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H29.6.30
過去に在日大使館等に
勤務していた外国人の居住期間の判定

在日大使館等勤務の外国人は所得税が免除
 外国政府の外交官として来日し、大使館や領事館に勤務する者の課税関係については、所得税法と外交関係に関するウィーン条約、領事関係に関する同条約が重層的に適用され、有利な方の課税方法によることとされています。そのため、給与をはじめとして個人的所得については、わが国では課税されないこととなっています。
 この非課税は、大使や書記官など外交官のみならず、事務及び技術職員や役務職員(受付、玄関番、料理人や掃除人等)にも適用され、外国人であって大使館等から受ける報酬であれば、租税が免除されます。

来日外国人の所得税課税
 日本の国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内に国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人は非永住者として、国内源泉所得に対して課税されます。 
 この非永住者の判定に当たって、過去10年以内に国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年を超える場合は、5年以内の日までの間は非永住者、その翌日以後は非永住者以外の居住者として取り扱われます。
 非永住者以外の居住者は、日本人と同様、全世界所得が所得税の課税対象とされます。

過去に外交官として国内に居住していた人の非永住者の判定
 過去に大使館に勤務した人が退職し、日本の民間企業に再就職した場合には、居住者として日本の所得税の下での課税が適用されます。大使館等勤務で「外交」または「公用」の対象外公用パスポート保持者は「在留管理制度」の適用外なので、住居地の登録がなされません。住居地の登録がなされない→住所なし→国内に住所又は居所を有していた期間はゼロと考えることができるのでしょうか?
 上述の外交官のいわゆる人的非課税の取扱いは、国内に居住していることを前提としており、我が国に住所又は居所を有しない者と解しているものではありません。
 したがって、非永住者の判定に当たっては、外交官として国内に居住していた期間も含めて判定することとなります。
 このことを誤解して期間算定を誤ると、確定申告はもちろん、「国外財産調査制度」の対象漏れともなりかねませんので、十分注意が必要です。






H30.6.29
特例承継計画の提出

特例承継計画とは
 平成30年度税制改正において、「非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例」(いわゆる、事業承継税制)は、10年間の期限付きで内容が拡充されました。
主な拡充内容は以下の通りです。

    現行法(原則)/ 特例
対象株式数:2/3まで / すべて
猶予割合:贈与100% / 贈与100%
        相続80%  / 相続100%
対象者:1人の先代経営者から1人の後継者へ / 複数の株主から最大3人へ(代表者である必要)
雇用要件:5年平均80%維持 / 実質撤廃(※)
(※認定経営革新等支援機関の関与を受けて、雇用の維持を出来なかった理由等を記載した報告書を提出すれば認定取消しとはなりません)

上記特例の適用を受けるための要件となるのが、特例承継計画の提出です。
 作成するにあたっては、認定経営革新等支援機関(税理士事務所等)の指導及び助言を受けることが必要となります。

提出期間は
計画を提出することができる期間は、平成30年4月1日から平成35年3月31日までの5年間です。早めに準備を始め、忘れずに提出するようにしましょう。

記載内容は
 では、特例承継計画には、何を記載すれば良いのでしょうか。
 主な記載事項は、以下の通りです。
①後継者の氏名
②事業承継の時期
③承継時までの経営上の課題と対応策
④承継後5年間の経営計画
⑤認定経営革新等支援機関による所見
 後継者を選定し、承継の時期までに現在の経営課題を解決、その後、
後継者がどう会社を経営していくかを計画書に記しておくのです。

とりあえず提出を
実行すると他の相続対策ができなくなる等、メリット・デメリットはあります。提出期限までにとりあえず提出し、実行するかどうかは慎重に検討することが肝要かと思われます。






H30.6.28
地上げと買換え

地上げとは 
バブル時代に「地上げ」という土地の価格を上げる手法がありました。「地上げ」の本来の意味は土地の有効活用を目的として土地を購入することを言います。
「地上げ」というとヤクザをイメージしますが、都心の再開発に貢献した面もあります。経済ヤクザのことを「企業舎弟」と言います。税務調査などが入ると社会的に認知されたと思ってか、喜んだそうです。
 また、都心の土地を売って郊外に大きな土地を購入した年配の方などの中には、「社会に貢献した」と言って自慢している方もおりました。

地上げすると何故価格は上がるのか?
一例を挙げてみますと、一般的には余程の問題がなければ、大通りに面した土地の方が価値は高くなります。
       
↑ ------------------道 路-------------------
(大通り) 坪500万円 坪300万円 坪200万円 坪150万円


このままでは坪150万円と坪200万円の土地は、いつまでたっても価値は変わりません。そこで、この4つの土地を「地上げ」して1つの土地にするとマンションやビルを建てられる大きな土地になるので、全ての土地の価格が坪500万円又はそれ以上になることもあります。


買換資産は要注意
 バブルの時に地上げ等で都心の土地を売却し買換えの特例により納税の猶予を受けた方やその相続人は、既に買換えの記憶が曖昧です。資料も紛失している場合がほとんどです。申告を頼んだ会計事務所にも既に資料がない可能性があります。納税の猶予は永久に続きます。「現在の所有不動産が買換え特例を受けたものかもしれない」と心当たりがある方は、この機会に残された資料等を一度整理されてはいかがでしょうか?






