港区 税理士法人 大沢会計
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2018年4月

2018/04/30

H30.4.27

相互持合株式の評価

 
相互持合株式の評価計算の目的
 相互持合株式の評価についての解説は、最寄りのものとしては、TabisLandで検索すると出てきます。
 相互持合いすることにより、持合相手の会社の発行株式の一部を取り込み、また相手も、当会社の発行株式の一部を取込むという関係になり、株式評価の総額は重複評価部分を含んで、累増した見掛けの評価になります。
 その見掛け評価部分を排除するための計算方法が、冒頭のネット公開情報です。

評価計算をエクセルで実行
 評価計算は、連立方程式を解く方法で行う、というのが冒頭の解説ですが、エクセルを使う場合は、
 1. 解いた連立算式をExcelに入力する
 2. Excelで逆行列数学計算をする
 3. Excelで循環参照となる式を作り、反復強制計算する
という方法があります。
 連立方程式は、2元から3元、4元と変数が増えるほど、解く手間は、幾何級数的に増大します。解を得るだけだったら、Excelの MINVERSE、MMULT関数を使った逆行列計算を利用する方が簡単です。さらに連立方程式そのものを解かずにExcelに循環参照となるままの連立方程式を入力して、反復強制計算をさせてしまえば、もっと簡単で、答えはあっさりと出てきます。

相互持合株式評価の解からの判明
 全部純資産価額評価方式 ( L の割合がゼロの時 )の場合で傾向をみると、
 1.相互持合の進行は評価額に価額の重複計算を伴うので評価総額が累増する。
 2.しかし、相互持合の進行は評価額に対する旧株主の持分を減少させる。
 3.累増した評価額に、減少した持分を乗ずると、元の価額に戻る。
 4.従って、株式の相互持合いは、旧株主の株式価値を損なわない。
 5.相互持合比率の合計が70%なら、旧株主の持分は30%、99%なら1%となる。
 類似業種比準価額方式( L の割合がゼロでなく、特定評価会社に該当しない時 )が適用になると前期決算確定データに依存しているので、評価は期中の変動に鈍感になり、旧株主の持分減少との関係が跛行的になります。

H30.4.26

目標と管理者の見識

 組織目標を設定する際、そこには管理者の意思が端的に表明されます。
 営業部門の場合で言えば、「適正な予算設定」が目標管理の「適正な組織目標設定」と同義で、管理者が市場環境と自社の販売ポテンシャルを的確に評価、判断する高い見識に基づいて設定されます、そのような予算・目標の実績との差異は、極めて小さく、経営貢献度が高いものとなります。

控え目な目標設定の問題と原因
 組織目標の設定は、管理者にとって「トップから与えられたノルマ」と映りがちで、また、達成度によって組織業績が評価されます。
 そこには管理者に「達成度が高く評価されるには、組織目標(予算)を控えめに設定する方が、得である」と言う意識が生まれる素地があります。
 このような管理者の意識は、一般社員の目標設定に伝搬し、組織業績低迷の原因となります。

組織目標のあるべき姿
 組織目標は過去の実績に比べて高く、ストレッチ(努力してようやく手が届く)な水準に設定し、その裏付けとして、市場環境の的確な分析と販売ポテンシャルに関する評価と自信がなければなりません。
そのような目標は、実績との一致度が高くなり、同時に経営貢献度も高いものとなります。

経営者・管理者の留意点
 トップは「組織目標(予算)の達成度が高い」ことを、「未達」の時以上に警戒しなければなりません。
 そこに、「恣意的に設定された控え目な目標・表面的な高い業績評価を追い求める管理者の意識」が存在する可能性があるからです。
 トップと管理者は、そのような意識を排除し、組織目標(予算)を建設的行動の指標と考える高い見識を持たなければなりません。
 見識を高める裏付けとなるのは、次のような自らの実践的努力を通じた経営貢献度を高める組織風土の醸成にほかなりません。
・目標管理制度の運用(目標設定・目標達成努力・目標達成度と経営貢献度評価)を通じた組織別・組織間の目標達成努力。
・それらに関する真摯な反省と問題認識、トップ・管理者による改革・改善。

H30.4.25

役員報酬は手取額で

士業に多かった手取額契約
 昭和の時代では、税理士等士業への顧問料支払いの契約が手取額で定められ、手取額を10%の源泉税控除後の手取率で逆算して、手取額50,000円であれば〈50,000円÷0.9=55,555円〉を顧問料額とするケースが多く見受けられました。しかし、平成になり、消費税が導入され、消費税計算とこの手取額逆算とが馴染みにくかったことから、手取額契約は急速に姿を消して行きました。

給与手取額は懲罰的みなし契約
 源泉徴収を無視して給与を支払っているものに対しての、取り締まり的通達も昔からあり、手取りから税込総額を逆算し、その額による給与契約と解して源泉徴収税額を算定すると、しています。最近はあまり見かけなくなっています。

