思いやる気持ち
担当のR.Tです。
今年は関東の水がめといわれるダムで水不足が続いているようで心配です。
6月に20%の取水制限をするのは1987年以来29年ぶりだと、聞けば深刻な事態だと気付かされます。
そこで、雨つながりの話題で最近のコラムでご紹介したいものがあります。6/26付の「〇声人語」にて。
そこでは、ある女子高が10年前から続けた傘の無料貸し出し活動「愛の傘」について書かれてありました。この一言を読むと、何だか心がほんわかするのですが。。。
それは、突然の雨でずぶぬれになったお年寄りを見た生徒の声から始まったもので、生徒会のボランティア委員会が駅などに200本を置いたそうです。「お戻し下さい」と明記したそうですが、1ヶ月後には9割が戻らず、生徒たちを落胆させました。その後も、慈善団体から支援を受けて補充し、返却先を記したメモを目立つ色に変えたり、ポスターを貼るなど、努力を重ねるも、返却率は上がらなかったといいます。
そして、とうとう、費用もかさみ、「愛の傘」は累計1,100本に達し、10年を区切りに幕を下ろすことになりました。
これを読んで私は、何ともやるせない気持ちになりました。
人の優しさがマナーの悪さや非常識に負けてしまった気がして。とはいいつつ、自分の日ごろの行動はどうなのか、と胸に手を当てると、ちょっと痛いところを突かれていたりもして。
このコラムはこう締めくくっています。
「思えば傘は気の毒な道具である。しばしば持ち主に忘れられ、しばしば他人に持ち去られる」と。
誰しも、自分の傘を忘れたことも、また、誰かに取られた経験もあるでしょう。
傘を忘れたとき、誰かが取っておいて下ったり、届けて下さったり、そんなちょっとしたことで、人はとっても幸せな気持ちになります。
人を思いやる気持ちや人を信じる気持ちが、世の中から減らないように、私自身日ごろの行動で気をつけていきたいな、そう感じた梅雨のある日曜の朝でした。
もっと気持も明るくカラっとなる話題を提供したかったのですが、この複雑な気持ちを皆さんと共有したくて、ちょっとしんみりした話題となってしまいました。
夏までもう少し、気分先取りで毎日カラっと元気にいきましょうね!
<今週の担当R.Tのオススメ図書(TOPPOINTから)>
=Who Gets What=(アルビン・E・ロス 著)
世の中、自分が選ぶだけでなく、自分も選ばれる必要がある。例えば、就職先や進学する大学、結婚の相手もそうだ。このような、お互いの「選択」が必要な場で、どうすれば最適・効率的な「マッチング」(組み合わせ)が実現できるのか? 様々なマッチングをうまく機能させる方法を、ノーベル経済学賞受賞者が説く。
担当 R.T