H30.6.27
中小企業の電子申告義務化?


いよいよオンライン化法からの脱皮
 現行租税法体系には電子申告の規定がなく、税の申告手続きに於ける電子申告の根拠法令は、行政手続法の特別法としての行政手続オンライン化法であり、実態としては、それからの委任による、国税オンライン化省令、さらには国税庁長官告示になっています。租税法体系の条文が事実上修正・変更されています。
本年改正法人税法に突然出てきた大企業の電子申告義務化は、電子申告規定を租税法体系の中に組み込み直す第一手と思われます。大企業限定と、扱いが措置法的でありながら、法人税法本法の規定となっていることからして、いずれ大企業限定を外すこと、そして、法人のみならず個人課税の分野にも拡大することが予定されているからとしか思われません。

もともと問題あり、疑問ありだった
もともと、わずか全12条の行政手続オンライン化法による、制限不明な省令への委任での現行電子申告制度が租税法律主義の法体系と矛盾していないか、法治国家の法体系のあり方として不適切ではないか、ということについて、当初から、そして国税内部からも疑問が呈されていました。
電子申告開始後、概ね10年が経過するところで、この問題の解決に本格的に取り組み始めたのだと、推測されます。

サプライズは大企業止まり
しかし、書面で申告書を提出しても無申告扱いとなる、というサプライズな電子申告義務化規定が、中小企業を含む全法人に、さらには個人の申告に、適用されるとなると、これが租税法律主義の手続的保障原則および行政手続上の国民主権原理に反していないか、との厳格な吟味を求められることになるのは避けられません。
今のままでは、訴訟が開始されることになり、法律の規定が憲法違反と判決されるのは不可避だからです。

あるべき誘導措置の在り方
 電子申告は、行政内部の省力化の為の絶大な切り札であることは確かなので、国民にその方向での協力を求め、その協力には、税制特例の適用の恩恵を与える、という誘導優遇措置は認められるところです。
 青色申告者に与えられていた従来制度上の特典のあり方が参考になります。ペナルティを課すというのは行き過ぎです。








H30.6.26
トップの自己管理


トップは企業の存続・発展の要として経営の基盤的存在ですが、そのための自己管理は如何になされるべきでしょうか。

トップの自己管理とは
 トップは次のような経営目的を完遂するために、自らなすべき事柄を確実に遂行するよう自己管理をしなければなりません。
(経営目的)/ (自己管理の実施項目)
1 経営理念の追求 / 中長期経営計画、目標管理などの推進による理念の浸透
2 健全な財務基盤の継続的確保 / 付加価値経営の推進による適正利益・内部留保の確保
3 全体最適、かつ挑戦的企業文化の形成 / 自ら挑戦し失敗を 恐れない企業風土づくり、全体最適志向の決断
4 公正性・納得性をもつ人事処遇 / 経営貢献の適正な評価と貢献に応じた賃金・処遇への反映
5 人材の育成・確保、活用 / 採用~社内育成システムの制定とプロセス管理、人材活用
6 時間の活用 / 実施項目全体を的確に実現するタイムマネジメント

因果構造的自己管理の有用性
 トップの自己管理は、このように多岐にわたりますので、混乱を招かぬように、「因果構造図」を意識しながら時期ごとの重点を決めてタイムマネジメントを実施すると良いでしょう。トップ自身が「今、何のために行動すべきか」を意識しながらタイムマネジメントに取り組み、自己管理を実践なさることをお勧め致します。






H30.6.25
署名押印廃止の残滓

署名押印の制度はなくなったのか
 法人税法、地方税法、地方法人税法、復興財源確保法には、代表者と経理責任者の申告書への署名押印が義務付けられていましたが、今年の税制改正でこれが廃止されました。
 所得税や消費税や相続税などには署名押印の規定はありません。ただし、国税通則法に記名押印の定めがあり、国税全般の共通の規定となっています。法人税関係も今後は、同じ扱いになります。
 ところが、税理士法をみると、税理士が代理委任を受けて税務申告書等を作成するときは、税理士の署名押印は勿論のこと、相変わらず、委任者も署名押印しなければならない、と定めています。法人限定ではありません。但し、違反の申告書でも、申告書が無効になることはなく、この違反に対する罰則もありません。

税理士関与の電子申告の場合との関係
 行政手続オンライン化法では、法令上署名押印を求められているとしても、電子申告をするのであれば、識別番号の取得や電子署名がその署名押印の代替行為になるとしています。
従って、税理士が関与する税務申告であっても、電子申告をする場合には、申告書面への署名押印は不要になります。
逆に、税理士が関与する税務申告でも、書面による申告の場合には、委任納税者の署名押印が必要、ということです。所得税でも、消費税でも、相続税でも、贈与税でも、みんなです。