定期同額は手取額判定の新推進策
 ところが、平成29年改正で、定期同額給与の範囲に、支給総額の同額だけではなく、手取額の同額も含まれることとされました。
 手取額とは、法令規定によると、源泉所得税、特別徴収住民税、給与から控除される健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・厚生年金基金保険料などの社会保険料を控除した金額となっています。
 役員報酬の世界での、手取額契約推進の新制度が出現したと言えます。

何遍もの役員報酬額の収束計算が必要
 手取額に先の諸控除額を加算した金額が役員報酬の額となります。
 社会保険料額の変更は役員報酬額の変更になりますが、課税給与の額は変動しないので、税額計算に影響しません。でも、特別徴収住民税については、その変動の都度、課税給与の総額が変わるので、それに応じて源泉所得税の額も変わります。源泉所得税の額が変わると再び課税給与が変わります。従って、源泉税率表の変更も課税給与額変動の原因になります。年末調整で追徴や還付があっても、同じです。こういう事実発生の都度、給与総額及び源泉所得税を確定させる反復計算を繰り返し、値を収束させる作業が必要になります。
 また、年調対象額を超える高額給与の人は、確定申告をしますが、そこでの納付や還付の額については、どう考えるべきか、細かな取扱いはまだ未定のようです。

H30.4.24

株式保有特定会社と
株式相互持合会社の評価計算

株式保有特定会社通達を変えた判決
 取引相場のない株式の発行会社の資産構成が株式の割合50%以上だと、株式保有特定会社とされ、類似業種比準価額方式の適用不可、純資産価額方式のみの評価とされています。
 なお、平成25年前においては、株式保有割合25%以上が株式保有特定会社とされていましたが、東京高裁平成25年2月28日判決において、平成9年の独占禁止法改正後、上場会社における株式保有状況が大きく変化し、平成15年度の上場会社の株式保有割合25%を偏差値で示すと58.1となり、上場会社の中で全体の15%に相当する会社において株式保有割合が25%以上となっているとし、株式保有割合25%という数値は、もはや資産構成の著しい偏りと評価できない、と判示されました。これを承けて50%以上と改正されました。

相互持合い株式の評価計算
 この高裁前の、審判所での裁決、地裁での判決をみると、係争事案は株式相互持合会社の評価に係るものであった為、相互持合いの場合の純資産価額方式の計算の仕方を、当局側見解として披瀝しています。
 A社とB社の相互持合いで、①A社が所有するB社の株式の評価額(X)は、B社の純資産価額(b+Y)に持株割合(α)を乗じたものとなる
 X=α(b+Y)
②B社が所有するA社の株式の評価額(Y)は、A社の純資産価額(a+X)に持株割合(β)を乗じたものとなる
 Y=β(a+X)
 このXとYの2つの算式は、αやβ、aやbが実数なので、2元一次連立方程式として解くことが出来る、としています。これと同じ解説は、大阪国税局WAN質疑応答事例として公表の事例番号1559に収録されており、そこには、AB共に純資産価額評価の場合、片方が類似評価併用方式の場合、両方が類似評価併用方式の場合が示されています。算式は、どんどん複雑になっており、これが、2社ではなく沢山の会社の相互持合いだったら、その数倍又はその倍数倍の連立方程式になるので、手計算で解くのは困難です。
 ただし、併用でない類似業種比準価格評価の場合には、株式の相互持合いは計算要素に入って来ないので、連立方程式とは無縁で済みます。

H30.4.23

数次相続での免税措置

相続登記をするなら今がチャンス!?
 相続が発生した場合、新しい所有者へ所有権を移転させる相続登記を行う必要がありますが、この登記がされないことで、所有者不明の不動産が増加する事態が深刻になっています。中には、相続が発生した親の不動産について、相続登記がされないまま子も亡くなってしまうような、いわゆる数次相続が発生することもあり、なかなか相続登記が進まないという例も少なくありません。
 平成30年度の税制改正では、このような相続による土地所有権の移転登記に関する登録免許税の免税措置が設けられています。この免税措置により、個人が相続で土地を取得したにもかかわらず、その土地について所有権の移転登記をしないまま死亡してしまった場合、その個人を土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については、登録免許税を課さないこととなりました。

1次相続での登録免許税が免税に
 たとえばAさんが所有している土地Xについて、Aさんが亡くなり、Bさんが土地Xを取得したとします。このとき、Bさん名義に所有権を移転する相続登記をしないまま、Bさんも亡くなってしまうと、その後Bさんから土地Xを相続するCさんは、AさんからBさんへの相続登記(1次相続)と、BさんからCさんへの相続登記(2次相続)を行うことになります(ただし、一部例外有)。今回の免税措置は、この例でいうAさんからBさんへの相続登記(1次相続)の登記申請について、登録免許税を免除するというものです。

