父の味
昨日、また父が出張で東京にやってきました。
また。 と言ってしまうと、父と娘の冷たい関係。 が漂いますが・・・。
父は40年前に洋菓子店を起こし、それからひたすら洋菓子作りに励んでいます。
数年前に事業承継という大きな山を無事(?)乗越え、
新社長に代表を譲ったせいか、肩の荷が下り、相当軽くなったようで・・・
67歳の父は嬉しそうに、フワフワと毎月、東京・大阪・名古屋へとお菓子作りの研究会へと飛びまわっています。(以前に増して飛んでるご様子。)
お菓子作りにはゴールはない! と、良い材料があれば改良し続ける父の姿は、 ステキだなぁ。
と、ついつい思ってしまいます。
(・・・娘が言うのも、ちょっと変ですが。)
味をチェックする事が多い私は、
『このお菓子は、う~ん、イマイチ。』 と遠慮なく言い、シュンとする父。
ふと、最近思うのは 『美味しい。』 と、私は何を根拠にしているのだろうかと。
それは、父らしい味。 優しい、まぁるい味。
に近づいた時のような気がします。
父は、えぇ~ と思う程、風変りな性格ではありますが、その反面、とても優しい人でもあります。 そんな父の性格が優しい味に繋がっているのかもしれません。
(ちょっと、褒め過ぎてしまった感がありますが。)
父と私の仕事は全く違いますが、
美味しいものをお客様に!
嬉しそうに食べて頂くお客様の顔が見たい!
と、何歳になっても日々研究し続ける父の姿を見習っていきたいと思っています。
ただ、東京に来る回数が増え、地響きするイビキを聞く度、幸せそうに寝ている父の鼻を尊敬の念を大きく超えて・・
ついついギュ~っとつまみたくなる私です。
担当 T