行政手続オンライン化法との関係
今年の税制改正で、大企業の電子申告の義務化が法定されましたので、大企業では、
原則として書面申告はできないことになりました。
 それでは、大企業でも、税理士に委任して電子申告をすれば、電子署名が不要になるのでしょうか。現在においては、特に妨げになるものはありませんが、大企業の電子申告義務化が始まる平成32年4月1日開始事業年度以降においては、大企業については、行政手続オンライン化法に拠る電子申告の規定は適用されない、とされました。適用除外となると、税理士に委任するとしても、代表者等の電子署名は避けて通れない、ということになります。





H30.6.22
電子申告委任の範囲


行政手続オンライン化法とその委任
 行政手続オンライン化法は、申請、届出を対象としており、この申請、届出に「申告」が含まれるものなのかどうか、明らかではありません。国税通則法では、「申告、申請、請求、届出その他書類」と表現しているので、齟齬があります。
 行政手続オンライン化法は、わずか12条の行政横断的な法律なので、網羅的である分、目が粗く、省令に白紙委任的です。委任できる範囲の限界も不明で、旧来の租税法体系なら政令委任になるべきものまで、省令委任になっています。
 まして、電子署名を不要とすることまで、省令、その委任での国税庁長官告示で決めてしまうことを、行政手続オンライン化法が委任している、と言えるか、はなはだ疑問です。法人税法の署名押印規定は、その違反に「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」を課すもので、その署名押印の代用としての電子署名なのにです。

税理士関与のときの電子証明不要
 国税電子化省令第5条では電子署名を義務づけています。署名押印に代わるものだからです。なお、その但し書きがあり、電子署名不要のケースがあることに触れて告示委任しています。その告示は本来、源泉税の納付のようなケースを前提としているものでした。それなのに、突然、税理士関与での電子申告では、納税者の電子署名は不要で、税理士の電子署名だけでよい、と告示に付け足しています。
 その是非はさて置き、電子署名が不要とされるのは、税理士への税務書類作成委嘱者とされているので、それは通常は税務代理権限証書に押印する者としての会社代表者のことであり、経理担当者の電子署名までは不要とされていません。

今年の税制改正で変わる署名押印
 ところで、今年の税制改正で、代表者と経理責任者の両方の自署押印の規定が廃止されました。その結果、違反者に対する「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という罰則規定も消滅しています。
 それで、書面による法人税の申告書から、経理責任者欄がなくなります。電子申告も同じです。代表者欄は、他の税金の申告書と同じで、国税に関しては、国税通則法の規定に拠り、代表者記名押印の欄が設けられます。






H30.6.21
将来の年金額を増やすには


厚生年金加入者の増加

 人生100年時代に備えて将来の年金額を増やす為、厚生年金に積極的に加入したり、年金の受給開始時期を繰り下げたりする人が増えているそうです。特に厚生年金の加入は国の予想を上回るペースであり、税制優遇措置の大きい個人型確定拠出年金(イデコ)の加入者も拡大しています。終身受けられインフレにも一定の対応がある公的年金を、長寿社会に向けた備えとして自ら上乗せを検討する人が増えています。
 2016年秋に年金制度が改正され501人以上の企業で週20時間以上勤務するパート等が厚生年金の加入対象者となりました。保険料負担を嫌って短時間勤務を選ぶ人が多いとみていた厚労省社会保障審議会は加入者の増加数に驚いたそうです。新規加入者25万人の予想を上回り、昨年末時点で1.5倍の37万人が新たに加入したからです。
 労働政策研究・研修機構の調査でもこの改正で働き方を変えた人の58%が手取りを減らさないよう時間延長をした上で厚生年金の加入を選んだと言う事です。

60歳以降の働き方も変化

 60歳以降で60代前半の男性の就業者に占める厚生年金の加入率は、平成12年度の51%から16年度は67%となり60歳代後半も同35%から41%へと上昇しています。再雇用制度もあり定年後も働き続ける人は年々増えていますが「年金を増やせる働き方」を選ぶ人が増えています。企業には負担が増えますが、人手不足の中、人材確保の為に希望すれば受け入れる企業も増えています。

公的年金の繰り下げ支給

 公的年金は原則65歳から受給できますが、70歳まで受給を遅らせると42%増額されます。平成16年度では新たに基礎年金の受給権を得た人の2.7%が繰り下げを選択、2年前の2倍弱となっています。しかし繰り下げ受給には60歳代後半を乗り切る資産や収入源等の準備も必要でしょう。
 また、長期資産形成にはイデコも選択肢の一つです。掛け金を預貯金や投資信託で運用し掛け金は所得控除、運用益は非課税です。今年3月末の加入者は約85万人と16年末の2.8倍になっています。今までは個人からの掛け金拠出だけでしたが、この5月から社員100人以下企業の事業主は上乗せする事もできるようになりました。



H30.6.19
地方税の申告期限規定への疑問

法人住民税と法人事業税での申告期限
 法人住民税の申告期限は、法人税準拠で、法人税の申告期限となっています。法人税の申告期限は、事業年度終了の日の翌日から2月以内と規定されています。
 それに対して、事業税の申告期限は、事業年度終了の日から2月以内と規定されています。
 1日のズレがあるように見えます。

税務通信の問題提起
 1年以上前なのですが、税務通信という税務の専門誌が、申告期限に関して、国税と地方税では、異なる規定が置かれている、と指摘していました。
 当の専門誌の結論は、片や国税通則法、片や民法に根拠を置いているので、同じ内容になっている、ということでした。