免税措置は平成33年3月31日まで
 この免税は平成33年3月31日までの時限措置です。本来は登記申請の際、土地の固定資産税評価額に対して0.4%の税率がかかりますが、平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間は免税となります。
 相続は重なると相続人が多数になり、手続きが一層煩雑になります。未了の相続登記がある場合は、この機会に整理してみてはいかがでしょうか。

H29.4.20
事業年度報告あれこれ

税務署への決算申告だけではない?
 あっという間に3月が過ぎ、決算月を終えた会社も多いことと思います。決算月から申告までの期間は何かと慌ただしいものですが、事業年度の終了後に行うべきものは、税務署への決算申告だけに限りません。

許認可を管轄する官公庁にも忘れずに
 事業を行うにあたり許認可を取得している場合、その種類によっては事業年度終了後に許認可を管轄する官公庁へ報告を行う義務があるものも存在します。
 たとえば建設業許可を取得している事業者であれば、事業年度終了後4か月以内に許可を申請した行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)に対し、決算に関する変更届を提出しなくてはなりません。これは税務署への決算報告とは全く別のものであり、この行政庁への決算報告が行われていないと、建設業許可の更新時に支障をきたす場合もあります。
 このほかにも、労働者派遣事業であれば事業年度終了後3か月以内に収支報告等を、運送事業であれば事業年度終了後100日以内に事業報告を行うなど、許認可によって様々です。

法人形態によっても様々
 また、法人形態によって報告義務が課せられる場合もあります。NPO法人(特定非営利活動法人)がその一例です。NPO法人は、事業年度終了後3か月以内に前事業年度の事業報告を所轄庁に対して行うことと定められています。この報告を3年以上未提出にした法人に対しては、特定非営利活動促進法に基づき設立認証の取消ができることになっており、これによって認証取り消しとなる事例が少なからずあります。法人存続にかかわる重大な問題です。

決算後には報告義務の再確認を
 税務署への決算申告は忘れずに行っていても、このように許認可や法人形態により別途課された報告義務については、つい忘れてしまいがちです。しかしながら、先述のように報告義務を怠ることで事業の継続が困難になる場合もあり、決して軽んじることはできません。
 事業年度終了後は、税務署への決算申告以外にも報告義務がないかどうか、一度おさらいしてみてはいかがでしょうか。

H29.4.19
H30税制改正「小規模宅地等の特例」
「家なき子」「貸付事業用宅地等」の見直し

 平成30年4月より小規模宅地等の特例改正
 相続税制の中でも注目度の高いものに「小規模宅地等の特例」があります。
この制度は、被相続人等の居住用・事業用の宅地が相続人や生計一親族の生活の基盤となっていることに配慮し、一定の要件の下、これらの宅地等の課税価格を80%(貸付の場合50%)減額するというもの。上手に利用すればインパクトは大きく、「第2の基礎控除」と呼ばれることもあります。
 近年、政策目的に沿わない事例が散見されるため、平成30年4月以後の相続から「厳格化」の方向での改正が入りました。

(改正1)「家なき子」規定の見直し
 一つ目の改正点は、いわゆる「家なき子」規定の見直しです。この特例は、もともと相続人等の居住の継続や事業の継続に配慮したものですが、持ち家を持たない親族でも戻る家として実家を確保しておいてあげようという趣旨から、①被相続人に配偶者・同居の法定相続人がいないこと(親の一人暮らし)、②別居親族が相続開始前3年以内に自己又はその配偶者の持ち家に居住していないこと(3年間持ち家なし)等を要件に特定居住用宅地等として80%減額を認めています。この場合、持ち家を持っている相続人が、持ち家を親族に売却し特例の適用が可能な相続人を意図的に作り出すことも考えられました。そこで、次の者は適用対象者から除かれることとなりました。

1.相続開始前3年以内に、3親等以内親族又は特別の関係のある法人が有する国内家屋に居住したことがある者
2.相続開始時において居住の用に供していた家屋を、過去に所有していたことがある者

(改正2)貸付事業用宅地等の要件厳格化
 二つ目は、貸付事業用宅地等の適用要件の見直しです。相続対策として、手許の現金でタワーマンションなど評価額と流通価額の差が大きな物件を購入。その後貸付を行い、相続時に敷地について50%減額を適用。節税メリットを得てから、売却するという手法が考えられましたが、改正後は次表のようになります。

相続開始前3年超貸付事業 適用あり
(事業的規模)

上記以外
3年超貸付 適用あり
3年以内貸付 適用なし

この改正は、平成30年3月末以前から貸付けられている宅地には、適用されません。

H30.4.18

システムマインド

“アポロ計画”は、2万の企業・17万人の人、718万個の部品が動員され、99.999%の信頼性を獲得して人類の月面着陸・地球への帰還を果たした“システムの勝利である”と言われ、今日のIT・通信技術をはじめ、多くの科学技術の発展に貢献しました。

