。
@相談窓口では秘密が守られる事、不利益な取り扱いは受けない事等を伝える。
相談時間は1時間以内にしましょう。
A事実確認を行う。相談者に了解のうえ行為者や第3者に事実確認をします。相談者と行為者の意見が相違する場合もあります。その時は第3者に確認をします。
B相談者、行為者の措置を検討します。
その際被害の大きさ、事実確認の結果、両者の発言・行動の問題点を就業規則や裁判例等で確認します。
C行為者や相談者への注意、場合によっては行為者からの謝罪、人事異動、懲戒処分等が考えられます。
D会社が取り組んだ事を説明し、同様の事が起きないようにフォロー、再発防止を検討します。






H30.5.8
ルールブック活用で
職場環境改善


規律の乱れに気づいたら
 昨年発表された厚生労働省調査によると労働相談は9年連続100万件を超え増加傾向が続いています。しかし労使トラブルは表面化している事ばかりではありません。就労上の小さなルール違反や職場の秩序の乱れ等、就業に影響を与える言動等いわゆる規律の乱れも見逃せません。目に余るような言動であれば注意指導、懲戒を行うこともあるでしょう。しかし遅刻、言葉使い等些細な規律の乱れをいちいち注意しなくてもと見過ごしているうちに、前と違ったルールになっていたり、守って欲しい事が勝手な解釈や行動で職場の雰囲気の乱れとなっているのに気づく事はないでしょうか。

就業規則の内容をより明確に伝える
 労使トラブルや規律の乱れを防ぐためにも就業規則の整備は必要ではありますが、就業規則では拾いきれないこまごまとした日常の規範は別に「職場のルールブック」を作成すると良いでしょう。行動規範があると上司からの注意指導がしやすくなり、従業員側も守るべきルールがはっきりする事で行動がし易くなります。また、新しい人を採用しても統一した基準や仕組みがあれば分かり易く職場のまとまりも良くなり労使双方にメリットがあると言えるでしょう。

職場ルールブックのメニューとは
 ルールブックの内容は次の様なものになりますが企業によって他にあるかもしれません。内容は経営者や管理職、また従業員代表を交えて意見を聞くのも良いでしょう。
@就業上の基本的ルール:勤務時間、遅刻、早退、欠勤、休日等に関する事、各種届け出や服務に関する心得等
A職務上守って欲しい事や禁止したい事:パソコンや情報の取り扱い、社有車、事故報告、ハラスメント防止等
B従業員に期待する事:ビジネスマナー、報連相、ヒヤリハット報告、クレーム対応等
C安全衛生・健康管理
D福利厚生:慶弔関連、社員旅行、クラブ活動、持株制度等
E病気、ケガ、結婚、子の誕生、産休育休の報告や手続き
F社内規則抜粋:退職、定年、懲戒、休職
G会社について:社長からのメッセージ、
経営理念、経営計画、目標等







H30.5.7
人物評価のあり方

 昇格・昇進の審査は、対象社員の経歴や人生に影響を与え、また人材活用によって企業の将来を決める重大事です。
 その人物評価は、対象社員の業績・発揮能力を通じて行われるのですが、その際陥りやすい問題点と対策について述べたいと思います。

評価で陥りがちな問題
 昇格・昇進の評価において、問題となり易いのは、5年前、10年前の失敗や不行跡を持ちだして、「昇格・昇進にふさわしくない」と評価することです。
 これでは、一時期の失敗が、終生ついて回ることになりかねないことになります。
 その根本には「人間不信感」が存在します。

人物評価の観点
 昇格・昇進審査の人物評価で重要なことは「人間は変わり得る。したがって、過去の失敗や不行跡は封印し、最新の業績・経営貢献・発揮能力を注視して審査しよう」との観点を持つことです。
 実際、過去の失敗を契機に、その失敗を繰り返さない工夫・努力をして、転身した社員も多いのです。
 目標管理制度を活用している企業では、社員が失敗体験を糧にして再起し、立ち直り、成長する機会が、豊富に用意されています。
 その機会は制度運用の全ての段階にあります。
 すなわち、
・どのような経営貢献度が高い業績目標を設定するのか。
・目標達成のために、どの能力開発を行うのか。
・達成プロセスで遭遇した予期せざる問題を解決する勇気と行動。
・自ら努力した結果としての目標達成度・経営貢献度を自信をもって自己評価する。
それら全てが変化し、成長する機会となるのです。
 社員は「至高体験」を通じて大きく成長します。特にプロジェクトチームのストレッチ(努力してようやく手が届く)の目標達成は社員の成長につながります。

