「痒い所に手が届く」サービス
2か月近く前になりますが、早めの夏休みを取り初アメリカ本土へ行って来ました。
その旅も後半に入った所で、私は不覚にも転んで左手の小指を骨折してしまったのです。
骨折していると分かったのは、4,5日後日本に帰ってからなのですが、その紫色に腫れ上がった掌を、氷を入れたビニール袋で冷やしながら、旅行を続けていたのです。
その間その手のお蔭?で、何人もの方にとても親切にして頂き、無事?楽しく旅行を終える事が出来ました。
そんな中で、私は驚くほどに心優しい感動のサービスに出会ったのです。
旅の最終日前夜、夕食であるレストランに行った時の事です。
そこは人気のレストランで、予約の無い人達何人もが外で待っている様なお店でした。
当然店員さんは皆接客に忙しく、店内を走る様に動き回って居たのですが、それを仕切っていた女性が、食べずらそうにしている私の手に気付くなり、寄って来て「ちょっと待っていて!」と厨房へ入って行ったのです。
何事かと思って居る私の所へ、5分ほどして戻って来た彼女の手には、指先がハサミでカットされたキッチン用のビニール手袋と、細かく砕いた氷と薄地のタオルが・・・。
彼女は更に5分ほどかけ、私の掌を冷たすぎない様にタオルでくるんだ氷で覆い、その上から必死に(その位大変でしたよ!)手袋をしてくれたのです。
シンディーと言う名の彼女の優しさで私の傷は痛みも忘れ、そこからは私の右手も左手を氷嚢で冷やす役目から解放され、シンディーがくれた『お箸』でゆっくりと食事を楽しむ事が出来ました。
又その食事の途中にも「これで少し楽になると思うから」と大きな厚地のタオルを丸めて、私の左手の下に・・・。
そして食事が終わりそうになった頃、シンディーはカウンターの中に入り一生懸命氷を砕き、ビニール袋に入れて来て「これ持って帰ってネ」と差し出してくれたのでした。
なんとその間ずーとお店は大混雑でしたが、空き待ちのお客様の対応やらレジやら片付けやらをスピーディーにこなしながらの、普通では考えられないシンディーのこの優しさに溢れる心配りでした。
これまで私はサービス業は日本が一番、日本人が一番なんて勝手に思い込んでいたのですが、それが大きな思い上がりであったと、この素敵な出会いから気付く事が出来たのです。
確かに日本のマニュアル通りのサービスの右に出る国は無いと思いますが、ただ本物のサービスは個々の思いやりの心から生まれてくるものなのだと、今更ながら痛感させられました。
今回のこの出来事を通じ大きな事を学んだ気がします。
今一度自分自身を見つめ直し、常に本物のサービスを提供出来る様に、精一杯努めていきたいと強く思いました。
<今週の所長のオススメ図書(TOPPOINTから)>
=戦略を、実行できる組織、実行できない組織=(クリス・マチェズニー他著)
リーダー共通の悩み。それは、戦略を“実行”することの難しさだ。戦略が明確で、リーダーが推し進めても、達成は容易ではない。なぜか。最大の原因は「日常業務」だ。日々の業務が忙しいため、新たな戦略にメンバーの目が向かない。本書は、日常業務という、この手ごわい敵と付き合いつつ戦略を実行するための原則、「実行の4つの規律」について解説する。
所長