“アポロ”と“経営”
“アポロ”は、全体と部分をシステムによって見事に調和させて成果を上げましたが、それは“経営システム”に通じます。
“アポロ”は、計画全体をマネージする精緻なシステム、タテヨコに並んだ無数のサブシステムとそれらをつなぐ結節点でトータルシステムを形成し、連動させて、機能を発揮させ、成果を上げましたが、それは、企業の経営システムにおいても求められており、目標管理は、その代表的システムと言えます。

目標管理のシステムズアプローチ
目標管理では、図のように中期・短期の経営目標から、組織目標・プロジェクトチーム目標・個人目標へとカスケードダウン(段階的順次細分化)して目標設定を行いますが、それら全体が調和・整合すると同時に、特に部門間プロジェクトチーム目標は、システム全体の結節点の役割を果たして、経営全体を統合するシステムズアプローチのキーポイントとなっております。

[目標管理のシステムアプローチ]

中期・短期経営目標
 ↓      ↓
部門目標—-部門目標
↓ ↓     ↓
↓ プロジェクト目標—-
↓ ↓
個人目標—————

 さらに、このシステムズアプローチは、目標達成プロセスと目標達成度・経営貢献度評価のステップでも機能しなくてはなりません。

経営者・管理者の留意点
経営者・管理者はシステムマインドを重視して、身に付け、部門間の壁を破るマネジメントを行わなければなりません。特に、目標設定・目標達成プロセスでは、部門間の壁が生じやすく、自部門にとって不利であっても、全体にとって利益になるなら進んでその案を支持し、全体最適の統合に貢献するシステムマインドを発揮しましょう。

H30.4.17

教育訓練給付金の拡充

教育訓練給付金はスキルアップの為の制度
 教育訓練給付金は雇用保険に加入している働く人が職業能力を高める費用の一部を補填される制度です。資格講座や専門学校の費用として受給できるものですが、いくらくらい支給されるのでしょうか。
 教育訓練給付金は語学やパソコンなど幅広い講座が対象の「一般教育訓練給付金」と看護師、社会福祉士等専門的な資格を目指す「専門実践教育訓練給付金」とがあります。専門実践教育訓練給付金は2018年1月から給付が10%上がり、費用の50%、年間40万円まで受給できるようになりました。支給期間は最長3年で、一旦自分で立替え、半年ごとに受け取ります。専門資格を取得すると費用の20%が上乗せされます。年間56万円が上限です。退職し、昼間の専門学校に通う45歳未満の方は雇用保険の基本手当が終了した後に受け取れる「教育訓練支援給付金」も50%から80%にアップされました。また、一般教育訓練給付金の給付率は費用の20%、10万円が上限で、受講終了日の翌日から1カ月以内にハローワークに申請します。

主婦や高齢者にも幅広く対象に
 65歳以上の高年齢者は2017年1月より現役世代と同じ教育訓練給付金の対象者となっています。所定労働時間が週20時間以上で31日以上雇用される見込みがあれば雇用保険に入る事ができるようになったからです。同じ会社で継続雇用され65歳になった人も65歳以上で再就職をした人も対象になります。
また、2018年1月からは出産、育児、病気療養で雇用保険の受給延長をしていた人の延長期間は最長4年であったものが20年に延長されました。教育訓練給付金を受けられる人が会社を辞めて1年の間に妊娠、出産、育児で教育訓練が受けられず、その子供が現在18歳未満である時には受けられるようになりました。ですから極端に言うと1998年に退職した人も条件が合えば対象となるかもしれません。

給付金受給の手続き
 始めて給付金を受ける時には雇用保険の加入期間が専門実践教育訓練給付金は2年以上、一般教育訓練給付金は1年以上必要です。今働いているか、退職後1年以内の人が受給できます。2回目以降は加入期間が3年以上必要で申請にはハローワークに被保険者証を持参しましょう。

H30.4.16

10年限定で大幅な要件緩和措置 事業承継税制の特例

10年限定の「事業承継税制の特例」創設
 資産税における平成30年改正の目玉は、事業承継税制(非上場株式等の相続税・贈与税の納税猶予)の大幅な見直しです。
 中小企業経営者の高齢化が進んでおり、70歳(平均引退年齢)を超える経営者は、今後10年間で245万人以上になります。それにもかかわらず半数以上が事業承継を終えていない状況です。
 今回の改正では、10年間の期間限定で新たに「事業承継税制の特例」が設けられ、従来の制度においてネックとなっていた部分が大きく見直されています。

(改正1)対象株数・猶予割合の拡大

現行法(原則)
対象株式数 2/3まで
猶予割合 贈与100% 相続80%

特例
対象株式数 すべて
猶予割合 贈与100% 相続100%
 
現行法(原則)では、適用対象株式数の上限が議決権株式総数の2/3に達する部分まで、納税猶予割合が贈与税100%(相続税80%)であったため、実際に納税猶予される部分は、贈与税2/3×100%=約66%、相続税2/3×80%=約53%でしたが、特例では、100%が猶予となり、事業承継時の納税負担はゼロとなります。