経営者・管理者の留意点
 最新の業績・発揮能力等、経営貢献による成長事実を基に昇格・昇進審査を行いましょう。







H30.5.2
配偶者(特別)控除の変更点


平成30年から改正適用となります
 今年から、配偶者控除及び配偶者特別控除が改正されました。内容をおおざっぱに言うと「配偶者特別控除適用上限が140万円ではなくなった」ということになります。
 ただし、納税者本人(配偶者控除を受ける人)の所得金額によって、配偶者控除や配偶者特別控除の額が増減します。

本人の所得によって変動する配偶者控除
 まずは配偶者控除のみで条件を見てみましょう。
@本人の合計所得が900万円以下(給与収入のみで計算すると1,120万円以下)の場合→配偶者控除は38万円
A本人の合計所得が950万円以下(1,170万円以下)の場合→配偶者控除は26万円
B本人の合計所得が1,000万円以下(1,220万円以下)の場合→配偶者控除は13万円
C本人の合計所得が1,000万円を超える場合→配偶者控除は適用されません
※配偶者の所得はいずれも38万円以下(給与収入103万円以下)であることが条件

配偶者特別控除の変動
 今までは38万円超の配偶者の所得によって配偶者特別控除が受けられましたが、今回の改正によって本人の所得により、そのパターンが3つに分かれました。また、配偶者特別控除が受けられるのは所得123万円まで(給与収入のみで換算すると201万円まで)となる他、配偶者の所得が85万円(給与収入150万円)までは配偶者控除と同額の控除額となります。

本人の所得  ・・・配偶者特別控除額
900万円以下 ・・・38万円〜3万円
950万円以下 ・・・26万円〜2万円
1,000万円以下・・・13万円〜1万円
※本人所得が1,000万円を超える場合は、改正前と同じく配偶者特別控除は受けられない

「103万円の壁」は無くなったが……
 妻の収入が一定以上あると手取りが逆転したり、税金によって手取り額に差が出てしまう現象を「壁」とよく言いますが、最大の「壁」というのは「社会保険料負担」が発生することです。
 この壁は未だに130万円(場合により106万円)以上で発生します。社会保険料関係の法改正も早急にして欲しいですね。






H30.5.1
相互持合株式評価余話


相互持合株式評価のエクセル手法
 相互持合株式の評価では、連立方程式を解くことにより、相互持合い効果を維持しつつ重複評価額部分を排除します。
 しかし、関係会社5社の相互持合い、などといったら、それこそ連立方程式を解くのも大変で、それが正解か否かも不確かなはずです。
 その計算正確性の確認のために、Excelを使って、
1. 解いた連立算式をExcelに入力する
2. Excelで逆行列数学計算をする
3. Excelで循環参照となる式を作り、反復強制計算する
と、それぞれで解を求めて、それが合致することで、正解を担保することが出来ます。

シミュレーションから異常値
 各種の計算方式の答えを差し引きし合って、差がゼロになることを確認していると、エクセルは時々「−0」という表現をすることがあります。
 「0」と示しているところでも、「IF関数」などを使って、「0だったらYes、0でなかったらNo」と示すことを求めると、「No」と表示することがあります。
 その原因は、小数点以下の表示を何桁も示してみるとわかります。小数点以下、16桁のところで突然「0」でなくなり、数字が現われてきたりします。
 こういう現象は、引き算が小数点以下のデータを対象とするところに現われてきます。ネットで探し求めた解説によると、10進数から2進数に変換して計算し、また2進数から10進数に変換表示するためのコンピューターの不可避的な誤差現象のようです。

Excelは巨大な数字も苦手
 Excelで異常値を示すのは、小数点以下の桁数が大きい時だけではありません。足し算でも、同じで、15桁以上の結果となる値では、少ない桁数の部分の数字はことごとく0になってしまいます。
 そういう現象は、計算値ばかりでなく、単純に大きな数字を無造作に入力しただけで、15桁超での入力数字の下の位は0表示となります。小数点以下の数字の単純入力でも、同じです。