国税通則法の規定とは
 国税通則法には、「期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。」となっているので、事業年度の翌日と規定された初日は期間に算入です。3月決算なら、5月末日が申告期限です。
 地方税法では、期間計算は民法によるとしていて、その民法では、「期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。」と規定しています。
 国税通則法と民法に特に違いはなさそうです。

事業税の申告期限は2月後の末日の前日
 事業税の申告期間の規定を素直に読むと、3月決算だったら、3月31日から5月30日までの期間が申告期間で、5月30日がその最終期限となり、5月31日の提出は期限後申告となってしまいそうです。
 しかし、3月決算の申告書を5月31日に提出して、期限後申告とされた事例を聞いたことがありません。

忖度か遠回しの批判か?
 税務通信の記事は、何だったのでしょうか。忖度のつもりで、おかしいところはないと書いたのでしょうか。
 そうではなくて、おかしいとは書きませんが、ここはおかしいところなんです、と遠回しに批判しているのでしょうか。
 この記事を読んでいて、はじめは、忖度記事だと思ったのですが、むしろ今は、後者なのではないかと、と思っています。





H30.6.18
出産・育児に伴う社会保険料免除


 事業所に勤務していて産前産後休業及び育児休業を取る時は、申出をすれば社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)が労使共に免除されます。

産前産後休業中の社会保険料免除

 産前産後休業期間とは出産日以前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、出産日後8週間の休業期間の事でこの制度は労働基準法に定められています。産前休業は請求主義で、産後休業は強制休業です。但し出産後6週間を経過した後に本人の請求があり医師が認めれば就業する事も可能です。
 出産日が予定より遅れても産前休業になります。保険料免除期間は産前産後休業期間を開始した日の属する月分から産前産後休業の終了した日の翌日に属する月の前月分までです。免除の適用を受けるには産前産後休業期間中に「産前産後休業取得者申出書」を提出しなければなりません。提出は出産予定日を目途に産前に提出できますが、予定日と実際に出産した日が異なる場合は変更(終了)届を提出します。

育児休業中の社会保険料免除

 育児休業期間中は申出があれば子が3歳に達するまで保険料免除になります。育児・介護休業法での育児休業は子が1歳に達するまでとなっていますが、中には育児休業期間を1年以上と規定している企業もあるでしょう。また、育児・介護休業法では夫婦ともに育児休業をした場合は1歳2カ月に達するまで、保育所に入所できない等やむを得ない事情がある場合は1歳6カ月又は2歳に達するまで延長制度があります。
 育児休業中の社会保険料免除は育児休業を開始した日の属する月から育児休業が終了した日の翌日の属する月の前月までとなります。免除の適用を受けるには育児休業期間中に「育児休業等取得者申出書」を提出しなければなりません。
 最初に育児休業に入ったら「新規」で1歳までの間の予定期間を申出します。延長があれば1歳までを提出後、さらに1歳6カ月まで延長する場合と2歳に達するまで延長の場合は各々再度延長の申出をします。
 育児休業が終了し職場復帰した際に時短勤務等で給与が下がり、休業終了日の翌日の属する月から3カ月間の平均が現在の標準報酬より1等級でも下がっていれば標準報酬月額変更届の提出ができます。



H30.6.15
部門間対立の原因と対策

 社内の部門間対立は、営業部門が月間販売実績目標未達成に終わったとき、その原因を「開発部門が売れる製品を開発しないからだ、生産部門が不良品を生産するからだ」などと他部門の責任を追及することから始まるケースが多いようです。
 また、開発部門が新製品や改良品の試作を生産部門に依頼しても、生産部門は計画生産による生産性を優先させているため、予定通りに発売できるタイミングで受け入れてもらえず、対立する場合もあります。

部門間対立の原因
 このような問題が発生する原因は、次のように考えられます。
① 部門長が、自部門の業績不振の原因を他部門に責任転嫁するため、部下がそれにならってしまう。
② 他部門への協力が評価されない業績評価基準になっている。
③ 部分最適が優先され、全体最適のために部門間で協力して問題を解決する仕事の進め方が徹底していない。
 このような部門間対立は、経営不振の原因になりかねません。

部門間対立の解消策
 部門間対立の解消策としては、次の取り組みが有効です。
① トップ・部門長の要請により、各部門の目標に部門間の問題解決を採り上げ、ベクトル合わせを行う。
② 目標管理で部門間プロジェクトチームを編成し、問題解決の共同目標を設定、対立現象について事実に基づいて原因と対策を話し合い、解決する。
③ 部門業績の評価基準に、自部門の業績のみならず、関係部門への協力度を加えるなど、全体最適志向の意識を醸成する評価制度を設定する。

経営者・管理者の留意点
 部門間対立の土壌は、全体最適を無視する部分最適志向に慣れている企業文化にあります。それを打破するには、目標管理を活用し、プロジェクトチーム活動を通じ、問題解決を図る実践を積み重ねるとともに、全体最適志向のリーダーを育成することが肝要です。トップが主導して、このような対策を“全体最適の企業文化”と言えるまで浸透させましょう。