(改正2)特例対象者の拡大

現行法(原則)
対象者 1人の先代経営者から1人の後継者へ

特例
対象者 親族外を含む複数の株主から代表者である後継者(最大3人)
 
従来の制度では、1人の先代経営者から1人後継者への贈与・相続のみが納税猶予の対象でしたが、特例では複数人の事業承継を認められ、実情に応じた多様な事業承継が可能となりました。

(その他)
 その他にも次の点が見直されています。

1.雇用確保要件の実質撤廃(認定経営革新等支援機関の助言・関与)
2.20歳以上の特例経営承継受贈者への相続税時精算課税の適用
(親族外でも精算課税の適用あり)
3.経営環境の変化に応じた納税猶予額の減免(赤字・売上減のため譲渡・合併・解散をして打ち切られた場合には、株価再計算をした上で、一部税額を減免)

なお、この特例は、認定経営革新等支援機関の助言等を受けて作成した特例承継計画の下、進められるものが対象となります。。

H30.4.13

官報の遡及日付け

法律を発効させる手続き
 内閣法制局のホームページには、法律案は、衆議院及び参議院の両議院で可決したとき法律として成立するが、その後、議院の議長から内閣を経由して天皇に奏上され、法律に御名御璽を得、次に法律に法律番号が付けられ、主任の国務大臣と内閣総理大臣の連署がされ、そうしてから、法律の公布の為の要件が揃ったことを確認する閣議決定を経て、官報に掲載されることにより、法律が法律として発効する手続きが完了することになる、と解説されています。

今年の改正税法の公布はいつ行われた?
法律が現実に発効し、作用するためには、この公布が絶対に必要です。法律の公布がなければ、法律の効力を現実的に発動し、作用することになる「施行」はできません。
ところで、平成30年度の改正税法の公布はいつ行われたのでしょうか。
国立印刷局のホームページに「インターネット版官報」があります。そこには、官報は、行政機関の休日を除き毎日発行している旨記載されており、3月30日(金)には、国会事項のところに、改正税法は28日に可決し天皇に奏上している旨の記載があるだけで、改正税法そのものの掲載はありませんでした。3月30日の掲載には間に合わなかったようです。
3月31日は土曜日です。4月1日は日曜日です。4月1日午前零時から施行するにはその前日に公布されていなければなりません。

「公布」とは、発行日の意味
「公布」は、成立した法律を国民が知ることのできる状態に置くことをいい、最高裁判例は、官報販売所にて国民が読むことが可能な態勢になった時が公布の時だと、判示しているところです。
官報販売所は土日は開かれていません。インターネット官報にて、改正税法を掲載した官報を読むことができるようにすることで、この「公布」と解してもよいのかも、と思い「公布」のタイミングを追いかけてみました。そうしたら、3月31日には、その「公布」はなく、4月1日にもありませんでした。目にすることが出来たのは、4月2日の午前零時を過ぎ、4月2日になってからでした。
その上、その日付は3月31日でした。
官報発行日の遡及日付けでした。かつてから、こういうことがあったのでしょうか。

H30.4.12

平成30年度のキャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金の拡充・新規内容
 キャリアアップ助成金は、非正規労働者の方の企業内でのキャリアアップを促進する為、正社員化等の取り組みを実施した事業主に対して助成金が支給される制度です。

正社員化コース(拡充)……有期契約労働者等を正規雇用労働者に転換又は直接雇用した場合に助成されます。1年度1事業所当たりの支給申請人数の上限が15人から20人までになりました。追加要件として正規雇用等へ転換した際、転換前の6カ月と転換後の6カ月の賃金(賞与、通勤手当、時間外勤務手当、歩合給等は除く)を比較して5%以上増額している事が条件となります。また、有期契約労働者から転換の場合、対象労働者が転換前に同じ事業主に雇用されていた期間は3年以下に限ります。
1人当たり57万円(生産性要件を満たした時72万円) の支給額変更はありません。

人材育成コース(整理統合)……有期契約労働者等に一般職業訓練又は有期実習型訓練を実施した時に支給されます。このコースは人材開発支援助成金に統合されます。但し、平成30年3月31日までに訓練計画書の提出がなされている場合は従来の人材育成コースで支給申請できます。

賃金規定等共通化コース(新規)……有期契約労働者等に正規雇用労働者と共通の賃金規定等を新たに規定、適用した場合に助成されます。この制度は助成額加算措置が新たに加えられました。1人2万円が上乗せされ生産性要件を満たした時は2万4,000円が上乗せされます。上限は20人までです。

諸手当制度共通化コース(新規)……有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、適用した場合に助成されます。人数に応じた加算措置が加えられ2人目以降に適用、中小企業では1人当たり1万5,000円、生産性要件を満たした時1万8,000円、上限人数は20人までです。
また、共通化した諸手当の数に応じて2つ目以降手当1つ当たり16万円、生産性要件を満たした時は19万2,000円です。
 既にキャリアアップ計画を提出していて当初の計画と異なるコースを利用するには事前に計画変更届を提出してください。

