上京
先週末、2年ぶりに母が上京しました。 最近の私の生活ぶりを見たい。と宣言したものの、一月前から上京する、しないで二転三転。 少女(ほぼ60歳。)のように迷い、一大決心で新幹線を乗継いできました。 今まで誰かにくっついて来ていたので、一人での上京はかなりの危険と緊張に包まれていたようです。
『乗換えは一回。 一斉に皆同じ方向に乗り換えるので迷う方が困難!』と、一月前から耳鳴りするほど伝えたのですが、東京駅に着いた頃には迷子になった少女のようでした。 田舎の駅を出た時点、東京に行きそうな優しい方を見つけ、自分を東京駅まで連れて行ってくれるよう頼んだそうです・・。
1泊2日の短い滞在でしたが、新しくできた東京ミッドタウンや美術館へ行き、キレイな夜景を見ながらの食事にとても満足していた様です。
歳を重ねた母は一層天然っぷりを増し、異国の地・東京で見事な天然の花を咲かせていました。 自分ももちろん歳を重ねているので、無邪気な母を見て可愛いなぁ。と、思ってしまうほどでした。
あっと言う間に別れの時、新幹線の座席まで見送りました。 感極まった母は、発車後、涙・涙で片方のコンタクトがズレてしまい、その場で直せば良いものの、再度一人旅、危険と緊張の渦中により紛失することを恐れたようです。そのまま3時間、ズレっぱなしで帰宅しました。
かなりの近眼の母、片方の目はとてもぼんやりしていたと思われます。 その状況でちゃんと新幹線から乗継ぎできた少女は、一歩大人になったのかもしれません・・。
『また、東京に天然の花を咲かせに来てね。 お母さん!』
担当 T