H30.6.14
消費税 海外子会社との不課税取引と免税取引


 海外子会社への支援は有償で

 海外子会社を軌道に乗せるため、本社から様々な支援が行われる場合が多々ありますが、以前は大目に見られてきたこれらの支援を無償で行っていると、海外子会社への寄付金と認定される事案がこのところ多々見受けられます。
 例えば海外子会社の経営指導に社長や役員が出張した場合、その旅費や日当は海外子会社に請求しているのか?
 海外子会社が生産している商品や生産技術に本社の特許が使われている場合、特許権の使用料は取っているのか?
 例を上げればきりがありませんが、いずれにせよ子会社と言えども別法人ですから、第三者の会社と同じ扱いをする必要があります。

有償で請求した場合の消費税は

 今回問題とするのは、子会社に業務委託料やロイヤリティーとして本社が請求した売上にかかる消費税はどう取り扱われるのかという問題です。
 海外子会社へ役務提供した場合の原則は、次の通りです。
 海外で役務を提供した場合:不課税取引
 国内で役務を提供した場合:免税取引
 特許権等はその権利の届国の役務の提供となりますので、日本の特許権であれば国内役務の提供ということになります。
 先の例で言えば前者は不課税取引、後者は免税取引と言うことになります。
 また、同じ業務委託料でも本社で子会社の事務処理を一部代行しているような場合(パソコンサーバーの利用等)は免税取引となります。

課税売上割合の算出に影響が出ます

 不課税取引でも免税取引でも消費税が課税されない点については同じですが、課税売上割合を算出する計算式は以下となっていて不課税取引は算入されません。
 課税売上割合=(免税売上+課税売上)
 ÷(非課税売上+免税売上+課税売上)
 この課税売上割合が95%未満だと、一部支払った消費税が控除できなくなることがあります。



H30.6.13
経理処理複雑な取引は原則へ

経理処理の大原則は貸借を一致させること
 本来複式簿記は資産の管理から始まりました。新たな資産が増えた場合、購入のための資産が減ったと考えます。車の購入を例にとると以下となります。
  車両100/預金100
 しかしそのうち商売を始めるとそうはいかなくなりました。商品の仕入れは上記の資産の購入と同じです。
  商品100/預金100
  売った場合が問題です。仕入れた商品を200で売った場合、以下となり貸借が合いません。
預金200/商品100
 そこで考え出されたのが損益勘定です。
  預金200 商品100
         商品販売益100

現在の経理処理
 現在では商品の仕入れは「仕入」と言う損益勘定で処理し、売った場合は「売上」と言う損益勘定で処理しますが、元々は上記の考え方が原則です。
そこで今でも売れ残った商品は在庫として資産に計上します。
 例えば2個仕入れて1個売った場合、現在の経理処理は以下となります。
  仕入200/預金200
  預金200/売上200
  商品100/期末棚卸100
原則的な考え方では以下です。
  商品200/預金200
  預金200 商品100
         商品販売益100

複雑な取引は原則へ
 複雑な取引はこの原則に立ち返ると間違いなく処理できます。
定価500の新車を、従来所有していた車を100で下取りしてもらい、更に50値引きしてもらい購入しました。購入にあたって諸経費が48かかりました。差引振り込んだ金額は398でした。因みに従来の車の簿価は30でした。
 まず明らかな事実だけを貸借に記録します。新車は50の値引きなので450、支払ったお金は398、諸経費は48、古い車の簿価は30。増えた資産は借方、減った資産は貸方です。
  車両450 預金398
  経費48  車両30
 貸借一致が原則ですから、差額は下取り車両の売却益70と言うことになります。






H30.6.12
免税品取り扱いの改正


訪日旅行客はうなぎのぼり!
 日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2015年は1,973万人、2016年は2,403万人、2017年は2,869万人と、近年日本を訪れる外国人は増加しています。いよいよ2018年には3,000万人突破が見えてきそうです。
 2015年と2016年の1人当たりの旅行支出額を比べてみると、2016年の方が2万円ほど少なく、一時の「爆買い」ブームもひと段落してしまったのでしょうか。それでも調査値は1人当たり15万円を超えているわけで、外国からのお客さんは今や日本の重要な「稼ぎドコロ」となっています。

免税販売の改正はここのところ頻繁
「この商機、逃してなるものか」という事でしょうか、日本の免税店に関する改正が近年頻繁に行われています。
 平成30年度税制改正では、「一般物品」(家電・洋服・宝飾品・民芸品等)と「消耗品」(果物・食品・化粧品・飲料・医薬品等)で「別々に1日に合計5,000円以上販売した場合」に、免税販売対象となっていましたが、今年の7月1日からは諸条件はありますが「合算して5,000円以上でOK」となりました。
 諸条件の内容は一般物品には従来適用が無かった「50万円まで」「開封が分かるような特殊包装が必要」が付随します。