H30.4.11

新企業会計基準を踏まえた改正
法人税法22条の2が創設されましたが…

平成30年改正で法人税法「22条の2」創設
 税理士に「法人税法の中で一番大切な条文は何条?」と聞けば、「22条(各事業年度の所得の金額の計算)」と答える者が圧倒的でしょう。所得の金額をどのように求めるかという原点となる規定です。平成30年税制改正では、この条文の次に「22条の2」が追加されます。これは企業会計において国際会計基準の動向を踏まえて収益認識に係る会計基準が適用されることから、法人税についても「収益認識の金額」「計上時期」の一般的な取扱いを法令上明確にするという趣旨で設けられた収益認識の規定です(この改正にあわせ、返品調整引当金、長期割賦販売等に係る延払基準も順次廃止)。

法人税法「22条」の重要度は後退するか?
 この条文が追加されても、現行法の考え方が変わった訳ではないので、「22条」の重要性はさほど変わらないと思います。「旺文社事件」という有名な税務訴訟がありますが、これも「22条」が争点の一つとなっています。簡単にいうと、100%親子関係のある会社の子会社が著しく低い価額で第三者割当増資を行ったのですが、親会社の有する子会社株式の株価が希薄化し、新株主に経済的価値が移転するので、旧親会社側で「寄附金/収益」で認識されるとして、当局が課税した事案です。
 この第三者割当増資が「22条の取引にあたるのか」という点が争われました。22条の収益の額とは、「資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のもの」とされています。
 第一審では、増資をめぐる法律行為は「子会社と新株主」間の行為であり、「(旧)親会社と新株主」との間の法律行為(取引)はないので、22条の「取引」に当たらないものとされましたが、最高裁では、旧親会社が増資会社を完全支配してグループ経営しているという特殊性から「無償の取引」に当たると判示しました。

ポイントは「未実現の利得は課税しない」
 「取引」という文言を、私法上の法律行為と考えるのか、会計上の取引(資産・負債・資本の増減原因となる事象)と考えるのかという議論もありますが、最高裁判示はそもそも「未実現の利得を課税対象から除外する」という収益認識の大前提から外れているという指摘もあります。収益概念が整理されても、ポイントはそこ。22条から考えないとダメということでしょうかね。

H30.4.10

法定相続情報証明制度とは

「カスケードダウン」とは、“滝が急降下”する様子を意味していますが、目標管理制度では、「経営戦略・経営計画目標」から「組織・個人目標」を設定する場合、段階的に順次細分化することを指します。
 目標管理制度を業績管理のために実施すると経営者が意思決定したからには、会社全体の目標と組織目標・個人目標が整合しなければなりませんから、的確なカスケードダウンによる目標設定は必要不可欠となります。

カスケードダウンの方法
 実際にカスケードダウンを実施するには経営計画目標が定量的(指標・数値で示されている)か、定性的目標か、によってやり方が異なります。一般的には次の通りです。

経営目標の性質区分      カスケードダウンの原則                      留意点
定量的(数値的)目標     組織の大きさ、個人の担当業務サイズ             組織目標・個人目標の合計値が、
                   に合わせて数値を細分化                     上位目標の100%以上であること
定性的目標            定性的目標を部課・個人の                  定性目標を代表する指標・数値を探し、
                   役割に応じて受け止め、目標設定                  可能な限り数値化(下記参照)

 例えば「目標管理制度における目標設定は挑戦的に行う」と言う経営者の定性的目標が示された場合、「挑戦的であることを示す代表的指標」を「目標設定の際のチャレンジ度の設定状況」とし、「S~Aランク目標30%以上」を部・課の組織目標とする等、目標設定方法を工夫することが重要です。

経営者・管理者の留意点
 トップは、目標設定会議などを主宰し、カスケードダウンの目的を徹底するとともに、組織目標が出揃った際 経営計画目標と整合していることを管理者間で確認し合いましょう。また、これは部・課単位でも管理者が中心となって実施しましょう。それは、目標達成基準を明確化できるとともに、目標達成時に公正性・納得性を持った貢献度評価を行う必要条件となるからです。

H30.4.9

働き方改革の取り組み方

所有者不明の不動産が増加中
 近年、相続が発生しても新しい所有者へ所有権を移転させる相続登記が行われず、所有者不明の不動産が増加していることが社会問題になっています。この問題を解消するため、様々な取り組みが検討されていますが、昨年から始まった「法定相続情報証明制度」もそのひとつです。