平成32年にはもっと便利に
 平成30年度改正ではさらに平成32年4月1日以降に、今までの免税店での買い物の流れである「外国人旅行者の購入者誓約書提出」や「店側からのパスポートへの購入記録票の貼付」が無くなり、外国人旅行者はパスポートを提示するだけ、店側が国税システムに購入記録を送り、税関が出国時に照らし合わせる、という作業でも手続きが可能となります。
 国土交通省観光庁は「消費税免税店サイト」を設けていて、免税店になるための手続きの解説や、相談窓口の案内、外国人向けの説明シートの配布を行っています。全国どこにでも外国人観光客が来る時代です。小売業の方は、一度免税店申請を検討してみてはいかがでしょうか。





H30.6.11
営業担当者の職責


 営業担当者の職責は、「担当エリア・商品の売上向上」が第一に挙げられますが、その意識・行動が販売活動のみにだけ向けられている企業は、中長期的な業績を成功に導くことは難しいと言わざるを得ません。

営業担当者の重要な役割

 営業担当者は、商品説明書などの情報を積極的に顧客へ提供し、購買意欲を引き出し、販売を促進、成約へ導くノウハウを駆使して、販売目標の達成を図ることが求められます。
 そのほかに、納期・納入場所・納入時間など顧客の要望に応えて様々な利便性を高めて、信頼関係を維持、強化すること。
 販売特約店を持つ場合は、タイアップしてエンドユーザーへの販売施策を企画・実施、サポート体制を強化すること。
 ライバル企業の取扱い商品・売れ行き・特徴・評判などを収集し、自社の商品企画部門・製造部門・仕入れ部門などへフィードバックすること。
 さらに法人顧客の場合、納入先企業の財務状況、人事異動、設備投資情報などから、自社との取引に関係する経営の方向性変化を読み取ることが出来るかも知れません。
 それらは市場・顧客に直接的に関与している者しかできない業務であると言えます。
 このような活動の結果、
・商品企画部門では、市場・顧客に歓迎される、より高度な機能を持った商品の開発、商品の仕入れを検討。
・製造部門では、営業部門から自社商品の
 使用性について、競合他社製品との比較・顧客の評判などの情報を得て、改良につなげられる可能性が生まれます。

営業担当者の業績向上策

 このような営業担当者の業務を効率的・質的に実施し、習慣化して、能力開発・人材育成を図るためには、初訪から販売契約・納入・フォローアップに至る「営業プロセスの細分化を行い、販売ツールの活用と組み合わせ、標準化すること」「情報収集など関連情報を収集する場面を標準に組み入れること」。

経営者・管理者の留意点

 営業担当者の職責をよりよく達成するためには、「営業プロセスの巧みな標準化と、実行の習慣化を図り、現場での臨機応変の活動を行う」「目標管理制度により、業績の向上を図ること」が上策です。



H30.6.8
ICカード・オートチャージの変更と企業の資金繰り・経営分析


このちょっとした変更がじつは影響莫大!
 公共交通機関(電車・バス)等で使えるICカード(Suica・PASMO)にオートチャージ機能を付けると、現金入金の手間が省け、とても便利ですよね。ほんの少し前までは予め設定した最低残高を下回ると、次回の改札通過時に自動で一定額がチャージされていました。ところが、つい最近、改札を出る時にオートチャージされる設定となっていました。お気づきでしたか?
 「改札入場時」から「改札出場時」に変わっただけですが、この期間の短縮は資金回収にものすごく影響があります。たとえば、JR東日本のSuica、矢野経済研究所のレポートによると、この事業で2020年度までに一日当たりの最高者数800万件の達成を目指すとされています。この数字を前提とし、仮に1%の人が1回3千円を1日早くオートチャージした場合、2億4千万円が1日早く回収できる計算になります。資金繰りの要諦である「入りは早く、出は遅く」の入りの部分に莫大な貢献がある変更です。
 さらに、残額不足で改札で止まってしまう心配から控えていた駅ナカでの買い物をする人数も増え、資金繰り以外の売上増にも貢献することになります。

貴社の資金繰りの改善は?
 貴社の資金繰りを改善するためにはどんな工夫があるでしょうか? ICカードのようにシステムの変更で変えることは難しいでしょうが、どこかに何かがあるはずです。
 売掛金は何日で回収できていますか? 買掛・未払金は何日で支払っていますか? 相手先との関係もありますので、一概に入金期間を短縮したり、支払日を勝手に延期したりすることは難しいかもしれません。でも、もし貴社が同業他社と比較して現在不利な条件であれば、同業他社レベルまで改善する余地は残されているはずです。

経営分析の数字を活用しましょう!
 会計事務所から提供される月次試算表には、経営分析のデータが記載されているページもあると思います。運転資金の項目である「売上債権回転期間」、「たな卸資産回転期間」、「買入債務回転期間(支払基準)」などのデータを同業他社の平均と比較しましょう。平均よりも数値が悪ければ、どこかに改善の余地はあるはずです。
 経営分析数値の比較は、通常は自社の過去の数字と比較しその後同業他社と比較しますが、今回は他社比較が先となります。





H30.6.7
住民税決定通知書とふるさと納税

住民税決定通知書で確認すべき項目
 5月中旬から6月上旬にかけ、各自治体から、住民税の特別徴収義務者である雇用主宛に「住民税の税額決定・納税通知書」が届きます。給与所得者である各個人には、「納税義務者用」の明細が手渡されます。
 受け取った際には、毎月の控除額を確認するだけではなく、計算に間違いがないか確認することをお勧めします。会社が提出した給与支払報告書に間違いの原因があった場合もありますし、自治体での計算時のミスがあるかもしれないからです。
 確認すべき項目は、各人の事情で違いますが、前年中に転職した人であれば全部の給与収入が反映されているか、結婚や出産などで扶養家族に増減があった場合にはそれがきちんと反映されているか等々です。

ふるさと納税は限度額以内だった?
 扶養家族数の間違いなどは、会社か自治体の手違いですから、修正してもらえばそれで終了です。一方で、確定した結果が自分の予想と違っていた場合に考え直さなければならない項目があります。ふるさと納税の寄附金控除額です。
 ワンストップ特例制度を使っている方は、すべての寄附金控除が住民税で行われますので、「住民税の税額決定・納税通知書」に記載されている「寄附金控除額+2千円」が自分の寄附総額と合致していればOKです。6自治体以上への寄附で自身が確定申告した方は、「確定申告書で控除された寄附金控除+住民税での寄附金控除額+2千円」が自分の寄附総額と合っていればOKです。

ふるさと納税寄附金限度額の検証方法
 上記のチェックで納め過ぎがなかったかどうかの確認はできますが、もっと寄附できたかどうかは次の方法で確認できます。 「住民税の税額決定・納税通知書」の税額欄に「所得割額」という項目があります。市(区)民税と県(都)民税を合計します。
控除限度額=所得割額×20%÷(90%-所得税限界税率※)/100%+2,000円
※所得税限界税率とは、所得税計算の最高税率に復興特別所得税(2.1%)を上乗せした数字です。自分の所得税率は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除額の合計額」を差引いた額により所得税の税率等で確認できます。(国税庁サイトhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm)。





H30.6.6
退職金の使い途

退職金は永年勤続後のまとまった資産
 サラリーマンなら定年後の生活について漠然とした不安を抱いている方も少なからずいらっしゃると思います。現実的にみると老後の保障が十分とは言えないまでも、定年後再雇用制度や老齢年金が普通に支給される状態であれば、贅沢を言わない限り食べては行けるでしょう。むしろ老後の大きな計算違いとなってしまうのは、退職金が出た場合、その使い途によっては老後計画が大きく狂ってしまう事です。退職金は永年勤めた会社からのまとまったお金であり、一度にそんなに大きなお金を手にする事はあまりないからです。

永年働いたご褒美か?
 定年退職した時に多くの人がそれは永年働いた会社からのご褒美と感じてしまう事があります。しかし企業年金や退職金は給与の後払いです。本来給与の上乗せで払う分を企業が社員の老後の為に給与の一部を
積み立てている退職給付制度であり、企業にとって将来支払わなければならない退職給付債務です(たまに退職金前払いの企業もあります)。受け取る本人がご褒美と思っているとパッと使ってしまったり贅沢をしてみたくなりますが、これは現役時代の収入より減額される分を補てんするものと考えると無駄使いはできないものです。豪華客船世界一周クルーズなどに使うのも良いでしょうが、思いつきでなく現役時代に別枠で貯める等の工夫も必要でしょう。

余裕資金を支給された?
 もうひとつの誤り易いケースとして資産運用と言う言葉に乗ってしまう事です。退職金は余裕資金と言う勘違いをして慣れない投資を始める事です。投資経験が無い人がまとまったお金を増やそうと、下手をして一度に株式等に投資し失ってしまう事があります。定年時に既にゆとりある資金を持っている人はともかく、これからの生活に充てるお金を大きく使うのは危険行為です。余裕資金と勘違いして生活資金である事を忘れがちになりますが、投資を行う場合でも少しずつ準備を始めてから行う必要があるでしょう。大きなお金を一度に手にする退職金を目の前にして気分は高まりますが、退職金はまずこれからの老後資金と意識して大切に管理、計画的に使う事が大事です。





H30.6.5
平成30年度税制改正でちょっと変更
給与所得者の特定支出控除の改正


知らない人も多い?「特定支出控除」
 「給与所得者の特定支出控除」ってご存知ですか? 「サラリーマンの経費計上制度」と言っても良いものなのですが、要件が厳しいため、あまり普及しているとは言えない控除です。特定基準の金額以上に、通勤費・転居費・研修費・資格取得費・帰宅旅費・勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費等の合計:上限65万円)を業務に必要と認められ、使った場合に給与所得から控除ができる制度です。このように書くと「控除できる物も多いし、すごくいいじゃない!」と思いがちですが「経費合計が給与所得控除の額の1/2を超えた部分から」のみが控除となります。
 例えば平成30年で年収600万円の方の場合、給与所得控除の額は174万円。特定支出費用が給与所得控除の半分である87万円を超えたら、超えた部分の額が所得控除となります。また、上記費用が「職務の遂行に直接必要であった」と、給与の支払者から証明書に一筆もらって確定申告する必要もあります。