法定相続情報証明制度とは
 被相続人が死亡し相続が発生した場合の手続きは、相続登記だけに限りません。金融機関における預貯金・有価証券の名義変更や払戻手続き、保険請求手続きなど、相続にまつわる手続きは様々です。これらの各種手続きを行うためには、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本など、相続関係を証明する資料一式を、手続きの都度原本で提出しなければならず、相続人にとって大きな負担になっていました。
 こうした負担を軽減し、相続登記を促進しようと始まったのが「法定相続情報証明制度」です。相続人が法務局に相続関係を証明する戸籍謄本や必要書類とともに、相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を提出すると、以降は、法務局がこの図の写しを戸籍上の法定相続人の証明書として発行してくれるというものです。この証明書を各種相続手続きに利用することにより、相続人や金融機関等の負担軽減につながることが期待されます。

今後さらなる改善の見込み
 しかしながらこの証明書、現状は被相続人の子について、実子・養子の別や続柄については基本的に記載せず「子」としてのみ表示されている点など、情報量の不足も指摘されており、現在、記載内容等の見直しが進められています。既に法務省による意見募集が終了しており、今後さらなる改善が見込まれています。
 戸籍謄本など相続関係を証明する資料一式が必要な相続手続きを、複数の機関で行う場合に、できるだけ費用をかけず、かつできるだけ短期間で行えるのがこの制度のメリットです。制度を有効活用し、相続手続きの負担をできるだけ最小限にとどめたいですね。

H30.4.6

ビザ更新中の注意点

ビザは原則更新が必要
 外国人の方が日本に滞在するために必要な資格、いわゆる「ビザ」には、一部の種類を除いて有効期間(在留期間)が設けられています。1年から5年程度の期間が多く、滞在の継続を希望する場合は、在留期間満了前に、ビザの更新を行わなくてはなりません。更新の申請はおおむね在留期間満了の3か月前から受け付けられますが、お仕事などがあると、平日にしか開庁していない入国管理局へ行く時間がなかなか取れないこともあります。ついつい期間満了の直前に更新、というのもあり得る話です。

審査中に在留期間を過ぎてしまったら
 ビザの更新には平均で数週間から1か月程度の審査期間を要します。更新の申請は受け付けられたものの、もしも審査を待っている間に在留期間を過ぎてしまった場合、どのように取り扱われるのでしょうか。この場合、特例として、審査が終了し結果が言い渡される日か、在留期間の満了日から2か月を経過する日のどちらか早い日まで、元のビザのまま日本に適法に滞在することができるとされています。たとえば、会社の外国人従業員がビザの更新を行ったものの、審査が期間満了日までに終了しないというケースであれば、満了日から最大2か月までは、元の就労ビザのまま勤務を継続することができるということです。

ビザ更新申請中の出国
 更新申請中であっても、再入国制度を利用して日本を出国、再入国することが可能です。これは審査中の特例を受けている期間であっても同様です。
 ただし、この2か月の特例期間は延長することができません。また、更新結果の受取は、外国人本人が日本にいるときでなければなりません。万が一、出国した状態で期間満了日から2か月を過ぎてしまうと、元のビザでは日本に戻ることができず、改めて新規の入国手続きを行うことになってしまいます。こうなると、新規の入国手続きが完了するまで再び就労することができず、会社にとって大きな損失となりかねません。ビザ更新の時期と海外出張や一時帰国などの予定が重なる場合は、出国期間と再来日の予定に十分注意する必要があります。

H30.4.5

領収証

 
「領収証」という変な歌があります。30年位前からあるようですが、何故かスナックのママさんに妙に受けています。
歌詞の内容の一部は下記のとおりですが、これが税務調査においては大変なことになります。

今夜は、お客のご接待
        
もらった白紙の領収証
やさしいオカミの思いやり
        
金額かいてはいけません
日付をいれてもいけません
        
白紙で下さい領収証
できれば下さい2~3枚
        
万の位にチョイト棒引けば
みごとにふえます領収証
ボールペンの色がちがいます
収入印紙もありません

白紙の領収証を渡してはダメ!
 製造業、建設業、卸売業等においては白紙の領収証は発行しないと思いますが、飲食店では、お客さんから「白紙の領収証を下さい。できれば2~3枚」と言われることがあります。これをサービスの一環だと思って気軽に渡すと、後でとんでもないことになります。

貰った会社では架空経費になります
 渡したお店では売上除外になることがあります。調査官が金額のおかしい領収証が沢山あるなと思ったら、即、反面調査で発行した店に行きます。当然、売上には載っていません。その結果、売上除外で修正申告を出して重加算税をかけられます。
同じように、領収証を貰って経費とした会社に調査が入り、これを資料せんとして取っておき、その後発行した店の調査で売上とぶつけると当然合いません。調査官は売上除外だと言います。店が「それは白紙の領収証の分だ」と言ってもまず通りません。領収証を白紙で渡すこと自体が、脱税の幇助となるからです。
白紙の領収証の発行にはくれぐれもご注意ください。