出張族・単身赴任者向けの改正?
 平成30年度税制改正では、「業務の遂行に直接必要な旅費等で通常必要と認められるもの」の追加と、「単身赴任者の帰宅旅費」が、1か月に4往復を超えた部分が今までは対象外でしたが、その制限が撤廃されガソリン代と高速代も追加でOKという事になりました。自費で旅費や帰宅費用を捻出していた出張族や単身赴任者にはうれしい改正かもしれませんが、給与所得控除の1/2の額のハードルは依然健在ですから、まだまだ普及には遠いような気がします。

適用は平成32年から
 財務省の「税制改正」パンフレットには載っていない、このちょっとした改正(国税庁の「改正のあらまし」には載っています)の適用は平成32年分所得税からです。ちょうど給与所得控除も改正で一律10万円引き下げられる予定ですから、若干ではありますが、特定支出控除のハードルも下がります。この機会に、自費負担が多い職務の方は、年間どのくらいの支出があるか、計算してみてはいかがでしょうか?
 なお、「会社が負担してくれた費用」は、当然に特定支出控除とはなりません。また「職務の遂行に直接必要」なものしか認められませんのでご注意ください。





H30.6.4
商品を選ばせる表現や見せ方


印象が変わる心理作用 フレーミング効果
 私達が普段店で寿司、うな重等を選ぶ際に「松竹梅」とか「並、上、特上」と言ったランク付けをしているものがあります。商品が3つあると7~8割の人が真ん中の「上」を選択するそうです。仮に並みが1000円、上が2000円、特上が3000円として相対的に「特上」はちょっと高いけど「上」の値段はほどほどで質は悪くないだろうと言う心理が働くのだそうです。店側では「上」の収益率を高く設定したりします。
 もし一番売りたいのが「特上」だとすればどうするか? 値段中身は変えず「特上」を「上」に変え、「元上」は「並」にします。「元並」は止め、「特上」を4000円に設定します。値上げとなるのでトータルの売上の向上になるか単純に計れませんが、新設定の「上」が売れるようにはなるでしょう。
 このように内容が同じものでも見せ方や表現を変える事で印象が変わる心理作用を行動経済学では「フレーミング効果」と言います。では別の例も見てみましょう

表現方法で割安感を演出する
 通販等で高額商品を売りたい時、賞品が一括払いでは高い印象を与えてしまうのではと言う時、高いと感じさせない為に分割払いを勧める事があります。例えば商品が3万6000円として「24カ月の分割で月々は1600円、週にたったコーヒー1杯の値段で手に入ります」等と言います。言われた方はお手頃だなあと感じますがトータル額は6%以上の金利も付いて3万8400円です。消費者金融の広告にも似たようなコピーがあり、利息は1日たった○円と謳い高利でも安く感じる表現がされている事があります。

ポジティブ表現とネガティブ表現
 次のように医師から言われた時にどのように感じるでしょうか。
1、「この手術は95%の人が助かります」2、「この手術は20人に1人が亡くなります」 こう言われると、結果が同じでも2のネガティブ表現の確率を高く感じてしまいがちです。何かを予防する商品はネガティブに伝え、推進商品はポジティブに伝えると効果があると言われます。
 マーケティングの世界ではこうして印象操作をされ誘導されています。販売する側からすればこのようなキャッチコピーを意識すると売上増進に繋がるかもしれません。





H30.6.1
ミドルの連結ピン機能



 「連結ピン」とは、企業組織をトップ・ミドル・ロワーと三階層に区分したとき、ミドルに求められるトップとロワー(下層)を繋ぐ機能を指します。

「連結ピン」の機能
 ミドルはトップの意図を所管組織の役割・担当業務に即して、具体的に翻訳してロワーに伝えるとともに、その挑戦意欲を引き出す上意下達を図らなければなりません。また、ロワーが現場で得た問題意識、経営貢献意識を、トップへ繋ぐ下意上達の要とならなくてはなりません。
 すなわち、ミドルにはトップとロワーを繋ぐ「連結ピン」の機能を果たすことによって、組織の潤滑油となることが求められているのです。

「連結ピン」機能に対する障害
 1990年代以降、「ITの普及に伴って、意思伝達のトップダウンあるいはボトムアップを迅速化し、激変する経営環境に即応するため、ミドルを排し、組織のフラット化を図ろう。」とする風潮が一部に広がりました。しかし、今日では、トップの意図をミドルが所管業務に即してブレークダウンし、ロワーの挑戦意欲を引き出すことなく、経営組織が生き生きと活動することは出来ないとする連結ピン機能が再評価されました。

経営者・管理者の留意点
 目標管理の運用プロセス全般を通じて、ミドルの「連結ピン機能」の発揮は不可欠です。すなわち、目標設定で、経営計画・目標を組織目標・個別目標へカスケードダウンする場合、達成プロセスでは、目標達成の阻害要因を排除する問題解決を行う場合、経営貢献度評価では、経営目標と部門の組織目標・担当者の目標の達成度・経営貢献度を整合性をもって評価する場合等、全ての運用場面で、「連結ピン機能」を生かさなければ、適切な運用は不可能と言えましょう。
 トップは、ミドルが「連結ピン機能」を十分に果たし、トップの意図をそれぞれの組織へ順次咀嚼して伝え、現場の生きた情報をくみ上げてトップへ繋ぐよう、常に要請し、動機づけましょう。