H30.4.4

健康保険を
業務上のけが等に使える時

業務上と業務外のけがの取り扱い
 労災保険は労働者の業務上のけがや病気の為の制度であり、経営者や役員は原則として労災保険の適用を受ける事はできません。但し特別加入と言う制度があり、経営者や役員も一般の労働者と同様に働いている場合に労災保険に加入できる途が開かれています。
 特別加入制度を利用するにはその事業所自体が労災保険の適用事業所でなければなりませんが、従業員がおらず親族だけで経営している様な事業所では特別加入もできない状態です。
 国民健康保険においては、業務上・業務外の区別はなく治療を行う事ができますが、健康保険は原則として業務外のけが、病気等の治療となります。業務上のけがは、労災保険を使用して治療を行う事となっています。

無保険状態回避の為の健保制度
 労働者もおらず、労災保険の適用も無い事業所では業務上のけがをしても、どの保険も使えないと言う事になってしまいます。
そこで平成25年に改正があり、健康保険の給付制限を見直して健康保険及び労災保険のいずれの給付も受けられない場合には、健康保険の給付が受けられる事になっています。
 原則役員の業務上の負傷について、業務上の災害については「使用者側の業務上負傷に対する補償は全額使用者の負担で行うべき」との考えから労使折半である健康保険から給付は行わないとしています。
 しかし、5人未満の被保険者しかいない適用事業所に所属する法人の代表者等において、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者については健康保険の給付の対象となっています。
 被保険者数が5人未満であって代表取締役や役員が業務上でけがをした場合、健康保険から受けられる保険給付はすべてが対象になります。

H30.4.3

国民年金保険料
学生納付特例と追納

学生納付特例制度
 所得の少ない学生が、国民年金被保険者の場合、保険料の納付を先送り(猶予)できる制度です。学生納付特例制度を利用していると病気やけがで障害が残った時に障害年金が受給できます。
 保険料の納付が先送りにできる制度と言っても将来において猶予期間に対する保険料を必ず納付しなければならないわけではないのですが、納付しなければ年金額には反映されません。将来の年金額には反映されないと知った上で後からこの期間の分の保険料を納めない人もいます。一方で将来受け取る年金を増やしたいと考えれば追納制度で保険料を納めます。
 また、猶予期間は将来の年金の受給資格期間には算入されます。

追納制度とは
 追納は保険料を免除されていた期間や保険料納付猶予制度を利用していた期間において後から保険料を納付する事ができる制度です。
 追納を希望する場合は、年金事務所で追納の申し込みをします。厚生労働大臣の承認を受け納付書が渡されますのでその納付書で支払います。追納については現在口座振替やクレジット支払いはありません。追納のできる期間は追納が承認された月の前10年以内の免除・猶予期間に限られています。例えば平成30年4月分の追納は平成40年4月までで、承認された期間の内、古い期間から納付しなければならない事になっています。追納は保険料の納付猶予を受けた翌年度から起算して3年度以降に保険料を納付する場合はその当時の保険料に加えて利子相当分も含めて納付します。追納する場合はその年度から猶予制度を利用した2年度以内に納付する方が良いでしょう。
 保険料を追納すると将来受け取る年金額が増え、追納した年の社会保険料の控除の対象にもなります。

H30.4.2

経営ビジョンの力

経営に活気をみなぎらせるために、トップ・経営幹部がなさねばならぬことは“ビジョンを明示し、目標を高く掲げること”によって、社員の心と行動を前向きに導くことです。
経営ビジョン・目標の示し方
ビジョン・目標の構造と示し方・内容を例示しますと次の図表の通りです。
[構造]
経営理念・ビジョン
          長期経営計画
部門中期ビジョン  中期経営計画 
          短期経営計画

  目標管理:目標設定

[内容]
経営理念・ビジョン 企業の存在意義・あるべき姿
長期経営計画 10年後に到達したい企業の姿・目標・計画
中期経営計画 3~5年後に到達したい企業の姿・目標・計画
短期経営計画 年度経営目標・計画

部門別 中期ビジョン 管理者が示す各部門の3~5年後のありたい姿・目標
年度別目標 目標管理制度に基づく組織目標・個人別目標
 経営理念・ビジョンに基づく中長期経営計画の内容は次の二つに大別されます。
① 企業自体のありたい姿・目標(ステークホルダーが納得し、支持する事業の成果・事業規模など)
② 従業員のための目標(事業の成果が賃金水準・労働時間の短縮・定年延長など、従業員の生活向上のためにどのように配分されるか)
 また、経営理念・ビジョンは、各部門の担当業務に即した「部門中期ビジョン」へブレークダウンされ、社員にとって、より身近な理解し易いビジョンとなります。

経営者・管理者の留意点
 経営理念・ビジョンを理解した従業員には、それを達成しようとする意思が働き、常に前向きな考え方・行動をとります。反対にビジョン・目標が示されていないか、抽象的な示し方で、従業員の理解・納得が得られていない場合には、その考え方・行動は保守的になることに留意して経営理念・ビジョンの明示と浸透を図りましょう。。